【実施例】
【0138】
以下に本発明を、参考例、実施例及び試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下の参考例及び実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。
【0139】
本明細書において、以下の略語を使用することがある。
Hex:ヘキサン
IPA:イソプロピルアルコール
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
MeCN:アセトニトリル
Me:メチル
Et:エチル
Pr:プロピル
Ph:フェニル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
【0140】
化合物同定に用いたNMRデータは、JEOL JNM−ALシリーズAL400により取得した。
NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重線の二重線、tは三重線、tdは三重線の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brmは幅広い多重線及びJは結合定数を意味する。
【0141】
化合物同定に用いたLC/MS分析条件は以下の通りである。観察された質量分析の値[MS(m/z)]を[M+H]
+あるいは[M+2H]
2+で、保持時間をRt(分)で示す。
【0142】
LC/MS 測定法(条件1):
検出機器:ACQUITY(登録商標)SQ detector(Waters社)
HPLC:ACQUITY UPLC(登録商標)system
Column:Waters ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18(1.7μm,2.1mm×30mm)
Solvent:A液:0.06%ギ酸/H
2O,B液:0.06%ギ酸/MeCN
Gradient condition:0.0−1.3min Linear gradient from B 2% to 96%
Flow rate:0.8mL/min
UV:220nm and 254nm
【0143】
LC/MS 測定法(条件2):
LCMS−2020 system(島津製作所)
Column:Kinetex(登録商標)1.7μmミニボアカラム, C18(30mm×2.1mm)
Solvent:A液:0.05%TFA/H
2O,B液:MeCN
Gradient condition:0.0−1.7min Linear gradient from B 10% to 99%, 1.9min 99%
Flow rate:0.50mL/min
UV:220nm and 254nm
【0144】
本発明の化合物及びその合成中間体の光学活性体の分析は、以下の条件で行った。
【0145】
光学分割用のHPLC評価システム:
ポンプ:LC−20AD(島津製作所)
検出器:SPD−20A(島津製作所)
ポンプ:SIL−20A(島津製作所)
条件A
カラム:CHIRALPAK IE
サイズ:0.46cmI.D.x 25cmL
移動相:n−Hex/EtOH/i−PrNH
2=90/10/0.1<v/v>
流速:1.0mL/min
温度:40℃
波長:287nm
【0146】
条件B
カラム:CHIRALPAK IE
サイズ:0.46cmI.D.x 25cmL
移動相:n−Hex/IPA/i−PrNH
2=80/20/0.1<v/v>
流速:1.0mL/min
温度:40℃
波長:285nm
【0147】
条件C
カラム:CHIRALPAK IE
サイズ:0.46cmI.D.x 25cmL
移動相:MeOH/i−PrNH
2=100/0.1<v/v>
流速:1.0mL/min
温度:40℃
波長:280nm
【0148】
条件D
カラム:CHIRALPAK AD−H
サイズ:0.46cmI.D.x 25cmL
移動相:n−Hex/IPA/EtOH/i−PrNH
2=85/5/10/0.1<v/v>
流速:1.0mL/min
温度:40℃
波長:280nm
条件E
カラム:CHIRALPAK AD−H
サイズ:0.46cmI.D.x 25cmL
移動相:MeOH/Et
2NH=100/0.1<v/v>
流速:1.0mL/min
温度:40℃
波長:280nm
【0149】
参考例1
tert−ブチル 4−(ヒドロキシメチル)−4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化23】
【0150】
a)1−tert−ブチル 4−メチル 4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレートの製造
1−tert−ブチル 4−メチル ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(69.0g)のテトラヒドロフラン溶液(700mL)に−78℃にて、1mol/Lのナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(326mL)を滴下し、同温にて1時間撹拌した。−20℃に昇温し、1時間撹拌した後、−78℃にて、1−ブロモ−3−メチル−2−ブテン(42.6mL)を滴下した。−20℃に昇温し、3時間撹拌した後、終夜、室温まで昇温しつつ攪拌した。反応終了後、塩化アンモニウム水溶液を加えた後、水と酢酸エチルとを加え、酢酸エチルと水とで分液抽出し、得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、表題化合物(69.0g)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3) : 5.01 (1H, t, J = 7.5 Hz), 3.87-3.72 (2H, m), 3.68 (3H, s), 2.86 (2H, dd, J = 2.7, 11.4 Hz), 2.21 (2H, d, J = 7.3 Hz), 2.06 (2H, d, J = 14.2 Hz), 1.69 (3H, s), 1.58 (3H, s), 1.44 (9H, s), 1.43-1.34 (2H, m).
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 312.3/Rt(分) 1.24
【0151】
b)tert−ブチル 4−(ヒドロキシメチル)−4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例1)の製造
水素化アルミニウムリチウム(9.25g)のテトラヒドロフラン溶液(700mL)に−78℃にて、工程a)で得られた1−tert−ブチル 4−メチル 4−(3−メチルブタ−2−エン−1−イル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(69.0g)のテトラヒドロフラン溶液(300mL)を滴下した。同温にて、1時間攪拌後、−20℃にて窒素雰囲気下、5時間攪拌した。反応終了後、0℃にて飽和芒硝水溶液を加えた。室温にて、1時間攪拌した後、反応液に硫酸マグネシウムを加え乾燥した。反応液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することにより参考例1の化合物(58.0g)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3) : 5.17 (1H, t, J = 7.8 Hz), 3.48-3.41 (2H, m), 3.46 (2H, s), 3.38-3.31 (2H, m), 2.09 (2H, d, J = 7.8 Hz), 1.73 (3H, s), 1.65 (3H, s), 1.51-1.37 (4H, m), 1.46 (9H, s).
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 284.3/Rt(分) 1.08
【0152】
参考例2
(4’aR,10’bR)−9’−クロロ−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾフラン]と(4’aS,10’bS)−9’−クロロ−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾフラン]とのラセミ体
【化24】
参考例1(69.0g)のジクロロメタン(1000mL)溶液に、0℃にて、5−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(48.0g)、オルトギ酸トリメチル(100mL)、p−トルエンスルホン酸・水和物(1.90g)を順に加え、0℃にて窒素雰囲気下、5時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残査に、0℃にて、4mol/Lの塩酸/酢酸エチル溶液(300mL)を加え、0℃にて、1時間攪拌した。溶媒を減圧留去して得られた残査をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)で精製することによりラセミ体の参考例2の化合物(61.5g)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3) : 7.38 (1H, s), 7.11 (1H, d, J = 8.6 Hz), 6.70 (1H, d, J = 8.6 Hz), 4.12 (1H, d, J = 11.4 Hz), 4.08 (1H, d, J = 10.9 Hz), 3.31 (1H, d, J = 10.9 Hz), 2.90-2.86 (3H, m), 2.81-2.77 (1H, m), 1.91-1.80 (3H, m), 1.57-1.53 (1H, m), 1.39-1.37 (2H, m), 1.38 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.11-1.05 (1H, m).
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 322.2/Rt(分) 0.77
【0153】
得られた参考例2の化合物について、光学分割を行うことにより、参考例2の化合物の光学活性体である、参考例3の化合物と参考例4の化合物をそれぞれ得た。
参考例3:
条件A;Rt(分)=10.35
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 322.2/Rt(分) 0.77
参考例4:
条件A;Rt(分)=12.07
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 322.2/Rt(分) 0.77
【0154】
参考例5〜15
対応する原料化合物を用いて参考例2に記載の方法と同様の方法により、下記表に示す参考例5〜15の化合物を得た。
【化25】
【表1】
【0155】
上表の参考例5、6、7、10、11及び14の化合物のNMRデータを以下に記載する。
参考例5
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.28 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.27 (1H, d, J = 6.7 Hz), 6.84 (1H, dd, J = 7.3, 7.9 Hz), 4.17 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.94 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.34-3.27 (1H, m), 2.69-2.58 (4H, m), 1.82-1.74 (2H, m), 1.55-1.51 (1H, m), 1.41-1.37 (1H, m), 1.37 (3H, s), 1.24-1.22 (2H, m), 1.15 (3H, s), 1.10-1.06 (1H, m).
【0156】
参考例6
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.42 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.31 (1H, d, J = 8.0 Hz), 6.79 (1H, dd, J = 7.6, 7.9 Hz), 4.18 (1H, d, J = 11.2 Hz), 3.94 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.29 (2H, d, J = 11.2 Hz), 2.65-2.60 (4H, m), 1.81-1.76 (2H, m), 1.54-1.51 (1H, m), 1.43-1.38 (1H, m), 1.37 (3H, s), 1.24-1.21 (2H, m), 1.15 (3H, s), 1.15-1.10 (1H, m).
【0157】
参考例7
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.33 (1H, d, J = 9.2 Hz), 6.88 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.80 (1H, s), 4.14-4.07 (2H, m), 3.32 (1H, d, J = 11.6 Hz), 2.90-2.80 (4H, m), 1.93-1.82 (2H, m), 1.58-1.51 (1H, m), 1.38-1.34 (1H, m), 1.36 (3H, s), 1.27-1.19 (2H, m), 1.24 (3H, s), 1.12-1.06 (1H, m).
【0158】
参考例10
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.23 (1H, d, J = 8.8 Hz), 7.01 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.91 (1H, s), 4.09 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.94 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.28 (1H, d, J = 11.6 Hz), 2.64-2.57 (4H, m), 1.80-1.69 (2H, m), 1.54-1.50 (1H, m), 1.40-1.35 (1H, m), 1.32 (3H, s), 1.22-1.21 (2H, m), 1.13 (3H, s), 1.11-1.04 (1H, m).
【0159】
参考例11
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.03-6.94 (2H, m), 6.74-6.70 (1H, m), 4.12 (1H, d, J = 11.2 Hz), 3.95 (1H, d, J = 12.8 Hz), 3.27 (1H, d, J = 11.6 Hz), 2.64-2.57 (4H, m), 1.80-1.69 (2H, m), 1.54-1.51 (1H, m), 1.41-1.37 (1H, m), 1.31 (3H, s), 1.22-1.21 (2H, m), 1.13 (3H, s), 1.07-1.04 (1H, m).
【0160】
参考例14
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.37 (1H, d, J = 2.4 Hz), 7.27 (1H, d, J = 9.2 Hz), 6.69 (1H, d, J = 9.2 Hz), 4.14 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.95 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.28 (1H, d, J = 11.2 Hz), 2.64-2.57 (4H, m), 1.80-1.68 (2H, m), 1.54-1.50 (1H, m), 1.40-1.35 (1H, m), 1.32 (3H, s), 1.22-1.21 (2H, m), 1.12 (3H, s), 1.11-1.04 (1H, m).
【0161】
参考例16
1−[(4’aS,10’bS)−9’−クロロ−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−イル]−2−クロロエタン−1−オンと1−[(4’aR,10’bR)−9’−クロロ−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−イル]−2−クロロエタン−1−オンとのラセミ体
【化26】
参考例2の化合物(2.00g)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に、0℃にて、炭酸カリウム(4.30g)、クロロアセチルクロリド(0.7mL)を順に加え、0℃にて窒素雰囲気下、2時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより参考例16の化合物(2.05g)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3) : 7.37 (1H, s), 7.11 (1H, d, J = 8.7 Hz), 6.70 (1H, d, J = 8.7 Hz), 4.12-4.05 (4H, m), 3.85-3.76 (1H, m), 3.60-3.36 (4H, m), 1.90-1.84 (2H, m), 1.79-1.74 (1H, m), 1.66-1.57 (1H, m), 1.49-1.40 (2H, m), 1.36 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.15-1.10 (1H, m).
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 398.2/Rt(分) 1.17
【0162】
参考例17
tert−ブチル 4−(ヒドロキシメチル)−4−(プロピ−2−イン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化27】
【0163】
a)1−tert−ブチル 4−メチル 4−(プロピ−2−イン−1−イル)ピペリジン−1,4−ジカルボキシレートの製造
1−tert−ブチル 4−メチル ピペリジン−1,4−ジカルボキシレート(1.00g)のTHF(24.0mL)溶液を−78℃に冷却した後に、1.0mol/LのナトリウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(8.22mL)を加えた。−78℃で30分間撹拌した後に、−18℃にて45分間撹拌した。−78℃に冷却した後に、プロパルギルブロミド(0.62mL)を滴下した。反応溶液を−78℃から徐々に−20℃まで昇温させた後に、反応溶液を飽和塩化アンモニウム水溶液に加えた。酢酸エチルにて2回抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥した後、これを濾去し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(クロロホルム/メタノール)により精製することで表題化合物(982mg)を得た。
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 282.3/Rt(分) 1.02
【0164】
b)tert−ブチル 4−(ヒドロキシメチル)−4−(プロピ−2−イン−1−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(参考例17)の製造
工程a)で得られた化合物(928mg)のメタノール(8.2mL)とTHF(8.2mL)の混合溶液を55℃に加熱し、水素化ホウ素ナトリウム(449mg)を加え、1時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(449mg)をさらに加え、3時間撹拌した後に、反応溶液を水で希釈した。酢酸エチルで3回抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、これを濾去し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、参考例17の化合物(515mg)を得た。
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 254.3/Rt(分) 0.84
【0165】
参考例18
tert−ブチル 4−(ヒドロキシメチル)−4−[(2E)−3−(フェニルスルファニル)プロピ−2−エン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートとtert−ブチル 4−(ヒドロキシメチル)−4−[(2Z)−3−(フェニルスルファニル)プロピ−2−エン−1−イル]ピペリジン−1−カルボキシレートとの混合物
【化28】
参考例17の化合物(515mg)、アゾビスイソブチロニトリル(100mg)、ベンゼンチオール(207μL)のトルエン(10mL)溶液を窒素雰囲気下、80℃にて1時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、参考例18の化合物(498mg)を得た。
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 364.3/Rt(分) 1.17
【0166】
参考例19
tert−ブチル (4’aS,10’bS)−8’−クロロ−5’−(フェニルスルファニル)−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−カルボキシレートとtert−ブチル (4’aR,10’bR)−8’−クロロ−5’−(フェニルスルファニル)−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−カルボキシレートとのラセミ体
【化29】
参考例18の化合物(479mg)、オルトギ酸トリメチル(288μL)、トシル酸水和物(12.5mg)のジクロロメタン(6.6mL)溶液を0℃で撹拌した後に、4−クロロ−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(411mg)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応溶液を濃縮し、残渣をアミノカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)により精製し、参考例19の化合物(691mg)を得た。
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 446.3/Rt(分) 1.45
【0167】
参考例20
tert−ブチル (4’aS,10’bR)−8’−クロロ−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−カルボキシレートとtert−ブチル (4’aR,10’bS)−8’−クロロ−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−カルボキシレートとのラセミ体
【化30】
参考例19の化合物(309mg)、アゾビスイソブチルニトリル(10mg)、水素化トリブチルスズ(489μL)のトルエン(6.2mL)溶液を窒素雰囲気下、100℃にて1時間撹拌した。反応溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、参考例20の化合物(167mg)を得た。
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 338.3/Rt(分) 1.35
【0168】
参考例21
(4’aR,10’bS)−8’−クロロ−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]と(4’aS,10’bR)−8’−クロロ−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]とのラセミ体
【化31】
参考例20の化合物(167mg)の4mol/Lの塩酸/ジオキサン溶液(1.7mL)を70℃にて30分間撹拌した。反応溶液を濃縮し、残渣をアミノカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、参考例21の化合物(105mg)を得た。
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 294.3/Rt(分) 0.70
【0169】
実施例1
1−[(4’aS,10’bS)−9’−クロロ−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−イル]−2−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)エタン−1−オンと1−[(4’aR,10’bR)−9’−クロロ−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]−1−イル]−2−(2−メチル−1H−イミダゾール−1−イル)エタン−1−オンとのラセミ体
【化32】
参考例16の化合物(2.0g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、炭酸カリウム(4.0g)、2−メチル−1H−イミダゾール(1.53g)を加え、60℃にて、2時間攪拌した。反応液をセライトろ過し、溶媒を減圧留去して得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製することにより実施例1の化合物(2.05g)を得た。
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3) : 7.36 (1H, s), 7.10 (1H, d, J = 8.8 Hz), 6.97-6.90 (1H, m), 6.83-6.75 (1H, m), 6.70 (1H, d, J = 8.7 Hz), 4.65 (2H, s), 4.11-4.06 (2H, m), 3.85-3.76 (1H, m), 3.47-3.36 (4H, m), 2.34 (3H, s), 1.90-1.70 (4H, m), 1.60-1.50 (1H, m), 1.43-1.37 (2H, m), 1.35 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.15-1.10 (1H, m).
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 443.9/Rt(分) 0.79
【0170】
実施例2〜17
対応する原料化合物を用いて参考例16及び実施例1に記載の方法と同様の方法により、下記表に示す実施例2〜17の化合物を得た。
【化33】
【表2】
【0171】
上表の実施例2及び7の化合物のNMRデータを以下に記載する。
実施例2
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.08-6.95 (2H, m), 6.90-6.86 (1H, m), 6.79-6.69 (1H, m), 6.66 (1H, m), 4.89 (2H, m), 4.18 (1H, d, J = 10.8 Hz), 4.00 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.50-3.30 (5H, m), 2.12 (3H, s), 1.86-1.83 (1H, m), 1.74-1.66 (2H, m), 1.64-1.50 (1H, m), 1.40-1.33 (2H, m), 1.35-1.30 (1H, m), 1.33 (3H, s), 1.17-1.13 (1H, m), 1.13 (3H, s).
【0172】
実施例7
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.39 (1H, s), 7.30 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.88 (1H, s), 6.72-6.66 (2H, m), 4.90-4.88 (2H, m), 4.19 (1H, d, J = 10.8 Hz), 4.01 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.50-3.36 (5H, m), 2.12 (3H, s), 1.86-1.83 (1H, m), 1.76-1.66 (2H, m), 1.64-1.53 (1H, m), 1.40-1.33 (2H, m), 1.36-1.31 (1H, m), 1.34 (3H, s), 1.18-1.13 (1H, m), 1.14 (3H, s).
【0173】
実施例18
(4’aR,10’bR)−8’−クロロ−5’,5’−ジメチル−1−[(4−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]と(4’aS,10’bS)−8’−クロロ−5’,5’−ジメチル−1−[(4−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]とのラセミ体
【化34】
参考例7の化合物(200mg)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に、0℃にて、4−メチル−1H−イミダゾール−5−カルボアルデヒド(137mg)、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(397mg)を順に加え、0℃にて窒素雰囲気下、2時間攪拌した。反応混合物に、水、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、実施例18の化合物(49mg)を得た。
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6) : 11.61 (1H, d, J = 17.7 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.28 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.87 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.77 (1H, s), 4.11 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.87 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.34-3.26 (3H, m), 2.49 (3H, s), 2.31-2.22 (4H, m), 2.11-2.03 (1H, m), 1.71-1.67 (2H, m), 1.60-1.56 (1H, m), 1.49-1.44 (1H, m), 1.31 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.13-1.08 (2H, m).
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 416.7/Rt(分) 0.59
【0174】
実施例19〜37
対応する原料化合物を用いて実施例18に記載の方法と同様の方法により、下記表に示す実施例19〜37の化合物を得た。
【化35】
【表3】
【0175】
上表の実施例20及び33の化合物のNMRデータを以下に記載する。
実施例20
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6) : 11.61 (1H, d, J = 17.7 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.28 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.87 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.77 (1H, s), 4.11 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.87 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.34-3.26 (3H, m), 2.49 (3H, s), 2.31-2.22 (4H, m), 2.11-2.03 (1H, m), 1.71-1.67 (2H, m), 1.60-1.56 (1H, m), 1.49-1.44 (1H, m), 1.31 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.13-1.08 (2H, m).
【0176】
実施例33
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 7.50 (1H, s), 7.29 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.89 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.77 (1H, s), 6.71 (1H, s), 4.12 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.88 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.58 (3H, m), 3.44-3.30 (2H, m), 2.39-2.20 (4H, m), 1.74-1.70 (2H, m), 1.60-1.51 (2H, m), 1.50-1.30 (2H, m), 1.32 (3H, s), 1.14 (3H, s), 1.13-1.10 (1H, m).
【0177】
実施例38
(4’aR,10’bR)−8’−クロロ−1−[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル]−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]と(4’aS,10’bS)−8’−クロロ−1−[2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチル]−5’,5’−ジメチル−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]とのラセミ体
【化36】
参考例7の化合物(200mg)のアセトニトリル(10.0mL)溶液に、0℃にて、2−ブロモエタノール(137mg)、トリエチルアミン(0.70mL)を加え、70℃にて窒素雰囲気下、1時間攪拌した。0℃に冷却後、反応溶液を濃縮し、ジクロロメタン(10.0mL)、トリエチルアミン(0.57mL)、メタンスルホニルクロリド(0.09mL)を加え、30分間撹拌した。次に、室温でイミダゾール(0.50g)を加え、50℃に昇温て窒素雰囲気下、1時間攪拌した。反応混合物に、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順に洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、実施例38の化合物(49mg)を得た。
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6) : 7.59 (1H, s), 7.29 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.15 (1H, s), 6.88 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.83 (1H, s), 6.78 (1H, s), 4.12 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.04-4.01 (2H, m), 3.90 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.32-3.26 (3H, m), 2.59 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.52-2.46 (4H, m), 2.43-2.25 (4H, m), 1.73 (2H, d, J = 7.9 Hz), 1.60-1.56 (1H, m), 1.49-1.44 (1H, m), 1.32 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.13-1.08 (2H, m).
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 416.7/Rt(分) 0.59
【0178】
実施例39〜63
対応する原料化合物を用いて実施例38に記載の方法と同様の方法により、下記表に示す実施例39〜63の化合物を得た。
【化37】
【表4】
【0179】
上表の実施例42、60、61及び63の化合物のNMRデータを以下に記載する。
実施例42
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6) : 7.59 (1H, s), 7.29 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.15 (1H, s), 6.88 (1H, d, J = 8.5 Hz), 6.83 (1H, s), 6.78 (1H, s), 4.12 (1H, d, J = 11.2 Hz), 4.04-4.01 (2H, m), 3.90 (1H, d, J = 10.8 Hz), 3.32-3.26 (3H, m), 2.59 (2H, t, J = 6.0 Hz), 2.52-2.46 (4H, m), 2.43-2.25 (4H, m), 1.73 (2H, d, J = 7.9 Hz), 1.60-1.56 (1H, m), 1.49-1.44 (1H, m), 1.32 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.13-1.08 (2H, m).
【0180】
実施例60
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.34 (1H, d, J = 8.0 Hz), 7.31 (1H, s), 6.99-6.90 (2H, m), 6.99 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.82 (1H, s), 4.11-4.07 (2H, m), 4.00-3.96 (2H, m), 3.76-3.72 (2H, m), 3.33 (1H, d, J = 11.2 Hz), 2.93-2.90 (2H, m), 2.67-2.66 (2H, m), 2.55-2.45 (3H, m), 2.39-2.32 (1H, m), 1.99 (3H, s), 1.91-1.87 (2H, m), 1.80-1.77 (1H, m), 1.65-1.55 (1H, m), 1.44-1.41 (2H, m), 1.41 (3H, s), 1.29 (3H, s), 1.21-1.12 (1H, m).
【0181】
実施例61
1H−NMR (400 MHz, CDCl
3): 7.42 (1H, s), 7.21 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.18 (1H, s), 6.77 (1H, d, J = 8.4 Hz), 6.69-6.67 (2H, m), 6.54 (1H, s), 3.99-3.96 (2H, m), 3.91-3.88 (2H, m), 3.43-3.42 (2H, m), 3.21 (1H, d, J = 11.2 Hz), 2.67-2.64 (2H, m), 2.61-2.58 (2H, m), 2.45-2.35 (3H, m), 2.30-2.24 (1H, m), 1.87 (3H, s), 1.76-1.67 (2H, m), 1.53-1.49 (1H, m), 1.42-1.38 (1H, m), 1.35-1.30 (1H, m), 1.28 (3H, s), 1.08 (3H, s), 1.04-0.97 (1H, m).
【0182】
実施例63
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6): 8.18 (1H, d, J = 4.4 Hz), 7.72 (1H, s), 7.45 (1H, s), 7.29 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.88 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.77 (1H, s), 4.37-4.33 (2H, m), 4.10 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.88 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.31-3.26 (2H, m), 2.70 (3H, s), 2.57-2.53 (2H, m), 2.37-2.29 (4H, m), 1.72-1.67 (2H, m), 1.60-1.55 (1H, m), 1.50-1.40 (1H, m), 1.32-1.23 (2H, m), 1.29 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.13-1.06 (1H, m).
【0183】
実施例64
(4’aS,10’bR)−8’−クロロ−1−[(4−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]と(4’aR,10’bS)−8’−クロロ−1−[(4−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)メチル]−4’a,10’b−ジヒドロ−2’H,4’H,5’H−スピロ[ピペリジン−4,3’−ピラノ[3,2−c][1]ベンゾピラン]とのラセミ体
【化38】
参考例21の化合物(103mg)、4−メチル−1H−イミダゾール−5−カルボアルデヒド(77mg)のTHF(3.5mL)、メタノール(1.0mL)溶液に水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(223mg)を加え、室温にて2時間撹拌した。水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(77mg)を追加し、さらに30分間撹拌した。反応溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製し、実施例64の化合物(97mg)を得た。
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6) : 11.65 (0.5H, s), 11.60 (0.5H, s), 7.35 (1H, s), 7.25 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.89 (1H, dd, J = 8.3, 1.8 Hz), 6.81 (1H, d, J = 1.8 Hz), 4.17 (1H, dd, J = 11.0, 3.7 Hz), 4.12 (1H, d, J = 10.4 Hz), 3.86-3.92 (2H, m), 3.26-3.38 (3H, m), 2.21-2.37 (4H, m), 2.11 (1.5H, s), 2.03 (1.5H, s), 1.86-1.95 (1H, m), 1.75 (1H, d, J = 12.2 Hz), 1.55 (2H, br), 1.27 (2H, br), 0.95 (1H, t, J = 12.5 Hz),
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 388.7/Rt(分) 0.57
【0184】
実施例64a及び64b
得られた実施例64の化合物について、光学分割を行うことにより、実施例64の化合物の光学活性体である実施例64aの化合物と実施例64bの化合物を得た。
実施例64a:
条件D;Rt(分)=10.26
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 388.1/Rt(分) 0.60
実施例64b:
条件D;Rt(分)=14.02
LC−MS(条件1);[M+H]
+ 388.0/Rt(分) 0.61
【0185】
実施例65
【化39】
実施例51の化合物(15mg)のメタノール(0.2mL)溶液に、フマル酸(8.1mg)を加え、60℃で1時間攪拌後、一晩室温にて静置し、溶媒を蒸発乾固させた。残渣に酢酸エチル(0.3mL)を加え、40℃で4時間攪拌した。析出した固体を桐山ロートを用いてろ取し、酢酸エチルで洗浄後、50℃で真空乾燥させることにより、実施例65の化合物(15mg)を白色固体として得た。
1H−NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ: 7.29 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.11 (1H, d, J = 1.2 Hz), 6.88(1H, dd, J = 8.2, 2.1 Hz), 6.81 (1H, d, J = 1.2 Hz), 6.78 (1H, d, J = 2.4 Hz), 6.59 (4H, s), 4.12 (1H, d, J = 11.0 Hz), 3.97 (2H, t, J = 6.7 Hz), 3.90 (1H, d, J = 11.6 Hz), 3.30 (1H, d, J = 11.6 Hz), 2.59 (2H, t, J = 6.4 Hz), 2.46-2.39 (2H, m), 2.38-2.25 (2H, m), 2.32 (3H, s), 1.81-1.65 (2H, m), 1.65-1.55 (1H, m), 1.37-1.23 (1H, m), 1.32 (3H, s), 1.15-1.05 (1H, m), 1.13 (3H, s).
LC−MS(条件2);[M+H]
+ 430/Rt(分) 1.519
【0186】
実施例66〜78
対応する原料化合物を用いて、実施例65に記載の方法と同様の方法により、種々の塩化を行い、下記表に示す実施例66〜78の化合物を得た。
【表5】
【0187】
試験例
以下に、本発明の化合物の薬理試験結果を示し、該化合物についての薬理作用を説明するが、本発明はこれらの試験例に限定されるものではない。
【0188】
試験例1:がん細胞スフィア形成能抑制試験
CSCの特性の一つである、細胞の自己複製能の測定法として確立され信頼できる手法として、血清非存在下、非接着状態でのがん細胞スフィア形成能測定が挙げられる(Cancer Res 65, 5506-5511 (2005))。HT−29細胞はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)より入手した。HT−29細胞は10%ウシ胎児血清(FBS)、1% ペニシリン/ストレプトマイシン含有McCoy’s 5a培地を用い、37℃、5%CO
2存在下にて培養した。HT−29細胞を、2% B27 supplement(GIBCO)、20ng/mL 上皮細胞成長因子(EGF)(peprotech)、10ng/mL 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)(peprotech)、5μg/mL インスリン(Sigma)、1% ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM/F12培地にて、350−800cells/well となるように、384 Well Black Clear Bottom Ultra−Low Attachment Microplate(Corning Cat. No.3827)に播種した。DMSO終濃度が0.1%となるように被験物質を添加し4日間培養した。その後、CellTiter−Glo(登録商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega)を用いて生細胞数を計測し、各被験物質の50%細胞増殖を抑制する濃度(Sphere IC
50値;μM)を算出した。
【0189】
実施例で得られた化合物について、試験例1に示す試験を行った。各被験物質の50%細胞増殖を抑制する濃度(Sphere IC
50値;μM)について下表に示す。
【表6】
【0190】
上表に表すように、実施例20、26、32、33、34、38、39、40、41、42、44、45、46、47、48、49、51、52、53、54、56及び64aの化合物は良好な細胞増殖抑制効果を示した。
【0191】
試験例2:hERG阻害試験
培養したhERG遺伝子安定発現CHO細胞株細胞に、DMSO終濃度が0.0135〜0.5%となるように被験物質を添加した。そのhERG電流をQPatch HT(Sophion社)を用いて測定し、各被験物質が50% hERG電流を抑制する濃度(IC
50値;μM)を算出した。
【0192】
実施例で得られた化合物について、試験例2に示す試験を行った。また、hERG/HT−29については、試験例2で得られた被験物質が50% hERG電流を抑制する濃度を試験例1で得られた被験物質がHT−29細胞の50%細胞増殖を抑制する濃度で割った値として算出した。結果について下表に示す。
【表7】
【0193】
上表に表すように、実施例20、26、32、33、34、38、39、40、41、42、44、46、47、48、49、51、52、53、54、56及び64aの化合物は、50%細胞増殖を抑制する濃度と50% hERG電流を抑制する濃度とに良好な乖離幅を有することがわかった。