特許第6732285号(P6732285)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6732285配線修正装置、配線修正装置の制御方法、記録媒体、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6732285
(24)【登録日】2020年7月10日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】配線修正装置、配線修正装置の制御方法、記録媒体、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/22 20060101AFI20200716BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20200716BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20200716BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20200716BHJP
【FI】
   H05K3/22 A
   G09F9/00 352
   B05C5/00 101
   B05C11/10
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-225856(P2016-225856)
(22)【出願日】2016年11月21日
(65)【公開番号】特開2018-85364(P2018-85364A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2019年7月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】500171707
【氏名又は名称】株式会社ブイ・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田ノ岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】平野 貴文
(72)【発明者】
【氏名】柳川 良勝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 良和
【審査官】 黒田 久美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−115776(JP,A)
【文献】 特開2007−227535(JP,A)
【文献】 特開2006−013343(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/140689(WO,A1)
【文献】 特開2001−176897(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/22
B05C 5/00
B05C 11/10
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
修正用基板配置テーブルの上に配置された修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して前記修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置であって、
前記修正用基板配置テーブルの前記修正用基板の上方に配置され、該修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、
前記装置本体に対して、前記修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、
前記第1可動部に対して、前記Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、
前記第1可動部に設けられ、該第1可動部の前記Z軸方向の前記修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、
前記第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、
前記ノズル取り付け部から前記修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、該ノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、
前記装置本体に設けられ、前記対物レンズの前記Z軸方向の上方から前記対物レンズを介して前記修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、
前記装置本体に設けられ、前記ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、
を備え、
前記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、前記対物レンズの前記焦点と前記ノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、前記第1可動部と前記第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて前記焦点を前記修正用基板の表面に位置合わせした後に、前記第2可動部を前記Z軸方向の下方に移動させて前記ノズルの先端部が、前記焦点位置よりも設定距離寸法だけ前記Z軸方向の上側へ退いた位置に移動するように設定された、
配線修正装置。
【請求項2】
制御部を備え、
前記制御部は、
前記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、前記対物レンズの前記焦点が一致するように前記第1可動部を位置合わせして、前記第1可動部の前記Z軸方向の位置を記憶し、
前記ノズルの先端が前記焦点に一致するように位置合わせして、前記第1可動部に対する前記第2可動部の前記Z軸方向の位置を記憶した後、該第2可動部を上方へ移動させて前記ノズルの先端部を退避させ、
前記焦点を前記修正用基板の表面に位置合わせした状態で、前記第2可動部を、該第2可動部の前記Z軸方向の記憶位置よりも設定距離寸法だけ前記Z軸方向の上側へ退いた位置に移動させる制御を行う、
請求項1に記載の配線修正装置。
【請求項3】
前記第1撮像部は、前記対物レンズに対して前記Z軸方向の上方に配置された結像レンズと第1の画像撮像装置であり、前記第2撮像部は、テレセントリックレンズを備えた第2の画像撮像装置である、
請求項1または請求項2に記載の配線修正装置。
【請求項4】
前記第1撮像部の画像信号に基づいて前記対物レンズの焦点合わせの制御を行う画像コントラストフォーカスユニットを備える、
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の配線修正装置。
【請求項5】
前記装置本体は、位置決め機構に搭載され、前記修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向へ移動可能である、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の配線修正装置。
【請求項6】
前記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置は、前記修正用基板配置テーブルの上に配置された校正用部材の特定部分の高さ位置で決められる、
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の配線修正装置。
【請求項7】
前記ノズルは、前記先端部に電極が設けられ、前記電極に電圧が印加されることにより前記先端部に電界を集中させる、
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の配線修正装置。
【請求項8】
修正用基板配置テーブルの修正用基板の上方に配置され、前記修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、前記装置本体に対して、前記修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、前記第1可動部に対して、前記Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、前記第1可動部に設けられ、該第1可動部の前記Z軸方向の前記修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、前記第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、前記ノズル取り付け部から前記修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、該ノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、前記装置本体に設けられ、前記対物レンズの前記Z軸方向の上方から前記対物レンズを介して前記修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、前記装置本体に設けられ、前記ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、を備えた、前記修正用基板配置テーブルの上に配置された前記修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して前記修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置の制御方法であって、
前記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、前記対物レンズの前記焦点と前記ノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、前記第1可動部と前記第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて前記焦点を前記修正用基板の表面に位置合わせした後に、
前記第2可動部を前記Z軸方向の下方に移動させて前記ノズルの先端部が、前記焦点位置よりも設定距離寸法だけ前記Z軸方向の上側へ退いた位置に移動するように制御する、
配線修正装置の制御方法。
【請求項9】
修正用基板配置テーブルの修正用基板の上方に配置され、前記修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、前記装置本体に対して、前記修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、前記第1可動部に対して、前記Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、前記第1可動部に設けられ、該第1可動部の前記Z軸方向の前記修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、前記第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、前記ノズル取り付け部から前記修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、該ノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、前記装置本体に設けられ、前記対物レンズの前記Z軸方向の上方から前記対物レンズを介して前記修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、前記装置本体に設けられ、前記ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、を備えた、前記修正用基板配置テーブルの上に配置された前記修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して前記修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置の制御プログラムを記録した記録媒体であって、
前記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、前記対物レンズの前記焦点と前記ノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、前記第1可動部と前記第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて前記焦点を前記修正用基板の表面に位置合わせを行う制御手順と、
前記第2可動部を前記Z軸方向の下方に移動させて前記ノズルの先端部が、前記焦点位置よりも設定距離寸法だけ前記Z軸方向の上側へ退いた位置に移動するように制御する制御手順と、
を備えるプログラムが記録された、
記録媒体。
【請求項10】
前記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、前記対物レンズの前記焦点が一致するように前記第1可動部を位置合わせして、前記第1可動部の前記Z軸方向の位置を記憶する制御手順と、
前記ノズルの先端が前記焦点に一致するように位置合わせして、前記第1可動部に対する前記第2可動部の前記Z軸方向の位置を記憶した後、該第2可動部を上方へ移動させて前記ノズルの先端部を退避させる制御手順と、
前記焦点を前記修正用基板の表面に位置合わせした状態で、前記第2可動部を、該第2可動部の前記Z軸方向の記憶位置よりも設定距離寸法だけ前記Z軸方向の上側へ退いた位置に移動させる制御手順と、
を備えるプログラムが記録された
請求項9に記載の記録媒体。
【請求項11】
修正用基板配置テーブルの修正用基板の上方に配置され、前記修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、前記装置本体に対して、前記修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、前記第1可動部に対して、前記Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、前記第1可動部に設けられ、該第1可動部の前記Z軸方向の前記修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、前記第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、前記ノズル取り付け部から前記修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、該ノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、前記装置本体に設けられ、前記対物レンズの前記Z軸方向の上方から前記対物レンズを介して前記修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、前記装置本体に設けられ、前記ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、を備えた、前記修正用基板配置テーブルの上に配置された前記修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して前記修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置を制御するプログラムであって、
前記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、前記対物レンズの前記焦点と前記ノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、前記第1可動部と前記第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて前記焦点を前記修正用基板の表面に位置合わせを行う制御手順と、
前記第2可動部を前記Z軸方向の下方に移動させて前記ノズルの先端部が、前記焦点位置よりも設定距離寸法だけ前記Z軸方向の上側へ退いた位置に移動するように制御する制御手順と、
を備えるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板表面に形成された配線パターンを修正する配線修正装置、配線修正装置の制御方法、記録媒体、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
FPD(Flat Panel Display)は、微細な配線パターンが形成された基板を備える。FPDの製造工程において、配線パターンに欠陥がある場合にはリペア処理を行っている。リペア処理としては、配線パターンが欠損した断線箇所の接続を行う断線修正処理がある。このようなリペア処理を行う手段としては、特許文献1に開示された欠陥修正装置が知られている。この欠陥修正装置は、基板上の配線パターンを観察する観察光学系と、修正材料を吐出する修正材料吐出部(以下、ノズルという)と、ビーム整形されたレーザ光を基板表面に照射するレーザ照射光学系とを備え、観察光学系およびレーザ照射光学系が共通の対物光学系を有する。ノズルは、観察光学系で観察像を形成する光の光路の最外径の範囲内において、対物光学系に固定して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−170605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の欠陥修正装置では、対物光学系およびノズルを、修正用基板を配置するステージに対して上下動させる機構を備えていない。微細な配線パターンの欠陥修正処理においては、ノズルの先端と修正用基板の表面との距離を適切な寸法に維持することが重要である。したがって、上記の欠陥修正装置では、ノズルの交換や修正用基板の厚さ変更などがあった場合には、ノズルの先端と修正用基板の表面との距離が変動し易くなる。このような距離の変動は、修正材料である液体の吐出精度に悪影響を及ぼす。すなわち、吐出精度が低下すると、修正箇所の配線の線幅の精度も低下するという問題がある。ノズルと修正用基板の表面との距離を把握するため、欠陥修正装置の側方にノズルと基板との間の距離を測る観察手段を配置することが考えられる。このような配置構造では、例えば、一辺が2m程度の大きさのTFTアレイ基板が修正用基板である場合に、観察手段から遠く離れた位置における、ノズルと修正用基板の表面との間の距離を正確に測ることは困難である。近年は基板の大型化が進んでいるため、大型の修正用基板上の任意の位置における、ノズルと修正用基板の間の距離を容易に決定できる配線修正装置が求められている。
【0005】
因みに、近年のFPDの高精細化に伴って、例えば、TFTアレイ基板の金属配線はその線幅が5μm以下に細線化している。したがって、修正箇所の配線の線幅も金属配線の線幅と同等以下の細線化が求められている。TFTアレイ基板の断線修正方法では、断線箇所をつなぐように、ナノインク(ナノ金属粒子インク)をノズルから吐出させて線状に塗布している。ナノインクをノズルから吐出させる方式としては、ディスペンサ方式、エアロゾル方式、インクジェット方式、電界方式などがある。特に、電界方式は、微細な吐出孔からのインクを吐出させることができるため、修正配線の細線化を図ることが可能である。この電界方式において、電界がインクの吐出状態を決定する。電界(E)は、主に、ノズル(Nozzle)と修正用基板(Substrate)との間の距離(NS-Gap)と、電位差(V)との比(E=V/NS-Gap)で決まる。この距離(NS-Gap)を正確に制御することがナノインクの適切な塗布状態を維持するために重要である。したがって、このようにノズルと修正用基板と間の距離を再現性良く制御できる配線修正装置が求められている。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、修正用基板が大型であっても修正用基板上の任意の位置における、ノズルと修正用基板との間の距離を容易に決定できる配線修正装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ノズルを交換した場合に、ノズルの形状や大きさの違いによるずれ量を補正でき、ノズル交換前後においてノズルと修正用基板との間の距離を再現性よく維持できる配線修正装置を提供することを目的とする。加えて、本発明は、修正用基板の厚さ寸法が変わった場合でも、ノズルと修正用基板との間の距離を適切に設定できる配線修正装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の態様は、修正用基板配置テーブルの上に配置された修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置であって、修正用基板配置テーブルの修正用基板の上方に配置され、修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、装置本体に対して、修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、第1可動部に対して、Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、第1可動部に設けられ、第1可動部のZ軸方向の前記修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、ノズル取り付け部から修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、ノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、装置本体に設けられ、対物レンズのZ軸方向の上方から対物レンズを介して修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、装置本体に設けられ、ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、を備え、第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、対物レンズの焦点とノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、第1可動部と第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて焦点を修正用基板の表面に位置合わせした後に、第2可動部をZ軸方向の下方に移動させてノズルの先端部が、焦点位置よりも設定距離寸法だけZ軸方向の上側に退いた位置に移動するように設定された構成である。
【0008】
上記態様としては、制御部を備え、この制御部は、第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、対物レンズの焦点が一致するように第1可動部を位置合わせして、第1可動部のZ軸方向の位置を記憶し、ノズルの先端が焦点に一致するように位置合わせして、第1可動部に対する第2可動部のZ軸方向の位置を記憶した後、第2可動部を上方へ移動させてノズルの先端部を退避させ、焦点を修正用基板の表面に位置合わせした状態で、第2可動部を、第2可動部のZ軸方向の記憶位置よりも設定距離寸法だけZ軸方向の上側に退いた位置に移動させる制御を行うことが好ましい。
【0009】
上記態様としては、第1撮像部は、対物レンズに対して上記Z軸方向の上方に配置された結像レンズと第1の画像撮像装置であり、第2撮像部は、テレセントリックレンズを備えた第2の画像撮像装置であることが好ましい。
【0010】
上記態様としては、第1撮像部の画像信号に基づいて対物レンズの焦点合わせの制御を行う画像コントラストフォーカスユニットを備えることが好ましい。
【0011】
上記態様としては、装置本体は、位置決め機構に搭載され、修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向へ移動可能であることが好ましい。
【0012】
上記態様としては、第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置は、修正用基板配置テーブルの上に配置された校正用部材の特定部分の高さ位置で決められることが好ましい。
【0013】
上記態様としては、ノズルは、先端部に電極が設けられ、電極に電圧が印加されることにより先端部に電界を集中させることが好ましい。
【0014】
本発明の他の態様は、修正用基板配置テーブルの修正用基板の上方に配置され、修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、この装置本体に対して、修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、この第1可動部に対して、Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、第1可動部に設けられ、第1可動部のZ軸方向の修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、このノズル取り付け部から修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、ノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、上記装置本体に設けられ、上記対物レンズのZ軸方向の上方から対物レンズを介して修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、装置本体に設けられ、ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、を備えた、修正用基板配置テーブルの上に配置された修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置の制御方法であって、第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、対物レンズの焦点とノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、第1可動部と第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて焦点を修正用基板の表面に位置合わせした後に、第2可動部をZ軸方向の下方に移動させてノズルの先端部が、焦点位置よりも設定距離寸法だけZ軸方向の上側へ退いた位置に移動するように制御する。
【0015】
本発明の他の態様は、修正用基板配置テーブルの修正用基板の上方に配置され、修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、この装置本体に対して、修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、第1可動部に対して、Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、第1可動部に設けられ、この第1可動部のZ軸方向の修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、ノズル取り付け部から修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、このノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、装置本体に設けられ、対物レンズのZ軸方向の上方から対物レンズを介して修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、装置本体に設けられ、ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、を備えた、修正用基板配置テーブルの上に配置された修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置の制御プログラムを記録した記録媒体であって、第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、対物レンズの焦点とノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、第1可動部と第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて焦点を修正用基板の表面に位置合わせを行う制御手順と、第2可動部をZ軸方向の下方に移動させてノズルの先端部が、焦点位置よりも設定距離寸法だけZ軸方向の上側へ退いた位置に移動するように制御する制御手順と、を備えるプログラムが記録されている。
【0016】
上記記録媒体の態様としては、上記第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、対物レンズの焦点が一致するように第1可動部を位置合わせして、第1可動部のZ軸方向の位置を記憶する制御手順と、ノズルの先端が焦点に一致するように位置合わせして、第1可動部に対する第2可動部の前記Z軸方向の位置を記憶した後、この第2可動部を上方へ移動させてノズルの先端部を退避させる制御手順と、焦点を修正用基板の表面に位置合わせした状態で、第2可動部を、この第2可動部のZ軸方向の記憶位置よりも設定距離寸法だけZ軸方向の上側へ退いた位置に移動させる制御手順と、を備える構成としてもよい。
【0017】
本発明の他の態様は、修正用基板配置テーブルの修正用基板の上方に配置され、修正用基板配置テーブルのX−Y軸方向に相対的に移動可能な装置本体と、この装置本体に対して、修正用基板配置テーブルのZ軸方向に沿って移動可能な第1可動部と、この第1可動部に対して、Z軸方向に沿って移動可能な第2可動部と、上記第1可動部に設けられ、第1可動部のZ軸方向の修正用基板配置テーブル側に焦点を有する対物レンズと、第2可動部に設けられたノズル取り付け部と、ノズル取り付け部から修正用基板配置テーブル側へ向けて突出するように、上記ノズル取り付け部に着脱可能に設けられるノズルと、装置本体に設けられ、対物レンズのZ軸方向の上方から対物レンズを介して修正用基板配置テーブル側を撮像する第1撮像部と、装置本体に設けられ、ノズルの先端部を側方から撮像する第2撮像部と、を備えた、修正用基板配置テーブルの上に配置された修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出して修正用基板の表面に修正配線を形成する配線修正装置を制御するプログラムであって、第2撮像部の視野内に設定した高さ方向の基準位置に、対物レンズの焦点とノズルの先端が一致するように位置合わせした状態における、第1可動部と第2可動部のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報に基づいて、第1可動部をZ軸方向の下方に移動させて焦点を修正用基板の表面に位置合わせを行う制御手順と、第2可動部をZ軸方向の下方に移動させてノズルの先端部が、焦点位置よりも設定距離寸法だけZ軸方向の上側へ退いた位置に移動するように制御する制御手順と、を備える構成としてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、修正用基板が大型であっても、任意の位置でノズルと基板との間の距離を容易に決定できる。本発明に係る配線修正装置によれば、ノズル交換時にノズル形状や大きさの違いによるずれ量を補正でき、ノズル交換前後においてノズルと基板との間の距離を再現性よく維持できる。このため、本発明によれば、修正配線を適切な線幅に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の構成を示す斜視図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の構成を示すブロック説明図である。
図3図3は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の装置本体を示す斜視図である。
図4図4は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置のノズルを示す断面説明図である。
図5図5は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法における基準位置の決定方法を示す説明図である。
図7図7は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法における基準位置を示す第2撮像部の視野内の観察像を示す説明図である。
図8図8は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法において、対物レンズを小片基板の表面にフォーカス合わせする工程を示す斜視図である。
図9図9は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法において、ノズルの先端部を基準位置に合わせる工程を示す斜視図である。
図10図10は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法において、基準位置にノズルの先端部を合わせる工程の第2撮像部での観察像の説明図である。
図11図11は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法において、修正用基板の表面に対物レンズのフォーカス合わせを行う工程を示す斜視図である。
図12図12は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の制御方法において、ノズルの先端部を対物レンズのフォーカス位置よりも所望の距離NS-Gapだけ上方側になるように移動させる工程を示す斜視図である。
図13図13は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置を用いて断線の修正を行った実施例の観察画像を示す図である。
図14図14は、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置を用いて断線の修正(インク塗布)を複数回行ったときと、本発明の構成を備えない従来の装置を用いて断線の修正を複数回行ったときの塗布線幅の変動の結果を示すグラフである。
図15図15は、本発明の第2の実施の形態に係る配線修正装置の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の各実施の形態に係る配線修正装置の詳細を図面に基づいて説明する。但し、図面は模式的なものであり、各部材の寸法や寸法の比率や形状などは現実のものと異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率や形状が異なる部分が含まれている。
【0021】
本発明に係る配線修正装置は、修正用基板配置テーブルの上に配置された修正用基板の表面に向けて配線材料を吐出してこの修正用基板表面の配線欠損箇所に修正配線を形成することができる。この配線修正装置は、オペレータが操作を行ってノズルの取り付け時などにおいてノズル位置の調整を行ってもよい。また、以下に説明する各実施の形態に係る配線修正装置のように、ノズルの位置合わせを自動制御する制御部を備える構成とすることも本発明の適用範囲である。
【0022】
[第1の実施の形態]
(配線修正装置の構成)
以下、図1図3を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置1の構成を説明する。図1に示すように、配線修正装置1は、装置本体100と、第1可動部101と、第2可動部102と、対物レンズ103と、ノズル取り付け部104と、ノズル105と、第1撮像部106と、第2撮像部107と、制御部108と、を備える。
【0023】
装置本体100は、位置決め機構としてガントリステージ2に搭載されている。このガントリステージ2は、基台3の上に搭載されている。基台3の上には、修正用基板配置テーブルとしてのテーブル4が設けられている。テーブル4の上には、修正用基板5が配置される。この修正用基板5は、この配線修正装置1を用いて、配線修正を行う対象物である。
【0024】
図1に示すように、ガントリステージ2は、装置本体100を、テーブル4の上方において、図中矢印Xgで示すX軸方向と図中矢印Ygで示すY軸方向に移動させることができる。ガントリステージ2は、一対のY軸方向ガイド部21,22と、X軸方向ガイド部23と、を備える。一対のY軸方向ガイド部21,22は、基台3のX軸方向の両側部上に配置され、それぞれがY軸方向に沿って延びる。X軸方向ガイド部23は、一対のY軸方向ガイド部21,22に対して架け渡され、X軸方向に延びている。X軸方向ガイド部23は、一対のY軸方向ガイド部21,22に対して、矢印Ygで示すY軸方向に移動可能に支持されている。X軸方向ガイド部23は、制御部108からの駆動信号に基づいて図示しないY軸方向駆動機構により矢印Ygで示す方向に移動される。
【0025】
本実施の形態では、装置本体100が矩形のプレートで構成されている。この装置本体100は、プレート表面がX軸方向およびZ軸方向に平行をなすように配置されている。すなわち、装置本体100は、その表面が基台4の上面に対して直角をなしている。装置本体100は、X軸方向ガイド部23に対して、X軸方向に移動可能に支持されている。装置本体100は、制御部108からの駆動信号に基づいて、図示しないX軸方向駆動機構により、矢印Xgで示すようにX軸方向に移動される。したがって、装置本体100は、Y軸方向ガイド部21,22およびX軸方向ガイド部23を作動させることにより、X−Y軸方向の任意の位置に移動可能である。
【0026】
図1図3を用いて、第1可動部101について説明する。第1可動部101は、装置本体100の表面に重なるように配置されている。第1可動部101は、装置本体100よりも小さい矩形状のプレートで構成されている。図1に示すように、第1可動部101は、装置本体100に対して、矢印Z1で示すZ軸方向に沿って移動可能に支持されている。第1可動部101は、上記した制御部108の駆動信号に基づいて、図示しないZ1軸方向駆動機構により矢印Z1で示す方向に移動制御される。
【0027】
第2可動部102について説明する。第2可動部102は、第1可動部101よりも小さい矩形状のプレートで構成されている。第2可動部102は、第1可動部101の表面に配置されている。第2可動部102は、第1可動部101に対して、図中矢印Z2で示すZ軸方向に沿って移動可能に設けられている。本実施の形態において、第2可動部102は、第1可動部101のX軸方向の一方側に偏った位置に配置されている。この第2可動部102は、制御部108からの駆動信号に基づいて、図示しないZ2軸方向駆動機構により、第1可動部101に対して、矢印Z2で示す方向に移動制御される。
【0028】
図1図3を用いて、対物レンズ103について説明する。対物レンズ103は、第1可動部101に設けられている。この対物レンズ103は、第1可動部101においてX軸方向の一方側に偏って配置された第2可動部102に対して、X軸方向の他方側で隣り合う位置に配置されている。対物レンズ103は、その光軸がZ軸方向と一致するように、第1可動部101に固定されている。この対物レンズ103は、無限遠補正光学系の対物レンズである。このため、修正用基板5側からこの対物レンズ103を経た光線は対物レンズ103で結像せずに、無限遠の平行光束となる。この対物レンズ103では、下方に配置される修正用基板5に焦点を合わせることが可能な焦点距離を有する。
【0029】
図1図3に示すように、ノズル取り付け部104は、第2可動部102に設けられている。本実施の形態では、ノズル取り付け部104は、図示しないX−Y軸移動機構によりX−Y軸方向に移動可能に設けられている。ノズル取り付け部104は、ノズル105を斜め下方にテーブル4側へ向けて突出するように装着する。このノズル取り付け部104は、ノズル105の着脱が可能である。なお、ノズル取り付け部104は、第2可動部102と連係してノズル105の先端部105Aを対物レンズ103の下方に位置する焦点位置の近傍まで移動させることができる。
【0030】
図4に示すように、ノズル105は、ノズル本体109と、このノズル本体109内に設けられた電極線110と、で構成されている。電極線110は、ノズル本体109の先端部105A内に至るように挿入配置されている。電極線110は、図示しない高電圧アンプを介して図示しないファンクションジェネレータに接続されている。ファンクションジェネレータからの信号は、高電圧アンプで増幅された直流あるいは交流電圧となる。この直流電圧は、電極線110を介してノズル105の先端部105Aに印加される。このため、先端部105Aには、電界が集中して、配線材料を吐出する。本実施の形態では、配線材料として銀ナノインクを用いるが、本発明はこの配線材料に限定されない。また、ノズル105の構造は、上記構造に限定されるものではなく、各種の構造を適用してもよい。
【0031】
第1撮像部106は、装置本体100に設けられている。図1図3に示すように、第1撮像部106は、装置本体100における、第1可動部101に設けた対物レンズ103の上方に、光軸が対物レンズ103の光軸に一致するように配置される。第1撮像部106は、対物レンズ103の平行光束が入り中間像を結ばせることができる結像レンズ111と、第1の画像撮像装置としての第1CCD(Charge Coupled Device)カメラ112と、で構成されている。第1CCDカメラ112は、結像レンズ111で結ぶ中間像を撮像する。したがって、第1撮像部106は、対物レンズ103を介してテーブル4側を撮像することができる。
【0032】
第2撮像部107は、装置本体100の下部において、第1可動部101に対してX軸方向の側方に固定されている。第2撮像部107は、テレセントリックレンズ(物体側テレセントリックレンズ)113と、第2の画像撮像装置としての第2CCDカメラ114と、で構成されている。この第2撮像部107は、光軸がX軸方向と一致するように配置され、第1可動部101に設けられた対物レンズ103の下方でノズル105の先端部105Aを撮像可能に設定されている。具体的には、第2撮像部107は、後述する校正用の小片基板7とノズル105の先端部105Aを観察像として捉えることができる。
【0033】
図1に示すように、制御部108は、装置本体100側の各要素を制御するように接続されている。また、図示しないが、制御部108は、ガントリステージ2の各駆動系にも接続されている。図2に示すように、制御部108は、画像コントラストフォーカスユニット115と、制御装置116と、を備える。
【0034】
図2に示すように、画像コントラストフォーカスユニット115は、第1可動部101と、第1撮像部106と、制御装置116と、に接続されている。画像コントラストフォーカスユニット115は、第1撮像部106からの画像信号Si1に基づいて、駆動信号Sd1を第1可動部101側へ出力して、対物レンズ103の観察面のフォーカス位置を合わせる制御を行う。本実施の形態では、この観察面としては、後述する校正用の小片基板7の表面と修正用基板5の表面がある。
【0035】
制御装置116は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)などの制御機器と、モーションコントローラと、第2撮像部107からの画像信号Si2を取り込む画像取り込みボード、PCモニタなどを備える構成である。図2に示すように、制御装置116は、第1可動部101、第2可動部102、ノズル取り付け部104、第1撮像部106、第2撮像部107、画像コントラストフォーカスユニット115のそれぞれに接続されている。制御装置116は、制御手順をプログラムとして記録されており、ノズル先端位置の校正およびインク塗布時の位置制御を行うことができる。なお、具体的な制御手順は、後述する制御方法および動作の説明の欄で述べるが、以下に制御装置116が備える制御機能について簡単に説明する。
【0036】
この制御装置116は、第2撮像部107で撮像した画像の視野内に設定した、高さ方向の基準位置に対して、対物レンズ103の焦点が一致するように第1可動部101を位置合わせして、第1可動部101のZ1軸方向の位置を記憶させる制御を行う。このような制御には、画像コントラストフォーカスユニット115の制御も連係する。
【0037】
まず、制御装置116は、後述する校正用の小片基板7の端部の上辺(特定部分)7Aを第2撮像部107で観察した観察像の画像信号Si2に基づいて上辺7Aの位置を基準位置Pbとして決定する。
【0038】
制御装置116は、この基準位置Pbの基礎となった小片基板7の表面に対して、対物レンズ103のフォーカスが合うように画像コントラストフォーカスユニット115へ制御信号Scを出力する。
【0039】
図2に示すように、制御装置116は、上記の基準位置Pbの情報を踏まえて第2可動部102に対しては駆動信号Sd3を、ノズル取り付け部104に対しては駆動信号Sd4を出力して、ノズル105の先端部105Aが基準位置Pbに移動して一致するように制御する。制御装置116は、対物レンズ103のフォーカス位置にノズル105の先端部105Aが基準位置Pbで合うときの第2可動部102のZ軸方向の位置座標を記録する。そして、制御装置116は、この位置座標に基づいてノズル105の先端部105Aが、所望の距離NS-Gapだけ対物レンズ103のフォーカス位置よりも上方にくるような位置を算出する。制御装置116は、ノズル105の先端部105Aを、算出位置へ移動させるように、第2可動部102およびノズル取り付け部104へ駆動信号Sd3,Sd4を出力する。
【0040】
制御装置116は、修正用基板5の配線修正に際して、第2可動部102を上方へ移動させてノズル105の先端部105Aを退避させた状態で、画像コントラストフォーカスユニット115と連係して、対物レンズ103の焦点を修正用基板5の表面に位置合わせする制御を行う。その後、第2可動部102を駆動して、Z2軸方向の記憶位置よりも設定寸法(先端部105Aと修正用基板5との適切な距離)だけZ2軸方向の上方の位置にノズル105の先端部105Aを移動させる制御を行う。このような制御により、配線修正に適切な距離(先端部105Aと修正用基板5との距離)を設定でき、ノズル105の先端部105Aが修正用基板5に干渉することを防止できる。
【0041】
(配線修正装置の制御方法および動作)
次に、本実施の形態に係る配線修正装置1の制御方法および動作について説明する。図5は、この配線修正装置1の制御方法の手順を示すフローチャートである。
【0042】
(1)まず、図6に示すように、校正用部材としての、校正用治具6および小片基板7を準備する(ステップS1)。校正用治具6は、直方体形状の高さ方向(Z軸方向)の調整が可能な部材であり、配線修正装置1のテーブル4上に配置する。小片基板7は、校正用治具6の上に配置される。小片基板7は、対物レンズ103のフォーカス合わせと、ノズル105の先端部105Aの位置校正のために用いられる。小片基板7は、例えば一辺が約10mm程度のガラス基板であり、その表面には校正用の格子パターンが刻まれている。
【0043】
(2)次に、図6に示すように、小片基板7の端部の特定部分としての上辺7Aが、第2CCDカメラ114の視野内に入るように、校正用治具6の高さを調整する。そして、図7に示す、第2CCDカメラ114の観察像における上辺7Aの高さ方向の位置を基準位置Pbとして記録する(ステップS2)。具体的には、第2CCDカメラ114の観察像を、制御装置116を構成するPCのモニタ上に表示させ、表示画像における上辺7Aの高さ方向の位置をPCに基準位置Pbとして記録すればよい。なお、基準位置Pbは、PCモニタ上の位置情報であるが、説明の便宜を図るために、図6図10においては、テーブル4の上方の基準位置Pbに対応する高さ位置にも基準位置Pbとして仮想線で示す。
【0044】
(3)次に、図8に示すように、対物レンズ103の焦点位置が、小片基板7の表面の高さに一致するように画像コントラストフォーカスユニット115を用いて、第1可動部101の矢印Z1で示すZ軸方向の高さ調整を行う(ステップS3)。
【0045】
図8に示すように、画像コントラストフォーカスユニット115は、第1撮像部106からの画像信号Si1に基づいて、駆動信号Sd1を第1可動部101へ出力し、対物レンズ103の観察面のフォーカス位置を合わせる制御を行う。なお、図8は、ノズル取り付け部104にノズル105を装着していない状態を示すが、対物レンズ103のフォーカス位置合わせの制御の前に、新しいノズル105を装着しておいてもよい。なお、ノズル105をノズル取り付け部104に装着している場合は、ノズル105が小片基板7に接触しないように、ノズル取り付け部104を矢印Z2で示す方向やX−Y軸方向に移動させることが好ましい。
【0046】
(4)第1可動部101の矢印Z1方向の位置を保持したまま、校正用治具6および小片基板7を取り外す(ステップS4)。
【0047】
(5)その後、図9に示すように、ノズル取り付け部104にノズル105を装着した状態でノズル105の先端部105Aが、記録した第2撮像部107の観察像の基準位置Pbの高さとなるように移動制御する。なお、図9においては、基準位置Pbを第2撮像部107から軸方向に延びる一点鎖線で示したが、上述したように実際には図10に示す観察像の基準位置Pbである。
【0048】
ここでは、第2可動部102の矢印Z2で示す方向の移動制御を行って高さ合わせをした後、第2可動部102の第1可動部101に対する座標位置を記録する(ステップS5)。図10は、第2撮像部107の観察像において上記の基準位置Pbの高さにノズル105の先端部105Aを一致させた状態を示す。第2可動部102の矢印Z2で示す方向の第1可動部101に対する座標位置は、取り付けたノズル105の先端部105Aが対物レンズ103の焦点位置と一致する座標位置である。
【0049】
(6)以下の制御では、修正用基板5に対して、配線パターンの修正を行う場合の手順である。図11に示すように、ノズル105の先端部105Aが修正用基板5と接触して破損しないように、第2可動部102を矢印Z2の示す方向に沿って上側へ退避させておく。このとき、ノズル取り付け部104をX−Y軸方向に移動させてもよい。この状態で、ガントリステージ2を制御することにより、装置本体100を配線パターンの修正箇所の上方に移動させる。そして、画像コントラストフォーカスユニット115を用いて、第1可動部101を矢印Z1方向に移動させ、対物レンズ103を修正用基板5の表面にフォーカス合わせする(ステップS6)。なお、図11に示す仮想線Pfは、対物レンズ103の焦点位置を示している。この図11は、焦点位置Pfが修正用基板5の表面に一致している状態を示す。
【0050】
次に、図12に示すように、退避させていたノズル105を対物レンズ103のフォーカス位置(この場合、修正用基板5の表面位置)より所望の距離NS-Gap、例えば、50μmだけ上方の位置となるように第2可動部102を矢印Z2の方向に沿って下方へ移動させる(ステップS7)。
【0051】
この結果、ノズル105の先端部105Aが修正用基板5の表面に接触させることがなく、修正用基板5の表面と適切な距離NS-Gapを設定できる。なお、この距離NS-Gapの設定は、ノズル105の規格などに応じて予め制御装置116に記憶させておけばよい。なお、このステップS7の制御においては、ノズル取り付け部104をX−Y軸方向に移動制御させて第1撮像部106の光軸にノズル105の先端部105Aが位置するようにしてもよい。そして、このようにノズル105の先端部105Aの位置合わせが終了した後は、図示しないファンクションジェネレータからの信号に基づいて、高電圧アンプを介してノズル105の先端部105Aに直流電圧を印加して、銀ナノインクを修正箇所へ向けて吐出させればよい。
【0052】
上述のように、本実施の形態では、第2撮像部107の視野内に設定した高さ方向の基準位置Pbに、対物レンズ103の焦点とノズル105の先端部105Aが一致するように位置合わせする。この基準位置Pbは、テーブル4の上に校正用治具6を介して配置された小片基板7の端部上辺の高さ位置である。そして、この位置合わせした状態における、第1可動部101と第2可動部102のそれぞれのZ軸方向の相対位置情報(矢印Z1、矢印Z2方向の座標位置)に基づいて、以下の制御を行う。
【0053】
すなわち、第1可動部101をZ軸方向の下方に移動させて対物レンズ103の焦点を修正用基板5の表面に位置合わせした後に、第2可動部102をZ軸方向(矢印Z2方向)の下方に移動させてノズル105の先端部105Aが焦点位置よりも所望の設定寸法NS-GapだけZ軸方向の上方の位置に移動できるように設定した。この状態で、ノズル105に設けた電極線110に電圧を印加することにより、先端部105Aに電界を集中させて銀ナノインクを制御性よく吐出できる。
【0054】
なお、本実施の形態に係る配線修正装置1では、上記した制御手順のうち、例えば、ステップS2、ステップS3、ステップS5〜S7の制御手順のプログラムが、制御装置116における図示しない記憶装置に格納されている。この記憶装置に格納されたプログラムは、制御部108に読み出されて制御を実行させるように設定されている。ここで、記憶装置としては、例えば、半導体メモリや、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクを備えたドライブ装置などが使用可能である。
【0055】
(第1の実施の形態に係る配線修正装置の効果)
以上、本実施の形態に係る配線修正装置1の構成、制御方法、および動作について説明したが、以下に本実施の形態に係る配線修正装置1の効果について説明する。
【0056】
本実施の形態に係る配線修正装置1では、対物レンズ103と第2撮像部107が装置本体100に設けられているため、修正用基板が大型であっても、任意の位置に移動して、ノズルと基板との間の距離NS-Gapを容易に決定できる。
【0057】
本実施の形態に係る配線修正装置1によれば、ノズル交換時にノズル形状や大きさの違いによるずれ量を補正でき、ノズル交換前後においてノズルと基板との間の距離を再現性よく維持できる。
【0058】
本実施の形態に係る配線修正装置1では、ノズル取り付け部104が少なくとも矢印Z2方向に上下に移動できるため、ノズル105の先端部105Aが、対物レンズ103、修正用基板5、小片基板7などに干渉されることを防止できる。
【0059】
本実施の形態に係る配線修正装置1では、制御部108を備えるため、ノズル交換や修正用基板5の変更など、修正条件が変化したときも、ノズルの先端部105Aと修正用基板5の表面の適正な距離NS-Gapを迅速に導き出すことができるため、配線修正の処理時間を大幅に短縮できる。
【0060】
本実施の形態に係る配線修正装置1では、ノズル105の先端部105Aに電極線110が設けられ、この電極線110に電圧が印加されることにより先端部105Aに電界を集中させる電界方式を採用している。この電界方式では、先端部105Aと修正用基板5の表面との距離NS-Gapの変動が修正用基板5の修正配線幅に大きく影響するが、本実施の形態に係る配線修正装置1では、精度の高い距離NS-Gapの設定が可能であるため、修正配線の線幅変動を抑制した配線修正を可能にする。
【0061】
(実施例)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る配線修正装置の実施例について説明する。なお、この実施例に用いる部材には符号は付さないが、上記の第1の実施の形態に係る配線修正装置1の各部材と名称が略同様である。
【0062】
先ずノズル(SIJ製)先端位置校正のためにガラス表面に格子パターンを刻んだ小片基板(1辺約10mm)を準備した。テーブル4面上に高さ方向調整可能な校正用治具を置き、その上に小片基板を配置した。小片基板の端面の上辺が第2CCDカメラの視野内に入るように校正用治具の高さを調整し、PCモニタ上に表示された小片基板端面の上辺の高さ方向の位置をPCに記録した。
【0063】
次に、対物レンズ(ミツトヨ製10倍)の焦点位置に小片基板の表面高さが一致するよう画像コントラストフォーカスユニット(Vテクノロジー製)を用いてZ1軸により高さ方向の調整を行った。
【0064】
Z1軸方向の位置を保持したまま校正用治具を取り外し、X−Y軸方向に移動可能な取り付けたノズル先端の高さ位置が第2CCDカメラに記録した高さ位置となるようにZ2軸で調整した(図6)。このときのZ2軸の座標をPCに記録した。このZ2軸の位置が取り付けたノズルの先端が対物レンズの焦点位置と一致する座標である。本実施例においてZ2軸の原点位置からZ2=+7.655 [mm]の位置であった(下方向を+方向とした)。
【0065】
ここまでがノズル先端位置の校正作業である。本校正作業は、インク種の変更やノズルを交換する場合に再度実施する必要がある。
【0066】
次に、インクの塗布動作を示す。ノズル先端が基板と接触して破損しないようZ2軸、X−Y軸方向の駆動系を用いてノズルを基板表面近傍から退避させた状態で、ガントリステージを用いてオープン欠陥配線箇所(断線箇所)に装置本体を移動した。画像コントラストフォーカスユニットを用いて対物レンズのフォーカスが合うようにZ1軸方向の位置を調整した。
【0067】
次に、ノズル先端が基板表面から50 [μm]上方の位置となるようにZ2=+7.605 [mm]の位置にZ2軸方向の移動をさせた。またX−Y軸方向の駆動系は、第1CCDカメラの中心にノズル先端が位置するように調整した。
【0068】
この状態でファンクションジェネレータ(TEXIO製)からの信号を高電圧アンプ(SIJ製)を介してノズル先端に-1.2 [kV]の直流電圧を印加し、銀ナノインク(ハリマ化成製)を吐出させた。
【0069】
図13は、ガントリステージの駆動機構を用いて断線箇所の配線8同士をつなぐように塗布したときの修正配線9を示す第1CCDカメラの観察画像である。図13に示すように、塗布前に比べ、オープン部分が修正配線9でつながっているのが分かる。このとき、塗布インクの線幅は2.3 [μm]であった。
【0070】
図14は、本発明を用いて異なる場所のオープン欠陥(断線箇所)を塗布した場合と、本発明を用いないで塗布したときの修正配線の線幅の比較グラフである。図14から明らかなように、本発明を用いて塗布した場合にくらべて、塗布線幅にばらつきがある。これは、基板表面からのノズル先端位置の高さにばらつきがあったためである。本発明による線幅の平均値とそのばらつきが2.1±0.2μmであるのに対し、本発明を用いない場合は5.3±2.0μmであった。本発明により、大型FPD基板上の任意の場所でも細く一定な線幅の塗布を行うことができた。
【0071】
[第2の実施の形態]
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る配線修正装置1Aの構成を示す。本実施の形態に係る配線修正装置1Aの各構成部材には、上記の第1の実施の形態に係る配線修正装置1と同様の符号を付して、その説明を省略する。なお、本実施の形態に係る配線修正装置1Aでは、以下に説明するプログラムおよびこのプログラムが記録された記録媒体200についても説明する。
【0072】
本実施の形態に係る配線修正装置1Aは、上記の第1の実施の形態に係る配線修正装置1と略同様の構成である。本実施の形態に係る配線修正装置1Aが上記配線修正装置1と異なる点は、図15に示すように、制御部108が、記録媒体200から制御手順を記録したプログラムを読み込む構成である。この記録媒体200には、上記の第1の実施の形態において説明した手順の制御を行わせるためのプログラムが格納されている。実際には、記録媒体200に格納されたプログラムは、制御部108を構成する、図2に示す制御装置116に読み込まれる。
【0073】
記録媒体200に格納された制御手順のプログラムは、制御装置116に対して、以下の制御を行わせる。すなわち、第2撮像部107で撮像した画像の視野内に設定した、高さ方向の基準位置に対して、対物レンズ103の焦点が一致するように第1可動部101を位置合わせして、第1可動部101のZ1軸方向の位置を記憶させる制御を行う。なお、このような制御には、画像コントラストフォーカスユニット115の制御も連係させる。
【0074】
記録媒体200に格納された制御手順のプログラムは、制御装置116に対して、校正用の小片基板7の端部の上辺(特定部分)7Aを第2撮像部107で観察した観察像の画像信号Si2に基づいて上辺7Aの位置を基準位置Pbとして決定する制御を行わせる。そして、この基準位置Pbの基礎となった小片基板7の表面に対して、対物レンズ103のフォーカスが合うように画像コントラストフォーカスユニット115へ制御信号Scを出力するように制御する。
【0075】
記録媒体200に格納された制御手順のプログラムは、制御装置116に対して、以下の制御を行わせる。すなわち、上記の基準位置Pbの情報を踏まえて第2可動部102に対しては駆動信号Sd3を、ノズル取り付け部104に対しては駆動信号Sd4を出力して、ノズル105の先端部105Aが基準位置Pbに移動して一致するように制御する。そして、制御装置116は、対物レンズ103のフォーカス位置にノズル105の先端部105Aが基準位置Pbで合うときの第2可動部102のZ軸方向の位置座標を記録する。その後、この位置座標に基づいてノズル105の先端部105Aが、所望の距離NS-Gapだけ対物レンズ103のフォーカス位置よりも上方にくるような位置を算出する。制御部108は、ノズル105の先端部105Aを、算出位置へ移動させるように、第2可動部102およびノズル取り付け部104へ駆動信号Sd3,Sd4を出力する。
【0076】
記録媒体200に格納された制御手順のプログラムは、制御装置116に対して、以下の制御も行う。すなわち、修正用基板5の配線修正に際して、第2可動部102を上方へ移動させてノズル105の先端部105Aを退避させた状態で、画像コントラストフォーカスユニット115と連係して、対物レンズ103の焦点を修正用基板5の表面に位置合わせする制御を行う。その後、第2可動部102を駆動して、Z2軸方向の記憶位置よりも設定寸法(先端部105Aと修正用基板5との適切な距離)だけZ2軸方向の上方の位置にノズル105の先端部105Aを移動させる制御を行う。
【0077】
上記の制御手順のプログラムは、図5に示した制御手順のうち、例えば、ステップS2、ステップS3、ステップS5〜S7の制御を制御部108に行わせる。このプログラムは、記録媒体200に、コンピュータで読み取り可能な状態で記録されている。ここで、記録媒体200としては、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなどが使用可能である。
【0078】
上述のように、プログラムとしては、図5に示した方法の一連の手順、すなわちステップS2、S3、S5〜S7の制御を行わせるプログラムである。これらの手順は、図5に示すステップと等価なアルゴリズムのプログラムにより、配線修正装置1,1Aの制御装置116を制御して実行される。このプログラムは、上記第1の実施の形態に係る配線修正装置1のように、例えば、図示しない記憶装置に記憶されていて、制御装置116に読み出される構成でもよいし、本実施の形態の配線修正装置1Aのように、記録媒体200に記録されたものであってもよい。
【0079】
(その他の実施の形態)
以上、本発明の第1および第2の実施の形態および実施例について説明したが、これら実施の形態および実施例の開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
【0080】
例えば、上記の各実施の形態では、ノズル105を用いた塗布方式として電界方式を用いたが、例えば、ディスペンサ方式、エアロゾル方式、インクジェット方式などの他の塗布方式に上記の配線修正装置の構成を適用することも本発明の範囲内である。
【0081】
上記の各実施の形態では、ノズル取り付け部104は、X−Y軸方向に移動可能であるが、少なくとも第2可動部102で矢印Z2方向に上下に移動可能であれば、ノズル取り付け部104が、X軸方向とY軸方向のうちの一方のみに移動可能であってもよい。
【0082】
上記の各実施の形態では、装置本体100、第1可動部101、第2可動部102などを板状体で構成した、フレーム構造のものであってもよく、実質的に第1可動部101と第2可動部102が、Z軸方向にそれぞれ移動可能であれば、その構造、形状は限定されるものではない。
【0083】
上記の各実施の形態では、装置本体100が修正用基板5に対して、X−Y軸方向へ移動する構成であるが、修正用基板5側が装置本体100に対してX−Y軸方向に移動する構成でもよい。
【0084】
上記の各実施の形態では、制御部108に設けられた記憶装置や、プログラムが記録された記録媒体200を用いたが、プログラムが、通信ネットワークを介して伝送されて制御部108に読み込ませる構成としても、上記の各実施の形態に係る配線修正装置1,1Aに対して、一連の手順の制御を実行することができる。本発明は、通信ネットワークを介して伝送されるプログラムも適用範囲である。
【符号の説明】
【0085】
1 配線修正装置
2 ガントリステージ(位置決め機構)
3 基台
4 テーブル
5 修正用基板
6 校正用治具(校正用部材)
7 小片基板(校正用部材)
7A 上辺(特定部分)
100 装置本体
101 第1可動部
102 第2可動部
103 対物レンズ
104 ノズル取り付け部
105 ノズル
105A 先端部
106 第1撮像部
107 第2撮像部
108 制御部
109 ノズル本体
110 電極線
111 結像レンズ
112 第1CCDカメラ
113 テレセントリックレンズ
114 第2CCDカメラ
115 画像コントラストフォーカスユニット
116 制御装置
200 記録媒体
図1
図2
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