(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
昨今、地球温暖化を要因の一つとする異常気象に伴い、各地で短時間の記録的なゲリラ豪雨が頻発しているところ、都市部では道路の舗装化が進んでおり、降雨した雨水は殆ど地中に浸透することなく、下水道施設から河川へと一気に流入し、短時間で河川が氾濫したり下水道施設から雨水が噴き出したりし、床下浸水や床上浸水等の水害が出ている。
【0003】
このような水害時は、従来、建物の出入口等の建物開口に土嚢を積み上げて遮水壁を作り、建物等の内部への水の浸入を防いでいたが、土嚢は非常に重いため、積上げ作業には大変な時間と労力を要し、短時間で起こる水害を防止するのは困難であり、また、嵩張るので保管場所を確保するのも容易ではなかった。
【0004】
これに対し、短時間かつ低労力で設置可能な止水乃至は防水方法を提供すべく、種々の技術が提案されている。例えば特許文献1(特開2003−278458号公報)においては、「増水時に建物などの入口から内部へ浸水するのを防止する防水装置であって、前記入口の両側壁面に対向させて立設する一対の溝付支柱と、入口の床面上に床面に対してフラットに埋設する底板と、前記溝付支柱の溝内に左右両端部を差し込んで前記底板上に1又は複数段積み上げる防水板とから成り、該防水板の左右両端部近傍には防水板を溝付支柱に固定する複数の固定ハンドルを備えると共に、防水板の上下端部には防水板の自重で押圧されるように水密ゴムを固着する一方、防水板の左右両端部には前記固定ハンドルの固定操作にて押圧されるように水密ゴムを固着したことを特徴とする防水装置。」が提案されている。
【0005】
また、例えば特許文献2(特開2012−246668号公報)においては、「増水時に地下道や建物等の構造物の出入口に堰状に立設して構造物内部への浸水を防止する防水板であって、該防水板の左右両端部内側面と底面とに水密ゴムを固着する一方、防水板上端部の左右両端には一対の防水板固定手段を備えて成り、該防水板固定手段は、防水板の長さ方向にスライド自在に備えた位置決め用のスライド部材と、該スライド部材に揺動自在に連結され前記出入口両側の門柱等のコーナー部壁面に沿って当接可能なように略L字形状に折曲形成した支持金具と、該支持金具の各折曲面をそれぞれが当接する前記コーナー部の各壁面に向けて押圧して圧着させる第一及び第二の押圧具とから成ることを特徴とする防水板。」が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1の防水装置や上記特許文献2の防水板は、構造が複雑であり、部品点数も多く、取付け作業が煩雑であり、短時間及び低労力での取付けという観点からは未だ改善の余地があった。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題は、建物の出入口等の建物開口から建物の内部への水の浸入を確実に防ぐことができ、構造がシンプルであり、部品点数が少なく、取付け作業が容易で短時間及び低労力での取付け可能な止水板及びこれを用いた止水構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明の止水板は、
前方面及び後方面を有し、厚みを有する略矩形の板部材と、
前記板部材の上側水平部の端部側に取り付けられた基部と、
前記基部に対して略水平方向の外向き及び略上向きに変位可能で、かつ前記板部材の後方に突出して、前記基部に取り付けられた押圧機構と、
を具備すること、
を特徴とするものである。
【0010】
このような構成を有する本発明の止水板によれば、短時間の記録的なゲリラ豪雨が発生して、短時間で河川が氾濫したり下水道施設から雨水が噴き出したりし、床下浸水や床上浸水等の水害が起こっても、短時間及び低労力で取り付けることができ、建物の出入口等の建物開口から建物の内部への水の浸入を確実に防ぐことができる。また、本発明の止水板は、構造がシンプルであり、部品点数が少ないことから、製造が容易でコストの面でも有利である。
【0011】
また、本発明は、
建物外にあたる前方から侵入しようとする水を止水する建物開口の止水構造であって、
建物開口の前面及びグランド面に、上記の本発明の止水板を当接設置し、
前記押圧機構を建物開口の内壁に押圧して止水したこと、
を特徴とする建物開口の止水構造、
をも提供する。
【0012】
このような構成を有する本発明の止水構造によれば、上記本発明の止水板が押圧機構によって、建物開口の前面及びグランド面に当接した状態で、建物開口の内壁を押圧しつつ固定されるため、床下浸水や床上浸水等の水害が起こっても、短時間及び低労力で取り付けることができ、建物の出入口等の開口部から建物の内部への水の浸入を確実に防ぐことができる。また、建物間口に溝付支柱を取り付ける等の工事が一切不要であるため、建物の外観を損なうことがなく、工事による人の出入りを制限されることもない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、建物の出入口等の建物開口から建物の内部への水の浸入を確実に防ぐことができ、構造がシンプルであり、部品点数が少なく、取付け作業が容易で短時間及び低労力での取付け可能な止水板及びこれを用いた止水構造を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、本発明の止水板の代表的な実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は図示されるものに限られないことは言うまでもない。また、各図面は本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。更に、以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略することもある。
【0016】
本実施形態の止水板1は、本実施形態の止水板1の板部材2、基部4及び押圧機構の構造を説明するための部分概略図である
図1に示すように、板部材2と、板部材2に取り付けられた基部4と、基部4に取り付けられた押圧機構と、を有している。更に具体的には、本実施形態の止水板1は、
図4に示すように、板部材2の上側水平部の両端部側に基部4及び押圧機構を有している。
図4は、板部材2の両端部側に取り付けられた押圧機構を用いて止水板1を建物開口20、より具体的には建物開口20の前面20aに取り付ける様子を説明するための概略図である。
【0017】
板部材2の両端部側で建物開口20の前面20aに対向する部位には、板部材2の高さ方向へ延びて当て材(図示せず。)が取り付けられている。この当て材は、ゴム材料或いは空気袋体等から成り、止水板1に水の圧力がかかったときに弾性変形して圧力を受け止め、かつ止水板1と建物開口20の前面20aとの間から水が漏れないように密封する、いわゆるシール材としての機能を持つ。当て材は建物開口20の前面20aの側に取り付けられてもよい。
【0018】
また、板部材2の下側水平部には当て材(図示せず。)が取り付けられている。この当て材は、ゴム材料或いは空気袋体等から成り、押圧機構により、止水板1に下方向(
図4のZ方向)への力が加わった際に、弾性変形して圧力を受け止め、且つ板部材2とグランド面との間から水が漏れないように密封する。
【0019】
板部材2は、略平行な第一の面(前方面)及び第二の面(後方面)を有し、厚みを有する略矩形の板部材であり、止水板としての機能を果たしかつ本発明の効果を損なわない範囲で種々の材料を用いて構成される。樹脂製であっても金属製であってもよく、また、例えば中央部分が樹脂製で周縁部が金属製であってもよい。
【0020】
また、基部4は、本実施形態においてはステンレス鋼等の金属で構成されており、
図1、
図2及び
図4に示すように、板部材2の上側水平部の両端部側に取り付けられている。
図2は、
図1に示す止水板1における基部4及び押圧機構の部分を矢印Xの方向からみた場合にみえる概略図である。
図1及び
図2に示すように、基部4は下側部分がL字状に折り曲げられて水平部4aが形成されており、この水平部4aで板部材2の上側水平部に、例えばビス等で固定する。
【0021】
本実施形態において板部材2の上側水平部の両端部側に取り付けられている押圧機構は、主として押圧部6で構成されている。この押圧部6は、本実施形態においてはステンレス鋼等の金属で構成されており、当接部分には、押圧部6が押圧する被押圧部(後述する建物開口の内壁等)が損傷するのを防止するため、ゴムや樹脂製等のパッド状被覆部6aが取り付けられている。なお、被覆部6aは被押圧部に対して滑りにくくするために、凹凸を設けても良い。そして、この押圧部6は、基部4に対して略水平方向の外向き及び略上向きに変位可能で、かつ板部材2の後方(即ち、
図1における紙面からみて鉛直方向上向き)に突出して、基部4に取り付けられている。
【0022】
本実施形態の押圧機構は、より具体的には、
図1に示すように、板部材2からみてその占位を固定された固定回転軸8と、固定回転軸8の回動によって軸芯が回動する回動回転軸10と、回動回転軸10の軸芯に対して回転可能に支持された押圧部6と、固定回転軸8に連結されており固定回転軸8を回動させる操作レバー(回動手段)12と、を有している。
【0023】
固定回転軸8は、基部4の垂直面に板部材2の面に対して略垂直になるように水平方向に延びて取り付けられる一方、この固定回転軸8にはヒンジ部材19が、固定回転軸8に対して回転可能に取り付けられている。ヒンジ部材19は断面がU字状の板成形体から成り、U字形の底部に操作レバー12が取り付けられるとともに、U字形の一対の脚部のうち基部4とは反対側の脚部には回動回転軸10が取り付けられている。回動回転軸10は固定回転軸8からみて半径方向外側に変位した位置に配置され、かつ両回転軸8、10は同じ方向に平行の関係に延びている。押圧部6は上記回動回転軸10を介してヒンジ部材19に回転可能で且つ回動回転軸10の軸方向に移動可能に連結されている。
【0024】
本実施形態の止水板1における上記の押圧機構は、上記のような構成を有することにより、
図3に示すように、押圧部6を基部4に対して略水平方向の外向き(
図3における矢印Y1の方向)及び略上向き(
図3における矢印Y2の方向)に変位可能となっている。ここで、
図3は、
図1に示す止水板1における押圧機構のメカニズムについて説明するための概略図である。
【0025】
即ち、
図3に示すように、基部4に取り付けられておりかつ板部材2からみてその占位を固定された固定回転軸8には、操作レバー12が取り付けられている。回動回転軸10は回動回転軸8からみて外側に設けられているため、この操作レバー12を
図3における矢印R1の向きに回すと、固定回転軸8を支点としてヒンジ部材19も矢印R1の向きに回動するとともに、回動回転軸10の軸芯が
図3における矢印R2で示される右上向きに変位する。
【0026】
上記のような回動回転軸10の変位にともなって、回動回転軸10の軸芯に対して回転可能に支持された押圧部6は、
図3において矢印Y1で示される略水平方向の外向き、及び矢印Y2で示される略上向きに変位する。この矢印Y1で示される略水平方向の外向きへの変位により押圧部材6は、先ず、建物開口20の内壁20cに当接する。更に操作レバー12を固定回転軸8を支点として矢印R1向きに回転させると、今度は、押圧部6は物開口20の内壁20cに強力に押圧した状態で、
図3において矢印Y2で示される略上向きにも変位しようとするが、上記矢印Y1方向の変位による押圧作用が反力となって働き、上記矢印Y2方向の変位は抑止される。
【0027】
これにより、それまで固定回転軸8の軸芯を支点として回転していた動作は、回動回転軸10の軸芯を支点とする回転動作に切り替わり、操作レバー12の押し下げ操作が固定回転軸8及び基部4を通して止水板1に加わる。よって、止水板1には、相対的に、
図3において矢印Zで示される方向に力が働くことになる。従って、操作レバー12の一回の押し下げ操作によって、略水平方向の外向きへの押圧による止水板1の固定作用と略下方向への押圧による高い止水作用を同時にもたらすことができる。
【0028】
ここで、本実施形態の止水板1の押圧機構の回動回転軸10の部分には、
図2に示すように、押圧部6を基部4に対して前後方向(即ち、
図2における上下方向、
図1における紙面からみて鉛直な回動回転軸10の軸方向)に相対的に移動可能とするバネ等の弾性部材(緩衝機構)14が設けられている。このように、基部4と押圧部6との間において、弾性部材14によって
図2における上下方向に力がかかっており、また止水板1と建物開口2の前面20aとの間には当て材21が介在していることから、
図2に示す水の流れによる力が止水板1に働いたとしても、押圧部6が建物開口の内壁を押圧して止水板1を固定しているため、止水板1を水の流れに対して抵抗する向きに力が働き、止水板1がより確実に固定されることとなる(通常水圧での止水作用)。
【0029】
更に、
図2に示す水の流れが増量して所定の制限水圧を超えた力が止水板1に働いた場合は、大きな力によって止水板1が建物開口2の前面20aに押し付けられ、上記した当て材が通常よりもさらに押圧されて圧縮するとともに止水板1(ひいては基部4及びヒンジ部材19)が建物開口20側に移動する。この止水板1の移動を受けると、押圧部6は弾性部材14により基部4に対して回動回転軸10の軸方向に相対的に移動可能に連結されているから、押圧部6は止まったままでヒンジ部材19及び回動回転軸10が弾性部材14を圧縮しながら相対的に移動する。これにより、押圧部6は建物開口20の内壁20cに押圧したままで止水板1を確実に固定する(異常水圧での止水作用)。よって、大きな水圧が止水板1に加わっても押圧機構が破壊されたり、押圧部6が建物開口20の内壁20cに対してずれることはない。
【0030】
また、本実施形態においては、
図1〜
図3に示すように、基部4が、止水板1の左右方向の移動を規制する当接部16を具備している。この当接部16を具備することにより、本実施形態の止水板1を建設開口に取り付ける際に、左右方向の移動を規制して左右方向において確実に固定することができる。
【0031】
次に、本実施形態の止水板1を、板部材2の両端部側に取り付けられた押圧機構を用いて建物開口に取り付ける方法について説明する。
図4は、
図1に示す止水板1を建物開口に取り付けた様子を示す概略図、即ち、本発明の止水構造の概略図であり、
図5は、
図1に示す止水板1を、板部材2の両端部側に取り付けられた押圧機構を用いて建物開口に取り付ける様子を説明するための概略図である。
【0032】
本実施形態の止水構造は、
図4に示すように、建物外にあたる前方から侵入しようとする水を止水する建物開口20の止水構造であって、建物開口20の前面20a及びグランド面20bに、板部材2を当接設置し、上記の基部4に設けられた押圧部6で建物開口20の内壁20cに押圧して止水する構造を有する。なお、
図4においては、左側の基部4及び押圧部6のみを示し、右側の基部4及び押圧部6は省略している。
【0033】
この
図4に示す止水構造は、
図5に示すように、まず、止水板1(板部材2)の左側Lの端部側に固定された基部4の当接部16を、建物開口の内壁20cに当接させ、止水板1が左方向に移動しないようにする。この状態で、止水板1(板部材2)の右側Rの端部側に固定された基部4の当接部16を、建物開口の内壁20cに当接するか微かに当接しない状態とし、操作レバー12を
図3の矢印R1の向きに回転移動させ、被覆部6aを有する押圧部6を右側Rの内壁20cに当接させる。この「当接」状態は押圧部6が右側Rの内壁20cに軽く当たった状態である。
【0034】
ついで、止水板1(板部材2)の右側Rの基部4に連結された操作レバー12をさらに矢印R1の向きに回転移動させ、被覆部6aを有する押圧部6を内壁20cに強力に押圧させる。さらに、止水板1(板部材2)の左側Lの押圧部6についても、右側Rと同様の操作で左側Lの内壁20cに強力に押圧させる。これにより、右側Rの押圧部6及び左側Lの押圧部6をそれぞれ右側R及び左側Lの内壁20cを押圧して、止水板1が固定される。
【0035】
このとき、
図3を用いて説明したメカニズムにより、
図4に示すように、止水板1には、矢印Zの向き及び矢印Y1の向きに力がかかるとともに、矢印Y1´の向きにも力がかかった状態で、建物開口20の前面20a及びグランド面20bに当接した状態で、建物開口20の内壁20cを押圧しつつ固定されるため、建物開口20に確実に固定・設置されることになる。
【0036】
このように、本実施形態の止水構造においては、上記のような簡便な構造を有し容易に取り付けることのできる本実施形態の止水板1を用いているため、止水板1を、建物開口20の前面20a及びグランド面20bに当接した状態で、建物開口20の内壁20cを押圧しつつ簡単に固定できるため、床下浸水や床上浸水等の水害が起こっても、短時間及び低労力で取り付けることができ、建物開口20から建物の内部への水の浸入を確実に防ぐことができる。また、建物間口に溝付支柱を取り付ける等の工事が一切不要であるため、建物の外観を損なうことがなく、工事による人の出入りを制限されることもない。
【0037】
以上、本発明の止水板及びこれを用いた止水構造の代表的な実施形態について図面を参照しつつ説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載の精神及び教示を逸脱しない範囲でその他の変形例や改良例が存在し、これらは全て本発明の技術的範囲に含まれる。
【0038】
例えば、上記実施形態においては、止水板1が基部4に対して前後方向に移動可能とする緩衝機構14を具備する態様について説明したが、かかる緩衝機構14は必ずしも存在しなくてもよい。また、上記実施形態においては、基部4が止水板1の左右方向の移動を規制する当接部16を具備する様について説明したが、かかる緩衝機構14は必ずしも存在しなくてもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、基部4及び押圧部6を含む押圧機構が板部材2の上側水平部の両端部側にそれぞれ取り付けられている態様について説明したが、一方の端部側のみに基部4及び押圧部6を含む押圧機構が取り付けられていてもよい。
【0040】
更には、基部4及び押圧部6を含む押圧機構が板部材2の上側水平部の両端部側にそれぞれ取り付けられている場合においては、例えば
図6に示すように、両端部側に設けられた操作レバー14を省略し、単一の操作レバーで両端部側の押圧機構を機能させる構造を採用してもよい。
【0041】
例えば、
図6に示すように、上記実施形態の操作レバー14を省略し、左右の押圧機構をロッド22で連結し、板部材2の上側水平部の略中央でその占位を固定した押圧機構作動用固定回動軸24を設ける。そして、押圧機構作動用固定回動軸24からみて線対称の位置に設けた接続部を有する回転体26において、左右のロッドを当該接続部に接続し、操作レバー18を矢印R3の向きに移動させることにより、押圧機構作動用固定回動軸24の回動及び回転体26の回転を起こし、これにより押圧機構を作動させてもよい。
【0042】
また、上記実施形態においては、基部4が板部材2の上側水平部に固定される態様について説明したが、例えば上側水平部にレールを設けて、そのレール内において左右方向に移動させて任意の位置に固定可能なスライド機構を有する態様としてもよい。例えば、
図7に示すように、板部材2の上側水平部の端部側に直線状のスリット28aを有する板状のレール部材28をビス等で固定し、ここに上記の押圧機構の基部4のうちの水平部4aを、水平方向に適宜移動させてボルト及びナット等で固定すればよい。このように上側水平部にレール部材28を設けることで、ある程度の範囲において、間口幅が異なる間口にも取付け可能となる。