特許第6733590号(P6733590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6733590
(24)【登録日】2020年7月13日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】商品選択支援装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20200728BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20200728BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20200728BHJP
【FI】
   G06Q30/02 470
   G06Q30/06 330
   G06T1/00 340B
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-69060(P2017-69060)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-169965(P2018-169965A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2018年12月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】中尾 幸広
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−194740(JP,A)
【文献】 特開2010−113660(JP,A)
【文献】 特開2014−071878(JP,A)
【文献】 特開2002−024319(JP,A)
【文献】 特開平11−076208(JP,A)
【文献】 特開2010−084263(JP,A)
【文献】 特開2002−016559(JP,A)
【文献】 特開2002−318942(JP,A)
【文献】 特表2015−534637(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影し、前記被写体の画像を表す画像データを出力するカメラと、
前記画像データから前記被写体の画像における特定部位のサイズである被写体サイズを検出するサイズ検出部と、
それぞれ商品の特定部位のサイズを表す商品サイズデータおよび商品識別情報を含む複数の商品データの中から前記被写体サイズに対応する前記商品サイズデータを含む購入候補データを検索する検索部と、
前記購入候補データを表示装置に表示させる表示制御部と、
商品の一部または全部の形状を模擬する商品見本の形状を表す見本形状データを予め記憶する不揮発性の記憶部から、前記見本形状データを取得する見本形状データ取得部と、
前記見本形状データが表す形状を、前記購入候補データに含まれる前記商品サイズデータに応じてサイズ調整し、サイズ調整された形状を表す見本画像のデータを生成する見本画像データ生成部と、
台紙と台紙に対して剥がすことが可能に貼付された柔軟シートとを含む二重構造シートにおける前記柔軟シートに前記見本画像を形成するプリンターと、
前記見本画像のデータに基づいて、前記二重構造シートから前記見本画像の形状に沿う部分を切り出すシートカッティング装置と、を備え
前記見本形状データは、連結されることによって前記商品見本を成す複数の分割部形状を表すデータを含み、
前記見本画像データ生成部は、前記複数の分割部形状それぞれを前記購入候補データに含まれる前記商品サイズデータに応じてサイズ調整し、サイズ調整された前記複数の分割部形状各々に、それぞれ前記複数の分割部形状を連結する部分の形状である複数の連結部形状が付加された形状を表すとともに、前記連結部形状の部分と前記分割部形状における前記連結部形状と連結される部分との対応関係を表す連結識別符号の情報を含む前記見本画像のデータを生成する、商品選択支援装置。
【請求項2】
前記見本画像データ生成部は、前記購入候補データに含まれる前記商品識別情報を表す画像が一部に合成された前記見本画像のデータを生成する、請求項1に記載の商品選択支援装置。
【請求項3】
前記見本画像データ生成部は、予め設定された広告情報を表す画像が一部に合成された前記見本画像のデータを生成する、請求項1または請求項2に記載の商品選択支援装置。
【請求項4】
操作部に対する操作に従ってサイズ余裕度の情報を入力する余裕度入力部をさらに備え、
前記検索部は、前記複数の商品データの中から前記被写体サイズを前記サイズ余裕度に従って補正したサイズに対応する前記商品サイズデータを含む前記購入候補データを検索可能である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の商品選択支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品選択支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、洋服、靴、メガネまたはその他の装飾品などの商品を購入する者は、購入の候補となる商品を試着した上で、気に入った商品を購入する場合が多い。
【0003】
また、コンピューターが、購入者の身体の写真画像に商品の画像が合成された試着身体画像を表示装置に表示させることにより、仮想的な試着を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−50937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、商品の試着において、前記購入候補の商品が購入者の身体のサイズに合っているかどうかを確認することも重要である。そのため、商品を試着する前に、多数の商品の中から、購入者の身体のサイズに一応合っていると考えられるいくつかの商品を、購入候補の商品として選択することが必要である。
【0006】
しかしながら、前記購入者の身長、胸囲およびウエストなどの詳細な身体サイズを、計測器具を用いて計測し、多数の商品の中から計測結果に対応する商品を探し出す作業は繁雑である。
【0007】
また、コンピューターが、複数の商品データのデータベースにアクセスし、前記計測結果に対応する商品データを検索する場合であっても、前記身体サイズを計測し、前記計測結果を前記コンピューターに入力する作業が手間である。
【0008】
本発明の目的は、購入者の身体サイズに合った商品を容易に選択することを可能にする商品選択支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一の局面に係る商品選択支援装置は、カメラと、サイズ検出部と、検索部と、表示制御部と、を備える。前記カメラは、被写体を撮影し、前記被写体の画像を表す画像データを出力する。前記サイズ検出部は、前記画像データから前記被写体の画像における特定部位のサイズである被写体サイズを検出する。前記検索部は、それぞれ商品の特定部位のサイズを表す商品サイズデータおよび商品識別情報を含む複数の商品データの中から前記被写体サイズに対応する前記商品サイズデータを含む購入候補データを検索する。前記表示制御部は、前記購入候補データを表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、購入者の身体サイズに合った商品を容易に選択することを可能にする商品選択支援装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る商品選択支援装置のブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る商品選択支援装置における商品選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、実施形態に係る商品選択支援装置における試着商品が選択される前の仮想試着画面の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る商品選択支援装置における試着商品が選択された後の仮想試着画面の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る商品選択支援装置が参照する見本形状データが表す複数の拡張分割部形状の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る商品選択支援装置によりシートに印刷された見本画像の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る商品選択支援装置によって得られる複数の分割柔軟シートの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る商品選択支援装置によって得られる複数の分割柔軟シートが連結されることによって構成される商品見本の一例を示す斜視図である。
図9図9は、商品データの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0013】
[商品選択支援装置10の構成]
商品選択支援装置10は、洋服、靴、メガネまたはその他の装飾品などの商品を選択し購入するユーザーを支援する装置である。
【0014】
図1に示されるように、商品選択支援装置10は、コンピューター1とカメラ2とプリンター3とを備える。
【0015】
コンピューター1は、例えばパーソナルコンピューターなどであり、情報処理装置の一例である。コンピューター1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Rondom Access Memory)12、二次記憶部13、ユーザーI/F(Interface)14および通信I/F15などを備える。
【0016】
CPU11は、各種の演算およびデータ処理を実行するプロセッサーである。RAM12は、CPU11が実行するプログラムを一時記憶する揮発性のコンピューター読み取り可能な主記憶部である。
【0017】
二次記憶部13は、CPU11が参照する各種データおよびプログラムを記憶する不揮発性のコンピューター読取可能な記憶装置である。また、二次記憶部13は、CPU11がデータの読み取りおよび書き込みが可能な記憶装置でもある。例えば、二次記憶部13がフラッシュメモリーなどであることが考えられる。
【0018】
ユーザーインターフェイス14は、操作部14aおよび表示部14bを含む。操作部14aは、前記ユーザーの操作に従って情報を入力するデバイスであり、例えばタッチパネルおよび操作ボタンなどを含む。表示部14bは、情報を画像として表示する二次元表示デバイスであり、例えば液晶表示パネルなどである。
【0019】
CPU11は、UI制御プログラムPr0を実行することにより、ユーザーインターフェイス14の操作部14aおよび表示部14bを制御する。
【0020】
通信I/F15は、LAN101aおよびインターネット101bなどの通信回線101を通じて他装置との間でデータの送受信を行う装置である。さらに、通信I/F15は、バス100を通じてCPU11とデータの受け渡しを行う。
【0021】
例えば、CPU11は、画像データを含む印刷ジョブデータを通信I/F15を通じてプリンター3に送信する。また、CPU11は、通信I/F15を通じて、通信回線101に接続されたデータサーバー8にアクセス可能である。
【0022】
データサーバー8の記憶装置は、複数の商品データDp0を含む商品データベースを予め記憶している。CPU11は、通信I/F15および通信回線101を通じてデータサーバー8の前記データベースにアクセスする。
【0023】
図9に示されるように、複数の商品データDp0は、それぞれ商品コードデータDp01、商品名データDp02、商品サイズデータDp03、商品の画像を表す商品画像データDp04、画像の縮小率Dp05および商品属性データDp06などを含む。商品コードデータDp01は、商品識別情報の一例である。
【0024】
商品サイズデータDp03は、商品における予め定められた1つまたは複数の特定部位のサイズを表す情報である。例えば、商品が上着である場合、商品サイズデータDp03は、肩幅、袖丈、胸囲、胴囲、着丈、首回り寸法および腕周り寸法などのデータを含む。
【0025】
また、縮小率Dp05は、商品の実サイズに対する商品画像データDp04が表す画像の縮小率である。商品属性データDp06が、例えば商品の種類、性能、色、用途および材質などを含むことが考えられる。
【0026】
カメラ2は、被写体90を撮影し、被写体90の画像を表す画像データである撮影画像データDi0を出力する。例えば、被写体90は、前記ユーザーの身体の一部または全部である。また、被写体90が、ペットなどの前記ユーザーの所有物の一部または全部であることも考えられる。
【0027】
プリンター3は、コンピューター1から受信した前記印刷ジョブに含まれる画像データに基づく画像をシート9に形成する印刷処理を実行する装置である。
【0028】
後述するように、コンピューター1は、被写体90の写真画像に商品の画像が合成された試着画像Im2を表示部14bに表示させる仮想試着処理を実行可能である(図4参照)。これにより、前記ユーザーは、購入候補の商品が被写体90に似合うか否かを容易に確認することができる。また、店頭に用意されていない商品の試着も可能である。
【0029】
ところで、商品の試着において、前記購入候補の商品が購入者等の身体のサイズに合っているかどうかを確認することも重要である。そのため、商品を試着する前に、多数の商品の中から、購入者等の身体のサイズに一応合っていると考えられるいくつかの商品を、前記購入候補の商品として選択することが必要である。
【0030】
しかしながら、前記購入者等の身長、胸囲およびウエストなどの詳細な身体サイズを、計測器具を用いて計測し、多数の商品の中から計測結果に対応する商品を探し出す作業は繁雑である。
【0031】
また、コンピューター1が、複数の商品データDp0のデータベースにアクセスし、前記計測結果に対応する商品データDp0を検索する場合であっても、前記身体サイズを計測し、前記計測結果をコンピューター1に入力する作業が手間である。
【0032】
商品選択支援装置10は、購入者等の身体サイズに合った商品を容易に選択することを可能にするため、後述する商品選択処理を実行する。商品選択支援装置10は、前記商品選択処理において用いるシートカッティング装置4を備える。
【0033】
シートカッティング装置4は、コンピューター1から画像データを受信し、受信した画像データが表す画像から切り出し形状を検出し、シート9を前記切り出し形状に沿って切る装置である。例えば、シートカッティング装置4が、周知のカッティングプロッターなどであることが考えられる。
【0034】
具体的には、シートカッティング装置4は、受信した画像データが表す画像の輪郭形状を切り出し形状として自動検出することができる。また、シートカッティング装置4は、受信した画像データが表す画像から予め設定された色の線を抽出し、抽出した線に沿う形状を前記切り出し形状として自動検出することも可能である。
【0035】
[商品選択処理]
以下、図2に示されるフローチャートを参照しつつ、前記商品選択処理の手順の一例について説明する。以下の説明において、S1,S2,…は、前記商品選択処理における工程の識別符号を表す。
【0036】
<工程S1>
前記商品選択処理において、人体または動物の身体などの被写体90の画像が、カメラ2によって撮影される。これにより、被写体90の画像を表す撮影画像データDi0が、カメラ2から通信回線101を通じてコンピューター1のCPU11へ伝送される。以下の説明において、撮影画像データDi0における被写体90の画像のことを被写体画像Im0と称する(図3参照)。
【0037】
例えば、工程S1において、被写体90の正面および側面が、カメラ2によって撮影される。この場合、撮影画像データDi0は、被写体90の正面画像のデータおよび側面画像のデータを含む。
【0038】
工程S1において、被写体90がカメラ2に対して予め定められた基準距離を隔てた状態で、被写体90の撮影が実行されることが考えられる。これにより、撮影画像データDi0における被写体画像Im0のサイズを、前記基準距離に応じて定まる換算係数を用いて被写体90の実際のサイズに換算することができる。
【0039】
また、工程S1において、カメラ2が、それぞれカメラ2から同じ距離の位置に配置された被写体90およびサイズ基準部材を撮影することも考えられる。前記サイズ基準部材は、サイズが既知の部材である。この場合、撮影画像データDi0における前記サイズ基準部材の画像のサイズと前記サイズ基準部材の実際のサイズとに基づいて、前記換算係数を算出することができる。さらに、被写体画像Im0のサイズを、前記換算係数を用いて被写体90の実際のサイズに換算することができる。
【0040】
<工程S2>
次に、CPU11が、撮影画像データDi0から被写体画像Im0における特定部位のサイズである被写体サイズを検出する。
【0041】
CPU11は、サイズ検出プログラムPr1を実行することにより、工程S2の処理を実現する。工程S2の処理を実行するCPU11がサイズ検出部の一例である。
【0042】
前記被検体サイズが、被写体90の身長、肩幅、腕の長さ、腕周り寸法、胸囲、胴囲、首周り寸法、足の長さおよび太股周り寸法などを含むことが考えられる。
【0043】
また、CPU11が、予め定められた部位判定ルールに従って、前記被写体サイズの検出の対象となる特定部位の位置を自動判定することが考えられる。また、CPU11が、被写体画像Im0を表示部14bに表示させ、操作部14aに対する操作に従って、前記特定部位の位置を設定することも考えられる。
【0044】
また、CPU11が、立体的部分のサイズを、前記正面画像から検出した幅と、前記
側面画像から検出した厚みとを予め定められた換算式に適用することによって算出することが考えられる。前記立体的部分のサイズは、例えば、前記腕周り寸法、前記胸囲、前記胴囲、前記首周り寸法および前記太股周り寸法などである。
【0045】
<工程S3>
次に、CPU11は、表示部14bに検索条件入力画面を表示させた上で、操作部14aに対する操作に従って商品の検索条件を入力する処理を実行する。
【0046】
CPU11は、検索条件入力プログラムPr2を実行することにより、工程S3の処理を実現する。
【0047】
前記検索条件は、例えば、商品属性データDp06の一部である種類および色などを指定する情報を含む。さらに、本実施形態において、前記検索条件は、サイズ余裕度の情報を含む。前記サイズ余裕度は、被写体90に商品を装着させた場合におけるサイズの余裕度を表す情報である。
【0048】
例えば、前記サイズ余裕度の情報が、ピッタリ、標準およびゆったりなどのように、予め定められた複数段階の余裕度から選択される情報であることが考えられる。
【0049】
また、前記検索条件の一部として設定される商品の種類が、工程S1において撮影された被写体90が身につけている物の一部と同種であることが考えられる。この場合、前記サイズ余裕度は、工程S1において撮影された被写体90が身につけている物を基準にして設定される。即ち、工程S1において撮影された被写体90が身につけている物のサイズの余裕度が前記標準に相当する。
【0050】
なお、工程S3において、前記サイズ余裕度の情報を入力する処理を実行するCPU11が、余裕度入力部の一例である。
【0051】
<工程S4>
次に、CPU11は、工程S2で検出された前記被写体サイズを工程S3で設定された前記サイズ余裕度に応じて補正し、補正後のサイズを検索サイズとして設定する。前記検索サイズは、前記検索条件の一部である。
【0052】
例えば、前記サイズ余裕度が前記ピッタリである場合、CPU11は、工程S2で検出された前記被写体サイズを、予め定められた縮小係数を適用することによって縮小補正する。同様に、前記サイズ余裕度が前記ゆったりである場合、CPU11は、工程S2で検出された前記被写体サイズを、予め定められた拡大係数を適用することによって拡大補正する。一方、前記サイズ余裕度が前記標準である場合、CPU11は、工程S2で検出された前記被写体サイズを補正しない。
【0053】
<工程S5>
次に、CPU11は、データサーバー8の前記データベースにアクセスし、複数の商品データDp0の中から、工程S3,S4で設定された前記検索条件を満たす1つまたは複数のデータを検索し、取得する。以下、この検索により得られるデータのことを購入候補データDp1と称する。
【0054】
購入候補データDp1は、前記被写体サイズに対応する前記検索サイズの条件を満たす商品サイズデータDp03を含む。工程S4において前記被検体サイズが前記サイズ余裕度に応じて補正された場合、購入候補データDp1は、補正後の前記被写体サイズに対応する商品サイズデータDp03を含む。
【0055】
CPU11は、検索プログラムPr3を実行することにより、工程S5の処理を実現する。工程S5の処理を実行するCPU11が検索部の一例である。
【0056】
<工程S6>
次に、CPU11は、データサーバー8から取得した1つまたは複数の購入候補データDp1の少なくとも一部を表示部14bに表示させる。CPU11は、UI制御プログラムPr0を実行することによって工程S6の処理を実現する。工程S6の処理を実行するCPU11は表示制御部の一例である。
【0057】
図3は、CPU11が工程S6において表示部14bに表示させる仮想試着画面g0の一例である。仮想試着画面g0は、被写体画像Im0と、候補商品画像Im1とを含む。候補商品画像Im1は、購入候補データDp1の一部である商品画像データDp04が表す画像である。
【0058】
図3において、複数の候補商品画像Im1が、それぞれ仮想試着の対象とする商品を選択する操作を受け付ける複数の商品選択アイコンg1として表示部14bに表示されている。
【0059】
さらに、仮想試着画面g0は、条件変更アイコンg2を含む。条件変更アイコンg2は、前記検索条件を変更する処理へ移行する操作を受け付けるアイコンである。
【0060】
<工程S7>
次に、CPU11は、操作部14aに対する操作に従って、次の処理を選択する。具体的には、仮想試着画面g0の条件変更アイコンg2が操作された場合、CPU11は、処理を前述の工程S3へ移行させる。なお、CPU11は、UI制御プログラムPr0を実行することによって工程S7の処理を実現する。
【0061】
一方、仮想試着画面g0の商品選択アイコンg1が操作された場合、CPU11は、処理を次の工程S8へ移行させる。以下の説明において、操作された商品選択アイコンg1に対応する候補商品画像Im1のことを選択商品画像Im10と称する。また、操作された商品選択アイコンg1に対応する商品のことを選択商品と称する。
【0062】
<工程S8>
工程S8において、CPU11は、表示部14bに試着画像Im2を表示させる(図4参照)。試着画像Im2は、被写体画像Im0に選択商品画像Im10が合成された画像である。また、試着画像Im2は、被写体90が前記選択商品を試着した状態を表す画像である。
【0063】
CPU11は、前記選択商品に対応する種類に応じて被写体画像Im0における特定部位を判定する。さらに、CPU11は、選択商品画像Im10を被写体画像Im0における前記判定した部位に重ねて合成する。
【0064】
また、CPU11は、前記被写体サイズの検出に用いた前記換算係数と、前記選択商品に対応する縮小率Dp05とに基づいて画像サイズ調整率を算出する。そして、CPU11は、前記選択商品に対応する商品画像データDp04の画像を、前記画像サイズ調整率に従って調整したサイズで、被写体画像Im0に合成する。
【0065】
また、商品選択アイコンg1が操作された場合、CPU11は、仮想試着画面g0に見本作成アイコンg3および確定アイコンg4をさらに表示させる(図4参照)。なお、CPU11は、UI制御プログラムPr0を実行することによって工程S8の処理を実現する。
【0066】
<工程S9>
次に、CPU11は、操作部14aに対する操作に従って、次の処理を選択する。具体的には、仮想試着画面g0の条件変更アイコンg2が操作された場合、CPU11は、処理を前述の工程S3へ移行させる。なお、CPU11は、UI制御プログラムPr0を実行することによって工程S9の処理を実現する。
【0067】
また、仮想試着画面g0の商品選択アイコンg1が操作された場合、CPU11は、処理を前述の工程S8へ移行させる。この場合、新たに選択された前記選択商品について、工程S8の処理が実行される。
【0068】
また、仮想試着画面g0の確定アイコンg4が操作された場合、CPU11は、処理を後述する工程S15へ移行させる。なお、確定アイコンg4は、商品の選択を確定し、受注処理へ進めるためのアイコンである。
【0069】
また、仮想試着画面g0の見本作成アイコンg3が操作された場合、CPU11は、処理を次の工程S10へ移行させる。なお、CPU11は、仮想試着プログラムPr4を実行することにより、工程S6〜S9の処理を実現する。
【0070】
<工程S10>
工程S10において、CPU11は、二次記憶部13から選択見本形状データを取得する。前記選択見本形状データは、予め二次記憶部13に記憶されている複数の見本形状データDs0のうち、前記選択商品の種類に対応する1つである。
【0071】
複数の見本形状データDs0は、それぞれ商品の種類を識別する情報に対応付けられて二次記憶部13に記憶されている。例えば、長袖上着に関する見本形状データDs0は、前記長袖上着の代表的な形状を表すデータである。
【0072】
複数の見本形状データDs0は、それぞれ商品見本9yの形状を表すデータである。図8に示されるように、商品見本9yは、商品の一部または全部の形状を模擬する物である。商品見本9yは、1枚のシート部材または複数枚のシート部材の組み合わせによって構成される。
【0073】
図8に示される商品見本9yは、長袖上着における首周り部分、胸回りの部分および両袖の部分の形状を模擬している。
【0074】
本実施形態において、見本形状データDs0は、連結されることによって商品見本9yを成す複数の分割部形状F0を表すデータを含む(図5参照)。図5に示される例は、見本形状データDs0が、複数の分割部形状F0に連結部形状F1が付加された複数の拡張分割部形状F00を表すデータである場合の例である。連結部形状F1は、複数の分割部形状F0を連結する部分の形状である。
【0075】
複数の分割部形状F0は、商品見本9yの形状が複数に分割された形状である。複数の分割部形状F0は、商品見本9yの実物サイズに相当するサイズで表されたときに、少なくともプリンター3およびシートカッティング装置4が処理可能な最大のシートサイズに収まるサイズで形成されている。
【0076】
さらに、見本形状データDs0は、連結部形状F1の部分と分割部形状F0における連結部形状F1と連結される部分との対応関係を表す連結識別符号Cd0の情報も含む。
【0077】
なお、図5に示される3つの拡張分割部形状F00は、図8に示される商品見本9y全体の形状を構成する複数の拡張分割部形状F00のうちの一部である。
【0078】
工程S10において、CPU11が、前記選択商品に対応する種類に応じて、複数の見本形状データDs0の中から前記選択見本形状データを自動的に選択することが考えられる。また、CPU11が、操作部14aに対する操作に従って、複数の見本形状データDs0の中から前記選択見本形状データを選択することも考えられる。
【0079】
CPU11は、見本形状データ取得プログラムPr5を実行することにより、工程S10の処理を実現する。工程S10の処理を実行するCPU11が見本形状データ取得部の一例である。
【0080】
<工程S11>
次に、CPU11は、前記選択見本形状データが表す形状を、前記選択商品に対応する購入候補データDp1に含まれる商品サイズデータDp03に応じてサイズ調整し、サイズ調整された形状を表す見本画像Im3のデータを生成する(図6参照)。
【0081】
CPU11は、見本画像データ生成プログラムPr6を実行することにより、工程S11の処理を実現する。工程S11の処理を実行するCPU11が見本画像データ生成部の一例である。
【0082】
CPU11は、複数の分割部形状F0それぞれを購入候補データDp1に含まれる商品サイズデータDp03に応じてサイズ調整し、サイズ調整された複数の分割部形状F0に連結部形状F1が付加された形状を表す見本画像Im3のデータを生成する(図6参照)。
【0083】
本実施形態において、CPU11は、複数の分割部形状F0に連結部形状F1が付加された複数の拡張分割部形状F00それぞれを商品サイズデータDp03に応じてサイズ調整することにより、見本画像Im3のデータを生成する。これにより、サイズ調整された複数の分割部形状F0に連結部形状F1が付加された形状を表す見本画像Im3のデータが生成される。
【0084】
なお、見本形状データDs0に連結部形状F1のデータが含まれていないことも考えられる。この場合、CPU11が、見本画像Im3のデータを生成する際に、複数の分割部形状F0に連結部形状F1を付加する処理を実行する。
【0085】
さらに、見本画像Im3のデータは、連結部形状F1の部分と分割部形状F0における連結部形状F1と連結される部分との対応関係を表す連結識別符号Cd0の情報も含む。
【0086】
また、工程S11において、CPU11は、前記選択商品に対応する購入候補データDp1に含まれる商品コードデータDp01を表す商品コード画像Im31が一部に合成された見本画像Im3のデータを生成する(図6参照)。例えば、商品コード画像Im31がQRコード(登録商標)またはバーコードなどであることが考えられる。
【0087】
<工程S12>
次に、CPU11は、見本画像Im3のデータを含む前記印刷ジョブデータをプリンター3に送信する。これにより、CPU11は、シート9に見本画像Im3を形成する印刷処理をプリンター3に実行させる。
【0088】
CPU11は、印刷制御プログラムPr7を実行することにより、工程S12の処理を実現する。
【0089】
商品見本9yが洋服などのように柔軟に変形可能な商品の見本である場合、シート9が、二重構造シートであることが考えられる。前記二重構造シートは、台紙と台紙に対して剥がすことが可能に貼付された柔軟シートとを含む。この場合、プリンター3は、前記柔軟シートに対して見本画像Im3を形成する。
【0090】
<工程S13>
次に、CPU11は、操作部14aに対して予め定められたカッティング開始操作が行われるか否かを監視する。ユーザーは、プリンター3によって見本画像Im3が形成されたシート9をシートカッティング装置4にセットした上で、操作部14aに対して前記カッティング開始操作を行う。
【0091】
<工程S14>
前記カッティング開始操作が操作部14aに対して行われると、CPU11は、見本画像Im3のデータとカッティング開始指令とをシートカッティング装置4に送信する。これにより、シートカッティング装置4は、見本画像Im3のデータに基づいて、シート9から見本画像Im3の形状に沿う部分を切り出す。
【0092】
CPU11は、工程S14の処理を実行した後、処理を前述した工程S8へ移行させる。これにより、前述の工程S8以降の処理が繰り返される。なお、CPU11は、カッティング制御プログラムPr8を実行することにより、工程S14の処理を実現する。
【0093】
工程S14の処理によってシート9から切り出された見本画像Im3の形状のシート部材は、それぞれ拡張分割部形状F00で形成された複数の分割シート部材である。前記複数の分割シート部材から、前記台紙が除去されることにより、それぞれ拡張分割部形状F00で形成された複数の分割柔軟シート9xが得られる(図7参照)。
【0094】
そして、図7に示されるような複数の分割柔軟シート9xが、連結部形状F1で連結されることにより、図8に示されるような商品見本9yが構成される。商品見本9yは、前記選択商品の実際のサイズに相当するサイズで形成されている。
【0095】
従って、被写体90である装着者が商品見本9yを試着することにより、前記装着者は、前記選択商品のサイズが前記装着者のサイズにフィットしているかどうかを実感することができる。
【0096】
なお、図8に示される商品見本9yは、前記選択商品の一例である長袖上着の胴囲から下の部分が省略された形状を有している。しかしながら、商品見本9yが、前記選択商品の全体の形状を表す物であってもよい。
【0097】
また、商品見本9yが、例えば前記選択商品である前記長袖上着の胸囲の部分または腕周りの部分などに対応するシンプルな輪状のシート部材であることも考えられる。この場合、シートカッティング装置4が帯状のシート部材を切り出し、その帯状のシート部材の両端部が連結されることにより、商品見本9yが得られる。
【0098】
<工程S15>
また、仮想試着画面g0の確定アイコンg4が操作された場合、CPU11は、前記選択商品についての受注処理を実行する。CPU11は、工程S15の処理を実行した後、前記商品選択処理を終了させる。
【0099】
CPU11は、受注プログラムPr9を実行することにより、工程S15の処理を実現する。例えば、CPU11は、カメラ2で撮影された商品コード画像Im31のデータを入力し、商品コード画像Im31が表す商品コードデータDp01に基づいて発注処理を実行する。
【0100】
商品選択支援装置10が採用されれば、被写体90の身長、胸囲およびウエストなどの詳細な身体サイズを、計測器具を用いて計測し、多数の商品の中から計測結果に対応する商品を探し出すなどの煩雑な作業は不要である。また、前記身体サイズを計測し、前記計測結果をコンピューター1に入力する作業も不要である。
【0101】
そして、CPU11は、複数の商品データDp0の中から前記被写体サイズに対応する商品サイズデータDp03を含む購入候補データDp1を検索する(図2の工程S5)。従って、商品選択支援装置10が採用されれば、購入者の身体サイズに合った商品を容易に選択することが可能になる。
【0102】
また、図2の工程S11において、CPU11が、サイズ調整された形状を表す見本画像Im3のデータを生成する。このような見本画像Im3がシート9に形成され、シート9から見本画像Im3の形状に沿う部分が切り出されることにより、シート状の商品見本9yが得られる(図7参照)。
【0103】
前記購入者は、商品見本9yを試着することにより、購入候補データDp1に対応する商品のサイズが自身の体サイズに合っているか否かを容易に、かつ、確実に確認することができる。
【0104】
また、本実施形態において、見本形状データDs0は、それぞれ1枚のシートに収まるサイズの複数の分割部形状F0を表すデータを含む。そして、複数の分割部形状F0それぞれが商品サイズデータDp03に応じてサイズ調整され、サイズ調整された複数の分割部形状F0に、連結部形状F1が付加された形状を表す見本画像Im3のデータが生成される。
【0105】
従って、一般的なプリンター3およびシートカッティング装置4を用いて、それぞれ商品見本9yの部品を成す複数の分割シートを作成することができる(図7参照)。複数の分割柔軟シート9xは、前記複数の分割シートの一例である。そして、前記複数の分割シートがつなぎ合わされることにより、商品見本9yを作ることができる。
【0106】
また、図7に示される見本画像Im3は、購入候補データDp1に含まれる商品コードデータDp01を表す商品コード画像Im31が一部に合成された画像である。これにより、前記購入者が試着した商品見本9yと購入候補データDp1との対応関係を容易に把握することができる。
【0107】
例えば、店員が前記購入者から商品見本9yを受け取った場合に、前記店員は、受け取った商品見本9yに記録されている商品コード画像Im31に基づいて、受け取った商品見本9yに対応する商品についての受注手続を速やかに、かつ、間違いなく行うことができる。
【0108】
また、撮影画像データDi0に基づく前記被写体サイズは、ピッタリ、標準またはゆったりなどの前記サイズ余裕度に応じて補正される(工程S4)。そして、補正後の前記被写体サイズに対応する購入候補データDp1の検索が可能である。そのため、前記購入者の好みの前記サイズ余裕度に応じた購入候補データDp1を検索することが可能である。
【0109】
[応用例]
図2の工程S11において、CPU11が、予め設定された広告情報を表す画像が一部に合成された見本画像Im3のデータを生成することも考えられる。このような工程S11の処理を実行するCPU11も、前記見本画像データ生成部の一例である。
【0110】
前記広告情報を含む見本画像Im3が出力されることにより、見本画像Im3をシート9に形成する費用を広告主に負担させることなどが可能になる。
【0111】
また、図2の工程S1において、被写体90と既知の基準サイズの比較体とがカメラ2によって撮影されることが考えられる。この場合、図2の工程S2において、CPU11が、前記比較体の画像のサイズに対する被写体画像Im0のサイズの比に応じて、前記被写体サイズを検出することが考えられる。
【0112】
なお、本発明に係る商品選択支援装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0113】
1 :コンピューター
2 :カメラ
3 :プリンター
4 :シートカッティング装置
8 :データサーバー
9 :シート
9x :分割柔軟シート
9y :商品見本
10 :商品選択支援装置
11 :CPU
12 :RAM
13 :二次記憶部
14 :ユーザーインターフェイス
14a :操作部
14b :表示部
15 :通信I/F
90 :被写体
100 :バス
101 :通信回線
101b :インターネット
Cd0 :連結識別符号
Di0 :撮影画像データ
Dp0 :商品データ
Dp01 :商品コードデータ(商品識別情報)
Dp02 :商品名データ
Dp03 :商品サイズデータ
Dp04 :商品画像データ
Dp05 :縮小率
Dp06 :商品属性データ
Dp1 :購入候補データ
Ds0 :見本形状データ
F0 :分割部形状
F00 :拡張分割部形状
F1 :連結部形状
Im0 :被写体画像
Im1 :候補商品画像
Im10 :選択商品画像
Im2 :試着画像
Im3 :見本画像
Im31 :商品コード画像
Pr0 :UI制御プログラム
Pr1 :サイズ検出プログラム
Pr2 :検索条件入力プログラム
Pr3 :検索プログラム
Pr4 :仮想試着プログラム
Pr5 :見本形状データ取得プログラム
Pr6 :見本画像データ生成プログラム
Pr7 :印刷制御プログラム
Pr8 :カッティング制御プログラム
Pr9 :受注プログラム
g0 :仮想試着画面
g1 :商品選択アイコン
g2 :条件変更アイコン
g3 :見本作成アイコン
g4 :確定アイコン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9