(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の取付けアセンブリをさらに備え、前記取付けアセンブリの各々は、前記車両に固定可能なタブと、前記布地シールドおよび前記膨張式エアバッグカーテンに巻き付いて、前記膨張式エアバッグカーテンを展開まで前記収容形態に維持する包装体とを含む、請求項1に記載のエアバッグアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示の例示的な実施例は、図面を参照することで最良に理解されるであろう。ここで、同様の部分は、全体を通して同様の符号で示されている。本開示の構成要素は、本明細書の図面において一般に説明および図示されているように、多種多様な異なる構成で配置し、設計することができることが、容易に理解されるであろう。したがって、
図1〜
図21に示されるような、以下の本開示の装置、システムおよび方法の実施例のより詳細な説明は、主張された本発明の範囲を限定することは意図されないが、本発明の例示的な実施例の表現に過ぎない。
【0049】
語句「に接続される(connected to)」、「に連結される(coupled to)」および「と連通している(in communication with)」は、機械的、電気的、磁気的、電磁的、流体、および熱的相互作用を含む、2つ以上の存在物の間の相互作用の任意の形態を指している。2つの構成要素は、たとえ互いに直接接触していなくとも、互いに連結されてもよい。用語「当接」は、互いに直接物理的に接触している物を指しているが、この物は、必ずしも互いに取り付けられなくてもよい。語句「流体連通」は、一方の特徴内の流体が他方の特徴内へ流れることができるように接続される、2つの特徴を指している。本明細書で使用される「例示的」は、典型的または代表的な例または実証となることを意味しており、必ずしも特別または好ましいという意味ではない。
【0050】
膨張式エアバッグシステムは、衝突の状況における乗員の負傷を最小限にするように広く使用されている。エアバッグモジュールは、車両内の様々な場所に設置されており、ステアリングホイール、インストルメントパネル、サイドドアまたはサイドシート内、車両のルーフレールに隣接して、頭上の位置、または膝または足の位置を含むが、これらに限定されない。以下の開示では、「エアバッグ」は任意のエアバッグの種類を指してもよい。
【0051】
図1を参照して、エアバッグアセンブリ100は、側面衝突または転倒衝突時の車両の乗員を保護するために使用される。車両は、車両の長さに沿って配向された長手方向101と、例えば、
図1の図においてページを出入りする車両の片側から反対側へ配向された横方向102と、上方および下方へ配向された横断方向103とを有してもよい。用語「内側」および「外側」は、横方向102に沿った物体の位置を指すために使用されてもよい。「外側」は、車両の側面に対して第2の物体よりも比較的近い物体の配置に関連しており、2つの平面のいずれも、横方向102に対して垂直であり、一方は車両の極めて左側の終端部にかろうじて接触し、他方は車両の極めて右側の終端部にかろうじて接触している。「内側」は、車両を2等分する横方向102に対して垂直な平面である車両の中間面に対して、第2の物体よりも比較的近い物体の配置に関連している。「内側」および「外側」は、横方向102において2つの物体を整列させる必要はなく、むしろ、これらの用語は、単に、上述の側面または中間面に対する近接性に関連している。
【0052】
用語「後方」および「前方」は、長手方向101に沿った物体の相対的な位置に関連している。「前方」は、車両の極めて前方の終端部にかろうじて接触する長手方向101に対して垂直な平面である車両の前額面に対して、第2の物体よりも比較的近い物体の配置に関連している。同様に、「後方」は、車両の極めて後方の終端部にかろうじて接触する長手方向101に対して垂直な平面である車両の後面に対して、その他の物体よりも比較的近い物体の配置に関連している。第2の物体の「前方」にある物体は、長手方向101において第2の物体と整列する必要はなく、単に、第1の物体が、第2の物体よりも車両の前額面に近いことを意味する。用語「後方」は、同様に、長手方向101の整列を必要としない。
【0053】
用語「側方」は、横方向102に関連する方向、物体または表面を指す。車両の「側面」は、概して(必ずしも正確ではない)車両の中間面に対向する車両の内部表面である。
【0054】
エアバッグアセンブリ100は、インフレータ104と、チューブ106と、インフレータ104からチューブ106を介してガスを受け入れる膨張式カーテンエアバッグ110とを含んでもよい。エアバッグアセンブリ100はまた、衝突または切迫した衝突を検知し、起動信号をインフレータ104へ送信するセンサおよび制御システム(図示せず)を有してもよい。インフレータ104は、火工品、貯蔵ガスまたはこれらを組み合せたインフレータなどのいくつかの種類のうちの1つであってもよく、単一または多段のインフレータであってもよい。インフレータ104は、膨張式カーテンエアバッグ110に対して任意の適切な場所に格納されてもよい。インフレータ104が火工品インフレータである場合、インフレータ104は、起動信号の受信に応答して膨張ガスを急速に生成するために発火する推進剤を含んでもよい。
【0055】
膨張式カーテンエアバッグ110は、車両内で長手方向101に沿って延びてもよい。膨張式カーテンエアバッグ110は、車両のルーフレール112に連結されるか、または隣にあってもよい。エアバッグアセンブリ100はまた、膨張式カーテンエアバッグ110のそれぞれ前端部および後端部に近接して連結される、前方テザー108および後方テザー109を含んでもよい。膨張式カーテンエアバッグ110が膨張すると、前方テザー108および後方テザー109は、膨張式カーテンエアバッグ110を所定の位置に維持するのに役立つ張力を提供することができる。
【0056】
衝突の際、膨張式カーテンエアバッグ110は、車両の側面窓およびピラー(横窓および/またはフロントガラスと後方窓との間の構造)などの、車両乗員と車両の1つ以上の側面との間の車両の側面に沿って下方へ膨張してもよい。ピラーは、Aピラー114と、Bピラー116と、Cピラー118と、存在する場合、Dピラー119とを含んでもよく、これらの全ては、ルーフレールを自身の上方端部に接合してもよい。いくつかの実施例では、膨張式カーテンエアバッグは、車両のAピラーからCピラーまで延びてもよい。その他の実施例では、例えば
図1に示すように、膨張式カーテンエアバッグ110は、車両のAピラー114からDピラー119まで延びてもよい。
【0057】
エアバッグアセンブリ100に加えて、その他のエアバッグを車両に設置してもよい。例えば、別個の運転席側のエアバッグ(
図1に図示せず)を、乗員(つまり、運転者)をステアリングホイール121およびインストルメントパネル122を含む車両の様々な前面との衝突から保護するために使用してもよい。エアバッグアセンブリ100は、前述の側面との衝突を緩和するだけでなく、Aピラーおよび/またはインストルメントパネル122の外側部分123との衝突も緩和することで、補足的に保護することができる。外側部分123は、ステアリングホイール121の概ね外側にあるインストルメントパネル122の一部である。
【0058】
膨張式カーテンエアバッグ110は、通常は、収容形態に存在してもよく、ここで、膨張式カーテンエアバッグ110は、外側ヘッドライナトリム(ヘッドライナの縁部を覆うトリムであり、一般的には車両のルーフの内部を覆う1枚の布地である)などの、車両の内装トリムの背後に隠される。車両への設置に先立って、膨張式カーテンエアバッグ110は、例えば巻く、折り畳む、またはこれらの組み合わせによって収容形態に圧縮されてもよく、これにより、膨張式カーテンエアバッグ110は、自身の断面形状の高さまたは幅よりもはるかに大きい長さを有する通路に沿って延びる細長の形状を取る。
【0059】
収容形態に圧縮されると、膨張式カーテンエアバッグ110は、包装体、ファスナなどを使用して、輸送および設置を容易にするように収容形態に保持される。膨張式カーテンエアバッグ110は、ルーフレール112に近接して車両へ固定されてもよい。
図1の実施例では、一体化された包装体および固定システムは、膨張式カーテンエアバッグ110の長さに沿って分散した複数の取付けアセンブリ120の形態で提供されてもよい。取付けアセンブリ120の各々は、膨張式カーテンエアバッグ110に固定されたタブ124と、タブ124をルーフレール112に固定するファスナ125と、膨張式カーテンエアバッグ110を取り囲んで膨張式カーテンエアバッグ110を展開まで収容形態内に維持する包装体126とを含んでもよい。
【0060】
代替的実施例では、異なる取付けアセンブリを使用してもよい。このような取付けアセンブリは、膨張式カーテンエアバッグ、代替的なファスナなどと一体的に形成されたタブを含んでもよい。包装体126は、全ての実施例において存在しなくてもよく、膨張式カーテンエアバッグを圧縮された状態で維持するために、その他の実施例は、異なる特徴または取付け方法を利用してもよい。このような包装体またはその他の特徴は、膨張式カーテンエアバッグを車両に固定するために使用される取付けアセンブリと無関係であってもよい。
【0061】
図示の通り、膨張式カーテンエアバッグ110は、ルーフレール112に固定された第1保護域130と、ピラー114に固定された第2保護域132とを有してもよい。こうして、取付けアセンブリ120は、Dピラーの後方位置またはDピラー付近から、Aピラー114の前方端部に近接した前方位置まで、膨張式カーテンエアバッグ110の長さに沿って設けられてもよい。
【0062】
起動すると、インフレータ104は、膨張ガスをチューブ106へ生成および/または放出してもよい。チューブ106から、膨張ガスは急速に膨張式カーテンエアバッグ110に入ることがあり、これによって、膨張式カーテンエアバッグ110の膨張開始を引き起こす。膨張に応答して、包装体126は、膨張式カーテンエアバッグ110を解放するために破損してもよい。こうして、膨張式カーテンエアバッグ110は、収容形態を出て、広がり形状を取ってもよい。この工程は、「展開」と呼ばれる。展開が完了すると、
図2に示され、かつ説明されるように、膨張式カーテンエアバッグ110は、展開形態にあると言える。
【0063】
図2を参照して、斜視図は、膨張式カーテンエアバッグ110が展開形態にあるエアバッグアセンブリ100を示している。インフレータ104および/またはその他任意のインフレータの起動時に、膨張式カーテンエアバッグ110は、膨張式カーテンエアバッグ110が収容形態から展開形態へ遷移するように膨張してもよい。展開の間、包装体126は、膨張式カーテンエアバッグ110が収容形態を出ることができるように破れてもよい。膨張式カーテンエアバッグ110はまた、展開形態において、
図2に示すように、膨張式カーテンエアバッグがBピラー116およびCピラー118を少なくとも部分的に覆うように、Bピラー116およびCピラー118を越えて延びてもよい。膨張式カーテンエアバッグ110はまた、Dピラー119の一部分を覆ってもよい。
【0064】
図2は、第1保護域130および第2保護域132の位置決めを示している。第1保護域130は、ステアリングホイールから後方の車両の側面を一般的に覆う一方で、第2保護域132は、ステアリングホイール121の前方の側面を覆ってもよい。膨張式カーテンエアバッグ110は、上方部分134および下方部分136を有してもよい。
【0065】
膨張式カーテンエアバッグ110は、一般に、布地または薄いポリマーなどの可撓性材料の2つの層から形成されてもよく、内側部138と、外側部139の形態の外側ファブリック層(
図3に表示)とを含んでもよい。内側部138および外側部139は、それぞれ第1ファブリック層および第2ファブリック層を構成してもよい。一例によれば、膨張式カーテンエアバッグ110は、一般的に、ナイロン織物から作られるが、その他の布地または可撓性材料を使用してもよい。内側部138および外側部139は、別個の複数の布地であってもよく、または、共に折り畳まれた1枚の布地の部分であってもよい。内側部138および外側部139は、例えば図示の周辺の縫い目144を介して、周辺接合部に共に固定されてもよい。代替的には、内側部138および外側部139は、機械的固定、接着剤、一体成形織り、RF溶接、超音波溶接、または、当技術分野で公知の任意のその他の適切な方法によって共に固定されてもよい。
【0066】
膨張式カーテンエアバッグ110の内側部138および外側部139は、第1保護域130内に第1チャンバ140を、そして第2保護域132内に第2チャンバ142を画定してもよい。「チャンバ」は、本体内の内部空洞として定義されてもよい。第1チャンバ140は、充填用チューブ106を介してインフレータ104から膨張ガスを受け入れることができる。第2チャンバ142は、第1チャンバ140からの膨張ガスを受け入れることができる。図示の通り、第1チャンバ140は、内側の縫い目148を介して膨張セル146に分割されてもよい。
【0067】
図3を参照して、上面図は、展開形態にある膨張式カーテンエアバッグ110を含むエアバッグアセンブリ100を示している。また、
図3は、運転席側のエアバッグの展開位置162と共に、通常は、車両乗員の頭部、またはより具体的には、運転者の頭部によって占有される乗員領域160を示している。
【0068】
また、
図3は、車両に対する乗員の頭部の前方軌道170と、外側軌道172と、前方外側軌道174とを示している。前方軌道170は、頭部が、通常の(つまり、オーバーラップまたは傾きが小さくない)正面衝突の間に乗員領域160から移動する可能性がある軌道である。外側軌道172は、膨張式カーテンエアバッグ110が膨張する車両の側面に対する衝突などの、側面衝突の間に頭部が乗員領域160から移動する可能性がある軌道である。前方外側軌道174は、スモールオーバーラップ衝突または斜め衝突の間に頭部が乗員領域160から移動する可能性がある軌道である。
【0069】
図示の通り、前方外側軌道174は、スモールオーバーラップ衝突または斜め衝突による車両の回転によって生じ、Aピラー114および/またはインストルメントパネル122の外側部分123に衝突するように、乗員の頭部をステアリングホイール121の外側へ移動させる傾向がある。いくつかの車両は、ステアリングホイール121の前方へ延びるドアを有することがあり、それゆえに、スモールオーバーラップ衝突または斜め衝突の際に、やはり衝突される可能性があるドアトリムまたはその他のドア部分を有することがある。第2保護域132の存在は、このような衝突から頭部を保護するのに役立つことがある。したがって、第2保護域132は、エアバッグアセンブリ100が、転覆衝突またはスモールオーバーラップ衝突あるいは斜め衝突の際の保護を強化することを可能にする。
【0070】
内側の縫い目148の配置に応じて、第2保護域132は、第1保護域130と一般的に同時に膨張することができ、または、第1保護域130の膨張が実質的に完了した後にのみ膨張することができる。内側の縫い目148が、またはより具体的には、内側の縫い目148のチャンバ仕切り150が、第1保護域130から第2保護域132への膨張ガス流を制限するように位置決めされる場合、第2保護域132の膨張は、望まれる程度まで遅延する可能性がある。
【0071】
第2保護域132は、Aピラー114、インストルメントパネル122およびステアリングホイール121などの車両の様々な内装構造と相互作用することができる。例えば、第2保護域132は、展開中に、これらの構造のいずれかに突き当たって、乗員の頭部が第2保護域132と衝突する可能性がある間に、第2保護域132が所定の位置に留まるのに役立つ、いくつかの摩擦係合をもたらすことができる。
【0072】
エアバッグアセンブリ100は、車両の運転席側での使用において示される。同様に構成された(つまり、鏡像または類似鏡像)エアバッグアセンブリは、エアバッグアセンブリ100に加えて、またはエアバッグアセンブリ100の代わりに、車両の助手席側で使用されてもよい。このようなエアバッグアセンブリは、第2保護域132と同様の第2の保護域を有して、Aピラー114、ステアリングホイール121およびインストルメントパネル122の外側部分123に対応する内側面への衝突から助手席の乗員を保護することができる。例えば、助手席側は、第2保護域132などによって有利に覆われるAピラー、グローブボックス、ダッシュボードおよび/またはインストルメントパネルを有してもよい。
【0073】
エアバッグアセンブリ100の構成は例示に過ぎない。様々な種類および構成の膨張式カーテンエアバッグを、本開示の範囲内で利用することができる。例えば、代替的実施例では、様々なサイズ、形状、比率の膨張式カーテンエアバッグを使用してもよい。自動車メーカーは、車両内の所望の位置、予想される衝突の種類および重大性、車両乗員にありそうな習慣、および、自動車安全分野の当業者が認識するその他任意の基準に基づいて、このような代替的実施例から選択してもよい。
【0074】
図1〜
図3の実施例では、第2保護域132は、一般的に、Aピラー114に取り付けられたトリム内に収容されてもよい。これは、いくつかの車両に適している。しかし、いくつかの実施例では、Aピラー114に収容された、および/またはAピラー114に固定されたエアバッグの構造を最小化することが望ましい。いくつかの車両、特に小型車は、Aピラー114に取り付けられたトリム内に、非常に限られた空間を有していることがある。また、任意のAピラートリム要素またはその他の構成要素が、展開中に車両の内部へ突出する危険性を最小限にすることが望ましい。したがって、代替的実施例では、第2の保護域は、他の場所に格納されてもよい。
【0075】
図4を参照して、側面図は、車両内の収容形態における膨張式カーテンエアバッグ210と共に、本発明の例示的な代替的実施例によるエアバッグアセンブリ200を示している。エアバッグアセンブリ100と同様に、エアバッグアセンブリ200は、チューブ106を介して膨張式カーテンエアバッグ210に接続されたインフレータ104、および、膨張式カーテンエアバッグ210を展開中に適切な位置に維持する張力を提供するように協働する、前方テザー108および後方テザー109を含んでもよい。膨張式カーテンエアバッグ210は、複数の取付けアセンブリ120を介してルーフレール112に固定されてもよく、複数の取付けアセンブリ120の各々は、タブ124と、ファスナ125と、包装体126とを含んでもよい。先の実施例と同様に、包装体126は、膨張式カーテンエアバッグ210の展開を可能にするために、膨張式カーテンエアバッグ210初期膨張時に破断して開口することがある。
【0076】
膨張式カーテンエアバッグ210は、エアバッグ構成要素を格納するか、またはAピラー114に取り付ける必要性を、最小限にするように設計されてもよい。したがって、膨張式カーテンエアバッグ210は、ステアリングホイール121の前方に展開する膨張式カーテンエアバッグ210の部分が、Aピラー114上のトリム内に格納されるよりもむしろ、ルーフレール112の前方部分に隣接して位置決めされる設計を有してもよい。より具体的には、膨張式カーテンエアバッグ210は、ステアリングホイール121の略後方に展開する第1保護域230と、ステアリングホイール121の略前方に展開する第2保護域232とを有してもよい。収容形態では、第2保護域232は、第1保護域230に重なるように後方へ折り畳まれてもよい。用語「重なる」は、互いに対して位置決めされた外向面を含む2つの物体を指している。
【0077】
したがって、
図4の収容形態において膨張式カーテンエアバッグ210によって画成されるパッケージは、先の実施例の膨張式カーテンエアバッグ110のパッケージよりも、ルーフレール112の前方部分に近接して多少大きくてもよい。いずれの取付けアセンブリ120も、Aピラー114に固定する必要はない。このことは、Aピラー114を、前方テザー108から離れたエアバッグ構成要素とは無縁にする。これによって、Aピラー114のトリム内に格納された材料のほとんどを最小限にすることができる。さらに、このような構成は、エアバッグアセンブリ200の展開中に、エアバッグ構成要素がAピラーまたはAピラートリムから突出する危険性を低減することで、エアバッグアセンブリ200の全体的な安全レベルを高めることができる。
【0078】
本開示の代替的実施例では、取付けアセンブリ(つまり、最前の取付けアセンブリ)の1つのみがAピラーに固定されてもよい。特にAピラートリムがルーフレールとの接合部に向かって大きくなり、これによって、Aピラーの上端部に多くの空間を残す場合、依然として上述の利点の多くを、このような構成で得ることができる。
【0079】
図5を参照して、側面図は、展開形態における膨張式カーテンエアバッグ210を含む
図4のエアバッグアセンブリ200を示している。展開は、
図1〜
図3のエアバッグアセンブリ100の説明で述べた通り、実質的に初期に起こってもよい。したがって、図示の通り、包装体126は、膨張式カーテンエアバッグ210を解放するために破断して開口してもよく、膨張式カーテンエアバッグ210は、車両の側面に対する衝突から車両の乗員を保護するために下向きに延びてもよい。
【0080】
図示の通り、膨張式カーテンエアバッグ210は、いくつかの相違点とともに、膨張式カーテンエアバッグ110の構成と概して同様の構成を有している。膨張式カーテンエアバッグ210は、上方部分234および下方部分236を有してもよい。膨張式カーテンエアバッグ210は、上述の任意の方法によって、例えば、周辺の縫い目244を含む周辺接合部で共に固定される内側部238および外側部239によって形成されてもよい。「周辺接合部」は、内側要素および外側要素が内部チャンバを画定するように接合される任意の特徴であってもよい。したがって、周辺の縫い目244は、周辺接合部の多くの可能な実施例の1つに過ぎない。その他の実施例は、超音波溶接された接合部、一枚の織り接合部、接着剤または化学的に接着された接合部、機械的に固定された接合部、RF溶接された接合部などを含む。
【0081】
内側部238および外側部239は、それぞれ第1ファブリック層および第2ファブリック層を構成してもよい。内側の縫い目248は、周辺の縫い目244に対して内側に付されてもよい。内側部238および外側部239は、第1保護域230内に第1チャンバ240を、そして第2保護域232内に第2チャンバ242を画定するように協働してもよい。第1チャンバ240および第2チャンバ242の境界は、周辺の縫い目244および内側の縫い目248の幾何学的形状によって画定することができる。
【0082】
膨張式カーテンエアバッグ210は、先の実施例の膨張セル146のような膨張セルを有しなくてもよいが、代わりに、内側の縫い目248によって画定される複数の非膨張領域246を有してもよい。非膨張領域246は、車両乗員からの衝突が起こりそうもない、または、テザーまたはその他のエアバッグ構成要素を取り付けることが望ましい近接領域に位置決めされてもよい。膨張式カーテンエアバッグ210の膨張を妨げることなく、内側部238および外側部239を介して取付けを行うことができるので、このような取付けは、非膨張領域246で有利に行われる。非膨張領域246はまた、展開形態における膨張式カーテンエアバッグ210の体積を低減するのに役立ち、これにより、必要な膨張ガスの量を低減し、それゆえに、インフレータ104の大きさを低減することができる。
【0083】
内側の縫い目248のチャンバ仕切り250は、第1保護域230と第2保護域232との間に位置決めされてもよく、したがって、第1チャンバ240を第2チャンバ242から離間させてもよい。チャンバ仕切り250は、第1チャンバ240から第2チャンバ242への膨張ガスの流れを制限してもよく、したがって、一般的に、第1保護域230が第2保護域232の膨張に先立って膨張する原因となる。
【0084】
第2保護域232は、第2保護域232が、展開時により一層小さく、比較的狭い可能性があるという点で、先の実施例の第2保護域132と大きく異なることがある。これにより、膨張式カーテンエアバッグ210、および、特に第2保護域232が第1保護域230に重なる、拡大した膨張式カーテンエアバッグ210の前方部分が、ルーフレール112用のトリム内に設けられた空間に確実に圧縮することができる。
【0085】
展開の間、第1保護域230および第2保護域232の膨張は、第2保護域232が、第1保護域230に重なる収容位置から前方へ、概ね旋回する原因となる可能性がある。したがって、第2保護域232は最初に、横方向102に延びるまで内側に旋回してもよく、ここで、第2保護域232は、第1保護域230に対して略垂直である。この位置から、第2保護域232は、前方へ旋回し続けてもよいが、現在は外側へ旋回している。そのまま放置されると、この動きは、第2保護域232が第1保護域230に対して略平行となるまで継続する可能性がある。
【0086】
第2保護域232が完全に展開することを許可された場合、つまり、第1保護域230に対して略平行となるまで外側へ旋回することを許可された場合、もはや、スモールオーバーラップ衝突の際に乗員の衝突を防止するように最適に位置決めすることができない。より正確には、このような位置決めは、運転者の頭部が、
図3に示すように前方外側軌道174に沿って移動し、かつ、第2保護域232と運転席側のエアバッグとの間を移動することを可能にする。したがって、第2保護域232を、平面視において第1保護域230に対して180°より小さい角度で維持するために、いくつかの機構を提供することが望ましい。この角度は、
図7においてより詳細に示される。
【0087】
第2保護域232が、第1保護域230に対して平行な位置へ外側に旋回することを防止するために、制限部材を使用することがある。「制限部材」は、物体の位置および/または方向を制限するように機能する任意の構造として定義されてもよい。エアバッグアセンブリ200では、制限部材は、展開中の第2保護域232の外側の動きを制限することができる。
【0088】
エアバッグアセンブリ200では、制限部材は、第1保護域230に固定された第1端部282と、第2保護域232に固定された第2端部284とを含むテザー280の形態を取ってもよい。第1端部282は、第1保護域230の上縁部に近接して固定されてもよく、第1保護域230自身に固定されるか、あるいは、ルーフレール112などの車両の一部に固定されてもよい。
図5では、第1端部282は、取付けアセンブリ120のうちの1つに固定され、したがって、取付けアセンブリ120のタブ124をルーフレール112に固定するために使用されるファスナ125でルーフレール112に固定されてもよい。第2端部284は、第2保護域232の上縁部に直接固定されてもよい。
【0089】
代替的な例示的実施例では、このような拘束部材は、コードまたはテザーなどの可撓性部材、または、レール、ブラケットなどの剛性部材を含む、様々な構成を有してもよい。レール(図示せず)は、クッションに接続されたリングなどの摺動要素を有してもよく、第2保護域232の外側および/または前方の動きを制限するように、車両のルーフに近接して固定されてもよい。ブラケット(図示せず)またはその他のハードストップは、第2保護域232の前方および/または外側の動きを直接阻止するように、車両のルーフから下方へ展開してもよい。当業者は、第2保護域232の前方および/または外側の動きを制限するように、多くのその他の代替装置を使用してもよいことを認識している。
【0090】
図6を参照して、側面図は、膨張式カーテンエアバッグ210の収容形態への圧縮に先立つ、
図4のエアバッグアセンブリ200の膨張式カーテンエアバッグ210の前方部分を示している。図示の通り、チャンバ仕切り250は、第1チャンバ240と第2チャンバ242との間の、膨張式カーテンエアバッグ210の高さの大部分に沿って延びてもよい。前方テザー108は、膨張式カーテンエアバッグ210に固定された第1端部286と、車両に固定可能な第2端部288とを有してもよい。第1端部286は、チャンバ仕切り250に固定されてもよく、より具体的には、チャンバ仕切り250の残りの部分から延びる非膨張領域246に固定されてもよい。第1端部286は、縫い目287を介して領域246に固定されてもよい。第2端部288は、例えばファスナ(図示せず)の使用によって第2端部288のAピラー114への取付けを容易にする、孔289またはその他の特徴を有してもよい。
【0091】
チャンバ仕切り250はまた、展開形態において、膨張式カーテンエアバッグ210が部分的に折り畳まれて留まることができる、自然な折り目を形成することがある。膨張式カーテンエアバッグ210内の膨張ガスの圧力、および膨張式カーテンエアバッグ210が横方向102において外側に膨張する態様は、膨張式カーテンエアバッグ210のほとんどの領域が長手方向101から離れて曲がることを防止する傾向にあるので、膨張式カーテンエアバッグ210をその他の場所で折り畳むことは困難である。しかし、チャンバ仕切り250が膨張式カーテンエアバッグ210の高さの大部分に沿って延びると、チャンバ仕切り250は、自然な折り目を提供することができる。
【0092】
第2保護域232の第2チャンバ242は、図示の通り、単一のチャンバである。しかし、本発明の精神から逸脱することなく、第2チャンバ242を複数のチャンバに分割することができることが理解されるべきである。例えば、第2チャンバ242を、2つの隣接するチャンバである、最前チャンバおよび中間チャンバに分割することができる。中間チャンバは、一方にチャンバ仕切り250と、他方に最前チャンバと中間チャンバとの間の仕切りとを有してもよい。中間チャンバおよび最前チャンバを含むエアバッグの構成は、サイドドア、Aピラーおよびインストルメントパネルの外形に沿って良好に整列することができる。本発明の一実施例は、車両乗員のAピラーとの衝突を緩和するように位置決めされた中間チャンバと、車両乗員のインストルメントパネルとの衝突を緩和するように位置決めされた最前チャンバとを有してもよい。当然ながら、本開示を与えられた当業者は、特定の車両構成から車両乗員を保護する複数のチャンバを使用した構成を決定することができる。
【0093】
膨張式カーテンエアバッグ210は、収容折り目290で折り畳まれて収容形態へ圧縮される。
図6に示すように、収容折り目290は、自然な折り目(つまり、展開された折り目)と同一であり、チャンバ仕切り250によって画成される。代替的実施例では、膨張式カーテンエアバッグ210は、異なる場所、つまり、チャンバ仕切り250の前方または後方のいずれかで折り畳まれてもよい。チャンバ仕切り250は、折り目が展開形態内で位置する場所を決定することができるので、収容折り目の位置は、膨張式カーテンエアバッグ210の展開形態にほとんど影響を与えない可能性がある。
【0094】
前方テザー108の第1端部286の取り付け位置は、第2保護域232に対する所望のレベルの張力を提供するように選択されてもよい。より具体的には、第1端部286をチャンバ仕切り250の前方へ固定することは、前方テザー108が、長手方向101において第1保護域230だけでなく、第2保護域232にも張力を与える原因となる。このような張力は、展開中に第2保護域232の前方への旋回を支援することで、第2保護域232を展開するのに役立つが、第2保護域232が第1保護域230と平行である位置に向かって第2保護域232を引き出すこともある。上述したように、これは、望ましくない場合がある。
【0095】
第1端部286をチャンバ仕切り250の後方に固定することは、前方テザー108が、長手方向101において第1保護域230のみに張力を与える原因となる。第1端部286をチャンバ仕切り250に直接固定すること、または、チャンバ仕切り250の前方であるが、近接して固定することは、前方テザー108がいくつかのレベルの張力を第2保護域232に与える原因となるが、モーメントアームは短く、これにより、第2保護域232を前方へ旋回させる傾向にある、結果として得られるモーメントは比較的小さい。
【0096】
したがって、スモールオーバーラップ衝突、斜め衝突または転覆衝突の際の保護のために、第2保護域232の迅速な展開と第2保護域232の適切な配向での維持との間の所望のバランスを得るように、第1端部286の取付け点は慎重に選択される。
図6の実施例では、第1端部286は、チャンバ仕切り250の非膨張領域246に固定され、チャンバ仕切り250の残りの部分の概ね後方に延びる。したがって、
図6で構成されるように、前方テザー108は、存在する場合、長手方向の張力を第2保護域232に与えることができる。
【0097】
テザー280の第2端部284は、第2保護域232の上縁部294に、例えば縫い目285を介して固定されてもよい。第2端部284は、第2保護域232の上部で周辺の縫い目244の上に固定されてもよく、これにより、第2端部284を第2保護域232に固定する縫い目285は、内側部238および外側部239を介して、第2保護域232の膨張を妨げることなく延びることができる。
【0098】
第2端部284は、展開された折り目、またはチャンバ仕切り250、および第2保護域232の前方縁部292からほぼ等距離の位置で上縁部294に固定されてもよい。したがって、第2端部284は、長手方向101において第2保護域232の概ね中央付近の位置に固定されてもよい。この位置は、チャンバ仕切り250に近接した取付けに有利な、テザー材料を節約することと、乗員が比較的高速に動く際に第2保護域232を所定の位置に維持する、長いモーメントアームを提供することとのバランスを提供することができる。
【0099】
第2保護域232をあまりにも強固に所定の位置に維持することを回避するように、このモーメントアームを緩和することが望ましい。より具体的には、第2保護域232が、第1保護域230に平行な位置に向かって外側へ旋回して、乗員の第2保護域232への衝突を緩和する、いくつかの機能を提供することが有利である。第2端部284の位置は、第2保護域232の位置における剛性と可撓性との間の最適なバランスを取るように、慎重に選択される。
【0100】
図6の構成から、膨張式カーテンエアバッグ210は、テザー280の第1端部282の対応する取付けアセンブリ120(つまり、
図6の左側の取付けアセンブリ120)への取付けに先立って、少なくとも部分的に圧縮される必要がある。というのも、テザー280は、取付けアセンブリ120に同時に取り付けられるのに十分な長さを有していない場合があり、上縁部294上の膨張式カーテンエアバッグ210との所望の位置は、図示の通り水平状となっているからである。
【0101】
一例によれば、図示の通り、上縁部294に固定された第2端部284を用いて、膨張式カーテンエアバッグ210を、収容折り目290で内側へ折り畳むことができる。したがって、前方縁部292を、
図6の図を参照してページの内側または外側に持ってきてもよく、前方縁部292が、第1保護域230の対応する領域に重なるまで、後方(または
図6の図の左側)に持ってきてもよい。折り目290は、膨張式カーテンエアバッグ210の前方縁部であってもよい。テザー280の第1端部282は、取付けアセンブリ120のタブ124に固定されてもよい。代替的には、これは、エアバッグアセンブリ200が車両に設置される場合に行われてもよい。
【0102】
膨張式カーテンエアバッグ210が長手方向101に折り畳まれた後、膨張式カーテンエアバッグ210は、横断方向103へ巻回され、折り畳まれ、さもなければ圧縮されてもよい。これにより、収容形態内の膨張式カーテンエアバッグ210を細長い形状にする。収容形態における膨張式カーテンエアバッグ210を用いて、膨張式カーテンエアバッグ210を車両内に設置するように、取付けアセンブリ120を、ルーフレール112に容易に固定することができる。先に述べたように、いずれの取付けアセンブリ120も、Aピラー114に固定する必要はない。
【0103】
図7を参照して、上面図は、膨張式カーテンエアバッグ210が展開形態にある
図4のエアバッグアセンブリ200を示している。図示の通り、第2保護域232は、テザー280に制限される程度まで第1保護域230から展開された。第2保護域232は、第1保護域230と運転席側のエアバッグの位置162との間の間隙を遮断するように位置決めされてもよい。第2保護域232は、こうして、乗員の頭部の乗員領域160と、Aピラー114と、インストルメントパネル122の外側部分123との間に位置決めされ、これによって、これらの表面への衝突から保護することができる。
【0104】
図示の通り、膨張式カーテンエアバッグ210は、膨張式カーテンエアバッグ210の自然な折り目を画成するチャンバ仕切り250で折り畳まれたまま残ることがある。先に述べたように、膨張式カーテンエアバッグ210の収容折り目はまた、チャンバ仕切り250に存在してもよいが、代替的実施例では、必ずしもそうである必要はない。チャンバ仕切り250とは異なる位置での自然な折り目は、展開された膨張式カーテンエアバッグの構成に影響を与えることもあり、そうでないこともある。
【0105】
図7に示すように、第2保護域232は、第1保護域230に対して角度296で展開されてもよい。角度296は、テザー280の長さおよび取付け位置によって決定される。有利には、角度296は180°未満であってもよい。角度296は、110°〜160°の範囲内であってもよい。より正確には、角度296は、120°〜150°の範囲内であってもよい。さらにより正確には、角度296は、130°〜140°の範囲内であってもよい。さらにより正確には、角度296は約135°であってもよい。
【0106】
図8を参照して、側面図は、膨張式カーテンエアバッグ310の収容形態への圧縮に先立つ、本発明の代替的な一実施例によるエアバッグアセンブリの膨張式カーテンエアバッグ310の前方部分を示している。膨張式カーテンエアバッグ310は、膨張式カーテンエアバッグ310の車両への取付けを容易にするように、自身の長さに沿って設けられた複数の取付けアセンブリ320を有してもよい。取付けアセンブリ320の各々はタブを有してもよく、任意には、取付けアセンブリ120の説明で述べたものと同様のその他の構成要素を有してもよい。所望であれば、取付けアセンブリ320の全てをAピラー114の後方に固定してもよい。また、取付けアセンブリ320のうちの1つ(つまり、最前)は、ルーフレール112に隣接するAピラー114に固定されてもよい。
【0107】
膨張式カーテンエアバッグ210と同様に、膨張式カーテンエアバッグ310は、第1保護域330と、第1保護域330の前方に展開する第2保護域332とを有してもよい。膨張式カーテンエアバッグ310は、上方部分334と、下方部分336と、内側部338と、(
図8の視点から反対を向く)外側部339とを有してもよい。内側部338および外側部339は、それぞれ第1ファブリック層および第2ファブリック層を構成してもよい。内側部338および外側部339は、第1保護域330内に第1チャンバ340を、そして第2保護域332内に第2チャンバ342を画定するように共に固定されてもよい。内側部338および外側部339は、例えば周辺の縫い目344を使用することで、周辺の継ぎ目で共に固定されてもよい。内側の縫い目348はまた、周辺の縫い目344の内側に付されてもよく、1つ以上の非膨張領域346を画定してもよい。第2保護域332は、前方縁部392と、上縁部394と、下縁部396と、後方縁部(図示せず)とを有してもよい。
【0108】
第1保護域330および第2保護域332は、チャンバ仕切り350によって互いに離間してもよく、一般的に横断方向103に沿って延びる非膨張領域346によって画定されてもよい。非膨張領域346は、膨張式カーテンエアバッグ310の高さの実質的な部分に沿って延びてもよく、したがって、非膨張領域346は、膨張式カーテンエアバッグ310が展開後に部分的に折り畳まれて残る、展開された折り目を画成してもよい。収容折り目390は、チャンバ仕切り350に位置決めされてもよく、これにより、収容折り目390は、チャンバ仕切り350によって画成された展開された折り目と同一となる。
【0109】
膨張式カーテンエアバッグ310は、前方テザー308を介して車両に固定されてもよく、前方テザー308は、例えば縫い目387を介して、チャンバ仕切り350に近接して膨張式カーテンエアバッグ310に固定された第1端部386と、車両のAピラー114に固定することができる第2端部388とを有してもよい。テザー380の形状の拘束部材は、第2保護域332が、先の実施例のテザー280と同様の態様で、第1保護域330に対して展開する角度を制御するように使用されてもよい。こうして、テザー380は、膨張式カーテンエアバッグ310の圧縮の前、間、または後の適切な時期に、取付けアセンブリ320のうちの1つに取り付けることができる第1端部382を有してもよく、例えば取付けアセンブリ320は、第2の最前の取付けアセンブリ(
図8の取付けアセンブリの左側)である。テザー380はまた、第2端部384を有してもよい。
【0110】
膨張式カーテンエアバッグ310は、いくつかの点で膨張式カーテンエアバッグ210とは異なる場合がある。膨張式カーテンエアバッグ310では、第2チャンバ342は自身の上方端部至近から充填することができる。したがって、膨張ガスは、チャンバ仕切り350の非膨張領域346の上方縁部と上縁部394に近接する周辺の縫い目344との間の、第2チャンバ342に流入することができる。ガスが第2チャンバ342に入ることを可能にする通路はかなり広く、これによって、第2保護域332が急速に膨張することを可能にする。第2保護域332は、第1保護域330の膨張と同時に、または第1保護域330の膨張にほんの少し遅れて膨張してもよい。
【0111】
さらに、チャンバ仕切り350を画定する非膨張領域346は、先の実施例のチャンバ仕切り250よりも長手方向101に沿って著しく広い。これは、膨張式カーテンエアバッグ310が、展開中に、チャンバ仕切り350に所望の角度(先の実施例に関連して示した角度296など)で折り畳まれたまま残るのに役立つ。というのも、第1保護域330および第2保護域332は、それぞれチャンバ仕切り350に隣接した第2保護域332の部分が、第1保護域330の対応する部分に係合する前に膨張する十分な余地を有しているからである。このような係合は、第2保護域332が第1保護域330に平行な配向となるよう促す。チャンバ仕切り350の幅は、第2保護域332が最適な位置および/または第1保護域330に対する角度に確実に留まることができるように、テザー380と協働して作用してもよい。
【0112】
さらに、チャンバ仕切り350の下端部に近接した周辺の縫い目344の幾何学形状はまた、膨張式カーテンエアバッグ310が、第2保護域332と第1保護域330との間の所望の角度で展開することを容易にすることができる。チャンバ仕切り350の下端部に近接した周辺の縫い目344の湾曲部は、膨張式カーテンエアバッグ310の下端部に近接したチャンバ仕切り350を広げるのに役立ち、展開工程中にチャンバ仕切り350の下部に存在する長手方向の張力を軽減するのに役立つ。これは、第2保護域332が、第1保護域330に対して適切な角度で留まることをさらに可能にする。
【0113】
本発明によれば、材料節約の原理を、そうでなければエアバッグ構成要素を形成するために廃棄される可能性のある布地から様々なエアバッグ構成要素を形成するために使用してもよい。いくつかのエアバッグは、2枚の布地を一体に縫合することで形成される。一般的には、大判のシートが使用され、シートの各対を、複数のエアバッグに切断することができる。エアバッグは完全な長方形ではないので、工程で廃棄される隣接するエアバッグ間にかなりの布地が存在する可能性がある。
【0114】
本開示は、余分な布地、特にエアバッグの周辺に存在する布地を、従来は個別の布片から作られたエアバッグの付属品を形成するために使用することができる方法を提供する。このような付属品は、テザー、補強部材、布地シールド、セイルパネル、取付けタブ、および、エアバッグの設置および/または展開を容易にするために使用される多種多様なその他の物品を含んでもよい。
【0115】
図8の実施例を参照して、膨張式カーテンエアバッグ310は、非膨張の周辺領域、または周辺の縫い目344の外側に位置決めされる周辺領域352を有してもよい。周辺領域352は、第1チャンバ340および第2チャンバ342から周辺の縫い目344の反対側に位置してもよく、したがって、膨張ガスを含む必要はない。内側部338および外側部339は、周辺領域352内に共に固定されるか、あるいは、一般に、周辺領域352に取り付けられずに留まってもよい。
【0116】
周辺領域352は、上部354と、下部356と、前方部分358と、後方部分(図示せず)とを有してもよい。周辺の縫い目344はまた、上部364と、下部366と、前方部分368と、後方部分(図示せず)とを有してもよい。上部354は一般的に上部364の上に位置し、下部356は一般的に下部366の下に位置し、前方部分358は一般的に前方部分368の前方に位置してもよい。同様に、周辺領域352の後方部分は、一般的に周辺の縫い目344の後方部分の後方に位置してもよい。
【0117】
テザー380は、周辺領域352の上部354の布地から切断されてもよい。したがって、図示の通り、テザー380は、上部354と一体的に形成されてもよい。テザー380の本体は、スリット372によって周辺領域352の上部354の残りの部分と離間していてもよい。スリット372は、周辺領域352の上部354が、第2端部384でテザー380と一体的に接合されたまま残るように、テザー380の第2端部384の手前で終端してもよい。
【0118】
膨張式カーテンエアバッグ310は、内側部338および外側部339の材料を切断または分離することで形成されて、膨張式カーテンエアバッグ310の縁部、つまり、前方縁部392、上縁部394、下縁部396および後方縁部(図示せず)を画定してもよい。この工程は、膨張式カーテンエアバッグ310の輪郭を画定することができる。その後、同一または異なる切断工程またはその他の分離工程を使用してスリット372を形成し、これによって上部354の残りの部分とは異なるテザー380を画成してもよい。
【0119】
代替的実施例では、このようなテザーのいずれの端部も、個別の布片(図示せず)の取付けによって、または、テザーの一部分をそれ自体に折り畳むことによって、必要に応じて補強されてもよい。例えば、このようなテザー(図示せず)は、2倍の長さまたは2倍の幅で形成されて、その後、自身に重なるように折り返されてもよい。これは、スリットを形成して周辺領域からテザーを離間させる前後に行ってもよい。このような方法を、テザーの全長に適用して全長を補強するか、任意には、端部のいずれかのみ、または両方に適用して取付け点および/または応力が集中した領域を補強してもよい。別の選択肢として、このようなテザーを補強するために、プレート、ファスナなどの、より剛性の要素を適用してもよい。
【0120】
図8の膨張式カーテンエアバッグ310に適用される原理を、多種多様なエアバッグおよびテザーの構成に適用してもよい。例えば、周辺領域と一体化したトップテザーの使用に加えて、または、これの使用に代えて、膨張式カーテンエアバッグにおける張力を維持するように設計された前方テザーおよび/または後方テザーを、膨張式カーテンエアバッグの縁部に存在する余分な布地と一体的に形成してもよい。
【0121】
図9を参照して、側面図は、本発明の他の代替的実施例によるエアバッグアセンブリ400の膨張式カーテンエアバッグ410の後方部分を示している。先の実施例と同様に、1名以上の車両乗員が車両の側面に衝突することから保護するように、膨張式カーテンエアバッグ410は、車両のルーフレール(図示せず)に近接して固定されてもよい。膨張式カーテンエアバッグ410は、複数の取付けアセンブリ420を使用することで車両に固定されてもよい。
【0122】
膨張式カーテンエアバッグ410は、所望の衝突保護をもたらすように膨張する、少なくとも第1保護域430を有してもよい。膨張式カーテンエアバッグ410は、上方部分434と下方部分436とを有してもよい。膨張式カーテンエアバッグ410は、内側部438および外側部439である第1ファブリック層および第2ファブリック層から形成されてもよい。内側部438および外側部439は、第1保護域430内に第1チャンバ440を画定してもよい。
【0123】
第1チャンバ440は、内側部438を外側部439に固定する周辺接合部によって画定されてもよい。周辺接合部は、縫製、一体成形織り、RF溶接、超音波溶接、機械的固定、接着剤接合、化学結合などを含む多種多様な取付け方法および構成で形成されてもよい。
図9では、周辺接合部は、一般的に膨張式カーテンエアバッグ410の周辺を取り囲む周辺の縫い目444の形態を取ってもよい。
【0124】
膨張式カーテンエアバッグ410はまた、周辺の縫い目444によって画定された空間内に位置決めされた1つ以上の非膨張領域446を有してもよい。非膨張領域446は、内側の縫い目448によって、あるいは、内側部438および外側部439が周辺の縫い目444によって画定された空間内で共に固定される異なる形態の取付けによって画定されてもよい。
【0125】
周辺の縫い目444はまた、周辺の縫い目444の外側に位置決めされた周辺領域452を画定してもよい。周辺領域452内では、内側部438および外側部439が共に固定されるか、あるいは取り付けられずに留まってもよい。周辺領域452は、上部454と、下部456と、前方部分(図示せず)と、後方部分460とを有してもよい。同様に、周辺の縫い目444は、上部464と、下部466と、前方部分と、後方部分470とを有してもよい。上部454は、一般的に上部464の上に位置決めされてもよく、下部456は、一般的に下部466の下に位置決めされてもよく、後方部分460は、一般的に後方部分470の後方に位置決めされてもよい。
【0126】
エアバッグアセンブリ400はまた、後方テザーとして作用するテザー480を有してもよく、テザー480は、前方テザー(図示せず)と協働して、展開後の膨張式カーテンエアバッグ410を所定の位置で保つために膨張式カーテンエアバッグ410に対する張力を維持することができる。テザー480は、膨張式カーテンエアバッグ410を形成する内側部438および外側部439と一体的に形成されてもよい。より正確には、テザー480は、後方部分460内に既に存在する余分な布地から、周辺領域452の後方部分460に形成されてもよい。
【0127】
テザー480は、互いに重なるように最終的に共に固定される第1セグメント482および第2セグメント484から形成されてもよい。第1セグメント482および第2セグメント484の各々は、第1端部486と第2端部488とを有してもよい。第1セグメント482および第2セグメント484の各々の第1端部486は、周辺領域452の後方部分460と一体のまま留まってもよく、第1セグメント482および第2セグメント484の各々の第2端部488は車両(図示せず)に固定されてもよい。
【0128】
膨張式カーテンエアバッグ410は、大判の布地から形成されてもよく、内側部438および外側部439を画定するために、大判のシートの残りの部分から切断されるか、そうでなければ分離されてもよい。後方部分460は後方縁部490を有してもよく、後方縁部490は、隣接する布地から切断されるか、そうでなければ分離されて
図9に示す外形を画定し、こうして、第1セグメント482および第2セグメント484の各々の一方を画定する。第1セグメント482の他方は、第1スリット472によって画定され、第2セグメント484の他方は、第2スリット474によって画定されてもよい。
【0129】
第1セグメント482および第2セグメント484の各々の第2端部488は、車両への取付けを容易にする、および/または、取付けを容易にするために第2端部488に孔が形成された場合に存在し得る、応力集中を補償するより高い強度を提供する、拡大形状を有することが望ましい。第2セグメント484の第2端部488の拡大形状は、後方縁部490の外形によって画定されるので、第2スリット474は、図示の角度に対して略直線状に延びてもよい。第1スリット472は、第1セグメント482の第2端部488の拡大形状を画定する直線、曲線および角度の組み合わせにおいて延びてもよい。
【0130】
第1セグメント482および第2セグメント484の第1端部486に接近すると、第1スリット472および第2スリット474は互いの手前で終端して未切断部分476を残してもよく、第1セグメント482および第2セグメント484は、周辺領域452の後方部分460に一体的に取り付けられたままである。第1スリット472および第2スリット474の隣接する端部は、垂直に整列してもよい。
【0131】
第1セグメント482および第2セグメント484は、図示のように周辺領域452の後方部分460の隣接部分から形成されてもよい。先に述べたように、第1セグメント482および第2セグメント484は、互いに重なるように折り畳まれてもよい。これを行うことが可能な1つの方法を、以下の通り
図10、
図11および
図12に関連して図示および説明する。
【0132】
図10を参照して、側面図は、テザー480を形成する第1折り畳み工程が行われた後の、
図9の膨張式カーテンエアバッグ410の後方部分を示している。より具体的には、第1スリット472および第2スリット474が形成された後、第1セグメント482および第2セグメント484は、未切断部分476においてのみ、周辺領域452の後方部分460の残りの部分に取り付けられてもよい。
【0133】
先に述べたように、第1スリット472および第2スリット474の隣接する端部は、垂直オフセットによって分離されてもよく、未切断部分476に及ぶ可能性がある。したがって、未切断部分476は、第1セグメント482および第2セグメント484が、
図10に示す構成を得るように前方へ折り畳まれる、一般に垂直の折り目を画成してもよい。第2セグメント4842は、依然として略垂直に延びてもよいが、第1セグメント482の第2端部488が、
図9において略前方に角度付けられた場合では、第2セグメント484の第2端部488は、
図10において略後方に角度付けられてもよい。折り畳み工程の間、第1セグメント482および第2セグメント484は、
図10の表示に対してページの外へ旋回する可能性がある。
【0134】
ここで、第1セグメント482および第2セグメント484は、さらなる折り畳み動作に対する準備ができている。これらの動作によって、第1セグメント482および第2セグメント484は、後方部分460、後方部分470および後方縁部490に対して略直交して、略水平に配向されてもよい。
【0135】
図11を参照して、側面図は、テザー480を形成する第2折り畳み工程が行われた後の、
図9の膨張式カーテンエアバッグ410の後方部分を示している。より具体的には、第2セグメント484は、第1の前の位置492から
図11に示す位置まで一般的に下方へ折り畳まれてもよい。第2セグメント484は、図示の位置に到達するように、第1セグメント482の第1端部486に近接する第1折り目494で折り畳まれてもよい。第1折り目494は、水平より約45°角度付けられ、こうして、略垂直の向きから略水平の向きまで第2セグメント484を折り畳むことができる。折り畳み工程の間、第2セグメント484は、
図11の表示に対してページの外へ旋回する可能性がある。
【0136】
図12を参照して、側面図は、テザー480を形成する第3折り畳み工程が行われた後の、
図9の膨張式カーテンエアバッグ410の後方部分を示している。図示の通り、第1セグメント482は、第2の前の位置496から
図12に示す位置まで、一般的に上方へ折り畳まれてもよい。第1セグメント482は、図示の位置に到達するように、第1セグメント482の第1端部486に近接する第2折り目498で折り畳まれてもよい。第2折り目498は、水平より約45°弱角度付けられ、こうして、略垂直の向きから(第2の前の位置496が示す僅かに後方の角度で)略水平の向きまで第1セグメント482を折り畳むことができる。折り畳み工程の間、第1セグメント482は、
図12の表示に対してページの外へ旋回する可能性がある。
【0137】
この第3折り畳み工程が完了すると、第2セグメント484は第1セグメント482に重なる可能性がある。テザー480は、第1セグメント482と第2セグメント484とを含んでもよい。第1セグメント482および第2セグメント484の各々は、第1ファブリック層と第2ファブリック層とを有してもよい。第1ファブリック層および第2ファブリック層は、それぞれ内側部438および外側部439と一体的に形成されてもよい。したがって、テザー480は、
図12のステップの後、4つの層を有することがある。
【0138】
膨張式カーテンエアバッグ410が展開するときに、テザー480は著しい引張応力を有することがあるので、この二重テザー4層構成は有利である。したがって、テザー480は、展開の応力に確実に耐えるように、2層(つまり、内側部438および外側部439)以上を必要とする。周辺領域452の後方部分460からの第1セグメント482および第2セグメント484の形成は、膨張式カーテンエアバッグ410を形成するために既に使用され、そうでなければ廃棄されたもの以上に、任意の布地を必要とすることなく、高強度のテザー480の作成を可能にする。
【0139】
展開の応力に耐えるテザー480の性能をさらに高めるために、テザー480を補強することが有益である。特に、最大の応力を受けやすいテザー480の部分に、追加のファブリック層を必要に応じて追加してもよい。これは、テザー480の第1端部486および/または第2端部488の補強を伴うことがある。第1端部486の典型的な補強については、以下の通り
図13に関連して図示および説明する。
【0140】
図13を参照して、側面図は、テザー480の第1端部486が補強された後の、
図9の膨張式カーテンエアバッグの後方部分の側面図である。第1端部486は、第1端部486が周辺領域452の後方部分460を接合する応力集中部を表してもよい。したがって、引裂の防止に役立てるために、この接合部を強化することが望ましい。
【0141】
図示の通り、第1補強パネル477を第1端部486に適用してもよい。第1補強パネル477は、図示の通り略正方形、または任意のその他の形状を有してもよい。第1補強パネル477は、周辺領域452の一部から分離されてもよい。したがって、第1補強パネル477は、必要に応じて2つ以上の層を有してもよい。
【0142】
第2補強パネル478もまた、第1端部486に適用されてもよい。
図13では、第2補強パネル478は三角形で示されているが、これは例示に過ぎない。第1補強パネル477は、第1端部486と第2補強パネル478との間に挟まれてもよい。第2補強パネル478もまた、2つ以上の層を有してもよい。
【0143】
第1補強パネル477および第2補強パネル478は、縫製、一体成形織り、RF溶接、超音波溶接、化学結合、接着剤接合、機械的固定などを含む多種多様な方法の使用によって、第1端部486に固定されてもよい。
図13では、第1補強パネル477、第2補強パネル478および第1端部486は、縫い目479の使用によって共に固定される。第1補強パネル477および第2補強パネル478は、第1端部486が周辺領域452の後方部分460を接合することによる、未切断部分476の引裂または伸張を回避するのに役立つ。
【0144】
エアバッグアセンブリ300およびエアバッグアセンブリ400は、本開示の材料節約の原理を様々な種類のテザーに適用することができる例を示している。本開示を、その他の種類のエアバッグの付属品を提供するために、追加的または代替的に使用してもよい。このような例の1つを、
図14に関連して図示および説明する。
【0145】
図14を参照して、側面図は、本開示の他の代替的実施例によるエアバッグアセンブリ500の膨張式カーテンエアバッグ510の後方部分を示している。先の実施例と同様に、1名以上の車両乗員が車両の側面に衝突することから保護するように、膨張式カーテンエアバッグ510は、車両のルーフレール(図示せず)に近接して固定されてもよい。
【0146】
膨張式カーテンエアバッグ510は、複数の取付けアセンブリ520を使用することで車両に固定されてもよい。取付けアセンブリ520の各々は、膨張式カーテンエアバッグ510の車両への取り付けを容易にするタブ524と、膨張式カーテンエアバッグ510に巻き付いて膨張式カーテンエアバッグ510を収容形態内に維持する包装体526とを有してもよい。取付けアセンブリ520は、布地および/またはポリマーシートなどの個別の可撓性材料から形成されてもよい。包装体526は、
図14に示すタブ状の要素であってもよく、または、膨張式カーテンエアバッグ510の長さの大部分を覆うように幅広くてもよい。代替的な実施例(図示せず)では、単一の取付けアセンブリが使用されてもよく、単一の取付けアセンブリは、車両取付け用の包装体に取り付けられた複数のタブを含む、膨張式カーテンエアバッグ510の全長またはほぼ全長に延びる単一の包装体を有してもよい。多くの代替的取付けアセンブリは、本発明の範囲内で使用されてもよい。
【0147】
膨張式カーテンエアバッグ510は、所望の衝突保護をもたらすように膨張する、少なくとも第1保護域530を有してもよい。膨張式カーテンエアバッグ510は、上方部分534と下方部分536とを有してもよい。膨張式カーテンエアバッグ510は、内側部538および外側部539である第1ファブリック層および第2ファブリック層から形成されてもよい。内側部538および外側部539は、第1保護域530内に第1チャンバ540を画定してもよい。
【0148】
第1チャンバ540は、内側部538を外側部539に固定する周辺接合部によって画定されてもよい。周辺接合部は、縫製、一体成形織り、RF溶接、超音波溶接、機械的固定、接着剤接合、化学結合などを含む多種多様な取付け方法および構成で形成されてもよい。
図14では、周辺接合部は、一般的に膨張式カーテンエアバッグ510の周辺を取り囲む周辺の縫い目544の形態を取ってもよい。
【0149】
膨張式カーテンエアバッグ510はまた、周辺の縫い目544によって画定された空間内に位置決めされた1つ以上の非膨張領域546を有してもよい。非膨張領域546は、内側の縫い目548によって、あるいは、内側部538および外側部539が周辺の縫い目544によって画定された空間内で共に固定される異なる形態の取付けによって画定されてもよい。
【0150】
周辺の縫い目544はまた、周辺の縫い目544の外側に位置決めされた周辺領域552を画定してもよい。周辺領域552内では、内側部538および外側部539が共に固定されるか、あるいは取り付けられずに留まってもよい。周辺領域552は、上部554と、下部556と、前方部分(図示せず)と、後方部分560とを有してもよい。同様に、周辺の縫い目544は、上部564と、下部566と、前方部分と、後方部分570とを有してもよい。上部554は、一般的に上部564の上に位置決めされてもよく、下部556は、一般的に下部566の下に位置決めされてもよく、後方部分560は、一般的に後方部分570の後方に位置決めされてもよい。
【0151】
周辺領域552の上部554は、
図1のインフレータ104などのインフレータから膨張式カーテンエアバッグ510へ膨張ガスを送る膨張導管を有してもよい。膨張導管は、
図1のエアバッグアセンブリ100のようなチューブ106の形状を取ってもよい。チューブ106は、周辺領域552の上部554を介して延びてもよく、上部554を、チューブ106の前の前方部572とチューブ106の後方の後方部574とに分離してもよい。
【0152】
多くのエアバッグ設計では、膨張導管の前方および後方に位置する周辺領域の部分は、廃棄材料の性質である。
図14のエアバッグアセンブリ500では、布地シールド580を画成するように後方部574を利用してもよい。布地シールド580は、収容形態内で膨張式カーテンエアバッグ510を覆って、車両内部のルーフレール付近の物体に対する引裂またはスナッギングなどの展開に関連する事象から、膨張式カーテンエアバッグ510を保護する。このような物体は、トリム、トリムファスナ、乗員の荷物などを含む。布地シールド580は、膨張式カーテンエアバッグ510が、展開中にそのような物体に対する衝突に関連して損傷することを防止するのに役立つ。
【0153】
代替的な実施例(図示せず)では、所望であれば、膨張式カーテンエアバッグは、いずれも布地シールドを形成するために使用される、周辺領域の上部の前方部および後方部、および、膨張導管の前方および後方を有してもよい。また、この部分のうち1つのみ(例えば前方部のみ)を、布地シールドを形成するために使用してもよい。本開示のさらにその他の代替的な実施例(図示せず)では、膨張中に膨張式カーテンエアバッグを保護するように布地シールドを形成するために、その他の非膨張のエアバッグ領域を使用してもよい。
【0154】
図14の実施例に戻って、布地シールド580は、第1ファブリック層582および第2ファブリック層584を含んでもよい。第1ファブリック層582は、内側部538と一体的に形成されてもよく、さらに、周辺の縫い目544の上部564の上に延びる内側部538の部分であってもよい。同様に、第2ファブリック層584は、外側部539と一体的に形成されてもよく、さらに、周辺の縫い目544の上部564の上に延びる外側部539の部分であってもよい。第1ファブリック層582および第2ファブリック層584は、以下の通り、
図15〜
図18に関連して図示および説明するように、包装体526の内部で膨張式カーテンエアバッグ510の周囲に巻き付けられてもよい。
【0155】
図15を参照して、前方図は、布地シールド580を形成する第1折り畳み工程が行われた後の、
図14のエアバッグアセンブリ500を示している。布地シールド580は、膨張式カーテンエアバッグ510が収容形態に圧縮される前に折り畳まれてもよい。
【0156】
図示の通り、第2ファブリック層584は、第1ファブリック層582と離間して、膨張式カーテンエアバッグ510の外側部539の残りの部分に対して下方へ折り曲げられてもよい。これは、取付けアセンブリ520を膨張式カーテンエアバッグ510に取り付ける前に行われてもよい。したがって、取付けアセンブリ520は、
図15に示されない。
【0157】
図16を参照して、前方図は、取付けアセンブリ520を膨張式カーテンエアバッグに取り付けた後の、
図14のエアバッグアセンブリ500を示している。取付けアセンブリ520は、一体成形織り、超音波溶接、RF溶接、縫合、接着剤接合、化学結合などを含む当技術分野で公知の任意の様々な方法によって、膨張式カーテンエアバッグ510に固定されてもよい。
【0158】
図16に示すように、取付けアセンブリ520は、縫い目590を介して周辺領域552の上部554の内部に、または周辺領域552の上部554に近接して、膨張式カーテンエアバッグ510に取り付けられてもよい。縫い目590は、図示の通り、必要に応じて内側部538、外側部539、タブ524、その後に包装体526を介して付されてもよい。タブ524は、最初に、先のステップで下方に折り畳まれた第2ファブリック層584に対して下方へ置くように配向されてもよい。包装体526は、最初に、第1ファブリック層582に対して平行に、上方へ延びるように位置決めされてもよい。
【0159】
図17を参照して、前方図は、膨張式カーテンエアバッグ510の圧縮の開始後の、
図14のエアバッグアセンブリ500を示している。膨張式カーテンエアバッグ510は、巻く、折り畳む、丸めるなどを含む任意の多種多様な方法で圧縮されてもよい。
図17に示すように、膨張式カーテンエアバッグ510は、内側に巻かれてもよい。したがって、下部556は、まず、図示の通り内側に巻かれ、その後間もなく第1チャンバ540の下方部分536が続く。膨張式カーテンエアバッグ510は、膨張式カーテンエアバッグ510の全体が、第1ファブリック層582、第2ファブリック層584および取付けアセンブリ520に近接して圧縮されるまで巻かれる。
【0160】
図18を参照して、後方図は、膨張式カーテンエアバッグ510の圧縮、および、車両のルーフレール112への膨張式カーテンエアバッグ510の取付けが完了した後の、
図14のエアバッグアセンブリ500を示している。エアバッグアセンブリ500を、
図17の構成から
図18の構成へ移動させるためにいくつかのステップが発生する可能性がある。
【0161】
より具体的には、膨張式カーテンエアバッグ510の全体は、一般的に第1ファブリック層582と第2ファブリック層584との間に近接して巻かれ、かつ位置決めされてもよい。第1ファブリック層582および第2ファブリック層584は、膨張式カーテンエアバッグ510に巻き付くように内側へ移動されてもよい。
図18に示すように、第1ファブリック層582が膨張式カーテンエアバッグ510をほとんどまたは完全に取り囲むように、第1ファブリック層582は、まず、膨張式カーテンエアバッグ510の周囲に移動される。その後、第2ファブリック層584は、第2ファブリック層584が、膨張式カーテンエアバッグ510および第1ファブリック層582をほとんどまたは完全に取り囲むように、膨張式カーテンエアバッグ510の周囲に移動されてもよい。代替的実施例では、第1ファブリック層582および第2ファブリック層584が膨張式カーテンエアバッグ510に巻き付けられる順序を変更してもよい。
【0162】
布地シールド580が所定の位置にあると、つまり、第1ファブリック層582および第2ファブリック層584が膨張式カーテンエアバッグ510に巻き付けられると、包装体526はその後、膨張式カーテンエアバッグ510および布地シールド580に巻き付けられてもよい。包装体526の自由端はその後、膨張式カーテンエアバッグ510および/またはタブ524に取り付けられてもよい。
図18に示すように、包装体526が膨張式カーテンエアバッグ510および布地シールド580を収容形態に保持するように、包装体526の自由端はタブ524に取り付けられてもよい。ここで、エアバッグアセンブリ500は収容形態にあり、車両内に設置される準備が整う。
【0163】
車両に設置される前に、エアバッグアセンブリ500は、タブ524が下方ではなく上方へ延びるように、180°回転しながら反転することができる。したがって、
図18は、エアバッグアセンブリ500の後方図を表す一方で、
図15、
図16および
図17は、エアバッグアセンブリの前方図を表している。適切に配向されると、タブ524をルーフレール112に固定することで、エアバッグアセンブリ500を車両に固定することができる。これは、ファスナまたは当技術分野で公知のその他の取付け方法の使用を含む、様々な方法で行うことができる。ここで、エアバッグアセンブリ500は、衝突保護をもたらすために展開する準備ができている。
【0164】
図19は、膨張式カーテンエアバッグ510の展開中の、
図14のエアバッグアセンブリ500の後方図である。衝突、転覆、切迫した衝突または切迫した転覆を検知すると、インフレータ104は、チューブ106を介して膨張式カーテンエアバッグ510へ送られる膨張ガスを生成することができる。膨張ガスは、膨張式カーテンエアバッグ510の上方部分534から始まる、膨張式カーテンエアバッグ510の膨張を引き起こすことができる。この膨張は、包装体526を破裂させる、および/または、包装体526を、膨張式カーテンエアバッグ510および/またはタブ524から取り外すことがある。包装体526は、明確にするために
図19に図示されない。
【0165】
膨張している膨張式カーテンエアバッグ510は、第1ファブリック層582および第2ファブリック層584の拡開を引き起こすことがある。より正確には、第2ファブリック層584は、上方へ延びて、タブ524をルーフレール112に取り付けるために使用されるファスナ部品、ヘッドライナトリムファスナなどの膨張式カーテンエアバッグ510上の物体から、膨張式カーテンエアバッグ510を保護することができる。第1ファブリック層582は、下方へ延びて、ルーフレールトリムおよびファスナ、衣類用フック、シートベルトアンカ、乗員の所持品、および/または車両のその他の内装特徴などの、膨張式カーテンエアバッグ510の背後および/または下の物体から、膨張式カーテンエアバッグ510を保護することができる。
【0166】
図19の構成から、膨張式カーテンエアバッグ510は、完全に膨張し、かつ、横方向の衝突、スモールオーバーラップおよび/または転覆衝突から車両乗員を保護するように適切に位置決めされるまで、下方へ膨張し続けることができる。布地シールド580は、展開中の膨張式カーテンエアバッグ510への損傷を回避するのに役立ち、この回避は、そうでなければ廃棄材料となる可能性があった膨張式カーテンエアバッグ510の周辺領域552の材料の使用によって、達成することができる。したがって、布地シールド580は、エアバッグシステムの経済性および有効性に寄与することができる。
【0167】
エアバッグアセンブリ500は、本開示の材料節約の原理を、保護するシールドおよび展開中の膨張式カーテンエアバッグに適用することができる例を示している。本開示は、エアバッグが最適に位置決めされることを確実にするように追加の膨張可能な体積を提供することで、エアバッグアセンブリの動作をその他の方法で向上させるように、追加的または代替的に使用されてもよい。このような一例を、膨張式カーテンエアバッグ用の前方チャンバのために所望の位置決めをもたらす状況において、
図20および
図21に関連して図示および説明する。
【0168】
図20を参照して、側面図は、本発明の他の代替的実施例によるエアバッグアセンブリ600の膨張式カーテンエアバッグ610を示している。先の実施例と同様に、1名以上の車両乗員が車両の側面に衝突することから保護するように、膨張式カーテンエアバッグ610は、車両のルーフレール(図示せず)に近接して固定されてもよい。
【0169】
膨張式カーテンエアバッグ610は、
図14〜
図19のエアバッグアセンブリ500の取付けアセンブリ520と同一または類似の、複数の取付けアセンブリ520を使用することで車両に固定されてもよい。膨張式カーテンエアバッグ610は、第1保護域630と、第1保護域630の前方に膨張する第2保護域632とを有してもよく、これにより、第1保護域630および第2保護域632は協働して所望の衝突保護をもたらす。第2保護域632は、車両の運転者または前席の乗員などの、車両乗員の外側に直接位置決めされてもよい。
【0170】
膨張式カーテンエアバッグ610は、上方部分634と下方部分636とを有してもよい。膨張式カーテンエアバッグ610は、内側部638および外側部639である第1ファブリック層および第2ファブリック層から形成されてもよい。内側部638および外側部639は、第1保護域630内に第1チャンバ640を、そして第2保護域632内に第2チャンバ642を画定してもよい。
【0171】
第1チャンバ640は、内側部638を外側部639に固定する周辺接合部によって画定されてもよい。周辺接合部は、縫製、一体成形織り、RF溶接、超音波溶接、機械的固定、接着剤接合、化学結合などを含む多種多様な取付け方法および構成で形成されてもよい。
図20では、周辺接合部は、一般的に膨張式カーテンエアバッグ610の周辺を取り囲む周辺の縫い目644の形態を取ってもよい。
【0172】
膨張式カーテンエアバッグ610はまた、周辺の縫い目644によって画定された空間内に位置決めされた1つ以上の非膨張領域646を有してもよい。非膨張領域646は、内側の縫い目648によって、あるいは、内側部638および外側部639が周辺の縫い目644によって画定された空間内で共に固定される異なる形態の取付けによって画定されてもよい。
【0173】
周辺の縫い目644はまた、周辺の縫い目644の外側に位置決めされた周辺領域652を画定してもよい。周辺領域652内では、内側部638および外側部639が共に固定されるか、あるいは取り付けられずに留まってもよい。周辺領域652は、上部654と、下部656と、前方部分658と、後方部分660とを有してもよい。同様に、周辺の縫い目644は、上部664と、下部666と、前方部分668と、後方部分670とを有してもよい。上部654は、一般的に上部664の上に位置決めされてもよく、下部656は、一般的に下部666の下に位置決めされてもよく、後方部分660は、一般的に後方部分670の後方に位置決めされてもよい。
【0174】
周辺領域652の上部654は、
図1のインフレータ104などのインフレータから膨張式カーテンエアバッグ610へ膨張ガスを送る膨張導管を有してもよい。膨張導管は、
図1のエアバッグアセンブリ100のようなチューブ106の形状を取ってもよい。チューブ106は、周辺領域652の上部654を介して延びてもよい。
【0175】
周辺の縫い目644の上部664は、第2チャンバ642の上部境界の上に存在して画定する前方部672を有してもよい。また、周辺の縫い目644の上部664は、第1チャンバ640の上部境界に存在して画定する後方部674を有してもよい。
【0176】
先に述べたように、周辺領域652の上部654の材料は、多くの場合、廃棄材料である。多くの公知の設計では、膨張式カーテンエアバッグの膨張可能部分の上部境界は、膨張式カーテンエアバッグの全ての膨張可能領域が同じ高さで終端または近接するように、直線形状によって画定される。いくつかの場合、膨張導管(例えばチューブ106)は、周辺領域652の上部654内で必要とされる材料の程度を定義することがある。このような膨張導管の前方および/または後方の材料は、廃棄材料であり得る。
【0177】
膨張式カーテンエアバッグ610では、膨張式カーテンエアバッグ610を形成するために必要な材料を大幅に追加することなく、膨張式カーテンエアバッグ610によってもたらされる保護を向上させるために、本発明の材料節約の原理を適用してもよい。より具体的には、膨張式カーテンエアバッグ610では、第2チャンバ642は、多くの公知の設計では無駄な空間に過ぎないチューブ106の前方の領域内へ上方に延びてもよい。したがって、周辺の縫い目644の前方部672は、カーテンが
図20に示すように垂直に設けられた場合、周辺の縫い目644の後方部674よりも著しく高くなる。
【0178】
したがって、第2保護域632は、第1保護域630の高さよりも高く延びてもよい。結果として、第2保護域632は、膨張中に、車両のルーフ、ルーフレールまたは第2保護域632の上のその他の構造に当接することがある。この当接は、第2保護域632の底部が、第2保護域632にさらなる高さがなければ到達できないであろう車両内の深さまで延びるように、第2保護域632を下方へ押し下げることができる。第2保護域632の底部は第1保護域630の底部より下に延びてもよい。
【0179】
これは、例えば、横方向の衝突または車両の転覆による車両窓からの飛び出しから車両の運転者および/または前席の乗員を保護するために望ましい。所望であれば、第2保護域632は、第2保護域632の底部が窓の下にあるドアの部分の内側に、窓の底部の下に位置決めされるような深さまで延びてもよい。したがって、第2保護域632は、第2保護域632を窓の外へ付勢する乗員またはその他の車両内容による圧力に耐えることができる。したがって、膨張した第2保護域632の増大した深さは、比較的激しい衝突または転覆が発生した場合であっても、第2保護域632が車両乗員と窓との間の所望の位置に留まることを可能にする。これは、そうでなければ廃棄されるであろうエアバッグ材料を使用して達成することができる。
図21は、展開形態における膨張式カーテンエアバッグ610をより詳細に示している。
【0180】
図21を参照して、側面図は、展開形態における
図20の膨張式カーテンエアバッグ610を示している。図示の通り、膨張式カーテンエアバッグ610は、第2保護域632の上部が(ルーフレール112の高さと比較して)第1保護域630の上部よりも高く延びるように展開してもよく、これによって、第2保護域632の延びた上部の、車両のルーフへの当接を引き起こす。したがって、前方部672は、前方部672に隣接する後方部674の一部分より高くてもよい。
【0181】
これは、第2保護域632が、一般的に第2保護域632によって覆われる窓680の底部を越えて延びる原因となり、これによって、第2保護域632の底部が、窓680の下のドア682の前に位置決めされる。その結果として、膨張式カーテンエアバッグ610は、第2保護域632を窓680の外へ移動するように付勢する傾向にある圧力に対する耐性を強化することができる。その結果は、特に、深刻な横方向の衝突または転覆の際の車両からの飛び出しに対する優れた保護となり得る。
【0182】
上述の説明は、例として、
図8の膨張式カーテンエアバッグ310の内側部338および外側部339などの2つのファブリック層が縫合などによって共に取り付けられる、カットソー技術で作られた膨張式カーテンエアバッグを説明している。このような実施例では、周辺の縫い目344は、非膨張の周辺領域352が依然として2つの異なる層、つまり、内側部338および外側部339を有するように、縫合によって形成されてもよい。
【0183】
しかし、上記で概説した原理は、一体成形織り(OPW)技術で作られたエアバッグにも等しく適用可能である。このような技術を用いて、2つのファブリック層は、
図8の周辺の縫い目344を形成するために使用される縫製作業の代わりに縁部で織り合わせられてもよい。このような実施例の非膨張の周辺領域は、その後、織り合わせられた内側部および外側部からなる1つの層のみを有することがある。非膨張の周辺領域の未使用部分は、周辺領域の上部、後部、前部および/または底部で、1つ以上のテザーを形成するようにさらに使用されてもよい。同様に、一体成形織りされたエアバッグでは、
図20の第2保護域632などの保護域は、そうでなければ非膨張の周辺領域の未使用部分内に存在するであろう材料を利用するように延びてもよい。一体成形織りされたエアバッグのために使用される方法は、カットソーエアバッグのために上記で提供された例と密接に類似している。したがって、本発明は、カットソーエアバッグに限定されないが、一体成形織りされたエアバッグまたは当技術分野で公知の任意のその他の製造方法で構成されたエアバッグと共に使用されてもよい。
【0184】
本明細書で開示された任意の方法は、上記の方法を行うための1つ異以上のステップまたは動作を含む。方法ステップおよび/または動作は、互いに入れ替わってもよい。換言すれば、ステップまたは動作の特定の順序が、本実施例の適切な動作を必要としない限り、特定のステップの順序および/または使用、および/または動作を変更してもよい。
【0185】
本明細書全体を通じた「一実施例」または「実施例」に対する言及は、その実施例に関連して記載された特定の特徴、構造または特性が、少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して記載された引用語句、またはその変形は、必ずしも全てが同一の実施例を指しているとは限らない。
【0186】
同様に、実施例についての上述の説明では、様々な特徴が、本開示の合理化を目的として単一の実施例、図面、または説明にまとめてグループ化されることが理解されるべきである。しかし、本開示の方法は、任意の請求項が、その請求項に明確に記載されるものより多くの特徴を必要とするという意図を反映するものであると、解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、本発明の態様は、任意で単一の上述の開示された実施例の全ての特徴よりも、より少ない組み合わせに存在する。したがって、この詳細な説明に続く請求項は、別個の実施例として独立している各請求項と共に、この詳細な説明に明示的に組み込まれます。本開示は、従属請求項を含む独立請求項の全ての置換を含む。
【0187】
特徴または要素に関する「最初の」という用語の特許請求の範囲における記載は、必ずしもこのような第2の、または追加の特徴または要素の存在を示唆するものではない。ミーンズプラスファンクション形式で列挙された要素は、米国特許法第112条第6段落に従って解釈されることを意図するものである。本発明の基本原理から逸脱することなく、上述の実施例の詳細に対して変更を行うことができることは、当技術分野の当業者にとって明らかであろう。独占的な所有権または特権が主張された本発明の実施例は、以下のように定義される。
【0188】
本開示の特定の実施例および用途を図示し、かつ説明してきたが、本発明は、本明細書に開示された的確な構成および構成要素に限定されないことが理解されるべきである。様々な修正、変更、および変形を、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の方法およびシステムの配置、動作、および詳細において行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。