特許第6732710号(P6732710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝デバイス&ストレージ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6732710-半導体記憶装置 図000002
  • 特許6732710-半導体記憶装置 図000003
  • 特許6732710-半導体記憶装置 図000004
  • 特許6732710-半導体記憶装置 図000005
  • 特許6732710-半導体記憶装置 図000006
  • 特許6732710-半導体記憶装置 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6732710
(24)【登録日】2020年7月10日
(45)【発行日】2020年7月29日
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/10 20060101AFI20200716BHJP
【FI】
   G11C29/10 110
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-182256(P2017-182256)
(22)【出願日】2017年9月22日
(65)【公開番号】特開2019-57353(P2019-57353A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2019年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】波磨 薫
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−294014(JP,A)
【文献】 特開2000−267945(JP,A)
【文献】 特開2007−134027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のメモリセルアレイの各メモリセルの読出し及び書込みを共通の読出し回路及び書込み回路によって制御するマルチブロック構成の半導体記憶装置において、
前記書込み回路は、
書込みデータを反転させて反転書き込みデータを出力する反転回路と、
前記第1のメモリセルアレイの選択されたビット線に前記第1のメモリセルアレイ内の第1のメモリセルをプログラムするための電流を流すか又は阻止するための第1のスイッチと、
前記第2のメモリセルアレイの選択されたビット線に前記第2のメモリセルアレイ内の第2のメモリセルをプログラムするための電流を流すか又は阻止するための第2のスイッチと、
前記書込みデータに基づいて前記第1のスイッチを制御すると共に前記反転書込みデータに基づいて前記第2のスイッチを制御することにより、同時に、前記第1のメモリセル及び第2のメモリセルのうちの一方をプログラムし、他方をアンプログラムするゲート回路と
を具備する半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1及び第2のスイッチは、プログラム時にオンとなって前記選択されたビット線に書込み電圧を印加する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1及び第2のスイッチは、プログラム時にオンとなって前記選択されたビット線に電流源により発生した電流を流す
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記ゲート回路は、テストモードにおいて、同時に、前記第1のメモリセル及び第2のメモリセルのうちの一方をプログラムし、他方をアンプログラムするように前記第1及び第2のスイッチを制御する
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記ゲート回路は、テストモードを示す信号と前記書込みデータとに基づいて前記第1のスイッチを制御する第1のNAND回路と、前記テストモードを示す信号と前記反転書込みデータとに基づいて前記第2のスイッチを制御する第2のNAND回路と
を具備する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記ゲート回路は、テストモードを示す信号と前記書込みデータとに基づいて前記第1のスイッチを制御する第1のAND回路と、前記テストモードを示す信号と前記反転書込みデータとに基づいて前記第2のスイッチを制御する第2のAND回路と
を具備する請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記反転回路は、テストモードを示す信号と前記書込みデータとの排他的論理和を求めるEXOR回路によって構成される
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、読出し回路及び書込み回路を2つのメモリセルアレイで共用化することで、サイズの増大を抑制したマルチブロック構成のメモリが採用されることがある。マルチブロック構成のメモリに用いるメモリセルアレイとして、ランダムアクセス可能な不揮発性メモリ、例えばNOR型フラッシュメモリが採用されることがある。
【0003】
フラッシュメモリは、例えば、メモリセルのフローティングゲート(FG)に電荷が蓄積されている状態を論理値“0”とし、電荷が蓄積されていない状態を論理値“1”とする。各メモリセルに書込みを行うためには、FGから一旦電荷を除去する必要があり、各メモリセルのイレースゲート(EG)に高電圧を印加して、各メモリセルを“1”に初期化するイレースを行う。書き込み時には、メモリセルを論理値“1”のままにするために電荷の注入を行わない(以下、アンプログラムという)か、又は、各メモリセルを論理値“1”から“0”にするためにFGに電荷を注入(以下、プログラムという)する。
【0004】
しかしながら、不揮発性メモリでは、プログラムに比較的長時間を要する。このため、不揮発性メモリでは、テスト時間が長時間となり、テストコストが増大するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−119018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、テスト時間を短縮することができる半導体記憶装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る半導体記憶装置は、第1及び第2のメモリセルアレイの各メモリセルの読出し及び書込みを共通の読出し回路及び書込み回路によって制御するマルチブロック構成の半導体記憶装置において、前記書込み回路は、書込みデータを反転させて反転書き込みデータを出力する反転回路と、前記第1のメモリセルアレイの選択されたビット線に前記第1のメモリセルアレイ内の第1のメモリセルをプログラムするための電流を流すか又は阻止するための第1のスイッチと、前記第2のメモリセルアレイの選択されたビット線に前記第2のメモリセルアレイ内の第2のメモリセルをプログラムするための電流を流すか又は阻止するための第2のスイッチと、前記書込みデータに基づいて前記第1のスイッチを制御すると共に前記反転書込みデータに基づいて前記第2のスイッチを制御することにより、同時に、前記第1のメモリセル及び第2のメモリセルのうちの一方をプログラムし、他方をアンプログラムするゲート回路とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置を示す回路図。
図2】第1の実施の形態の半導体記憶装置の全体構成の一例を示すブロック図。
図3】関連技術を示す回路図。
図4】横軸にカラム(Column)をとり縦軸にロー(Row)をとって、ダイアゴナルパターン及びその反転パターンの書き込みを説明するための説明図。
図5】本発明の第2の実施の形態を示す回路図。
図6】本発明の第3の実施の形態を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態に係る半導体記憶装置を示す回路図である。図2は第1の実施の形態の半導体記憶装置の全体構成の一例を示すブロック図である。なお、図1図2中の読出し回路、書込み回路及びカラムセレクタの部分を示している。また、図3は関連技術を示す回路図である。なお、後述するNMOSトランジスタの基板電位はVSSに設定し、また、PMOSトランジスタの基板電位は、書込み電圧WriteVoltageよりも高い電圧に設定することで動作するものであり、図1,3,5,6においてトランジスタのサブストレート接続については図示を省略する。
【0010】
図2の半導体記憶装置は、例えば不揮発性メモリであり、不揮発性のメモリセルによって構成されたメモリセルアレイARt及びメモリセルアレイARbを有している。メモリセルアレイARt,ARbは、複数のワード線と複数のビット線との交点に対応してメモリセルがマトリクス状に配置されて構成される。メモリセルアレイARtの各ワード線はローデコーダRDtによって駆動され、メモリセルアレイARbの各ワード線はローデコーダRDbによって駆動される。また、メモリセルアレイARtの各ビット線はカラムセレクタCStによって駆動され、メモリセルアレイARbの各ビット線はカラムセレクタCSbによって駆動される。
【0011】
メモリセルアレイARt、ローデコーダRDt、カラムセレクタCSt、読出し回路RC及び書込み回路WCによって上ブロックBLtが構成される。また、メモリセルアレイARb、ローデコーダRDb、カラムセレクタCSb、読出し回路RC及び書込み回路WCによって下ブロックBLbが構成される。即ち、図2の半導体記憶装置は、読出し回路RC及び書込み回路WCが、上ブロックBLt及び下ブロックBLbに共通に用いられるマルチブロック構成である。これらの上ブロックBLt及び下ブロックBLbによって、メモリセルアレイARt,ARbから1ビットのデータが出力されるI/O単位T1が構成される。
【0012】
I/O単位T2〜Tnは、ローデコーダRDt,RDbがI/O単位T1と共用化されており、ワード線はI/O単位T1〜Tnで共通である。I/O単位T2〜Tnは、ローデコーダRDt,RDbが省略された点を除き、I/O単位T1と同一構成である。なお、図2の半導体記憶装置は、複数のI/O単位により構成された例を示しているが、1つのI/O単位のみによって構成されていてもよい。
【0013】
これらのローデコーダRDt,RDb、カラムセレクタCSt,CSb、読出し回路RC及び書込み回路WCは、制御部CT1によって制御されるようになっている。制御部CT1は、メモリセルアレイARt,ARbに対するイレース、リード及びライトの各モードを設定するために各部を制御するようになっている。例えば、制御部CT1は、メモリセルアレイARt,ARbのアドレスを指定するための処理や図1の端子P1〜P6に供給する信号や電圧を決定する処理等を行う。
【0014】
メモリセルアレイARt,ARbには、不揮発性のメモリセル、例えば、NOR型フラッシュメモリセルが構成されている。メモリセルアレイARt,ARbに構成されたメモリセルは、例えば、フローティングゲート(FG)を備えたMOSトランジスタ構造を有し、FGに電荷を蓄積している場合には、ドレイン・ソース間に電流が流れず、この状態を論理値“0”とし、FGに電荷を蓄積していない場合には、ドレイン・ソース間に電流が流れて、この状態を論理値“1”としてデータを記憶する。各メモリセルのイレースゲート(EG)に高電圧を印加することで、FGから電荷を除去して、論理値を“1”に初期化するイレースが可能である。従って、イレース時には、メモリセルのMOSトランジスタに電流を流す必要はなく、全メモリセルを同時にイレースすることも可能である。
【0015】
メモリセルのリード、プログラム及びアンプログラムは、書込み回路WCによって制御されるようになっている。リード時には、例えば、書込み回路WCは、ビット線をプリチャージする。メモリセルを構成するトランジスタ(メモリセルトランジスタ)のドレインはビット線に接続され、ソースは基準電位点に接続される。従って、ビット線をプリジャージすると、メモリセルトランジスタの導通,非導通に応じて、読出し回路RCに供給されるビット線出力電圧が変化し、データの読み出しが可能である。
【0016】
不揮発性メモリセルに対するプログラム、即ち、FGへの電荷注入は、メモリセルを構成するMOSトランジスタに所定の電流(例えば、1μA)を流すことで可能となる。ローデコーダRDt,RDbによってワード線を選択し、カラムセレクタCSt,CSbによってビット線を選択し、選択したワード線及びビット線に接続されたメモリセルトランジスタに書込み回路WCにより電流を流すことで、FGに電荷が注入され、当該メモリセルの記憶データの論理値は“0”になる。
【0017】
なお、ワード線及びビット線によって選択されたメモリセルトランジスタに、書込み回路WCが電流を流さない場合には、FGには電荷が注入されず(アンプログラム)、当該メモリセルの記憶データの論理値は“1”のままとなる。
【0018】
このように、不揮発性メモリにおいては、メモリセルを構成するトランジスタに電流を流すことで、FGへの電荷注入によるプログラムが行われる。
【0019】
図1図2中のカラムセレクタCSt,CSb、読出し回路RC及び書込み回路WCの具体的な構成の一例を示している。なお、図1はビット線の数が4本の例を示しているが、ビット線の数は特に限定されるものではない。
【0020】
カラムセレクタCStは、メモリセルアレイARtの各ビット線と読出し回路RCとの接続を制御するスイッチであるNMOSトランジスタM3〜M6によって構成され、カラムセレクタCSbは、メモリセルアレイARbの各ビット線と読出し回路RCとの接続を制御するスイッチであるNMOSトランジスタM7〜M10によって構成される。
【0021】
上ブロックBLtのビット線Bt0〜Bt3は、それぞれカラムセレクタCStを構成するNMOSトランジスタM3〜M6のドレインに接続される。トランジスタM3〜M6のソースは、グローバルビット線GBtを介して読出し回路RCを構成するセンスアンプSA1の反転入力端に共通接続される。トランジスタM3〜M6は、それぞれゲートに供給される選択信号T_CSL0〜T_CSL3によって選択的にオンとなり、オンとなったトランジスタに接続されたビット線からのデータ(ビット線出力)がセンスアンプSA1の反転入力端に供給される。
【0022】
下ブロックBLbのビット線Bb0〜Bb3は、それぞれカラムセレクタCSbを構成するNMOSトランジスタM7〜M10のドレインに接続される。トランジスタM7〜M10のソースは、グローバルビット線GBbを介して読出し回路RCを構成するセンスアンプSA1の非反転入力端に共通接続される。トランジスタM7〜M10は、それぞれゲートに供給される選択信号B_CSL0〜B_CSL3によって選択的にオンとなり、オンとなったトランジスタに接続されたビット線からのデータがセンスアンプSA1の非反転入力端に供給される。
【0023】
上述したように、書込み回路WCはリード時にビット線をプリチャージし、プログラム時にビット線を介してメモリセルトランジスタに電流を流す。ワード線及びビット線によって選択されたメモリセルトランジスタのFGに電荷が存在する場合には、メモリセルトランジスタのドレイン・ソース間は非導通であり、プリチャージによる電圧が読出し回路RCのセンスアンプSA1の反転入力端又は非反転入力に供給される。また、ワード線及びビット線によって選択されたメモリセルトランジスタのFGに電荷が存在しない場合には、メモリセルトランジスタのドレイン・ソース間は導通し、プリチャージ電流がメモリセルトランジスタのソースから基準電位点に流れてセンスアンプSA1の反転入力端又は非反転入力の電位は基準電位となる。
【0024】
センスアンプSA1は、上ブロックBLtのビット線出力と下ブロックBLbのビット線出力の差分を求めてEXOR回路EX2に出力する。EXOR回路EX2には、端子P6からブロックを選択する選択信号BLSel_MSBも与えられる。選択信号BLSel_MSBは、上ブロックBLt選択時は“0”であり、下ブロックBLt択時は“1”である。
【0025】
上ブロックBLtの選択されたメモリセルのFGに電荷が存在する場合には、センスアンプSA1の反転入力端にはプリチャージによる電圧(論理値“1”)が供給されるのでセンスアンプSA1の出力は“0”となる。また、上ブロックBLtの選択されたメモリセルのFGに電荷が存在しない場合には、センスアンプSA1の反転入力端は基準電位(論理値“0”)が供給されるのでセンスアンプSA1の出力は“1”となる。上ブロックBLt選択時には、センスアンプSA1の出力はEXOR回路EX2を介してそのまま出力端子P7にReadDataOutとして出力される。
【0026】
また、下ブロックBLbの選択されたメモリセルのFGに電荷が存在する場合には、センスアンプSA1の非反転入力端にはプリチャージによる電圧(論理値“1”)が供給されるのでセンスアンプSA1の出力は“1”となる。また、上ブロックBLbの選択されたメモリセルのFGに電荷が存在しない場合には、センスアンプSA1の非反転入力端は基準電位(論理値“0”)が供給されるのでセンスアンプSA1の出力は“0”となる。下ブロックBLb選択時には、センスアンプSA1の出力はEXOR回路EX2によって反転されて出力端子P7にReadDataOutとして出力される。
【0027】
次に、図1の書込み回路WCを説明する前に、図3を参照して関連技術に採用される書込み回路WCSの構成について説明する。なお、図3の関連技術においては、カラムセレクタCSt、CSb及び読出し回路RCの構成は図1と同様である。
【0028】
図3において、端子P1には、メモリセルアレイARt,ARbの各メモリセルに書込む書込みデータWriteDate_BLが供給される。このデータWriteDate_BLは、トランジスタM11,M14のゲートに供給される。また、端子P11には、上ブロックBLt又は下ブロックBLbを選択するためのブロック選択信号Write_BL_Selectが供給される。ブロック選択信号Write_BL_Selectは、上ブロックBLt選択時は“0”であり、下ブロックBLt択時は“1”である。ブロック選択信号Write_BL_Selectは、PMOSトランジスタM12のゲートに供給されると共に、インバータINVによって反転された後、PMOSトランジスタM13のゲートに供給される。
【0029】
端子P5には、各メモリセルをプログラムするために必要な書込み電圧WriteVoltageが供給される。端子5の書込み電圧WriteVoltageは、トランジスタM11,M12によって上ブロックBLtの各ビット線への供給が制御され、トランジスタM13,M14によって下ブロックBLbの各ビット線への供給が制御される。
【0030】
上ブロックBLt選択時には、トランジスタM12はオンであり、トランジスタM13はオフである。この場合に、データWriteDate_BLがハイレベル(以下、Hレベルという)(論理値“1”)のときには、トランジスタM11はオフであり、上ブロックBLtの各ビット線には書込み電圧WriteVoltageは印加されない。従って、この場合には、上ブロックBLtの選択されたメモリセルはアンプログラムされて、論理値“1”が記憶されたままとなる。また、上ブロックBLt選択時において、データWriteDate_BLがローレベル(以下、Lレベルという)(論理値“0”)のときには、トランジスタM11はオンであり、上ブロックBLtの各ビット線には書込み電圧WriteVoltageが印加されて書込みのための電流が流れる。従って、この場合には、上ブロックBLtの選択されたメモリセルはプログラムされて、論理値“0”が記憶される。
【0031】
一方、下ブロックBLb選択時には、トランジスタM12はオフであり、トランジスタM13はオンである。この場合に、データWriteDate_BLがHレベルのときには、トランジスタM14はオフであり、下ブロックBLbの各ビット線には書込み電圧WriteVoltageは印加されない。従って、この場合には、下ブロックBLbの選択されたメモリセルはアンプログラムされて、論理値“1”が記憶されたままとなる。また、下ブロックBLb選択時において、データWriteDate_BLがLレベルのときには、トランジスタM14はオンであり、下ブロックBLbの各ビット線には書込み電圧WriteVoltageが印加されて書込みのための電流が流れる。従って、この場合には、下ブロックBLbの選択されたメモリセルはプログラムされて、論理値“0”が記憶される。
【0032】
上述したように、プログラム時には、メモリセルトランジスタに電流を流す必要がある。このため、不揮発性メモリでは、データの読出しに要する時間はnsオーダーであるのに対し、プログラムに要する時間はμsオーダーと極めて長く、テストに長時間を要する。
【0033】
しかも、図3の関連技術では、書込み回路WCSによって、上ブロックBLtのビット線と下ブロックBLbのビット線とには、排他的に書込みのための電流が流れることから、両ブロックBLt,BLbのメモリセルに同時にプログラムを行うことはできない。このため、図3の関連技術では、テスト時間に比較的長時間を要する。
【0034】
そこで、上ブロックBLt及び下ブロックBLbの両ブロックに同時に書き込みを行う手法が採用されることもある。しかしながら、上ブロックBLtのメモリセルアレイARtと下ブロックBLbのメモリセルアレイARbとに同じ論理値のデータを書込んでテストを行った場合には、ブロック選択が正常に行われたか否かの判定のための書き込みが更に必要となり、やはりテスト時間を短縮することはできない。
【0035】
そこで、ダイアゴナル(diagonal)パターン及びその反転パターンを上ブロックBLtのメモリセルアレイARtと下ブロックBLbのメモリセルアレイARbとにそれぞれ書込むことでブロック選択の判定を不要にする方法が考えられる。しかしながら、図3の関連技術では、テストモードにおいてトランジスタM12,M13を常時オンにしたとしても、上ブロックBLtのメモリセルアレイARtと下ブロックBLbのメモリセルアレイARbとには同一のデータしか書込みを行うことはできず、図3の関連技術において、ダイアゴナル(diagonal)パターン及びその反転パターンの書き込みを行うためには、上ブロックBLtと下ブロックBLbとに別々に書き込みを行う必要があり、テスト時間を短縮することはできない。
【0036】
なお、テストパターンとして市松模様を採用して、テスト時間を短縮する方法が採用されることもある。全ビットをプログラムするロー(Row)とプログラムしないRowに分けて書き込みを行うのである。この場合には、同時にプログラムするセル数に応じた電流を流す必要があり、装置サイズが大きくなってしまう。また、この場合でも、上ブロックBLtと下ブロックBLbには同一のデータが書込まれることになり、ブロックの選択が確実に行われたか否かの判定テストを更に実施する必要がある。なお、このような同時書込みにおいて、電流量を増加させることなく、セルに電流を流す時間を長くすることによって、複数のセルを同時にプログラムする手法もある。しかし、この手法は、電圧を変化させる回数を低減できる分だけテスト時間を短縮できるのみである。しかも、上述したダイアゴナルパターンでは、Row毎にパターンが異なることから、複数のRowに同時に書込む手法を採用することはできない。
【0037】
即ち、不揮発性メモリにおいては、ビット線が共通の複数のメモリセルに同時に書込みを行う場合には、同一論理値のデータが書込まれることになる。換言すると、異なるビット線に接続された複数のメモリセル対しては、同時に相互に異なる論理値のデータを書込み可能である。本実施の形態は、ダイアゴナル(diagonal)パターン及びその反転パターンは、上ブロックBLtと下ブロックBLbの対応するカラム(Column)の対応するRowでは、論理値が相互に異なることを利用して、必要な電流量を増加させずに上ブロックBLtと下ブロックBLbとに同時に書き込みを行うものである。
【0038】
即ち、本実施の形態は、マルチブロック構成の不揮発性の半導体記憶装置において、上ブロックBLtと下ブロックBLbの対応する1対のメモリセルに対して、同時に、一方をプログラムし他方をアンプログラムする書き込みを行うことにより、書込みに必要な電流量を増大させることなく、テスト時間を短縮することを可能にする。
【0039】
図1において、カラムセレクタCSt,CSb及び読出し回路RCの構成は、それぞれ図3のカラムセレクタCSt,CSb及び読出し回路RCの構成と同一である。図1においては、端子P1には、書込みデータWriteDate_Commonが入力される。書込みデータWriteDate_Commonは、NAND回路NA2及びEXOR回路EX1に供給される。
【0040】
なお、この書込みデータWriteDate_Commonは、テストモード時には、メモリセルアレイARt,ARbの1対のメモリセルに同時にデータを書込むためのデータである。本実施の形態においては、上ブロックBLtのメモリセルアレイARtのメモリセルと下ブロックBLbのメモリセルアレイARbの対応するメモリセルとには、相互に論理値が異なるデータを書込むので、書込みデータWriteDate_Commonは一方のメモリセルに書込むデータの論理値に一致したものである。
【0041】
端子P3には、反転制御信号WriteData_Reversが入力され、この反転制御信号WriteData_Reversは反転回路としてのEXOR回路EX1に供給される。テストモード時には、反転制御信号WriteData_Reversは“1”である。従って、テストモード時には、EXOR回路EX1は、書込みデータWriteDate_Commonを反転させる。EXOR回路EX1は出力をNAND回路NA1に与える。なお、通常のリード、ライトを行うメモリ使用時のモード(以下、通常モードという)においては、反転制御信号WriteData_Reversは“0”であり、EXOR回路EX1は書込みデータWriteDate_CommonをそのままNAND回路NA1に与える。
【0042】
端子P2には、メモリセルアレイARtのメモリセルへの書込みを許可するためのイネーブル信号WriteData_t_Enableが与えられ、端子P4には、メモリセルアレイARbのメモリセルへの書込みを許可するためのイネーブル信号WriteData_b_Enableが与えられる。イネーブル信号WriteData_t_EnableはNAND回路NA1に与えられ、イネーブル信号WriteData_b_EnableはNAND回路NA2に与えられる。通常モード時において、書き込みを上ブロックBLtに行う場合には、イネーブル信号WriteData_t_Enableは“1”で、イネーブル信号WriteData_b_Enableは“0”である。また、通常モード時において、書き込みを下ブロックBLbに行う場合には、イネーブル信号WriteData_t_Enableは“0”で、イネーブル信号WriteData_b_Enableは“1”である。
【0043】
本実施の形態のテストモード時には、メモリセルアレイARt,ARbの対応するメモリセルに同時に書込みを行うので、テストモード時にはイネーブル信号WriteData_t_Enable,WriteData_b_Enableはいずれも“1”である。従って、テストモード時には、NAND回路NA1からは書込みデータWriteDate_Commonに一致するデータWriteData_BL_tが出力され、NAND回路NA2からは書込みデータWriteDate_Commonの反転信号に一致するデータWriteData_BL_bが出力される。
【0044】
端子P5には、各メモリセルをプログラムするために必要な書込み電圧WriteVoltageが供給される。端子5は、第1のスイッチとしてのPMOSトランジスタM1のソース・ドレイン路及びグローバルビット線GBtを介してカラムセレクタCStを構成するトランジスタM3〜M6のソースに共通接続されると共に、第2のスイッチとしてのPMOSトランジスタM2のソース・ドレイン路及びグローバルビット線GBbを介してカラムセレクタCSbを構成するトランジスタM7〜M10のソースに共通接続される。トランジスタM1のゲートには、NAND回路NA1からのデータWriteData_BL_tが供給され、トランジスタM2のゲートには、NAND回路NA2からのデータWriteData_BL_bが供給される。
【0045】
NAND回路NA1,NA2によって、第1及び第2のスイッチであるトランジスタM1,M2のオン,オフを制御するゲート回路が構成される。即ち、テストモード時には、書込みデータWriteDate_Commonが“1”の場合には、NAND回路NA1からのデータWriteData_BL_tは“1”、NAND回路NA2からのデータWriteData_BL_bは“0”となり、トランジスタM1はオフ、トランジスタM2はオンとなって、書込み電圧WriteVoltageが下ブロックBLbに印加されて、メモリセルアレイARbのメモリセルがプログラムされて“0”となり、上ブロックBLtのメモリセルアレイARtの対応するメモリセルはアンプログラムされて“1”のままとなる。
【0046】
逆に、テストモード時において、書込みデータWriteDate_Commonが“0”の場合には、NAND回路NA1からのデータWriteData_BL_tは“0”、NAND回路NA2からのデータWriteData_BL_bは“1”となり、トランジスタM1はオン、トランジスタM2はオフとなって、書込み電圧WriteVoltageが上ブロックBLtに印加されて、メモリセルアレイARtのメモリセルはプログラムされて“0”となり、下ブロックBLbのメモリセルアレイARbの対応するメモリセルはアンプログラムされて“1”のままとなる。
【0047】
このように本実施の形態においては、上ブロックBLtのメモリセルと下ブロックBLbの対応するメモリセルに対して、相互に論理値が異なるデータを同時に書込んで記憶させることが可能である。
【0048】
なお、図1の回路では、書込み電圧WriteVoltageがセンスアンプSA1に印加される構成となっている。センスアンプSA1は、通常耐圧が低いトランジスタが採用されることから、書込み電圧WriteVoltageがセンスアンプSA1に印加されることを防止するための回路を設けることがあるが、これについては、センスアンプSA1の耐圧が十分に高いものとして、省略している。
【0049】
なお、NMOSトランジスタの基板電位はVSSに設定する。また、PMOSトランジスタの基板電位は、書込み電圧WriteVoltageよりも高い電圧に設定することで、書込みにおいて使用されるトランジスタは、書込み電圧WriteVoltageより高い電位で動作する。
【0050】
次に、このように構成された実施の形態の動作について図4を参照して説明する。図4は横軸にカラム(Column)をとり縦軸にロー(Row)をとって、ダイアゴナルパターン及びその反転パターンの書き込みを説明するための説明図である。
【0051】
図4図2のnが6の例であり、6つのI/O単位T1〜T6によって半導体記憶装置を構成した例を示している。1つのI/O単位のメモリセルアレイARt,ARbは、例えば、それぞれ4本のビット線と16本のワード線を有する例を示している。図4において、塗り潰しと白抜きは相互に異なる論理値が書込まれることを示している。即ち、図4のダイアゴナルパターンは、メモリセルアレイのアドレスが1カラム及び1ロー増加する毎に、書込みデータを“1”(又は“0”)とするものであり、他のアドレスは“0”(又は“1”)とする。なお、図4のダイアゴナルパターンの“1”(又は“0”)のパターンは、ローアドレスが複数のI/O単位で連続的に増加しているが、“1”(又は“0”)のパターンが1つのI/O単位の最初のローアドレスから最後のローアドレスで完結するようになっていてもよい。また、ビット線及びワード線の本数は適宜設定可能であり、I/O単位の途中のビット線からダイアゴナルパターンが開始されてもよい。
【0052】
イレース及びリード時の動作は、図3の関連技術と同様であり、説明を省略する。本実施の形態においては、テストモードにおける書き込み時には、例えば、図4に示すダイアゴナルパターン及びその反転パターンを各メモリセルアレイARt,ARbに書込む。
【0053】
制御部CT1は、図4のテストパターンの書込みに際して、イネーブル信号WriteData_t_Enable,WriteData_b_Enableを“1”、反転制御信号WriteData_Reversを“1”にし、端子5に書込み電圧WriteVoltageを印加する。また、制御部CT1は、テストパターンの書込み前に、全メモリセルをイレースして、データを“1”にする。
【0054】
制御部CT1は、ローデコーダRDt,RDb及びカラムセレクタCSt,CSbを制御して、ワード線及びビット線を順次選択して、I/O単位T1〜T6の全てのメモリセルアレイARt,ARbの全てのメモリセルを順次選択させてプログラム又はアンプログラムを行う。制御部CT1は、全メモリセルの選択に際して、カラムファーストを採用してもよく、またローファーストを採用してもよい。
【0055】
制御部CT1は、ローデコーダRDt及びカラムセレクタCStに指示を与えてメモリセルアレイARtのメモリセルアドレスを指定すると共に、メモリセルアレイARtに指定したアドレスに対応するアドレスをローデコーダRDb及びカラムセレクタCSbに指示する。即ち、ローデコーダRDt及びカラムセレクタCStがメモリセルアレイARtのl番目のワード線、m番目のビット線を指定するタイミングでローデコーダRDb及びカラムセレクタCSbがメモリセルアレイARbのl番目のワード線、m番目のビット線を指定するようにアドレスの指定が行われる。即ち、テストモードの書き込み時には、メモリセルアレイARt,ARbは、相互に同一位置のメモリセルが選択される。
【0056】
いま、例えば、図4の塗り潰し部分が“1”のパターンであり、白抜き部分が“0”のパターンであるものとする。ここで、図4の上ブロックBLtの塗り潰し部分のいずれかの位置におけるメモリセル(以下、上ブロック選択セルという)が選択されるものとする。この場合には、下ブロックBLbでは上ブロックBLtの位置に対応するメモリセル、即ち、白抜き部分のメモリセル(以下、下ブロック選択セルという)が選択される。この場合には、制御部CT1は、端子P1に“1”の書込みデータWriteDate_Commonを与える。そうすると、NAND回路NA1からのデータWriteData_BL_tは“1”となり、NAND回路NA2からのデータWriteData_BL_bは“0”となる。これにより、トランジスタM1はオフ、トランジスタM2はオンとなって、端子P5からの書込み電圧WriteVoltageは、カラムセレクタCSbを介して選択されている下ブロックBLbのビット線に印加され、選択されているビット線及びワード線に接続された下ブロック選択セルのFGに電荷を蓄積するプログラムが行われて、当該メモリセルのデータは“0”となる。なお、この下ブロックBLbのメモリセルに対応する上ブロック選択セルは、アンプログラムされて“1”のままとなる。こうして、塗り潰し位置の上ブロック選択セルには“1”、白抜き位置の下ブロック選択セルには“0”が書込まれる。
【0057】
次に、上ブロック選択セルが図4の白塗り部分のいずれかの位置におけるメモリセルであり、この上ブロック選択セルに対応する下ブロック選択セルが図4の塗り潰し位置のメモリセルであるものとする。この場合には、制御部CT1は、端子P1に“0”の書込みデータWriteDate_Commonを与える。そうすると、NAND回路NA1からのデータWriteData_BL_tは“0”となり、NAND回路NA2からのデータWriteData_BL_bは“1”となる。これにより、トランジスタM1はオン、トランジスタM2はオフとなって、端子P5からの書込み電圧WriteVoltageは、カラムセレクタCStを介して選択されている上ブロックBLtのビット線に印加され、選択されているビット線及びワード線に接続された上ブロック選択セルのFGに電荷を蓄積するプログラムが行われて、当該メモリセルのデータは“0”となる。なお、この上ブロックBLtのメモリセルに対応する下ブロック選択セルは、アンプログラムされて“1”のままとなる。こうして、白抜き位置の上ブロック選択セルには“0”、塗り潰し位置の下ブロック選択セルには“1”が書込まれる。
【0058】
こうして、図4のテストパターンの書込みが行われる。上ブロックBLtのメモリセルアレイARtのメモリセルと下ブロックBLbのメモリセルアレイARbのメモリセルとに同時に書き込みを行っていることから、これらの各メモリセルに対して1メモリセルずつ書き込みを行う場合に比べて、テストパターンの書込みに要する時間を略1/2に短縮することができる。また、同時に書込みを行う1対のメモリセルの一方はプログラムし他方はアンプログラムするようになっており、同時に書込む2つのメモリセルに供給する電流は1つのメモリセル分でよく、電流供給に必要な回路規模が増大することを防止することができる。
【0059】
このように本実施の形態においては、上下のブロックの対応するメモリセルの一方をプログラムし他方をアンプログラムする書き込みを同時に行うことを可能にする。これにより、テストパターンの書込みに要する時間を短縮することが可能である。2つのメモリセルの一方をプログラムし他方をアンプログラムするので、これらの2つのメモリセルへの書込みに要する電流は1つのメモリセル分だけでよく、電流供給に必要な回路規模が増大することを抑制することができる。
【0060】
なお、図1の回路は、書込みデータWriteDate_Commonが“0”の場合に、書込み電圧WriteVoltageが上ブロックBLtのビット線に供給されてプログラムが行われるようにした回路を示している。書込みデータWriteDate_CommonをNAND回路NA1に与え、書込みデータWriteDate_Commonの反転信号をNAND回路NA2に与えることにより、書込みデータWriteDate_Commonが“0”の場合に、書込み電圧WriteVoltageが下ブロックBLbのビット線に供給されてプログラムが行われるようにした回路についても容易に実現できることは明らかである。
【0061】
また、本実施の形態は、上下のブロックの対応するメモリセルの一方をプログラムし他方をアンプログラムする書き込みを同時に行うことを可能にするものであり、本実施の形態において書き込めるテストパターンは、図4に限定されるものではないことは明らかである。例えば、上ブロックの全てのメモリセルに“1”、下ブロックの全てのメモリセルに“0”を書込むことも可能であり、上ブロックに書込むパターンに対して反転したパターンを下ブロックに書込むことが可能である。
(第2の実施の形態)
図5は本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。図5において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
第1の実施の形態はビット線に書込み電圧WriteVoltageを印加することで、メモリセルのFGに電荷を注入した。これに対し、本実施の形態は、ビット線に書込み電流I_WriteCurrentを供給することで、メモリセルのFGに電荷を注入するものである。
【0063】
図5の回路は図4の書込み回路WCに代えて書込み回路WC1を採用した点が第1の実施の形態と異なる。書込み回路WC1は、書込み電圧WriteVoltageの供給を省略して、電流源ISを採用した点が書込み回路WCと異なる。電流源ISは、書込み電流I_WriteCurrentを発生する。電流源ISは、トランジスタM1がオンになると、書込み電流I_WriteCurrentをカラムセレクタCStによって選択された上ブロックBLtのビット線に供給し、トランジスタM2がオンになると、書込み電流I_WriteCurrentをカラムセレクタCSbによって選択された上ブロックBLbのビット線に供給する。メモリセルアレイARt,ARbの各メモリセルは、接続されたビット線を介して供給される書込み電流I_WriteCurrentが流れることで、FGに電荷を蓄積するようになっている。
【0064】
このように構成された実施の形態においては、プログラム時には、選択されたビット線に電流源ISからの書込み電流I_WriteCurrentが供給されてプログラムが行われる点が第1の実施の形態と異なる。他の作用は第1の実施の形態と同様である。
【0065】
このように本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、上ブロック及び下ブロックの対応するメモリセルに同時に書き込み(プログラム及びアンプログラム)を行う場合でも、書込みに必要な電流量は1メモリセル分だけでよく、電流源の回路規模が大きくなることを防止することができる。また、テスト時と通常モード時とで書込みに必要な電流量が変化しないので、複数の電流源を設けたり電流源の切換回路等を設ける必要もない。
(第3の実施の形態)
図6は本発明の第3の実施の形態を示す回路図である。図6において図5と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0066】
第2の実施の形態は、ビット線に書込み電流I_WriteCurrentを供給することで、メモリセルのFGに電荷を注入したが、本実施の形態は、ビット線から書込み電流I_WriteCurrentを引き抜くことで、メモリセルのFGに電荷を注入するものである。
【0067】
図6の回路は図5の書込み回路WC1に代えて書込み回路WC2を採用した点が第2の実施の形態と異なる。書込み回路WC2においては、NAND回路NA1,NAND回路NA2にそれぞれ代えてAND回路AN1,AND回路AN2を採用し、PMOSトランジスタM1,M2にそれぞれ代えてNMOSトランジスタM21,M22を採用すると共に、電流源ISに代えて電流源IS1を採用した点が図5の書込み回路WC1と異なる。
【0068】
AND回路AN1には、端子P2からのイネーブル信号WriteData_t_EnableとEXOR回路EX1の出力が与えられ、AND回路AN2には、端子P4からのイネーブル信号WriteData_b_Enableと端子P1からの書込みデータWriteDate_Commonとが与えられる。
【0069】
テストモード時には、AND回路AN1からは書込みデータWriteDate_Commonの反転信号に一致するデータWriteData_BL_tが出力され、AND回路AN2からは書込みデータWriteDate_Commonに一致するデータWriteData_BL_bが出力される。
【0070】
AND回路AN1からのデータWriteData_BL_tは、NMOSトランジスタM21のゲートに供給され、AND回路AN2からのデータWriteData_BL_bは、NMOSトランジスタM22のゲートに供給される。トランジスタMM21,22のソースは、共通接続されて電流源IS1を介して基準電位点に接続される。トランジスタM21のドレインはカラムセレクタCStを構成するトランジスタM3〜M6のソースに共通接続され、トランジスタM22のドレインはカラムセレクタCSbを構成するトランジスタM7〜M10のソースに共通接続される。
【0071】
テストモード時において、書込みデータWriteDate_Commonが“1”の場合には、AND回路AN1からのデータWriteData_BL_tは“0”、AND回路AN2からのデータWriteData_BL_bは“1”となり、トランジスタM1はオフ、トランジスタM2はオンとなって、電流源IS1によって下ブロックBLbの選択されたビット線から書込み電流I_WriteCurrentが基準電位点に流れ、メモリセルアレイARbのメモリセルがプログラムされて“0”となり、上ブロックBLtのメモリセルアレイARtの対応するメモリセルはアンプログラムされて“1”のままとなる。
【0072】
逆に、テストモード時において、書込みデータWriteDate_Commonが“0”の場合には、AND回路AN1からのデータWriteData_BL_tは“1”、AND回路AN2からのデータWriteData_BL_bは“0”となり、トランジスタM1はオン、トランジスタM2はオフとなって、電流源IS1によって上ブロックBLtの選択されたビット線から書込み電流I_WriteCurrentが基準電位点に流れ、メモリセルアレイARtのメモリセルはプログラムされて“0”となり、下ブロックBLbのメモリセルアレイARbの対応するメモリセルはアンプログラムされて“1”のままとなる。
【0073】
このように構成された実施の形態においては、プログラム時には、選択されたビット線から電流源IS1によって基準電位点に書込み電流I_WriteCurrentが流れてプログラムが行われる点が第2の実施の形態と異なる。他の作用は第2の実施の形態と同様である。
【0074】
このように本実施の形態においても、第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0075】
なお、上記各実施の形態においては、書込みデータWriteDate_Commonを反転させるためにEXOR回路を用いたが、EXNOR回路を採用して、反転制御信号WriteData_Reversを反転させてEXNOR回路に供給するようになっていてもよい。また、反転制御信号WriteData_Reversを、リード時に端子P6に供給する選択信号BLSel_MSBと共用してよい。
【0076】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0077】
ARb,ARt…メモリセルアレイ、BLb…下ブロック、BLt…上ブロック、CSb,CSt…カラムセレクタ、CT1…制御部、EX1…EXOR回路、M1〜M10…トランジスタ、NA1,NA2…NAND回路、RC…読出し回路、RDb,RDt…ローデコーダ、SA1…センスアンプ、T1〜Tn…I/O単位、WC…書込み回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6