(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プロセスチャンバーと真空ポンプの間に設けられ、前記プロセスチャンバーから排出される排ガス内の反応副産物を取り込むための半導体工程における反応副産物取込装置であって、
流入した排ガスを収容・排出し、内壁には渦巻きを発生させる水平渦巻き板が設けられたハウジング110と、
前記ハウジングの上部を覆い、Oリングの保護及び反応副産物の取込に適した温度を維持するための冷却水流路が設けられた上板120と、
前記ハウジングの内部において上側に向けて所定の間隔を置いて設けられ、流入した排ガスの流路及び滞留時間を増やすように取込タワーカバー及びカバーシード板を備え、反応副産物を凝集させて取り込む内部取込タワー130と、
熱伝導板を備え、前記ハウジングに流入した排ガスを加熱して均等に行き渡らせるヒーター140と、
前記内部取込タワーの内部まで延在するように設けられることにより、流入した排ガスの流路及び滞留時間を増やすとともに、該排ガスをハウジング下側の下板のガス排出口から排出するエキステンション排出口150と、を含み、
前記内部取込タワー130は、
外枠を形成する取込タワーカバー131と、
前記取込タワーカバー131の各側面部材の周りに沿って所定の間隔を置いて複数設けられることにより、反応副産物を取り込むカバーシード板132と、
前記カバーシード板と交差するように横方向に設けられることにより、渦巻きを発生させる傾斜渦巻き板133と、を含むことを特徴とする半導体工程における反応副産物取込装置。
ハウジング上側の上板に、前記取込タワーカバーに取り付けられた前記カバーシード板の上部領域に対応する部分に冷却水流路122が設けられることにより、ハウジング内部の排ガスが冷却されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体工程における反応副産物取込装置。
前記熱伝導板は、ハウジング内で一方側に偏って設けられたヒーターから遠い他方側のスペースに向けて横方向に延在するように設けられることにより、前記内部取込タワーの上部側の排ガスを加熱することを特徴とする、請求項1に記載の半導体工程における反応副産物取込装置。
前記取込タワーカバー131は、下部の開いている箱状からなることにより、ガス流入口から流入した排ガスがハウジング下側の下板に形成されたガス排出口へ直ちに流れることを防ぐとともに、排ガスが下部開放部131aと各側面部材の下部に形成された複数の側面貫通孔131bとから内部のスペースへ流入することを特徴とする、請求項1に記載の半導体工程における反応副産物取込装置。
前記カバーシード板132の一側面には、所定角度の傾斜をもって切り開かれた傾斜溝132aが上下に多段形成され、該傾斜溝132aには前記傾斜渦巻き板133が挿入されることを特徴とする、請求項1に記載の半導体工程における反応副産物取込装置。
【背景技術】
【0002】
通常、半導体の製造工程は、大きく分けて、前工程(fabrication工程)と、後工程(assembly工程)からなり、前工程とは、各プロセスチャンバーの中で、ウエハー(wafer)の上に薄膜を蒸着させ、蒸着した薄膜に対し選択的にエッチングを行うプロセスを繰り返して、所定のパターンを加工することにより、いわゆる半導体チップを製造する工程をいい、一方で、後工程とは、該前工程において製造されたチップを個片化し、リードフレームに結合させることにより、完成品に仕上げる工程をいう。
【0003】
この際、前記ウエハーの上に薄膜を蒸着させる工程や、ウエハーの上に蒸着した薄膜に対しエッチングを行う工程は、ガス注入システムからプロセスチャンバー内へ、シラン(silane)や、アルシン(arsine)、塩化ホウ素、水素等の前駆体と、反応ガスが注入されて高温で行われ、該工程が行われる間には、プロセスチャンバーの内部においては、発火性ガスや、腐食性のある異物、有害性のある有害ガス等が多量発生する。
【0004】
このような有害ガスを浄化して排出するため、半導体の製造装置においては、プロセスチャンバーを真空状態にするための真空ポンプの後端に、該プロセスチャンバーから排出される排ガスを浄化して大気へ放出するスクラバー(scrubber)が設けられる。
【0005】
但し、このようなスクラバーは、単にガス状の反応副産物のみを浄化、処理するため、反応副産物がプロセスチャンバーの外部へ排出されてから固形化し、排気ラインに固着することにより、排気圧が上昇するとともに、排ガスが真空ポンプに流入して真空ポンプの故障を起こし、有害ガスがプロセスチャンバーへ逆流してウエハーを汚染させる等の問題があった。
【0006】
このため、半導体製造装置では、プロセスチャンバーと真空ポンプの間に、該プロセスチャンバーから排出される排ガスをパウダー状に凝集させる反応副産物取込装置が設けられる。
【0007】
このような反応副産物取込装置は、
図11に示されたように、プロセスチャンバー51と真空ポンプ53とはポンピングライン55を介して接続しており、該ポンピングライン55には、該プロセスチャンバー51から発生した反応副産物を凝集されたパウダー状に取り込むためのトラップ管57が、該ポンピングライン55から分岐して設けられている。
【0008】
しかし、上記構造を有する従来の反応副産物取込装置は、プロセスチャンバー51の内部で薄膜の蒸着やエッチングの際に発生した未反応ガスが、該プロセスチャンバー51に比べて低い温度の雰囲気を有するポンピングライン55の方へ流入してパウダー59に固形化し、該ポンピングライン55から分岐して設けられたトラップ管57に溜まるという構造上のデメリットを有する。
【0009】
ここに、本出願人は、上記のような従来技術の問題点を解決するため、「半導体製造工程で発生する副産物の取込装置」を完成し、韓国登録特許10-1806480号として提示している。
【0010】
しかし、本出願人の上記発明は、従来のように反応ガスが注入される半導体製造工程においては、高い効率をもって反応副産物を取り込むことができるメリットを有するが、近年、製造メーカーの製造工程の変更により、プロセスチャンバーから排出される排ガスのうち、軽いガスの含有量が増加することにつれ、従来の副産物取込装置の構造では内部取込タワーにおいて高密度の反応副産物に固形化するに十分な温度や、流速、圧力、流路の経路、溜まる時間等の条件が満たされず、取り込まれた粉末のうち低密度の多孔性粉末が多くなるため、取込装置において取込スペースの活用度が低下し、全体的に取込効率が下がるという問題があった。
【0011】
また、従来の副産物取込装置では、流入したガスにおいて高密度で固形化反応が起こらないうちに、低密度で凝集された多孔性反応副産物が下部の排出口から流出して、真空ポンプに損傷を与える恐れがあるという構造的問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記の問題点を解決するための本発明の目的は、エキステンション排出口を覆う取込タワーカバー及びカバーシード板を有する内部取込タワーと、該内部取込タワーの内部において上下に延在する長さを有するエキステンション排出口と、を設けることにより、半導体製造工程の変更に応じて、比較的軽いガス成分の増えた排ガスが長い流路に沿って十分な滞留時間の間に凝集され、高密度の反応副産物の状態で取り込まれる、半導体工程における反応副産物取込装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、取込タワーカバーの周りに形成されたカバーシード板に渦巻き板を斜めに設けて、渦巻きを発生させることにより、排ガスのうち比較的重いガスが内部取込タワーの上部に長く滞り、上板とカバーシード板において凝集されるため、高密度の反応副産物の状態で取り込まれる、半導体工程における反応副産物取込装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、ハウジングの内部スペースにおいて一側に偏って設けられたヒーターの他側方向に向けて延在する熱伝導板を備えることにより、内部取込タワーにおいて均一な温度領域が形成され、流入した排ガスが高密度の反応副産物の状態で取り込まれる、半導体工程における反応副産物取込装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するとともに、従来技術のデメリットを解決するための本発明は、プロセスチャンバーと真空ポンプの間に設けられ、前記プロセスチャンバーから排出される排ガス内の反応副産物を取り込むための半導体工程における反応副産物取込装置であって、
流入した排ガスを収容・排出し、内壁には渦巻きを発生させる水平渦巻き板が設けられたハウジングと、
前記ハウジングの上部を覆い、Oリングの保護及び反応副産物の取込に適した温度を維持するための冷却水流路が設けられた上板と、
前記ハウジングの内部において上側に向けて所定の間隔を置いて設けられ、流入した排ガスの流路及び滞留時間を増やすように、取込タワーカバー及びカバーシード板を備えることにより、反応副産物を凝集させて取り込む内部取込タワーと、
熱伝導板を備え、前記ハウジングに流入した排ガスを加熱させて均一に行き渡らせるヒーターと、
前記内部取込タワーの内部まで延在するように設けられ、流入した排ガスの流路及び滞留時間を増やすとともに、該排ガスをハウジング下側の下板のガス排出口から排出するエキステンション排出口と、を含む。
【0017】
望ましい実施例として、ハウジング上側の上板には、前記取込タワーカバーに取り付けられた前記カバーシード板の上部領域に対応する部分に冷却水流路が設けられることにより、ハウジング内部の排ガスが冷却される。
【0018】
望ましい実施例として、前記熱伝導板は、ハウジング内で一側に偏って設けられたヒーターから遠い他側のスペースの方向に向けて延在するように設けられ、前記内部取込タワーの上部の排ガスを加熱することができる。
【0019】
望ましい実施例として、前記内部取込タワーは、外枠を形成する取込タワーカバーと、前記取込タワーカバーの各側面の周りに沿って所定の間隔を置いて複数設けられ、反応副産物を取り込むカバーシード板と、前記カバーシード板と交差するように横方向に設けられ、渦巻きを発生させる傾斜渦巻き板と、を含む。
【0020】
望ましい実施例として、前記内部取込タワーは、前記ハウジング下側の下板から所定の間隔を置いて設けられるとともに、上側の取込タワーカバーと結合され、低密度の多孔反応副産物の流出を防止するとともに排ガスが前記取込タワーカバーの内部へ流入するように、複数の貫通孔が設けられ、所定の箇所にはエキステンション排出口が挿入されている下部水平支持板と、前記下部水平支持板の上側、且つ前記取込タワーカバーの内部に格子型で設けられ、前記エキステンション排出口から排出される排ガスにおいて低密度の多孔反応副産物の流出を防止するように、複数の貫通孔が形成された垂直板、及び複数の貫通孔が形成された水平板と、を含む。
【0021】
望ましい実施例として、前記取込タワーカバーは、下部の開いている箱状からなり、ガス流入口から流入した排ガスがハウジング下側の下板に形成されたガス排出口へ直ちに流れることを防ぎ、排ガスが下部開放部131aと各側面部材の下部に形成された複数の側面貫通孔とから内部のスペースへ流入する。
【0022】
望ましい実施例として、前記カバーシード板の一側には、所定角度の傾斜をもって切り開かれた傾斜溝が上下に多段形成され、前記傾斜渦巻き板が前記傾斜溝に挿入される。
【0023】
望ましい実施例として、前記傾斜渦巻き板は、表面に複数の貫通溝が長手方向に形成されており、前記取込タワーカバーの短辺側及び長辺側のうち1つ以上の面に設けられたカバーシード板に、一段以上取り付けられている。
【0024】
望ましい実施例として、前記傾斜渦巻き板は、多段で取り付けられる場合、下方の段が上方の段よりも外側へ突出している。
【0025】
望ましい実施例として、前記垂直板に複数形成された貫通孔は、下方の貫通孔が大きく、上方の貫通孔が小さくなっている。
【0026】
望ましい実施例として、前記水平板に複数形成された貫通孔は、前記エキステンション排出口から遠方の貫通孔が大きく、近方の貫通孔が小さくなっている。
【0027】
望ましい実施例として、前記垂直板及び/又は前記水平板は多段で設けられる。
【発明の効果】
【0028】
上記のような特徴を有する本発明に係る反応副産物取込装置は、エキステンション排出口を取込タワーカバーで覆っており、その内部には、ハウジングの下部に設けられたガス排出口から上側に向けて延在する長さのエキステンション排出口を有することにより、流入した排ガスがエキステンション排出口までの長い流路を十分な滞留時間で通ることになり、従来の反応副産物取込装置において、プロセスチャンバーから排出された排ガスに十分な凝集が起こらないうちに、低密度の多孔性反応副産物の形として、真空ポンプに接続するガス排出口から速く流出してしまう問題点を解決し、常に排ガス内の反応副産物が高密度の固形化した反応副産物として取り込まれるというメリットを有する。
【0029】
また、本発明に係る反応副産物取込装置は、取込タワーカバーの周りに形成されたカバーシード板に渦巻き板を斜めに設けて、渦巻きを発生させることにより、流入した排ガスのうち比較的重いガスの移動が遅らせられることにつれて、排ガスのうち重いガスの含有量が増加し、上板及びカバーシード板の上部側において凝集するため、高密度の固形化した反応副産物を高い効率で取り込めるというメリットを有する。
【0030】
また、本発明に係る反応副産物取込装置は、ハウジングの内部スペースにおいて一側に偏って設けられたヒーターの他側方向に向けて延在する熱伝導板を備えることにより、内部取込タワーにおいて均一な温度領域が形成され、流入した排ガスが上板及び内部取込タワーのカバーシード板において均一に凝集するため、高密度の固形化した反応副産物を高い効率で取り込めるというメリットを有する。
【0031】
上記のようなメリットから、本発明に係る反応副産物取込装置は、半導体製造装置において、反応副産物取込装置の取り替えサイクルを大幅に延長することができる。
【0032】
また、本発明に係る反応副産物取込装置は、反応副産物を迅速に且つ効率的に長時間で多量を取り込むことができることから、半導体の製造時に発生する反応副産物に対する取込効率において、本出願人の従来の先登録された反応副産物取込装置に比べても、反応副産物の取込スペースのうち最大40%も活用でき、最大取込重量においても約40〜50%が増加するという効果を有する。
【0033】
上記のように、本発明は、半導体製造における生産性や信頼度を著しく向上できる効果を有するため、産業上の利用が大きく期待される発明である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に係る実施例の構成やその作用を、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明を説明するにあたって、関係する公知の機能や構成に関する具体的な説明が本発明の要旨を無用に分かりにくくする恐れがあると判断された場合には、その説明を省略することにする。
【0036】
図1は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の斜視図であり、
図2は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の分解斜視図である。また、
図3は、本発明の実施例に係る内部取込タワーの外部分解斜視図であり、
図4は、本発明の実施例に係る内部取込タワーの内部分解斜視図である。
図5は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の正断面図である。
【0037】
図面にて示されたように、本発明に係る半導体工程における反応副産物取込装置は、半導体工程において、プロセスチャンバーから排出された排ガスに含まれた有害ガスを凝集させ反応副産物として取り込んで浄化してから、排ガスを真空ポンプの方へ排出する装置であり、特に、工程の変更により、プロセスチャンバーで使用後に排出される排ガスのうち重い成分よりも軽い成分が多く含まれるため、従来の取込装置を使用する際に、低密度の反応副産物が生成されてしまうデメリットを解決し、高い効率を持って高密度の反応副産物を凝集させて取り込める装置である。
【0038】
その構成は、大きく分けて、流入した排ガスを収容・排出し、内壁には渦巻きを発生させる水平渦巻き板が設けられたハウジング110と、ハウジングの上部を覆い、Oリングの保護及び反応副産物の取込に適した温度を維持するための冷却水流路が設けられた上板120と、ハウジングの内部において上側に向けて所定の間隔を置いて設けられ、流入した排ガスの流路及び滞留時間を増やすように、取込タワーカバー及びカバーシード板を備えることにより、反応副産物を凝集させて取り込む内部取込タワー130と、熱伝導板を備え、ハウジングに流入した排ガスを加熱して均一に行き渡らせるヒーター140と、内部取込タワーの内部まで延在するように設けられ、流入した排ガスの流路及び滞留時間を増やすとともに、該排ガスをハウジング下側の下板のガス排出口から排出するエキステンション排出口150と、を含む。
【0039】
本発明に係る取込装置は、プロセスチャンバーから排出される排ガスによる腐食等を防止できるように、大半の構成要素は、腐食が防止できるチタンや、ステンレススチール、アルミニウム等の素材を用いて製作される。
【0040】
以下では、本発明に係る取込装置を形成する各構成をより詳細に説明する。
【0041】
ハウジング110は、中空の四角形状を持って内部に設けられた内部取込タワーへ流入した排ガスが凝集して取り込まれるように、ガスを溜める役割をする。上部は開いていて前記内部取込タワーが収納されると、前記上板を閉めてボルト等の締結手段により固定される。
【0042】
ハウジングの内壁には、周りに沿って内側方向へ突出した複数の水平渦巻き板111が多段を成して設けられる。水平渦巻き板111は、各内面の水平渦巻き板が同一高さで水平方向につながるか、もしくは、隣り合う内面の水平渦巻き板が異なる高さを持って隣の水平渦巻き板とずれるように形成されても良い。なお、各内面に設けられた水平渦巻き板111は、上下に所定の間隔で離れて複数の段を成すことができる。
【0043】
水平渦巻き板111は、ハウジングの内部へ流入した排ガスが該水平渦巻き板にぶつかって渦巻きを発生させ、排ガスの滞留時間を増やすことにより、副産物の取込効率を向上できる。即ち、ハウジングの内部温度に比べて低い温度の外部空気と直接当たるハウジングの内壁に設けられた水平渦巻き板は、外部空気の温度が熱伝導により伝わって冷却され、渦巻きにより滞った排ガスが凝集して取り込まれることになる。
【0044】
水平渦巻き板111の形状は、内側方向へ水平に突出した基本形状だけでなく、突出した先端が上部及び下部方向のいずれかの方向に所定角度だけ折れ曲がるか、若しくは曲率を有するように成形され、より多くの渦巻きが生じるように構成される。
【0045】
ハウジングの下部を構成する下板113は、所定の箇所に開口が形成されることで、ガス排出口112が外側に向けて溶接等の方法で固定して設けられ、反応副産物が取り除かれた排ガスが排出される通路として用いられる。この際に、ガス排出口112に接続するハウジング下側の下板の上部面には、エキステンション排出口150が設けられることで、内部取込タワー130を通る排ガスが長い流路を介してガス排出口112から排出される。
【0046】
また、ハウジング下側の下板に、複数の箇所において内側方向に向けて支持部材114が設けられることにより、該支持部材は、内部取込パワー130を下板から上方へ所定の間隔で離し、固定させて支持する。支持部材114には、内部取込パワー130の下部水平支持板134に設けられた下部支持部材134bが挿入されて結合するが、このような支持部材114と下部支持部材134bの結合は、嵌合、ボルトのような別途の締結部材を用いた結合、又は、その他、公知の様々な結合方法が用いられて良い。
【0047】
上板120は、上部の開いたハウジングの上側を覆う蓋の役割をするが、底面に設けられたヒーターの稼働によりハウジングの内部スペースが加熱される際に、上板の下部に設けられたOリング(図示せず)が変形するような機能低下を防止し、また、反応副産物を取り込む際に適切な温度を維持するための冷却水流路122が上面に溝状で形成される。溝からなる冷却水流路の上部は流路蓋122aにより閉められるように構成される。なお、流路蓋は、例えば、水密のためのシーリング(図示せず)処理を挟んで取り付けられても良く、取り付け方法は、嵌合、溶接、ボルト締結等の公知技術からでも十分である。
【0048】
冷却水流路122は、外部の冷却水タンク(図示せず)から供給された冷却水が冷却水流入口122bを介して流入した後、冷却水排出口122cから排出されて循環するように構成されるが、流入した冷却水と、排出される冷却水が混ざらないように、冷却水流路は連通せずに仕切りを有する。冷却水としては、水または冷媒が使用されて良い。このように形成された冷却水流路122は、上板の冷却領域が、本出願人の従来の取込装置における上板に形成された冷却領域と比べて、約3.5倍減少するため、反応副産物の取込領域が拡大し、冷却水流路122の形成された上板の温度が、効率的な取込温度である60℃〜140℃を維持できるように冷却される。このような冷却水流路122が形成された領域の下側の部分が、後述する内部取込タワーの外部となる、取込タワーカバーに取り付けられたカバーシード板の上側の領域に対応するため、排ガスの冷却効率が効率的である。
【0049】
また、上板には、排ガスが流入するように穿孔した箇所の上側へ突出したガス流入口121が溶接等にて固定されるように取り付けられ、プロセスチャンバーから排出される排ガスを供給されるように構成される。取り付け位置は、一実施例として図示されたように、中央部より一側に偏るように設けられる。このように設ければ、ハウジングの内部へ流入する排ガスがハウジングの内部において一側に偏って流れる。ガス流入口121を偏って設ける理由は、ハウジング内において、ガス流入口が形成される一側よりも、他側に比較的広いスペース部が形成されることで、反応副産物取込スペース部が設けられるためである。
【0050】
また、上板には、その底面に設けられたヒーターに電源を供給し、内部温度に応じて電源を制御するための温度を測定する温度センサーを含むヒーター電源供給部142が設けられる。
【0051】
内部取込パワー130は、ハウジング内部に収納されて設けられる構成であって、同様の目的で設けられるエキステンション排出口150とともに、流入した排ガスの流路及び滞留時間を増やすことにより、排ガスを凝集させて高密度の反応副産物として取り込むことができる。
【0052】
具体的に、内部取込タワー130は、外枠を形成する取込タワーカバー131と、取込タワーカバーの各側面の周りに沿って所定の間隔を置いて複数設けられ、反応副産物を取り込むカバーシード板132と、カバーシード板と交差するように横方向に設けられ、渦巻きを発生させる傾斜渦巻き板133と、ハウジング下側の下板から所定の間隔を置いて離れて設けられるとともに上側の取込タワーカバー131と結合され、低密度の多孔反応副産物の流出を防止するとともに排ガスが取込タワーカバー131の内部へ流入するように、所定の箇所にエキステンション排出口150が挿入されている下部水平支持板134と、下部水平支持板の上側、且つ取込タワーカバーの内部に格子型で設けられ、エキステンション排出口150から排出される排ガスにおいて低密度の多孔反応副産物の流出を防止する垂直板135及び水平板136と、を含む。
【0053】
取込タワーカバー131は、下部の開いている箱状からなり、ガス流入口から流入した排ガスがハウジング下側の下板に形成されたガス排出口へ直ちに流れることを防ぎ、排ガスが下部開放部131aと各側面部材の下部に形成された複数の側面貫通孔131bとから内部のスペースへ流入するようにガイドする役割をする。
【0054】
取込タワーカバー131は、縁部を形成する各側面部材の上側に上面部材が載って支持され、下部水平支持板134の支持ロッド137と締結するボルト138により押されて固定される。このため、上面部材の縁部に係合切欠き131fが形成され、これに対応する各側面部材の上部には係合突起131dが形成されるとともに、上面部材には、ボルト138が挿入される複数の締結孔131eが設けられる。該締結孔に挿入されたボルトは、下部水平支持板134に設けられた支持ロッド137に挿入され、その下部に形成されたネジが支持ロッドの内側のネジ(図示せず)に嵌合して締結される。
【0055】
また、各側面部材の上部及び下部には、それぞれ複数の係合孔131cが所定の間隔で形成される。該係合孔には、カバーシード板132が嵌合される。なお、嵌合された状態で溶接等の方法により一体化しても良い。
【0056】
カバーシード板132は、取込タワーカバーの各側面部材の周りに沿って所定の間隔で複数設けられ、排ガスの下降流を均等に分けつつ、接触面積を拡大して反応副産物を高密度で凝集させて取り込む構成である。このようにカバーシード板132が設けられるのは、取込タワーカバーのみを有する場合、表面接触による排ガスの凝集効率が下がるが、カバーシード板132が突出して設けられると、エッジ効果により排ガスの凝集が活発に起こるためである。
【0057】
カバーシード板132は、取込タワーカバーに形成された係合孔に嵌まる係合突起132bが上部及び下部にそれぞれ設けられる。また、カバーシード板に一側には、所定角度の傾斜をもって切り開かれた傾斜溝132aが上下に多段形成され、傾斜渦巻き板133が該傾斜溝に挿入される。このため、隣り合う複数のカバーシード板に形成された傾斜溝132aを通って交差するように横方向に挿入された傾斜渦巻き板133が安定的に固定する。
【0058】
図面では、カバーシード板132に形成された傾斜溝132aは、取込タワーカバーの短辺側に設けられたカバーシード板132のみに設けられるように示されたが、長辺側を含めた全ての辺に設けられたカバーシード板に設けられても良い。
【0059】
傾斜渦巻き板133は、カバーシード板と交差するとともに所定の角度で傾斜するように、横方向に設けられ、下部側へ流れる排ガスに渦巻きを発生させることにより、排ガスのうち重い成分が取込タワーカバーの上部側に留まる。
【0060】
傾斜渦巻き板133は多段で取り付けられる。その取り付け位置については、一実施例として示された図面では、取込タワーカバー131の短辺側の両側面に設けられたカバーシード板132のみに形成されているが、長辺側の両側面を含めた全ての辺に設けられたカバーシード板132に設けられても良い。
【0061】
また、傾斜渦巻き板133は、一段で、若しくは、多段で上下に複数取り付けられるが、多段で設ける場合は、下方の段が上方の段よりも外側へ突出している方が望ましい。これは、仮に同じ突出の程度であれば、渦巻きの形成における下方の寄与度は低いことに対し、下方でもっと突出していれば、上方の傾斜渦巻き板の外側へ流れる排ガスが再び下方で渦巻きを起こすことができるためである。
【0062】
また、傾斜渦巻き板133は、表面に複数の貫通溝133aが長手方向に形成される。このような貫通溝が形成されていると、一部の排ガスが下方へ流れ、下方に位置する他の傾斜渦巻き板において更なる渦巻きが起こることになる。更に、傾斜渦巻き板133の位置するスペース部において排ガスがカバーシード板に接触し、反応副産物がスムーズに凝集することになる。これに対し、仮に傾斜渦巻き板の表面に貫通溝133aが形成されず、溝のスペースが埋まっている場合、上下の傾斜渦巻き板の間に流入する排ガスが少なくなり、当該領域に位置するカバーシード板では反応副産物の凝集作用が鈍くなるため、取込効率が全体的に低下する。なお、貫通溝133aは、反応副産物の取り除かれた排ガスが取込タワーカバーの内側へ流入する経路としても用いられる。
【0063】
一方で、ハウジングの内壁に水平渦巻き板111が取り付けられているにもかかわらず、傾斜渦巻き板133が設けられることは、水平渦巻き板111は、内壁に沿って流れる排ガスに渦巻きを発生させるものの、取込タワーカバー131の外部に沿って流れる排ガスに対しては渦巻き発生の効率が低く、更に、取込タワーカバー131に沿って速く流れる傾向があるため、傾斜渦巻き板133を設けることにより、流入した排ガスの流れを滞留させることができるからである。
【0064】
下部水平支持板134は、ハウジング下側の下板から所定の間隔を置いて離れて設けられるとともに、上側の取込タワーカバー131と結合され、低密度の多孔反応副産物の流出を防止するとともに排ガスが取込タワーカバー131の内部へ流入するように、所定の箇所にエキステンション排出口150が挿入される構成であって、ハウジング下側の下板から所定の間隔を置いて上側に離れるように、該下板に設けられた支持部材114に挿入される支持ロッド134cが下側に向けて形成される。支持ロッド134cは、下部水平支持板134に形成された締結孔134c’にてボルト等により固定される。
【0065】
また、下部水平支持板134は、上側の取込タワーカバー131を締結するため、上部側に支持ロッド137が設けられる。該支持ロッドは、下部において、例えば、ボルトにより固定されるか、若しくは、溶接等方法で固定されて良い。
【0066】
また、下部水平支持板134には、排ガスのうち低密度の反応副産物が取込タワーカバー131の内部へ流入することを防止するために、複数の貫通孔134aが設けられる。そこで、排ガスは、該貫通孔を通ってのみ取込タワーの内部へ流入することになる。
【0067】
また、下部水平支持板134の所定の箇所、即ち、偏った位置の箇所に、エキステンション排出口150を挿入できる係合孔134bが設けられる。
【0068】
また、下部水平支持板134には、複数の係合孔134eが貫通するように設けられ、垂直板の下部に形成された係合突起が嵌合して支持される。
【0069】
垂直板135は、下部水平支持板134と交差するように垂直に締結され、排ガスのうち低密度の反応副産物が取込タワーカバー131の内部から排出されることを防止する構成であって、このため、複数の貫通孔135aが形成される。
【0070】
なお、該貫通孔は、下方の貫通孔は大きく、上方の貫通孔は小さくすることにより、低密度の反応副産物がエキステンション排出口150から排出されにくくなる。また、垂直板においても、高密度または低密度の多孔反応副産物が凝集して取り込まれる働きが行われる。但し、反応副産物の大半はカバーシード板132で取り込まれるため、垂直板で取り込まれる量は少ない。
【0071】
また、垂直板135には、水平板と横方向に嵌合できるように、切り込み135bが一側から所定の深さで形成される。
【0072】
垂直板135は、多段で複数設けられ、流入した排ガスのうち低密度の反応副産物が排出されることを多重的に防止することができる。なお、垂直板の個数は特に制限されない。
【0073】
一方で、水平板136は、垂直板と交差するように水平に締結され、下部水平支持板134や垂直板135と同様、排ガスのうち低密度の反応副産物が取込タワーカバー131の内部から排出されることを防止する構成であって、このため、複数の貫通孔136aが形成される。
【0074】
なお、該貫通孔は、エキステンション排出口150から遠方の貫通孔は大きく、近方の貫通孔は小さくすることにより、更に低密度の反応副産物がエキステンション排出口150から排出されにくくなる。また、水平板においても、高密度または低密度の多孔反応副産物が凝集して取り込まれる働きが行われる。但し、反応副産物の大半はカバーシード板132で取り込まれるため、水平板で取り込まれる量は少ない。
【0075】
また、水平板136には、垂直板と横方向に嵌合できるように、切り込み136cが一側から所定の深さで形成される。
【0076】
また、水平板136には、下部水平支持板134と同様、所定の箇所、即ち、偏った位置の箇所に、エキステンション排出口150を挿入できる係合孔136bが設けられる。
【0077】
なお、水平板136は、垂直板と同様、上下の多段で複数設けられて良い。
【0078】
エキステンション排出口150については、ハウジングの上部を覆う上板のガス流入口を通ってハウジングの内部へ流入した排ガスは、直ちにガス排出口から排出されず、内部取込タワーの外枠を形成する取込タワーカバーの下部開放部131aや、各側面部材の下部に形成された複数の側面貫通孔131bから流入し、エキステンション排出口150の上部まで上昇した後に下降して、ガス排出口112から排出される流路となっている。
【0079】
また、取込タワーカバーの内部へ流入した排ガスは、取込タワーの下部を支える下部水平支持板134の貫通孔134aと、該下部水平支持板の上に複数取り付けられた垂直板135の貫通孔135aと、該垂直板と交差するように取り付けられた水平板136の貫通孔136aと、を通りながら、低密度の多孔反応副産物が取り除かれた後、エキステンション排出口150の上部まで上昇する移動経路となっている。
【0080】
下部水平支持板134、垂直板135、及び水平板136は、前述のように、流入した排ガスがヒーターから遠くなるにつれて低温度で凝集した低密度の多孔反応副産物の排出を大きく抑制し、浄化された排ガスのみを排出するため、取込カバーの内部で格子状として多重的に形成される。
【0081】
ヒーター140は、ハウジングへ流入した排ガスを加熱するように、上板に形成されたガス流入口121の底面側に接続するようにボルトや溶接等の締結にて装着される。ヒーターの熱源である、上板の上面に設けられた温度センサーを含めたヒーター電源供給部142から電源が印加されると、ヒーターは既定の温度、例えば、250℃まで発熱させる。ヒーターの素材としては、排ガスによる腐食を防止するため、セラミック又はインコネル等が用いられて良い。ヒーターの基本的な形状は、均等な熱源として放射されるように、複数の放熱フィンが垂直方向に延在して放射状で配設されて良い。
【0082】
ヒーターの役割は、プロセスチャンバーから排出された排ガスが、ハウジング上側の上板に形成されたガス流入口121から流入する際には、凝集による閉塞が起こらず、内部取込タワーに至った際に多くの凝集が起こるとともに、放射状に配設された放熱フィンの構造により、内部取込タワーの外枠を形成する取込タワーカバーの周辺スペースにおいて熱が均等に行き渡り、均等な凝集が起こるようにすることである。一方で、ガス流入口121から流入した排ガスのうち、プロセスチャンバーで未反応だったガスがヒーターにより加熱され、二次反応による化学的変化が起こり、その後、蒸気状態で、低い温度に冷却された内部取込タワーの表面に接触することにより、瞬間的に膜窒化して凝集される。なお、膜窒化せずに凝集されなかった排ガスのうち他の反応副産物は粉末化し、内部取込タワーの表面に凝集して取り込まれることになる。
【0083】
特に、本発明のヒーター140は、従来の取込装置に設けられるヒーターとは違って、ハウジング内で一方側に偏って設けられた該ヒーターから遠い他方側のスペースに向けて横方向に延在し、内部取込タワーの上部側の排ガスを加熱する熱伝導板141を更に有する。熱伝導板の締結は、例えば、ボルト方式にて着脱可能であって良い。このため、ヒーターの下部において横方向に所定の間隔をもってナット穴が形成されて良い。これに対し、熱伝導板の一側部がヒーターの外形に対応するように形成された半円状の溝部となっており、該溝部の両側端にナット穴が形成される。そして、適宜に締結箇所を決め、ヒーターのナット穴と熱伝導板のナット穴とを整列させてボルトを貫通させ、ナットにより締結することができる。
【0084】
具体的に、熱伝導板141を更に設ける理由は、以下のとおりである。従来において、広い取込スペースを確保するため、ハウジングの一方側に偏って設けたヒーター構造の場合、スペースを広く確報できるメリットを有するものの、半導体製造工程の変更により、プロセスチャンバーから排出される排ガスに含まれた軽いガスの含有量が重いガスの含有量よりも多いガスが供給される場合、ヒーターから遠方の排ガスが、ヒーターから近方の排ガスよりも速く冷却されるため、取込タワーカバーの周りに設けられたカバーシード板に形成される前に、ヒーターから遠方の上部面の一部に高密度の反応副産物が凝集されてスペース部の流路が塞がり、また、更に低い温度に冷却される場合、低密度の多孔反応副産物が形成され、スペース部の流路が塞がり得る問題点を改善するためである。
【0085】
即ち、高密度の反応物が形成されるに適した温度は60-140℃であるが、熱伝導板が設けられなかった場合は、取込タワーカバーの周りに取り付けられた取込カバーシード板が該温度域に至る前に、偏って設けられたヒーターから遠方である取込タワーカバーの他方側の上部面に高密度の反応副産物が形成されることにより、スペース部の流路が塞がってしまう恐れがあり、更に、60℃以下に冷却されると、該取込タワーカバーの他方側の上部面に低密度の多孔反応副産物が形成され、スペース部の流路が塞がることになるため、反応副産物を取り込むために取込タワーカバーの周りに取り付けられた取込カバーシード板の一部の領域においては、凝集反応が鈍くなったり、ヒーターから近方でのみ凝集が起こったりするなど、均等でない取込反応となり、全体として内部取込タワーの反応効率が大きく低下する恐れがあるとのデメリットを有する。
【0086】
これに対し、本発明は、上記の熱伝導板を設けることにより、約250℃に加熱されたヒーターの熱源が熱伝導板により延び、取込タワーカバーの上部面の全体領域に、反応副産物の取り込まれない温度域である約140-160℃の温度が均等に提供されることにより、排ガスは、取込タワーカバーの周りに取り付けられたカバーシード板に至って下降する領域から60-140℃の温度域に入り、高密度の反応副産物が取り込まれ始める。このため、本発明は、カバーシード板の上部領域において、排ガスのうち重いガスの大半が高密度の反応副産物として形成されることになる。
【0087】
即ち、ヒーターの熱源が250℃である場合、熱伝導板には、熱が約180-220℃で伝道され、取込タワーカバーの上部面の全体領域は140-160℃になる。
【0088】
エキステンション排出口150は、ハウジングに設けられ、流入した排ガスの流路や滞留時間を増やしつつ、排ガスをガス排出口から排出させる構成であって、下部は、ハウジング下側の下板の底面に設けられたガス排出口111の上部と気密が保たれるように接続し、上部は、内部取込タワーの内部へ延びるように形成される。
【0089】
かかるエキステンション排出口150の構成により、ハウジングの上部を覆う上板のガス流入口からハウジングの内部へ流入した排ガスが、直ちにガス排出口を通って排出されず、内部取込タワーの外枠を形成する取込タワーカバーの下部開放部131aや、各側面部材の下部に形成された複数の側面貫通孔131bから流入し、エキステンション排出口150の上部まで上昇した後に下降して、ガス排出口112から排出される流路となっている。
【0090】
また、取込タワーカバーの内部へ流入した排ガスは、取込タワーの下部を支える下部水平支持板134の貫通孔134aや、該下部水平支持板の上側方向に所定の間隔をもって離れて取り付けられた水平板136の貫通孔136a、該下部水平支持板の上に複数取り付けられた垂直板135の貫通孔135aを通って、エキステンション排出口150の上部まで上昇する移動経路となっている。上記下部水平支持板134、垂直板135、及び水平板136は、前述のように、流入した排ガスがヒーターから離れるにつれ、低い温度で凝集された低密度の多孔反応副産物が排出されることを防止するため、取込カバーの内部において多重的に形成された構成である。
【0091】
図6は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の内部におけるガスフローを示した例示図である。
図7は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の内部における流速分布図であって、ハウジング上側の上板のガス流入口から流入した排ガスがヒーターにより均等に行き渡り、内部取込タワーの取込タワーカバーの縁部に沿って下降しつつ渦巻きを起こした状態で滞留しているうちに、取込タワーカバーの側面や下部から該取込タワーの内部へ流入し上昇すると、エキステンション排出口に流入してからまた下降し、エキステンション排出口と接続したハウジング下側の下板のガス排出口から排出されるガスフローを示す。
【0092】
図8は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の内部における温度分布を示した例示図であり、
図9は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の内部における取込傾向を示した例示図である。また、
図10は、本発明の実施例に係る反応副産物取込装置の各領域における反応副産物の取込を示した写真である。
【0093】
「A」が表示された領域は、140-160℃の温度分布を有していて、反応副産物が取り込まれない領域を示し、「B」が表示された領域は、60-140℃の温度分布を有していて、高密度の反応副産物が取り込まれる領域を示す。また、「C」が表示された領域は、60℃以下の温度分布を有していて、低密度の多孔反応副産物が取り込まれる領域を示す。この点から、ヒーターの熱伝導板によりヒーターからの熱が延びて供給され、内部取込タワーの上部側は、均等な熱分布を有し、取込タワーカバーのカバーシード板において、高密度の反応副産物が高効率で取り込まれる領域であることが分かる。また、この点から、半導体製造工程の変更に伴い、流入する排ガスのうち軽いのが重いのよりも多く供給されるにもかかわらず、本発明に係る反応副産物取込装置によると、上部側において高い効率で集中的に高密度の反応副産物が取り込まれ、下部側において低密度の多孔反応副産物が取り込まれることが分かる。
【0094】
本発明は、前述した特定の望ましい実施例に限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨から逸脱することなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、誰でも様々な変更等を加えたうえで実施することが可能で、また、そのような変更等は、本願特許請求の範囲に記載された範囲内と言える。