(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
(電磁継電器)
次に、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、電磁継電器1の側面図である。
図2は、電磁継電器1の正面図である。
電磁継電器1は、例えば車両に搭載されているランプ(Lamp)の点灯・消灯を行うために用いられるものである。
図1、
図2に示すように、電磁継電器1は、ベース部2と、ベース部2の一面2a側に設けられたコイル4と、ベース部2とコイル4との間に設けられている接点部3と、ベース部2のコイル4とは反対側に突設されたコイル端子8、可動接点端子10、および固定接点端子12と、コイル端子8に接続されているレジスタ16と、コイル4を覆う四角箱状のカバー17と、を備えている。
【0018】
レジスタ16は、コイル4の逆起電圧を吸収するためのものである。レジスタ16は、レジスタ本体61とレジスタ本体61から延びる一対のリード線62と、を備えている。なお、以下の説明では、各端子8,10,12の突出方向を下側とし、これら端子8,10,12の突出方向とは反対側を上側として説明する場合がある。
【0019】
(ベース部)
ベース部2は、絶縁性を有する樹脂により略長方形の平板形状に形成されている。ベース部2の長手方向一端側(
図1における左側、
図2における紙面手前側)には、短手方向両側に、それぞれベース部2の長手方向に沿って長いコイル端子用スリット7が形成されている。これらコイル端子用スリット7に、それぞれコイル端子8が挿入、または圧入される。
【0020】
また、ベース部2には、長手方向他端側(
図1における右側)側に、ベース部2の短手方向に沿って長い可動接点端子用スリット9が形成されている。この可動接点端子用スリット9に、可動接点端子10が挿入、または圧入される。
さらに、ベース部2の長手方向略中央には、ベース部2の短手方向に沿って長い固定接点端子用スリット11が形成されている。この固定接点端子用スリット11に、固定接点端子12が挿入、または圧入される。
この他、ベース部2の一面2a側には、レジスタ16を収納するための凹部(不図示)が形成されている。
【0021】
また、ベース部2の長手方向一端側には、第1支柱5が各端子8,10,12の突出方向とは反対側(上側)に向かって突設されている。さらに、ベース部2の長手方向他端側には、ベース部2の短手方向両側に、それぞれ第2支柱6が各端子8,10,12の突出方向とは反対側に向かって突設されている。これら第1支柱5、および第2支柱6には、断面略L字状に形成されたヨーク19が支持されている。
【0022】
(ヨーク)
図3は、電磁継電器1を各端子8,9,10(コイル端子8、可動接点端子10、固定接点端子12)側からみた斜視図であって、一部の部品を取り外した状態を示している。
図1〜
図3に示すように、ヨーク19には磁路が形成されるようになっており、金属板にプレス加工を施して屈曲形成されている。すなわち、ヨーク19は、ベース部2と所定の間隔をあけて対向する上壁19aと、上壁19aの第2支柱6側端から上壁19aに対して略垂直に屈曲延出する縦壁19bと、を有している。さらに、ヨーク19は、上壁19aと縦壁19bとが連なる方向が長くなるように形成されている。
【0023】
また、ヨーク19の上壁19aには、ベース部2の第1支柱5側端に、この第1支柱5に支持される第1係合片19cが屈曲延出されている。さらに、ヨーク19の縦壁19bには、上壁19aとは反対側の下端で、且つベース部2の2つの第2支柱6に対応する位置に、それぞれ第2支柱6に支持される第2係合片19dが突出形成されている。
【0024】
また、ヨーク19の上壁19aには、中央に磁性材料により棒状に形成された鉄心18が固定されている。鉄心18は、ヨーク19の上壁19aからベース部2に向かって垂設されている。すなわち、鉄心18は、軸心C1が縦壁19bの延出方向に沿うように設けられている。このような鉄心18に、コイル4が外嵌固定されている。また、鉄心18の先端には、フランジ部18aが形成されており、鉄心18からのコイル4の抜けが防止される。ここで、フランジ部18aの下端面18bは、鉄心18の軸心C1に対して直交する方向に面している。
【0025】
(コイル)
コイル4は、鉄心18に外嵌固定されているコイルボビン14と、コイルボビン14に巻回されたコイル線材15と、により構成されている。
コイルボビン14は、樹脂等の絶縁性を有する材料により形成されている。コイルボビン14は、鉄心18に外嵌された円筒状のボビン本体(不図示)と、ボビン本体の軸方向両端に設けられ、径方向外側に張り出すように形成された2つの外フランジ部72,73(上外フランジ部72、下外フランジ部73)と、が一体成形されたものである。
【0026】
不図示のボビン本体の外周面に、コイル線材15が巻回される。2つの外フランジ部72,73は、コイル線材15の巻崩れを防止する役割を有している。
また、2つの外フランジ部72,73のうち、ベース部2側に配置された下外フランジ部73には、ベース部2に形成されているコイル端子用スリット7に対応する位置に、それぞれコイル端子支持部74が一体成形されている。コイル端子支持部74は、略四角筒状に形成され、且つコイル端子8の基端が圧入可能なようにベース部2側に向かって突出形成されている。
【0027】
また、下外フランジ部73には、規制部75が一体成形されている。規制部75は、略四角柱状に形成され、且つベース部2に向かって突出形成されている。規制部75は、ベース部2に収納されているレジスタ16の浮き上がりを防止するためのものである。換言すれば、規制部75は、レジスタ16のコイル4側への変位を規制するためのものである。
【0028】
さらに、下外フランジ部73のコイル端子支持部74の近傍には、導出溝76が形成されている。導出溝76は、下外フランジ部73の外周縁からコイル線材15が巻回されている領域に至るまで形成されている。すなわち、導出溝76は、一部が鉄心18(コイルボビン14)の軸方向からみてコイル線材15の巻回領域と重なるように形成されている。このように形成された導出溝76は、コイルボビン14に巻回されたコイル線材15の端末部を、コイル端子8側へと導出するためのものである。
【0029】
(コイル端子)
コイル端子8は、略長板状に形成されている。また、コイル端子8は、ベース部2の面方向と直交する方向、つまり、鉄心18(コイルボビン14)の軸心C1方向に沿って延出されている。さらに、コイル端子8は、ベース部2の面方向に沿う断面形状がコイル端子用スリット7の延在方向(ベース部2の長手方向)に沿うように形成されている。そして、コイル端子8は、ベース部2のコイル端子用スリット7に挿通されている。
【0030】
コイル端子8の基端には、支持片81が一体成形されている。この支持片81が、コイルボビン14に一体成形されているコイル端子支持部74に圧入される。また、コイル端子8の基端には、固定接点端子12側に向かって延出する接続片82が一体成形されている。接続片82は、固定接点端子12の近傍に至るまで延出されている。
このような接続片82に、導出溝76を介して導出されたコイル線材15の端末部15aが係止され、例えばヒュージングにより固定されている。これにより、コイル線材15とコイル端子8とが接続される。また、接続片82に、レジスタ16が例えばヒュージングにより固定されている。
【0031】
(接点部)
図4は、接点部3の概略構成図である。
図3、
図4に示すように、ベース部2とコイル4との間に設けられている接点部3は、固定接点端子12に接続されている固定接点22と、固定接点22と鉄心18の軸心C1方向で対向するように配置されている可動接点21と、固定接点22に対して可動接点21を接離可能に支持する可動接点バネ20と、可動接点21の移動を規制するストッパ50と、を主構成としている。
【0032】
ベース部2の固定接点端子用スリット11に挿通される固定接点端子12は、ベース部2の面方向と直交する方向、つまり、鉄心18(コイルボビン14)の軸方向に沿って延出されている。また、固定接点端子12は、ベース部2の面方向に沿う断面形状が固定接点端子用スリット11の延在方向(ベース部2の短手方向)に沿うように形成されている。このような固定接点端子12は、ベース部2の固定接点端子用スリット11に挿通されている。そして、固定接点端子12は、基端部を除く大部分がベース部2からコイル4とは反対側に向かって突出している。
【0033】
固定接点端子12の基端には、内部接点部36が一体成形されている。内部接点部36は、板状の金属板をコイル4側(上方)に向かってクランク状に屈曲形成している。すなわち、内部接点部36は、固定接点端子12の基端からベース部2の面方向に沿って、且つコイル端子8側(
図1における左側)に向かって延出する第1延出部36aと、第1延出部36aの先端からコイル4側に向かって立ち上がる立設部36bと、立設部36bの先端からベース部2の面方向に沿って、且つコイル端子8側に向かってさらに延出する第2延出部36cと、により構成されている。
そして、第2延出部36cの先端側に、固定接点22が取付けられている。また、立設部36bの大部分には、開口部37が形成されている。この開口部37には、可動接点バネ20が挿通されている。
【0034】
可動接点バネ20は、導電性を有する板バネ材で断面略L字状に形成されており、ヨーク19の縦壁19bに取り付けられている。より具体的には、可動接点バネ20は、ヨーク19の縦壁19b(鉄心18の軸心C1)に沿って僅かに屈曲しながら延び、この縦壁19bに取り付けられる取付座31と、取付座31の下端から鉄心18の軸心C1に直交する方向に屈曲延出するアーム部32と、アーム部32の先端からこのアーム部32に対して鉄心18から離間する方向に傾斜して延出する支持片33と、が一体成形されたものである。
【0035】
取付座31は、ヨーク19の縦壁19bにおける中央の大部分に形成され、且つ平面視略コの字状に形成されている。つまり、取付座31は、長手方向に延在し、短手方向で対向する一対の垂設部31aと、これら垂設部31aのベース部2とは反対側端同士に跨るように延在し、両垂設部31aを連結する連結部31bと、により構成されている。
連結部31bは、各垂設部31aとの接続部分になる両端が、それぞれカシメ、または溶接により、ヨーク19の縦壁19bに固定されている。また、一対の垂設部31aは僅かに屈曲しながら延び、その先端がアーム部32に接続される。
【0036】
アーム部32も、取付座31の一対の垂設部31aに連続するように一対で構成されている。一対のアーム部32は、ヨーク19の縦壁19bの下端に設けられた2つの第2係合片19dの間を通って延出されている。
支持片33は、その短手方向の幅が一対のアーム部32に跨る幅に形成されている。そして、支持片33は、アーム部32の先端から斜め下方に延出されている。また、支持片33が、内部接点部36の開口部37に挿通されている。支持片33の先端側は、内部接点部36の第2延出部36cとベース部2の一面2aとの間に介在されている。
このような支持片33の先端側に、可動接点21が取付けられている。これにより、可動接点21は、固定接点22に対して所定間隔をあけて対向配置される。
【0037】
また、支持片33のコイル4側の面には、鉄片25が設けられている。鉄片25は、支持片33の延在方向に沿って長い板状のものである。鉄片25は、支持片33の内部接点部36における立設部36bの手前からヨーク19における縦壁19bの下端に至る間に延在されている。そして、鉄片25の大部分が、鉄心18のフランジ部18aと軸心C1方向で所定間隔をあけて対向している。また、鉄片25の縦壁19b側の端部は、この縦壁19bの下端に接触している。
【0038】
ここで、可動接点バネ20は、アーム部32に対する支持片33の角度θ1、つまり、鉄心18の軸心C1に直交する方向に対する支持片33の角度θ1が、
θ1<8.7° ・・・(1)
を満たすように形成されている。
このような構成のもと、可動接点バネ20によって、可動接点21は、固定接点22に対して軸心C1方向に沿って当接離反する。
【0039】
可動接点21の移動を規制するストッパ50は、可動接点21を挟んで固定接点22とは反対側、つまり、可動接点21の下方に配置されており、ベース部2の一面2aに取り付けられている。
ストッパ50は、金属板にプレス加工を施してL字状に形成されている。すなわち、ストッパ50は、可動接点21の下方に所定間隔をあけて配置されているストッパ本体51と、ストッパ本体51におけるヨーク19の縦壁19b側端(
図4における右側端)からベース部2側に向かって屈曲延出する固定部52と、が一体成形されたものである。この固定部52がベース部2に差し込まれ、ベース部2にストッパ50が固定される。
【0040】
ここで、ストッパ本体51は、固定部52側の端部51bよりもこの固定部52とは反対側の先端51cが固定接点22から離間するように、傾斜している。すなわち、ストッパ本体51は、可動接点21側の一面51aが、可動接点バネ20の傾斜に対応するように、軸心C1に直交する方向に対して傾斜している。
さらに具体的には、鉄心18の軸心C1に直交する平面を仮想平面P1としたとき、この仮想平面P1に対するストッパ本体51の一面51aの角度θ2は、
θ2=1° ・・・(2)
を満たすように設定されている。
【0041】
また、
図3に詳示するように、ヨーク19の縦壁19bには、可動接点端子10の基端に設けられ、縦壁19bに沿って延出する取付バー34が取付けられている。取付バー34は、可動接点バネ20を構成する取付座31の2つの垂設部31aを避けるように配置されている。そして、取付バー34の先端が、それぞれカシメ、または溶接により、ヨーク19の縦壁19bに固定されている。ここで、可動接点端子10の取付バー34の固定位置と、可動接点バネ20の取付座31の固定位置は、軸心C1に直交する方向に沿って並んで配置されている。
【0042】
可動接点端子10は、略長板状に形成されており、ベース部2の面方向と直交する方向、つまり、鉄心18(コイルボビン14)の軸心C1方向に沿って延出されている。また、可動接点端子10は、ベース部2の面方向に沿う断面形状が可動接点端子用スリット9の延在方向(ベース部2の短手方向)に沿うように形成されている。このような可動接点端子10は、ベース部2の可動接点端子用スリット9に挿通されている。そして、可動接点端子10は、基端部を除く大部分がベース部2からコイル4とは反対側に向かって突出している。
【0043】
(電磁継電器の動作)
次に、電磁継電器1の動作について説明する。
コイル4のコイル線材15に通電を行っていない状態では、接点部3を構成している可動接点21と固定接点22とが離反している(以下、可動接点21の離反状態という)。電磁継電器1の起動前における可動接点21の離反状態では、可動接点21は、固定接点22に離反していると共に、ストッパ50とも離反している。
これに対し、コイル端子8に電流を供給すると(以下、コイル端子8に供給される電流を一次電流という)、このコイル端子8を介してコイル線材15に電流が流れ、鉄心18が励磁される。
【0044】
鉄心18が励磁されると、可動接点バネ20に設けられている鉄片25に、鉄心18側に向かう吸引力が作用する。このため、可動接点バネ20が弾性変形し、鉄心18に鉄片25が吸着されると共に、可動接点21が固定接点22に当接する(以下、可動接点21の接続状態という)。すると、これら可動接点21、および固定接点22を介し、可動接点バネ20と固定接点端子12とが電気的に接続される。
可動接点バネ20は、ヨーク19の縦壁19bを介して可動接点端子10と電気的に接続されているので、可動接点端子10と固定接点端子12とが電気的に接続される。これにより、外部電源(不図示)の電流が負荷(不図示、例えばランプ)に供給される。なお、以下の説明において、可動接点端子10、および固定接点端子12に供給される電流を二次電流という。
【0045】
そして、再び一次電流の供給が停止すると、鉄心18が消磁される。すると、鉄片25が可動接点バネ20の弾性作用によって鉄心18から離反する。これに伴い、固定接点22から可動接点21が離反する。これにより、可動接点端子10と固定接点端子12とが電気的に遮断され、二次電流の供給が停止する。
ここで、可動接点21が接続状態から離反状態へと移行する際、可動接点バネ20のバネ力の勢いで、ストッパ本体51の一面51aに可動接点21が当接する。これにより、可動接点21がベース部2に接触することなく、可動接点21の移動が規制される。また、可動接点21の移動が規制されるので、可動接点バネ20の弾性変形が大きくなりすぎることも防止できる。
【0046】
さらに、可動接点バネ20は、アーム部32に対する支持片33の角度θ1、つまり、鉄心18の軸心C1に直交する方向に対する支持片33の角度θ1が、上記式(1)を満たすように形成されている。このようにアーム部32と支持片33との屈曲角度を緩くすることにより、可動接点21が接続状態から離反状態へと移行する際、可動接点バネ20に作用するバネ力が必要以上に大きくなってしまうことを防止できる。
また、ストッパ50は、ストッパ本体51の一面51aが可動接点バネ20の傾斜に対応するように、傾斜されている。つまり、ストッパ50は、鉄心18の軸心C1に直交する仮想平面P1に対するストッパ本体51の一面51aの角度θ2が、上記式(2)を満たすように形成されている。このため、可動接点21が接続状態から離反状態へと移行する際、ストッパ本体51の一面51aに当接する可動接点21の衝撃が緩和される。
したがって、ストッパ本体51の一面51aに可動接点21が当接した際のバウンドが抑制され、チャタリングの発生が防止される。以下、より具体的に説明する。
【0047】
図5は、縦軸を可動接点21の軸心C1方向への変位量とし、横軸を、可動接点21が接続状態から離反状態へ移行した後の時間経過としたときの可動接点21の軸心C1方向への変位量の変化を示すグラフであり、条件を変化させて比較している。
ここで、
図5中、(1)〜(4)で示す各グラフの条件について、以下に詳述する。
(1)の条件:可動接点バネ20の形状が上記式(1)を満たすように形成されておらず、且つストッパ50の形状が上記式(2)を満たすように形成されていない。
(2)の条件:可動接点バネ20の形状が上記式(1)を満たすように形成されておらず、且つストッパ50の形状が上記式(2)を満たすように形成されている。
(3)の条件:可動接点バネ20の形状が上記式(1)を満たすように形成されており、且つストッパ50の形状が上記式(2)を満たすように形成されていない。ここで、角度θ1は、θ1=6.25°に設定されている。
(4)の条件:可動接点バネ20の形状が上記式(1)を満たすように形成されており、且つストッパ50の形状が上記式(2)を満たすように形成されている。ここで、角度θ1は、θ1=6.25°に設定されている。
【0048】
同図に示すように、(1)の条件と比較して、(2)〜(4)の条件では、可動接点21の変位量、つまり、ストッパ本体51の一面51aに可動接点21が当接した際のバウンドが抑制されていることが確認できる。とりわけ、(4)の条件では、可動接点21の変位量が著しく減少していることが確認できる。
【0049】
このように、上述の電磁継電器1は、可動接点21を挟んで固定接点22とは反対側、つまり、可動接点21の下方に、ストッパ50が設けられている。このストッパ50におけるストッパ本体51の一面51aは、固定部52側の端部よりもこの固定部52とは反対側の先端が固定接点22から離間するように、傾斜している。すなわち、ストッパ本体51の一面51aは、可動接点バネ20の傾斜に対応するように、傾斜している。より具体的には、ストッパ50は、鉄心18の軸心C1に直交する仮想平面P1に対するストッパ本体51の一面51aの角度θ2が、上記式(2)を満たすように形成されている。
【0050】
このため、可動接点21の移動量を抑えつつ、可動接点21が接続状態から離反状態へと移行する際のストッパ本体51の一面51aに当接する可動接点21の衝撃をできる限り緩和できる。可動接点21の移動量を抑えることにより、可動接点バネ20の変位量が減少するので、この分、可動接点バネ20にかかるバネ力を小さくできる。また、ストッパ50に可動接点21が当接する際の衝撃を緩和することにより、ストッパ50に対する可動接点21の跳ね上がりを抑制できる。
このため、電磁継電器1のチャタリングの発生をできる限り抑制できる。
さらに、ストッパ50を設けることにより、可動接点21が接続状態から離反状態へと移行する際、ベース部2の一面2aに可動接点21が接触してしまうことも防止できる。このため、可動接点21やベース部2が損傷してしまうことを防止できる。
【0051】
また、可動接点バネ20は、ヨーク19の縦壁19b(鉄心18の軸心C1)に沿って僅かに屈曲しながら延び、この縦壁19bに取り付けられる取付座31と、取付座31の下端から鉄心18の軸心C1に直交する方向に屈曲延出するアーム部32と、アーム部32の先端からこのアーム部32に対して鉄心18から離間する方向に傾斜して延出する支持片33と、により構成されている。このため、可動接点バネ20のバネ力に抗し、コイル4への通電時に、鉄心18に向かって可動接点バネ20を変位させることができる。また、コイル4への通電遮断時に、可動接点バネ20のバネ力を効率よく発揮させ、鉄心18から可動接点バネ20を離反させることができる。
【0052】
しかも、可動接点バネ20は、アーム部32に対する支持片33の角度θ1、つまり、鉄心18の軸心C1に直交する方向に対する支持片33の角度θ1が、上記式(1)を満たすように形成されている。このようにアーム部32と支持片33との屈曲角度を緩くすることにより、可動接点21が接続状態から離反状態へと移行する際、可動接点バネ20に作用するバネ力が必要以上に大きくなってしまうことを防止できる。よって、電磁継電器1のチャタリングの発生をできる限り抑制できる。
【0053】
なお、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、電磁継電器1は、車両に搭載されているランプ(Lamp)の点灯・消灯を行うために用いられるものである場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな電機機器に電磁継電器1を採用することが可能である。
【0054】
また、上述の実施形態では、ストッパ本体51の一面51aは、鉄心18の軸心C1に直交する仮想平面P1に対する角度θ2が上記式(2)を満たすように設定されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、ストッパ本体51は、固定部52側の端部51bよりもこの固定部52とは反対側の先端51cが固定接点22から離間するように、軸心C1に直交する方向に対して傾斜していればよい。ストッパ本体51の一面51aを傾斜させることにより、可動接点バネ20の支持片33にストッパ本体51の一面51aを沿わせることができる。このため、可動接点21の移動量を抑えつつ、可動接点21が接続状態から離反状態へと移行する際のストッパ本体51に当接する可動接点21の衝撃を緩和できる。