【実施例】
【0051】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、%は特に断りがない限りmol%を意味する。また、以下においてn−ブテン転化率、ブタジエン収率、メチルビニルケトン収率、TOSの定義とは、以下の通りである。
【0052】
n−ブテン転化率(モル%)
=(反応したn−ブテンのモル数/供給したn−ブテンのモル数)×100
ブタジエン収率(モル%)
=(生成したブタジエンのモル数/供給したn−ブテンのモル数)×100
メチルビニルケトン収率(モル%)
=(生成したメチルビニルケトンのモル数/供給したn−ブテンのモル数)×100
TOS=混合ガス流通時間(時間)
【0053】
実施例1
(触媒1の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸カリウム1.5質量部を純水17mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス171質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、530℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒1を得た。
【0054】
実施例2
(触媒2の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸カリウム3.6質量部を純水41mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄343質量部、硝酸コバルト544質量部及び硝酸ニッケル307質量部を60℃に加温した純水633mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス229質量部を60℃に加温した純水243mlに硝酸(60質量%)58質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:K=12:1.3:2.3:5.0:2.8:0.095)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.2mmの球状成形品を、510℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒2を得た。
【0055】
実施例3
(触媒3の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.5質量部を純水17mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄343質量部、硝酸コバルト544質量部及び硝酸ニッケル307質量部を60℃に加温した純水633mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス229質量部を60℃に加温した純水243mlに硝酸(60質量%)58質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.3:2.3:5.0:2.8:0.02)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.2mmの球状成形品を、510℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒3を得た。
【0056】
実施例4
(触媒4の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス128質量部を60℃に加温した純水136mlに硝酸(60質量%)33質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.7:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.2mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒4を得た。
【0057】
実施例5
(触媒5の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒5を得た。
【0058】
実施例6
(触媒6の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径4.4mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒6を得た。
【0059】
実施例7
(触媒7の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄357質量部、硝酸コバルト574質量部及び硝酸ニッケル316質量部を60℃に加温した純水661mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.3:5.2:2.9:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒7を得た。
【0060】
実施例8
(触媒8の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄327質量部、硝酸コバルト610質量部及び硝酸ニッケル290質量部を60℃に加温した純水650mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.1:5.6:2.6:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒8を得た。
【0061】
実施例9
(触媒9の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト652質量部及び硝酸ニッケル329質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:5.9:3.0:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒9を得た。
【0062】
実施例10
(触媒10の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト646質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水640mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:5.9:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒10を得た。
【0063】
実施例11
(触媒11の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト762質量部及び硝酸ニッケル220質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.9:2.0:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒11を得た。
【0064】
実施例12
(触媒12の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄381質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水722mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.5:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒12を得た。
【0065】
実施例13
(触媒13の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄381質量部、硝酸コバルト685質量部及び硝酸ニッケル220質量部を60℃に加温した純水681mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.5:6.2:2.0:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒13を得た。
【0066】
実施例14
(触媒14の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム6.6質量部を純水75mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.09)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒14を得た。
【0067】
実施例15
(触媒15の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄381質量部、硝酸コバルト729質量部及び硝酸ニッケル176質量部を60℃に加温した純水681mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.5:6.6:1.6:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒15を得た。
【0068】
実施例16
(触媒16の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄381質量部、硝酸コバルト762質量部及び硝酸ニッケル220質量部を60℃に加温した純水722mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.5:6.9:2.0:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒16を得た。
【0069】
実施例17
(触媒17の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.5質量部を純水17mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.02)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒17を得た。
【0070】
実施例18
(触媒18の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸ルビジウム2.2質量部を純水25mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Rb=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒18を得た。
【0071】
実施例19
(触媒19の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム1.5質量部および硝酸ルビジウム1.1質量部を純水29mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs:Rb=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.02:0.02)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒19を得た。
【0072】
実施例20
(触媒20の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸カリウム0.8質量部および硝酸セシウム1.5質量部を純水25mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:K:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.02:0.02)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒20を得た。
【0073】
実施例21
(触媒21の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径6.4mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒21を得た。
【0074】
実施例22
(触媒22の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径4.4mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒22を得た。
【0075】
実施例23
(触媒23の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径3.6mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒23を得た。
【0076】
実施例24
(触媒24の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が75質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒24を得た。
【0077】
実施例25
(触媒25の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が40質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径4.4mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒25を得た。
【0078】
実施例26
(触媒26の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、500℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒26を得た。
【0079】
実施例27
(触媒27の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、540℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒27を得た。
【0080】
実施例28
(触媒28の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム2.9質量部を純水33mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が30質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、500℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒28を得た。
【0081】
比較例1
(触媒29の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム11質量部を純水124mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄267質量部、硝酸コバルト791質量部及び硝酸ニッケル88質量部を60℃に加温した純水612mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス306質量部を60℃に加温した純水324mlに硝酸(60質量%)78質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.7:1.8:7.2:0.8:0.15)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径4.4mmの球状成形品を、500℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒29を得た。
【0082】
比較例2
(触媒30の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸リチウム1.0質量部および硝酸カリウム1.5質量部および硝酸セシウム2.9質量部を純水62mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Li:K:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04:0.04:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒30を得た。
【0083】
比較例3
(触媒31の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸ナトリウム1.3質量部および硝酸カリウム1.5質量部および硝酸セシウム2.9質量部を純水65mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄297質量部、硝酸コバルト718質量部及び硝酸ニッケル264質量部を60℃に加温した純水678mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス170質量部を60℃に加温した純水181mlに硝酸(60質量%)43質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Na:K:Cs=12:0.9:2.0:6.5:2.4:0.04:0.04:0.04)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒31を得た。
【0084】
比較例4
(触媒32の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム7.4質量部を純水83mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄480質量部、硝酸コバルト554質量部及び硝酸ニッケル158質量部を60℃に加温した純水632mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス306質量部を60℃に加温した純水324mlに硝酸(60質量%)78質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.7:3.2:5.0:1.4:0.1)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒32を得た。
【0085】
比較例5
(触媒33の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム7.4質量部を純水83mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄534質量部、硝酸コバルト475質量部及び硝酸ニッケル176質量部を60℃に加温した純水628mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス306質量部を60℃に加温した純水324mlに硝酸(60質量%)78質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.7:3.5:4.3:1.6:0.1)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒33を得た。
【0086】
比較例6
(触媒34の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム7.4質量部を純水83mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄507質量部、硝酸コバルト514質量部及び硝酸ニッケル167質量部を60℃に加温した純水630mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス306質量部を60℃に加温した純水324mlに硝酸(60質量%)78質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.7:3.3:4.7:1.5:0.1)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒34を得た。
【0087】
比較例7
(触媒35の調製)
ヘプタモリブデン酸アンモニウム800質量部を80℃に加温した純水3000質量部に完全溶解させた(母液1)。次に、硝酸セシウム11質量部を純水125mlに溶解させて、母液1に加えた。次に、硝酸第二鉄458質量部、硝酸コバルト791質量部及び硝酸ニッケル88質量部を60℃に加温した純水708mlに溶解させ、母液1に加えた。続いて硝酸ビスマス306質量部を60℃に加温した純水324mlに硝酸(60質量%)78質量部を加えて調製した硝酸水溶液に溶解させ、母液1に加えた。この母液1をスプレードライ法にて乾燥し、得られた乾燥粉体を440℃、5時間の条件で予備焼成した。こうして得られた予備焼成粉体(仕込み原料から計算される原子比はMo:Bi:Fe:Co:Ni:Cs=12:1.7:3.0:7.2:0.8:0.15)に対して5質量%分の結晶性セルロースを添加し、十分混合した後、転動造粒法にてバインダーとして33質量%グリセリン溶液を予備焼成粉体に対して33質量%用い、不活性の担体に、担持率が50質量%となるように球状に担持成形した。こうして得られた粒径5.3mmの球状成形品を、520℃、5時間の条件で焼成し、本発明の触媒35を得た。
【0088】
上記実施例および比較例で得られた触媒を、以下の方法により反応評価した。各触媒53mlをステンレス鋼反応管に充填し、ガス体積比率がn−ブテン:酸素:窒素:水蒸気=1:1:7:1の混合ガスを用い、常圧下、GHSV1200hr
−1の条件で、反応浴温度330℃にてTOS20時間以上のエージング反応後、反応管出口で、コンデンサーにより液成分とガス成分を分離し、ガス成分中の各成分を各々水素炎イオン化検出器と熱伝導検出器が装着されたガスクロマトグラフで定量分析した。ガスクロマトグラフにより得られた各データはファクター補正し、n−ブテン転化率、ブタジエン収率およびメチルビニルケトン収率を算出した。なお、本反応で使用したn−ブテンのモル組成比は、1−ブテン:シス−2−ブテン:トランス−2−ブテン=39:29:32であった。
【0089】
表1に実施例、比較例、および対応する試験例と比較試験例によるn−ブテン転化率、ブタジエン収率、ブタジエン収率に対するメチルビニルケトン収率の比(すなわち、メチルビニルケトン収率/ブタジエン収率の比)の結果を示す。表1より明らかなように、本発明の触媒組成により、ブタジエン収率を低下させることなくメチルビニルケトン収率/ブタジエン収率の比を低減させることができ、副生するメチルビニルケトンを低減でき、上述のように精製系での課題を克服し商業プラントにおいて精製系を含め長期間にわたり反応を継続させることができ、ブタジエンの製造コストの低減につなげられる。さらに、本発明の効果は焼成温度や担持率、触媒の粒径に起因するわけではなく、本質的に触媒の組成比そのものに起因していることが分かる。
【0090】
【表1】