(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記走行パターン検出部が前記適合した走行パターンを検出した場合には、前記走行パターン生成部は前記適合した走行パターンに前記現在の走行状態を組み込み統計処理することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、従来の車両空調装置の自動操作では、内気温センサ等の各種センサからの検出値に基づいて、設定温度を維持するように車両空調装置が自動制御されている。一方、例えば、夏場の高温時や冬場の低温時等極端な外部環境状態でない限りにおいては、乗員が車両から降車する少し手前から車両空調装置を微風状態に変更し、あるいは、車両空調装置を停止しても、車室内の温度が急激に上昇し、あるいは、急激に低下する恐れはない。
【0006】
つまり、乗員が車両から降車する少し手前から車両空調装置が微風状態に変更され、あるいは、車両空調装置が停止された場合でも、それ以前の車両空調装置の稼働により、車室内の温度は乗員にとって快適な状態を維持することが可能である。
【0007】
例えば、通勤時に車両を使用する場合、会社の駐車場に到着した後、空いている駐車スペースを探し、車両を駐車し、エンジンを停止させ、乗員は車両から降車する。駐車場の大きさや駐車場内の混雑状況によって異なるが、駐車場へ入ってから乗員が車両から降車するまでに要する時間は数分程度である。上述したように、数分程度の時間であれば、車両空調装置が停止等された場合でも、車室内の温度は乗員にとって快適な状態を維持することが可能である。
【0008】
しかしながら、従前の車両空調装置の自動操作では、乗員が車両から降車する時に、車両のエンジンを停止し、あるいは、車両空調装置を停止することで、上述した自動制御が終了する。そのため、乗員が車両から降車する時まで、上述した車両空調装置の自動制御が行われ続けることで、車両の消費電力が低減し難いという問題ある。つまり、乗員が車両から降車するタイミングに合わせて、その少し手前から車両空調装置を停止させる等の対策により、車両の消費電力を低減させ、車両の燃費を向上させる車両制御装置が求められている。
【0009】
また、車両の走行モードに関しても、エコモード、スポーツモード等、車両に応じて複数の走行モードがあり、運転手が車両の走行環境に合わせて自由に選択することができる。そして、走行モードにおいても、運転手が走行モードを変更しない限りは、乗員が車両から降車する際に車両のエンジンを停止するまでは、同じ走行モードのままである。
【0010】
そのため、例えば、運転手がスポーツモードにて車両を走行させた状態にて会社の駐車場に到着した場合、車両の走行モードは駐車場内においてもスポーツモードのままである。そして、駐車場内では安全面等により車両は徐行運転となるが、徐行運転時においてもスポーツモードを継続することで、エコモードと比較して不要な燃料が消費され、車両の燃費が向上し難いという問題がある。
【0011】
また、車両の窓の開閉状況に関しても同様である。例えば、車両の乗員が車両の窓を開けた状態にて、車両が会社の駐車場に到着した場合、乗員が自ら窓開閉ボタンを操作し、窓を閉めない限りは車両の窓は開いた状態のままである。その後、車両を駐車スペースに駐車させ、車両の窓を全部閉めてからエンジンを停止させ、乗員が車両から降車する。そのため、車両を駐車スペースに駐車させた後、車両の窓を閉めるまでの時間は、エンジンが稼働しており、場合によっては、車両空調装置も稼働しているため、車両の燃費が向上し難く、また、車両の消費電力が低減し難いという問題ある。
【0012】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、車両の到着地点を推測し、乗員の降車のタイミングに合わせてその手前から車両空調装置や車両の走行モード等を可変制御することで、車両の消費電力の低減や燃費の向上を実現する車両制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車両制御装置では、車両の走行時の走行状態から複数の走行パターンを生成する走行パターン生成部と、前記走行パターン生成部により生成された前記複数の走行パターン及び前記車両の
前記走行状態を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された前記複数の走行パターンと現在の前記走行状態とを照合し、前記現在の走行状態と適合
した前記走行パターンを検出する走行パターン検出部と、前記走行パターン検出部により検出された前記適合した走行パターンから推定される到着地点に基づいて、前記到着地点の手前から前記車両の乗員の降車に備えて前記車両の制御状態を可変制御する車両状態可変制御部と、を
備え、前記走行パターン生成部は、前記車両の走行開始からの走行距離と前記走行距離に応じたステアリング角度とから前記走行パターンを生成し、前記走行パターン検出部は、前記現在の走行状態の前記ステアリング角度と前記複数の走行パターンの前記ステアリング角度とを照合し、前記適合した走行パターンを検出した場合に、前記車両状態可変制御部は前記車両の制御状態を可変制御することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の車両制御装置では、前記走行パターン検出部が前記適合した走行パターンを検出した場合には、前記走行パターン生成部は前記適合した走行パターンに前記現在の走行状態を組み込み統計処理することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の車両制御装置では、前記記憶部に記憶される前記走行状態は、少なくとも
前記ステアリング角度
、前記走行距離に応じた速度
、前記車両のイグニッションオン時間、前記車両のイグニッションオフ時間、前記車両に設定された曜日、前記車両への乗車人数または前記車両の運転手の体重のいずれかを含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の車両制御装置では、前記走行パターン検出部
は、前記適合した走行パターンを検出した後、前記適合した走行パターンに対して前記イグニッションオン時間、前記曜日、前記乗車人数、前記
速度または前記運転手の体重の中から設定された項目を照合することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の車両制御装置では、前記走行パターン検出部が前記設定された項目が適合すると検出した場合には、前記車両状態可変制御部は
、少なくとも前記車両の空調装置
、前記車両の駆動装置または前記車両の窓開閉装置のいずれか1つを可変制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の車両制御装置では、走行パターン生成部は記憶部に記憶された走行状態から複数の走行パターンを生成し、走行パターン検出部は現在の走行状態に適合する走行パターンを検出する。そして、車両制御装置は、検出された走行パターンから車両の到着地点を予測し、車両がその到着地点に到着する手前から車両空調装置等を可変制御することで、車両の消費電力が低減され、また、車両の燃費が向上される。
【0023】
また、本発明の車両制御装置では、走行パターン生成部は現在の走行状態に適合する走行パターンに対して、現在の走行状態も加えて統計処理を行い、走行パターンを更新する機能、所謂、学習機能を有する。そして、車両制御装置は、車両の乗員の現在の生活環境を反映させた走行パターンへとデータを更新することが可能となり、車両制御装置は乗員に即した車両空調装置等の可変制御を実行することができる。
【0024】
また、本発明の車両制御装置では、車両の走行状態として、少なくとも車両の走行距離に応じたステアリング角度または車両の走行距離に応じた速度が記憶される。車両制御装置は、車両の走行距離に応じて変化するステアリング角度や車両の速度を記憶し、走行パターンの生成に用いる。そして、車両制御装置は、走行距離とステアリング角度等がリンクすることで、車両の到着地点までのタイミングを判別し易くなる。
【0025】
また、本発明の車両制御装置では、走行パターン検出部が、検出された走行パターンに対して、現在の走行状態の上記ステアリング角度または上記車両の速度を用いて対比し続けることで、車両制御装置は、所望のタイミングにて車両空調装置等の可変制御を実行することができる。
【0026】
また、本発明の車両制御装置では、車両の走行状態として、上記車両のステアリング角度、上記車両の速度の他に、車両のイグニッションオン時間、車両のイグニッションオフ時間、車両に設定された曜日、車両への乗車人数または車両の運転手の体重を用いることができる。そして、車両制御装置は、走行状態として複数の情報を取得することで、現状の走行状態と走行パターンとの適合精度を高めることができる。
【0027】
また、本発明の車両制御装置では、走行パターン検出部は、上記車両のステアリング角度または上記車両の速度を用いて適合する走行パターンを検出した後、更に、上記車両の走行状態の複数の情報を用いて現在の走行状態と走行パターンとの対比を行う。そして、車両制御装置は、検索に用いる情報数が増加することで、精度良く車両空調装置等の可変制御を実行することができる。
【0028】
また、本発明の車両制御装置では、現状の走行状態と走行パターンとが適合した場合には、車両制御装置が、所望のタイミングにて車両空調装置をオフ制御し、あるいは、車両空調装置の空調風を微風制御することで、車両の消費電力が低減され、車両の燃費が向上される。
【0029】
また、本発明の車両制御装置では、現状の走行状態と走行パターンとが適合した場合には、車両制御装置が、所望のタイミングにて車両駆動装置を制御し、車両の走行モードをエコモードへと切り替えることで、車両の燃費が向上される。
【0030】
また、本発明の車両制御装置では、現状の走行状態と走行パターンとが適合した場合には、車両制御装置が、所望のタイミングにて車両窓開閉装置を制御し、車両の窓を全て閉めることで、車両の消費電力が低減され、車両の燃費が向上される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る車両制御装置を図面に基づき詳細に説明する。尚、一実施形態の説明の際には、同一の部材には原則として同一の符番を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0033】
図1は本実施形態の車両制御装置1の概要を示すブロック図である。
【0034】
図1に示す如く、車両2は、主に、車両制御装置1と、記憶部3と、走行パターン生成部4と、走行パターン検出部5と、車両空調装置6と、車両駆動装置7と、車両窓開閉装置8と、車両情報取得部9と、を備えている。
【0035】
車両制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有して構成され、車両制御のための各種の演算等を実行する電子制御ユニット(ECU)等である。詳細は後述するが、車両制御装置1は、走行パターン検出部5からの検出結果に基づき各種の演算等を行い、車両2の到着地点を現在の車両の走行状態と走行パターンから推測し、車両2から乗員が降車するタイミングに対して、予め、車両空調装置6、車両駆動装置7、車両窓開閉装置8等を制御し、それらの装置6、7、8を可変制御する。
【0036】
記憶部3は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−only Memory)等の不揮発性メモリにて構成され、車両2の制御に必要な各種データが記憶されている。そして、上記各種データの1つとして、記憶部3には、運転手が車両2のエンジンを始動させるためにエンジンボタンを押下した時から運転手が車両2のエンジンを停止させるためにエンジンボタンを押下する時までの車両の走行状態に関するデータ(以下、「走行状態データ」と呼ぶ。)が毎回記憶されている。
【0037】
走行状態データは、例えば、イグニッションのオン時間データ、イグニッションのオフ時間データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じたステアリング角度データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じた速度データ、曜日データ、乗車人数データや運転手の体重データ等である。尚、イグニッションは、運転手がエンジンボタンを押下することでオンまたはオフする場合でも良く、運転手が車両キーを差し込み、その車両キーを回転させることでオンまたはオフする場合でも良い。
【0038】
走行パターン生成部4は、記憶部3に記憶されている複数の走行状態データから走行パターンデータを生成し、記憶部3に記憶させる。詳細は
図2を用いて後述するが、走行パターン生成部4は、例えば、上記走行状態データの1つであるステアリング角度データを用いて、記憶部3に記憶されている複数の走行状態データを検索する。そして、走行パターン生成部4は、車両2の走行開始からの走行距離に応じたステアリング角度の変位量が同じまたは許容範囲内であると判別された走行状態データを検出する。走行パターン生成部4は、例えば、検出された走行状態データが10データ以上ある場合には、検出された走行状態データに対して統計処理を施し、走行パターンデータを生成し、記憶部3に記憶させる。
【0039】
尚、走行パターン生成部4では、上記検出作業を、例えば、週に1回行い、検出された走行状態データが10データ以上ある場合には、順次、走行パターンデータを生成し、記憶部3に記憶させる。また、走行パターンデータとしては、上述した走行状態データと同じ項目数のデータを有し、例えば、正規分布法にて統計処理し、その平均値から±45%の範囲を許容範囲値として取り扱う。
【0040】
走行パターン検出部5は、現在走行中の車両2の走行状態データと記憶部3に記憶されている走行パターンデータとを照合し、現在の走行状態データと適合する走行パターンデータを検出した場合には、その走行パターンデータを読み出す。そして、走行パターン検出部5は、現在の走行状態データと適合した走行パターンデータとの比較を行うことで、車両2の到着地点を推測する。
【0041】
詳細は、
図2〜
図6を用いて後述するが、適合した走行パターンデータのステアリング角度データにおいて、9回のステアリング角度の変位がある場合、走行パターン検出部5は、現在の走行状態データのステアリング角度データと走行パターンデータの9回目のステアリング角度データとの適合を検出することで、車両制御装置1が、間もなく車両2から乗員が降車すると判別し、車両空調装置6、車両駆動装置7、車両窓開閉装置8等を制御し、それらの装置6、7、8を可変制御する。
【0042】
更に、走行状態データと走行パターンデータとが適合する場合には、走行パターン生成部4は、上記適合した走行パターンデータを更新する機能、所謂、学習機能も併せ持つことで、精度良く乗員が降車するタイミングを推測し、車両2の消費電力の低減や燃費の向上を実現できる。
【0043】
車両空調装置6は、車両2内に配設されたブロア、エバポレータ、ヒートコア等を備える空調ユニットを制御し、空調風の温度や風量等を車両情報取得部9からの情報に基づき調整することで、車室内の温度を調整する装置である。そして、車両空調装置6としては、乗員が自ら室温調整ボタン等を操作する手動操作と、車両の各種センサからの検出値に基づいて自動制御を行う自動操作とが知られている。
【0044】
車両駆動装置7は、車両2を走行させるための動力源であるエンジンや車両2の減速及び停止を行うブレーキ等を有している。そして、車両駆動装置7は、例えば、エコモード、スポーツモード等の複数の走行モードを有しており、車両2の走行環境等に応じて走行モードを切り替えて走行することができる。エコモードでは、スポーツモードと比較して燃料噴出量が少なく調整され、車両2の燃費が向上される。
【0045】
車両窓開閉装置8は、乗員のスイッチ操作に応じて自動にて車両2に配設された窓を開閉させる装置である。また、車両窓開閉装置8では、車両制御装置1に制御され、乗員によるスイッチ操作無しに窓を開閉させることも出来る。
【0046】
車両情報取得部9は、ステアリング角度センサ10、速度センサ11、着座センサ12、外気温センサ13、室温センサ14、日射センサ15、シートベルト装着センサ16等、車両2に備えられた各種センサを介して車両2の走行状態を検知する。例えば、着座センサ12やシートベルト装着センサ16により、上記乗車人数データや運転手の体重データを取得することができる。
【0047】
図2は本実施形態の自宅から会社までの通勤時における走行パターンに関し、(A)車両2の走行開始からの走行距離に応じたステアリング角度を説明する図であり、(B)車両2の走行開始からの走行距離に応じた速度を説明する図である。尚、
図2(A)では、一般道路及び高速道路における緩やかなカーブや車線変更等の比較的ステアリング角度の変位量が小さい場合は省略して図示している。
【0048】
図2(A)及び
図2(B)に示す通勤時の走行パターンは、自宅近隣の駐車場から車両2を発車させ、一般道路を走行し、高速道路を走行した後、再び、一般道路を走行し、会社の駐車場へ車両を駐車させる走行パターンである。尚、以下の説明では、適宜、
図2(A)及び(B)を参照するものとする。
【0049】
点線21では、自宅近隣の駐車場内の走行状態を示し、車両2を駐車スペースから出すために右側へステアリングを切って前進した後、駐車場の出口に向かうため駐車場内にて一度左折を行っている。そして、駐車場内の安全確保の為、車両2は20km/h以下にて徐行運転を行っている。尚、詳細は
図3を用いて後述するが、本実施形態では、例えば、駐車場内での駐車スペースは毎回同じ場所とは限らないため、車両2の速度が20km/h以下の状態が一定時間以上継続する場合のステアリング角度の変位量は無視し、その後走行パターンから削除するものとする。
【0050】
次に、ステアリング角度(1)は、車両2が駐車場から左折しながら一般道路に合流する時の角度であり、車両2はほぼ直角に左折するためステアリング角度(1)の変位量は大きくなっている。そして、車両2は駐車場から出た後、緩やかに加速し、車両2は40km/hにて直進している。
【0051】
次に、ステアリング角度(2)は、車両2が一般道路の交差点にて左折する時の角度であり、車両2はほぼ直角に左折するためステアリング角度(2)の変位量は大きくなっている。そして、車両2は左折した後、緩やかに加速し、車両2は40km/hにて直進している。
【0052】
次に、ステアリング角度(3)、(4)は、車両2が一般道路から高速道路へと移行する時の角度であり、ステアリング角度(3)は、車両2が一般道路からIC(Interchange)内の道路へと移行する時の角度であり、ステアリング角度(3)の変位量は小さくなっている。また、ステアリング角度(4)は、車両2がIC内のクロソイド曲線の道路を時計回りに走行している時の角度であり、ステアリング角度(4)の変位量は少しの間一定である。そして、車両2は、一般道路から引き続き、40km/hにて走行している。
【0053】
次に、ステアリング角度(5)は、車両2が高速道路の料金所を通過し高速道路の本線に合流する時の角度であり、ステアリング角度(5)の変位量は小さくなっている。そして、車両2は、徐行状態にて料金所を通過した後、右斜め前方に徐々に加速しながら高速道路の本線に合流し、90km/hにて走行している。
【0054】
次に、ステアリング角度(6)、(7)は、車両2が高速道路から一般道路へと移行する時の角度であり、ステアリング角度(6)は、車両2が高速道路の本線からIC内のクロソイド曲線の道路を反時計回りに走行している時の角度であり、ステアリング角度(6)の変位量は少しの間一定である。また、ステアリング角度(7)は、車両2が高速道路の料金所を通過し一般道路に合流する時の角度であり、ステアリング角度(7)の変位量は小さくなっている。そして、車両2は、徐々に40km/hまで減速し、徐行状態にて料金所を通過した後、再び、緩やかに加速し、車両2は一般道路を40km/hにて直進している。
【0055】
次に、ステアリング角度(8)は、車両2が一般道路の交差点にて右折する時の角度であり、車両2はほぼ直角に右折するためステアリング角度(8)の変位量は大きくなっている。そして、車両2は右折した後、緩やかに加速し、車両2は40km/hにて直進している。
【0056】
次に、ステアリング角度(9)は、車両2が左折しながら駐車場内に進入する時の角度であり、車両2はほぼ直角に左折するためステアリング角度(9)の変位量は大きくなっている。そして、車両2は、緩やかに減速しながら駐車場内に進入している。
【0057】
最後に、点線22では、会社の駐車場内の走行状態を示し、車両2の駐車スペースを探しながら、車両2は20km/h以下にて徐行運転を行っている。尚、上述したように、車両2の速度が20km/h以下の状態が一定時間以上継続する場合のステアリング角度の変位量は記憶せず、走行パターンから削除するものとする。
【0058】
尚、
図2(A)では、説明の都合上、ステアリング角度と走行距離とをグラフとして図示し説明したが、記憶部3には、少なくともステアリング角度データと走行距離データとがリンク付けされて記憶されている。同様に、
図2(B)にて示した車両2の速度と走行距離に関しても、記憶部3には、少なくとも速度データと走行距離データとがリンク付けされて記憶されている。更には、ステアリング角度データ、速度データ及び走行距離データがリンク付けされて記憶部3に記憶されている場合でも良い。
【0059】
また、通勤途中に一般道路沿いのコンビニエンスストアに立ち寄る場合もある。上述したように、コンビニエンスストアの駐車場内では、通常、車両2は20km/h以下にて徐行運転を行うため、コンビニエンスストアへ出入りする際のステアリング角度及びコンビニエンスストア内でのステアリング角度の変位量は無視し、その後、走行パターンから削除するものとする。具体的には、車両2は、コンビニエンスストアの駐車場に停車し、乗員が用事を済ませた後、再び、走行を開始するが、例えば、その停車時間が5分未満の場合には、走行パターン検出部5は、走行途中に一時的にコンビニエンスストアに立ち寄ったと判断する。そして、走行パターン検出部5は、上記コンビニエンスストアに関連するステアリング角度を無視し、引き続き、検出した走行パターンデータに対して現在の走行状態データとの比較を継続する。尚、上記車両2の停車状態としては、エンジンスイッチを押下し、エンジンを停止させた状態も含むものとする。
【0060】
図3は本実施形態の車両制御装置1における走行パターンを生成するための制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図3に示す如く、ステップS1において、運転手等の乗員が車両2に搭乗し、運転手がエンジンボタンを押下すると、車両制御装置1は、車両駆動装置7等を制御し、エンジンを始動させる。このとき、エンジンボタンを押下することで、イグニッションもオンし、車両2内に搭載されたバッテリから車両空調装置6、車両駆動装置7、車両窓開閉装置8等に給電され、それらの装置6、7、8も作動状態となる。
【0062】
ステップS2において、車両制御装置1は記憶部3及び走行パターン生成部4を制御し、走行パターン生成部4は、例えば、毎週月曜日の最初にイグニッションがオンした時に記憶部3内に記憶されている走行状態データを検索する。このとき、前回の検索時から今回の検索時までに蓄積された走行状態データを検索する。尚、走行状態データとしては、1回の走行毎に、イグニッションのオン時間データ、イグニッションのオフ時間データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じたステアリング角度データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じた速度データ、曜日データ、乗車人数データ及び運転手の体重データが、記憶部3に記憶されている。また、1回の走行とは、エンジンボタンが押下されエンジンが始動した後、再び、エンジンボタンが押下されエンジンが停止するまでの走行とする。尚、上述したように、1回の走行中にコンビニエンスストア等に立ち寄り、車両2が停車した場合において、車両2の停車時間が5分未満であれば、エンジンボタンが押下されエンジンが停止しても上記1回の走行と見なすものとする。
【0063】
ステップS3のYESにおいて、走行パターン生成部4が、前回の検索時から新たに蓄積された順序にて走行状態データを検索し、検索中の走行状態データから、例えば、
図2の点線21、22に示すように、車速が20km/h以下の状態が一定時間継続する状態におけるステアリング角度データを検出した場合には、ステップS4において、その検出したステアリング角度データを削除し、ステップS5へと進む。一方、ステップS3のNOにおいて、走行パターン生成部4が、車速が20km/h以下の状態におけるステアリング角度データを検出しない場合には、次のステップS5へと進む。
【0064】
ステップS5のYESにおいて、走行パターン生成部4が、現在検索中の走行状態データのステアリング角度データと同じまたは許容範囲内となる走行パターンデータを検出した場合には、ステップS6において、現在検索中の走行状態データ及び走行パターンデータに対して統計処理を施し、走行パターンデータの更新を行い、更新した走行パターンデータへと置き換えて記憶部3へ記憶させ、終了する。尚、最新の走行状態データを用いて走行パターンデータを更新する機能、所謂、学習機能を有することで、より現在の生活環境を反映させた走行パターンへとデータを更新することが可能となる。
【0065】
ステップS5のNOにおいて、走行パターン生成部4が、現在検索中の走行状態データのステアリング角度データと同じまたは許容範囲内となる走行パターンデータを検出しない場合には、ステップS7において、走行パターン生成部4が、現在検索中の走行状態データのステアリング角度データと同じまたは許容範囲内となるその他の走行状態データがあるか、否かを検出する。
【0066】
ステップS7のYESにおいて、走行パターン生成部4が、現在検索中の走行状態データのステアリング角度データと同じまたは許容範囲内となるその他の走行状態データを検出し、ステップS8のYESにおいて、走行パターン生成部4が、その他の走行状態データを含め10データ以上検出した場合には、ステップS9において、走行パターン生成部4が、現在検索中の走行状態データ及び検出されたその他の走行状態データに対して統計処理を施し、新たな走行パターンデータを生成し、記憶部3に記憶させ、終了する。
【0067】
尚、ステップS7のNO及びステップS8のNOの場合には、ステップS10において、新たな走行状態データを生成し、記憶部3に記憶させ、終了する。
【0068】
上述した制御動作において、例えば、自宅近隣の駐車場から会社の駐車場までの通勤時の走行パターンデータ、会社の駐車場から自宅近隣の駐車場までの帰宅時の走行パターンデータ、自宅の駐車場から掛かり付けの病院までの往復のそれぞれの走行パターンデータ、自宅から良く利用するスーパーマーケットまでの往復のそれぞれの走行パターンデータ等、日常良く利用する経路の走行パターンデータが生成される。
【0069】
そして、通勤時の走行パターンデータでは、統計処理が施され、例えば、イグニッションのオン時間データは6時25分〜6時35分、イグニッションのオフ時間データは7時20分〜7時30分、曜日データは月曜日〜金曜日、乗車人数データは1人、運転手の体重データは65kg〜67kgとして記憶されている。
【0070】
図4は本実施形態の車両制御装置1における空調制御装置6を制御するための制御動作の一例を示すフローチャートである。
【0071】
図4に示す如く、ステップS11において、運転手等の乗員が車両2に搭乗し、運転手がエンジンボタンを押下すると、車両制御装置1は車両駆動装置7等を制御し、エンジンを始動させる。このとき、エンジンボタンを押下することで、イグニッションもオンし、車両2内に搭載されたバッテリから車両空調装置6に給電され、車両空調装置6がオン状態の場合には、車両制御装置1は車両空調装置6及び車両情報取得部9を制御し、車室内の室温が設定温度となるように、空調風の温度や風量等を車両情報取得部9からの情報に基づき自動制御する。
【0072】
ステップS12において、車両制御装置1は車両情報取得部9を制御し、車両2の走行状態データを取得する。上述したように、走行状態データとして、先ず、イグニッションのオン時間データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じたステアリング角度データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じた速度データ、曜日データ、乗車人数データ及び運転手の体重データを取得する。このとき、ステアリング角度データ及び速度データは、
図2(A)及び(B)を用いて説明したように、車両2の現在の走行距離に応じて、随時、新たなデータとして取得されていく。
【0073】
ステップS13において、車両制御装置1は記憶部3及び走行パターン検出部5を制御し、走行パターン検出部5が、現在取得中の走行状態データと記憶部3に記憶されている走行パターンデータとを照合する。このとき、走行パターン検出部5は、例えば、車両2の走行開始から3回のステアリング角度データを取得していた場合には、3回までのステアリング角度データを用いて走行パターンデータとの照合を行う。尚、
図2(A)及び(B)の点線21、22を用いて説明したように、現在の走行状態データとして、車速が20km/h以下の状態におけるステアリング角度データも取得するが、この照合作業の際には、車速が20km/h以下の状態が一定時間継続する状態におけるステアリング角度データは無視して認識するものとする。
【0074】
ステップS13のYESにおいて、走行パターン検出部5が、現在の走行状態データのステアリング角度データと同じまたは許容範囲内となる走行パターンデータを検出した場合には、ステップS14において、走行パターン検出部5は、記憶部3から検出した走行パターンデータを読み出す。尚、走行パターンデータとして、統計処理が施されたイグニッションのオン時間データ、イグニッションのオフ時間データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じたステアリング角度データ、車両2の走行開始からの走行距離に応じた速度データ、曜日データ、乗車人数データ及び運転手の体重データが記憶されている。
【0075】
そして、走行パターン検出部5が、現状の走行状態データと検出した走行パターンデータの各項目のデータを照合し、ステップS15のYESにおいて、イグニッションオン時間データが適合し、ステップS16のYESにおいて、曜日データが適合し、ステップS17のYESにおいて、乗車人数データが適合し、ステップS18のYESにおいて、速度データが適合し、ステップS19のYESにおいて、運転手の体重データが適合する場合には、車両制御装置1は検出した走行パターンデータを適合した走行パターンデータと判別し、テップS20へと進む。
【0076】
ステップS20において、車両制御装置1が車両情報取得部9を制御し、外気温センサ13から外気温度を取得する。そして、ステップS20のYESにおいて、車両制御装置1が、外気温度が10℃から24℃の範囲内であると判別した場合には、車両空調装置6をオフ制御または空調風を微風に制御しても、一定期間の間は車室内の温度を乗員にとって快適な状態に維持できると判別し、ステップS21へと進む。
【0077】
ステップS21において、車両制御装置1が、走行パターン検出部5及び車両空調装置6を制御し、走行パターン検出部5が、現在の走行状態データのステアリング角度データが、走行パターンデータの最後のステアリング角度データと適合すると判別した場合には、車両制御装置1が、車両空調装置6をオフ制御または空調風を微風に制御する。
【0078】
ステップS22において、車両2が駐車スペースに駐車し、運転手がエンジンボタンを押下すると、車両制御装置1は車両駆動装置7等を制御し、エンジンを停止させる。このとき、エンジンボタンを押下することで、イグニッションもオフし、車両2内に搭載されたバッテリから車両空調装置6への給電も停止し、車両空調装置6が稼働していた場合にはオフとなる。その後、乗員が車両2から降車し終了する。
【0079】
一方、ステップS13のNO、ステップS15のNO、ステップS16のNO、ステップS17のNO、ステップS18のNO、ステップS19のNO及びステップS20のNOの場合には、車両制御装置1は、走行パターン検出部5が記憶部3から読み出した走行パターンデータと現在の走行状態データとが適合しないと判断し、車両空調装置6を可変制御することなく、ステップS22へと進み、上述したように、乗員が車両2から降車し終了する。つまり、走行パターン検出部5では、例えば、3回目までのステアリング角度データを用いて早い段階にて適合する走行パターンを検出するが、その後、イグニッションオン時間データ、曜日データ、乗車人数データ、速度データ、運転手の体重データ、外気温度等のデータを用いて再度検索することで、検出する走行パターンの精度が向上される。尚、走行パターン検出部5では、上記3回目までのステアリング角度データを用いて早い段階にて適合する走行パターンを検出する場合に限定するものではなく、例えば、4回目、5回目等のステアリング角度データを用いて適合する走行パターンを検出する場合でも良い。この場合には、最初にステアリング角度データを用いて検出された走行パターンの精度自体が高いものとなる。
【0080】
上述したように、走行パターン検出部5が記憶部3から走行パターンデータを読み出し、現在の走行状態データと適合すると判別することで、車両制御装置1は、走行パターンデータから車両2の到着地点を推測することができる。その結果、車両制御装置1では、例えば、現在の走行状態データのステアリング角度データが、走行パターンデータの最後のステアリング角度データと適合することで、車両2が停車するまでのタイミングを推測することができる。
【0081】
つまり、車両2の外部環境が極端に暑過ぎ、あるいは、寒過ぎたりしない場合には、車両2が停止する少し前から車両空調装置6をオフ制御または空調風を微風に制御しても、それまでの空調により車室内の環境を乗員にとって快適な状態に維持することが可能である。そして、不必要な車両空調装置6の稼働を停止し、あるいは、車両空調装置6を最低限の稼働に留めることで、車両2の消費電力の低減を実現することができる。また、車両空調装置6の負荷を抑えることで、車両2の燃費も向上させることができる。
【0082】
尚、
図4では、ステップS15からステップS19に挙げた走行パターンデータに対して現在の走行状態データが全て適合する場合に、車両制御装置1が車両空調装置6を可変制御する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、平日は夫一人にて通勤するが、週末のみ夫婦にて通勤する場合には、目的地は同じだが車両2への乗車人数が平日と週末では異なるため、このような場合には、走行状態データ及び走行パターンデータから乗車人数データを省略する場合でも良い。つまり、家族構成や家族の生活環境等、個々の車両2の使用状態に応じて、走行状態データ及び走行パターンデータとして設定される項目は任意の設定や調整が可能である。
【0083】
図5は本実施形態の車両制御装置1における車両駆動装置7を制御するための制御動作の一例を示すフローチャートである。尚、
図4を用いて上述した車両空調装置6を可変制御する制御動作のステップS11〜ステップS19及びステップS22が、車両駆動装置7を可変制御する制御動作のステップS31〜ステップS39及びステップS42と同じであり、ここでは上述した説明を参照し、その説明を割愛する。
【0084】
ステップS40のYESにおいて、車両制御装置1が現在の車両2の走行モードを判別し、現在の走行モードがスポーツモードの場合には、ステップS41へ進む。そして、ステップS41において、車両制御装置1が、走行パターン検出部5及び車両駆動装置7を制御し、走行パターン検出部5が、現状のステアリング角度データが、走行パターンデータの最後のステアリング角度データと適合すると判断した場合には、車両制御装置1が、車両駆動装置7を制御し、車両2の走行モードをスポーツモードからエコモードへと切り替える。尚、ステップS40のNOにおいて、現在の車両2の走行モードが既にエコモードの場合には、車両制御装置1は車両駆動装置7を可変制御することなく、ステップS42へと進み、その後、乗員が車両2から降車し終了する。
【0085】
上述したように、車両制御装置1は車両駆動装置7を可変制御することで、車両2が駐車場内を徐行運転する場合等、車両2の走行環境等に応じて走行モードをエコモードに切り替えて走行することで、燃料噴出量が少なくなり、車両2の燃費が向上される。
【0086】
図6は本実施形態の車両制御装置1における車両窓開閉装置8を制御するための制御動作の一例を示すフローチャートである。尚、
図4を用いて上述した車両空調装置6を可変制御する制御動作のステップS11〜ステップS19及びステップS22が、車両窓開閉装置8を可変制御する制御動作のステップS51〜ステップS59及びステップS62と同じであり、ここでは上述した説明を参照し、その説明を割愛する。
【0087】
ステップS60において、車両制御装置1が車両情報取得部9を制御し、室温センサ14から車両2の室内温度を取得する。そして、ステップS60のYESにおいて、車両制御装置1が、室内温度が15℃から22℃の範囲内であると判断した場合には、車両窓開閉装置8を制御し、車両2の開いている窓を全て閉める。ここで、車両2の窓を開けて走行している時は、通常、車両空調装置6はオフであり、そのオフ状態にて車両2の窓を全て閉めても、一定期間の間は車両2の室内温度を乗員にとって快適な状態に維持することは可能である。
【0088】
尚、ステップS60のNOにおいて、現在の車両2の窓が全て閉められている場合には、車両制御装置1は車両窓開閉装置8を可変制御することなく、ステップS62へと進み、その後、乗員が車両2から降車し終了する。
【0089】
上述したように、車両制御装置1が車両窓開閉装置8を可変制御することで、車両2が駐車スペースに駐車した後に、乗員が車両2の窓を閉める作業を行うことなく降車することができるので、車両2の駐車後直ぐに車両2のエンジンを停止でき、車両2の消費電力の低減及び燃費の向上が実現される。
【0090】
尚、本実施形態では、自宅の駐車場から会社の駐車場まで車両にて移動する通勤時の走行パターンについて説明したが、この場合に限定するものではない。上述したように、会社の駐車場から自宅の駐車場までの帰宅時の走行パターン、自宅の駐車場から掛かり付けの病院までの往復のそれぞれの走行パターン、自宅から良く利用するスーパーマーケットまでの往復のそれぞれの走行パターン等、走行パターン生成部4にて生成された全ての走行パターンにおいても、上述した本実施形態と同様に、乗員が車両から降車するタイミングが推測され、予め、車両空調装置6等が可変制御され、車両の消費電力が低減される効果や車両の燃費が向上される効果が得られる。
【0091】
また、走行パターン検出部5では、車両2の走行開始からの走行距離に応じたステアリング角度データを用いて、現在の走行状態データと走行パターンデータとを照合し、適合する走行パターンデータを検出する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、走行パターン検出部5では、車両2の走行開始からの走行距離に応じた速度データを用いて現在の走行状態データと走行パターンデータとを照合し、適合する走行パターンデータを検出する場合でも、上述した同様な効果を得ることができる。
【0092】
また、走行パターン検出部5が、現在の走行状態のステアリング角度データと検出された走行パターンデータの最後のステアリング角度データとが適合したと判別した後、車両制御装置1が車両空調装置6等を可変制御する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、走行パターン検出部5が、現在の車両2の走行距離が検出された走行パターンの全走行距離の80%に達したと判別した後、車両制御装置1が車両空調装置6等を可変制御する場合でも良い。
【0093】
また、走行パターン生成部4では、例えば、半年間、走行パターン検出部5により検出されなかった走行パターンデータを削除し、適宜、走行パターンデータを見直すことで、記憶部3のメモリ容量を有効活用することができる。
【0094】
また、車両制御装置1が可変制御する対象として、上述した車両空調装置6、車両駆動装置7及び車両窓開閉装置8に限定するものではない。例えば、ドアミラー駆動装置やフロントガラスの遮光装置等にも適用可能である。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲にて種々の変更が可能である。