(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6734585
(24)【登録日】2020年7月14日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】トマト乳酸発酵食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 19/00 20160101AFI20200728BHJP
C12N 1/20 20060101ALI20200728BHJP
【FI】
A23L19/00 A
C12N1/20 A
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-152448(P2016-152448)
(22)【出願日】2016年8月3日
(65)【公開番号】特開2018-19629(P2018-19629A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2019年8月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591253249
【氏名又は名称】パワフル健康食品株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504180239
【氏名又は名称】国立大学法人信州大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】善本 知孝
(72)【発明者】
【氏名】徳武 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】中田 福佳
(72)【発明者】
【氏名】中村 浩蔵
【審査官】
戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−076925(JP,A)
【文献】
特開2007−289008(JP,A)
【文献】
特開2015−189745(JP,A)
【文献】
信州大学ものづくり振興会,2016年 7月 8日,pp.1-2,URL,https://www.pawafuru.co.jp/%e4%bf%a1%e5%b7%9e%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e3%82%82%e3%81%ae%e3%81%a5%e3%81%8f%e3%82%8a%e6%8c%af%e8%88%88%e4%bc%9a/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 19/00
A23L 2/02
C12N 1/20
FSTA/CAplus/WPIDS/AGRICOLA/
BIOSIS/MEDLINE/EMBASE(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
日経テレコン
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程(1)〜(3)を含む、アセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
(1)トマトを100MPa以上の圧力で高圧処理する工程
(2)高圧処理後のトマトを物理的に破砕する工程
(3)乳酸菌を用いて破砕したトマトを発酵させる工程
【請求項2】
高圧処理の圧力が200MPa〜800MPaである請求項1に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
【請求項3】
高圧処理を10〜50℃で行う請求項1又は2に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
【請求項4】
高圧処理後のトマトの破砕をビーズミルで行う請求項1〜3のいずれか1項に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
【請求項5】
乳酸菌がラクトバチルス属に属する乳酸菌である請求項1〜4のいずれか1項に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トマト乳酸発酵食品の製造方法に関し、さらに詳細には、アセチルコリンを含有するトマト乳酸発酵食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トマトは生食の他、加工品に広く利用されている。トマトには赤色色素であるリコピンやγ−アミノ酪酸等のアミノ酸類等が含まれ、近年、これら機能性成分に富むトマト品種の育成、トマト加工品の製造が試みられている。例えば、特許文献1には、濾液着色度が特定範囲のトマト処理物を乳酸菌で発酵させる、グルタミン酸からγ−アミノ酪酸への変換効率を高めたγ−アミノ酪酸高含有飲食品の製造方法、特許文献2には、トマト加工品を主成分として含有する培養基にγ−アミノ酪酸生産能を有する乳酸菌を摂取して、該トマト加工品を発酵させるトマト発酵物の製造方法、特許文献3には、トマトに乳酸菌を作用させることにより得られるグルコシダーゼ阻害活性及び抗酸化活性を有する発酵物が開示されている。特許文献1や2の技術は、乳酸菌の有するグルタミン酸脱炭素酵素活性を利用して、トマトに含まれるグルタミン酸をγ−アミノ酪酸への変換させるものである。
【0003】
一方、コリンエステルのなかで、アセチルコリンは哺乳類の神経伝達物質として生命活動に不可欠な物質であることが知られている。また、アセチルコリンの生理作用として、血管拡張作用、血圧降下作用、消化機能亢進作用等が知られている。アセチルコリンは、枯草菌やラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)等の乳酸菌によっても産生されることが知られ(非特許文献1)、ソバ植物体を乳酸発酵させるとその乳酸発酵物(発酵キョウバク)においてアセチルコリンが見出されること、アセチルコリンは発酵キョウバクの血管拡張作用及び血圧低下作用の活性成分であることが報告されている(特許文献4)。
しかしながら、これまでにトマトの乳酸発酵物中にコリンエステルが存在することは報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−60990号公報
【特許文献2】特開2007−289008号公報
【特許文献3】特開2006−76925号公報
【特許文献4】特開2015−189745号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】川島紘一郎、基礎老化研究、34(4)、12−24、2010年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、斯かる実情に鑑み、アセチルコリンを高濃度に含むトマト乳酸発酵食品を製造する方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、当該課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、トマトに対して先ず高圧処理を行った後に物理的な破砕処理を行い、次いで乳酸菌により発酵させるとアセチルコリンが多く生成されて、アセチルコリンの含有率が高いトマト乳酸発酵食品が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔5〕に係るものである。
〔1〕次の工程(1)〜(3)を含む、アセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
(1)トマトを100MPa以上の圧力で高圧処理する工程
(2)高圧処理後のトマトを物理的に破砕する工程
(3)乳酸菌を用いて破砕したトマトを発酵させる工程
〔2〕高圧処理の圧力が200MPa〜800MPaである〔1〕に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
〔3〕高圧処理を10〜50℃で行う〔1〕又は〔2〕に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
〔4〕高圧処理後のトマトの破砕をビーズミルで行う〔1〕〜〔3〕のいずれか1に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
〔5〕乳酸菌がラクトバチルス属に属する乳酸菌である〔1〕〜〔4〕のいずれか1に記載のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トマト乳酸発酵食品中のアセチルコリン含有率を高めることができ、アセチルコリンを多く含有するトマト乳酸発酵食品を得ることができる。従って、本発明のトマト乳酸発酵食品の摂取により、アセチルコリンの様々な生理機能発現が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の製造方法における各工程について説明する。
【0011】
〔工程(1)〕
本工程は、トマトを100MPa以上の圧力で高圧処理する工程である。
本発明で用いられるトマトは、トマトの果実である。トマトの品種は野生種であっても、栽培種であってもよい。トマトは、生の状態で、そのまま或いは切断し、軟質樹脂袋等の容器に密封して高圧処理に付すことができる。
高圧処理は、水を圧力媒体として高い圧力(静水圧)をかける加工技術であり、熱処理とは異なる。静水圧を発生させる高圧処理装置は、特に制限されず、ピストンで圧力容器内の圧媒を直接加圧する直接加圧方式の装置、増圧機により圧力容器内に圧媒を押し込む間接加圧方式の装置等を用いることができる。
【0012】
高圧処理の圧力は100MPa以上であるが、設備の汎用性とトマト乳酸発酵食品の生産性の観点から、好ましくは200MPa〜800MPaであり、より好ましくは200MPa〜700MPaである。
【0013】
高圧処理温度は、トマトの風味等を保持する観点から、好ましくは10〜50℃、より好ましくは30〜40℃である。
また、高圧処理時間は、所定の圧力に達してからの保持時間として、好ましくは1分〜60分、より好ましくは10分〜15分である。
トマトに高圧処理を行った後は次いで、工程(2)に供する。
【0014】
〔工程(2)〕
本工程は、高圧処理後のトマトを物理的に破砕する工程である。トマトは、なるべく粒子の細かい程破砕効率が高く、また、粒子が多きすぎると破砕処理機に挿入できないため、本発明においては、トマトに対して高圧処理と物理的な破砕をこの順序で行う。
物理的な破砕の方法は、高圧処理後のトマトを破砕することができればよく、例えば、回転ミル、遊星ミル、ビーズミル等の湿式破砕機によって行うことができる。湿式破砕機は、縦型、横型であっても、バッチ式、連続式であってもよい。なかでも、分散・破砕能力の観点から、好ましくは、ビーズミルである。ビーズミルは、シリンダー(破砕室)に充填したビーズの衝突力やせん断力で凝集体や粒子を目的の粒子径まで分散・破砕することができる。ビーズミルとしては、例えば、ダイノーミル(DYNO−MILL、WAB社)が挙げられる。
【0015】
破砕処理の条件は、適宜設定できるが、前記ビーズミルを用いる場合、メディアとして用いるビーズの直径は、好ましくは0.5〜1mmであり、材質は、好ましくはジルコン又はジルコニアである。また、ビーズのシリンダー(破砕室)内容量は、好ましくは80〜85%である。
回転羽根の材質は、好ましくは焼入鋼、ステンレススチール、アルミナである。
回転数は、トマト細胞壁の破壊効率の観点から、2,000〜3,500r/minとすることが好ましい。また、同様の観点から、処理流量は、好ましくは5〜150L/hrである。
【0016】
破砕処理の温度は、トマトの風味等を保持する観点から、好ましくは80℃以下、より好ましくは30〜50℃である。
物理的な破砕の回数は、1回でよいが、複数回繰り返し行ってもよい。
【0017】
〔工程(3)〕
本工程は、乳酸菌を用いて破砕したトマトを発酵させる工程である。
乳酸菌は、アセチルコリン生産能を有するものであればよいが、例えば、ラクトバチルス(Lactobacillus)、ストレプトコッカス(Streptococcus)、ロイコノストック(Leuconostoc)、ペディオコッカス(Pediococcus)、ラクトコッカス(Lactococcus)、エンテロコッカス(Enterococcus)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)に属する細菌等が挙げられる。
なかでも、好ましくは、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス ブレビス(Lactobacillus brevis)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス ファーメンタム(Lactobacillus fermentum)等のラクトバチルス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌であり、より好ましくはラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)である。
【0018】
発酵は、常法に従って、破砕したトマトに乳酸菌を接種して行えばよい。破砕したトマトの質量に対して、スターターとして調製されて高濃度となっている乳酸菌を0.1〜5質量%接種するのが好ましい。例えば、破砕したトマト1000gに対して、乳酸菌スターターを10g接種するのがよい。
スターターとして用いる乳酸菌の調製は、常法に従って行うことができる。
【0019】
発酵条件は、嫌気的条件下が好ましい。嫌気的条件とするために、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、その他不活性ガスを通気することができる。なかでも、窒素ガス雰囲気下の条件が好ましい。
発酵温度は、好ましくは20〜40℃であり、より好ましくは30〜38℃である。
また、発酵時間は、発酵温度に応じて適宜調整できるが、好ましくは24時間〜148時間であり、より好ましくは48時間〜72時間である。
【0020】
このような処理の結果、アセチルコリンが生成されて、アセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品が得られる。
アセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品のアセチルコリンの含有量は、当該食品100g中に好ましくは0.9mg以上である。
【0021】
本発明のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品は、そのまま、或いは凍結乾燥、噴霧乾燥、減圧濃縮等の手段により水分を調整、除去して、乾燥品、濃縮品とすることができる。
また、本発明のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品は、必要に応じて適当な原料を組み合わせて、例えば、飲料、ソース、スープ等の形態や、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤等のサプリメント等に調製することができる。
上記のとおり、アセチルコリンは、血管拡張作用、血圧降下作用、消化機能亢進作用等の生理作用を有するため、本発明のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品の摂取により、このようなアセチルコリンの様々な生理機能発現が期待できる。すなわち、本発明のアセチルコリン含有トマト乳酸発酵食品は、例えば、血管拡張用又は血圧降下用の食品として有用である。
【実施例】
【0022】
以下、本発明について実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等限定されるものではない。
【0023】
実施例1
(1)高圧処理
長野産生トマト100gを切断後、軟質樹脂袋に密封し、高圧処理装置(越後製菓(株)製)で200MPa、40℃の高圧処理を15分間行った。
【0024】
(2)破砕処理
次いで、得られた高圧処理物を、直径0.5〜1mmのジルコンビーズを密封シリンダー容量の80%封入したダイノーミル(Willy A.BachofenAG Maschinenfabrik製)中に流量100L/hrにて送入した。密封シリンダー中では、焼入鋼製の羽根が3,200r/minで回転しており、これにより、トマト細胞壁を磨砕した。この時、同時に冷却外套をセットし、温度を30℃に調整した。
【0025】
(3)乳酸発酵
破砕後のトマトに対して、1%の乳酸菌スターター(ラクトバチルス・プランタラム)を添加し、窒素置換後、30〜40℃で72時間静置発酵させた。濾過又は遠心分離後、ピューレ状のトマト乳酸発酵食品を得た。
【0026】
比較例1
(1)高圧処理
実施例1と同様にして、生トマトに対して高圧処理を行い、高圧処理物を得た。
【0027】
(2)乳酸発酵
次いで、破砕処理を行わずに、得られた高圧処理物に対して実施例1と同様にして乳酸発酵を行い、ピューレ状のトマト乳酸発酵食品を得た。
【0028】
比較例2
(1)破砕処理
長野産生トマト100gをミキサー粉砕した後、高圧処理を行わずに、ダイノーミルを用いて実施例1と同様に破砕処理を行い、破砕処理物を得た。
【0029】
(2)乳酸発酵
次いで、得られた破砕処理物に対して実施例1と同様にして乳酸発酵を行い、ピューレ状のトマト乳酸発酵食品を得た。
【0030】
試験例1 アセチルコリンの定量
生トマトと、実施例1、比較例1及び比較例2で得たトマト乳酸発酵食品について、アセチルコリンを定量した。
内部標準として(2−アミノエチル)トリメチルアンモニウム ピバロイルアミド(EN)を用いた。また、アセチルコリン(AcCh)の他、ブチリルコリン(BuCh)、コリン(Ch)、ラクチルコリン(LaCh)、プロピオニルコリン(PrCh)を定量した。
【0031】
[LC−MS/MS分析条件]
分析溶媒:0.01%ギ酸−33%メタノール含有水
カラム:YMC−TriartPFP、4.6mm×250mm(S/N:0425085333)
波長:215nm
温度:40℃
分析時間:40min
注入量:50μL
流速:0.5mL/min(LC)・0.3mL/min(MS)
イオン化モード:ESI(+)、MRMモード
コーン電圧:10v、コリジョン電圧:10v
指定m/z:
(化合物) (Parent) (Daughter)
EN 187.18 128.15
AcCh 146.1 87.0
BuCh 174.1 115.0
Ch 104.2 60.2
LaCh 176.1 117.05
PrCh 160.1 101.0
【0032】
(1)固相抽出サンプルの調製
試料を3分間遠心分離した後、上清200μLに10mMPBSを39.8mL加えて200倍希釈した。この希釈サンプル600μLに100mMPBSを300μLとEN溶液(8μg/mL EN/PBS)を10μL添加し抽出サンプルとした。
固相抽出は、弱酸性陽イオン交換カートリッジ(InertSep CBA 100mg/1mL)をメタノール1mLと純水1mLで活性化し、10mMリン酸緩衝液8mLで平衡化した後、抽出サンプル200μLを添加し、10mMリン酸緩衝液300μLで安定化した。純水2.5mLで不純物除去した後、1M塩酸で溶出を行った。
溶出液約500μLを分析溶媒で正確に1mLにフィルアップし、300μLずつ3つに分けた。3つのうち1つは同量の分析溶媒を加えて2倍希釈し、2つはそれぞれ濃度の異なるENとコリン5種を含む溶液を添加し、2倍希釈になるように分析溶媒を加えた。
【0033】
(2)LC-MS(SIRモード)定量
上記(1)で調製したサンプルをLC-MS分析した。得られた各コリンの面積値から標準添加法を用いて定量した。先ず、回収率算出のため、EN検量線を作成し(x軸:添加濃度、y軸:面積値)、EN検量線から、面積値0のときの濃度の絶対値、すなわち抽出前に加えたENの抽出後濃度を算出した。求めた濃度から回収率を算出した。次いで、同様にコリン5種の濃度と回収率を算出した。算出した濃度を回収率で補正し、各サンプル中のコリン5種の濃度を求めた。
生トマトとトマト乳酸発酵食品100g中のアセチルコリン量を表1に示す。数値は、平均値±標準誤差で示した。
【0034】
【表1】
【0035】
表1から明らかなように、本発明方法によれば、アセチルコリン含有率が高いトマト乳酸発酵食品が得られた。尚、トマト乳酸発酵食品中にアセチルコリン以外のコリンエステル類は検出されなかった。