(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が15〜50μmであり、かつ、前記水性ボールペン用インキ組成物が、水、着色剤、有機樹脂粒子、多糖類繊維を含んでなり、前記多糖類繊維が、リン酸基を有する化合物、または、カルボキシル基を有する化合物で表面処理したセルロース繊維であり、前記水性ボールペンの100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、120≦A/B≦500であることを特徴とする水性ボールペン。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の特徴は、インキ収容筒の先端部にボールペンチップを有し、前記インキ収容筒内に水性ボールペン用インキ組成物を収容してなる水性ボールペンであって、前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が15〜50μmであり、かつ、前記水性ボールペン用インキ組成物が、水、着色剤、有機樹脂粒子、多糖類繊維を含んでなることを特徴とする水性ボールペンとする。
【0012】
本発明では、インキ漏れを抑制し、かつ、濃い筆跡とするために、ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量を15〜50μmとする必要がある。これは、15μm以上として、インキ吐出量を多くし、濃い筆跡を得られるためで、さらに50μm以下とすることで、筆跡にじみ、ボテなどがなく、良好な筆記性能とするためである。また、インキ吐出量を増やして、書き味の向上や濃い筆跡にしやすくするには、20μm以上が好ましいため、20〜50μmが好ましく、さらに、インキ漏れ抑制を考慮すれば、25〜45μmが好ましい。
なお、ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量(クリアランス)とは、ボールがボールペンチップ本体の縦軸方向への移動可能な距離を示す。
【0013】
しかし、単にインキ吐出量を多くしただけでは、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間よりインキ漏れ(インキ垂れ下がり)が発生してしまう問題があり、さらに多糖類などのゲル化剤を用いて、インキ粘度を上げることで、ある程度はインキ漏れを抑制できたが、十分に抑制できるレベルではなく、さらに、書き味も劣りやすい。
【0014】
そこで、本発明では、有機樹脂粒子を含有することで、前記ボールとチップ先端の内壁との間の隙間に物理的な障害を起こして、インキ漏れを抑制することを可能とし、さらに、無機粒子と比較して硬度が低いことから、粒子同士が一部変形などして、お互い密着することで、微弱な凝集により形成された構造を生じることにより、静置時のインキ漏れに対しての抵抗作用の高い構造をインキ中で形成することで、高いインキ漏れ抑制を可能とする。一方で、微弱な凝集により形成された構造のため、筆記時にはボールの回転などの物理作用により凝集構造は解砕されるため、筆記時のインキ流動性を阻害することなく、良好に筆記することで、濃い筆跡を得ることが可能である。さらに、前記有機樹脂粒子は、ボールとボール座との間に入り込み、直接接触しづらくするため、ボールの回転抵抗を緩和し、書き味を向上することが可能である。
【0015】
さらに、有機樹脂粒子に加えて、多糖類繊維を含んでなることで、インキ粘度を上昇させ、よりインキの漏れ出しを抑制するとともに、より書き味に優れるようにするため、多糖類繊維を含んでなることが必要である。これは、多糖類繊維を含んでなることで、有機樹脂粒子の間に、該多糖類繊維が入り込むことで、前記有機樹脂粒子同士で形成していた凝集構造と相互に絡み合うことで、三次元構造を形成し、高いインキ漏れ抑制効果を呈すると推測する。
以上より、前記ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量が15〜50μmであり、かつ、前記水性ボールペン用インキ組成物が、水、着色剤、有機樹脂粒子、多糖類繊維を含んでなる水性ボールペンとすることで、インキの漏れ出しを抑制するとともに、書き出し性能や書き味に優れ、濃い筆跡とする水性ボールペンとすることができる。
【0016】
(有機樹脂粒子)
本発明で用いる有機樹脂粒子については、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのオレフィン系樹脂粒子や、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、ナイロン樹脂などの化学構造中に窒素原子を含む含窒素樹脂粒子や、アクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、ウレタン樹脂粒子、セルロース樹脂粒子などが挙げられる。これらの有機樹脂粒子は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
【0017】
前記有機樹脂粒子の中でも、オレフィン系樹脂粒子、含窒素樹脂粒子を用いることが好ましい。これは、オレフィン系樹脂粒子が炭化水素化合物であり、無極性であるために水中で凝集が起こりやすく、該凝集構造と多糖類繊維とが、相互に絡み合うことで、三次元構造を形成しやすく、よりインキ漏れを抑制しつつ、インキ吐出量の不足などの不具合を起こさないような最適化された凝集構造を形成しやすいためと推定される。さらに、オレフィン系樹脂粒子は溶融温度が高いため、高温環境下であっても安定して存在しやすく、高圧環境にあった場合では、変形はしやすく変性はしにくいという特徴を持っており、ボールとボール座の間に挟まれても安定しているため、インキ添加剤として好適に用いることが可能である。
また、含窒素樹脂粒子は、水素結合性官能基を有する含窒素樹脂粒子を用いることが好ましく、これは、前記水素結合性官能基構造と該多糖類繊維とが、相互に絡み合うことで、三次元構造を形成しやすく、よりインキ漏れ抑制効果を呈すると推測する。
【0018】
前記オレフィン系樹脂粒子の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの中でも、インキ漏れ抑制や書き味を向上することを考慮すれば、ポリエチレンを用いることが好ましく、具体的には、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレン、変性高密度ポリエチレンなどが挙げられる。その中でもインキ漏れ抑制効果を考慮すれば、低密度ポリエチレン、低分子ポリエチレン、変性ポリエチレンが好ましく、特に低密度ポリエチレンは、他種のポリエチレンよりも融点が低く、柔らかい性質があるため、ポリエチレン粒子が密着しやすく、粒子間の隙間を生じづらく、インキ漏れしづらいため、低密度ポリエチレンが好ましく、さらに、低密度ポリエチレンは、柔らかいため、ボールとボール座の間でのクッション効果が得られやすく、書き味を向上し、ボール座の摩耗抑制が得られるため、好適に用いることが可能である。オレフィン系樹脂粒子は、必要に応じてポリオレフィン以外の材料を含んでいてもよい。
【0019】
また、前記オレフィン系樹脂粒子については、予め水などに分散したオレフィン分散体にすることが好ましいが、オレフィン分散体のpH値については、7〜11が好ましい。これは、オレフィン樹脂粒子の分散安定性や、着色剤、界面活性剤などのインキ成分に対する安定性を良好としやすいためである。より考慮すれば、pH値7〜10がより好ましい。
【0020】
前記含窒素樹脂粒子の中でも、アミノ基またはイミノ基を有することが好ましい、これは、アミノ基及またはイミノ基を有すると、安定な凝集構造を長期間とりやすく、インキ漏れを抑制しやすいためである。なお、アミノ基、イミノ基の官能基を有する含窒素樹脂粒子としては、3級アミン、4級アミンなども含むものとする。
【0021】
さらに、アミノ基またはイミノ基を有する窒素樹脂粒子の中でも、架橋構造を有する含窒素樹脂粒子を用いることが好ましい。これは、架橋構造を有すると、強度、耐熱性、耐溶剤性などに特に優れるため水性インキ中での吸湿などもせずに安定しているため、経時安定性に優れるため好ましい。さらに前記含窒素樹脂粒子自体の安定性と、含窒素樹脂粒子間の相互的な水素結合性により、長期間凝集構造をとりやすく、インキ漏れを安定して抑制しやすいためある。特に、架橋構造を有する含窒素樹脂粒子中でも、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂などの複素環構造を有する樹脂粒子は、より吸湿しづらく、安定しているため、好ましい。
【0022】
架橋構造を有する含窒素樹脂粒子については、具体的には、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などのアミノ樹脂粒子が挙げられる。また、アミド結合を有する含窒素樹脂粒子については、ナイロン6、ナイロン12などのナイロン樹脂やポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ウレタンウレア樹脂などのウレタン樹脂粒子などが挙げられる。
【0023】
前記有機樹脂粒子の平均粒子径については、平均粒子径が小さい方が、お互い密着して、微弱な凝集構造をとりやすく、インキ漏れを抑制しやすいため、10μm以下が好ましく、さらに、8μm以下が好ましく、ボールの回転抵抗を緩和し、書き味を向上し、ボール座の摩耗を抑制することを考慮すれば、7μm以下がより好ましい。また、有機樹脂粒子による凝集構造を形成することから、粒子自体が比較的小さくても巨視的な凝集構造を形成しやすいため、より細かい粒子径を用いても優れたインキ漏れ抑制効果を得ることができる。一方、平均粒子径が小さすぎると、インキ漏れ抑制効果が劣りやすいため、平均粒子径は、0.1μm以上が好ましく、より好ましくは、3μm以上が好ましい。また、平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320−X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法や、コールターカウンター法(コールター社製)を用いて測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)を測定することができる。
【0024】
前記有機樹脂粒子の形状については、球状、もしくは異形の形状のものなどが使用できるが、摩擦抵抗を低減することを考慮すれば、球状樹脂粒子が好ましい。ここでいう球状樹脂粒子とは、真球状に限定されるものではなく、略球状の樹脂粒子や、略楕円球状の樹脂粒子などでも良い。
【0025】
また、前記有機樹脂粒子については、具体的には、ノプコPEN−17(ポリオレフィン樹脂、平均粒子径0.01μm)、ノプコマルMS40(ポリエチレン樹脂、平均粒子径 1.0μm) (以上サンノプコ(株)製)、CERAFLOUR950(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径9μm)、同925(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径6μm)、同929(変性ポリエチレン樹脂、平均粒子径8μm)(BYK(株)製)、ケミパール M200(低密度ポリエチレンディスパージョン、平均粒子径6μm)、同W300(低分子量ポリエチレン分散体、平均粒子径3μm)、同W900(低分子量ポリエチレン分散体、平均粒子径0.6μm)(以上三井化学(株)製)、エポスターS6(メラミン・ホルムアルデヒド縮合粒子、平均粒子径0.3〜0.6μm)、同S(メラミン・ホルムアルデヒド縮合粒子、平均粒子径0.1〜0.3μm)、同 S12(メラミン・ホルムアルデヒド縮合粒子、平均粒子径1〜2μm)、同 MS(ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合粒子、平均粒子径1〜3μm)、同M30(ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合粒子、平均粒子径2.5〜4μm)(以上(株)日本触媒製)、ナイロン SP−500(ナイロン樹脂、平均粒子径5μm)((株)東レ製)、Orgasol2001− UD−NAT−1(ナイロン樹脂、平均粒子径5μm)、同2001−EXD−NAT−1(ナイロン樹脂、平均粒子径10μm)、同3501−EXD−NAT−1(ナイロン樹脂、平均粒子径10μm)(以上アルケマ(株)製)、MW-330(ナイロン樹脂、平均粒子径7μm)(住化エンバイロメンタルサイエンス(株)製)、FS−102(平均粒子径0.1μm、スチレン・アクリル樹脂)、FS−106(平均粒子径0.1μm、アクリル樹脂)、FS−107(平均粒子径0.1μm、アクリル樹脂)、FS−201(平均粒子径0.5μm、スチレン・アクリル樹脂)、FS−301(平均粒子径1.0μm、スチレン・アクリル樹脂)、FS−501(平均粒子径0.5μm、アクリル樹脂)、FS−701(平均粒子径0.1μm、フッ素系アクリル樹脂)、MG−351(平均粒子径1.0μm、スチレン・アクリル樹脂)(以上日本ペイント(株)製)等が挙げられる。
【0026】
また、前記有機樹脂粒子の含有量について、インキ組成物全量に対し、0.01〜10.0質量%がより好ましい。これは、前記有機樹脂粒子の含有量が、0.01質量%未満だとインキ漏れを抑制しづらく、10.0質量%を越えると、凝集構造が強くなりやすく、書き味やドライアップ性能に影響が出やすいためである。さらに、より考慮すれば、0.02〜5.0質量%が好ましく、0.03〜1.0が特に好ましく、最も好ましくは、0.05〜0.5質量%が好ましい。
【0027】
(多糖類繊維)
前記多糖類繊維は、セルロース、キチン、キトサンなどの多糖類を含む多糖類原料を用いて得ることができる。これは、前記多糖類繊維が有する水酸基による水素結合力は微弱ではあるが、微弱な水素結合により凝集構造を形成することで、インキ漏れ抑制効果が得られるとともに、水素結合力が微弱なことから、筆記時のボールの回転などにより容易に凝集構造が解砕しやすいためである。このため、静置時のインキ漏れ抑制効果だけでなく、書き出し性能や書き味などの筆記性能の向上を両立させる効果が得られるためである。 さらに、水酸基を有する多糖類繊維は、その他の繊維よりも水に分散しやすいため、水性インキ中で、安定分散することで、長期間インキ経時が安定することが可能となるため、より効果的である。
【0028】
前記水酸基を有する多糖類繊維については、具体的には、セルロース、キチン、キトサンなどの繊維が挙げられるが、セルロース繊維が好ましい。これは、1分子当たりの水酸基数が多いため、より水素結合によるインキ漏れ抑制効果が得られやすく、水性インキ中で安定溶解しやすく、長期間の効果が得られやすいためで、さらに、環境への負荷が小さく、再利用性に優れるため、好ましい。
【0029】
また、前記多糖類繊維は、前記繊維を機械などで解繊処理することが好ましい。前記繊維の短径を繊維径とした場合、繊維径は特に限定されないが、SEMまたはTEM等の電子顕微鏡で観察して、数平均繊維径は、0.1nm〜1000nmが好ましく、より好ましくは1nm〜500nm、さらに好ましくは、2nm〜200nmである。これは、数平均繊維径が、上記範囲であると、インキ漏れ抑制や書き味を向上する効果を得られやすいためである。
【0030】
また、前記多糖類繊維の分子間あるいは分子内で、水酸基などの水素結合が働いているため、機械で解繊処理に手間が掛かかりやすい。そこで、多糖類繊維を親水基を有する化合物で表面処理することで、イオン反発性を高めることで、解繊処理をしやすくするため好ましい。親水基としては、リン酸基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、アミノ基を有する化合物、スルホ基を有する化合物などが挙げられるが、解繊処理を考慮すれば、リン酸基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物を用いることが好ましい。特に、後述するが、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸塩を用いる場合には、同系化合物である、リン酸基を有する化合物を有する多糖類繊維、カルボキシル基を有する化合物を有する多糖類繊維を用いると、より好適である。
【0031】
また、前記多糖類繊維の含有量について、インキ組成物全量に対し、0.01〜5.0質量%がより好ましい。これは、前記多糖類繊維の含有量が、0.01質量%未満だとインキ漏れを抑制しづらく、5.0質量%を越えると、インキ粘度が高くなりやすく、書き味やドライアップ性能に影響が出やすいためである。より考慮すれば、0.1〜2.0質量%が好ましく、さらに好ましくは、0.1〜1.0質量%が好ましい。
【0032】
また、多糖類繊維以外のインキ粘度調整剤として剪断減粘性付与剤を用いても良い。剪断減粘性付与剤としては、架橋型アクリル酸重合体や、キサンタンガム、ウェランガム、サクシノグリカン、グアーガム、ローカストビーンガム、λ−カラギーナン、セルロース誘導体、ダイユータンガム等の多糖類が挙げられ、この中でも、多糖類繊維と併用して用いた場合による相性やインキ漏れ抑制効果を考慮すれば、多糖類を用いることが好ましく、よりインキ漏れ抑制効果を考慮すれば、キサンタンガム、サクシノグリカンを用いることが好ましい。これらの剪断減粘性付与剤は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
【0033】
本発明で用いる着色剤は、特に限定されないが、顔料については、無機、有機、加工顔料などが挙げられるが、具体的にはカーボンブラック、アニリンブラック、群青、黄鉛、酸化チタン、酸化鉄、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、キノフタロン系、スレン系、トリフェニルメタン系、ペリノン系、ペリレン系、ギオキサジン系、マイクロカプセル、アルミ顔料、パール顔料、蛍光顔料、蓄光顔料、補色顔料等が挙げられる。染料については、直接染料、酸性染料、塩基性染料、含金染料、及び各種造塩タイプ染料等が採用可能である。これらの顔料および染料は、単独又は2種以上組み合わせて使用してもかまわない。
【0034】
それらの着色剤の中でも、平均粒子径が1μm以下である顔料粒子を用いることが好ましい。これは、本発明のように、有機樹脂粒子を用いる場合は、前記有機樹脂粒子同士が密着した時に、前記有機樹脂粒子間に隙間が発生した場合、インキ漏れに影響を及ぼすこともあるので、平均粒子径が1μm以下である顔料粒子によって、前記隙間を埋めることで、インキ漏れ抑制効果がより得られやすいためであり、より考慮すれば、平均粒子径が0.5μm以下である顔料粒子が好ましい。さらに、顔料粒子の形状については、球状、もしくは異形の形状のものなどが使用できるが、摩擦抵抗を低減することを考慮すれば、球状顔料粒子が好ましく、より好ましくは、球状の顔料樹脂粒子である。ここでいう球状顔料粒子とは、真球状に限定されるものではなく、略球状の顔料粒子や、略楕円球状の顔料粒子などでも良い。
また、顔料粒子の平均粒子径は、レーザー回折法(商品名「MicrotracHRA9320−X100」による体積基準法によって求められる。
【0035】
また、前記有機樹脂粒子の平均粒子径をXμm、前記顔料粒子の平均粒子径をYμmとした場合、Y/X<2.0の関係であることが好ましい、これは、前記有機樹脂粒子同士が密着し、前記有機樹脂粒子間に隙間が発生した時に、該隙間を埋めづらく、インキ漏れに影響が出やすいためである。より考慮すれば、Y/X<1.5の関係であることが好ましく、最も好ましくは、0.05<Y/X<1.0である。
【0036】
また、インキ漏れを抑制するために、デキストリンを用いることが好ましい、これは、デキストリンを用いることで、ペン先のインキが乾燥時に、皮膜を形成することで、ボールとチップ先端の内壁との間の隙間よりインキ漏れ抑制する効果が得られためである。
【0037】
また、デキストリンの重量平均分子量については、5000〜120000がより好ましい。重量平均分子量が120000を超えると、ペン先に形成される皮膜が硬く、ドライアップ時の書き出しにおいて、筆跡がカスレやすい傾向があり、一方、重量平均分子量が5000未満だと、吸湿性が高くなりやすく、ペン先に皮膜が柔らかくなりやすく、インキ漏れ抑制効果を十分に得られづらい傾向があるためである。さらに、重量平均分子量が20000より小さいと、皮膜が薄くなりやすい傾向があるため、重量平均分子量が、20000〜120000が最も好ましい。
【0038】
デキストリンの含有量は、インキ組成物全量に対し、0.1〜5.0質量%が好ましい。これは、0.1質量%より少ないと、インキ漏れの効果が十分得られない傾向があり、5.0質量%を越えると、インキ中で溶解しづらい傾向があるためである。よりインキ中の溶解性について考慮すれば、0.1〜3.0質量%が好ましく、よりインキ漏れについて考慮すれば、1.0〜3.0質量%が、最も好ましい。
【0039】
また、水分の溶解安定性、水分蒸発乾燥防止等を考慮し、水溶性溶剤を用いる。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール溶剤、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタートやその他の高級アルコール等のアルコール系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシブタノール、3−メトキシ−3−メチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。その中でも、本発明で用いる前記有機樹脂粒子との溶解安定性を考慮すれば、多価アルコール溶剤を用いる方が好ましい。多価アルコール溶剤とは、二個以上の水酸基が脂肪族あるいは脂環式化合物の相異なる炭素原子に結合した化合物である溶剤であり、その中でも、2価または3価の水酸基を有する多価アルコールを少なくとも含有することが、最も好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
【0040】
水溶性溶剤の含有量については、溶解性、インキ漏れ、にじみ等を考慮すると、インキ組成物全量に対し、0.1〜25.0質量%が好ましいが、本発明のようにインキ漏れを考慮すれば、7.0〜20.0質量%以下が好ましい、これは、溶剤による水素結合によって、凝集構造が崩れやすくなり、前記有機樹脂粒子によるインキ漏れ抑制効果に影響しやすいためである。
【0041】
また、潤滑性を向上することで、ボールの回転をスムーズにすることで、ボール座の摩耗抑制や書き味を向上しやすくするために、リン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸などを用いることが好ましい。特に、リン酸基を有するリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これは、リン酸基が金属吸着することで、より潤滑性を向上して、ボール座の摩耗抑制や書き味を向上しやすくするためである。リン酸エステル系界面活性剤の種類としては、スチレン化フェノール系、ノニルフェノール系、ラウリルアルコール系、トリデシルアルコール系、オクチルフェノール系、ヘキサノール系等が上げられる。この中でも、フェニル骨格を有すると立体障害により潤滑性に影響が出やすいため、フェニル骨格を有さないリン酸エステル系界面活性剤を用いる方が、好ましい。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
【0042】
また、リン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬(株))の中から、プライサーフA212C(トリデシルアルコール系)、同A208B(ラウリルアルコール系)、同A213B(ラウリルアルコール系)、同A208F(短鎖アルコール系)、同A215C(トリデシルアルコール系)、同A219B(ラウリルアルコール系)等が挙げられる。また、脂肪酸の具体例としては、OSソープ、NSソープ、FR−14、FR−25(花王(株))等が挙げられる。これ等のリン酸エステル系界面活性剤、脂肪酸は、単独又は2種以上混合して使用してもよい。
【0043】
また、顔料粒子を用いてより濃い筆跡とするには、シリコーン系界面活性剤、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる1種以上の界面活性剤を用いることが好ましい。これは、紙に対する浸透性が向上することで、顔料粒子が、紙面上に残り、より濃い鮮明な筆跡が得られやすいためである。そのため、ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量を15〜50μm以上として、インキ吐出量を多くして、前記界面活性剤を用いることで、より濃い鮮明な筆跡が得られるやすい。その中でも、フッ素系界面活性剤を用いるのが好ましい、これは、前記フッ素系界面活性剤は、最も表面張力を低減することが可能で、紙への浸透性も向上しやすいため、濃い筆跡が得られやすいからである。
【0044】
また、シリコーン系界面活性剤は、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、フッ素変性、ジメチル、メチルフェニルなどのシリコーンオイル等が挙げられる。フッ素系界面活性剤は、パーフルオロ基ブチルスルホン酸塩、パーフルオロ基含有カルボン酸塩、パーフルオロ基含有リン酸エステル、パーフルオロ基含有リン酸エステル型配合物、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロ基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親水性基含有オリゴマー、パーフルオロ基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキルベタイン、パーフルオロアルキルアミンオキサイド化合物等が挙げられる。その中でも、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物を用いるのが好ましい。これは、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物のフッ素系界面活性剤は、より濃い筆跡になり易くすることが可能なため、好ましく用いることができる。さらに、エチレンオキシド基があると、親水性が強くなるため、水に対して溶解しやすく、経時安定性が安定する傾向にあることも挙げられる。これらは、単独または2種以上混合して使用してもよい。
【0045】
その他の添加剤は、所望により添加剤を含有することができる、具体的には、着色剤の経時安定性やさらに潤滑性を向上させるためにpH調整剤や、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、スチレン−ブタジエン系樹脂エマルジョンなどの定着剤、酸性樹脂などの顔料分散剤、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等の防菌剤、尿素、ソルビット等の保湿剤、ベンゾトリアゾール等の防錆剤、エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤などを添加することができる。これらは単独または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0046】
本発明では、よりインキの漏れ出しを抑制するとともに、書き味に優れ、濃い筆跡とする水性ボールペンにするには、100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、110≦A/B≦600の関係とすることが好ましく、この範囲にすることで、濃い筆跡で、書き味を向上するばかりではなく、筆跡にじみ、泣きボテのない良好な筆記性能になりやすくする効果が得られる。
【0047】
さらに、100mあたりのインキ消費量とボール径との関係については、より濃い筆跡や書き味を向上するには、120≦A/Bにすることが好ましく、有機樹脂粒子を含むことによって、ボールとチップ先端の間隙よりインキ垂れ下がりや、にじみや泣きボテが発生しにくくして筆記性能を良好とするには、A/B≦500とすることが好ましい。そのため、120≦A/B≦500とすることが好ましく、より濃い筆跡とインキ漏れ抑制を考慮すれば、150≦A/B≦450となることが好ましい。具体的に例を挙げると、ボール径をA(mm)=1.0(mm)の場合、100mあたりのインキ消費量B(mg)は、B=110〜600(mg)とすることで、110≦A/B≦600の関係とすることができる。なお、インキ消費量については、20℃、筆記用紙JIS P3201筆記用紙上に筆記角度65°、筆記荷重100gの条件にて、筆記速度4m/minの速度で、試験サンプル5本を用いて、らせん筆記試験を行い、その100mあたりのインキ消費量の平均値を、100mあたりのインキ消費量と定義する。
また、ボール径については、特に限定されないが、0.1〜2.0(mm)程度のボールを用いる。
【0048】
また、pHについては、7.0〜11.0が好ましい。これは、pH値が7未満で酸性領域であると、有機樹脂粒子、着色剤、界面活性剤などのインキ成分に対する安定性への影響や、金属製のボールペンチップやボールの腐食に影響が発生するためで、pH値が10を超えて強アルカリ側に寄っても、同様にインキ成分に対する安定性への影響が発生してしまうためである。より考慮すれば、pH値7.0〜10.0がより好ましい。
【0049】
また、より潤滑性を向上し、濃い筆跡を得るためには、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)を0.1〜5nmとするとより好ましい。これは、算術平均粗さ(Ra)が、この範囲を越えると、ボール表面が粗すぎて、ボールとボール座の回転抵抗が大きくなりやすいため、書き味が劣りやすい傾向があり、また、この範囲を下まわると、ボールの表面に十分にインキが乗らないため、濃い筆跡が得られづらくなる傾向が強くなる。そのため、書き味を向上し、濃い筆跡を得るためには、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.1〜5nmとすることが好ましい。さらに、考慮すれば、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)が、0.1〜4nmとすることが好ましい。
【0050】
ボール 表面の算術平均粗さについて、算術平均粗さ(Ra)とは、(表面粗さ測定器(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)により測定された粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
【0051】
また、ボール材は、特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールや、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素などが挙げられる。特に、超硬合金ボールは、低コストであり、さらに、インキがボール表面に載りやすく、手脂の付着した筆記面において筆記時にも有利であるため好ましい。
【0052】
次に実施例を示して本発明を説明する。
実施例1
顔料分散体(着色樹脂粒子:平均粒子径0.4μm、固形分量30%)20.0質量部
水 58.7質量部
オレフィン樹脂粒子(低密度ポリエチレン分散体、平均粒子径6μm、pH値8、固形分40%) 0.5質量部
多価アルコール(グリセリン) 10.0質量部
デキストリン(重量平均分子量:100000) 1.0質量部
尿素 5.0質量部
PH調整剤(トリエタノールアミン) 2.0質量部
エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 0.5質量部
潤滑剤(リン酸エステル系界面活性剤) 1.0質量部
防錆剤(ベンゾトリアゾール) 0.5質量部
多糖類繊維(セルロースナノファイバー) 0.3質量部
【0053】
顔料分散体、水、有機樹脂粒子、多価アルコール溶剤、デキストリン、尿素、PH調整剤、エチレンジアミン四酢酸、潤滑剤、防錆剤をマグネットホットスターラーで加温撹拌等してベースインキを作成した。
【0054】
その後、上記作製したベースインキを加温しながら、多糖類繊維を投入してホモジナイザー攪拌機を用いて均一な状態となるまで充分に混合攪拌して、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を得た。
尚、実施例1のインキ粘度は、ブルックフィールド社製DV−II粘度計(CPE−42ローター)を用いて20℃の環境下で、剪断速度1.92sec
−1(回転数0.5rpm)の条件にてインキ粘度を測定したところ、500mPa・sであった。
また、実施例1のpH値は、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて測定したところ、pH値=8.5であった。
【0055】
実施例2〜16
インキ配合を表に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で実施例2〜16の水性ボールペン用インキ組成物を得た。表に、インキ配合および評価結果を示す。
【表1】
【表2】
【0056】
比較例1〜9
インキ配合を表に示すように変更した以外は、実施例1と同様な手順で比較例1〜9の水性ボールペン用インキ組成物を得た。表に、インキ配合および評価結果を示す。
【表3】
【0057】
試験および評価
実施例1〜16及び比較例1〜9で作製した水性ボールペン用インキ組成物を、インキ収容筒の先端にボール径が0.7mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップ(ボールペンチップのボールの縦軸方向への移動量30μm、ボール表面の算術平均粗さ(Ra)1nm)をチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に充填したレフィル(1.0g)を(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着して、以下の試験および評価を行った。尚、耐摩耗試験(ボール座の摩耗抑制)、筆跡の濃さの評価は、筆記試験用紙としてJIS P3201 筆記用紙Aを用い、以下のような試験方法で評価を行った。
【0058】
インキ漏れ試験:40gの重りをゲルインキボールペンに付けて、ボールペンチップを突出させて下向きにし、ボールペンチップのボールの、ボールペン用陳列ケースの底部に当接させた状態を保ち、20℃、65%RHの環境下に1日放置し、ボールペンチップ先端からのインキ漏れ量を測定した。
インキ漏れ量が5mg未満であるもの ・・・◎
インキ漏れ量が5〜20mgであるもの ・・・○
インキ漏れ量が20mgを越えて、30mg未満のもの ・・・△
インキ漏れ量が30mg以上のもの ・・・×
【0059】
書き味:手書きによる官能試験を行い評価した。
非常に滑らかなもの ・・・◎
滑らかであるもの ・・・○
実用上問題ないレベルの滑らかさであるもの ・・・△
重いもの ・・・×
【0060】
筆跡の濃さ:手書きにより筆記した筆跡を観察した。
濃く鮮明な筆跡であるもの ・・・◎
濃い筆跡であるもの ・・・○
実用上問題ない濃さの筆跡であるもの ・・・△
薄い筆跡のもの ・・・×
【0061】
表の結果より、実施例1〜16では、インキ漏れ試験、書き味、筆跡の濃さともに良好レベルの性能が得られた。尚、実施例1〜16の水性ボールペン用インキ組成物を用いて、コイルスプリングなどの弾発部材を具備しないボールペンチップ仕様に変更したゲルインキボールペンで試験したところ、インキ漏れ試験、書き味、筆跡の濃さ、ともに良好レベルの性能が得られた。
また、実施例1の水性ボールペン用インキ組成物を用いて水性ボールペンとして、らせん筆記試験を行い、100mあたりのインキ消費量をA(mg)、前記ボール径をB(mm)とした場合、A=170(mg)、ボール径をB=0.7(mm)となり、A/B=243であった。
【0062】
さらに、実施例1〜16の水性ボールペン用インキ組成物を用いて、ボール径を1.0mmとしたボールペンチップ仕様に変更したゲルインキボールペンで試験したところ、インキ漏れ試験、耐摩耗試験、筆跡の濃さ、書き味ともに良好レベルの性能が得られた。 そのため、ボール径が0.9mm以上のボールを用いて、インキ吐出量を多くする場合では、ボールとチップ先端の内壁との間に隙間が大きく、インキ漏れの影響が発生しやすいが、本発明の効果は顕著であり、好適に用いられる。
【0063】
比較例1、2では、多糖類繊維を用いなかったため、インキ漏れがひどく、実用上問題となるレベルであった。
【0064】
比較例3では、有機樹脂粒子を用いなかったため、インキ漏れがひどく、実用上問題となるレベルであった。
【0065】
比較例4、5では、ボールペンチップのボールの、縦軸方向への移動量が15μm未満であったため、インキ吐出量が少なくなってしまい、薄い筆跡になってしまった。
【0066】
比較例6では、ボールペンチップのボールの、縦軸方向への移動量が50μmを越えたため、インキ吐出量が多くなってしまい筆跡に泣きボテが発生した、さらに、インキ漏れを抑制できなかった。
【0067】
比較例7〜9では、無機樹脂粒子を用いたため、インキ漏れがひどく、実用上問題となるレベルであった。
【0068】
一般的に水性ゲルボールペンのボールペンチップは、インキ漏れ抑制するために、ボールペンチップ先端に回転自在に抱持したボールを、コイルスプリングなどの弾発部材により直接又は押圧体を介してチップ先端縁の内壁に押圧して、筆記時の押圧力によりチップ先端縁の内壁とボールに間隙を与えインキを流出させる弁機構を具備し、チップ先端の微少な間隙も非使用時に閉鎖してあるが、本発明のようにインキの漏れ出しの抑制効果が特段に高いボールペン用インキ組成物を用いると、前記コイルスプリングなどの弾発部材がなくても、インキ漏れを抑制できる。そのため、ボールと弾発部材の抵抗がなくなり、書き味が向上し、インキの流動性も向上することで、インキ追従性も向上し、さらに部品点数の低下に繋がり、コストを抑制することが可能となり、より効果的である。特に、出没式等のボールペンでは、インキ漏れの抑制については、より重要視されているので、好適に用いることが可能である。