(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記制御モードが前記伸張性収縮運動モードとされているときに、前記モータの動作状況から伸張性収縮運動時の運動負荷データを得て、前記短縮性収縮運動時の運動負荷データに係数を掛けたデータに加えて、前記伸張性収縮運動時の運動負荷データを前記表示装置に表示させる、
請求項2記載のエルゴメータ。
前記制御装置は、前記制御モードが前記伸張性収縮運動モードとされているときに前記モータの動作状況から伸張性収縮運動時の運動負荷データを得るとともに、ペダル複数回転におけるペダル1回転毎の運動負荷データの最大値、最小値、平均値、分散および、標準偏差と全角度の分散和および、標準偏差和の少なくとも1つを表示装置に表示させる、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のエルゴメータ。
前記制御装置は、前記制御モードが前記伸張性収縮運動モードとされているときに前記モータの動作状況から伸張性収縮運動時の運動負荷データを得るとともに、ペダル1回転毎の運動負荷データの最大値、最小値、平均値、分散および、標準偏差と全角度の分散和および、標準偏差和の少なくとも1つの推移を表示装置に表示させる、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のエルゴメータ。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるエルゴメータを示す構成図である。
図1に示すように、エルゴメータ1には、着座部2、エルゴメータ本体3、情報処理装置4、入力装置5及び表示装置6が設けられている。
【0011】
着座部2は、運動者が座る座面20を含んでいる。座面20に座った運動者は、前方に伸ばした脚によりエルゴメータ本体3のペダル30を回すことができる。
【0012】
エルゴメータ本体3には、ペダル30、伝達部材31、減速機32、モータ33、角度検出器34、モータ制御装置35及び通信インタフェース36が設けられている。
【0013】
ペダル30は、座面20に着座した運動者によって回されるものであり、伝達部材31及び減速機32を介してモータ33に接続されている。伝達部材31は、例えばチェーン又はベルト等により構成されるものである。減速機32は、複数のギヤ等により構成されたものであり、モータ33の出力を減速するものである。運動者によるペダル30の操作は、伝達部材31及び減速機32を介してモータ33に伝えられる。同様に、モータ33の力行時の出力及び回生時の制動力(負荷)は伝達部材31及び減速機32を介してペダル30に伝えられる。なお、減速機32は、想定されるペダル30の回転速度に対してモータ33の定格回転速度が速すぎる場合等に適切な回転数及びトルクを得るために使用される。モータ33の特性によっては減速機32を省略することもできる。
【0014】
角度検出器34は、例えばエンコーダ等により構成されるものであり、モータ33の回転角度(回転軸の角度位置)を検出するためのものである。モータ33及び角度検出器34は、モータ制御装置35に接続されている。
【0015】
モータ制御装置35は、通信インタフェース36を介して情報処理装置4が接続されており、情報処理装置4からの制御指令4a及び角度検出器34からの角度情報34aに基づいてモータ33の動作を制御する。
【0016】
情報処理装置4は、例えばパーソナルコンピュータ等により構成されるものであり、通信インタフェース40を介してモータ制御装置35に接続されている。情報処理装置4は、モータ制御装置35を介してモータ33の動作を制御する。すなわち、本実施の形態のエルゴメータでは、モータ制御装置35及び情報処理装置4は、モータ33の動作を制御する制御装置を構成する。また後に詳しく説明するように、情報処理装置4は、モータ制御装置35からの制御情報35aに基づいてモータ33の動作状況を監視し、そのモータ33の動作状況から運動負荷データを得ることができる。運動負荷データは、ペダル30を回す運動者の脚が発揮した負荷強度(筋力)を表す情報であり、より具体的には運動者の脚が発揮した回転角度ごとのトルク又はワット(仕事率)を表す情報である。
【0017】
入力装置5は、例えば操作ボタン又はタッチパネル等により構成されるものであり、情報処理装置4に接続されている。入力装置5は、運動者の操作に応じて情報処理装置4に情報を入力する。情報処理装置4は、入力装置5からの情報に基づいてモータ33の制御を変更することができる。
【0018】
表示装置6は、例えば液晶ディスプレイ等により構成されるものであり、情報処理装置4に接続されている。表示装置6は、情報処理装置4から入力される情報を表示する。表示装置6に表示される情報については後に詳しく説明する。
【0019】
ここで、本実施の形態のエルゴメータでは、モータ制御装置35及び情報処理装置4によるモータ33の制御モードが、短縮性収縮運動モードと伸張性収縮運動モードとで切り替え可能とされている。制御モードの切り替えは、入力装置5からの入力に基づいて行うことができる。
【0020】
短縮性収縮運動モードとは、運動者によってペダル30が回される際にモータ33を負荷として機能させる制御モードである。運動者によってペダル30が回される際にモータ33を回生運転することで、モータ33を負荷として機能させることができる。回生運転でモータ33に発生した電力は、図示しない回生抵抗で消費される。回生抵抗で消費される電力量を制御することで、モータ33が発生する負荷(制動力)の大きさを調整し、目的の運動強度を実現できる。回生抵抗で消費する電力量は、運動者が発生するトルクから伝達機構の動摩擦で発生するトルク分を減算した値から算出したものとなる。
【0021】
この短縮性収縮運動モードは、ペダル30による回転運動(自転車運動)の速度をペダル30に与える負荷の制御によって一定に維持させるアイソキネティック制御を行うことで実施することができる。アイソキネティック制御は、基準となるペダル30の回転速度(モータ33の回転速度)を設定しておき、実際のペダル30の回転速度が基準速度よりも遅いときはペダル30の速度を上げるためにモータ33が発生する負荷を軽くして漕ぎ易い状態とし、実際のペダル30の回転速度が基準速度以上となったときはモータ33が発生する負荷を重くして漕ぎにくい状態にして、ペダル30を漕ぐ速度を誘導して一定にするものである。
【0022】
短縮性収縮運動モードにおいては、基準となる速度よりも遅くなってきた場合には、速度を上げるために、それまで掛けていた負荷を軽くするように負荷が調整される。軽減される負荷はそれまで運動者がペダル21を漕ぐのに出していた筋力と負荷が軽くなった後に運動者が出す筋力との差に相当する。軽減される負荷と基準となる負荷との合算分は上記負荷を軽減する直前に出していた運動者の筋力に匹敵する。測定した筋力データと角度検出器34からの角度情報34aとを突き合わせることで、ペダル30の回転角度ごとに運動者の筋力の変化を知ることができる。情報処理装置4は、短縮性収縮運動モードでモータ33を制御しているとき、測定した筋力データを運動負荷データとして得る。短縮性収縮運動モードにおける運動負荷データの蓄積については、特開2001−276275号公報にも開示されている。
【0023】
伸張性収縮運動モードとは、モータ33がペダル30を回転させ、運動者にペダル33の回転に抗させる制御モードである。伸張性収縮運動モードにおけるモータ33の制御を以下説明する。
【0024】
図2は、
図1のモータ制御装置35の制御ブロックを示すブロック図である。
図2に示すように、モータ制御装置35は、情報処理装置4からの制御指令4a及び角度検出器34からの角度情報34aの入力を受ける。制御指令4aには、モータ33の回転軸の回転速度を指示する速度指令4bが含まれている。角度情報34aは、リアルタイムで入力される。モータ制御装置35は、角度情報34aに基づき、一定時間の角度変化、すなわちモータ実速度値34bを得る。
【0025】
モータ制御装置35は、速度処理ルーチン350及び電流制御ルーチン351を含んでいる。速度処理ルーチン350は、速度指令4bとモータ実速度値34bとを比較して、モータ33の実速度と指令速度4bとの差が0となるように電流指令350aを生成して出力する。
【0026】
電流制御ルーチン351は、速度処理ルーチン350からの電流指令350aに基づきモータ33に電流351aを供給する。電流制御ルーチン351は、モータ33に実際に供給している電流351aの値と電流指令350aとの差が0となるように電流351aの大きさを調整する。
【0027】
伸張性収縮運動モードによるモータ33の制御は、速度指令4bによりモータ33の回転軸の回転速度を一定値に固定することで実施することができる。すなわち、運動者がペダル30を踏み込んでも、即座に相応する反力が発揮されて一定速度が維持される。この反力が運動者の脚にかかることで、伸張性収縮運動を実現する。モータ33は、運動者のペダル踏込力と比較して十分大きい力を発揮できるものを使用する。このモードではモータ30は力行運転となる。また、モータ30に流す電流値は、運動者の発揮するトルクに伝達機構の動摩擦で発生するトルク分を加算した値から算出したものとなる。
【0028】
伸張性収縮運動モードでは、運動者のペダル踏込力に比例した大きさの電流351aがモータ33に供給される。角度検出器34からの角度情報34a、この角度情報34aから得られたモータ実速度値34b、及び電流制御ルーチン351がモータ33に供給する電流351aの値が、制御情報35aとして情報処理装置4に入力される。情報処理装置4は、伸張性収縮運動モード時に角度情報34a及び電流351aを突き合わせることで、ペダル30の回転角度ごとに運動者の筋力(運動負荷データ)を得ることができる。
【0029】
次に、
図3は
図2の情報処理装置4の内部構成を示すブロック図であり、
図4は伸張性収縮運動中に
図2の表示装置6に表示される画面の例を示す説明図である。
【0030】
図3に示すように、情報処理装置4は、伸長性収縮運動モード及び短縮性収縮運動モードの少なくとも一方のモードでモータ33を制御しているとき、通信インタフェース40を通じて、角度情報34a、モータ実速度値34b及び電流351aの値を含む制御情報35aを受信する。情報処理装置4は、電流351aの値に所定の係数を掛けて例えば単位がN/m又はkgf等の負荷の値に変換する。また、情報処理装置4は、負荷に変換した電流351aの値及び角度情報34aをメモリ41に逐次蓄積する。これにより、ペダル30の回転角度ごとの運動者の筋力(運動負荷データ)がメモリ41に逐次蓄積される。これらの処理は、情報処理装置4内の固定記憶装置42に保存されているプログラム420をCPU43が実行することで実現される。
【0031】
伸張性収縮運動が開始する時、運動者は、座面20(
図1参照)に腰掛け、ペダル30に足を置き、入力装置5により運動開始操作を行う。この運動開始操作に応じて入力装置5から入出力部44を通じてCPU43に開始信号が入力される。この開始信号に応じて、CPU43は、伸張性収縮運動モードによるモータ33の制御を開始する。すなわち、ペダル30を一定の回転速度で回転させる。運動者は、回転するペダル30を制止させようとする運動を行う。
【0032】
CPU43は、伸張性収縮運動モードによるモータ33の制御を行うとき、固定記憶装置42に蓄積されている短縮性収縮運動時の運動負荷データに係数を掛けたデータを表示装置6に表示させる。
【0033】
短縮性収縮運動における運動者の筋力測定(運動負荷データ)は、「新しいコンセプトの運動負荷装置―トレッドミルとエルゴメータの展望、理学療法ジャーナル、33(6)、387−393、1999−06」等に示されているように再現性が極めて高く容易に実施できるとの特徴を有している。伸張性収縮運動に慣れていない運動者でも複数回転の測定において角度毎の測定データの分散が小さい。伸張性収縮運動に慣れていない運動者に対して短縮性収縮運動時の運動負荷データに係数を掛けたデータを示すことで、目標とすべき運動負荷を運動者に提示できる。
【0034】
表示装置6に表示される短縮性収縮運動時の運動負荷データに係数を掛けたデータは、
図4において一点鎖線で示す第1曲線60のように角度毎のデータとしてもよいし、
図4において二点鎖線で示す直線61のように最大値のみのデータとしてもよい。第1曲線60は、短縮性収縮運動時の運動負荷データの角度毎の値に係数をそれぞれかけることで得ることができる。直線61は、短縮性収縮運動時のペダル1回転中の運動負荷データの最大値に係数を掛けることで得られる。係数は、例えば0.6等のペダル30の角度位置に依存しない一定値とすることができる。
【0035】
情報処理装置4は、伸張性収縮運動モードによるモータ33の制御を行うとき、受信した電流351aの値を負荷値に変換の上、同時に受信した角度情報34a及びモータ実速度値34bと共にメモリ42に蓄積する。
【0036】
また、情報処理装置4は、伸張性収縮運動モードによるモータ33の制御を行うとき、
図4において実線で示す第2曲線62のように現在の運動負荷を表示装置6に表示させる。この現在の運動負荷は、逐次更新される。目標運動負荷を示す第1曲線60及び/又は直線61に加えて、現在の運動負荷を示す第2曲線62を表示装置6に表示させることで、運動者に目標運動負荷と現在発揮している運動負荷との差を示すことができ、より確実に目標運動負荷を発揮するように促すことができる。
【0037】
表示装置6には、補助的な情報として現在の筋力の数値、目標の筋力の数値及び残りペダル回転数等を示すウィンドウ63も表示できる。また、表示装置6の画面には、運動を中断するために、運動終了ボタン64も表示できる。
【0038】
次に、
図5は、伸張性収縮運動後に
図2の表示装置6に表示される筋力測定結果画面の例を示す説明図である。
【0039】
伸張性収縮運動は、プログラムで予め決められた回数か又は運動者が設定した回数だけペダル30が回転されると終了される。伸張性収縮運動が終了すると、情報処理装置4は、伸張性収縮運動中にメモリ42に蓄積した情報に演算処理を施して評価データを作成する。評価データとしては、運動者が発揮した複数回転分の負荷強度(トルク又はワット)を角度毎に平均化したデータ、及び運動者が発揮した負荷強度のばらつきを示すデータを作成することができる。ばらつきを示すデータとしては、運動時の複数回転における角度毎の最大値、最小値及び平均値と、角度毎のデータの標準偏差及び分散と、全角度の分散和を加算して複数回転における全データの分散和及び標準偏差和とを作成することができる。ばらつきを示すデータとしてこれらすべてを必ず作成する必要はなく、これらの少なくとも1つを必要に応じて作成すればよい。
【0040】
波形全体の分散の求め方の例を示す。N回筋力測定を実施した場合で説明する。最初に
図5に示すように角度θにおけるi回目の筋力測定Ni(θ)と角度θにおける筋力測定の平均値μ(N(θ))との分散VAR(θ)=Σ(i=1、N)(Ni(θ)−μ(N(θ))の二乗を計算し、次に全角度にわたって和をとるVAR=Σ(θ=1、360)VAR(θ)。このことにより、波形全体での分散が計算できる。この分散は、運動者が伸張性収縮運動に慣れるに従って減少する。
【0041】
図5において、情報処理装置4は、筋力測定結果として、ペダル30の1回転毎の筋力変化波形及びその平均波形のグラフ65を表示装置6の画面に表示している。また、情報処理装置4は、運動者が発揮した負荷強度のばらつきを示すデータとして、角度毎の平均化グラフ66を表示している。最大値、最小値及び平均値は、平均化グラフ66の右側に示す凡例のように表示される。表示装置6の画面には、表示項目選択ウィンドウ67a,67bが設けられており、表示する内容は利用者が自由に選択することができる。表示するデータの種類は任意に選ぶことができる。複数種類のデータを同時に表示してよい。伸張性収縮運動においてペダルに抗する力は運動者に依存するため、伸張性収縮運動に不慣れな運動者の場合、ペダルに抗する力が回転毎に大きくばらつくことがある。運動者又はトレーニング指導者は、表示された波形や数値から、運動時の筋力発揮のばらつきの大きさを通して運動者の習熟度及び目標値の妥当性を検討できる。
【0042】
測定した結果は、情報処理装置4に内蔵又は外部接続された記憶装置に保存される。これにより、時間を空けて複数回の伸張性収縮運動を行った場合でも、過去に記録されたデータを時系列に沿って並べ、全角度の分散和、または標準偏差和をもってトレーニングの習熟度とし、時系列に沿った変化の確認を可能とする。ここで言う記憶装置は、情報処理装置4の電源が遮断されても情報を保持する例えば固定ディスク及び不揮発性メモリ等を指す。保存するデータには、運動者を特定する情報(少なくとも運動日時及びID)が運動結果と共に含まれ、必要に応じて運動者の疾患や当日の体調情報を付加され得る。ここで示す運動日時、ID、運動者の疾患及び当日の体調情報は、情報処理装置4に接続された入力手段5を用いて、データを保存する前に運動者又は運動を指導する者によって入力され得る。
【0043】
図6は、伸張性収縮運動後に
図2の表示装置6に表示されるデータ推移画面の例を示す説明図である。
図6に示すように、情報処理装置4は、保存されたデータを読み込み、時系列に沿ってデータの推移を表示する機能を有する。
【0044】
情報処理装置4は、制御モードが伸張性収縮運動モードとされているときにモータの動作状況から伸張性収縮運動時の運動負荷データを得るとともに、ペダル1回転毎の運動負荷データの最大値、最小値及び平均値の少なくとも1つの推移を表示装置6に表示させる。
図6では、運動負荷データの平均値の推移が表示されている。
【0045】
また、情報処理装置4は、ばらつきを示すデータの推移を表示することもできる。推移が表示されるばらつきを示すデータには、上述のように運動時の複数回転における角度毎の最大値、最小値及び平均値、角度毎のデータの標準偏差及び分散、並びに全角度の分散和を加算して複数回転における全データの分散和及び標準偏差和のうちの少なくとも1つが含まれる。これらの表示を確認することで、筋力測定結果、ならびに運動習熟度を視覚的に確認することが可能となる。
【0046】
このようなエルゴメータ1では、制御装置(モータ制御装置35及び情報処理装置4)によるモータ33の制御モードが、運動者によってペダル30が回される際にモータ33を負荷として機能させる短縮性収縮運動モードと、モータ33がペダル30を回転させ、運動者にペダル30の回転に抗させる伸張性収縮運動モードとで切り替え可能とされているので、1台のエルゴメータにより縮性収縮運動及び短縮性収縮運動の両方を実施できる。これにより、短縮性収縮運動のみを提供する装置と伸張性収縮運動のみを提供する装置との2台の装置を導入する場合と比較して、必要とされる費用及び設置面積を抑えることができる。
【0047】
また、制御装置は、制御モードが短縮性収縮運動モードとされているときに、モータ33の動作状況から短縮性収縮運動時の運動負荷データを得て、制御モードが伸張性収縮運動モードとされているときに、短縮性収縮運動時の運動負荷データに係数を掛けたデータを表示装置6に表示させるので、目標とするトレーニング効果をより確実に得ることができる。すなわち、短縮性収縮運動のみを提供する装置により運動負荷データを得て、伸張性収縮運動のみを提供する装置でその運動負荷データを用いる場合、運動負荷を検出する機構の違いにより、それぞれの装置で表示される運動負荷に乖離が生じる虞がある。このような乖離が生じると、異なった基準の負荷強度を基にしたトレーニングを行うことになり、目標とするトレーニング効果を期待できない虞がある。本実施の形態のエルゴメータ1のように構成することで、このような問題を解消できる。
【0048】
さらに、制御装置は、制御モードが伸張性収縮運動モードとされているときに、モータ33の動作状況から伸張性収縮運動時の運動負荷データを得て、短縮性収縮運動時の運動負荷データに係数を掛けたデータに加えて、伸張性収縮運動時の運動負荷データを表示装置6に表示させるので、運動者に目標運動負荷と現在発揮している運動負荷との差を示すことができ、より確実に目標運動負荷を発揮するように促すことができる。
【0049】
さらにまた、短縮性収縮運動時の運動負荷データに係数を掛けたデータは、短縮性収縮運動時のペダル1回転中の運動負荷データの最大値に前記係数を掛けたものであるので、表示を簡便にすることができ、伸張性収縮運動に慣れていなくても容易に測定可能で、運動者への過度な負荷による運動を防ぐ効果的な目標値として設定できる。
【0050】
また、制御装置は、制御モードが伸張性収縮運動モードとされているときにモータ33の動作状況から伸張性収縮運動時の運動負荷データを得るとともに、ペダル複数回転におけるペダル1回転毎の運動負荷データの最大値、最小値及び平均値の少なくとも1つの平均値及び分散値の少なくとも一方を表示装置6に表示させるので、トレーニング効果及び伸張性収縮運動への慣れの少なくとも一方を確認することができる。
【0051】
さらに、制御装置は、制御モードが伸張性収縮運動モードとされているときにモータ33の動作状況から伸張性収縮運動時の運動負荷データを得るとともに、ペダル1回転毎の運動負荷データの最大値、最小値及び平均値の少なくとも1つの推移を表示装置に表示させるので、トレーニング効果を確認することができる。