【課題を解決するための手段】
【0007】
これには、独立請求項の特徴によって特徴付けられた装置または方法が寄与する。別の有利な構成は、従属請求項に記載されている。付言すると、従属請求項に個々に記載の特徴は、任意の技術的に有意義な形式で互いに組み合わされてもよく、本発明の別の構成を規定する。さらに、特許請求の範囲に記載の特徴を明細書において詳しく特定するとともに、説明し、そこでは本発明のさらなる好ましい構成を示す。
【0008】
排ガス後処理用のハニカム体は、ケーシングと、多数の(貫流可能な)通路を有するハニカム構造とを備え、ハニカム構造は、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの特に金属の層と、少なくとも1つの特に金属の平滑層とを有して形成されている。ハニカム構造の1つの(または少なくとも1つの特定)横断面は、複数の半径方向のゾーンを有し、少なくとも1つの平滑層は、ハニカム構造の少なくとも1つの軸方向の区間において、内側の半径方向のゾーンにおける第1のセル密度が、外側の半径方向のゾーンにおける第2のセル密度と比較して高くなるように構成され、かつポジショニングされている。このことは、換言すれば、ハニカム構造の少なくとも1つの軸方向の区間におけるハニカム構造の横断面が、複数の(特徴の異なる)半径方向のゾーンを有し、(少なくとも1つの軸方向の区間において)内側の半径方向のゾーンに、外側の半径方向のゾーンにおける第2のセル密度よりも高い第1のセル密度が提供されるように、少なくとも1つの平滑層が構成され、かつポジショニングされていることを特に意味している。
【0009】
提案するハニカム体は、特に自動車の内燃機関の排ガスを後処理するために用いられる。提案するハニカム体は、特に半径方向で変化する/異なっているまたは可変の/変わり得る流動抵抗を有している。提案するハニカム体と、以下でさらに提案する方法とは、特に、ハニカム体の流動抵抗が、外側の半径方向のゾーンにおいて比較的低いセル密度に基づいて(適切に)減じられているため、特に排ガス装置内でのハニカム体の不利な組み込み状況でも、ハニカム体の一様なまたはより一様な貫流を有利な形式で実現する。セル密度の異なる複数の半径方向のゾーンを有したハニカム構造の構成にもかかわらず、ハニカム体は、特に、異なるセル密度が(専ら)平滑層の構成およびポジショニングにより調整可能であるため、有利な形式で比較的簡単かつ低コストに製造可能である。加えて、少なくとも部分的に構造化された1つの層の隣接する領域同士および/または隣接する少なくとも部分的に構造化された複数の層同士が嵌り合うことは、平滑層によって防止し得るので、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの層を保持する付加的な支持構造は、必ずしも必要でない。さらに、ハニカム体を製造する既存の工具が使用可能である。それというのも、そこでは、特にこの種の層セットを曲成する巻回工程を技術的に簡単に適合させることができるからである。
【0010】
ハニカム体は、基本的には、様々な形状、特に円形、オーバル、多角形またはこれに類する形の横断面を有していてもよい。しばしば、このようなハニカム体は、管類似のケーシングを備えて形成される。その際、排ガスは、運転中、通例、ハニカム体の第1の端面を介して流入し、ハニカム体の第2の端面を介して再流出する。好ましくは互いに略平行に配置される端面は、通例、ハニカム体の中心軸線方向でのハニカム体の(軸方向の)長さを規定する。この中心軸線は、両端面を通り、特に少なくとも一方の端面、好ましくは両方の端面に対して垂直にかつ中央に配置されている。
【0011】
ハニカム体は、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの(金属の)層を備えている。その際、1つの(単一の)層が、平滑な区間と、構造化された区間とを、またはそれぞれ異なる構造化が施された複数の区間を有していてもよい。その際、少なくとも部分的に構造化された(金属の)層の構造は、好ましくは、長さ全体にわたって、つまり第1の端面と第2の端面との間に形成されている。少なくとも部分的に構造化された(金属の)層の構造は、特に第1の端面から第2の端面へと延在する凸部および凹部により形成されている。凸部および凹部は、例えば層内に押し込み加工されている。凸部および凹部は、横断面で見て正弦波、ジグザグ形またはこれに類する形態を形成してもよい。好ましくは、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの層と、少なくとも1つの平滑層とは、ハニカム体の(軸方向の)長さ全体にわたって延在している。通路またはその横断面は、(専ら)構造化された層と平滑な層との領域によって画定されていることができる。
【0012】
ハニカム構造の1つの横断面は、それぞれ異なるセル密度を有する複数の半径方向のゾーンを有している。ハニカム構造の、特に中心軸線に沿ってかつ/または軸方向で互いに間隔を置いた複数の横断面が、それぞれ異なるセル密度を有する複数の半径方向のゾーンを有していることもある。ハニカム構造のこの横断面またはここで見たようなこれらの横断面は、それぞれ、特にハニカム体の中心軸線に対して直交するように方向付けられた横断面の平面内に位置している。「軸方向」および「半径方向」なる概念は、ここでは、特に断りのない限り、ハニカム体の中心軸線に関する。
【0013】
少なくとも1つの平滑層は、ハニカム構造の少なくとも1つの軸方向の区間において、内側の半径方向のゾーンにおける第1のセル密度が、外側の半径方向のゾーンにおける第2のセル密度と比較して高くなるように構成され、かつポジショニングされている。好ましくは、特に中心軸線に沿ってかつ/または軸方向で互いに間隔を置いた複数の軸方向の区間に、セル密度の異なる複数の半径方向のゾーンがハニカム構造内に設けられている。さらに好ましくは、少なくとも1つの軸方向の区間が、ハニカム体の少なくとも第1の端面または第2の端面に対して間隔を置いている。好ましくは、半径方向のゾーンは、ハニカム構造の軸方向の長さ(全体)に沿って延在している。
【0014】
好ましくは、第1のセル密度に対する第2のセル密度の比は、0.1ないし0.7の範囲、特に好ましくは、0.25ないし0.6の範囲内にある。好ましくは、第1のセル密度は、300ないし1000cpsi(平方インチあたりのセル数)の範囲、特に400ないし800cpsiの範囲内にある。さらに好ましくは、第2のセル密度は、100ないし600cpsiの範囲、特に100ないし400cpsiの範囲内にある。
【0015】
好ましくは、複数の外側の半径方向のゾーン、特にそれぞれ異なるセル密度を有する複数の外側の半径方向のゾーンが設けられており、これらの外側の半径方向のゾーンにおけるセル密度は、それぞれ、内側の半径方向のゾーンにおけるセル密度よりも小さい。単数または複数の外側の半径方向のゾーンは、特に、内側の半径方向のゾーンを少なくとも部分的に、好ましくは完全に包囲するように配置されている。好ましくは、内側の半径方向のゾーンは、ハニカム体の中心軸線の領域にまたはハニカム体の中心軸線の周りに配置されている。さらに好ましくは、外側の半径方向のゾーンは、ケーシングの領域にまたはケーシングに接するように配置されている。
【0016】
内側の半径方向のゾーンは、様々な形状、特に円形、オーバル、多角形またはこれに類する形の横断面を有していてもよい。好ましくは、内側の半径方向のゾーンは、少なくとも50cm
2(平方センチメートル)の大きさを有している。好ましくは、内側の半径方向のゾーンは、70ないし85cm
2の範囲内の大きさを有している。外側の半径方向のゾーンは、少なくとも70cm
2の大きさを有していることができる。好ましくは、外側の半径方向のゾーンは、90ないし120cm
2の範囲内の大きさを有している。さらに好ましくは、内側の半径方向のゾーンおよび外側の半径方向のゾーンの(総)横断面積に対する、内側の半径方向のゾーンの(内側)横断面積の比は、0.3ないし0.6の範囲、特に0.4ないし0.5の範囲内にある。好ましくは、少なくとも内側の半径方向のゾーンまたは外側の半径方向のゾーンは、ハニカム体の中心軸線に対して同軸に配置されている。換言すれば、内側の半径方向のゾーンは、好ましくは、ハニカム構造の横断面に関して中央に配置されている。
【0017】
好ましくは、少なくとも内側の半径方向のゾーンまたは外側の半径方向のゾーンは、少なくとも排ガス装置内でのハニカム体の組み込み状況に応じて、またはハニカム体に吹き付ける排ガス流動の吹き付けプロファイルに応じて配置されている。この場合、内側の半径方向のゾーンは、ハニカム体の中心軸線に対して偏心してポジショニングされていてもよい。例えばハニカム体が(直接的に)排ガス装置内の偏向部の下流および/または排ガス管路の湾曲部の下流に配置されているように、排ガス装置または排ガス管路内でのハニカム体の組み込み状況がなっている場合、ハニカム体に吹き付ける排ガス流動の流動プロファイルは、ハニカム体の中心軸線に対して偏心して配置される流動プロファイル最大値を有していることがある。流動(吹き付け)プロファイルは、流動(吹き付け)横断面にわたる流動速度の分布を示している。流動(吹き付け)プロファイル最大値は、特に最大の吹き付け速度の領域にある。好ましくは、内側の半径方向のゾーンは、ハニカム体の吹き付けに関して中央に、特にハニカム体に吹き付ける排ガス流動の流動(吹き付け)プロファイル最大値に関して中央に配置されている。特に好ましくは、内側の半径方向のゾーンは、内側の半径方向のゾーンの中央の領域が、ハニカム体に吹き付ける排ガス流動の流動(吹き付け)プロファイル最大値を覆うまたは流動(吹き付け)プロファイル最大値に重なるように配置されている。
【0018】
提案する有利な一構成によれば、少なくとも1つのまたは各平滑層は、内側の半径方向のゾーンにのみ設けられている。好ましくは、少なくとも1つの平滑層は、ハニカム体の(軸方向の)長さ全体にわたって延在している。
【0019】
提案する別の有利な一構成によれば、少なくとも1つの平滑層の平滑層長さは、外側の半径方向のゾーンにおいて、内側の半径方向のゾーンにおける長さよりも短い。平滑層長さは、ハニカム体の軸方向または長手方向での平滑層の延在寸法を表している。好ましくは、平滑層長さは、半径方向外側に向かって減少する。特に好ましくは、平滑層長さは、(半径方向)外側に向かって連続的に、特にリニアに減少する。さらに好ましくは、平滑層長さは、最大値を内側の半径方向のゾーンの領域に有するとともに、最小値を外側の半径方向のゾーンの領域に有している。好ましくは、平滑層は、菱形の形態で形成されており、特に菱形の互いに反対側に位置する2つの先端は、(半径方向)外側に向かっており、菱形の互いに反対側に位置する2つの別の先端は、ハニカム体の端面に向かっている。特に好ましくは、菱形の、ハニカム体の端面に向かっている先端は、それぞれ、内側の半径方向のゾーンの(半径方向で)中央の領域に位置している。好ましくは、少なくとも1つの平滑層は、ハニカム体の中央の軸方向の領域に相当する領域で(のみ)、完全に内側の半径方向のゾーンと外側の半径方向のゾーンとにわたって延在している。提案する別の有利な一構成によれば、少なくとも1つの平滑層は、外側の半径方向のゾーンに少なくとも1つの切欠きを有し、(同じ)切欠きの切欠き長さは、半径方向外側に向かって増加する。切欠き長さは、ハニカム体の軸方向または長手方向での切欠きの延在寸法を表している。好ましくは、切欠き長さは、(半径方向)外側に向かって連続的に、特にリニアに増加する。好ましくは、平滑層は、双三角形の形態で形成されており、特に双三角形の、互いに反対側に位置する2つの三角形底辺は、ハニカム体の端面に向かっており、双三角形の両三角形の側辺および/または先端は、ハニカム体の長さの中央の領域で集合するまたは結合されている。好ましくは、少なくとも1つの平滑層は、ハニカム体の第1の端面の領域および/またはハニカム体の第2の端面の領域で(のみ)、完全に内側の半径方向のゾーンと、外側の半径方向のゾーンとにわたって延在している。
【0020】
提案する別の有利な一構成によれば、少なくとも1つの平滑層は、外側の半径方向のゾーンに多数の穴を有し、穴の少なくとも穴サイズまたは穴密度は、半径方向外側に向かって増加する。代替的または累積的に、少なくとも1つの平滑層の空隙率が、半径方向外側に向かって増加してもよい。穴は、内側の半径方向のゾーンにも設けられていてよく、これらの穴は、特に外側の半径方向のゾーンにおける穴よりも小さい穴サイズおよび/または穴密度を有している。好ましくは、穴の穴直径は、(半径方向)外側に向かって増加する。さらに好ましくは、隣接する穴間の間隔は、(半径方向)外側に向かって減少する。好ましくは、穴の穴サイズまたは穴直径は、2mmないし20mm(ミリメートル)の範囲、特に5mmないし15mmの範囲内にある。好ましくは、少なくとも1つの平滑層は、ハニカム体の第1の端面および/またはハニカム体の第2の端面の領域で(のみ)、完全に内側の半径方向のゾーンと、外側の半径方向のゾーンとにわたって延在している。さらに好ましくは、少なくとも1つの平滑層は、穴間に配置される少なくとも1つの軸方向の領域で(のみ)、完全に内側の半径方向のゾーンと、外側の半径方向のゾーンとにわたって延在している。
【0021】
提案する有利な一構成によれば、少なくとも1つの平滑層の少なくとも第1のエッジまたは第2のエッジは、最大値を内側の半径方向のゾーンの領域に有するとともに、最小値を外側の半径方向のゾーンの領域に有する(波形)プロファイルを有している。平滑層は、好ましくは、第1のエッジがハニカム体の第1の端面に向かっており、第2のエッジがハニカム体の第2の端面に向かっているように配置されている。第1のエッジおよび/または第2のエッジのプロファイルは、正弦波、ジグザグ形またはこれに類する形態を形成してもよい。第1のエッジおよび/または第2のエッジの(波形)プロファイルは、特に、プロファイルの最大値および最小値がハニカム体の軸方向の一方向または他方向に延在するように形成されている。これにより、平滑層は、プロファイルが付与された第1のエッジおよび/または第2のエッジの領域でも平滑に形成されている。好ましくは、第1のエッジまたは第2のエッジのみが、(波形)プロファイルを有している。
【0022】
提案する有利な一構成によれば、通路は、ハニカム体の第1の(流入)端面からハニカム体の第2の(流出)端面へと延在し、通路は、ハニカム体の中心軸線に対して斜めに延びている。好ましくは、少なくとも部分的に構造化された層の構造または少なくとも部分的に構造化された層の凸部および凹部の、ハニカム体内での配置は、これらが中心軸線に対して斜めに延びるように実施される。これにより特に、中心軸線に対して平行ではなく、斜めに延びる通路が形成される。特に好ましくは、構造は、(半径方向で見て)隣接する領域または隣接する層内に設けられた凸部および凹部が、それぞれ異なって傾けられているかまたは互いに異なる配向を有しているように特徴付けられている。殊に特に好ましいのは、これらの方向付けまたは配向が半径方向で見て常に交互となることである。このことは、特に、凸部および凹部が少なくとも部分的に、かつ好ましくは、ハニカム体のいずれの箇所でも、線形に重なり合わず、互いに交差し、ひいては互いに略点形の載置点のみを形成するに至る。これにより、部分排ガス流が絶えず偏向され、隣接する凸部または凹部内に流入、特にジグザグの形態で流入し得る構造を得ることができる。好ましくは、凸部または凹部と中心軸線と間の角度は、最大20°(角度)である。特にこの角度は、1°ないし10°の範囲、殊に特に好ましくは、2°ないし6°の範囲内にあるようにしてもよい。ハニカム体の中心軸線に対して斜めに延びる通路は、特に、少なくとも1つの平滑層が内側の半径方向のゾーンにのみ設けられている場合に、有利である。この場合、交差する凸部および凹部は、有利な形式で、少なくとも部分的に構造化された単数または複数の層同士が、外側の半径方向のゾーンにおいて嵌り合うことを防止することができる。
【0023】
提案する有利な一構成によれば、ハニカム体は、円錐形に形成されている。好ましくは、少なくともハニカム体のケーシングまたはハニカム構造は、円錐の形態で形成されている。その際、通路は、同じく円錐形に拡張または狭窄することができる。好ましくは、ケーシング壁とハニカム体の中心軸線との間の角度は、0.5°ないし5°(角度)の範囲、特に1°ないし2°の範囲内にある。円錐形のハニカム体またはハニカム体の円錐形のケーシングは、特に、平滑層長さが、最小値を外側の半径方向のゾーンの領域に有している場合に、かつ/または少なくとも1つの平滑層の第1のエッジまたは第2のエッジ(のみ)が、最小値を外側の半径方向のゾーンの領域に有する(波形)プロファイルを有している場合に、有利である。この場合、ハニカム構造内で上述の最小値の(軸方向の)領域において場合によっては発生する予圧減少には、ハニカム体またはケーシングの円錐状の形状が有利な形式で対抗するように作用することができる。
【0024】
好ましくは、少なくとも1つの平滑層は、特にハニカム体の軸方向に対して平行に方向付けられた平滑層の中心線に対して対称に形成されている。好ましくは、少なくとも1つの平滑層は、少なくとも部分的に、ケーシングの特に実質的に互いに反対側に位置する2つの領域へと延在している。さらに好ましくは、少なくとも1つの平滑層の、互いに反対側に位置する2つのエッジは(部分的に)、かつ/または少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの層の、互いに反対側に位置する2つのエッジは、ケーシング内面と接触する。
【0025】
ハニカム構造は、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの(金属の)層と、少なくとも1つの(金属の)平滑層とを有し、これらの層は、巻回され、曲成され(gewunden)かつ/または積層されていることができる。好ましくは、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの(金属の)層と、少なくとも1つの(金属の)平滑層とを有してs字形に曲成されている積層体を有するハニカム構造が製造されている。複数の積層体が使用される場合、積層体は、u字形かつ/またはv字形に曲げられる配置として相並んで配置され、かつ互いに曲成されて、ケーシング内に収められていることができる。両構成は、一般的に、積層体および/または層のすべての端部が外側に向かって方向付けられている(つまり、ケーシングに当接している)一方、曲げ部(s、v、u)が内部にポジショニングされている点で、共通している。積層体内には、それぞれハニカム体の通路を画定する少なくとも部分的に構造化された層と平滑層とが、好ましくは交互に存在する。通路の壁は、平滑(通路の延び方向で平坦かつ/または組み込み部材なし)であるかつ/または突出部、ベーン、穴および/または排ガス用の偏向面を有していることができる。そうして、ディスク形のハニカム体を通過する排ガス流動が、(例えば流動速度、部分流動方向、温度および/またはこれに類するパラメータに関して)均されるかつ/または混ぜ合わされることができる。
【0026】
別の一態様によれば、排ガス後処理用のハニカム体を製造する方法であって、ハニカム体は、少なくともケーシングと、多数の特に貫流可能な通路を有するハニカム構造とを有し、ハニカム構造の横断面は、(異なる)複数の半径方向のゾーンを有する、方法において、
a)少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの層を用意し、
b)少なくとも1つの平滑層を用意し、
c)ハニカム構造を形成するようにこれらの層を配置し、かつ曲成し、
d)ハニカム構造をケーシング内に嵌め込み、
e)ハニカム構造をケーシングに結合する、
ステップを少なくとも備え、ハニカム構造の少なくとも1つの軸方向の区間において、内側の半径方向のゾーンにおける第1のセル密度が、外側の半径方向のゾーンにおける第2のセル密度と比較して高くなるように、少なくとも1つの平滑層を構成し、かつポジショニングする、排ガス後処理用のハニカム体を製造する方法を提案する。
【0027】
好ましくは、当該方法を、ここで紹介するハニカム体を製造するために使用する。方法ステップの示した順序は、当該方法の正規の進行時に生じる。個々のまたはすべての方法ステップは、同時に、相前後してかつ/または少なくとも部分的に並行して実施されてもよい。
【0028】
好ましくは、特に平滑層をステップc)において、少なくとも部分的に構造化された少なくとも1つの層に関して(規定通りに)配置するまたは方向付けると、この平滑層によって、内側の半径方向のゾーンに、外側の半径方向のゾーンにおける第2のセル密度よりも高い第1のセル密度が提供されるように、少なくとも1つの平滑層をステップb)において、成形された状態で用意するか、または成形かつ/または加工する。好ましくは、ステップe)における結合は、熱を用いた接合法、特に溶接法または(硬)ろう付け法により実施される。
【0029】
ハニカム体との関連で述べた詳細、特徴および有利な構成は、ここで紹介する方法でも相応に成立することがあり、逆もまたしかりである。その点では、そこで述べた説明が、特徴をより詳しく特定するために全面的に援用される。
【0030】
別の一態様によれば、特にここで紹介する排ガス後処理用のハニカム体を、好ましくは自動車の内燃機関の排ガスの後処理のために使用することを提案する。ハニカム体および/または方法との関連で前述した詳細、特徴および有利な構成は、ここで紹介する使用でも相応に成立することがあり、逆もまたしかりである。その点では、そこで述べた説明が、特徴をより詳しく特定するために全面的に援用される。
【0031】
別の一態様によれば、特に自動車であって、排ガス装置を有する内燃機関を備え、排ガス装置は、ここで説明するハニカム体を有して構成された少なくとも1つの触媒担体または粒子状物質分離装置を有している、自動車を提案する。その際、触媒担体および/または粒子状物質分離装置は、場合によってはハニカム体の軸方向の部分区間で異なって構成されていてもよい触媒活性を有するコーティングを有していてもよい。
【0032】
本発明および技術的環境について、以下に図面を参照しながら詳しく説明する。付言すると、本発明は、図示の実施例により限定されるものではない。特に、図面に示した事項の部分態様を抜き出し、他の図面および/または本明細書に記載の別の構成部分および/または知見と組み合わせることも、特に断りのない限り可能である。