特許第6734102号(P6734102)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エステー株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6734102-ブーツ保持具 図000002
  • 特許6734102-ブーツ保持具 図000003
  • 特許6734102-ブーツ保持具 図000004
  • 特許6734102-ブーツ保持具 図000005
  • 特許6734102-ブーツ保持具 図000006
  • 特許6734102-ブーツ保持具 図000007
  • 特許6734102-ブーツ保持具 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6734102
(24)【登録日】2020年7月13日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】ブーツ保持具
(51)【国際特許分類】
   A47L 23/20 20060101AFI20200728BHJP
   A43D 3/14 20060101ALI20200728BHJP
【FI】
   A47L23/20 Z
   A43D3/14
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-76496(P2016-76496)
(22)【出願日】2016年4月6日
(65)【公開番号】特開2017-185044(P2017-185044A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2018年12月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】前田 城治
(72)【発明者】
【氏名】窪田 仁
(72)【発明者】
【氏名】高井 優子
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−124223(JP,A)
【文献】 実開昭54−171953(JP,U)
【文献】 実開平06−057209(JP,U)
【文献】 実開昭51−056143(JP,U)
【文献】 特開平03−258202(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3139556(JP,U)
【文献】 実開昭54−125750(JP,U)
【文献】 実開昭59−171507(JP,U)
【文献】 国際公開第00/048482(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3147201(JP,U)
【文献】 米国特許第3699598(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43D 3/00− 3/14
A47L23/00−23/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーツの胴筒部の形状を保持するブーツ保持具であって、
と、この幅よりも大きい寸法の長さを有して平板状を呈し弾性変形可能で長さ方向の全長にわたって幅方向の中央部が凸となるように湾曲させることで前記ブーツの胴筒部に挿入可能で、前記ブーツの胴筒部に挿入されることで前記平板状に戻ろうとする弾性力により胴筒部の内面に弾接して胴筒部の形状を保持し、かつ、胴筒部の起立状態を保持する第1パネルと、
前記ブーツのブーツ内底部に挿入可能な除湿剤と、
前記第1パネルと前記除湿剤とを揺動可能に連結する連結部と、
その厚さ方向に貫通する複数の空隙部を有し前記ブーツのブーツ内底部に挿入可能な細長の平板状の第2パネルとを備え、
前記除湿剤は前記第2パネルに取着され、
前記連結部は、前記第1パネルと前記第2パネルとを揺動可能でかつ折り畳み可能に連結している、
ことを特徴とするブーツ保持具。
【請求項2】
前記除湿剤は、前記第1パネルが前記湾曲した状態で前記第1パネルの幅方向の両側の内側に向かって前記第2パネルが揺動した際に、前記第1パネルの幅方向の両側の内側の面に向かう前記第2パネルの面に脱着可能に取着されている、
ことを特徴とする請求項1記載のブーツ保持具。
【請求項3】
前記第2パネルは弾性を有し、前記第1パネルの幅方向の中央部で長さ方向の端部に連結されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のブーツ保持具。
【請求項4】
前記第1パネルと前記第2パネルとが展開した状態で、前記除湿剤が取着された前記第2パネルの面と同じ方向に向いた前記第1パネルの面を第1の面とし、第1の面の裏側の面を第2の面とした場合、
前記連結部は、前記第1パネルと前記第2パネルとが展開した状態から、前記除湿剤が取着された前記第2パネルの面が前記第1パネルの前記第1の面に近づく方向が、前記除湿剤が取着されていない前記第2パネルの面が前記第1パネルの前記第2の面に近づく方向に比べ、揺動し易く形成されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載のブーツ保持具。
【請求項5】
前記第1パネルが前記湾曲した状態で、前記凸の裏面で凹状となる前記第1パネルの面に、芳香剤または消臭剤の含浸を可能とした薬剤含浸用部材が取着されている、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のブーツ保持具。
【請求項6】
ブーツの胴筒部の形状を保持するブーツ保持具であって、
と、この幅よりも大きい寸法の長さを有して平板状を呈し弾性変形可能で長さ方向の全長にわたって幅方向の中央部が凸となるように湾曲させることで前記ブーツの胴筒部に挿入可能で、前記ブーツの胴筒部に挿入されることで前記平板状に戻ろうとする弾性力により胴筒部の内面に弾接して胴筒部の形状を保持し、かつ、胴筒部の起立状態を保持する第1パネルと、
前記ブーツのブーツ内底部に挿入可能な除湿剤と、
前記第1パネルと前記除湿剤とを揺動可能でかつ折り畳み可能に連結する連結部とを備え、
前記第1パネルが前記湾曲した状態で、前記凸の裏面で凹状となる前記第1パネルの面に、芳香剤または消臭剤の含浸を可能とした薬剤含浸用部材が取着されている、
ことを特徴とするブーツ保持具。
【請求項7】
前記薬剤含浸用部材は弾性を有し、前記第1パネルの幅方向に延在し、前記第1パネルに脱着可能に取着されている、
ことを特徴とする請求項5または6記載のブーツ保持具。
【請求項8】
前記除湿剤が連結された箇所と反対の前記第1パネルの箇所に、前記第1パネルを掛止させるための掛止用孔が貫通形成されている、
ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項記載のブーツ保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーツの胴筒部を起立状態に保持するブーツ保持具に関し、より詳細には、ブーツの胴筒部を起立状態に保持するとともに、ブーツの内底部の除湿を行ない、あるいは、臭気の発散の抑制を行なうブーツ保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
ブーツの胴筒部を起立状態に保持するブーツ保持具は種々提案されている。
例えば、予め気体が封入されているプラスチックシートを用いたものや(特許文献1)、通気性のあるカバーにより除湿剤や消臭剤を包んだ複数の柱状部を設けたもの(特許文献2)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4081504号
【特許文献2】特開2014−124223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のブーツ保持具では、不使用時に嵩張るため場所をとり、ブーツ保持具の収納スペースのない家庭や勤務先のオフィスでは、その収納が問題となり、また、ブーツ保持具の持ち運びが簡単に行なえない問題がある。
この発明は前記事情に鑑み案出されたものであり、本発明の目的は、使用時にはブーツの胴筒部の起立状態の保持とブーツの内底部の除湿を行なえ、不使用時には、収納および持ち運びを簡単に行なえるブーツ保持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明は、ブーツの胴筒部の形状を保持するブーツ保持具であって、幅と、この幅よりも大きい寸法の長さを有して平板状を呈し弾性変形可能で長さ方向の全長にわたって幅方向の中央部が凸となるように湾曲させることで前記ブーツの胴筒部に挿入可能で、前記ブーツの胴筒部に挿入されることで前記平板状に戻ろうとする弾性力により胴筒部の内面に弾接して胴筒部の形状を保持し、かつ、胴筒部の起立状態を保持する第1パネルと、前記ブーツのブーツ内底部に挿入可能な除湿剤と、前記第1パネルと前記除湿剤とを揺動可能に連結する連結部と、その厚さ方向に貫通する複数の空隙部を有し前記ブーツのブーツ内底部に挿入可能な細長の平板状の第2パネルとを備え、前記除湿剤は前記第2パネルに取着され、前記連結部は、前記第1パネルと前記第2パネルとを揺動可能でかつ折り畳み可能に連結していることを特徴とする。
また、本発明は、ブーツの胴筒部の形状を保持するブーツ保持具であって、幅と、この幅よりも大きい寸法の長さを有して平板状を呈し弾性変形可能で長さ方向の全長にわたって幅方向の中央部が凸となるように湾曲させることで前記ブーツの胴筒部に挿入可能で、前記ブーツの胴筒部に挿入されることで前記平板状に戻ろうとする弾性力により胴筒部の内面に弾接して胴筒部の形状を保持し、かつ、胴筒部の起立状態を保持する第1パネルと、前記ブーツのブーツ内底部に挿入可能な除湿剤と、前記第1パネルと前記除湿剤とを揺動可能でかつ折り畳み可能に連結する連結部とを備え、前記第1パネルが前記湾曲した状態で、前記凸の裏面で凹状となる前記第1パネルの面に、芳香剤または消臭剤の含浸を可能とした薬剤含浸用部材が取着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、使用時、第1パネルを湾曲させてブーツの胴筒部に挿入し、第2パネルをブーツの内底部に挿入し、第1パネルから手を離すと、第1パネルはその弾性により元の平坦な状態に戻ろうとし、第1パネルが胴筒部の内面に当たって胴筒部の起立状態を保持する。また、除湿剤により内底部の除湿が行なわれる。
また、不使用時、第1パネルと除湿剤とを折り畳むと、第1パネルは扁平な板状を呈し、また、除湿剤はブーツ内底部に挿入される大きさであるため、嵩張らない。したがってブーツ保持具の収納および持ち運びが簡単に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】(A)は第1の実施の形態のブーツ保持具の正面図、(B)は同側面図である。
図2】(A)は薬剤含浸用部材と除湿剤とを取り外した状態の第1パネルと連結部と第2パネルの正面図、(B)は同側面図である。
図3】連結部の他の実施の形態の説明図で(A)は連結部の正面図、(B)はAのBB断面図である。
図4】(A)、(B)はブーツ保持具の使用時の説明図である。
図5】第1パネルと第2パネルとを折り畳んだ状態の説明図で、(A)は薬剤含浸用部材と除湿剤とが取り付けられた状態で第1パネルと第2パネルとを折り畳んだ側面図、(B)は薬剤含浸用部材と除湿剤とを取り外した状態で第1パネルと第2パネルとを折り畳んだ側面図である。
図6】(A)は第2の実施の形態のブーツ保持具の正面図、(B)は同側面図である。
図7】(A)、(B)は第2の実施の形態のブーツ保持具の使用時の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
まず、第1の実施の形態について図1図5を参照して説明する。
第1の実施の形態に係るブーツ保持具10は、第1パネル12と、第2パネル14と、連結部16と、除湿剤18と、薬剤含浸用部材20と、掛止用孔22とを含んで構成されている。
第1パネル12は、弾性変形可能で平板状を呈している。第1パネル12として、軽量で弾性を有する従来公知の様々な素材、たとえば、合成樹脂材料、薄い金属板、厚紙が使用可能である。
第1パネル12は、幅よりも長さが大きい長方形状を呈し、4つの角部は丸く形成され、第1パネル12の大きさはA4サイズよりも小さく、例えば、カバンなどに簡単に収納できるように、第1パネル12の収納の際の取り扱いが簡単になされるように図られている。
第1パネル12は、長さ方向の全長にわたって幅方向の中央部が凸となるように湾曲させることでブーツ50の胴筒部5002に挿入可能に形成されている。
そして、第1パネル12を湾曲させてブーツ50の胴筒部5002に挿入し手を離すと、その弾性により平板状に戻ろうとし、第1パネル12は胴筒部5002の内面に弾接し、第1パネル12の弾性力により胴筒部5002の形状を保持し、また、湾曲した第1パネル12の剛性により胴筒部5002の起立状態を保持する。
【0009】
薬剤含浸用部材20は、面ファスナーや両面粘着テープを介して第1パネル12に脱着可能に設けられている。
薬剤含浸用部材20を第1パネル12に脱着可能に設けると、ブーツ50の内底部5004内の臭いの消臭・脱臭が不必要な場合に薬剤含浸用部材20を取り外した状態でブーツ保持具10を使用でき、また、薬剤含浸用部材20を取り外すことで後述するように第1パネル12と第2パネル14とを連結部16を境に折り畳んだ状態の形態を小型化でき、ブーツ保持具10を簡単に持ち運びする上で有利となる。
なお、薬剤含浸用部材20を第1パネル12に脱着不能に設けてもよいことは無論のことであり、薬剤含浸用部材20を第1パネル12に脱着不能に設けた場合、薬剤含浸用部材20をなくすことがないなどのメリットがある。
薬剤含浸用部材20は、第1パネル12の長手方向の中央部で第1パネル12の幅方向に延在して設けられている。
薬剤含浸用部材20は、脱臭剤などの固形の薬剤や消臭剤または芳香剤などの液状の薬剤の含浸、担持を可能とした材料で形成されている。このような材料としてスポンジやろ紙などの従来公知の様々な材料が使用可能である。
なお、薬剤含浸用部材20に、香料が封入されたマイクロカプセルを担持させておき、第1パネル12を湾曲させた時に、マイクロカプセルが破壊され香料が薬剤含浸用部材20に浸出して芳香が発揮されるようにしてもよい。
また、薬剤含浸用部材20として弾性を有するスポンジを用いると、第1パネル12を湾曲させてブーツ50の胴筒部5002に挿入した際、第1パネル12の弾性力にスポンジの弾性力が加わるため、第1パネル12が平板状に戻ろうとする弾性力が増加し、胴筒部5002の形状を保持する力、胴筒部5002の起立状態を保持する力が強くなる。
【0010】
この場合、薬剤含浸用部材20を、実施の形態のように第1パネル12の長手方向の中央部で第1パネル12の幅方向に延在させると、第1パネル12を湾曲させてブーツ50の胴筒部5002に挿入した際にスポンジの弾性力を効果的に発揮させることができ、胴筒部5002の形状を保持し、胴筒部5002の起立状態を保持する上で有利となる。
また、第1パネル12の長手方向で連結部16と反対の第1パネル12の端部に、第1パネル12を掛止させるための掛止用孔22が貫通形成されている。
なお、薬剤含浸用部材20と掛止用孔22とは、必要に応じて設けられるものであり、省略可能である。
【0011】
第2パネル14は、第1パネル12に連結部16を介して揺動可能に連結されている。
第2パネル14は、ブーツ50の内底部5004に挿入可能な形状で形成され、内底部5004の形状に対応した細長の平板状を呈している。
第2パネル14の大きさは、ブーツ保持具10がカバンなどに簡単に収納できるようにA4サイズよりも小さく、また、弾性を有する材料で形成され、収納の際の取り扱いが簡単になされるように図られている。
本実施の形態では、第2パネル14は、第1パネル12の幅方向の中央部で長さ方向の端部に連結され、第1パネル12を湾曲させて胴筒部5002に挿入した際に、第2パネル14がブーツ50の内底部5004に円滑に挿入されるように図られている。
第2パネル14として、軽量で弾性を有する従来公知の様々な合成樹脂材料が使用可能である。
第2パネル14は、その厚さ方向に貫通する複数の空隙部1404を有し、本実施の形態では、空隙部1404として丸孔が設けられている。それら空隙部1404は、第2パネル14に除湿剤18を取り付けた場合に、除湿剤18による内底部5004の除湿が効率良く行なわれるようにするとともに第2パネル14の軽量化を図るものである。
【0012】
第2パネル14の一方の面に、除湿剤18が、面ファスナーや両面粘着テープを介して脱着可能に取り付けられている。
除湿剤18は、通気性を有する袋に封入され、図1では除湿剤18が偏平な板状に封入された3つの袋1802が連接されている。この場合、除湿剤18としてシリカゲル、塩化カルシウム、生石灰、塩化マグネシウム、重層、珪藻土など用いることができるが、シリカゲル、特にB型シリカゲルを使用すると、吸湿容量も多く、使用後、乾燥させることで除湿機能が再生するため、除湿剤18を繰り返して使用でき、便利となる。このような偏平な板状の除湿剤18として市販品が使用可能である。除湿剤18として上述のように除湿機能が再生するものを使用すれば、第2パネル14の一方の面に、除湿剤18を脱着不能に取り付けるようにしてもよい。あるいは、第2パネル14の一方の面に、除湿剤18を脱着不能に取り付け、後述するように、第1パネル12と第2パネル14とを連結部16を介して取り外し可能に結合し、除湿機能が再生しない除湿剤18を使用した場合、除湿剤18の交換の際、新たな除湿剤18が取着された第2パネル14ごと交換するようにしてもよい。
除湿剤18が取り付けられる第2パネル14の面は、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開した状態で、本実施の形態では同一面上に展開した状態で、薬剤含浸用部材20が取り付けられる第1パネル12の面と同じ方向を向いた面である。言い換えると、除湿剤18は、図4(B)に示すように、第1パネル12が湾曲した状態で第1パネル12の幅方向の両側の内側に向かって第2パネル14が揺動した際に、第1パネル12の幅方向の両側の内側の面に向かう第2パネル14の面に脱着可能に取着されている。
したがって、除湿剤18は、第2パネル14が内底部5004に挿入された状態で、上方を向いた第2パネル14の面に脱着可能に取着されている。
【0013】
連結部16は、第1パネル12と第2パネル14とを揺動可能に連結する箇所であり、図1(A)、(B)に示すように、細幅で変形可能な湾曲片で形成され、本実施の形態では、第1パネル12と第2パネル14と連結部16とは同一の材料で一体に形成されているヒンジ構造を採用することができる。
連結部16は、図4(A)、(B)に示すように、第1パネル12と第2パネル14とを揺動可能に連結し、また、図5(A)、(B)に示すように、第1パネル12と第2パネル14とが重ね合わされるようにそれらパネル12,14を折り畳み可能に連結しており、さらに、図1図2に示すように、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開可能に、本実施の形態では同一面上に展開可能に連結している。したがって、本実施の形態では、除湿剤18は、第2パネル14および連結部16を介して第1パネル12に揺動可能に連結されている。
湾曲片の形状は、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開した状態から、除湿剤18が取着された第2パネル14の面が、薬剤含浸用部材20が取着された第1パネル12の面に近づく方向が、除湿剤18が取着されていない第2パネル14の面が、薬剤含浸用部材20が取着されていない第1パネル12の面に近づく方向に比べ、揺動し易く形成されている。言い換えると、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開した状態で、除湿剤18が取着された第2パネル14の面と同じ方向に向いた第1パネル12の面を第1の面とし、第1の面の裏側の面を第2の面とした場合、連結部16は、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開した状態から、除湿剤18が取着された第2パネル14の面が第1パネル12の第1の面に近づく方向が、除湿剤18が取着されていない第2パネル14の面が第1パネル12の第2の面に近づく方向に比べ、揺動し易く形成されている。
なお、連結部16は、図3(A)、(B)に示すように、第1パネル12に設けた円柱状ボス部28の両側から突設したピン30と、第2パネル14に設けられピン30に係脱可能に結合する2つの半円筒体32とで構成するようにしてもよく、この場合には、第1パネル12と第2パネル14とが係脱可能に結合され、すなわち、取り外し可能に結合され、連結部16の構造には、従来公知の様々な構成が採用可能である。
【0014】
連結部16を、図3(A)、(B)に示すように、ボス部28の両側に突設されたピン30と、それたピン30に係脱可能に結合する2つの半円筒体32とで構成した場合、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開した状態から、除湿剤18が取着されていない第2パネル14の面が、薬剤含浸用部材20が取着されていない第1パネル12の面に近づく方向への揺動に比べ、除湿剤18が取着された第2パネル14の面が、薬剤含浸用部材20が取着された第1パネル12の面に近づく方向への揺動がし易くなるように、ボス部28の端面に、第2パネル14に係止可能なストッパ34を設けるようにしてもよい。
また、掛止用孔22にフックやピンなどの掛止具を掛止し、掛止具によりブーツ保持具10をつり下げると、第1パネル12と第2パネル14とはそれらの自重により連結部16を介して平面状に展開され、本実施の形態では、同一の鉛直面上に位置するように形成されている。
なお、ブーツ保持具10のブーツ50への挿入時、第2パネル14がブーツ50の内底部5004に円滑に挿入されるように、除湿剤18が取着された第2パネル14の面と、薬剤含浸用部材20が取着された第1パネル12の面とがなす角度が、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開された状態で、180度よりも僅かに小さい角度になるように連結部16を構成するようにしてもよい。
【0015】
次に、ブーツ保持具10の使用方法について説明する。
第1パネル12にあらかじめ薬剤が含浸・担持された薬剤含浸用部材20を取着するか、あらかじめ取付けられた薬剤含浸用部材20に液状の消臭剤または芳香剤をスプレーにより噴射、又は液体のまま塗布、滴下し、薬剤含浸用部材20に含浸させる。
なお、薬剤含浸用部材20を第1パネル12に脱着可能に、あるいは脱着不能に設けた何れの場合も、薬剤含浸用部材20に含浸させた薬剤の消臭・脱臭の効果がなくなったら、スプレーなどの方法により薬剤を再度含浸させればよい。また、薬剤含浸用部材20を第1パネル12に脱着可能に設けた場合、薬剤含浸用部材20に含浸させた薬剤の消臭・脱臭の効果がなくなったら、予め薬剤を含浸させた薬剤含浸用部材20と取り換えるようにしてもよい。
また、第2パネル14に除湿剤18を取り付ける。この場合、除湿剤18としてB型シリカゲルを使用すると、使用後、乾燥させることで除湿機能が再生するため、除湿剤18を繰り返して使用でき、便利となる。
そして、第2パネル14をブーツ50の胴筒部5002に挿入し、薬剤含浸用部材20が内側になるように第1パネル12を湾曲させて第1パネル12をブーツ50の胴筒部5002に挿入していく。
第2パネル14の先端がブーツ50の内底部5004に到達したならば、第2パネル14の先端が内底部5004のつま先方向に向いて倒れるように第1パネル12を揺らすなど適宜操作し、第2パネル14の先端が内底部5004のつま先方向に向いて倒れたならば、第1パネル12をブーツ50の胴筒部5002にさらに挿入していく。
【0016】
この場合、除湿剤18が取着された第2パネル14の面が、薬剤含浸用部材20が取着された第1パネル12の面に近づく方向への揺動がし易くなるように連結部16が形成されているため、除湿剤18の内底部5004への挿入が円滑に行なわれる。
また、除湿剤18は第2パネル14の上に載っており、第2パネル14が内底部5004を滑っていくため、除湿剤18の内底部5004への挿入が円滑に行なわれる。なお、除湿剤18は内底部5004に対向する第2パネル14の面に取着するようにしてもよいが、本実施の形態のように除湿剤18を第2パネル14の上に取着すると、除湿剤18の内底部5004への挿入を円滑に行なう上で有利となる。
【0017】
第2パネル14の先端が内底部5004のつま先寄りの箇所に位置し、第1パネル12の下端(あるいは連結部16)が内底部5004の踵の上に位置したところで、第1パネル12の胴筒部5002への挿入を停止し、第1パネル12から手を離す。
第1パネル12から手を離すと、第1パネル12はその弾性により、また、薬剤含浸用部材20の弾性により元の平坦な状態に戻ろうとし、第1パネル12が胴筒部5002の内面に当たって胴筒部5002の形状を保持し、胴筒部5002の起立状態を保持する。
また、除湿剤18により内底部5004の除湿が行なわれ、薬剤含浸用部材20に含浸された消臭剤や脱臭剤により内底部5004内の臭いの消臭・脱臭が行なわれ、あるいは、薬剤含浸用部材20に含浸された芳香剤の香りが漂い内底部5004内の臭いが打ち消される。
なお、ブーツ保持具10をブーツ50から取り出すときには、第1パネル12を湾曲させ、第1パネル12を胴筒部5002から引き出すと、第2パネル14も追従して胴筒部5002から引き出される。
【0018】
次に、ブーツ保持具10の不使用時について説明する。
例えば、図5(A)に示すように、薬剤含浸用部材20と除湿剤18とが向かい合うように、連結部16から第1パネル12と第2パネル14とを折り畳むと、第1パネル12は扁平な板状を呈し、また、第2パネル14と除湿剤18はブーツ内底部5004に挿入される大きさであるため、ブーツ保持具10は嵩張らない。本実施の形態では、ブーツ保持具10は扁平な形状となる。したがって、ブーツ保持具10は、嵩張らず扁平な形状となるため、下駄箱内の適宜箇所に、あるいはロッカーや引き出しの適宜箇所に、載置あるいは立てかけて簡単に収納することができる。
この場合、図5(B)に示すように、薬剤含浸用部材20を第1パネル12から取り外し、除湿剤18を第2パネル14から取り外して連結部16から第1パネル12と第2パネル14とを折り畳むと、ブーツ保持具10は、さらに扁平な板状となる。したがって、ブーツ保持具10は、さらに嵩張らないため、下駄箱内の適宜箇所に、あるいはロッカーや引き出しの適宜箇所に、載置あるいは立てかけてより簡単に収納することができる。
【0019】
また、以上のようにブーツ保持具10は、第1パネル12と第2パネル14とが折り畳まれ、不使用時に嵩張らないため、ブーツ保持具10をカバンに入れ、持ち運びを簡単に行なうことができる。
したがって、ブーツ保持具10をカバンに入れて持ち運ぶことで、ブーツ50を履いて出かけた出先において、ブーツ保持具10をカバンから取り出し、ブーツ50を脱いだ箇所においてブーツ保持具10をブーツ50に装着し、胴筒部5002の形状、起立状態の保持と、内底部5004の除湿や脱臭が行なわれ、また、帰るときには、ブーツ保持具10をカバンに入れて持ち帰ることができ、極めて便利となり、ブーツ保持具10の商品価値を高める上で有利となる。
【0020】
また、本実施の形態では、第1パネル12に掛止用孔22を設けているので、ブーツ保持具10の不使用時、下駄箱の適宜箇所に、あるいは、ロッカーや机の適宜箇所に、掛止用孔22にフックやピンなどの掛止具を掛止し、掛止具によりブーツ保持具10をつり下げるようにしてもよい。
この場合、ブーツ保持具10がつり下げられた状態で、第1パネル12と第2パネル14とが平面状に展開するので、本実施の形態では、2枚の薄板が同一の鉛直面上に展開するので、嵩張ることがない。したがって、簡単に保管する上で有利となる。
【0021】
次に、第2の実施の形態について図6図7を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態の説明では第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付しその説明を省略し、異なった箇所を重点的に説明する。
第2の実施の形態に係るブーツ保持具10’は、第1パネル12と、連結部16と、除湿剤18’と、薬剤含浸用部材20と、掛止用孔22とを含んで構成され、第2パネル14が省略されている点が第1の実施の形態と異なっている。
【0022】
除湿剤18’は、通気性を有する袋1812に封入され、袋1812に封入された除湿剤18’は、縦横の寸法よりも大きな寸法長さを有し、ブーツ50の内底部5004に挿入可能な細長の形状に形成されている。このような除湿剤18’として市販品が使用可能である。
除湿剤18’が封入された袋1812の長手方向の一端の封止部1814の幅方向の中央に孔1816が形成され、この孔1816に第1パネル12の幅方向の中央で長さ方向の端部に設けられたフック1220が係脱可能に掛止することで、除湿剤18’が第1パネル12に揺動可能にかつ脱着可能に連結されている。したがって、第2の実施の形態では、フック1220と孔1816とは、除湿剤18’を第1パネル12に揺動可能にかつ脱着可能に連結する連結部16を構成している。
【0023】
次に、ブーツ保持具10’の使用方法について説明する。
第1の実施の形態と同様に、第1パネル12にあらかじめ薬剤が含浸・担持された薬剤含浸用部材20を取着するか、あらかじめ取付けられた薬剤含浸用部材20に液状の消臭剤または芳香剤をスプレーにより噴射、又は液体のまま塗布、滴下し、薬剤含浸用部材20に含浸させる。
また、第1パネル12に除湿剤18’を取り付ける。
そして除湿剤18’をブーツ50の胴筒部5002に挿入し、薬剤含浸用部材20が内側になるように第1パネル12を湾曲させて第1パネル12をブーツ50の胴筒部5002に挿入していく。
除湿剤18’の先端がブーツ50の内底部5004に到達したならば、除湿剤18’の先端が内底部5004のつま先方向に向いて倒れるように第1パネル12を揺らすなど適宜操作し、除湿剤18’の先端が内底部5004のつま先方向に向いて倒れたならば、第1パネル12をブーツ50の胴筒部5002にさらに挿入していく。
【0024】
この場合、除湿剤18’の表面に位置する通気性を有する袋1812の部分が内底部5004を滑っていくため、除湿剤18’の内底部5004への挿入が円滑に行なわれる。
除湿剤18’の先端が内底部5004のつま先寄りの箇所に位置し、第1パネル12の下端(あるいは連結部16)が内底部5004の踵の上に位置したところで、第1パネル12の胴筒部5002への挿入を停止し、第1パネル12から手を離す。
第1パネル12から手を離すと、第1パネル12はその弾性により、また、薬剤含浸用部材20の弾性により元の平坦な状態に戻ろうとし、第1パネル12が胴筒部5002の内面に当たって胴筒部5002の形状を保持し、胴筒部5002の起立状態を保持する。
また、除湿剤18’により内底部5004の除湿が行なわれ、薬剤含浸用部材20に含浸された消臭剤や脱臭剤により内底部5004内の臭いの消臭・脱臭が行なわれ、あるいは、薬剤含浸用部材20に含浸された芳香剤の香りが漂い内底部5004内の臭いが打ち消される。
なお、ブーツ保持具10’をブーツ50から取り出すときには、第1パネル12を湾曲させ、第1パネル12を胴筒部5002から引き出すと、除湿剤18’も追従して胴筒部5002から引き出される。
【0025】
次に、ブーツ保持具10’の不使用時について説明する。
例えば、薬剤含浸用部材20と除湿剤18’とが向かい合うように、連結部16から第1パネル12と除湿剤18’とを折り畳むと、第1パネル12は扁平な板状を呈し、また、除湿剤18’は内底部5004に挿入される大きさであるため、ブーツ保持具10’は、嵩張らない。したがって、ブーツ保持具10’は、下駄箱内の適宜箇所に、あるいはロッカーや引き出しの適宜箇所に、載置あるいは立てかけて簡単に収納することができる。
この場合、薬剤含浸用部材20を第1パネル12から取り外し、除湿剤18’を第1パネル12から取り外すと、さらに嵩張らず、下駄箱内の適宜箇所に、あるいはロッカーや引き出しの適宜箇所に、載置あるいは立てかけてより簡単に収納することができる。
【0026】
また、以上のようにブーツ保持具10’は、第1パネル12と除湿剤18’とが折り畳まれ、不使用時に嵩張らないため、第1の実施の形態と同様に、ブーツ保持具10’をカバンに入れ、持ち運びを簡単に行なうことができる。
したがって、ブーツ保持具10’をカバンに入れて持ち運ぶことで、ブーツ50を履いて出かけた出先において、ブーツ保持具10’をカバンから取り出し、ブーツ50を脱いだ箇所においてブーツ保持具10’をブーツ50に装着し、胴筒部5002の形状、起立状態の保持と、内底部5004の除湿や脱臭が行なわれ、また、帰るときには、ブーツ保持具10’をカバンに入れて持ち帰ることができ、極めて便利となり、ブーツ保持具10’の商品価値を高める上で有利となる。
【0027】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に第1パネル12に掛止用孔22を設けているので、ブーツ保持具10’の不使用時、下駄箱の適宜箇所に、あるいは、ロッカーや机の適宜箇所に、掛止用孔22にフックやピンなどの掛止具を掛止し、掛止具によりブーツ保持具10’をつり下げるようにしてもよい。
この場合、ブーツ保持具10’がつり下げられた状態で、第1パネル12と除湿剤18’とが鉛直方向に展開するので、嵩張ることがなく、簡単に保管する上で有利となる。
【符号の説明】
【0028】
10,10’……ブーツ保持具
12……第1パネル
14……第2パネル
1404……空隙部
16……連結部
18,18’……除湿剤
20……薬剤含浸用部材
22……掛止用孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7