【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度から平成28年度、国立研究開発法人海洋研究開発機構 戦略的イノベーション創造プログラム 次世代海洋資源調査技術「AUV複数運用手法等の技術開発/AUV複数運用手法等の研究開発における洋上中継器(没水型複数管理用)に関する研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記音響測位装置で音響測位を行う前記複数の水中航走体のうちに音響測位が不可能となるものが複数生じると、最後に測位された時刻が最も古い前記水中航走体から順に探索対象に設定して、該探索対象が最後に測位された位置の上方となる位置を目標位置とする指令を前記航走装置に順次与える機能を備えた
請求項1記載の水中航走体監視装置。
前記制御部は、前記探索対象が最後に測位された位置の上方となる位置を目標位置とする指令を前記航走装置に与えて水上航走体が移動しても、該探索対象の音響測位が可能とならないときに、該探索対象を探索対象から一旦除外する機能を備えた
請求項2記載の水中航走体監視装置。
水上航走体の機体に備えた音響測位装置で複数の水中航走体の音響測位を行うときに、音響測位が不可能な水中航走体が生じると、該音響測位が不可能となった水中航走体が最後に測位された位置の上方となる位置を目標位置として水上航走体を移動させること
を特徴とする水中航走体監視方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
【0021】
図1は水中航走体監視装置の実施形態を示す概要図である。
図2は、複数の水中航走体の航走領域の配置例を示す図であり、
図2(a)は水上航走体が現在位置を保持する状態を示す概略平面図、
図2(b)は音響測位が不可能となった水中航走体が生じた場合に水上航走体が移動する状態を示す概略平面図である。
図3は水中航走体監視装置における制御部で実施する第1の処理を示すフロー図である。
図4は水中航走体監視装置における制御部で実施する第2の処理を示すフロー図、
図5は水中航走体探索処理を示すフロー図である。
【0022】
本実施形態では、
図1、
図2に示すように、1機の水上航走体1で、複数の水中航走体として、たとえば、4機の水中航走体2a,2b,2c,2dを監視する場合の例について説明する。
【0023】
水上航走体1には、
図1に示すように、水中航走体監視装置3が備えられている。
【0024】
水中航走体監視装置3は、水上航走体1の機体(船体)4に搭載された制御部5を備え、更に、制御部5に接続された自己位置検出装置6と、音響測位装置7と、航走装置8とを備えた構成とされている。
【0025】
自己位置検出装置6は、たとえば、GPSのような全地球航法衛星システムの電波による航法信号を受信して、水上航走体1の自機の位置について、緯度と経度の様な絶対位置を取得する機能を備えている。なお、自己位置検出装置6は、水上航走体1の自機の位置を検出することができれば、GPS以外の航法衛星システムを用いたり、地上局からの信号を用いたりしてもよいことは勿論である。
【0026】
音響測位装置7は、機体4の水没する部分である船底部に備えられていて、各水中航走体2a,2b,2c,2dの位置を、予め設定された時間間隔で音響測位するためのものである。音響測位装置7は、たとえば、呼出信号を発信してから、各水中航走体2a,2b,2c,2dに備えたトランスポンダ9a,9b,9c,9dが発する応答信号が受信されるまでの経過時間と、応答信号が到来する方向(角度)とを基に、水上航走体1の位置を基準とする各水中航走体2a,2b,2c,2dの相対位置を測位結果として得る機能を備えている。なお、音響測位装置7は、監視対象となる各水中航走体2a,2b,2c,2dの位置を検出することができれば、いかなる形式、測位方式の音響測位装置7を用いてもよいことは勿論である。
【0027】
よって、この水上航走体1に備える音響測位装置7の測位方式に応じて、各水中航走体2a,2b,2c,2dには、トランスポンダ9a,9b,9c,9dを省略した構成としたり、トランスポンダ9a,9b,9c,9d以外の音響測位に用いる機器を備える構成としたりしてもよいことは勿論である。
【0028】
したがって、制御部5では、自己位置検出装置6で得た水上航走体1の自機の絶対位置の情報と、音響測位装置7で測位結果として得た水上航走体1の位置を基準とする各水中航走体2a,2b,2c,2dの相対位置の情報とを基に、各水中航走体2a,2b,2c,2dの絶対位置を検出することができる。この各水中航走体2a,2b,2c,2dの絶対位置の検出は、音響測位装置7により各水中航走体2a,2b,2c,2dの音響測位が行われるごとに実施される。
【0029】
なお、水上航走体1で各水中航走体2a,2b,2c,2dを監視するために制御部5で実施する処理については後述する。
【0030】
航走装置8は、図示しないが、推進装置および操舵装置とそれらの制御器により構成されていて、制御部5から目標位置に関する指令が与えられると、その指令に従って、指示された目標位置に水上航走体1を配置するように推進や操舵を行う機能を備えている。
【0031】
なお、航走装置8には、自己位置検出装置6で得た水上航走体1の自機の絶対位置に関する情報もリアルタイムで与えられるようにしてある。
【0032】
これにより、航走装置8では、制御部5から水上航走体1の現在位置を目標位置とする指令が与えられる場合は、航走装置8は、指令が与えられた時に自己位置検出装置6で検出されている水上航走体1の位置を基準として、水上航走体1が風や波や潮流等による外乱を受けても、前記基準とされた位置に留まるように、推進と操舵を制御する機能を備えている。
【0033】
一方、航走装置8は、制御部5から水上航走体1の現在位置とは異なる位置を目標位置とする指令が与えられると、その目標位置に水上航走体1が移動するように、推進と操舵を制御する機能を備えている。
【0034】
水中航走体2a,2b,2c,2dは、水上航走体1の音響測位装置7による音響測位の対象となるように、トランスポンダ9a,9b,9c,9dを備えた構成とされている。また、各水中航走体2a,2b,2c,2dは、図示しないが、各水中航走体2a,2b,2c,2dに個別に設定されている
図2に示すような航走領域10a,10b,10c,10dで自律航走可能な装置構成および機能を備えている。この場合、各水中航走体2a,2b,2c,2dが対応する航走領域で自律航走可能となっていれば、各水中航走体2a,2b,2c,2dの航走の制御は、ウェイポイント制御や、その他、既知の制御手法を用いるようにしてあればよい。
【0035】
次に、水上航走体1の制御部5の機能の説明に即して水中航走体監視方法について説明する。
【0036】
制御部5は、水中航走体2a,2b,2c,2dの監視を行う場合は、
図3に示す第1の処理と、
図4および
図5に示す第2の処理とを実施する。
【0037】
制御部5は、第1の処理では、
図3に示すように、音響測位装置7で得られる各水中航走体2a,2b,2c,2dの音響測位の結果を監視する(ステップSA1)。
【0038】
次に、制御部5は、測位結果が得られた水中航走体2a,2b,2c,2dについては、その測位結果が得られるごとに、測位結果と、自己位置検出装置6で得た水上航走体1の自機の絶対位置の情報とを基に、水中航走体2a,2b,2c,2dの絶対位置を検出する(ステップSA2)。
【0039】
次いで、制御部5は、水中航走体2a,2b,2c,2dごとに、得られた水中航走体2a,2b,2c,2dの絶対位置と、この絶対位置の検出に用いた測位結果の測位が行われた測位時刻とを関連付けた情報を、図示しない記憶部に記憶する(ステップSA3)。
【0040】
なお、制御部5では、前記ステップSA3で記憶部に記憶される水中航走体2a,2b,2c,2dの絶対位置と測位時刻とを関連付けた情報は、それぞれの水中航走体2a,2b,2c,2dについて音響測位装置7による測位結果が得られるごとに、その新たな測位時刻に対応する情報に順次上書きされるようにしてもよいし、蓄積されるようにしてもよい。
【0041】
これにより、制御部5は、各水中航走体2a,2b,2c,2dについて音響測位が不可能となったものが生じた場合は、記憶部に記憶されている情報から、その音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが最後に測位されたときの絶対位置と、測位時刻とを読み出すことができる。
【0042】
制御部5は、第2の処理では、先ず、
図4に示すように、処理を開始すると、音響測位装置7で得られる各水中航走体2a,2b,2c,2dの音響測位の結果を監視する(ステップSB1)。
【0043】
次に、制御部5は、すべての水中航走体2a,2b,2c,2dが測位可能となっているか否かの判断を行う(ステップSB2)。
【0044】
通常、複数の水中航走体2a,2b,2c,2dを運用するときには、各水中航走体2a,2b,2c,2dが水上航走体1の音響測位装置7で測位可能となっている状態から運用開始するようにしている。そのため、制御部5では、最初に前記ステップSB2に進んだときには、すべての水中航走体2a,2b,2c,2dが測位可能という判断が行われる。
【0045】
前記ステップSB2にて、すべての水中航走体2a,2b,2c,2dが測位可能と判断されると、制御部5は、ステップSB3に進む。
【0046】
ステップSB3では、制御部5は、水上航走体1の現在位置を目標位置とする指令を航走装置8に与える。
【0047】
これにより、水上航走体1では、航走装置8による推進と操舵が、水上航走体1が現在位置を保持するように制御される。よって、水上航走体1は、
図2(a)に示すように、すべての水中航走体2a,2b,2c,2dに対し、音響測位が可能な現状の位置関係が維持される。
【0048】
制御部5は、前記ステップSB3で航走装置8に対する指令を発した後は、ステップSB1に戻って、ステップSB1からの処理を再び実施する。したがって、音響測位装置7によりすべての水中航走体2a,2b,2c,2dが測位可能となっている状態のときには、制御部5は、ステップSB1からステップSB3の処理ループを順次繰り返して行う。
【0049】
その後、複数の水中航走体2a,2b,2c,2dがそれぞれの航走領域で自律航走することに伴って、水中航走体2a,2b,2c,2dのうちに、水上航走体1の音響測位装置7による音響測位可能な領域の外側に位置するようになるものが生じると、その水中航走体2a,2b,2c,2dについては、音響測位が不可能となる。
【0050】
したがって、この場合は、制御部5では、前記ステップSB2にて、水中航走体2a,2b,2c,2dのうちに測位が不可能なものが存在する、という判断となる。この判断が生じた場合、制御部5はステップSB4に進む。
【0051】
ステップSB4では、制御部5は、測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが1機か否かの判断を行う。
【0052】
ステップSB4で、測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが1機であると判断された場合は、制御部5は、ステップSB5に進む。
【0053】
ステップSB5では、制御部5は、測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dについて、前記記憶部より、音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが最後に測位されたときの絶対位置を読み出し、その絶対位置を目標位置とする指令を航走装置8に与える。
【0054】
具体的には、
図2(b)に示すように、各水中航走体2a,2b,2c,2dのうち、たとえば、水中航走体2bについての音響測位が不可能となった場合は、制御部5は、水中航走体2bが最後に測位されたときの絶対位置pを前記記憶部から読み出して、この絶対位置pと同じ緯度と経度となる位置を目標位置とする指令を航走装置8(
図1参照)に与える。
【0055】
これにより、
図2(b)に示すように、水上航走体1は、目標位置に設定された絶対位置pの真上となる位置に移動する。この状態で、音響測位装置7では、設定された時間間隔で各水中航走体2a,2b,2c,2dを測位対象とする音響測位の処理が続けて行われる。
【0056】
水中航走体2a,2b,2c,2dの航走速度は、種類にもよるが、一般的には時速数キロメートル程度である。これに対し、音響測位装置7が発する音波の到達する領域は、種類にもよるが、一般的には、半径が2キロメートルから4キロメートル程度である。そのため、水中航走体2bの音響測位が不可能となってからであっても、水上航走体1が水中航走体2bが最後に測位された位置の真上となる位置まで移動することにより、当該水中航走体2bに対し、水上航走体1が、音響測位が可能な位置関係となる可能性が高い。
【0057】
このように、水上航走体1が、水中航走体2bに対して音響測位が可能な位置関係になると、音響測位装置7による水中航走体2bの音響測位が再開される。
【0058】
制御部5は、前記ステップSB5で航走装置8に対する指令を発した後は、ステップSB1に戻って、ステップSB1からの処理を再び実施する。
【0059】
なお、制御部5では、前記ステップSB5の後でステップSB1に戻る処理は、たとえ水上航走体1が目標位置まで移動した時点で水中航走体2bについての音響測位が再開されなかったとしても行う。
【0060】
一方、前記ステップSB4にて、水上航走体1からの音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが複数であると判断された場合は、制御部5は、水中航走体探索処理SCを実施する。
【0061】
水中航走体探索処理SCでは、
図5に示すように、制御部5は、処理開始すると、先ず、音響測位が不可能となった複数の水中航走体2a,2b,2c,2dのすべてを探索対象に設定する(ステップSC1)。
【0062】
次に、制御部5は、前記記憶部に記憶した情報を読み出して、探索対象のうち、最後に測位された時刻が最も古い水中航走体2a,2b,2c,2dを選択する(ステップSC2)。
【0063】
次いで、制御部5は、ステップSC2で選択された水中航走体2a,2b,2c,2dについて、前記記憶部より、音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが最後に測位されたときの絶対位置を読み出し、その絶対位置を目標位置とする指令を航走装置8に与える(ステップSC3)。
【0064】
これにより、前記したステップSB5の場合と同様に、水上航走体1は、目標位置に設定された位置に移動し、この状態で、音響測位装置7では、設定された時間間隔で各水中航走体2a,2b,2c,2dを測位対象とする音響測位の処理が続けて行われる。これにより、ステップSC2で選択された水中航走体2a,2b,2c,2dの音響測位が再開される可能性は高くなる。
【0065】
その後、制御部5は、ステップSC4に進む。ステップSC4では、制御部5は、ステップSC2で選択された水中航走体2a,2b,2c,2dについての音響測位が可能になったか否かの判断を行う。
【0066】
ステップSC4にて、ステップSC2で選択された水中航走体2a,2b,2c,2dについての音響測位が可能になったと判断されると、制御部5は、ステップSC5に進む。
【0067】
ステップSC5では、制御部5は、探索対象となっている音響測位が不可能な水中航走体2a,2b,2c,2dの残りの機数は1機以下であるか否かを判断する処理を行う。
【0068】
ステップSC5で、音響測位が不可能な水中航走体2a,2b,2c,2dの残りの機数は1機以下であると判断される場合は、制御部5は、ステップSC6に進んで水中航走体探索処理SCを終了する。
【0069】
一方、制御部5は、前記ステップSC4にて、ステップSC2で選択された水中航走体2a,2b,2c,2dについての音響測位は不可能なままであると判断されると、ステップSC7に進む。ステップSC7では、制御部5は、音響測位が不可能なままとなるステップSC2で選択された水中航走体2a,2b,2c,2dを一旦探索対象から除外する処理を行った後、ステップSC9へ進む。
【0070】
また、制御部5は、前記ステップSC5にて、音響測位が不可能な水中航走体2a,2b,2c,2dの残りの機数が複数機であると判断される場合は、ステップSC8へ進む。ステップSC8では、制御部5は、音響測位が可能となったステップSC2で選択された水中航走体2a,2b,2c,2dを探索対象から除外する処理を行った後、ステップSC9へ進む。
【0071】
ステップSC9では、制御部5は、探索対象に設定された水中航走体2a,2b,2c,2dが残っているか否かの判断を行う。
【0072】
ステップSC9で探索対象に設定された水中航走体2a,2b,2c,2dが残っていると判断される場合は、制御部5は、ステップSC2へ戻り、残っている探索対象のうちで最後に測位された時刻が最も古いものを選択して、ステップSC2以降の処理を再び行う。
【0073】
一方、ステップSC9で探索対象に設定された水中航走体2a,2b,2c,2dが残っていないと判断される場合は、制御部5は、ステップSC1へ戻り、その時点で音響測位が不可能となっている水中航走体2a,2b,2c,2dのすべてを探索対象に再び設定してから、ステップSC1以降の処理を再び行う。
【0074】
制御部5は、前記ステップSC6にて水中航走体探索処理SCを終了した場合は、
図4に示すように、前記ステップSB1以降の処理を行うようにしてある。
【0075】
以上の構成としてある本実施形態の水中航走体監視装置および水中航走体監視方法によれば、水上航走体1は、すべての水中航走体2a,2b,2c,2dの音響測位が可能な状態のときには、制御部5にて、各水中航走体2a,2b,2c,2dの絶対位置を検出できる。このため、1機の水上航走体1で複数の水中航走体2a,2b,2c,2dの監視を行うことができる。
【0076】
また、各水中航走体2a,2b,2c,2dのうちに音響測位が不可能となる配置のものが生じた場合は、その時点で、音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが最後に測位された位置の上方となる位置に水上航走体1を移動させるようにしてある。このため、音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dについての音響測位の速やかな再開を図ることができる。
【0077】
更に、各水中航走体2a,2b,2c,2dのうちに音響測位が不可能となる配置のものが複数生じた場合は、最後に測位された時刻が最も古い水中航走体2a,2b,2c,2dから順に選択して、その最後に測位された位置の上方となる位置に水上航走体1を移動させて探索を行うようにしてあるので、測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dについて、連続して測位できない時間が延びる虞を抑制することができる。
【0078】
また、探索を行っても測位が可能とならない水中航走体2a,2b,2c,2dについては、一旦探索対象から除外して、別の測位が不可能となっている水中航走体2a,2b,2c,2dについての探索を行うようにしてあるため、1機の水中航走体2a,2b,2c,2dについての探索を集中して行うことで、他の水中航走体2a,2b,2c,2dについて、連続して測位できない時間が延びる虞を抑制することができる。
【0079】
なお、本発明は、前記実施形態にのみ限定されるものではなく、
図1、
図2に示した水上航走体1および水中航走体2a,2b,2c,2dの形状や寸法比は、図示するための便宜上のものであり実際の形状や寸法比を反映したものではない。
【0080】
各水中航走体2a,2b,2c,2dは、同一形状や同一の機能を備えたものでなくてもよい。
【0081】
1機の水上航走体1で音響測位を行って監視する水中航走体の数は、2機、3機または5機以上であってもよい。
【0082】
水中航走体2a,2b,2c,2dの航走領域10a,10b,10c,10dの配置や形状は、
図2(a)(b)に示した以外の任意の配置や形状であってもよい。たとえば、航走領域10a.10b,10c,10d同士が間隔を隔てて配置されていてもよい。また、たとえば、水中航走体2a,2b,2c,2dの航走する深度が異なる場合などには、各航走領域10a,10b,10c,10dの平面的な配置の一部あるいは全部が重なっていてもよい。
【0083】
水上航走体1における制御部5は、たとえば、水上航走体1を水中航走体2a,2b,2c,2dの航走領域10a,10b,10c,10dの上方となる位置まで自律航走させる制御を行う機能を備えていてもよい。
【0084】
前記実施形態では、制御部5は、音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが最後に測位されたときの絶対位置を目標位置とする指令を航走装置8に与えるものとして説明した。この応用例として、制御部5では、音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dが最後に測位されたときに進行していた進行方向の情報を併せて利用して、水上航走体1が移動する目標位置を定めるようにしてもよい。
【0085】
また、制御部5では、各水中航走体2a,2b,2c,2dを自律航走させるために設定されている経路情報、たとえば、ウェイポイント制御を行うためのウェイポイントの情報のような経路情報を記憶しておき、音響測位が不可能となった水中航走体2a,2b,2c,2dの経路情報を併せて利用して、水上航走体1が移動する目標位置を定めるようにしてもよい。
【0086】
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。