(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
REP(Resilient Ethernet Protocol)プロトコルに対応する各ネットワーク機器によりレイヤ2網を形成するネットワークを管理対象ネットワークとして管理するNMS(Network Management System)サーバとNMSクライアント端末とからなるネットワーク管理システムであって、
前記NMSサーバは、
あらかじめ定めた周期で定期的に各前記ネットワーク機器からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREPプロトコルに準拠したREP−MIB(Management Information Base:管理情報ベース)情報として収集する収集部と、
各前記ネットワーク機器から収集した前記構成情報を解析して、解析結果として、前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を生成する解析部と、
生成した前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を保存する蓄積部と、
を有し、
前記構成情報は、前記ネットワーク機器の各ポートのセグメント情報及びエッジポートタイプ情報を含み、
前記セグメント構成情報は、前記ネットワーク機器の各ポートのセグメント情報及びエッジポートタイプ情報に基づいた各セグメントの構成情報である、
ことを特徴とするネットワーク管理システム。
前記収集部は、前記管理対象ネットワークの前記ネットワーク機器から該ネットワーク機器のポートのリンク断またはリンク復旧に関する状態変化発生通知を受信した際に、該状態変化発生通知に関連する前記ネットワーク機器からそれぞれの前記構成情報を前記REP−MIB情報として収集する機能をさらに有し、
前記解析部は、前記状態変化発生通知に関連する前記ネットワーク機器から収集されたそれぞれの前記構成情報を解析することにより、REPトポロジの各セグメントを構成する前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報を取得する機能をさらに有し、
前記蓄積部は、取得した前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報を蓄積する機能をさらに有し、
前記NMSサーバは、
前記解析部において取得した前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報をビジュアル化した形式に変換し、前記NMSクライアント端末に送信して、該NMSクライアント端末の画面上に画面表示させて、該NMSクライアント端末のオペレータにリアルタイムに通知させる、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のネットワーク管理システム。
REP(Resilient Ethernet Protocol)プロトコルに対応する各ネットワーク機器によりレイヤ2網を形成するネットワークを管理対象ネットワークとして管理するNMS(Network Management System)サーバとNMSクライアント端末とからなるネットワーク管理システムにおけるネットワーク管理方法であって、
前記NMSサーバは、
あらかじめ定めた周期で定期的に各前記ネットワーク機器からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREPプロトコルに準拠したREP−MIB(Management Information Base:管理情報ベース)情報として収集する収集ステップと、
各前記ネットワーク機器から収集した前記構成情報を解析して、解析結果として、前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を生成する解析ステップと、
生成した前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を保存する蓄積ステップと、
を有し、
前記構成情報は、前記ネットワーク機器の各ポートのセグメント情報及びエッジポートタイプ情報を含み、
前記セグメント構成情報は、前記ネットワーク機器の各ポートのセグメント情報及びエッジポートタイプ情報に基づいた各セグメントの構成情報である、
ことを特徴とするネットワーク管理方法。
前記収集ステップは、前記管理対象ネットワークの前記ネットワーク機器から該ネットワーク機器のポートのリンク断またはリンク復旧に関する状態変化発生通知を受信した際に、該状態変化発生通知に関連する前記ネットワーク機器からそれぞれの前記構成情報を前記REP−MIB情報として収集する機能をさらに有し、
前記解析ステップは、前記状態変化発生通知に関連する前記ネットワーク機器から収集されたそれぞれの前記構成情報を解析することにより、REPトポロジの各セグメントを構成する前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報を取得する機能をさらに有し、
前記蓄積ステップは、取得した前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報を蓄積する機能をさらに有し、
前記NMSサーバは、
前記解析ステップにおいて取得した前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報をビジュアル化した形式に変換し、前記NMSクライアント端末に送信して、該NMSクライアント端末の画面上に画面表示させて、該NMSクライアント端末のオペレータにリアルタイムに通知させる、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のネットワーク管理方法。
REP(Resilient Ethernet Protocol)プロトコルに対応する各ネットワーク機器によりレイヤ2網を形成するネットワークを管理対象ネットワークとして管理するNMS(Network Management System)サーバとNMSクライアント端末とからなるネットワーク管理システムにおいてネットワーク管理に関する処理を実行するネットワーク管理プログラムであって、
前記NMSサーバは、
あらかじめ定めた周期で定期的に各前記ネットワーク機器からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREPプロトコルに準拠したREP−MIB(Management Information Base:管理情報ベース)情報として収集する収集処理と、
各前記ネットワーク機器から収集した前記構成情報を解析して、解析結果として、前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を生成する解析処理と、
生成した前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を保存する蓄積処理と、
を有し、
前記構成情報は、前記ネットワーク機器の各ポートのセグメント情報及びエッジポートタイプ情報を含み、
前記セグメント構成情報は、前記ネットワーク機器の各ポートのセグメント情報及びエッジポートタイプ情報に基づいた各セグメントの構成情報である、
ことを特徴とするネットワーク管理プログラム。
前記収集処理は、前記管理対象ネットワークの前記ネットワーク機器から該ネットワーク機器のポートのリンク断またはリンク復旧に関する状態変化発生通知を受信した際に、該状態変化発生通知に関連する前記ネットワーク機器からそれぞれの前記構成情報を前記REP−MIB情報として収集する機能をさらに有し、
前記解析処理は、前記状態変化発生通知に関連する前記ネットワーク機器から収集されたそれぞれの前記構成情報を解析することにより、REPトポロジの各セグメントを構成する前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報を取得する機能をさらに有し、
前記蓄積処理は、取得した前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報を蓄積する機能をさらに有し、
前記NMSサーバは、
前記解析処理において取得した前記ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態を示す情報をビジュアル化した形式に変換し、前記NMSクライアント端末に送信して、該NMSクライアント端末の画面上に画面表示させて、該NMSクライアント端末のオペレータにリアルタイムに通知させる、
ことを特徴とする請求項8または9に記載のネットワーク管理プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1等に記載された本発明に関連する現状の技術においては、以下のような解決するべき課題がある。
【0007】
第1の課題は、前記特許文献1等に記載された本発明に関連する現状の技術では、ネットワークが大規模になるにつれ、ネットワークの管理が複雑化してしまうことである。その理由は、次の点にある。通常、ネットワークの管理を行っている管理者や運用者は、ネットワーク構成図を作成して、作成したネットワーク構成図を参照して管理を行うようにしているからである。ここで、ネットワークが大規模化すると、ネットワーク構成図も大規模になり、例えば、運用開始後においてネットワーク構成の変更があった場合には、ネットワーク機器側の実際の設定とネットワーク構成図とに齟齬が発生する場合が多くなり、管理者や運用者が混乱を来たす場合が生じ易くなる。
【0008】
第2の課題は、前記特許文献1等に記載された本発明に関連する現状の技術では、ネットワークにおける障害の発生時や復旧時に、ポートのブロッキング状態の変化の確認に時間がかかることである。その理由は、障害の発生時や復旧時において、障害が発生したセグメント内や復旧したセグメント内の各ネットワーク機器にアクセスして、ポート情報を取得することがまず必要になり、さらに、取得したポート情報を解析することによりブロッキングポートを特定することが必要になるからである。つまり、現状のネットワーク管理システム(NMS)においては、各ポートの物理的なリンク断やリンク復旧の監視を行うことは可能であるものの、それに伴うセグメント内のブロッキングポートの遷移(ポートの状態変化)までをリアルタイムに判断することができないからである。
【0009】
(本開発の目的)
本開発の目的は、かかる課題に鑑み、画面上に、現時点の管理対象ネットワークのトポロジ情報を正確にビジュアル化して画面表示することが可能なネットワーク管理システム、ネットワーク管理方法およびネットワーク管理プログラムを提供することにある。
【0010】
さらに、本開発の目的は、該管理対象ネットワークを構成するネットワーク機器のポートの状態変化をリアルタイムに画面表示して当該管理対象ネットワークのオペレータ(ネットワーク管理者やネットワーク運用者)に通知することが可能なネットワーク管理システム、ネットワーク管理方法およびネットワーク管理プログラムを提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するため、本発明によるネットワーク管理システム、ネットワーク管理方法およびネットワーク管理プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。
【0012】
(1)本発明によるネットワーク管理システムは、
REP(Resilient Ethernet Protocol)プロトコルに対応する各ネットワーク機器によりレイヤ2網を形成するネットワークを管理対象ネットワークとして管理するNMS(Network Management System)サーバとNMSクライアント端末とからなるネットワーク管理システムであって、
前記NMSサーバは、
あらかじめ定めた周期で定期的に各前記ネットワーク機器からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREPプロトコルに準拠したREP−MIB(Management Information Base:管理情報ベース)情報として収集する収集部と、
各前記ネットワーク機器から収集した前記構成情報を解析して、解析結果として、前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を生成する解析部と、
生成した前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を保存する蓄積部と、
を有していることを特徴とする。
【0013】
(2)本発明によるネットワーク管理方法は、
REP(Resilient Ethernet Protocol)プロトコルに対応する各ネットワーク機器によりレイヤ2網を形成するネットワークを管理対象ネットワークとして管理するNMS(Network Management System)サーバとNMSクライアント端末とからなるネットワーク管理システムにおけるネットワーク管理方法であって、
前記NMSサーバは、
あらかじめ定めた周期で定期的に各前記ネットワーク機器からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREPプロトコルに準拠したREP−MIB(Management Information Base:管理情報ベース)情報として収集する収集ステップと、
各前記ネットワーク機器から収集した前記構成情報を解析して、解析結果として、前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を生成する解析ステップと、
生成した前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を保存する蓄積ステップと、
を有していることを特徴とする。
【0014】
(3)本発明によるネットワーク管理プログラムは、
REP(Resilient Ethernet Protocol)プロトコルに対応する各ネットワーク機器によりレイヤ2網を形成するネットワークを管理対象ネットワークとして管理するNMS(Network Management System)サーバとNMSクライアント端末とからなるネットワーク管理システムにおいてネットワーク管理に関する処理を実行するネットワーク管理プログラムであって、
前記NMSサーバは、
あらかじめ定めた周期で定期的に各前記ネットワーク機器からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREPプロトコルに準拠したREP−MIB(Management Information Base:管理情報ベース)情報として収集する収集処理と、
各前記ネットワーク機器から収集した前記構成情報を解析して、解析結果として、前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を生成する解析処理と、
生成した前記管理対象ネットワークに関するREPトポロジのセグメント構成情報を保存する蓄積処理と、
を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のネットワーク管理システム、ネットワーク管理方法およびネットワーク管理プログラムによれば、主に、以下のような効果を奏することができる。
【0016】
すなわち、本発明によれば、管理対象ネットワークのトポロジ情報として、REP(Resilient Ethernet Protocol:レジリエント・イーサネット・プロトコル)により構成されたレイヤ2(Layer2)網の構成情報を定期的に保存することにより、現時点の管理対象ネットワークのトポロジ情報をビジュアル化して画面上に正確に表示することができることである。したがって、本発明の適用により、該管理対象ネットワークが大規模なネットワークであっても、該管理対象ネットワークの管理を容易に行うことが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明によるネットワーク管理システム、ネットワーク管理方法およびネットワーク管理プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明によるネットワーク管理システムおよびネットワーク管理方法について説明するが、かかるネットワーク管理方法をコンピュータにより実行可能なネットワーク管理プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、ネットワーク管理プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。
【0019】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、管理対象のネットワークをREP(Resilient Ethernet Protocol:レジリエント・イーサネット・プロトコル)プロトコルを用いて構成されたレイヤ2(Layer2)網とし、該管理対象のネットワークの管理を行うために、現時点のネットワークの構成情報(トポロジ情報)をREPトポロジのセグメント構成情報として取得・生成して、画面上にビジュアル化して画面表示させることを主要な特徴としている。而して、管理対象のネットワークのオペレータ(ネットワーク管理者やネットワーク運用者)は、該管理対象のネットワークの現時点のトポロジ状態を分かり易く管理することができる。
【0020】
さらに、該管理対象のネットワークを構成するネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態の変化をリアルタイムに画面表示してオペレータ(ネットワーク管理者やネットワーク運用者)に通知することを可能にすることも、本発明の主要な特徴の一つとしている。
【0021】
より具体的に説明すると、次の通りである。管理対象のネットワークの管理方式として、REPプロトコルを用いて構成されたレイヤ2網の各ネットワーク機器から、REP−MIB(Management Information Bas:管理情報ベース)情報をあらかじめ定めた周期で定期的に取得して、その都度、取得したREP−MIB情報を解析した結果を、画面上にビジュアル化して画面表示したネットワーク構成図に反映させる仕組みを有することを主要な特徴としている。而して、管理対象のネットワークのオペレータ(ネットワーク管理者やネットワーク運用者)は、該管理対象のネットワークの現時点のトポロジ状態を正確に把握して管理することができる。
【0022】
さらに、各ネットワーク機器におけるポートのブロッキング状態に関しても、ポートのリンク断障害やリンク復旧の状態変化をトリガーにして、該当するセグメント内の各ネットワーク機器からREP−MIB情報を取得して、解析した結果として得られたブロッキングポートの遷移(ポートの状態変化)をリアルタイムで画面上のネットワーク構成図に画面表示させる仕組みを有していることも主要な特徴の一つとしている。而して、管理対象のネットワークのオペレータ(ネットワーク管理者やネットワーク運用者)は、各ネットワーク機器におけるポートのブロッキング状態の変化についても、リアルタイムで確実に把握することができる。
【0023】
(本発明の実施形態の構成例の説明]
次に、本発明の実施形態として、本発明に係るネットワーク管理システムのシステム構成例について
図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るネットワーク管理システム(NMS:Network Management System)のシステム構成の一例を示す構成図であり、本発明に係るネットワーク管理システムにおけるREPトポロジのリアルタイム描画方式を説明するための全体構成図の一例を示している。
【0024】
図1に示すネットワーク管理システムは、NMSクライアント端末101、NMSサーバ102および1ないし複数のネットワーク機器103により構成される。1ないし複数のネットワーク機器103全体は、管理対象ネットワーク103Aと称することとする。NMSクライアント端末101はNMSサーバ102に接続されている。また、NMSサーバ102は、管理対象ネットワーク103Aを構成する各ネットワーク機器103を接続している。ここで、各ネットワーク機器103は、シスコ(Cisco)社製のREP(Resilient Ethernet Protocol:レジリエント・イーサネット・プロトコル)に対応する機能を有し、管理対象ネットワーク103AとしてREPプロトコルを適用したレイヤ2(Layer2)網を形成している。
【0025】
図1に示すネットワーク管理システムにおいては、管理対象ネットワーク103Aに接続したNMSサーバ102が、管理対象ネットワーク103Aを構成する各ネットワーク機器103から、REPトポロジ構成に関する情報すなわちREP−MIB(Management Information Bas:管理情報ベース)情報をあらかじめ定めた周期で定期的に取得する。そして、その都度、取得したREP−MIB情報を解析した結果であるトポロジ情報を、NMSクライアント端末101の画面上にビジュアル化した形で画面表示する(すなわち画面上に表示されているネットワーク構成図に反映させる)ように動作する。
【0026】
また、管理対象ネットワーク103Aを構成する各ネットワーク機器103のポートのリンク断またはリンク復旧の状態変化を契機にして、関連する各ネットワーク機器103からREP−MIB情報を収集して解析する。そして、解析結果として、ポートのブロッキング状態を取得して、ポートのブロッキング状態をNMSクライアント端末101の画面上にリアルタイムに表示して、オペレータにリアルタイムに通知する。
【0027】
ここで、REPプロトコルとは、レイヤ2ネットワーク設計においてスパニングツリープロトコル(STPプロトコル)に代わって使用されるシスコ(Cisco)社製のプロトコルであり、REPトポロジの構成情報として、チェーンでつないだポートの集合であるセグメントを最小ネットワーク構成要素として使用する。
【0028】
なお、REPプロトコルを適用したレイヤ2網を構成する管理対象ネットワーク103Aに関するネットワークの管理方式は、ネットワーク構築時に導入されている既存のネットワーク管理システム(NMS)に対しても容易に組み込むことが可能であり、ハードウェアを伴う新たなシステムを構築する必要はない。したがって、導入コストを大幅に削減することが可能である。
【0029】
次に、
図1に示したNMSサーバ102の内部構成の一例について
図2を用いて説明する。
図2は、
図1に示したNMSサーバ102の内部構成の一例を示すブロック構成図であり、本発明に係るREPトポロジのリアルタイム描画を実施する主要部に焦点を当てて記載している。
図2に示すように、NMSサーバ102は、REPトポロジのリアルタイム描画を行う機能ブロックとして、収集部11、解析部12、蓄積部13、通知部14を少なくとも含んで構成される。
【0030】
収集部11は、管理対象ネットワーク103Aを構成する各ネットワーク機器103からREPトポロジ構成に関する構成情報をREP−MIB情報としてあらかじめ定めた周期で定期的に収集する。また、解析部12は、収集部11において収集した各ネットワーク機器103のREP−MIB情報(REPトポロジ構成に関する構成情報)を解析して、REPトポロジ情報(すなわち管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジのセグメント構成情報)を生成する。
【0031】
また、蓄積部13は、解析部12において解析した各ネットワーク機器103のREP−MIB情報の解析結果(すなわち管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジのセグメント構成情報)を蓄積する。また、通知部14は、NMSクライアント端末101からの要求に応じて、蓄積部13に蓄積された各ネットワーク機器103のREP−MIB情報の解析結果(すなわち管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジのセグメント構成情報)を、ビジュアル化した形式に変換して、NMSクライアント端末101に送付する。その結果、管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジのセグメント構成の情報をネットワーク構成図としてNMSクライアント端末101の画面上に描画することができる。
【0032】
さらに、ポートのリンク断障害またはリンク復旧(Down情報またはUp情報)の状態変化発生をトリガーにして、収集部11において、状態変化発生に関連する各ネットワーク機器103からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREP−MIB情報として収集する機能も有している。そして、該リンク断障害またはリンク復旧の状態変化の発生をトリガーにしてREP−MIB情報として収集した構成情報を、解析部12において解析して、REPトポロジの各セグメントを構成する各ネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態を示す情報を取得する機能も有している。
【0033】
そして、解析部12において解析結果として取得したネットワーク機器103のポートのブロッキング状態を示す情報を、蓄積部13において蓄積するとともに、さらに、通知部14において、該ポートのブロッキング状態を示す情報をビジュアル化した形式に変換して、NMSクライアント端末101の画面上に画面表示して、NMSクライアント端末101のオペレータに対してリアルタイムで通知する機能も有している。
【0034】
(本発明の実施形態の動作例の説明]
次に、一実施形態として
図1および
図2に示したネットワーク管理システムの動作について、その一例を
図1および
図2を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図1および
図2のネットワーク管理システムにおいて、NMSサーバ102は、あらかじめ定めた周期で定期的に、管理対象ネットワーク103Aを構成する各ネットワーク機器103のREPトポロジ構成に関する構成情報を、REP−MIB情報として収集部11にて収集している。そして、NMSサーバ102は、収集した各ネットワーク機器103のREPトポロジ構成に関する構成情報に対して、解析部12にて解析処理を行い、管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジのセグメント構成情報をREPトポロジ情報として取得して蓄積部13により蓄積する。
【0036】
しかる後、NMSクライアント端末101からREPトポロジ情報の送信要求を受け取った際に、蓄積された該REPトポロジ情報をビジュアル化した形式に変換して、当該NMSサーバ102にログインして送信要求してきたNMSクライアント端末101に対して送信することにより、該NMSクライアント端末101の画面上にビジュアル化した形式で該REPトポロジ情報を画面表示させる。
【0037】
また、管理対象ネットワーク103Aを構成する各ネットワーク機器103は、ポートのリンク断/復旧(Down/Up)の状態変化が発生すると、NMSサーバ102に対して、ポートの該状態変化を通知する。NMSサーバ102は、ポートの該状態変化の通知を収集部11にて受信すると、該状態変化の通知をトリガーにして、該状態変化に関連する各ネットワーク機器103に対してポートのブロッキング状態を含むREP−MIB情報の送信要求を行い、各ネットワーク機器103からポートのブロッキング状態を含むREP−MIB情報を収集する。
【0038】
そして、収集したREP−MIB情報を解析部12にて解析し、解析した結果に基づいて、ポートのブロッキング状態の変化を検出すると、蓄積しているREPトポロジ情報を更新して蓄積部13により蓄積し直す。さらに、ポートのブロッキング状態の変化情報を通知部14により当該NMSサーバ102にログインしているNMSクライアント端末101にリアルタイムに送信して、ポート状態の変化を画面表示させて該NMSクライアント端末101のオペレータに通知する。
【0039】
(本発明の具体的な実施例)
前述した実施形態においては、ネットワーク管理システム(NMS)により収集したREP−MIB情報から、管理対象ネットワーク103Aに関するネットワークトポロジを画面表示する方式の一例を説明したが、かかる方式を用いれば、以下に具体的に説明するように、ネットワーク管理システム(NMS)による管理対象ネットワーク103Aに関する(レイヤ2階層における)REPトポロジのリアルタイム描画を実現することができる。
【0040】
まず、解析対象とするREP−MIB情報の具体的な内容の一例について説明する。
図3は、
図1に示したNMSサーバ102において管理対象ネットワーク103Aの各ネットワーク機器103から取得したREP−MIB情報の解析情報の一例を示すテーブルである。つまり、
図3は、REPトポロジのリアルタイム描画方式を説明するために、各ネットワーク機器103から取得したREP−MIB情報の具体的な解析情報の一例を示している。
【0041】
図3のテーブルにおいては、管理対象ネットワーク103Aは、ホスト名がHOST−01(IPアドレス:10.110.1.1)〜HOST−06(IPアドレス:10.110.1.6)の6台のノードすなわちネットワーク機器103から構成されている例を示している。そして、6台のネットワーク機器103それぞれから取得したREP−MIB情報の解析情報として、
図3のテーブルに示すcrepIfSegmentId(セグメント識別子)21、crepIfAdminEdgePortType(エッジポートタイプ)22、crepIfPortRole(ポート状態/役割)23それぞれに関するサンプル値を収集して解析する場合を示している。
【0042】
なお、
図3において、crepIfSegmentId21欄に記載の‘enterprises.9.9.601.1.2.1.1.2’は、管理対象ネットワーク103AのセグメントIDの識別子であることを示し、また、crepIfAdminEdgePortType 22欄に記載の‘enterprises.9.9.601.1.2.1.1.6’は、管理対象ネットワーク103Aのエンドポートタイプの識別子であることを示し、また、crepIfPortRole23欄に記載の‘enterprises.9.9.601.1.2.1.1.4’は、管理対象ネットワーク103Aのポート状態(役割)の識別子であることを示している。また、それぞれの欄の各識別子に続く‘101××’は、ポート番号を示し、‘=’の右辺に示す番号が、それぞれの識別子における値を示している。
【0043】
ここで、crepIfSegmentId21は、管理対象の各ネットワーク機器103が所属するREPセグメントとポートとの情報を表している。例えば、ホスト名がHOST−01のネットワーク機器103の場合は、REPセグメント‘500’として2つのポート(ポート番号‘10114’、‘10116’)を有し、REPセグメント‘502’として1つのポート(ポート番号‘10112’)を有していることを表している。
【0044】
また、crepIfAdminEdgePortType22は、セグメントに所属するポートのタイプを表している。値が‘1’の場合はnotEdge(エッジポートではない)ことを表し、値が‘2’の場合はedge(エッジポート)すなわちセカンダリエッジポートを表し、値が‘3’の場合はedgePrimary(プライマリエッジポート:すなわちトラフィック負荷バランシングを実施するポート)を表している。なお、edgePrimary(プライマリエッジポート)とedge(エッジポート)とは、各セグメントに1つずつしか存在しない。
【0045】
例えば、ホスト名がHOST−01のネットワーク機器103の場合は、REPセグメント‘500’における2つのポートのうち、第1のポート(ポート番号‘10114’)は‘3’すなわち edgePrimary(プライマリエッジポート)であり、第2のポート(ポート番号‘10116’)は‘2’すなわち edge(エッジポート)であることを表し、REPセグメント‘502’における1つのポート(ポート番号‘10112’)も‘2’すなわち edge(エッジポート)であることを表している。
【0046】
また、crepIfPortRole(REPポートの状態)23は、セグメントに所属するポートのブロッキング状態を表している。値が‘1’の場合はfailedPort(ブロッキング状態のポート)すなわち通信不可能な状態のポートを表し、値が‘2’の場合はalternatePort(代替ポート)すなわち代替が可能な状態のエッジポート(edgePrimary(プライマリエッジポート)またはedge(エッジポート))を表し、値が‘3’の場合はopenPort(オープン状態のポート)すなわち通信可能な状態のポートを表している。
【0047】
例えば、ホスト名がHOST−01のネットワーク機器103の場合は、REPセグメント‘500’における2つのポートのうち、第1のポート(ポート番号‘10114’)は‘2’すなわちすなわち alternatePort(代替ポート)であり、第2のポート(ポート番号‘10116’)は‘1’すなわち failedPort(ブロッキング状態のポート)であることを表している。また、REPセグメント‘502’における1つのポート(末尾番号‘10112’)は‘2’すなわちalternatePort(代替ポート)であることを表している。
【0048】
図3のテーブルに示したREP−MIB情報をNMSサーバ102の解析部12において解析した結果、
図4に示すようなREPトポロジ情報を現時点におけるネットワーク構成図としてNMSクライアント端末101の画面上にリアルタイムで表示させることができる。
図4は、
図3に一例として示した各ネットワーク機器103のREP−MIB情報の解析結果として得られるREPトポロジ情報のリアルタイム描画方式に基づく管理対象ネットワーク103Aの一描画例を示すネットワーク構成図である。
【0049】
図3に示したようなREP−MIB情報を各ネットワーク機器103から収集した場合、
図4のネットワーク構成図の画面表示例に示すように、REPトポロジ情報として、セグメントID31を、細線で囲んで示す第1セグメントのセグメントID‘500’と太線で囲んで示す第2セグメントのセグメントID‘502’との2つをビジュアル化して表現することになる。そして、第1セグメントのセグメント範囲32として、各ノード(すなわち、HOST−01、HOST−02、HOST−03、HOST−04、HOST−01)のポート間を細線のチェーンでビジュアル化して接続して表し、第2セグメントのセグメント範囲32として、各ノード(すなわち、HOST−03、HOST−05、HOST−06、HOST−01)のポート間を太線のチェーンでビジュアル化して接続して表現している。
【0050】
さらに、各セグメントにおけるプライマリエッジポートの位置を示すプライマリエッジポート位置33を○印のシンボルでビジュアル化して表示し、各セグメントにおけるセカンダリエッジポートの位置を示すセカンダリエッジポート位置34を○印内に横棒を付したシンボルでビジュアル化して表示している。また、通信不可能なブロッキング状態にあるポートの位置を示すブロッキング状態ポート位置35を、○印内に×を付したシンボルによってビジュアル化して表現している。
【0051】
なお、
図4に示す表示例においては、ホスト名がHOST−01であるネットワーク機器103(ノード)の第2ポート(ポート番号‘10116’)に、エッジポート(すなわちセカンダリエッジポート位置34)を示すシンボル表示とブロッキング状態ポート(すなわちブロッキング状態ポート位置35)を示すシンボル表示とを別個に表示しているが、ビジュアル化を確保することが可能な範囲内であれば、双方のシンボル表示を一つに合成させて表示するようにしても構わない。
【0052】
次に、管理対象ネットワーク103Aに関するトポロジ情報を描画する動作と、ポートのブロッキング状態が発生した場合の通知に関する動作とに関して、より具体的な実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0053】
まず、管理対象ネットワーク103Aに関するトポロジ情報を描画する動作について、その一例を、
図5と
図6とを参照しながら説明する。
図5は、
図4に一例として示したようなREPトポロジ情報のリアルタイム描画方式においてREPトポロジ描画を実現するNMSサーバの具体的な内部構成の一例を示すブロック構成図である。つまり、
図5は、REPトポロジ情報のリアルタイム描画方式のうち、トポロジ描画機能に関連する機能ブロックに着目して示している。
図5に示すNMSサーバ102Aは、GW部、共通部、画面部から構成され、GW部にはSNMP GW部41を有し、また、共通部には構成情報管理部42、GUI管理部43および構成情報データベース44を有し、また、画面部には画面アプリケーション部45を有している。
【0054】
ここで、SNMP GW部41は、管理対象ネットワーク103Aを構成するネットワーク機器103とNMSサーバ102Aとの間のインタフェースを司る機能を有し、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを用いて各ネットワーク機器103のREPトポロジ構成に関する構成情報を収集する機能を有している。すなわち、SNMP GW部41は、
図2に示した収集部11に相当する機能を有している。
【0055】
また、構成情報管理部42は、SNMP GW部41により収集した構成情報を解析し、解析結果をREPトポロジ情報(すなわち管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジのセグメント構成情報)として構成情報データベース44に保存する機能を有している。すなわち、構成情報管理部42は、
図2に示した解析部12と蓄積部13との双方に相当する機能を有している。
【0056】
また、GUI管理部43は、構成情報管理部42にて生成したREPトポロジ情報をビジュアル化して画面部の画面アプリケーション部45に出力して画面表示させるためのGUI(Graphical User Interface)インタフェースを有している。また、構成情報データベース44は、管理対象のネットワーク機器103のREPトポロジ情報を蓄積して管理しているデータベースである。
【0057】
また、画面アプリケーション部45は、共通部のGUI管理部43から取得したREPトポロジ情報をビジュアル化した形式に変換した情報を、該当する画面(
図1に示したNMSクライアント端末101の画面に相当する画面)上に画面表示する機能を有している。
【0058】
なお、
図5に示すNMSサーバ102Aにおいては、SNMP GW部41を配置して、ネットワーク監視プロトコルとして、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを用いて、各ネットワーク機器103の構成情報を収集する例を示しているが、SNMPプロトコルの代わりに、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークのリモート制御プロトコル(アプリケーション層プロトコル)としてのTelnet(全てのデータを暗号化しない状態で送受信するプロトコル)やSSH(Secure Shell:全てのデータを暗号化した状態で送受信するプロトコル)を用いて、各ネットワーク機器103の構成情報を収集するようにしても良い。
【0059】
次に、
図5に示すNMSサーバ102Aの動作について、その一例を、
図6のフローチャートを用いて説明する。
図6は、
図5のNMSサーバ102Aにおけるトポロジ情報の描画動作の一例を示すフローチャートであり、REPトポロジ情報のリアルタイム描画方式のうち、トポロジ描画に焦点を当てて説明している。
図6のフローチャートにおいて、NMSサーバ102Aは、まず、SNMP GW部41にて、あらかじめ定めた周期毎に、定期的に、管理対象の各ネットワーク機器103からREPトポロジ構成に関する構成情報をREP−MIB情報として収集して、構成情報管理部42に送信する(ステップS1)。すなわち、ステップS1は、
図5のトポロジ描画動作のトリガーとなるREP−MIB情報受信ステップである。
【0060】
次いで、NMSサーバ102Aの構成情報管理部42は、SNMP GW部41において収集した構成情報を受信すると、受信した該構成情報を解析、加工して、解析・加工結果をREPトポロジ情報(すなわちREPトポロジのセグメント構成情報)として構成情報データベース44に保存する(ステップS2)。
【0061】
そして、NMSクライアント端末101からのトポロジ情報描画要求を受け取った画面アプリケーション部45が、共通部のGUI管理部43に対してトポロジ情報の表示要求を行うと、GUI管理部43は、構成情報データベース44に保存されているREPトポロジ情報を取得して、該REPトポロジ情報をビジュアル化した画面表示形式に変換して画面アプリケーション部45に対して返送する。画面アプリケーション部45は、返送されてきた該REPトポロジ情報に関する画面表示情報を、該当する画面上すなわち要求元のNMSクライアント端末101の画面上に画面表示する(ステップS3)。
【0062】
以上のような動作を行うことにより、NMSクライアント端末101のオペレータの要求に応じて、現時点における管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジ情報をリアルタイムで該NMSクライアント端末101に画面表示することができる。
【0063】
次に、管理対象ネットワーク103Aを構成するネットワーク機器103のポートにブロッキング状態の変化が発生した場合のリアルタイム通知に関する動作について、その一例を、
図7と
図8とを参照しながら説明する。
図7は、
図4に一例として示したようなREPトポロジ情報のリアルタイム描画方式においてポートのブロッキング状態の変化を画面表示するNMSサーバの具体的な内部構成の一例を示すブロック構成図である。つまり、
図7は、REPトポロジ情報のリアルタイム描画方式のうち、ポートのブロッキング状態の表示機能に関連する機能ブロックに着目して示している。
【0064】
図7に示すNMSサーバ102Bは、
図5に示したNMSサーバ102Aと同様、GW部、共通部、画面部から構成され、共通部には構成情報管理部42、GUI管理部43および構成情報データベース44を有し、また、画面部には画面アプリケーション部45を有しているが、GW部には、
図5の場合とは異なり、SNMP GW部41の他に、さらに、状態変化判定部46を追加して有している。
【0065】
ここで、SNMP GW部41は、
図5の場合と同様、管理対象ネットワーク103Aを構成するネットワーク機器103とNMSサーバ102Bとの間のインタフェースを司る機能を有し、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを用いて、各ネットワーク機器103の構成情報を収集する機能を有している。
図7においては、SNMP GW部41は、さらに、各ネットワーク機器103のポートに関する状態変化情報すなわちリンクDown/Up情報(通信リンク断/通信リンク復旧の情報)をTrap(トラップ)情報として収集し、また、ポートのブロッキング状態を含む情報をREP−MIB情報として収集する機能も有している。
【0066】
なお、
図5の場合と同様、SNMP(Simple Network Management Protocol)プロトコルを用いる代わりに、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークのリモート制御プロトコルとしてのTelnetプロトコルやSSHプロトコルを用いて、各ネットワーク機器103の構成情報を収集し、かつ、各ネットワーク機器103のポートに関する状態変化情報を監視するようにしても良い。
【0067】
また、
図7においてGW部にさらに追加した状態変化判定部46は、SNMP GW部41においてTrap情報として受信したポートに関するリンクDown/Up情報(リンク断またはリンク復旧の情報)から、ポートの状態変化の発生の有無を判定する機能を有している。
【0068】
また、構成情報管理部42は、
図5の場合と同様、SNMP GW部41により収集した構成情報を解析し、解析結果をREPトポロジ情報として構成情報データベース44に保存する機能を有している。
図7においては、構成情報管理部42は、さらに、SNMP GW部41により収集したポートのブロッキング状態を解析し、解析結果をREPトポロジ情報として構成情報データベース44に保存する機能も有している。
【0069】
また、GUI管理部43は、
図5の場合と同様、構成情報管理部42にて生成したREPトポロジ情報を画面部の画面アプリケーション部45に出力して画面表示させるためのGUI(Graphical User Interface)インタフェースを有している。
図7においては、GUI管理部43は、さらに、状態変化判定部46の判定結果に基づいて、ポートに関する状態変化すなわちポートのブロッキング状態の変化を、ビジュアル化して、NMSクライアント端末101に通知するためのインタフェースも有している。
【0070】
また、構成情報データベース44は、
図5の場合と同様、管理対象のネットワーク機器103のREPトポロジ情報を蓄積して管理しているデータベースであり、
図7においては、前述したように、ポートのブロッキング状態の解析結果もREPトポロジ情報として蓄積している。
【0071】
また、画面アプリケーション部45は、
図5の場合と同様、REPトポロジ情報をビジュアル化した形式に変換した共通部のGUI管理部43から取得した情報を
図1に示したNMSクライアント端末101の画面上に表示する機能を有している。
図7においては、画面アプリケーション部45は、さらに、ポートに関する状態変化すなわちポートのブロッキング状態の変化をNMSクライアント端末101の画面上にリアルタイムで画面表示して、NMSクライアント端末101のオペレータに通知する機能も有している。
【0072】
次に、
図7に示すNMSサーバ102Bの動作について、その一例を、
図8のフローチャートを用いて説明する。
図8は、
図7のNMSサーバ102Bにおけるポートのブロッキング状態通知動作の一例を示すフローチャートであり、REPトポロジ情報のリアルタイム描画方式のうち、ポートのブロッキング状態変化を通知する動作に焦点を当てて説明している。
【0073】
図8のフローチャートにおいて、まず、管理対象ネットワーク103Aのいずれかのネットワーク機器103にポートのリンクDown/Upの変化が発生すると、ポートのリンクDown/Upの変化が発生したネットワーク機器103は、SNMPプロトコルのTrap(トラップ)情報として、ポートに関するリンクDown/Up発生情報を、NMSサーバ102Bに対して送信してくる。
【0074】
NMSサーバ102Bは、ネットワーク機器103からTrap情報として送信されてきたポートに関するリンクDown/Up発生情報を、SNMP−GW部41において受信すると、受信したポートに関するリンクDown/Up発生情報を、イベントとして状態変化判定部46に送信する(ステップS11)。すなわち、ステップS11は、
図8のポートのブロッキング状態通知動作のトリガーとなるTrap情報(イベント)受信ステップである。
【0075】
状態変化判定部46は、イベントとして、ネットワーク機器103のポートに関するリンクDown/Up発生情報を受け取ると、該ネットワーク機器103のリンクDown/Up発生情報に関して当該状態変化判定部46において保持している現状の状態と比較して、状態に変化が発生しているか否かを確認する。そして、該ネットワーク機器103のポートのリンクDown/Up発生情報に関する状態の変化を確認すると、SNMP−GW部41に対して、該当するポートのリンクDown/Up情報に関連する各ネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態情報の取得を要求する。
【0076】
SNMP−GW部41は、状態変化判定部46からの取得要求を受け取ると、該当するネットワーク機器103(すなわちポートのリンクDown/Up発生情報に関連する各ネットワーク機器103)に対して、各ネットワーク機器のポートに関するブロッキング状態情報の取得要求を送信する。
【0077】
その結果、該当する各ネットワーク機器103からポートに関するブロッキング状態を含む構成情報がREP−MIB情報として送信されてくると、SNMP−GW部41は、送信されてきた該REP−MIB情報を取得して、構成情報管理部42に対して送信する(ステップS12)
【0078】
次いで、構成情報管理部42は、SNMP GW部41において取得した該REP−MIB情報(ネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態情報を含む構成情報)を受信すると、受信した該REP−MIB情報を解析して、REPトポロジ情報として、ネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態情報(すなわちREPトポロジの各セグメントを構成するネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態情報)を取得する。そして、解析結果として取得したネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態情報を、構成情報データベース44に保存するとともに、共通部のGUI管理部43に対して通知する(ステップS13)。
【0079】
GUI管理部43は、構成情報管理部42から通知されてきたREPトポロジ情報(すなわち状態の変化を確認したネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態情報の解析結果)を、ビジュアル化した形式に変換して、画面アプリケーション部45に対して送信する。画面アプリケーション部45は、ビジュアル化した形式に変換して送信されてきたREPトポロジ情報すなわちネットワーク機器103のポートのブロッキング状態に変更があった旨を示す情報を、NMSクライアント端末101に画面表示して、NMSクライアント端末101のオペレータにリアルタイムに通知する(ステップS14)。
【0080】
以上のような動作を行うことにより、管理対象ネットワーク103Aのネットワーク機器103のポートに関するリンクDown/Up(リンク断/リンク復旧)の状態変化が発生した際に、該リンクDown/Up(リンク断/リンク復旧)の発生を契機にして、ネットワーク機器103のポートに関するブロッキング状態の変化をNMSクライアント端末101にリアルタイムに画面表示してオペレータに通知することができる。
【0081】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、前述した実施形態においては、以下のような効果を得ることができる。
【0082】
第1の効果は、管理対象ネットワーク103Aのトポロジ情報として、REP(Resilient Ethernet Protocol:レジリエント・イーサネット・プロトコル)により構成されたレイヤ2(Layer2)網の構成情報を定期的に保存することにより、現時点の管理対象ネットワークのトポロジ情報をビジュアル化して画面上に正確に表示することができることである。したがって、管理対象ネットワーク103Aが大規模なネットワークであっても、該管理対象ネットワーク103Aの管理を容易に行うことが可能になる。
【0083】
第2の効果は、リンク断時やリンク復旧時等によるポートの状態変化が発生した際に、各セグメントを構成するネットワーク機器103のブロッキングポートの遷移状況をリアルタイムで画面表示することができることである。すなわち、障害の発生時や復旧時には、該当するセグメント内の各ネットワーク機器103に関するポートのブロッキング状態の変化を容易に把握することができるようになることである。
【0084】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【解決手段】REPプロトコルに対応する各ネットワーク機器103により構成される管理対象ネットワーク103Aを管理するNMSサーバ102は、定期的に各ネットワーク機器103からそれぞれのREPトポロジ構成に関する構成情報をREPプロトコルに準拠したREP−MIB情報として収集する収集部11と、前記構成情報を解析して、解析結果として、管理対象ネットワーク103Aに関するREPトポロジのセグメント構成情報を生成する解析部12と、生成した該REPトポロジのセグメント構成情報を保存する蓄積部13と、を有する。而して、大規模なネットワークであっても、現時点の管理対象ネットワーク103Aのトポロジ情報をビジュアル化して画面上に正確に表示させることができる。