特許第6732709号(P6732709)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6732709
(24)【登録日】2020年7月10日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】ハンドヘルド光音響プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/13 20060101AFI20200716BHJP
【FI】
   A61B8/13
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-181579(P2017-181579)
(22)【出願日】2017年9月21日
(62)【分割の表示】特願2016-243602(P2016-243602)の分割
【原出願日】2012年11月2日
(65)【公開番号】特開2018-29975(P2018-29975A)
(43)【公開日】2018年3月1日
【審査請求日】2017年10月17日
(31)【優先権主張番号】13/287,759
(32)【優先日】2011年11月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514092515
【氏名又は名称】セノ メディカル インストルメンツ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】ハーゾグ,ドナルド,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,トーマス,ジー.
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−097990(JP,A)
【文献】 特開2010−075681(JP,A)
【文献】 特開2009−271558(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/009747(WO,A1)
【文献】 特開昭51−048347(JP,A)
【文献】 特開昭55−099697(JP,A)
【文献】 特開平05−288685(JP,A)
【文献】 特開2005−244262(JP,A)
【文献】 特開2003−116869(JP,A)
【文献】 特表2002−514456(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0201914(US,A1)
【文献】 Sergey A. Ermilov, et al.,Development of Laser Optoacoustic and Ultrasonic Imaging System for breast cancer utilizing handheld array probes,PROCEEDINGS OF SPIE,Photons Plus Ultrasound: Imaging and Sensing 2009,Proc. of SPIE ",2009年,Vol. 7177,717703-1 - 717703-10
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光音響撮像システムであって、該光音響撮像システムは、
光源出力を含む光源であって、前記光源が少なくとも1つの光パルスを生成でき、前記光パルスが主波長を有し、光源出力に向けられる、光源と、
光音響帰還信号を受け取ることができるトランスデューサ配列を含むハンドヘルドプローブと、
前記光源出力に動作可能に接続された光ファイバーケーブルであって、前記ケーブルが、
近位端(または入力)および遠位端(または出力)を有する複数のファイバーであって、前記複数のファイバーが、前記入力から前記出力への光ファイバー光路として機能することができる、複数のファイバーを備え、
前記複数のファイバーの前記近位端が、前記光源出力に動作可能に接続されるように適合され、
前記複数のファイバーの前記遠位端が、前記ケーブルからの光出力を形成する、
光ファイバーケーブルと、
前記ハンドヘルドプローブ内の音響レンズであって、外表面を有する音響レンズと、
前記音響レンズの前記外表面のまわりに配置された反射金属と、
前記反射金属が剥がれ落ちるまたは亀裂が入るのを回避するために、前記音響レンズの前記外表面のまわりに配置された前記反射金属を覆う保護層と、
を備える、光音響撮像システム。
【請求項2】
前記音響レンズが、TiOでドープ処理されたシリコンゴムから形成されている、請求項1に記載の光音響撮像システム。
【請求項3】
前記反射金属が、アルミニウム、銅、金、銀、または真鍮から成る群から選択されている、請求項1に記載の光音響撮像システム。
【請求項4】
前記保護層が、透明である、請求項1に記載の光音響撮像システム。
【請求項5】
前記反射金属が少なくとも1つの縁部において剥がれ落ちるまたは亀裂が入るのを回避するために、前記音響レンズの前記外表面を取り囲んでいる前記反射金属の前記少なくとも1つの縁部を保護する端部プロテクタをさらに含む、請求項1に記載の光音響撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2011年11月2日に出願された米国特許出願第13/287,759号に対する優先権を主張し、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。本願は、著作権保護の対象である内容を含む。著作権者は、特許商標局のファイルまたはレコードに現れるような、特許情報開示の誰かによる複製に対して異議を申し立てないが、それ以外は、何であれ全ての著作権を保持する。
【0002】
本発明は、一般に、医用撮像の分野に関し、より詳細には、医用撮像における使用のための光音響プローブに関する。
【0003】
本発明の前述および他の目的、特徴、および利点は、添付の図に示すように、好ましい実施形態の以下のより詳細な説明から明らかとなり、それらの図中、参照文字は、様々な図を通して、同じ部品を参照する。図は、必ずしも、縮尺比に従ってスケーリングしておらず、本発明の原理を示すことに強調を置いている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本明細書で開示する方法および装置に対してプラットフォームとして使用され得る、組み合わされた光音響・超音波システムの一実施形態を示す概略ブロック図である。
図2】本明細書で開示する方法および他の装置に関連して使用され得るプローブ(probe)の一実施形態の斜視図を示す。
図3図2に示すプローブの一実施形態の分解図を示す。
図4図2に示すプローブの幅広い側の中心線に沿って取得された断面図を示す。
図5a】光ファイバーを出る光の図の2次元表現の縮尺なしの側面図である。
図5b】光ファイバーの表面上への直接配置からその表面に生じ得る光パターンの端面図を示す。
図6a】本明細書で説明する光音響技術に関連して使用される望ましい光パターンの端面図を示す。
図6b】すりガラスビーム拡大器の、図5aに示すファイバーから放出する光への影響の側面図表現を示す。
図6c】凹レンズビーム拡大器の、図5aに示すファイバーから放出する光への影響の側面図表現を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ここで、本発明の様々な実施形態に対する詳細な参照が行われるが、それらの例が、添付の図に示されている。
【0006】
一般に、装置100は、マルチモダリティの、組み合わされた光音響・超音波システムとしても採用され得る光音響システムを提供する。一実施形態では、装置100は、光路132および電気路108を介して、システム筐体101に接続されたプローブ102を含む。システム筐体101内には、光サブシステム129およびコンピュータサブシステム128が収納されている。コンピュータサブシステム128は、超音波制御および分析ならびに光音響制御および分析用の1つまたは複数のコンピュータ構成要素を含み;これらの構成要素は、別個であり得るか、または統合され得る。一実施形態では、コンピュータサブシステムは、中継システム110、光音響処理およびオーバーレイシステム140ならびに超音波機器150を含む。
【0007】
光システム129は、少なくとも2つの異なる波長の光のパルスを生成することができる。一実施形態では、光システム129の出力は、それらの波長の各々で短いパルスの光(例えば、約100ns未満、より好ましくは約5ns、持続するパルス)を生成することができなければならない。本開示から当業者には明らかであるように、本明細書で開示された発明は、100nsを超えて持続するパルスを含むパルス光を使用しても実施され得る。一実施形態では、光源129は、2つの別個の光130、131を含む。光システム129の出力は、光路132を経由してプローブ102に送られる。一実施形態では、光130、131は、赤外線、近赤外線、および/または可視スペクトルで光を生成するレーザーである。一実施形態では、光130および光131の各々は、赤外線または近赤外線スペクトルで異なる波長で光を生成する。一実施形態では、光源129からプローブ102に光を送るために使用される光路132は、光ファイバーの複数の束を含む光ファイバー束である。一実施形態では、光路132は、短くて強力なパルスの光を光路132の遠位端に運ぶために十分なサイズ(直径)の十分な光ファイバーを含む。一実施形態では、光路132に運ばれる総パルスエネルギーは、約1または数ミリジュールであり得る。一実施形態では、光路132に運ばれる光パルスごとの総エネルギーは、約100ミリジュール未満である。一実施形態では、光路132に運ばれる光パルスごとの総エネルギーは、約10〜30ミリジュールの範囲内であり、光路132は、各々が約150ミクロンのおよそ1,000の光ファイバーを含む。一実施形態では、単一のファイバーが光路として使用できる。かかる実施形態では、ファイバーは直径1000〜1500ミクロンであり得る。言うまでもなく、かかる単一ファイバーの直径は、例えば、400ミクロンより小さくてもよい。ファイバーに運ばれる必要な総パルスエネルギーが与えられたと仮定すると、当業者は、それに応じて必要なファイバーの直径を計算できる。
【0008】
例示的実施形態では、光システム129は、Nd−YAGおよびアレキサンドライトをその2つの光130、131として使用し得るが、他のタイプ、および追加の光も使用され得る。光130、131は、例えば、短いパルスの光(例えば、約100ns未満、より好ましくは約5ns、持続するパルス)を生成できなければならない。一実施形態では、2つの光130、131は、別々に発射できる。一実施形態では、光130、131によって出力された光は、一般に、1つの光130が第1の側から第2の側に通過するのを可能にする光学素子133の使用を通じて、第2の側に当たる1つの光131を反射しながら、同じ光路132に投影され得る。光学素子133または類似の素子の使用は、光路132の近位端へのレーザーなどの2つの光130、131の出力の位置揃えを可能にする。一実施形態では、光学素子133は、3つ以上のレーザーからの光出力を、例えば、複数の光学素子133の使用を通じて、位置揃えできる。一実施形態では、複数の光システムおよび光路が採用され得、各光システムの光は、それらの遠位端で混ぜられる、別々のファイバー上で運ばれる。
【0009】
光路を通じて運ばれた光パルスごとの総エネルギーは約数10ミリジュールであるが、光130、131のパルスは非常に短いので、光路132を通じたピークパワー出力が頻繁にメガワットの範囲に近づくか、またはメガワットの範囲である。その結果、光130、131の出力は、光ファイバーおよび/または光ファイバー上のクラッディングを燃やす能力を有する。燃やされた光ファイバーおよび燃やされたクラッディングは、それらが伝送する光パワーが少なくなって、より多くの熱を生じ始めるにつれて、問題を悪化させ得る。その結果、一実施形態では、ピークパワー負荷の処理を可能にしてファイバーのバーンアウトを回避するために、光路132内に十分な数およびサイズの光ファイバーが存在する。より高いピークパワーに対応するために、より大きなファイバー束が使用できる。ファイバー束のピークパワー容量が、光ファイバーの数、もしくは光ファイバーの直径、またはその両方を増加させることにより、増加できることが当業者には明らかであろう。しかし、特に、ファイバー束の直径が増加すると、光路132の重さおよび可撓性が減少する。その上、より多くの光ファイバー、またはより大きな直径の光ファイバーを使用する場合、光源129の出力が、より幅の広い直径のより大きな束にわたる光路132に送られる必要がある。一実施形態では、光路132の近位端の最終的なサイズに関わらず、光源129の出力は、予期されるピークパワー範囲で動作する場合にバーンアウト障害を防ぐため、十分にその断面にわたって送られるべきである。
【0010】
一実施形態では、光路132の近位端のファイバーが、光源129の出力のために、光路132への融着された(fused)エントリポイントを形成するために融着され得る。一実施形態では、ファイバー端部は、熱を印加することにより融着できる。光路132の近位端が融着されると、実質的により高いピークパワーでのバーンアウトに耐えるであろう。例えば、融着された端部を使用すると、光路132は、ピークパワーの3、4、または5倍もの多くの搬送を可能にし得る。所与の光路132内で実質的により高いピークパワーを搬送する能力は、融着されていない光路132と同じピークパワーを搬送するために、より柔軟で軽い光ファイバー束の使用を可能にする。従って、一実施形態では、1/2”の光ファイバー束が、光路を形成する融着されていない光ファイバーの束で必要とされ得る場合、融着された近位端をもつ1/4”の光ファイバー束が、同じピークパワーを搬送するために使用され得る。融着された近位端をもつ1/4”の光ファイバー束は、1/2”の光ファイバー束よりも、ほぼ1/4の重さで、ずっと柔軟である。その上、光路132の近位端が融着されると、融着は、丸い断面の光ファイバーの束にされた端部内に存在していたであろうファイバー間空間を除去するので、光源132を使用して照射するためにさらに小さい融着された領域を生成し得る。その結果、次の利点のうちの1つまたは複数が、光路132を含む光ファイバーの近位端が融着されることにより、達成され得る:光路の重さの軽減;光路の可撓性の向上;故障の減少;信頼性の向上;より高いピークパワー容量。
【0011】
一実施形態では、光130、131による光出力は、光路を経由して、光路132の近位端で融着された光ファイバー束に向かって送信されるが、それは、光源129の内部に、光学素子133を含み得る。一実施形態では、光源129は、レーザー光パルスを、1つまたは複数の波長で、光路132に出力可能なレーザーシステムである。一実施形態では、光路132は、光源129の近位に融着された端部を有する光ファイバー束である。
【0012】
一実施形態では、装置100は、プローブ102へ、および/またはプローブ102からシステム筐体101内の中継システム110に延びる電気路108も含む。電気路108は、プローブ102からシステム筐体101上のそれぞれの接続に向かって、光路132付近を、光路132と平行して、または、光路132と同軸上に延びることもある。一実施形態では、電気路108は、複数の別個の同軸線を含む。一実施形態では、電気路108は、光路132の少なくとも一部と共通のジャケット内で延びている。電気路108が光路132の少なくとも一部と共通のジャケット内に延びていると、システム筐体101からプローブ102に延びるケーブル数が減少する。電気路108が光路132の少なくとも一部と共通のジャケット内に延びていると、システム筐体101からプローブ102へ延びる組み合わされたケーブル(すなわち、光路132および電気路108)の直径および重さを最小限にし得、かつその耐久性を向上させる。
【0013】
一実施形態では、複数の同軸線が、光路132の少なくとも一部の周囲に編み込まれている。前述のように、多くの考慮事項が、光路132で使用される別個の光ファイバー数について論じられている。以下でさらに述べるように、多数の設計上の考慮事項が、電気路108を形成する別個の導線または配線の数について論じられている。一実施形態では、電気路108を形成する約256の導線(256のトランスデューサに対応する)および光路132を形成するほぼ1,000の別個の光ファイバーがあり、ファイバー:導線比を約4:1にする。明らかであるように、光ファイバーおよび電気路内の導線または配線を、例えば、個々のファイバーのグループを単一の導線もしくは配線と束ねること、または比例的にファイバーのより大きなグループと導線を一緒に束ねることを含め、様々な方法で混ぜることが可能である。一実施形態では、ファイバーおよび導線または配線を束ねることは、一般に、システム内のファイバー:導線に比例して行われ得るであろう。
【0014】
1つまたは複数のディスプレイ112、114は、タッチスクリーンディスプレイであり得るが、画像および装置100のユーザーインタフェースの全部または一部を表示するために提供されている。キーボード、マウス、および様々な他の入力装置(例えば、ダイヤルおよびスイッチ)などの、1つまたは複数の他のユーザー入力装置(図示せず)が、オペレータからの入力を受け取るために提供され得る。任意選択として、電力および制御信号線109が、電力をプローブ102に搬送し、プローブ102とコンピュータサブシステム128との間の信号を制御する。
【0015】
ここで図2を参照すると、プローブ102は、音響レンズ205によって覆われた超音波トランスデューサ(図示せず)を形成する超音波トランスデューサ要素の配列を含む。一実施形態では、超音波トランスデューサは、音響エネルギーを伝送することおよび受け取ることの両方を行うことができる圧電素子の配列を含む。一実施形態では、超音波トランスデューサ要素の少なくともいくつかが、広範囲にわたって超音波周波数を検出することが可能である。例えば、超音波トランスデューサ要素は、約50Khz〜20Mhzの範囲で超音波の検出が可能であり得る。この範囲は、低周波数応答を達成するために、高インピーダンス負荷(例えば、5,000〜50,000オームの範囲で)を加えることにより達成できる。超音波トランスデューサ要素は、超音波音響エネルギーを受け取ることに応答して、電気エネルギーを生成することが可能である。超音波を受け取る超音波トランスデューサ要素によって生成される電気エネルギーは、電気路108を通ってコンピュータサブシステム128に伝送される。
【0016】
プローブ102は、光路132上で搬送される光がそれを通って3次元体積160の表面に伝導される、1つまたは複数の光学窓203も含む。一実施形態では、光学窓203の1つの側を音響レンズ205に現実的に可能な限り近接して配置することが望ましい。光学窓203の総面積は、体積160の表面に入射する所与のフルエンスに対するエネルギーを最大限にするために重要である。
【0017】
一実施形態では、光路132を構成する複数の束の光ファイバーは、2つの光バー(図示せず)内で終端される。一実施形態では、超音波トランスデューサ要素(図示せず)は、形状平面(geometric plane)に沿って延びる配列内に配置され、一般に、相互に等距離の間隔を空けられている。一実施形態では、光バー(図示せず)が、超音波トランスデューサ要素の平面配列の各々の側面上に、縦方向に向けられる。好ましくは、超音波トランスデューサ要素は、パルス光源130、131によって生じた刺激に応答して受け取られる超音波音響エネルギーと、および、超音波トランスデューサ要素の音響出力に応答して受け取られる超音波音響エネルギーとの両方に応答して、電気エネルギーを生成する。
【0018】
再度図1を参照すると、使用中、プローブ102は、有機組織、ファントム、または、例えば、腫瘍などの、1つもしくは複数の局所的な異種物161、162をその中に有し得る他の3次元体積160にごく近接して配置され得る。超音波ジェル(図示せず)または他の材料が、プローブ102と体積160の表面との間の音響結合を向上させるために使用され得る。プローブ102は、体積160の表面に近接しているとき、光学窓203を通して光のパルスを、または音響レンズ205を通して超音波を放出でき、次いで、放出された光または音波に応答して検出された超音波に対応する電気エネルギーを生成できる。
【0019】
一実施形態では、コンピュータサブシステム128は、光システム129から制御信号線106を通して活動を誘発することができる。代替実施形態では、光システム129は、トリガー信号を作成して、コンピュータサブシステム128にその活動を、制御信号線106を通じて通知できる。かかる情報は、データ取得プロセスを開始するためにコンピュータサブシステム128によって使用できる。この点において、制御信号線106を通じた通信は、コンピュータサブシステム128(ならびに/または光音響処理およびその中のオーバーレイシステム140)と光システム129との間を双方向に流れることができることに留意されたい。
【0020】
一実施形態では、コンピュータサブシステム128は、制御信号線106を利用して、各光源130、131からの光パルスの開始時間および持続時間を制御できる。コンピュータサブシステム128は、超音波音響エネルギーを、音響レンズ205の背後の超音波トランスデューサ要素を経て放出するためにもプローブ102を作動させることができる。
【0021】
一実施形態では、コンピュータサブシステム128は、超音波トランスデューサ要素によって検出された超音波を表す電気信号を、超音波伝導信号または光学的に生成された超音波信号に応答して、音響レンズ205の背後で電気路108を経由して、受け取る。一実施形態では、音響レンズ205の背後で超音波トランスデューサ要素によって検出された超音波を表す電気信号は、要素自身によって作成されたアナログ電気信号である。かかる実施形態では、音響レンズ205の背後で超音波トランスデューサ要素によって検出された超音波を表す電気信号は、電気路108を経由してコンピュータサブシステムに伝達され、電気路108は、中継システム110によって選択的に、光音響処理およびオーバーレイシステム140、または検出された超音波処理のための超音波機器150に向けられる。かかる実施形態では、超音波機器150は、超音波プローブから受け取るのと同じ入力を(同じコネクタを通して)受け取ることができる。
【0022】
別の実施形態では、音響レンズ205の背後で超音波トランスデューサ要素によって検出された超音波を表す電気信号は、プローブ102内に収容できるアナログ/デジタル変換器によってデジタル化される。かかる実施形態では、音響レンズ205の背後で超音波トランスデューサ要素によって検出された超音波を表す時間分解電気信号は、電気路108を介して伝達される。当業者には明らかであるように、電気信号がプローブ102でデジタル化される場合、中継システム110は、デジタルデータを光音響処理およびオーバーレイシステム140もしくは超音波機器150に配信するように実現され得るか、または全く必要とされない可能性がある。
【0023】
音響レンズ205の背後で複数の超音波トランスデューサ要素の各々によって検出された超音波を表す信号は、別個のワイヤー上で電気路108を経由して搬送され得る。あるいは、音響レンズ205の背後の複数の超音波トランスデューサ要素、または音響レンズ205の背後の全部の超音波トランスデューサ要素によってすら検出された超音波を表す信号は、プローブ内のマルチプレクサおよびコンピュータサブシステム128内のデマルチプレクサを利用して、多重化(例えば、時分割または周波数分割)され得る。
【0024】
一実施形態では、超音波機器150が、超音波誘起音響信号を処理して、超音波画像を生成し、光音響処理およびオーバーレイシステム140が、光誘起音響信号を処理して、光音響画像を生成する。一実施形態では、超音波機器150ならびに光音響処理およびオーバーレイシステム140が、両方が組み合わされた機能を実行する統合システムに結合できる。前述のように、一実施形態では、プローブ102によって検出され、電気路108を経由してコンピュータサブシステム128に配信される超音波を表す電気信号は、信号が超音波刺激または光刺激に起因するかどうかに従い、中継システム110によって、超音波機器150と光音響機器140との間で切り替えられる。
【0025】
一実施形態では、超音波誘起のデータを反映する断層画像が、超音波機器150によって生成され得、光誘起のデータを反映する断層画像が、光音響処理およびオーバーレイシステム140によって生成され得る。
【0026】
光音響処理およびオーバーレイシステム140によって生成された、断層画像を含む、画像が、捕捉された画像データの順序または時間および日付に関連するデータとともに、そのシステム内のコンピュータメモリに格納できる。超音波機器150によって生成された、断層画像を含む、画像が、適切なインタフェース170を介して、光音響処理およびオーバーレイシステム140に伝送され得、そこで、それらが、光誘起のデータから生成された画像とともに、時間同期された方法で、格納できる。一実施形態では、光音響処理およびオーバーレイシステム140のメモリ内に格納された画像は、例えば、装置の内部、または外部の不揮発性メモリなど、別のメモリに記録できる。
【0027】
一実施形態では、光音響処理およびオーバーレイシステム140は、メモリ内への格納および/または1つもしくは複数のモニター112、114上への表示のために、超音波機器によって生成された画像を、光音響機器140によって生成された画像と重ね合わせることができる。一実施形態では、重ね合わされた光音響画像は、それを超音波画像と区別するために別個の色で表示され得る。一実施形態では、重ね合わされた光音響画像は、例えば、血液酸素化などの、光音響撮像を通して識別できる詳細に対応するカラーを含み得る。一実施形態では、酸素化血液が青より赤でより多く示され、他方、非酸素化血液は赤より青でより多く示される。本明細書では、重ね合わされた表現は、画像の従来型のオーバーレイならびに混合による画像の混合を含む。
【0028】
一実施形態では、装置100は、装置のモダリティの1つ(すなわち、超音波または光音響)に関連したデータを連続して生成および取得するシーケンスを含むサイクルで動作するように構成され得る。装置のモダリティの動作間の最小時間間隔は、装置100の構成要素、および完全に実行し、使用のためにリサイクルするそれらの能力に依存する。一実施形態では、ユーザーは、超音波のみ;波長1のみ;波長2のみ;波長1および2;ならびに超音波が続く波長1および2の複数の反復などの、様々な事前プログラムされたサイクル間で選択できる。他の組合せが当業者には明らかであろう。一実施形態では、追加のサイクルがマシンのオペレータによって追加できる。一実施形態では、サイクル全体のデータ収集は、一般に、体積160の実質的に同じ部分を対象として、素早く連続して達成されることを意図する。一実施形態では、装置100のサイクルは、通常、毎秒1〜50の範囲であり、前述のように、より一般的には、毎秒2〜20の範囲である。最大サイクル周波数は、サイクルおよびモダリティの機能によってのみ制限される。
【0029】
一実施形態では、装置100のディスプレイ112、114が、選択された動作サイクルに応じて様々な情報を示すように構成できる。一実施形態では、任意のディスプレイ112、144、またはディスプレイの一部が、次の少なくとも1つを表示できる:超音波のみの画像;第1の波長応答のみの画像;第2の波長応答のみの画像;第1および第2の波長応答を組み合わせた画像;ならびに/またはオーバーレイ超音波画像および波長応答もしくは組み合わせた波長応答画像。第1および第2の波長を組み合わせた画像は、画像を提供するために、微分またはそれ以外の組み合わせ平均を含み得る。一実施形態では、画像は、サイクル内の別々のデータ集合に対応するか、またはそれらの一部もしくは全部の間の合計もしくは差異に対応する、画像が表示できる。
【0030】
一実施形態では、装置は、3相のデータ収集動作、すなわち、超音波刺激に応答してデータを生成および収集する1つの相、光の第1の波長に応答してデータを生成および収集する1つの相、および、光の第2の波長に応答してデータを生成および収集する1つの相を使用して動作できる。
【0031】
適切な波長(または複数)を使用すると、光音響が、体積160内の血液を識別するのに有効であり、複数の波長使用は、酸素化血液と非酸素化血液とを容易に区別するために使用できる。同様に、適切な波長を使用すると、光音響が、体積160内の局所的ヘモグロビン含有量を測定するために有効である。従って、例えば、悪性腫瘍は、増加した血中濃度および減少した酸素化によって特徴付けられるが、かかる増加した血中濃度によって特徴付けられず、もっと正常な酸素化を有する、良性腫瘍とは大きく異なって光音響画像内に現れるであろう。さらに、光の特定の波長が、様々な生物組織および器官をより良く区別するために選択できる。赤外線、近赤外線、および可視波長の大きなスペクトルは、生物学的存在内に光音響応答を生成できるが、酸素化血液は、約1064nmの波長を有する光源に対して、非酸素化血液よりも光音響的に応答し、他方、非酸素化血液は、757nmの波長を有する光源に対して、酸素化血液よりも光音響的に応答する。装置100で使用される光の数および特定の波長は、体積の構造および対象である領域のタイプに従って選択される。
【0032】
図3は、図2に示されるプローブ102の実施形態の分解図を示す。シェル302、304が、プローブ102内の構成要素を示すために分離されている。シェル302、304は、プラスチックまたは他の適切な材料から作成され得る。光、および特に、光サブシステム129によって生成される光にさらされ得るシェル302、304の表面は、好ましくは、両方とも、反射する(例えば、明るい色の)材料であり、かつ光を散乱(すなわち、1〜10の間の散乱係数を有する)し得る。一実施形態では、シェル302、304の表面は、高度に反射的、すなわち、75%を超える反射である。一実施形態では、シェル302、304の表面は、高度に反射的、すなわち、90%を超える反射である。一実施形態では、シェル302、304の表面は、低光吸収性、すなわち、25%未満の吸収性を有する。一実施形態では、シェル302、304の表面は、超低光吸収性、すなわち、10%未満の吸収性を有する。さらに、シェル302、304を形成する材料は、音響エネルギーを反射または伝達するのではなく、吸収するために、音響的に吸収性にすべきである。一実施形態では、白いプラスチックシェル302、304が使用される。
【0033】
一実施形態では、フレックス回路312は、ケーブルコネクタ314を、超音波トランスデューサ310を形成する圧電超音波トランスデューサ要素の配列(図示せず)に接続する、複数の電気配線(図示せず)を含む。一実施形態では、フレックス回路312は、折り畳まれてバッキング(backing)311の周囲に巻かれ、シリコンなどのカップリング剤を使用して、それに固定され得る。一実施形態では、ブロック313が、圧電超音波トランスデューサ要素の配列の反対側でバッキング311に取り付けられる。一実施形態では、超音波トランスデューサ310は、少なくとも128個のトランスデューサ要素を含むが、追加の要素は、装置100の撮像の歪みを減らし、かつ/または解像度、精度および深さを増加し得るので、多数のトランスデューサ要素を有することが望ましくあり得る。ケーブルコネクタ314は、電気配線を、超音波トランスデューサ310に、および従って、電気路108に動作可能に接続する。一実施形態では、電気路108は、超音波トランスデューサ配列310内の各超音波トランスデューサ要素に対する同軸線を含む。
【0034】
超音波トランスデューサ310は、トランスデューサ要素が音響レンズ205にごく近接しているか、または接触しているように、ハウジング316内に適合する。音響レンズ205は、室温加硫(RTV)シリコンゴムなどの、シリコンゴムを含み得る。一実施形態では、ハウジング316および音響レンズ205が、同じRTVシリコンゴム材料から、単一ユニットとして形成される。一実施形態では、超音波トランスデューサ310、フレックス回路312の部分、バッキング311、およびブロック313が、シリコンなどの適切な接着剤を使用して、音響レンズ205を含むハウジング316内に固定されて、トランスデューサ組立体315を形成する。ブロック313は、トランスデューサ組立体315を他の構成要素に取り付けるか、または固定するために使用できる。
【0035】
RTVシリコンゴム音響レンズ205および/またはトランスデューサ組立体315上の光サブシステム129によって生成された光を白くして、光音響効果を減少させるために、一実施形態では、音響レンズ205および/またはトランスデューサ組立体315を形成するRTVシリコンゴムは、TiOでドープ処理され得る。一実施形態では、音響レンズ205および/またはトランスデューサ組立体315を形成するRTVシリコンゴムが、ほぼ4%のTiOを塗られ得る。一実施形態では、音響レンズ205の外表面および/またはトランスデューサ組立体315の外表面が、追加で、または代替で、真鍮、銅、または金などの金属の薄層でコーティングされ得る。しかし、金は、RTVシリコンゴムを剥がし落とすか、またはひびを入れる傾向があることが分かっている。RTVシリコンは、まずペリレンでコーティングされ、次いで、ニッケルでコーティングされ、その後、金でコーティングされて、最後に再度、ペリレンでコーティングされ得ることが分かっている。複数の層化は、音響を検出するために、音響レンズ205の音響特性に実質的にいかなる悪影響を及ぼすことなく、かつ、トランスデューサ組立体315に実質的にいかなる悪影響を及ぼすことなく、耐久性のある金コーティングを提供する。実際には、ニッケルの下でかつ金の層の上のペリレンコーティングは、それが蒸着される金属またはゴムにうまく付着するのではなく、縁部が丸まり得ることが分かっている。従って、以下でさらに詳細に述べるように、一実施形態では、ペリレンコーティング端部を有する、音響レンズ203および/またはトランスデューサ組立体315の部分は、丸まることまたは剥離を防ぐために、他の構成要素に機械的に固定されるように適合されている。一実施形態では、音響レンズ205を含む、トランスデューサ組立体315の実質的に外表面全体が、ペリレン、次いでニッケル、その後、金、それから再度ペリレンの連続的な層でコーティングされる。
【0036】
一実施形態では、反射材料が、その表面上に入射し得る光路132からのいかなる光も反射するために、トランスデューサ組立体315を、ハウジング316の後方縁部からフレックス回路312の端部まで取り囲む。一実施形態では、RFエネルギー用の電磁シールドが、トランスデューサ組立体315を、ハウジング316の後方縁部からフレックス回路312の端部まで取り囲む。一実施形態では、光130、131が、相当な電磁RFエネルギーを生成する相当な(例えば、数ナノ秒に対して1,000ボルトを超える)エネルギーをプローブ102の面積内に引き込み得る。一実施形態では、トランスデューサ組立体315が、ハウジング316の後方縁部からフレックス回路312の端部までホイルで囲まれるが、それは、反射材料およびRFエネルギーシールドとして機能し得る。一実施形態では、ホイルは、銅、金、銀の群から選択される。一実施形態では、ホイルは、装置100の電気的アースにつながれる。
【0037】
スペーサー320は、トランスデューサ組立体315に関して間隔を空けて、光バーガイド322を位置付ける。スペーサーは、好ましくは、光サブシステム129によって生成された光に対するその光音響応答を減らす材料から作成される。一実施形態では、スペーサー320は、シェル302、304の光に接触する部分と似た材料から作られる。一実施形態では、光バーガイド322は、光路132の一部である光ファイバーを包み込む。一実施形態では、光路132を構成する光ファイバーが、光バーガイド322全体にわたってランダムに(または擬似ランダムに)分散され得、このようにして、光ファイバー束の光受領端部上の特定の位置を、光バーガイド322によって保持される光ファイバーの光放出端部上の対応する特定の位置に関して、少なくとも擬似ランダムにする。本明細書では、光路132を構成するランダムに(または擬似ランダムに)分散された光ファイバーという用語は、光路132内の局所的干渉(例えば、隣接した光ファイバーのグループのバーンアウト)または局所的現象(例えば、光路132へのエントリポイントでの不均一な光)が、伝達されるパワー全体に影響を及ぼすが、光路132の遠位端の任意の特定の部分に操作上著しい影響を及ぼさないように、近位端から遠位端へのファイバーのマッピングが行われることを意味する。従って、近位端で隣接する2つの光ファイバーが、光路132の遠位端で隣接する可能性は低い。光ファイバー束が近位端および遠位端で融着される場合、ランダム化は、少なくとも一方の端部が融着される前に行われる必要がある。本明細書では、ランダムに(または擬似ランダムに)分散された光ファイバーという用語は、2つの異なる光路132(すなわち、異なる装置100に対する)は、互いに異なる必要があることを意味しない。言い換えれば、単一の「ランダム」マッピングが異なる装置100の光路内で再生成されるが、依然として、ランダム化である基準を満たす。光は一般に、ガウス方式で動作するので、光路132へのエントリポイントは、通常、決して完全に均一ではない。前述のように、ランダム化は、光の光路132への不均一な入射に対応し得る。ランダム化は、光フルエンスをより均一に分布するのを支援し得るので、光フルエンスの照らされた面積にわたる均一化も提供し得る。
【0038】
一実施形態では、光バーガイド322によって包み込まれた光ファイバーの全てが、実質的に同じ形状表面(例えば、曲面または平面)上で終わる。一実施形態では、ファイバーが光バーガイド322に取り付けられた後、ファイバー端部が、光放出のより均一な角度を提供するために、ラップ仕上げおよび研磨され得る。一実施形態では、光バーガイド322は、組み立てられたプローブ102に取り付けられると、それから放出される光を、プローブ102の遠位面に対して垂直にわずかに満たない角度に、具体的には、光音響トランスデューサ配列310の中心に対して垂直で交差する平面に向かって内側にわずかな角度に向ける。一実施形態では、光路132の遠位端(または複数)は、光音響トランスデューサ配列132の形状に合致、またはほぼ近似すべきである。
【0039】
本明細書で「光バーガイド」として使用されるバーという用語は、特定の形状を取り込むことを意図していない。例えば、光バーガイド322は、光ファイバーの遠位端を、例えば、制限なく、円形、楕円形、三角形、四角形、長方形、または任意の不規則形の全体または一部など、実質的に任意の形状に導き得る。
【0040】
一実施形態では、1つまたは複数の光バーガイド322および光学窓203は、光音響トランスデューサ組立体315を収容するシェル302、304の外部であり、1つまたは複数のシェル302、304の外側に取り付けられるように適合される。
【0041】
一実施形態では、光学窓203から放出される光の角度が調整可能であり得る。一実施形態では、光学窓203から放出される光が、ある範囲にわたって調整可能であり得る。範囲の一端では、光は、光学窓203から、プローブ102の遠位面に垂直な方向で放出され得、範囲のもう一端では、光は、光学窓203から、光音響トランスデューサ配列310の中心に対して垂直で交差する面に向かって最大で45度以上の内側角度で放出され得る。範囲はもっと狭いことも、広いこともあり得る。
【0042】
プローブが2つの光学窓203を有する実施形態では、両方の光学窓203から放出される光の角度が、個々に、または一緒に、調整可能であり得る。両方の光学窓203から放出される光の角度を一緒に調整する場合、光の方向は、各事例において、内側投影、すなわち、光音響トランスデューサ配列310の中心に対して垂直で交差する面に向かっての投影の角度が、増加または減少する。このように、より大きな光フルエンスが、体積160内に(垂直に向かって曲げることにより)より深く、または(より内側に曲げることにより)より浅く、向けられることができる。
【0043】
光角度の向きの制御は、光ガイド322を移動させることにより行うことができるか、または光路132の後の光学装置(optics)の使用を通して光学的に達成できる。光学的解決策は、光路132を通って伝導されている光の方向を変えるための1つもしくは複数のレンズおよび/またはプリズムの使用を含み得る。方向を変えられた光は、トランスデューサ要素310の真下の面積など、所望の面積を照射するように向けることができる。プローブ102によって伝導される光の方向を制御することは、安全性を維持し、皮膚およびトランスデューサに関して光の方向を最適化するために有用である。
【0044】
制御線109は、光の方向を変えるコマンドを送信し、かつ/または光パルスが光路132から放出されているときの光の実際の方向を報告するために使用され得る。光学窓203から放出される光の角度は、光パルスに起因する音響情報をいつ解釈するかを考慮するために重要なデータであり得る。
【0045】
一実施形態では、装置100は、プローブ102から放出される入射するレーザー光の角度を調整できる。プローブ102から放出される入射するレーザー光の角度の調整は、制御線109を経由して送信され得るコマンドの制御下で実行され得るか、または手動で実行され得る。一実施形態では、スタンドオフが、例えば、入射するレーザー光を、所望の深さに、またはスタンドオフなしで達成できるよりも表面に近接して、向けるのを支援するために使用され得る。一実施形態では、スタンドオフは、音響および光の両方に対して、好ましくは、超音波範囲の音響および光源129によって利用される1つまたは複数の波長の光に対して比較的透過的である。スタンドオフの使用は、超音波解像度が、そのトランスデューサからの公称距離でオブジェクトを検出する機能を欠いているので、体積160の表面に近接したオブジェクトの撮像を支援するために、超音波用途では既知であるが、本願でのスタンドオフの使用は、異なる目的のため、すなわち、光源をトランスデューサ要素310の真下に向けることを可能にするためである。一実施形態では、スタンドオフは、プローブ102から分離しており、体積160と、音響レンズ205および1つまたは複数の光学窓203を含むプローブ102の遠位面との間に配置される。一実施形態では、スタンドオフは、プローブに不可欠であり得、必要に応じて、所定の位置に移動されて、引き出され得る。
【0046】
光学窓203は、プローブ102組立体の一部でもあり得る。一実施形態では、光学窓203は、光バーガイド322の端部から、従って、光路132を構成する光ファイバーの端部から間隔が空けられている。光学窓という用語は、本明細書では、機械的もしくは光学的に平らな光学的物質、または単に透明な光学的物質に限定されない。代わりに、その用語は、光にそれを通過させることもあればさせないこともあるが、光路132に近位の窓の側面上に入射する光の少なくとも相当な部分が、光学素子の特性に依存する方法で、プローブ組立体102を出ることを可能にする、光学素子を指す。一実施形態では、光学窓203は透明であり得、それは、プローブ102の遠位面が体積160と接触しているか、またはごく近接しているときに、光の、具体的には、光路132の端部から放出される光の、その体積160への伝導を可能にする。一実施形態では、光学窓203は、半透明であり得、プローブ102の遠位面が体積160と接触しているか、またはごく近接しているときに、光の、具体的には、光路132の端部から放出される光の、拡散およびその体積160への伝導を可能にする。一実施形態では、光学窓203は、レンズであり得、プローブ102の遠位面が体積160と接触しているか、またはごく近接しているときに、光の、具体的には、光路132の端部から放出される光の、成形およびその体積160への方向づけを可能にする。
【0047】
組み立てられたプローブ102では、光学窓203の1つの縁部が、トランスデューサ組立体315にごく近接しているか、または接触している。光学窓203のトランスデューサ組立体315への近接は、光学窓203から放出される光が、音響レンズ205に近接した、従って、トランスデューサ配列310の面に近接した位置から放出されることを可能にする。
【0048】
使用中、カップリング剤(例えば、ジェル)が、プローブ102の遠位端と体積160との間の音響接触を改善するために使用され得る。カップリング剤が、光路132を形成する光ファイバーの遠位端と接触する場合、外部からの音響信号が、光路132を通じて伝導される光に応答して生成され得る。一実施形態では、光学窓203を含む、プローブ102の遠位端が、カップリング剤と光ファイバーの遠位端との間にギャップを作り出すことにより、光路132から放出される光に応答して、カップリング剤の潜在的な音響効果を弱める。
【0049】
図4は、図2に示すプローブなどの、組み立てられたプローブ108の一実施形態の広い方の面の中心線に沿って取られた断面図を示す。シェル302、304は、光学窓203およびトランスデューサ組立体315をプローブ102の遠位端で支持する。トランスデューサ組立体315およびシェル302、304によって支持されるスペーサー320は、光学窓203および光バーガイド322を位置付けて、かつ光バーガイド322と光学窓203との間にギャップ402を維持するのに役立つ。
【0050】
光路132を構成する光ファイバーの遠位端は、それらが体積160への、または音響トランスデューサ310への物理的な音響伝導路を作成しないように、位置付けられ得る。一実施形態では、ギャップ402は、光路132を構成する光ファイバーの遠位端と体積160または音響トランスデューサ310との間の高周波数音響伝導路を防ぐという目的に役立つ。以下で述べるように、光バーガイド322が、光路132を構成する光ファイバーの遠位端と体積160または音響トランスデューサ310との間の物理的な音響伝導路を低減および/または最小化するのを確実にするために、特別に選択された材料が使用できる。
【0051】
フレックス回路312は、その上の圧電トランスデューサ要素(図示せず)とともに、バッキング311の周囲に巻き付いて、圧電トランスデューサ要素をフレックス回路の各端部でケーブルコネクタ314と電気的に接続する。
【0052】
シェル302、304内の開口部404は、プローブ102の内部に入るための、光路132(図1)、電気路108(図1)および任意選択の電力および制御線109(図1)に対する開口部を提供する。一実施形態では、ゴム製グロメット(図示せず)が、開口部404を通ってプローブ102に入る経路または線に、安定性および張力緩和を提供するために使用され得る。
【0053】
図5aを参照すると、10本の光ファイバーの端部にごく近接して表面に当たる光の典型パターンが示されている。今日、標準の合理的に柔軟な光ファイバーは、直径が、約50〜200ミクロンの範囲である。光ファイバーを出る光は、ゆっくりと拡がる傾向があり、例えば、図5bで、光ファイバーの端部を離れた後に拡がる光の例示的な例を参照されたい。光ファイバーを離れた光ビームの拡張率は、光ファイバーの直径および光ファイバー材料の屈折率の関数である。光ファイバーのグループが、照射される表面にごく近接して置かれる場合、図5aに見られるような光パターンという結果になる。
【0054】
一実施形態では、より小さい直径を有する光ファイバーが、照射される面積を拡大し、光路132の重さを最小限にして可撓性を向上させるために採用される。光は、それが光ファイバーを出ると発散し、それが出るときのその発散は、ファイバーの直径に反比例する、言い換えれば、光は、より小さい直径の光ファイバーから出ると、より速く発散する。従って、例えば、50ミクロン未満、および潜在的に30ミクロン未満、の範囲の光ファイバーが、照射される面積を拡大するために望ましくあり得、従って、ビーム拡大器の必要性を減らすか、または潜在的に除外する。一実施形態では、光路132を構成する光ファイバーの1つまたは複数のグループの遠位端が、図5aに示す光の特徴的なパターンを回避するために融着され得る。
【0055】
一実施形態では、光音響プローブは、照射される体積の表面上に入射する比較的均一な光分布を生成しなければならない。光音響プローブが、比較的大きい面積の光分布を生成することも望ましくあり得る。比較的大きくて均一な光分布は、照射される表面の任意の所与の面積上で特定の光フルエンスを超えることなく、光音響プローブが、最大量のエネルギーを伝達できるようにするが、それは、患者の安全性を最大限にし、かつ/または信号対ノイズ比を向上できる。これらの理由のために、光ファイバー端部を、照射される体積の表面に近接しすぎて配置し、従って、図5aに見られるような、小さいか、または不均一な光分布を得ることは望ましくない。
【0056】
一実施形態では、光ファイバーは、照射される体積の表面から離され得る。光ファイバーの端部を、照射される体積の表面から離すと、各光ファイバーから放出されたビームが拡張されて、光分布のより均一な面積を生じるであろう。光ファイバーを、照射される体積の表面から離すことに関連した1つの潜在的な問題は、拡張するビームの漂遊部分によって生じる光音響効果である。別の潜在的な問題は、(光ファイバーの端部と、照射される表面との間の)距離を拡大することの、プローブの形状またはサイズへの影響である。さらに、光ファイバーの数を増加する(従って、光を放出するファイバー束の面積を拡大する)と、光路132(図1)の費用、重さおよび可撓性が増加して、プローブのサイズにも影響し得る。
【0057】
プローブ102は、ハンドヘルドであるように設計されているので、プローブの柄(プローブ102のより狭い近位部分)が体積160の表面に比較的近接するように、プローブのヘッド(プローブ102のより広い遠位部分)を短く保つことは望ましい。加えて、プローブ102は、ハンドヘルドであるように設計されているので、その全体の厚さも、快適さ、便利さ、および操作有効性に対する考慮事項である。その結果、光路132を形成する光ファイバーの遠位端を、光学窓203から十分な距離に配置して、拡大が、光学窓203を均一な光フルエンスで満たすことを可能にすることは、推奨されない。同様に、非常に多数のファイバーを使用して、光路132の遠位端で光バーガイド322によって保持されるファイバー束の面積を拡大し、それにより、拡大が、光学窓203を均一な光フルエンスで満たすことを可能にしようと試みることも、それは、特に、過度の重さ、不撓性、サイズ、および費用を生じ得るので、推奨されない。さらに、光学窓203のサイズの削減は、装置の潜在的な総安全エネルギー出力を減少し、従って、推奨されない。
【0058】
図6bおよび図6cを参照すると、一実施形態では、ビーム拡大器601b、601cが、光のビームを拡大するために使用され得、光のビームを短い距離を経てより均一にする。図6bは、すりガラスまたは艶消しガラスビーム拡大器601bの使用を示し、他方、図6cは、レンズビーム拡大器601cの使用を示す。一実施形態では、光バーガイド322が概ね矩形の場合、レンズビーム拡大器601cは、円筒状凸レンズまたは円筒状凹レンズであり得る。一実施形態では、凸レンズ(図示せず)がビーム拡大器として使用され得る。当業者には、他のレンズ、レンズ系、もしくは他の光学系、またはそれらの組合せが、光を発散させ、より均一に分散させるために使用できることが明らかであろう。
【0059】
図4を再度参照すると、一実施形態では、光バーガイド322が、ファイバーの遠位端を保持する端部上の超音波結像面に向かって内側に曲げられる。光バーガイド322の遠位端が内側へ曲がっていることは、そこから放出する光が、光学窓203をより良く満たし、従って、光学窓203に均一に照射すること可能にする。ギャップ402は、ビーム拡大器を含み得るが、光路132を通じて伝導された光が、光学窓203を満たすように拡大するためのスペースを提供し得る。内側に曲がっていることは、体積160の表面上に入射する光の方向を、垂直に満たない角度で表面に当てるようにさせ、従って、潜在的に、超音波トランスデューサ310を覆う音響レンズ205の下の体積により良く伝搬させるのに役立つ。
【0060】
図1に戻ると、プローブ102は、ハンドヘルド使用が意図されているので、光路132、電気路108、ならびに任意選択の電力および制御線109の重さおよび可撓性は考慮事項である。一実施形態では、光路132をもっと軽くてもっと柔軟にするために、光路132は、できる限り少ないファイバーで構築される。使用できるファイバーの数をどれだけ少なくするかの制限要因は、光路132に渡って搬送される光の量である。ファイバーを通して多すぎる光を伝導すると、ファイバーを損傷するであろう。光路132は、体積160の表面上のフルエンスとなる光に、光源129と、照射される体積160の表面との間で失われる(例えば、吸収または散乱される)すべての光を加えた総量を搬送する必要がある。照射される最大面積は、光学窓203のサイズを超えないことが知られているので、また、照射される最大面積は、単位面積あたりのフルエンス制限を受けるので、光路132によって搬送される総光エネルギーは、フルエンス制限に光学窓203のサイズを掛けることによって概算できる。FDAは、フルエンスの人間に安全なレベルに対する数を提供する。
【0061】
照射される体積160は、一般に、それ独自の光音響応答を有するが、それは、光フルエンスが最大であるところ、すなわち、体積160の表面で、特に明らかである。体積160の表面に照射される面積が(例えば、光学窓203のサイズおよびビームを増やすことにより)増えると、体積160自体の表面によって生成された光音響影響が減り、従って、異種物161、162を表す所望の信号と比較して、体積160自体の表面によって生成された望ましくない光音響信号を減らし得る。
【0062】
体積160自体の表面によって生成された不必要な光音響信号に加えて、光学窓205とそれぞれの光バーガイド322との間のスペースを囲む側壁、音響レンズ205、およびトランスデューサハウジング316の一部などの、超音波トランスデューサによって検出できる望ましくない光音響信号の他の原因があり得る。光学窓203および任意の任意選択のビーム拡大器601b、601cも、超音波トランスデューサによって検出できる望ましくない光音響信号の原因であり得る。
【0063】
一実施形態では、光学窓205とそれぞれの光バーガイド322との間のスペースを囲む壁は、高吸音特性を有し、かつ/または白くて、かつ/または高光散乱および/もしくは反射特性を有する、材料から作られ得る。これらの特性を有する材料を使用すると、超音波トランスデューサによって検出できる望ましくない光音響信号を減らし得る。一実施形態では、スペーサー322は、Micro−Mark CR−600、乾くと白色になる2の部分の高性能注型用樹脂などの、樹脂材料から作ることができる。
【0064】
一実施形態では、高吸音特性を有し、かつ/または白くて、かつ/または高光散乱特性を有する材料の層(図示せず)が、組み立てられたプローブ102内でトランスデューサ組立体315と光バーガイド322との間に配置される。あるいは、その層は、組み立てられたプローブ102内で2つの部分が接触するところで、トランスデューサ組立体315または光バーガイド322に直接適用され得る。この層は、超音波トランスデューサによって検出できる望ましくない光音響信号を減らし得る。一実施形態では、その層は、Micro−Mark CR−600、乾くと白色になる2の部分の高性能注型用樹脂などの、樹脂材料から作ることができる。一実施形態では、その層(図示せず)は、反射コーティングも含み得る。一実施形態では、金の反射コーティングがその層に適用されて、そうでなければその層に当たる光を反射する。
【0065】
一実施形態では、非反射コーティングが、光学窓203および/またはビーム拡大器601b、601cの光音響的特性を減らすために使用され得る。一実施形態では、フッ化マグネシウムが、光学窓203および/またはビーム拡大器601b、601c上の非反射コーティングとして使用され得る。非反射コーティングは、光学窓203によって吸収されるか、または反射されるエネルギーを減少および/または最小限にするために使用され得る。
【0066】
一実施形態では、トランスデューサ組立体315および/または音響レンズ205の光音響的特性が、白化によって低減できる。一実施形態では、RTVシリコンゴムから成る音響レンズ205が、約4%のTiOでドープ処理されることにより、白くされて、その光音響的特性が低減され得る。TiOによるドープ処理は、音響レンズの反射率、従って、吸収を向上させ、また、RTVシリコンゴムの光音響応答を拡散する傾向がある散乱効果も有し、その応答を、もっと容易にフィルタ処理できる低い周波数に下げると考えられている。前述のように、トランスデューサ組立体315および/または音響レンズ205の外側表面には、金、銅、アルミニウム、または真鍮などの、金属コーティングが与えられる。一実施形態では、金属コーティング、特に、金は、トランスデューサ組立体315および/または音響レンズ205の光音響的特性を減少させる。金は、光スペクトルにおけるその反射率のために、音響レンズ205の光音響的特性を減少させると考えられている。
【0067】
前述のように、光路132の端部の光ファイバーが、光バーガイド322によって保持されて、光バーガイド322によって保持される全てのファイバーが実質的に同じ平面上に配置される。一実施形態では、ファイバー端部が、機械的力、接着剤、または機械的力および接着剤の組合せを使用して所定の位置に固定され得る。ファイバーは、それらを所望の位置およびパターンに保つため、ならびに/またはレーザー発射に起因する機械的エネルギーの出力を減らすために、それらの遠位端の近くで接着され得る。一実施形態では、光バーガイド322内で固定された光ファイバー間のスペースが、次の特性の1つまたは複数を有する材料で充填され得る:吸音、光散乱、白、および/または光反射。一実施形態では、光路132の遠位端で光バーガイド322によって包み込まれ得る、光ファイバーが融着される。光路132の遠位端でのファイバーの融着は、光路から放出する光がより均一にされるのを可能にされ得る。
【0068】
一実施形態では、反射コーティングが、組み立てられたプローブを含む、シェル302、304の、光路132から発散するレーザー光がその上に当たり得る面積、ならびに、皮膚を、例えば、光学窓203およびプローブ102の遠位端の他の部分の近くに接触させるように設計された面積内に、配置される。一実施形態では、シェル302、304は、光路132から発散するレーザー光がそれに当たり得るか、またはそれに当たる可能性がある場所に、金でコーティングされる。一実施形態では、シェル302、304の部分が金で作られ得るが、現在のところ、これは法外な費用がかかり得る。
【0069】
一実施形態では、近接検出器システム(図示せず)が、プローブ102の遠位端が、体積の表面の上または非常に近くにあることを判断するために使用される。理由の中で特に、かかる近接検出器システムが望ましいのは、プローブ102が、検査中または検査される予定の体積160にごく近接していない場合に、光源120がパルスを発するのを防ぐために、それが使用できることである。これは、光源129が、例えば、目に害を及ぼし得るレベルで光を生成し得るので、安全性の問題であり得る。近接検出器システムは次の形で実現され得る:プローブの遠位端における機械的接触スイッチ;無害のビームの反射を体積160の表面から見る光学的スイッチ;体積160および/または体積160とプローブの遠位端との間の任意の音響ジェルもしくは他の材料との接触によって閉じられる伝導性スイッチ(conductive switch);伝導性スイッチおよびプローブ102の遠位端との接触用の導電性表面を含むスタンドオフ;伝導性スイッチおよび対象の体積160の表面に適用された薄く、光学的かつ光音響的に透明な導電性表面;特定の時間内で音を伝導し、その反射を探すことによって、体積160の近接近を検出できる音響トランスデューサスイッチ;狭い形状の音声送信器および受信器の使用ならびに近接を検出するための反射の使用によって、体積160の近接近を検出できる音響トランスデューサスイッチ;信号リターンを探すことにより、トランスデューサ配列内の1つあるいは複数のトランスデューサを近接検出器として使用すること;または装置100を超音波モードで操作して、超音波画像を探すことによる。
【0070】
一実施形態では、出力エネルギーがそこから推定または推測できる測定値を取得するために、光学検出器(図示せず)がプローブ内に配置され得る。一実施形態では、光学検出器は、ビーム拡大器または光学窓によって反射されたエネルギーなどの、反射エネルギーを測定する。一実施形態では、光学検出器は、ギャップ402を取り囲んでいる材料によって散乱されたエネルギーなどの、散乱エネルギーを測定する。光学検出器の測定値は、制御信号線109を経由してシステム筐体101に伝達でき、そこで、それは、プローブ102の光出力を推測または推定するために分析できる。一実施形態では、システム筐体101内の制御機能が、光システム129の光出力、従ってプローブ102の光出力を、光学検出器によって行われた測定値に基づいて、制御または調整できる。一実施形態では、システム筐体101内の制御機能が、光学検出器によって行われた測定値に基づき、プローブ102の光出力の変動を補正するために、トランスデューサ受信器内の利得を制御または調整できる。一実施形態では、コンピュータシステム128は、光学検出器によって行われた測定値に基づき、異なる活動を、制御信号線106を通じて光システム129から誘発することができる。一実施形態では、光学検出器によって得られた測定値が、装置101に対する電気システムまたは電力における変動を制御するために使用できる。同様に、一実施形態では、光学検出器によって得られた測定値が、装置101の光路132または他の光学素子における変動を制御するために使用できる。一実施形態では、光学検出器は、プローブ102によって出力された光のフルエンスを、そうでなければ、プローブ102によって出力された光のフルエンスが安全限界を超えるか、またははるかに下回わる、電気的または光学的特性における変動に対応することにより、安全限界に近接したままであるが、下回らせるために使用できる。
【0071】
本システムおよび方法が、光音響プローブを含む方法および装置のブロック図および操作上の具体例を参照して前述されている。ブロック図または操作上の具体例の各ブロック、およびブロック図または操作上の具体例のブロックの組合せが、アナログまたはデジタルハードウェアおよびコンピュータプログラム命令によって実現され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータのプロセッサ、専用コンピュータ、ASIC、または他のプログラム可能データ処理装置に提供され得、これにより、コンピュータのプロセッサまたは他のプログラム可能データ処理装置によって実行される命令が、ブロック図または操作ブロックもしくは複数のブロックで指定された機能/動作を実現する。ある代替実施態様では、ブロック内に記述された機能/動作は、操作上の具体例に記述された順序とは異なる順序で生じ得る。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、関与する機能/動作に応じて、実質的に同時に実行され得るか、またはブロックは時々、逆の順序で実行され得る。
【0072】
本発明は、その好ましい実施形態を参照して、具体的に示され、記述されているが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細において様々な変更が本明細書において行われ得ることが、当業者によって理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c