(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記燃料極流路の前記水素除去部よりも下流側、且つ前記二酸化炭素回収部よりも上流側に設けられた凝縮器、を備えた、請求項7または請求項8に記載の燃料電池システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、燃料極オフガスを酸素燃焼させることにより、燃料極オフガス中の水素や炭化水素化合物を減少させることができる。この場合、より簡易な構成で燃料極オフガスから水素を減じることが求められる。
【0005】
変量
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、簡易な構成で燃料極オフガスの二酸化炭素濃度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る燃料電池ユニットは、炭素化合物を燃料として発電する円筒型固体酸化物形の燃料電池ユニットであって、筒状とされ、燃料極、電解質膜、及び空気極が積層された燃料電池セルを有する円筒基体と、前記円筒基体の筒内と筒外のいずれか一方に位置し炭素化合物を含む燃料ガスが流通する燃料流路と、前記円筒基体の筒内と筒外のいずれか他方に位置し酸素を含む酸化剤ガスが流通する空気流路と、前記燃料極よりも下流において前記円筒基体に積層され、前記燃料流路の前記燃料極よりも下流側
に位置して二酸化炭素回収部へ気体を送出する燃料極流路と前記空気流路と連通する空気極流路との間でのイオン移動により前記燃料極流路の水素を減じる水素除去部と、を備えている。
【0007】
請求項1に係る燃料電池ユニットは、円筒基体の筒内と筒外のいずれか一方に燃料流路が形成され、他方に空気流路が形成されている。円筒基体には燃料極よりも下流側に水素除去部か積層されており、燃料極流路と空気極流路との間でのイオン移動により燃料極流路の水素が減じられる。イオン移動は、燃料極流路から空気極流路への水素イオン移動でもよいし、空気極流路から燃料極流路への酸素イオン移動でもよい。酸素イオンが移動する場合には、燃料極流路の水素との酸化反応により水素が減じられる。
【0008】
このように、円筒基体に水素除去部を積層して形成することにより、簡易な構成で燃料極オフガスの二酸化炭素濃度を高めることができる。
【0009】
請求項2に係る燃料電池ユニットは、前記水素除去部は、前記燃料極流路側から前記空気極流路側へ水素イオンを透過させる水素イオン透過膜を有している。
【0010】
請求項2に係る燃料電池ユニットによれば、燃料極流路側から空気極流路側へ水素イオンを透過させることにより、燃料極オフガスから水素を減じることができる。
【0011】
請求項3に係る燃料電池ユニットは、前記水素イオン透過膜の前記空気極流路側に水素イオン酸化触媒が積層されている。
【0012】
請求項3に係る燃料電池ユニットによれば、水素イオン酸化触媒により、空気極流路を流れる酸素と、空気極流路へ移動した水素イオンとの結合による水蒸気の生成が促進される。したがって、空気極流路の水素分圧を低く維持することができ、燃料極流路から空気極流路への水素イオン透過を促進することができる。
【0013】
請求項4に係る燃料電池ユニットは、前記水素除去部は、前記空気極流路側から前記燃料極流路側へ酸素イオンを透過させる酸素イオン透過膜を有している。
【0014】
請求項4に係る燃料電池ユニットによれば、空気極流路側から燃料極流路側へ酸素イオンを透過させることにより、燃料極オフガス中の水素を酸化させて水蒸気を生成することにより水素を減じることができる。また、水素以外の炭化水素化合物を酸化させて減じることもできる。
【0015】
請求項5に係る燃料電池ユニットは、前記酸素イオン透過膜の前記燃料極流路側に酸化触媒が積層されている。
【0016】
請求項5に係る燃料電池ユニットによれば、燃料極流路を流れる水素と空気極流路側から燃料極流路側へ移動した酸素イオンとの結合による水蒸気の生成が促進される。したがって、燃料極流路の水素分圧を低くすることにより、一酸化炭素と水蒸気とのシフト反応により二酸化炭素と水素が生成される。これにより、燃料極オフガス中の一酸化炭素も減じることができる。
【0017】
請求項6に係る燃料電池ユニットは、前記燃料極流路を流れる気体と前記空気極流路を流れる気体が、並行流である。
【0018】
請求項6に係る燃料電池ユニットによれば、燃料流路の上流側に対応する空気流路部分において、酸素濃度の高い酸化剤ガスが供給されるので、燃料電池セルスタックの発電効率を維持することができる。
【0019】
請求項7に係る燃料電池システムは、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池ユニットと、前記燃料極流路から排出される燃料極オフガスを回収する
前記二酸化炭素回収部と、を備えている。
【0020】
請求項7の発明に係る燃料電池システムによれば、二酸化炭素回収部で二酸化炭素を回収することができる。
【0021】
請求項8に係る燃料電池システムは、前記水素除去部の前記燃料極流路側と前記空気極流路側との間に電流を流す、電流供給部、を備えている。
【0022】
請求項8に係る燃料電池システムによれば、水素除去部に電流を流すことにより、燃料極流路と空気極流路との間におけるイオンの透過を促進することができる。
【0023】
請求項9に係る燃料電池システムは、前記燃料極流路の前記水素除去部よりも下流側、且つ前記二酸化炭素回収部よりも上流側に設けられた凝縮器、を備えている。
【0024】
請求項9に係る燃料電池システムによれば、燃料極流路を流れるガスに含まれる水を凝縮器で除去することにより、高濃度の二酸化炭素ガスを得ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の燃料電池ユニット、燃料電池システムによれば、簡易な構成で燃料極オフガスの二酸化炭素濃度を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0028】
図1には、本発明の実施形態に係る燃料電池システム10Aの概略説明図が示されている。燃料電池システム10Aは、主要な構成として、燃料電池セルスタック12A、凝縮器14、二酸化炭素回収部16、及び、電流制御器18を備えている。
【0029】
本発明の燃料電池ユニットとしての燃料電池セルスタック12Aは、電解質層20A、当該電解質層20Aの表裏面にそれぞれ積層された燃料極(アノード)22A、及び空気極(カソード)24A、を有する燃料電池セルを複数有している。燃料電池セルスタック12Aの燃料極22A側には、燃料流路26Aが形成されており、空気極24A側には、空気流路28Aが形成されている。
【0030】
燃料電池セルスタック12Aの燃料流路26Aには、燃料ガス供給管P1が接続されている。燃料ガス供給管P1には、水蒸気供給管P2が合流されており、燃料ガス供給管P1から燃料流路26Aへ水蒸気含有の燃料ガスが供給される。
【0031】
燃料ガスは、炭素化合物を含んでいる。燃料ガスとして、本実施形態ではメタンを用いる例について説明するが、改質により水素を生成可能なガスであれば特に限定されず、炭化水素燃料を用いることができる。炭化水素燃料としては、天然ガス、LPガス(液化石油ガス)、バイオガス、石炭改質ガス、低級炭化水素ガスなどが例示される。低級炭化水素ガスとしては、メタン、エタン、エチレン、プロパン、ブタン等の炭素数4以下の低級炭化水素が挙げられ、本実施形態で用いるメタンが好ましい。なお、炭化水素燃料としては、上述した低級炭化水素ガスを混合したものであってもよく、上述した低級炭化水素ガスは天然ガス、都市ガス、LPガス等のガスであってもよい。燃料ガスに不純物が含まれる場合、脱硫器等が必要になるが、図では省略されている。
【0032】
燃料電池セルスタック12Aの空気流路28Aには、空気供給管P3が接続されており、空気が供給される。
【0033】
燃料極22Aでは、下記(1)式に示すように、燃料ガスが水蒸気改質され、水素と一酸化炭素が生成される。また、下記(2)式に示すように、生成された一酸化炭素と水蒸気とのシフト反応により二酸化炭素と水素が生成される。
【0034】
CH
4+H
2O→3H
2+CO …(1)
CO+H
2O→CO
2+H
2 …(2)
【0035】
そして、燃料極22Aにおいて、下記(3)式に示すように、水素が水素イオンと電子とに分離される。
【0036】
(燃料極反応)
H
2→2H
++2e
−…(3)
【0037】
水素イオンは、電解質層20Aを通って空気極24Aへ移動する。電子は、外部回路(不図示)を通って空気極24Aへ移動する。これにより、燃料電池セルスタック12Aにおいて発電がなされる。発電時に、燃料電池セルスタック12Aは、発熱する。
【0038】
一方、空気極24Aでは、下記(4)式に示すように、電解質層20Aを通って燃料極22Aから移動した水素イオン、外部回路を通って燃料極22Aから移動した電子が、空気中の酸素と反応して水蒸気が生成される。
【0039】
(空気極反応)
2H
++2e
−+1/2O
2 →H
2O …(4)
【0040】
空気流路28Aの下流端には、空気極オフガス路P4が接続されている。空気極オフガス路P4は、凝縮器14と接続されており、空気極24Aから排出されたオフガスは、凝縮器14で水が除去された後、排気管P7から外部へ排出される。
【0041】
燃料流路26Aの下流端には、燃料極オフガス路P5が接続されている。燃料極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、回収路P6を経て二酸化炭素回収部16へ供給される。二酸化炭素回収部16は、気体を圧縮貯留するタンクであってもよいし、二酸化炭素の需要ラインへの供給部分であってもよい。また、PSAや二酸化炭素分離膜などを備え、二酸化炭素濃度をさらに高くするものであってもよい。
【0042】
回収路P6には、濃度計15が設けられている。濃度計15は、凝縮器14の下流側における燃料極オフガスの二酸化炭素濃度を計測する。濃度計15は、電流制御器18と電気的に接続されており、濃度計15で計測された二酸化炭素濃度の情報が電流制御器18へ送られる。
【0043】
燃料電池システム10Aには電流制御器18が設けられている。電流制御器18は、濃度計15で計測された二酸化炭素濃度情報に基づいて、後述する水素透過部34に直流電流を流す。電流制御器18は、燃料電池セルスタック12Aで発電した電力を用いて、前記の直流電流を流す。
【0044】
〔燃料電池セルスタック〕
次に、燃料電池システム10Aに使用する燃料電池セルスタック12Aについて説明する。なお、本実施形態での燃料電池セルスタック12Aは、単に燃料電池セルを積層した部分だけを指すのではなく、後述するように、燃料流路、空気流路、水素透過部を含むものである。
【0045】
本実施形態の燃料電池セルスタック12Aは、水素イオン伝導型固体酸化物形燃料電池(PCFC:Proton Ceramic Solid Oxide Fuel Cell)であり、
図2に示すように、横縞形円筒型タイプのものである。
【0046】
燃料電池セルスタック12Aは、円筒基体30、燃料電池セル32、水素透過部34を備えている。
【0047】
円筒基体30は円筒状とされ、
図3にも示されるように、外表面に燃料極22A、電解質層20A、空気極24Aがこの順で環状に積層された燃料電池セル32が形成されている。円筒基体30は、一例として、セラミクス多孔質材料で形成することができる。燃料電池セル32は、円筒基体30の筒軸方向に間隔をおいて複数(本実施形態では5個表示)配列形成されている。隣り合う燃料電池セル32同士は、インターコネクタ33で直列に電気接続されており、電気配線E1を介して電流制御器18と接続されている。
【0048】
円筒基体30の筒内は、燃料流路26Aとなり、円筒基体30の筒外は、空気流路28Aとなる。空気流路28Aは、外周壁39で外周を囲まれており、外周壁39と円筒基体30の間に円筒状の空気流路28Aが形成されている。
【0049】
円筒基体30の一端部には、水素透過部34が形成されている。水素透過部34は、円筒基体30の外表面に、イオン化触媒層35、水素透過膜36、プロトン酸化触媒層37がこの順で環状に積層されて形成されている。イオン化触媒層35としては、ニッケル、ルテニウム、等を用いることができる。プロトン酸化触媒層37としては、LSCF(La、Sr、Co、Fe及び酸素からなる化合物)等を用いることができる。水素透過膜36としては、ドープした酸化バリウムジルコニウム(BaZrO
3)、ドープしたBaZrO
3と電子導電性酸化物との混合物、パラジウム合金等を用いることができる。BaZrO
3にドープする元素としてはイットリウム(Y)。イッテルビウム(Yb)、セリウム(Ce)などの希土類の一つあるいは複数の組み合わせが望ましい。ドープの割合は5%〜30%が望ましい。Ybを20%ドープしたBaZr
0.8Yb
0.2O
3-δやYを20%ドープしたBaZr
0.8Y
0.2O
3-δは水素イオンの導電率が高く特に有望である。ドープしたBaZrO
3と混合する電子導電性酸化物としては、希土類をドープしたLaCrO
3が望ましい。特にストロンチウムを20%ドープしたLa
0.8Sr
0.2CrO
3は電子導電性が高く有望である。電子導電性酸化物の混合割合は0%〜40%が望ましい。上記BaZrO
3のBaの一部あるいはすべてをストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、ランタン(La)あるいはそれらの組み合わせで置換しても良い。水素透過部34は、電気配線E2を介して電流制御器18と接続されている。
【0050】
図2に示されるように、燃料流路26Aには、水素透過部34が形成されている端部と反対側の端部側に、燃料ガス供給管P1が接続されており、燃料流路26Aに燃料ガスと水蒸気が供給される。空気供給管P3は、燃料ガス供給管P1と同じ端部側の空気流路28Aに接続されており、空気流路28Aに燃料ガスと並行流で空気が供給される。なお、図中において、燃料流路26A及びその下流を流れるガスに符号Aを付し、空気流路28A及びその下流を流れるガスに符号Cを付す。
【0051】
燃料流路26Aの水素透過部34が形成されている端部側には、燃料極オフガス路P5が接続されている。空気極オフガス路P4は、燃料極オフガス路P5と同じ端部側の空気流路28Aに接続されている。
【0052】
なお、本実施形態の燃料電池セルスタック12Aでは、燃料流路26Aの燃料極22Aよりも下流側を燃料極流路27Aと称し、空気流路28Aの空気極24Aよりも下流側を空気極流路29Aと称する。燃料極流路27Aと空気極流路29Aは、円筒基体30により区画されており、燃料電池セルスタック12A内に設けられている。
【0053】
電流制御器18は、電気配線E1を流れる電流の大きさを制御可能とされており、燃料電池セルスタック12Aでの発電量は、不図示の制御部からの入力に基づいて、電流制御器18で制御されている。また、電流制御器18は、燃料電池セルスタック12Aで発電された電力を用い、電気配線E2を介して、イオン化触媒層35とプロトン酸化触媒層37との間に電流を流す。電流制御器18から供給する電流は、濃度計15からの二酸化炭素濃度情報に基づいて行われる。すなわち、濃度計15で計測された二酸化炭素濃度が所定の濃度よりも低い場合には、水素透過部34における水素透過を促進するために供給電流を高くする。
【0054】
次に、燃料電池システム10Aの動作について説明する。
【0055】
燃料ガス供給管P1から燃料流路26Aへ水蒸気含有の燃料ガスが供給され、空気供給管P3から空気流路28Aへ空気が供給される。燃料流路26Aでは、燃料ガスが水蒸気改質され、水素と一酸化炭素が生成される。また、生成された一酸化炭素と水とのシフト反応により二酸化炭素と水素が生成される。そして、各燃料電池セル32において、前述の発電反応が生じ、発電が行われる。
【0056】
燃料流路26Aにおいては、改質及び発電反応により徐々に燃料成分を減少させつつ、燃料ガスが上流から下流へ向かって流れる。そして、下流端の燃料極流路27Aへは、主として二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素、水素が流れる。燃料極流路27Aでは、イオン化触媒層35で水素のイオン化が促進され、イオン化された水素(水素イオン)が水素透過膜36を透過して、プロトン酸化触媒層37側へ移動する。移動した水素イオンは、プロトン酸化触媒層37により、空気極流路29A内の酸素による酸化が促進され、空気極流路内で水蒸気となる。
【0057】
燃料極流路27Aでは、水素が空気極流路29A側へ移動することにより水素含有率が減少するため、一酸化炭素と水とのシフト反応が進み、二酸化炭素と水素が生成される。そして、生成された水素は、前述のように、燃料極流路27A側から空気極流路29A側へ移動する。
【0058】
燃料極流路27Aからは、燃料極オフガス路P5へ燃料極オフガスが送出される。前述のように、水素が燃料極流路27A側から空気極流路29A側へ移動していることから、燃料極オフガスには、主として、二酸化炭素と水蒸気が含まれている。燃料極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、回収路P6を経て二酸化炭素回収部16へ供給され、二酸化炭素が回収される。
【0059】
空気極流路29Aからは、空気極オフガス路P4へ空気極オフガスが送出される。空気極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、外部へ排出される。
【0060】
本実施形態の燃料電池システム10Aによれば、水素透過部34で水素が燃料極流路27A側から空気極流路29A側へ移動するので、燃料極オフガスに残留する水素と水蒸気を少なくし、二酸化炭素濃度を高くすることができる。当該水素の移動は、水素透過膜を用いて行うので、燃料流路26Aへ酸素を供給する必要がない。
【0061】
また、水素透過部34は、水素透過膜36の空気極流路29A側にプロトン酸化触媒層37が積層されているので、空気極流路29Aを流れる酸素と、空気極流路29Aへ移動した水素イオンとの結合による水蒸気の生成が促進される。したがって、空気極流路29Aの水素分圧を低く維持することができ、燃料極流路27Aから空気極流路29Aへの水素イオン透過を促進することができる。
【0062】
また、本実施形態の燃料電池システム10Aでは、水素透過部34は、燃料電池セルスタック12A内に設けられている。このように、燃料電池セルスタック12A内に設けることにより、水素透過部34を簡易な構成にすることができる。
【0063】
また、本実施形態では、燃料流路26Aと空気流路28Aとを区画する円筒基体30の端部に水素透過部34を積層している。したがって、容易に水素透過部34を形成することができる。さらに、一体的に形成された円筒基体30に 水素透過部34を設けることにより、別部材を用意して水素透過部を設ける場合と比較して、起動、停止による温度変化や、長期運転に伴う、シール性や耐久性を高めることができる。
【0064】
また、本実施形態では、電流制御器18により、水素透過部34の燃料極流路27A側と空気極流路29A側との間に電流を流す。これより、燃料極流路27Aから空気極流路29Aへの水素イオンの透過を促進することができる。なお、本実施形態では、濃度計15において二酸化炭素濃度を計測したが、濃度計15において水素濃度を計測してもよいし、二酸化炭素と水素の両方の濃度を各々計測して、電流制御器18へ送出し、供給電流の制御用の情報として用いてもよい。
【0065】
また、電流制御器18からの電流供給は、燃料電池セルスタック12Aで発電した電力を用いるので、直流電流をそのまま利用することができ、外部からの交流電流を直流電流に変換して利用する場合と比較して、効率がよい。なお、電流制御器18による水素透過部34への電流供給は必ずしも必要ではない。
【0066】
また、本実施形態では、凝縮器14により燃料極オフガスから水蒸気を除去しているので、二酸化炭素回収部16で回収する気体の二酸化炭素濃度を高くすることができる。 なお、本実施形態では、凝縮器14を用いたが、その他の手段、例えば、二酸化炭素分離膜で二酸化炭素を分離してもよいし、PSA装置により二酸化炭素を分離してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、燃料極流路27Aを流れるガスと空気極流路29Aを流れるガスが並行流である。したがって、燃料流路26Aの上流側に対応する空気流路28A部分において、酸素濃度の高い空気が供給され、燃料電池セルスタック12Aの発電効率を維持することができる。また、同程度の発電効率を維持するために空気供給管P3から送出する空気量を少なくすることができる。
【0068】
なお、空気流路28Aへの空気の供給は、燃料流路26Aの下流側に対応する側から行って、空気の流れと燃料ガスの流れを対向流としてもよい。この場合には、燃料電池セルスタック12Aの筒軸方向における温度分布を、並行流の場合と比較して小さくすることができる。
【0069】
また、本実施形態では、燃料電池セルスタック12Aを、水素イオン伝導型固体酸化物形燃料電池としているので、発電反応において空気極24A側で水蒸気が生成される。したがって、燃料極流路27Aを流れるガスの水蒸気含有量を減少させることができ、凝縮器14で除去する水の量をさらに少なくすることができる。
【0070】
なお、燃料電池セルスタック12Aは、酸素イオン移動型の固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を用いてもよい。この場合には、
図4に示すように、改質器13を設け、燃料流路26Aの上流側で燃料ガスを水蒸気改質して、改質ガス管P1−1から燃料流路26Aへ改質ガスを供給する。燃料極22A及び空気極24Aでは、以下のように反応が生じる。
【0071】
空気極24Aでは、下記(5)式に示すように、空気中の酸素と電子とが反応して酸素イオンが生成される。生成された酸素イオンは電解質層20Aを通って燃料電池セルスタック12Aの燃料極22Aに到達する。
【0072】
(空気極反応)
1/2O
2+2e
− →O
2− …(5)
【0073】
一方、燃料電池セルスタック12Aの燃料極22Aでは、下記(6)式及び(7)式に示すように、電解質層20Aを通ってきた酸素イオンが燃料ガス中の水素及び一酸化炭素と反応し、水蒸気及び二酸化炭素と電子が生成される。燃料極22Aで生成された電子が燃料極22Aから外部回路を通って空気極24Aに移動することで、発電される。
【0074】
(燃料極反応)
H
2 +O
2− →H
2O+2e
− …(6)
CO+O
2− →CO
2+2e
− …(7)
【0075】
この固体酸化物形燃料電池では、燃料極22Aで水蒸気が生成されることから、水素イオン伝導型固体酸化物形燃料電池と比較して、燃料極オフガスに含まれる水蒸気量が多い。
【0076】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0077】
本実施形態の燃料電池システム10Bは、第1実施形態の水素透過部34に代えて、酸素透過部64を有している。また、本実施形態では、濃度計15で二酸化炭素及び酸素の濃度を各々計測し、電流制御器18へ出力している。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0078】
図5に示されるように、円筒基体30の一端部には酸素透過部64が形成されている。
図6に示されるように、酸素透過部64は、円筒基体30の外表面に酸素透過膜66が環状に積層され、円筒基体30の内表面に酸化触媒68が環状に積層されて形成されている。
【0079】
酸素透過膜66としては、LSCF(La、Sr、Co、Fe及び酸素からなる化合物)、BSCF(Ba、Sr、Co、Fe及び酸素からなる化合物)等を含む混合導電性セラミックスや、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などの酸素イオン導電性セラミックス、で形成することができる。酸化触媒68としては、ニッケル(Ni)やルテニウム(Ru)等を用いることができる。
【0080】
酸素透過部64は、電気配線E2を介して電流制御器18と接続されている。電流制御器18は、燃料電池セルスタック12Bで発電された電力を用い、電気配線E2を介して、酸素透過膜66と酸化触媒68との間に電流を流す。電流制御器18から供給する電流は、濃度計15からの二酸化炭素濃度情報及び酸素濃度情報に基づいて行われる。すなわち、濃度計15で計測される二酸化炭素濃度が高くなり、酸素濃度が低くなるようにフィードバック制御される。
【0081】
なお、本実施形態では、濃度計15において二酸化炭素濃度及び酸素濃度を計測したが、二酸化炭素濃度のみを計測してフィードバック制御してもよいし、二酸化炭素以外の酸素、水素、一酸化炭素、メタンのいずれか1つ、または複数を計測してフィードバック制御してもよい。
【0082】
次に、燃料電池システム10Bの動作について説明する。
【0083】
燃料ガス供給管P1から燃料流路26Aへ水蒸気含有の燃料ガスが供給され、空気供給管P3から空気流路28Aへ空気が供給される。燃料流路26Aでは、燃料ガスが水蒸気改質され、水素と一酸化炭素が生成される。また、生成された一酸化炭素と水蒸気とのシフト反応により二酸化炭素と水素が生成される。そして、各燃料電池セル32において、前述の発電反応が生じ、発電が行われる。
【0084】
燃料流路26Aにおいては、改質及び発電反応により徐々に燃料成分を減少させつつ、燃料ガスが上流から下流へ向かって流れる。そして、下流端の燃料極流路27Aへは、主として二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素、水素が流れる。空気流路28Aにおいて、空気は、発電反応により酸素成分を徐々に減少させつつ下流側の空気極流路29Aへ流れる。空気極流路29Aにおいて、酸素はイオン化して酸素透過膜66を燃料極流路27A側へ透過する。そして、酸化触媒68により、燃料極流路27A内の一酸化炭素、水素、メタンとの結合が促進され、二酸化炭素と水蒸気が生成される。
【0085】
燃料極流路27Aでは、このように、水素、一酸化炭素、メタンの濃度が低下し、二酸化炭素と水蒸気の濃度が高くなる。燃料極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、濃度計15で二酸化炭素濃度、酸素濃度を計測され、二酸化炭素回収部16へ供給されて、二酸化炭素が回収される。
【0086】
空気極流路29Aからは、空気極オフガス路P4へ空気極オフガスが送出される。空気極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、外部へ排出される。
【0087】
本実施形態の燃料電池システム10Bによれば、酸素透過部64で空気極流路29Aからの酸素が燃料極流路27A側へ移動し、燃料極オフガス中の一酸化炭素、水素、メタンが、二酸化炭素と水蒸気に酸化される。これにより、燃料極オフガスから高濃度の二酸化炭素を回収することができる。
【0088】
また、本実施形態の燃料電池システム10Bでは、酸素透過部64を、燃料電池セルスタック12B内に設けるので、酸素透過部64を簡易な構成にすることができる。
【0089】
また、本実施形態でも、燃料流路26Aと空気流路28Aとを区画する円筒基体30の端部に酸素透過部64を積層している。したがって、容易に酸素透過部64を形成することができる。
【0090】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0091】
本実施形態の燃料電池システム10Cは、使用する燃料電池セルスタックのみ第1実施形態異なり、その他の構成は第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池セルスタック12Bは、水素イオン伝導型固体酸化物形燃料電池(PCFC)であり、
図7に示すように、縦縞形円筒型タイプのものである。
【0092】
燃料電池セルスタック12Cは、円筒基体40、燃料電池セル42、水素透過部44を備えている。円筒基体40は有底円筒状とされ、複数本(本実施形態では6本)が平行に隣接配置されている。各々の円筒基体40には、管状の空気管41が挿入されている。空気管41の挿入先端は、円筒基体40の底部40Aから離間した位置に配置されている。
【0093】
図8にも示されるように、各々の円筒基体40の側面外側には、電解質層20B、燃料極22Bがこの順で環状に積層されている。また、電解質層20B及び燃料極22Bが積層された部分の円筒基体40自体が空気極24Bを構成しており、燃料極22B、電解質層20B、空気極24Bにより燃料電池セル42が形成されている。燃料電池セル42は、各円筒基体40の、底部40A側の端部から筒軸方向に沿って形成されている。隣り合う燃料電池セル42同志は、燃料電池セル32同士は、不図示のコネクタで直列に電気接続されており、電気配線E1を介して電流制御器18と接続されている。
【0094】
円筒基体40の筒内(空気管41の筒外)は、空気流路28Bとなり、円筒基体40の筒外は、燃料流路26Bとなる。燃料流路26Bは、外周壁39で外周を囲まれており、外周壁39と円筒基体40の外周間に燃料流路26Bが形成されている。
【0095】
円筒基体40の開放側端部(底部40Aと反対側の端部)には、水素透過部44が形成されている。水素透過部44は、円筒基体40の外表面に、イオン化触媒層35、水素透過膜36、プロトン酸化触媒層37がこの順で環状に積層されて形成されている。水素透過部44は、電気配線E2を介して電流制御器18と接続されている。
【0096】
図7、8に示されるように、燃料流路26Bには、水素透過部44が形成されている端部と反対側の端部側に、燃料ガス供給管P1が接続されており、燃料流路26Aに燃料ガスと水蒸気が供給される。空気供給管P3は、空気管41に接続されており、円筒基体40の底部40A側から空気流路28Bに燃料ガスと並行流で空気が供給される。
【0097】
燃料流路26Bの水素透過部44が形成されている端部側には、燃料極オフガス路P5が接続されている。空気極オフガス路P4は、燃料極オフガス路P5と同じ端部側の空気流路28Aに接続されている。
【0098】
なお、本実施形態の燃料電池セルスタック12Cでは、燃料流路26Bの燃料極22Bよりも下流側を燃料極流路27Bと称し、空気流路28Bの空気極24Bよりも下流側を空気極流路29Bと称する。燃料極流路27B及び空気極流路29Bは、円筒基体40により区画されており、燃料電池セルスタック12C内に設けられている。
【0099】
次に、燃料電池システム10Cの動作について説明する。
【0100】
燃料ガス供給管P1から燃料流路26Bへ水蒸気含有の燃料ガスが供給され、空気供給管P3から空気管41を経て空気流路28Bへ空気が供給される。燃料流路26Bでは、燃料ガスが水蒸気改質され、水素と一酸化炭素が生成される。また、生成された一酸化炭素と水蒸気とのシフト反応により二酸化炭素と水素が生成される。そして、各燃料電池セル42において、前述の発電反応が生じ、発電が行われる。
【0101】
燃料流路26Bにおいては、改質及び発電反応により徐々に燃料成分を減少させつつ、燃料ガスが上流から下流へ向かって流れる。そして、下流端の燃料極流路27Bへは、主として二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素、水素が流れる。燃料極流路27Bでは、イオン化触媒層35で水素のイオン化が促進され、イオン化された水素(水素イオン)が水素透過膜36を透過して、プロトン酸化触媒層37側へ移動する。移動した水素イオンは、プロトン酸化触媒層37により、空気極流路29B内の酸素による酸化が促進され、水蒸気となる。
【0102】
燃料極流路27Bでは、水素が空気極流路29B側へ移動することにより水素含有率が減少するため、一酸化炭素と水蒸気とのシフト反応が進み、二酸化炭素と水素が生成される。そして、生成された水素は、前述のように、燃料極流路27B側から空気極流路29B側へ移動する。
【0103】
燃料極流路27Bからは、燃料極オフガス路P5へ燃料極オフガスが送出される。燃料極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、回収路P6を経て二酸化炭素回収部16へ供給され、二酸化炭素が回収される。
【0104】
空気極流路29Bからは、空気極オフガス路P4へ空気極オフガスが送出される。空気極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、外部へ排出される。
【0105】
本実施形態の燃料電池システム10Cによっても、水素透過部44で水素が燃料極流路27B側から空気極流路29B側へ移動するので、燃料極オフガスに残留する水素を少なくし、二酸化炭素濃度を高くすることができる。当該水素の移動は、水素透過膜を用いて行うので、燃料流路26Bへ酸素を供給する必要がない。
【0106】
また、本実施形態の燃料電池システム10Cでも、水素透過部44は、燃料電池セルスタック12B内に設けられているので、水素透過部44を簡易な構成にすることができる。
【0107】
また、本実施形態でも、燃料流路26Bと空気流路28Bとを区画する円筒基体40の端部に水素透過部44を積層しているので、容易に水素透過部44を形成することができる。
【0108】
また、本実施形態でも、電流制御器18により、水素透過部44の燃料極流路27B側と空気極流路29B側との間に電流を流すので、燃料極流路27Bから空気極流路29Bへの水素イオンの透過を促進することができる。なお、電流制御器18による水素透過部44への電流供給は必ずしも必要ではない。
【0109】
また、本実施形態でも、燃料極流路27Bを流れるガスと空気極流路29Bを流れるガスが並行流であるので、燃料流路26Bの上流側に対応する空気流路28B部分において、酸素濃度の高い空気が供給され、燃料電池セルスタック12Cの発電効率を維持することができる。
【0110】
なお、空気流路28Bへの空気の供給は、燃料流路26Bの下流側に対応する側から行って、空気の流れと燃料ガスの流れを対向流としてもよい。
【0111】
また、本実施形態では、燃料電池セルスタック12Bを、水素イオン伝導型固体酸化物形燃料電池としているので、発電反応において空気極24B側で水蒸気が生成される。したがって、燃料極流路27Bを流れるガスの水蒸気含有量を減少させることができ、凝縮器14で除去する水の量を少なくすることができる。
【0112】
なお、燃料電池セルスタック12Cは、酸素イオン移動型の固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を用いてもよい。
【0113】
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1、第2実施形態と同様の部分については同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0114】
本実施形態の燃料電池システム10Dは、第3実施形態の水素透過部44に代えて、酸素透過部74を有している。また、本実施形態では、濃度計15で二酸化炭素及び酸素の濃度を各々計測し、電流制御器18へ出力している。その他の構成は第3実施形態と同様である。
【0115】
図9に示されるように、円筒基体40の一端部には酸素透過部74が形成されている。
図10に示されるように、酸素透過部74は、円筒基体40の内表面に酸素透過膜66が環状に積層され、円筒基体40の外表面に酸化触媒68が環状に積層されて形成されている。
【0116】
酸素透過部74は、電気配線E2を介して電流制御器18と接続されている。電流制御器18は、燃料電池セルスタック12Dで発電された電力を用い、電気配線E2を介して、酸素透過膜66と酸化触媒68との間に電流を流す。電流制御器18から供給する電流については、第2実施形態と同様にフィードバック制御される。
【0117】
次に、燃料電池システム10Dの動作について説明する。
【0118】
燃料ガス供給管P1から燃料流路26Bへ水蒸気含有の燃料ガスが供給され、空気供給管P3から空気流路28Bへ空気が供給される。燃料流路26Bでは、燃料ガスが水蒸気改質され、水素と一酸化炭素が生成される。また、生成された一酸化炭素と水蒸気とのシフト反応により二酸化炭素と水素が生成される。そして、各燃料電池セル32において、前述の発電反応が生じ、発電が行われる。
【0119】
燃料流路26Bにおいては、改質及び発電反応により徐々に燃料成分を減少させつつ、燃料ガスが上流から下流へ向かって流れる。そして、下流端の燃料極流路27Bへは、主として二酸化炭素、水蒸気、一酸化炭素、水素が流れる。空気流路28Bにおいて、空気は、発電反応により酸素成分を徐々に減少させつつ下流側の空気極流路29Bへ流れる。空気極流路29Bにおいて、酸素はイオン化して酸素透過膜66を燃料極流路2BA側へ透過する。そして、酸化触媒68により、燃料極流路27B内の一酸化炭素、水素、メタンとの結合が促進され、二酸化炭素と水蒸気が生成される。
【0120】
燃料極流路27Bでは、このように、水素、一酸化炭素、メタンの濃度が低下し、二酸化炭素と水蒸気の濃度が高くなる。燃料極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、濃度計15で二酸化炭素濃度、酸素濃度を計測され、二酸化炭素回収部16へ供給されて、二酸化炭素が回収される。
【0121】
空気極流路29Bからは、空気極オフガス路P4へ空気極オフガスが送出される。空気極オフガスは、凝縮器14で水が除去された後、外部へ排出される。
【0122】
本実施形態の燃料電池システム10Dによれば、酸素透過部74で空気極流路29Bからの酸素が燃料極流路27B側へ移動し、燃料極オフガス中の一酸化炭素、水素、メタンが、二酸化炭素と水蒸気に酸化される。これにより、燃料極オフガスから高濃度の二酸化炭素を回収することができる。
【0123】
また、本実施形態の燃料電池システム10Dでも、酸素透過部74を、燃料電池セルスタック12D内に設けるので、酸素透過部74を簡易な構成にすることができる。
【0124】
また、本実施形態でも、燃料流路26Bと空気流路28Bとを区画する円筒基体40の端部に酸素透過部74を積層している。したがって、容易に酸素透過部74を形成することができる。
【解決手段】燃料電池システム10Aは、燃料流路26Aの燃料極22Aよりも下流に位置する燃料極流路27Aと、燃料極流路27Aと円筒基体30を挟んで隣接し空気流路28Aと連通する空気極流路29Aとの間に設けられ、燃料極流路27Aから空気極流路29Aへ水素イオンを透過させる水素イオン透過膜36を有する水素透過部30と、燃料極流路27Aから排出されるオフガスを回収する二酸化炭素回収部16と、を有する。