(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1〜
図11を用いて、本発明に係る物品管理システム100を説明する。物品管理システム100は、画像処理装置と監視カメラ300を含む。以下の説明では、画像処理装置として複合機200を例に挙げて説明する。複合機200は画像形成装置でもある。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
【0013】
(物品管理システム100)
図1を用いて、実施形態に係る物品管理システム100の一例を説明する。
図1は物品管理システム100の一例を示す図である。
【0014】
物品管理システム100は、複合機200(画像処理装置)と監視カメラ300を含む。
図1は、保管室400内に、複合機200と監視カメラ300を設置する例を示している。
図1に示すように、監視カメラ300は複合機200に取り付けられてもよい。また、監視カメラ300は、天井に取り付けられてもよい。監視カメラ300は保管室400内を撮影する。監視カメラ300は保管室400に入った者を撮影する。例えば、監視カメラ300のレンズ301は、保管室400の出入り口方向に向けられる。なお、監視カメラ300を複数台設けてもよい。この場合、各監視カメラ300が複合機200と通信可能に接続される。
【0015】
保管室400には、物品が保管される。
図1では、便宜上、物品の図示を省略している。保管される物品の種類に特に制限はない。会社内に設けられた保管室400の場合、会社から従業員に貸与される物品が保管される。従業員は、業務上の必要に応じて、保管室400から物品を持ち出す。
【0016】
ドア500から保管室400に入ることができる。ドア500には施錠装置600が取り付けられる。複合機200は施錠装置600を制御する。複合機200はドア500に鍵をかけられる。保管室400の外側に物品を持ち出すとき、物品を持ち出すことができる者(有資格者)は、複合機200に物品の持ち出しを記録するための操作を行う。操作に問題がなければ、複合機200は退出を許可する。
【0017】
(複合機200)
図2に基づき、実施形態に係る複合機200の一例を説明する。
図2は、実施形態に係る複合機200の一例を示す図である。
【0018】
複合機200は制御部1、記憶部2、画像読取部3、操作パネル4、印刷部5、通信部6を含む。
【0019】
制御部1は複合機200の各部を制御する。制御部1はCPU11、画像処理部12を含む。CPU11は演算、制御を行う。画像処理部12は画像処理を画像データに施す。記憶部2は不揮発性の記憶部2と揮発性の記憶部2を含む。記憶部2は不揮発性の記憶装置として、ROM21、ストレージ22(HDD又はSSD)を含む。記憶部2は揮発性の記憶装置としてRAM23を含む。記憶部2は制御用プログラムやデータを記憶する。
【0020】
原稿を読み取るジョブ(コピージョブ、スキャン保存ジョブ、スキャン送信ジョブ)のとき、制御部1は、原稿を画像読取部3に読み取らせる。画像読取部3は、原稿の画像データを生成する。
【0021】
制御部1は操作パネル4と通信可能に接続される。操作パネル4は、表示パネル41(報知部に相当)、タッチパネル42(取得部、入力デバイスに相当)、ハードキー43、スピーカー44(報知部に相当)、リーダー45を含む。制御部1は表示パネル41の表示を制御する。制御部1は設定用の操作画像を表示パネル41に表示させる。操作画像は、例えば、ソフトキーやボタンである。制御部1は、タッチパネル42の出力に基づき、操作された操作画像を認識する。また、制御部1は、操作されたハードキー43を認識する。操作パネル4は使用者の操作(操作画像やハードキー43への操作)を受け付ける。スピーカー44は音を発する。制御部1はスピーカー44に音声信号を入力する。スピーカー44は入力された音声信号に基づく音声を発する。
【0022】
印刷部5は用紙を搬送しつつ、用紙に印刷を行う。印刷部5は、印刷用データに基づき印刷を行い、排出トレイに印刷物を排出する。印刷部5は、給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dを含む。
【0023】
制御部1は印刷部5の動作を制御する。制御部1は、給紙部5a、用紙搬送部5b、画像形成部5c、定着部5dの動作を制御する。給紙部5aは用紙を収容する。印刷ジョブのとき、制御部1は給紙部5aに用紙を供給させる。制御部1は、用紙搬送部5bに用紙を搬送させる。制御部1は、画像データに基づくトナー像を画像形成部5cに形成させる。制御部1は、形成したトナー像の搬送用紙への転写を画像形成部5cに行わせる。制御部1は、トナー像が転写された用紙への加熱、加圧を定着部5dに行わせる。これにより、用紙にトナー像が定着する。制御部1は、定着済(印刷済)の用紙を排出トレイまで用紙搬送部5bに搬送させる。
【0024】
通信部6は、通信に必要なハードウェアとソフトウェアを含む。ハードウェアは、例えば、通信回路や通信用メモリーである。通信部6はコンピューター700と通信する。コンピューター700は、例えば、PCである。通信部6は、複数のコンピューター700と通信可能である。通信部6は、物品(保管室400)の管理者のコンピューター700と通信できる。
【0025】
また、通信部6は、施錠装置600と通信可能に接続される。施錠装置600は施錠機構601と金属錠602を含む。施錠機構601及び金属錠602はドア500に設けられる。施錠機構601はモーターやギアを含む。施錠機構601は金属錠602を動かす。制御部1は、ドア500の施錠、解錠を制御する。施錠するとき、制御部1は、施錠装置600に向けて、施錠指示信号を通信部6に送信させる。施錠指示信号を受信したとき、施錠機構601は金属錠602を動かして施錠する。施錠状態では、ドア500を開けることができない。解錠するとき、制御部1は、施錠装置600に向けて、解錠指示信号を通信部6に送信させる。解錠指示信号を受信したとき、施錠機構601は金属錠602を動かして解錠する。解錠状態では、ドア500を開けることができる。
【0026】
なお、施錠装置600を操作することにより、部屋の外側から施錠装置600を解錠することができる。管理者のコンピューター700で、ドア500の施錠、解錠を制御することができる。管理者のコンピューター700から解錠指示を受信したとき、制御部1は、施錠装置600に向けて、解錠指示信号を通信部6に送信させる。管理者のコンピューター700から施錠指示を通信部6が受信したとき、制御部1は、施錠装置600に向けて、施錠指示信号を通信部6に送信させる。
【0027】
また、ドア500には、ドア500の開閉を検知するためのドアセンサー800が設けられる。ドアセンサー800の出力は、制御部1に入力される。制御部1は、ドアセンサー800の出力に基づき、ドア500が開けられたこと、閉じられたことを認識する。
【0028】
また、通信部6は、監視カメラ300と接続される。監視カメラ300は撮像し、撮影データを生成する。監視カメラ300から撮影データが出力される。通信部6は撮影データを受信する。
【0029】
(入室者の特定)
次に、
図3〜
図5を用いて、実施形態に係る物品管理システム100での保管室400へ入室者の特定の一例を説明する。
図3は、実施形態に係る物品管理システム100の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る物品管理システム100での保管室400への入室時の処理の一例を示す図である。
図5は、実施形態に係る個人情報データ7の一例を示す図である。
【0030】
監視カメラ300は、入室者を撮影できる位置に設けられる。言い換えると、監視カメラ300はドア500及びドア500近傍を撮影する。
図3に示すように、監視カメラ300は、レンズ301、イメージセンサー302、カメラモジュール303を含む。レンズ301は入射された光をイメージセンサー302に導く。イメージセンサー302は、面状に並べられた複数の受光素子を含む。イメージセンサー302の各受光素子は、受光量に応じたアナログ信号(画像信号)を出力する。イメージセンサー302の各受光素子は、一定周期でアナログ信号(画像信号)を出力する。カメラモジュール303は、イメージセンサー302が出力する画像信号に基づき、撮影データ(画像データ)を生成する。カメラモジュール303は、一定周期で撮影データを生成する。
【0031】
そして、
図4のスタートは、保管室400への入室の監視の開始時点である。例えば、監視カメラ300及び複合機200の両方の主電源が投入された時点である。監視を続ける場合、監視カメラ300と複合機200は、主電源が投入された状態で維持される。監視カメラ300は撮影を続ける。複合機200のうち、監視カメラ300が生成する撮影データを処理する部分には電力が継続して供給される。なお、監視の継続中、制御部1は、一定時間継続して使用されていない部分への電力供給を停止させる。
【0032】
制御部1は、保管室400に人が入ってきたか否かの確認を続ける(ステップ♯11、ステップ♯11のNo→ステップ♯11)。ドアセンサー800の出力に基づきドア500が開閉されたと認識したとき、制御部1は、保管室400に人が入ってきたと判定してもよい。また、制御部1は、撮影データに基づき、保管室400に人が入ったことを判定してもよい。監視カメラ300の撮影範囲は固定である。入室者がいない場合、撮影される画像は大きく変化しない。同様の撮影データの生成を繰り返す。動くものの存在を認識したとき、制御部1は保管室400に人が入ったと判定してもよい。例えば、制御部1は撮影データを監視する。制御部1は、時間的に連続する2つの撮影データを比較し、予め定められた値以上、画素値が変化した画素の数をカウントする。制御部1はカウント数が一定数以上となったとき、制御部1は保管室400への入室があったと判定してもよい。
【0033】
保管室400に人が入ってきたと判定したとき(ステップ♯11のYes)、制御部1は、施錠装置600に向けて、施錠指示信号を通信部6に送信させる(ステップ♯12)。施錠指示信号に基づき、施錠機構601はドア500を施錠する(ステップ♯13)。
【0034】
ドア500の施錠後、制御部1は、入室者の特定処理を開始する。ここで、入室者の特定のため、個人情報データ7が不揮発的に記憶部2に記憶される。例えば、個人情報データ7は、ストレージ22に記憶される。個人情報データ7は、物品を持ち出し可能な者(有資格者)のデータである。個人情報データ7は、物品を持ち出し可能な者ごとに用意される。個人情報データ7は、操作パネル4で入力することができる。また、コンピューター700から個人情報データ7を送信することにより、個人情報データ7を登録することもできる。
【0035】
個人情報データ7には、物品を持ち出し可能な者の情報が書き込まれる。所定の項目についての情報が書き込まれる。
図5に示す個人情報データ7では、所定の項目は、社員番号、名前、アドレス、顔画像データ71である。それぞれの個人情報データ7は、対応する人物の顔画像データ71を含む。
【0036】
制御部1は、監視カメラ300の撮影により得られた撮影データと顔画像データ71に基づき、入室者を特定する。言い換えると、顔認証により、制御部1は入室者を特定する。制御部1(画像処理部12)は撮影データを処理する。画像処理部12の処理に基づき、顔認証が行われる。顔認証のため、監視カメラ300は、入室者の顔を撮影できる位置に設けられる。
【0037】
入室者の特定のため、制御部1(画像処理部12)は、監視カメラ300で生成された最新の撮像データに対し顔領域検出処理を行う(ステップ♯14)。肌色と扱う画素値の範囲(肌色範囲)が予め定められる。例えば、制御部1は、撮影データのうち、肌色画素を認識する。制御部1は肌色画素の輪郭を求める。例えば、制御部1は、輪郭内の画素数が予め定められた基準値以上であり、かつ、輪郭内の画素数が最も多い領域を顔領域と認識する。なお、制御部1は公知のアルゴリズムを用いて顔領域検出処理を行ってもよい。
【0038】
続いて、制御部1は、顔領域の特徴点検出処理を行う(ステップ♯15)。制御部1は、目、鼻、口などの顔の特徴点の位置を定める。制御部1は、得られた特徴点位置を用いて顔領域の位置、大きさを正規化し、照合用データを生成する(ステップ♯16)。
【0039】
制御部1は、照合用データとそれぞれの顔画像データ71を比較する(ステップ♯17)。照合用データとの比較のため、顔画像データ71は、予め顔領域の位置、大きさが正規化されている。制御部1は、特徴点の位置や各特徴点の位置関係を比較する。そして、制御部1は一致度を算出する。照合用データD4の顔と顔画像データ71が似ていないほど、算出される一致度は小さくなる。
【0040】
制御部1は、入室者を特定できたか否かを確認する(ステップ♯18)。一致度が基準値を超える顔画像データ71があるとき、制御部1は入室者を特定できたと判定する(ステップ♯18のYes)。この場合、制御部1は最も一致度が大きい顔画像データ71に対応する者を入室者と特定する(ステップ♯19)。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0041】
一致度が予め定められた基準値を超える顔画像データ71がない場合、制御部1は入室者を特定できないと判定する(ステップ♯18のNo)。顔の角度、顔の向き、照明の具合により、正確に特定できないことがある。個人情報データ7が登録されている者が入室しても、制御部1は誰かを特定できないと判定する可能性がある。そこで、入室者を特定できないとき(ステップ♯18のNo)、制御部1は、特定不可の判定を予め定められた基準回数連続で行ったか否かを確認する(ステップ♯110)。基準回数は適宜定められる。
【0042】
基準回数連続して特定不可を判定していないとき(ステップ♯110のNo)、フローはステップ♯14に戻る。特定不可の判定が基準回数連続したとき(ステップ♯110のYes)、無関係の者が保管室400に侵入したおそれがある。そこで、制御部1は、予め定められた管理者のアドレスに向けて、入室者を特定できない旨を通信部6に送信させる(ステップ♯111)。管理者に異常が報知される。なお、ステップ♯13により、ドア500は施錠されたままである。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0043】
なお、監視カメラ300を用いて、顔認証により入室者を特定する例を説明した。しかし、操作パネル4に入力された情報に基づき、入室者を特定してもよい。この場合、入室者は、操作パネル4(タッチパネル42)を用いて、情報を入力する。タッチパネル42は取得部として機能する。取得部は入室者を特定するための情報を取得する。入室者は、個人情報データ7に定義された情報のうち、所定の情報を入力する。例えば、入室者は、社員番号や名前を入力する。制御部1は、記憶される個人情報データ7と入力された情報が一致するか否かを確認する。一致したとき、制御部1は、一致したデータに対応する者を入室者と特定する。一致しないとき、制御部1は入室者を特定できないと判定する。制御部1は入室権限がないと判定する。この場合、複数回連続して、入力された情報が個人情報データ7と一致しないとき、制御部1は、管理者のアドレスに向けて、入室者を特定できない旨を通信部6に送信させる
【0044】
また、カードや携帯通信機器に登録された情報を読み取って入室者を特定してもよい。携帯通信機器は、例えば、スマートフォンである。この場合、複合機200に、情報を読み取るリーダー45が設けられる(
図2参照)。リーダー45が取得部として機能する。リーダー45は、例えば、無線通信により、カードや携帯通信機器から情報を読み取る。制御部1は、記憶される個人情報データ7と読み取った情報が一致するか否かを確認する。一致したとき、制御部1は、一致したデータに対応する者を入室者と特定する。一致しないとき、制御部1は入室者を特定できないと判定する。入室者を特定できないと判定した場合、制御部1は、管理者のアドレスに向けて、入室者を特定できない旨を通信部6に送信させる
【0045】
なお、以下の説明では、制御部1が特定した入室者を特定者と称する。
【0046】
(入室者特定時の処理)
次に、
図6、
図7を用いて、実施形態に係る物品管理システム100が入室者を特定したときの処理の流れの一例を説明する。
図6は、実施形態に係る物品管理システム100が入室者を特定したときの処理の流れの一例を示す図である。
図7は、実施形態に係る選択画面46の一例を示す図である。
【0047】
入室者を特定したとき、制御部1は、選択画面46を表示パネル41に表示させる(ステップ♯24)。選択画面46はこれから行う動作を選択するための画面である。制御部1は、選択画面46内に複数のボタンを表示させる。
図7は選択画面46の一例を示す。
【0048】
選択画面46には、第1ボタンB1、第2ボタンB2、第3ボタンB3が設けられる。特定者は、持ち出し又は返却せず、単に保管室400から退出するとき、第1ボタンB1を操作する。特定者は、物品を持ち出すとき、第2ボタンB2を操作する。特定者は、物品を返却するとき、第3ボタンB3を操作する。操作パネル4は何れかのボタンの選択を受け付ける(ステップ♯22)。以後、選択されたボタンに応じた処理が行われる。
【0049】
(第1ボタンB1操作時の処理の流れ)
次に、
図8を用いて、実施形態に係る第1ボタンB1が操作されたときの処理の流れの一例を説明する。
図8は、実施形態に係る第1ボタンB1が操作されたときの処理の流れの一例を示す図である。
【0050】
持ち出し又は返却なしに保管室400から退出したい場合がある。例えば、保管室400に入室したものの、保管室400に目当ての物品がない場合が考えられる。また、返却しようとする物品を忘れた場合もあり得る。そして、
図8のスタートは、第1ボタンB1が操作された時点である。言い換えると、
図8のスタートは、保管室400からの単なる退出を入室者が希望していると制御部1が認識した時点である。
【0051】
第1ボタンB1が操作されたとき、制御部1は、保管室400からの退出を許可する(ステップ♯31)。退出を許可するとき、制御部1は、施錠機構601に解錠させる(ステップ♯32)。そして、制御部1は、単に入退室した特定者の個人情報データ7を、入退室履歴情報H1として記憶部2に記憶させる(ステップ♯33、
図3参照)。入退室履歴情報H1により、入退室した者の履歴を残すことができる。そして、本フローは終了する(エンド)。
【0052】
(第2ボタンB2操作時の処理の流れ)
次に、
図9、
図10を用いて、実施形態に係る第2ボタンB2が操作されたときの処理の流れの一例を説明する。
図9は、実施形態に係る第2ボタンB2が操作されたときの処理の流れの一例を示す図である。
図10は、実施形態に係る物品管理情報の一例を示す図である。
【0053】
第2ボタンB2が操作されたとき、制御部1と特定者は、物品を持ち出しの記録のための手続を行う。まず、制御部1は、入室者情報入力画面(不図示)を表示パネル41に表示させる(ステップ♯41)。そして、制御部1は、入力された入室者情報を認識する(ステップ♯42)。入室者情報は、保管室400への入室、物品の持ち出し、物品の返却の記録に必要な情報である。特定者は入室者情報を入力する。
【0054】
入室者情報入力画面には、所定の項目の入力欄が設けられる。入力欄が操作されたとき、制御部1は、ソフトウェアキーボード画面を表示パネル41に表示させる。特定者は、ソフトウェアキーボード画面で情報(文字列や数字)を入力する。タッチパネル42が情報を入力するための入力デバイスとして利用される。タッチパネル42は、入室者情報の入力を受け付ける。特定者は、社員番号、名前、アドレスといった情報を入力する。制御部1は、入力された入室者情報を認識する。
【0055】
また、特定者は、記入用紙に記入した入室者情報を監視カメラ300に示すことにより、複合機200に入室者情報を認識させることができる。この場合、記入用紙(記入台帳)が保管室400に備え付けられる。記入用紙は、筆記具にて入室者情報を記入するための用紙である。特定者は記入用紙に情報を記入する。特定者は監視カメラ300に記入用紙を示す。これにより、監視カメラ300は記入用紙を撮影する。監視カメラ300は、記入用紙を撮影した撮影データを出力する。制御部1(画像処理部12)は、撮影データに対し、OCR処理を行う。制御部1は、撮影データを処理し、含まれる文字列や数字を認識する。制御部1は、認識した文字列や数字を入室者情報として認識する。
【0056】
制御部1は、認識した入室者情報が正しいか否かを判定する(ステップ♯43)。具体的に、制御部1は、認識した入室者情報が特定者の個人情報データ7と一致するか否かを確認する。一致するとき、制御部1は、入室者情報が正しいと判定する(ステップ♯43のYes)。一致しないとき、制御部1は、入室者情報が正しくないと判定する(ステップ♯43のNo)。
【0057】
入室者情報が正しくないとき(ステップ♯43のNo)、制御部1は、退出を許可しない(ステップ♯44)。退出を許可しない、ドア500が施錠状態で維持される。退出を許可しないとき、制御部1は、管理者のアドレスに向けて、退出を許可しないと決定したことを通信部6に送信させる(ステップ♯45)。そして、本フローはステップ♯41に戻る。
【0058】
入室者情報が正しいとき(ステップ♯43のYes)、制御部1は、要求メッセージを報知部に報知させる(ステップ♯46)。要求メッセージは持ち出す物品を特定するための動作を特定者に要求するメッセージである。
【0059】
物品管理システム100では、保管室400に保管される各物品にコードが予め付されている。コードは、物品を特定するための情報を含む。コードは、例えば、QRコード(登録商標)やバーコードである。そして、要求メッセージは、物品に付されたコードを監視カメラ300に向けることを求めるメッセージである。例えば、制御部1は、表示パネル41に要求メッセージを表示させる。また、制御部1は、スピーカー44に要求メッセージを再生させてもよい。これにより、物品のコードをカメラに向けるべきことを特定者に知らせることができる。
【0060】
そして、制御部1(画像処理部12)は、特定者が持ちだそうとしている物品を特定できたか否かを確認する(ステップ♯47)。ここで、保管される各物品には、番号が割り当てられる。記憶部2は物品コードデータC1を記憶する。物品コードデータC1C1では、物品に対応する番号が定義されている。また、物品コードデータC1では、各番号に対応する物品の種類が定義される。
【0061】
具体的に、制御部1は、撮影データに含まれる物品のコードを認識する。言い換えると、制御部1は物品に付されたコードを認識する。コードを認識できたとき、制御部1は、コードを復号(解読)し、コード化された番号を認識する。制御部1は、認識した番号と物品コードデータC1を参照し、物品を特定する。
【0062】
なお、コードを認識できないとき、又は、コードを復号しても持ち出そうとしている物品を特定できないとき(ステップ♯47のNo)、制御部1は、メッセージを報知部に報知させてもよい(ステップ♯48)。メッセージは、物品を特定できるように物品を監視カメラ300に向けるべきことを知らせる。例えば、制御部1は、物品を特定できないこと、物品の角度や位置をかえるべきことを表示パネル41に表示させてもよい。また、制御部1は、物品を特定できないこと、物品の角度や位置をかえるべき旨の音声をスピーカー44に再生させてもよい。そして、フローはステップ♯47に戻る。
【0063】
物品を特定できたとき(ステップ♯47のYes)、制御部1は、保管室400からの退出を許可する(ステップ♯49)。退出を許可するとき、制御部1は、施錠機構601に解錠させる(ステップ♯410)。制御部1は、物品管理データ8を記憶部2に記憶させる(ステップ♯411)。これにより、本フローは終了する(エンド)。
【0064】
図10は、物品管理データ8の一例を示す。制御部1は、複数の情報を組み合わせて物品管理データ8を生成する。
図10の物品管理データ8のうち、社員番号、名前、アドレスの欄の情報は、入室者情報に基づく情報である。
図10の物品管理データ8のうち、物品番号の情報は、コードを解析して得られた番号である。物品の種類の欄の情報は、物品コードデータC1から番号に対応する物品の種類を読み出した情報である。また、制御部1は、持ち出しの日時を物品管理データ8に付加する。制御部1は、解錠時の日時を持ち出しの日時と扱う。
【0065】
制御部1は、物品の返却期限を示す情報を物品管理データ8に付加してもよい。制御部1は、自動的に返却期限を設定してもよい。また、操作パネル4は、返却期限の設定を受け付けてもよい。返却期限が操作パネル4で設定されたとき、設定された返却期限を物品管理データ8に付加する。
【0066】
物品管理データ8が返却期限を含む場合、制御部1は、物品管理データ8に対応する特定者のアドレスに向けて、返却期限メッセージを通信部6に送信させる。物品管理データ8に対応する特定者のアドレスは、物品管理データ8に含まれる。返却期限メッセージは、物品の返却期限を知らせるメッセージである。例えば、通信部6は電子メールを送信する。返却期限に到達したとき、又は、返却期限に到る前に、制御部1は、返却期限メッセージを通信部6に送信させる。例えば、制御部1は、返却期限の1〜数日前に返却期限メッセージを通信部6に送信させる。
【0067】
(第3ボタンB3操作時の処理の流れ)
次に、
図11を用いて、実施形態に係る第3ボタンB3が操作されたときの処理の流れの一例を説明する。
図11は、実施形態に係る第3ボタンB3が操作されたときの処理の流れの一例を示す図である。
【0068】
第3ボタンB3が操作されたとき(物品の返却のとき)、制御部1は、要求メッセージを報知部に報知させる(ステップ♯51)。制御部1(コード解析部)は、特定者が返却しようとしている物品を特定できたか否かを確認する(ステップ♯52)。制御部1は、撮影データに含まれる物品のコードを認識する。言い換えると、制御部1は物品に付されたコードを認識する。コードを認識できたとき、制御部1は、コードを復号(解読)し、コード化された番号を認識する。制御部1は認識した番号と物品コードデータC1を参照し、返却物品を特定する。
【0069】
なお、コードを認識できないとき、又は、復号したコードでは返却物品を特定できないとき(ステップ♯52のNo)、制御部1は、メッセージを報知部に報知させてもよい(ステップ♯53)。ここでのメッセージは、物品を特定できるように物品を監視カメラ300に向けるべきことを知らせるメッセージである。例えば、制御部1は、物品を特定できないこと、物品の角度や位置をかえるべきことを表示パネル41に表示させてもよい。また、制御部1は、物品を特定できないこと、物品の角度や位置をかえるべき旨の音声をスピーカー44に再生させてもよい。そして、フローはステップ♯51に戻る。
【0070】
物品を特定できたとき(ステップ♯52のYes)、制御部1は、保管室400からの退出を許可する(ステップ♯54)。退出を許可するとき、制御部1は、施錠機構601に解錠させる(ステップ♯55)。制御部1は、物品管理データ8を記憶部2に更新させる(ステップ♯56)。具体的に、制御部1は、特定した物品に対応する物品管理データ8に、返却済を示すデータ(フラグ)を付加する。
図10に示す物品管理データ8のうち、右端の欄が返却済か否かを示すデータである。このとき、制御部1は、物品の収納場所を示す地図を表示パネル41に表示させてもよい。これにより、本フローは終了する(エンド)。
【0071】
このようにして、実施形態に係る物品管理システム100は、監視カメラ300と画像処理装置(複合機200)を含む。監視カメラ300は、物品を保管する保管室400内に設けられる。監視カメラ300は、保管室400内を撮影し、撮影データを出力する。画像処理装置は、物品を持ち出し可能な者のデータであって、予め登録された個人情報データ7を用いて保管室400に入室した入室者を特定する。画像処理装置は、特定できた入室者である特定者により入力され、物品の管理に必要な情報である入室者情報を認識する。画像処理装置は、特定者の個人情報データ7と、入室者情報を照合して、入室者情報が正しいか否かを判定する。画像処理装置は、入室者情報が正しいと判定したとき、入室者情報を含む物品管理データ8を生成する。画像処理装置は、生成した物品管理データ8を記憶部2に記憶させるとともに、保管室400からの退出を許可する。画像処理装置は、入室者情報が正しくないと判定したとき、保管室400からの退出を許可しない。
【0072】
これにより、正確な入室者情報を持ち出しの記録として残すことができる。持ち出しの記録が正しいか否かを管理者が確認しなくてすむ。管理者の負担を従来よりも軽くすることができる。また、物品を持ち出し可能な者に退出許可が出される。物品の保管上のセキュリティを高めることができる。保管室400からの退出を許可するか否かの決定を自動化することができる。
【0073】
画像処理装置は、撮影データに基づき物品に付されたコードを認識する。画像処理装置は、コードに基づき、持ち出そうとされている物品を特定する。画像処理装置は特定した物品を示す情報を、物品管理データ8に含める。持ち出そうとされている物品を特定できてから、画像処理装置は退出許可を決定する。これにより、持ち出し物品を示す情報と入室者情報を自動的に物品管理データ8に含めることができる。誰が、どの物品を持ち出すかを正確に記録することができる。
【0074】
画像処理装置は、報知部(表示パネル41、スピーカー44)を含む。持ち出そうとされている物品を特定できないとき、画像処理装置は、物品を特定できるように物品を監視カメラ300に向けるべきことを、報知部に報知させる。これにより、物品を特定できるように、コードを監視カメラ300に向けるべきことを知らせることができる。
【0075】
画像処理装置は、入力デバイス(タッチパネル42)を含む。入力デバイスは、入室者情報の入力を受け付ける。これにより、特定者は、入力デバイスにより、入室者情報を画像処理装置に入力できる。
【0076】
画像処理装置は、入室者情報を記入するための記入用紙を撮影することにより得られた撮影データに基づき、記入用紙に記入された入室者情報を認識する。これにより、用紙に記入された入室者情報を容易に取り込むことができる。用紙に記入された入室者情報を画像処理装置に打ち込む必要がない。
【0077】
それぞれの個人情報データ7は、対応する人物の顔画像データ71を含む。画像処理装置は、撮影データに含まれる顔画像領域を認識する。画像処理装置は、顔画像領域と顔画像データ71を比較して、入室者を特定する。これにより、顔認証により、入室者が誰かを特定することができる。容易、迅速に入室者を特定することができる。
【0078】
画像処理装置は、入室者を特定するための情報を取得する取得部(リーダー45)を含む。画像処理装置は、取得部が取得した情報とそれぞれの個人情報データ7を比較して、入室者を特定する。これにより、入室者は、画像処理装置に情報を入力することにより、認証(特定)を受けることができる。
【0079】
物品管理システム100は、保管室400の出入り口に設けられたドア500を施錠する施錠装置600を含む。退出を許可しないとき、画像処理装置は、施錠装置600に信号を送信する。画像処理装置は、ドア500を施錠した状態で維持させる。これにより、正しく物品の持ち出しを記録できないとき、特定者の退出を阻むことができる。不正確な情報が記録される場合、物品を持ち出せなくすることができる。
【0080】
画像処理装置は、通信部6を含む。退出を許可しないとき、画像処理装置は、予め定められた管理者のアドレスに向けて、退出を許可しないと決定したことを通信部6に送信させる。これにより、正しく物品の持ち出しを記録できないことを、物品の管理者に伝えることができる。
【0081】
画像処理装置は、入室者が誰かを特定できないとき、施錠装置600にドア500を施錠させる。画像処理装置は、予め定められた管理者のアドレスに向けて、入室者を特定できない旨を通信部6に送信させる。これにより、物品を持ち出す資格の無い者が保管室400に侵入したとき、侵入者を閉じ込めることができる。また、侵入者が保管室400に入ったことを管理者に知らせることができる。
【0082】
物品管理データ8が返却期限を含む場合、画像処理装置は、返却期限に到達したとき、又は、返却期限に到る前に、物品管理データ8に対応する特定者のアドレスに向けて、返却期限メッセージを通信部6に送信させる。これにより、物品を持ち出した者に返却期限を知らせることができる。物品の返却を促すことができる。
【0083】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。