(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【技術分野】
【0001】
本開示は、縦方向に膨張できるのに加えて停止点まで半径方向に膨張できるバルーンデバイスに広く関する。本開示は(1)セルペチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜材料及び(2)エラストマーを含むバルーンデバイスに広く関する。
【0002】
定義
本明細書中に使用されるとき、「セルペチンフィブリル」という用語は、交互に曲がった又はねじれた複数のフィブリルを意味する。
【0003】
本明細書中に使用されるとき、「制御された収縮」という用語は、熱を加えることによって、溶媒で濡らすことによって、又は他の任意の適切な手段若しくはそれらの組み合わせによって、肉眼で見てわかるその後の物品の折り重なり、プリーツ形成、又はしわ形成を抑制するように物品の少なくとも一方向の長さを短くすることを指す。
【0004】
「吸収される又は吸収する」という用語は、本明細書中で使用される場合、ePTFE又は同様のものなどの多孔性物質の細孔の少なくとも一部を少なくとも部分的に充填するための任意の手段を記載することを意味している。
【0005】
「弾性」という用語は、本明細書中で使用される場合、材料の収縮力による力の放出によりその大体の原寸に少なくとも部分的に戻る、力を加えることによって伸長される材料の特性を指す。
【0006】
「伸長」又は「伸長される」という用語、本明細書中で使用される場合、力を加えたこと対応して、特定の方向の長さの増大(例えば、軸長)又は特定の区域の外周又は円周の増大を規定することが意味される。「膨張」又は「膨張する」という用語は、本明細書中で使用される場合、「伸長」又は「伸長される」と互換性をもって使用される。
【0007】
「剛性」という用語は、本明細書中で使用される場合、更なる伸長又は膨張に対する抵抗性の変化を指す。
【0008】
「送達直径」という用語は、本明細書中で使用される場合、膨らむ前に、血管系を通した送達中の管状形態と実質的に等しいか又はその直径若しくは区域幅よりわずかに大きい管状形態の直径又は区域幅を指す。
【0009】
「公称直径」という用語は、本明細書中で使用される場合、それを超えると膨張に必要とされる力が著しく増大する停止点までバルーンを円周方向に膨張させたときの、バルーン又はバルーンカバーの直径又は区域幅を指す。一般的に、公称直径は、エンドユーザー、例えば臨床医向けの取扱説明書に示されている標示された直径である。
【背景技術】
【0010】
巻き付けられたフィルムバルーンは一般的に、大きい第二の直径(所望の公称直径に近い)にフィルムチューブを巻き付け、次いで、フィルムチューブをそれが第一の直径まで小さくなるように引張り、そして、膨らませばフィブリル再配向が可能になるような長さを保つように圧縮することにより作製される。このプロセスも深くかかわっているが、その後に続く全ての工程が、カテーテルに封入するのに好適となるポイントまで直径を小さくするためにある。
【0011】
バルーンを作る代替方法は、より小さい、第一の直径(提供された直径に近い直径)に積層した膜構築物をそのまま巻き付けることだろう。より小さい第一の直径で巻き付けられたフィルムバルーンを組み立てるために、フィルムを、少なくとも円周周囲に配向する方向に沿って300〜700%以上膨張する必要があるだろう。フィルムが300〜700%以上膨張可能だと、より小さい(第一の)直径でそのまま巻き付けられたバルーン又はバルーンカバーの構造が容易になる。すなわち、フィルムの膨張方向がバルーンの円周に沿って配向するように、小さい第一の直径のチューブの状態で円周方向に巻き付けられ得る。膨らむことによって、フィルムは第一の直径から第二の直径まで膨張して、円周が伸びる。
【0012】
第一の直径で組み立てられ、公称直径まで膨張することができる(300%〜700%以上)従来のフィルム巻き付けバルーン又はバルーンカバーは、膨張を許容するように円周方向に配向する方向付けが弱い高度異方性フィルムである。この構造のバルーンには、いくつかの制限があるため最適とはなっていない。
【0013】
例えば、異方性フィルムの方向が強いと縦方向のバルーン壁に強度を与えるので、バルーン壁は膨張に寄与する主に要因である縦方向に膨張する能力が制限される。バルーンを膨らませる場合、膨張した形状のため、シールからシールまでの縦の距離が延びる。内部のバルーンが膨張した形状になるとき、カバーは、この経路に変化を起こすように縦方向に伸びる必要がある。この経路の変化は、より大きい直径のバルーンほど、そしてより急な円錐角度を有するバルーンほどより大きい。
【0014】
この問題は、高度異方性フィルムが半径方向へ膨張するように縦方向に短くなりがちであることによると思われる。バルーン壁には経路長を変化させるように長くなりやすい一方で、バルーン壁は、異方性フィルムのため、半径方向へ膨張するように短くなりやすい。短くなる程度はバルーン直径が増すほど増す。この縦方向に膨張できないことと短くなりやすいことにより、完全に膨張する能力が影響されるので、材質に望ましくないストレスを与え、そのストレスがカテーテルに伝わると、バックリングが起こり、そして、カバーの場合、内部のバルーンが円錐形へ円形化してしまう。
【0015】
材質を縦方向に圧縮して手作業で長さを保つことによるなどのいくつかの修復方法が、これらの望ましくない効果を最小にする試みのもと行われることもある。しかしながら、これは、追加的な加工ステップであり、カバーにバルクを加えるものである。また、保たれ得るこの追加長は、比較的動きやすく、シース挿入などのプロセス中に望ましくない形で移動する/突き出ることがある。
【0016】
上記の構築物の別の制限は、円周方向に配向する方向づけが弱いことに関連する。このようなバルーン又はバルーンカバーは、非常に少ない力により材質が裂けるまで膨張し続けるので、バルーンの最終的な破裂特性への影響は非常に限定されている。
【0017】
従って、小さい(第一の)直径で円周方向に巻き付けられたバルーン又はバルーンカバーは、短くなる程度が少なくなり、(完全膨張を可能にするように)半径方向に大きく膨張する間、適切な程度で縦へ延びることが可能なので有益であり、そして破裂しがちな円周方向に沿った壁強度を増強し得る。
【発明を実施するための形態】
【0045】
開示の詳細な説明
別段の規定がない限り、本明細書中に使用されるすべての技術及び科学用語は本開示が属する技術分野における当業者に一般に理解されているのと同じ意味を有する。図面において、線、層、及び領域の厚さは、明確化のために誇張されていることがある。図面全体に見られる同様の数値は同様の要素を表す。
【0046】
本開示は、縦方向に膨張することに加えて、停止点まで半径方向に膨張するエラストマーのバルーン又はバルーンカバーを含むバルーンデバイスに関する。多量の半径方向への膨張性(約150%〜約1000%)は、停止点でのデバイスの直径より小さい送達直径(又は幅)のバルーン又はバルーンカバーの構造を容易にする。より小さい直径での構築は、より少ない材料しか必要とせず、その結果、体積を削減し、そして、デバイスの送達輪郭及び引き抜き輪郭を低減する。加えて、より小さい直径で構築することは、折り重ね、絞り、又は公称直径で構成要素を構築するその他の作用を通じて、輪郭を低減するのに必要なあらゆる製造ステップを削減できる。
【0047】
縦の膨張に関して、一般に管状形態は、その直径が増す場合に短縮する傾向があるので、ある程度は有益であり得る。加えて、バルーンが膨らむに従って、バルーンの表面に沿ったシールからシールまでの長さ(すなわち、輪郭の長さ)は伸びる。縦方向に膨張する場合、バルーンカバーは膨らむことによって起こるあらゆる張力に適応して伸長し得る。従って、記載したバルーンカバーは、縦方向で張力をかけられることなく、これによりバルーンデバイスの作用領域に沿ったより長く且つより円筒型の形状(例えば肩部のより少ない円形化)を提供するため、破裂又は裂けにくい。
【0048】
本開示は、(1)セルペチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料又はセルペチンフィブリルを含む他の延伸ポリマー、及び適宜(2)エラストマーを有する複合材料を含むバルーンデバイスに向けられる。前記エラストマーは、ePTFE膜上に配置されてもよく、同様に又はその代わりに、ePTFE膜の細孔の少なくとも一部に配置されてもよい。前記エラストマーは、ePTFE膜の細孔のすべて又は実質的にすべての中に存在し得る。「実質的にすべての細孔」という用語は、本明細書中で使用される場合、エラストマーがePTFE膜の細孔のすべて又はほとんどすべてのうちの少なくとも一部の中に存在することを規定すると意味される。1若しくは複数の代表的な実施形態において、バルーンはフッ素重合体膜を含む。
【0049】
本開示のバルーン又はバルーンカバーは、動脈や静脈を含めたあらゆる体内導管又は血管にも使用され得る。バルーンは、血管の肥大、周辺組織への治療薬の送達、又は医療デバイスの展開を可能にする。バルーンカバーは、例えば再圧縮を助けるために、バルーンの外側を覆うのに適宜使用される。
【0050】
図3A及び3Bに関して、バルーンデバイス100は、カテーテル140上に取り付けられたバルーン120を含み、そして、萎んだ構成と膨らんだ構成から成る。バルーン壁122は記載した複合材料を含み得る。バルーン壁122は、セルペチンフィブリルを含み得るが、ここで、前記フィブリルは、膨らむことによってバルーン壁の円周に沿って真っすぐになり、その結果、バルーン120の円周を大きくする。前記複合材料は、そのバルーン壁の全体の厚さ又はその一部だけを形成し得る。あるいは又はそれに加えて、前記複合材料はバルーン120の全体の長さ又はその一部だけを形成し得る。記載した複合材料で構築されるバルーン120は、まるで順応性バルーンのように機能する。しかしながら、順応性バルーンと異なって、バルーン120は、拡張上限又は停止点がある。これにより、バルーン120の内部圧力は、順応性タイプのバルーンに比べて高くなる可能性があり、及び材料体積は、非順応性タイプのバルーンに比べて低くなる可能性がある。
【0051】
図4A及び4Bに関して、バルーンデバイス100は、バルーン120及びバルーンカバー130を含んで、近位末端及び遠位末端若しくはその付近でカテーテル140に取り付けられ得る、そして、萎んだ構成と膨らんだ構成から成る。バルーンカバー130は記載した複合材料を含み得る。前記複合材料は、バルーンカバー130の全体の厚さ又はその一部を形成し得る。
【0052】
様々な実施形態において、前記複合材料は、
図4Cに区域101〜104で実際上は例示されているとおり、その長さに沿って厚さが変化し得る。例えば、バルーンデバイス100の全長の所定の区域における巻き付けられた層数が増えることによって、半径方向に膨張するのにより大きな力が必要になり、逆にバルーンデバイス100の全長の所定の区域における巻き付けられた層数が減ることによって、半径方向に膨張するのにより小さい力しか必要としない。そのような構造は、バルーン又はバルーンカバーの構造において、展開中にバルーンデバイス100に取り付けられた医療機器によって引き起こされる剛性の原因になることによって一定の又は同等の膨らみを達成するために有用であり得る。例えば、
図4Cに関して、バルーンデバイス100は、区域101に配置されたバルーン拡張型ステント160を含む。バルーンデバイス100の区域101に沿って、ステント160で覆われていない区域102に対して、その区域101を膨張するのにより大きな力が必要である。ステント160で覆われていない区域102の層数を増やすことによって、力が相殺されて、より一定の又は所望の様式で膨らむデバイスがもたらされる。同様に、
図4Dに関して、バルーンデバイス100に搭載されるステント160又は他のデバイス(例えば、人工弁)は、そのデバイスの全長に沿って剛性が変化する。例えば、区域101は区域102よりも大きな剛性を有し、バルーン100の該当箇所の層数は、剛性のそれらの相違を相殺するために、調整され得る。
【0053】
様々な実施形態において、下にあるバルーン20は、任意のタイプの医療用バルーンを含み得る。バルーン120は、非順応性材料に対応したもので構築され得る。バルーン120は、本開示に従って作られたバルーンであり得る。バルーンは、ポリメチルメタクリラート(PMMA又はアクリル)とポリスチレン(PS)とアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)とポリ塩化ビニル(PVC)と変性ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)とセルロースアセテートブチレート(CAB)とを含む非晶質の汎用熱可塑性樹脂と、ポリエチレン(PE)と高密度ポリエチレン(HDPE)と低密度ポリエチレン(LDPE又はLLDPE)とポリプロピレン(PP)とポリメチルペンテン(PMP)とを含む半晶質汎用プラスチックと、ポリカーボネート(PC)とポリフェニレンオキシド(PPO)と変性ポリフェニレンオキシド(Mod PPO)とポリフェニレンエーテル(PPE)と変性ポリフェニレンエーテル(Mod PPE)と熱可塑性ポリウレタン(TPU)とを含む非晶質エンジニアリング熱可塑性樹脂と、ポリアミド(PA又はナイロン)とポリオキシメチレン(POM又はアセタール)とポリエチレンテレフタレート(PET、熱可塑性ポリエステル)とポリブチレンテレフタレート(PBT、熱可塑性ポリエステル)と超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)とを含む半晶質エンジニアリング熱可塑性樹脂と、ポリイミド(PI、イミド化プラスチック)とポリアミドイミド(PAI、イミド化プラスチック)とポリベンゾイミダゾール(PBI、イミド化プラスチック)とを含む高性能熱可塑性樹脂と、ポリスルホン(PSU)とポリエーテルイミド(PEI)とポリエーテルスルホン(PES)とポリアリルスルホン(PAS)とを含む非晶質高性能熱可塑性樹脂と、ポリフェニレンスルフィド(PPS)とポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む半晶質高性能熱可塑性樹脂と、フッ化エチレンプロピレン(FEP)とエチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)とエチレン・エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)とポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とポリフッ化ビニリデン(PVDF)とペルフルオロアルコキシ(PFA)を含む半晶質高性能熱可塑性樹脂フルオロポリマーとのような様々な公知の材料、或いはその組み合わせ、共重合体、又は誘導体から製造されることが可能である。他の公知の医療グレードの材料としては、エラストマー性有機シリコンポリマー、ポリエーテルブロックアミド、又は熱可塑性コポリエーテル(例えば、PEBAX(登録商標))が挙げられる。
【0054】
先に記載したとおり、円周方向に配向するフィブリルの保たれる長さを含むバルーンカバーは、膨らんだバルーンの増大した寸法の結果としてもたらされた縦方向の張力に適合し得る。比較で、拡張による十分な伸長が不可能なバルーンカバー材料は、より目立って肩部を丸めるか及び/又は破裂をもたらす。例えば
図6Aに示されるように、円周方向に沿って配列した弱方向(全長に沿った配向した高強度)で構築されたバルーンカバー及び実施例3に規定したナイロンバルーンを覆うことは、肩部の丸まりと短縮された作用全長を呈する一方で、
図6Bに示されているように、実施例2に規定した本開示に従って作製されたバルーンカバー及び同じタイプのナイロンバルーンの積み重ねは、より明確な肩部とそれによるより長い作用全長をもたらした。
【0055】
本開示のバルーンデバイスは、バルーンの全長に沿って複合材料の停止点を変えることによって所望の形状に連続的に巻き付けることができる。様々な実施形態において、停止点を変えることは、複合材料がバルーン又はバルーンカバーを形成するために巻き付けられる際の張力の量を変えることによって達成できる。例えば、
図5A及び5Bに関して、バルーンデバイス100は、近位末端及び遠位末端若しくはその近辺でカテーテル140に取り付けられたバルーン120又はバルーンカバー130を含むことができ、そして、萎んだ構成及び膨らんだ構成を有する。萎んだ構成の形状は管状形態を含み得る。しかしながら、様々な実施形態において、膨らんだ構成の形状は、近位くびれ125及び近位テーパー領域126、遠位くびれ129及び遠位テーパー領域128、並びに2つのテーパー領域126、128の間の中間作用領域127を含み得る。バルーン120又はバルーンカバー130は記載した複合材料を含み得る。前記複合材料は、バルーン120又はバルーンカバー130の厚さ全体又はその一部のみを形成し得る。
【0056】
バルーンへの形状を提供するために、複合材料は、バルーンの全長に沿って停止点を変えるように異なった程度の張力で螺旋方向に巻き付けられることができ、これにより所望の膨らんだ形状をもたらす。加えて、前記複合材料は、公称直径より小さい直径、例えばほぼ送達直径又は最大で公称直径の任意の直径の管状形態に螺旋方向に巻き付けられ得る。複合材料の巻き角は、材料の半径方向の膨張量に応じた所望の角度のいずれかであり得る。種々の実施形態において、前記複合材料は、実質的に一定の、対向する角度で巻き付けられ得る。
【0057】
様々な実施形態において、前記複合材料は、円周方向で、螺旋方向に、又は軸方向で、バルーン、バルーンカバー、及びその組み合わせを構築するために使用され得る。本明細書中に使用される場合、「軸」という用語は、「縦」という用語と互換的に使用され得る。本明細書中に使用される場合、「円周方向」は、縦軸に対して実質的に垂直な角度を意味する。前記複合材料が円周方向又は軸方向に対して螺旋方向に適用される場合、所定の方向への弾性率が変化し得る。例えば、フィブリルの保たれる長さが適合し得るよりより多くの半径方向の膨張が必要である場合、螺旋方向の巻き付けを用いることができる。
【0058】
本開示の複合材料は、その材料が少なくとも約150%伸長された後、予定された直径での剛性の急上昇を呈するところが独特である。バルーンに形成されると、この特性が、
それを超える高いバルーン圧がバルーンデバイスの直径をさらに広げることがない「停止点」を作り出す。既知の停止点を有することは、バルーンが、例えば過度な膨張や血管損傷を引き起こし得る過剰拡張しないことを確実にする助けとなり得る。加えて、停止点は、バルーンのより高い作用圧を容易にできる。同様に、バルーン又はバルーンカバーは、予定された直径が達成されるまで比較的低い圧力で膨張するように設計され得る。その直径に達すると、バルーンデバイスをさらに拡張するのに、より高い圧力が必要である。言い換えれば、直径対圧力曲線の傾きは、予定された直径に達した時点で顕著に減少する。
【0059】
本開示のバルーンに関連する圧力−直径曲線は、本明細書中で停止点とも呼ばれる直径に達するときの(剛性に直接関連する)傾きの変化による変曲点を示す。
図7Aは、本開示による物品、この場合バルーンの圧力対直径曲線であり、そこでは、2本の接線の交点が物品の停止点を示す。停止点の推定は、以下の方法で決定されてもよい。停止点に達する前の圧力−直径曲線の傾きは、
図7Aに直線30として示されている、曲線に対する直線の接線を引くことによって近似される。停止点を超えた圧力−直径曲線の傾きは、
図7Aに直線40として示されている、曲線に対する直線の接線を引くことによって近似される。参照番号50で示された2本の接線の交点に相当する直径は、本物品の停止点の推定値である。
【0060】
もちろん、
図7Bで示されるように、停止点は絶対的な停止ではない。直線40の傾きは、縦方向に対して横方向のフッ素重合体膜の強度を変えることができるが、それぞれに比較的高い強度を維持することさえ、言い換えれば、均衡の度合いを維持することもできる。膜の強度が円周方向に配向する方向で増強された場合、直線40の傾きは減少し、例えば40aの傾きが40bより少なくなり、圧力単位あたりの半径方向の拡張の低下が可能になる。対照的に、膜の強度が円周方向で配向する方向で減少した場合、直線40の傾きは増大し、圧力単位あたりの半径方向の拡張の増大が可能になる。様々な実施形態において、(すなわち、低い傾きをもたらす)円周方向で強い膜は、縦方向に弱くなる可能性がある。そのような実施形態は、曲がった構成で膨らませたとき、なじれることなく湾曲可能な又は順応性できるバルーンを容易にし得る。
【0061】
本明細書中に記載したバルーンデバイスは、バルーンが閉塞された又は部分的に閉塞された血管を広げるために現場で拡張する能力、及びその後、前もって膨らませた構成と同じくらいまで縮小する能力を有する。
【0062】
本開示によると、バルーン又はバルーンカバーは、縦方向と横方向の両方にフッ素重合体膜の強度特性を実質的に保持しながら、高い伸長を呈するフッ素重合体膜を含み得る。
【0063】
本開示によると、バルーン又はバルーンカバーは、少なくとも一方向に高い伸長を呈しながら、縦方向と横方向に比較的平衡のとれた強度を有するフッ素重合体膜を含み得る。
【0064】
このような膜は
図1に例示される理想化されたセルペンチンフィブリルなどのセルペンチンフィブリルを特徴的に有する。
図1に概して示されるとおり、セルペンチンフィブリルは、一般に、矢印10の方向の1つの方向に、その後、一般に、矢印20の方向の別の方向に曲がり又はひねる。
図1に例示されるようなセルペンチン状フィブリルの大きさ、頻度又は周期性は様々であることができることが理解されるべきである。1つの実施形態において、フルオロポリマー膜は延伸フルオロポリマー膜である。延伸フルオロポリマーの非限定的な例としては、限定するわけではないが、延伸PTFE、延伸変性PTFE及び延伸PTFE共重合体が挙げられる。延伸PTFEブレンド、延伸変性PTFE及び延伸PTFE共重合体に関する特許は出願されており、例えば、Brancaの米国特許第5,708,044号、Baillieの米国特許第6,541,589号、Sabolらの米国特許第7,531,611号、Fordの米国特許出願第11/906,877号及びXuらの米国特許出願第12/410,050号である。
【0065】
高伸長性は比較的にまっすぐなフィブリルをセルペンチンフィブリルへと成形することにより可能となり、セルペンチンフィブリルは圧縮方向と反対方向に力を負荷したときに実質的にまっすぐになる。セルペンチンフィブリルの形成は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を熱誘発制御収縮させること、又は、物品を溶媒、限定するわけではないが、イソプロピルアルコール又はFluorinert(登録商標)(3M, Inc., St. Paul, MNから市販の過フッ素化溶媒)など、或いはこれらの2つの技術の組み合わせで湿潤させることであることができる。前記物品の収縮は機械圧縮の間に起こるものとは異なり、ePTFEの視認可能なプリーティング、折り曲げ又はリンクリングとはならない。既知の方法とは異なり、収縮は、また、非常に薄い膜に対しても課すことができる。収縮プロセスの間に、フィブリルは形状が蛇行状となるだけではなく、幅が増加することもある。
【0066】
前駆体材料は二軸延伸ePTFE膜であることができる。1つの実施形態において、Bacinoらの米国特許第7,306,729号明細書の一般的教示にしたがって製造されるような材料は、特に、小さい孔サイズの物品が所望される場合に、適切な前駆体膜である。これらの膜は実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有することができる。前駆体膜は非晶的にロックされていても、いなくてもよい。さらに、前駆体膜は少なくとも部分的に充填され、コーティングされるか、又は別の方法でさらなる材料と組み合わされていてよい。
【0067】
前駆体膜は最終物品の所望量の伸長性を規定するために、収縮プロセスの間に1つ以上の方向で拘束されうる。伸長性の量は収縮の量に直接的に関係し又はそれにより決定される。
【0068】
一実施形態において、収縮は、熱もしくは溶媒又はその両方を課す前に、前駆体膜の幅より小さい距離にレールを配置することにより、一軸テンターフレームにおいて収縮が達成されうる。二軸テンターフレームを使用するときには、一方又は両方のグリップ、ピン又は他の適切な取り付け手段のセットを前駆体膜の寸法よりも小さい距離で同様に配置することができる。これらの収縮手段は上記のHouse及びSowinski特許により教示されている機械的圧縮とは異なることが理解されるべきである。収縮時に、延伸フルオロポリマー膜はセルペンチンフィブリルを有する。これらの収縮された膜はセルペンチンフィブリルを特徴的に有しそして実質的に皺を有しない。いくつかの例示の実施形態において、収縮された膜は実質的にセルペンチンフィブリルのみのミクロ構造を有することができる。
少なくとも1つの実施形態において、フルオロポリマー膜は複数のセルペンチンフィブリルを含む。本明細書中に使用されるときに、用語「複数のセルペンチンフィブリル」は下記に教示する視界内のフルオロポリマー膜に2つ以上、5つ以上、10以上又は15以上のセルペンチンフィブリルが存在することを意味することが意図される。セルペンチンフィブリルは幅が約1.0ミクロン(μm)以下であり、いくつかの実施形態において、約0.5ミクロン(μm)以下である。1つの実施形態において、セルペンチンフィブリルは幅が約0.1〜約1.0ミクロン(μm)であり、又は、約0.1〜約0.5ミクロン(μm)である。
【0069】
前記前駆体膜は収縮の前、その間、その後にエラストマー材料を浸透させることができる。このようなエラストマー材料の非存在下に、セルペンチンフィブリルを有するフルオロポリマー物品は伸長後に評価可能な回復を示さない。適切なエラストマー材料としては、限定するわけではないが、PMVE−TFE(ペルフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン)共重合体、PAVE−TFE(ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)−テトラフルオロエチレン)共重合体、シリコーン、ポリウレタンなどが挙げられる。PMVE−TFE及びPAVE−TFEはフルオロエラストマーであることは注目されるべきである。他のフルオロエラストマーは適切なエラストマー材料である。得られた、収縮された物品は、フルオロポリマー膜の強度特性を実質的に保持しながら高い伸長性を示すだけでなく、低い%非回復性歪みエネルギー密度という追加の特性を有する。これらの物品は約85%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満及びそれ以下の%非回復性歪みエネルギー密度を示すことができ、その値は任意かつすべての百分率の間の数値を含む。
【0070】
様々な実施形態において、記載したバルーン又はバルーンカバーは薬物送達バルーンとして使用できる。一例として、本開示によるバルーンは治療薬によってコーティングされてもよい。更なる実施形態において、格納式のさや(未掲載)がバルーン又はバルーンカバーの上に配置されて、前記バルーン又はバルーンカバーが所望の処置部位に至るまで前記治療薬の放出を予防するか又は最小限にする。
【0071】
本明細書中に使用される場合、「治療薬」とは、生理活性応答が可能な又は分析デバイスによって検出できる作用物質であり得る。こうした作用物質としては、これだけに限定されるものではないが、X線不透過性化合物、シロスタゾール、エベロリムス、ジクマロール、ゾタロリムス、カルベジロール、ヘパリンやヘパリン誘導体やウロキナーゼやデキストロフェニルアラニン・プロリン・アルギニン・クロロメチルケトンなどの抗血栓薬;デキサメサゾンやプレドニソロンやコルチコステロンやブデソニドやエストロゲンやスルファサラジン及びメサラミンやシロリムス及びエベロリムス(そして関連類似体)などの抗炎症薬;パクリタキセルやその類似体、エポチロン、ジスコデルモリド、ドセタキセルなどの主なタキサンドメイン結合薬物など、ABRAXANE(登録商標)(ABRAXANEはABRAXIS BIOSCIENCE、LLCの登録商標である)、適当なシクロデキストリン(又はシクロデキストリン様分子)複合型パクリタキセル、ラパマイシン(又はラパマイシン類似体)、適当なシクロデキストリン(又はシクロデキストリン様分子)複合型ラパマイシン(又はラパマイシン類似体)、17β−エストラジオール、適当なシクロデキストリン複合型17β−エストラジオール、ジクマロール、適当なシクロデキストリン複合型ジクマロール、β−ラパコン及びその類似体などのパクリタキセルタンパク質結合粒子など;5−フルオロウラシル、シスプラチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エポチロン、エンドスタチン、アンギオスタチン、アンギオペプチン、平滑筋細胞増殖を妨げることができるモノクローナル抗体、並びにチミジンキナーゼ阻害剤などの抗新生物薬/抗増殖薬/抗有糸分裂薬;リドカインやブピバカインやロピバカインなどの麻酔薬;D−Phe−Pro−Argクロロメチルケトン、RGDペプチド含有化合物、HSP20(Capstone Therapeutics Corp.、USA)を真似たAZX100細胞ペプチド、ヘパリン、ヒルジン、抗トロンビン化合物、血小板受容体拮抗物質、アンチトロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、プロスタグランジン阻害剤、血小板阻害剤、及びチック抗血小板ペプチドなどの抗凝固薬;増殖因子や転写活性化因子や翻訳プロモーターなどの血管細胞増殖プロモーター;増殖因子阻害剤、増殖因子受容体拮抗物質、転写リプレッサー、翻訳リプレッサー、複製阻害剤、阻害抗体、増殖因子に対する抗体、増殖因子と細胞毒から成る二官能性分子、抗体と細胞毒から成る二官能性分子などの血管細胞増殖阻害剤;プロテインキナーゼ及びチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、チルホスチン、ゲニスタイン、キノキサリン);プロスタサイクリン類似体;高脂血治療薬;アンジオポイエチン;トリクロサンやセファロスポリンやアミノグルコシドやニトロフラントインなどの抗微生物剤;細胞毒性薬、細胞増殖抑制剤、及び細胞増殖作用因子;血管拡張剤;内因性血管作動性機構を妨げる作用物質;モノクローン抗体などの白血球動員の阻害剤;サイトカイン;ホルモン又はそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態において、前記治療薬は親水性薬剤である。別の実施形態において、前記治療薬は疎水性薬剤である。別の実施形態において、前記治療薬はパクリタキセルである。
【0072】
本開示によると、先に記載したとおり、記載したバルーンカバー又はバルーンは、その弾性特性のため、送達直径又は公称直径より小さいその他の直径で構築され得る。バルーン又はバルーンカバーのカバーのより小さい直径で構築される能力は、製造の容易さ、並びにバルーン又はバルーンカバーを構築するのにより少ない材料しか使用しないことを意味し、そして、体積の減少又は送達輪郭及び/又は収縮輪郭の縮小につながる。
【0073】
ほとんどのバルーンが、より大きい第二の直径又は公称直径で形成され、そして、送達輪郭までプリーツを付されるか/折り畳まれる。薬物コートバルーンにプリーツを付けること、及び折り重ねることは、コーティングの剥がれ又は粒状化を引き起こし得るか、及び/又は粒状化を緩和するようなバルーンへのコーティングの高レベルの接着を必要とする可能性がある。記載したバルーンデバイスは、より小さい直径で作製され、そして、送達構成においてプリーツをわずかしか必要としないか又はまったく必要としない。折り畳みのないこと又は折り畳みが少ないことは、同等以上のコーティングが適用されることを可能にするか、及び/又は膨らんだ時のコーティングの破損をより少なくできる。さらに、複合材料は、血管への薬物転送を助けることができる拡張の間、200〜500%引っ張られる。
【0074】
本開示を総体的に記載してきたが、さらなる理解は下記に示される特定の具体的な実施例を参照することにより得ることができ、これらの実施例は例示の目的のみで提供され、そして別段の指示がないかぎり、包括的又は限定的であることが意図されない。
【0075】
試験方法
特定の方法及び装置を下記に記載しているが、当業者により適切であると決定される、あらゆる方法又は装置を代わりに用いてよいことが理解されるべきである。
質量、厚さ及び密度
【0076】
膜サンプルをダイカットし、約2.54cm×約15.24cmの長方形セクションを形成し、質量を(Mettler-Toledo分析用秤モデルAG204を用いて)測定し、厚さを(Kafer Fz1000/30スナップゲージを用いて)測定し得る。これらのデータを用いて、密度を以下の式:ρ=m(w*l*t)(式中、ρは密度(g/cm3)であり、m=質量(g)であり、w=幅(cm)であり、l=長さ(cm)であり、t=厚さ(cm)である)で計算し得る。3つの測定値の平均を報告する。
膜のマトリックス引張り強度(MTS)
【0077】
平面グリップ及び0.445kN荷重セルを備えたINSTRON 122引張り試験機を用いて引張り破断荷重を測定した。ゲージ長さは約5.08cmであり、クロスヘッド速度は約50.8cm/分であった。サンプル寸法は約2.54cm×約15.24cmであった。最も高い強度の測定では、サンプルのより長い寸法は最も高い強度の方向に配向されていた。直交MTS測定では、サンプルのより大きな寸法は最も高い強度の方向に対して垂直に配向されていた。各サンプルをMettler Toledo秤モデルAG204を用いて計量し、その後、厚さをKafer FZ1000/30スナップゲージを用いて測定したが、代わりに、厚さを測定するためのあらゆる適切な手段を用いることができる。その後、サンプルを引張り試験機で個々に試験した。各サンプルの3つの異なるセクションを測定した。3つの最大荷重(すなわち、ピークでの力)の平均を報告した。縦方向及び横断方向マトリックス引張り強さ(MTS)を下記式を用いて計算した:MTS=(最大荷重/断面積)*(PTFEのバルク密度)/(多孔性膜の密度)、式中、PTFEのバルク密度の例は約2.2g/cm
3であるものとした。
【0078】
圧力対直径試験
圧力対直径曲線は、バルーンカテーテルを加圧するのに拡張シリンジを使用して、バルーンと記載したバルーンカバーを半径方向に拡張することによって作成できる。構築物の直径は、レーザーマイクロメーターを使用して、所望の間隔、例えば0.1ATM〜1ATMの間隔で計測することができる。
【実施例】
【0079】
実施例1
エラストマー複合材料を、以下の方法で作製した。
【0080】
前駆体膜
下記の特性を有する非晶的にロックされていない二軸延伸ePTFE膜を得た:厚さ約0.001mm、密度約0.964g/cc、最も強い方向でのマトリックス引張り強さは約451MPaであり、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ約320MPaであり、最も強い方向での最大荷重での伸び率約92%であり、及び最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率約142%であった。手で張力をかけることで、膜は張力の放出によって顕著に収縮しなかった。
収縮された膜
【0081】
長さ方向が膜の最も弱い方向に対応する前駆体膜のロールを、加熱された一軸テンターフレームのクランプで拘束し、テンターフレームの加熱チャンバーにフィードした。炉温度を約300℃に設定した。加熱チャンバー内のテンターフレームのレールは内側に傾斜しており、熱に応答して、その初期幅の約20%まで膜を収縮させた。加熱チャンバー内で約2分間の滞留時間を提供するようにライン速度を設定した。
【0082】
膜の初期幅及び最終幅はそれぞれ1537mm及び305mmであった。収縮された膜は下記の特性を有した:厚さが約0.0018mmであり、密度が約2.3g/ccであり、前駆体膜の最も強い方向へのマトリックス引張り強度が約454MPaであり、前駆体膜の最も強い方向に直交した方向へのマトリックス引張り強度が約61MPaであり、前駆体膜の最も強い方向への最大負荷での伸び率が約142%であり、そして前駆体膜の最も強い方向に直交した方向への最大負荷での伸び率が約993%であった。
【0083】
エラストマー複合材料
ポリウレタンエラストマー(Tecothane(登録商標)TT-1074A)をテトラヒドロフラン中に、約6.5%wtの濃度で溶解した。その溶液を、約1.8m/分のラインスピードで作動するスロットダイコーティング工程を使用してコートし、そして約96g/分の溶液コーティング速度でロールから送り出されるePTFE膜にこの溶液を吸収させるのに利用した。複合材料内のエラストマーの重量パーセントは約75%であった。
【0084】
エラストマー複合材料には、以下の特性があった:厚さは約0.014mm(計算)であり、そして、幅は約229mmであった。セルペチンフィブリルをよく見えるようにするため、同じエラストマー複合材料の全長を手で元の長さの約78%まで伸ばした。伸ばしたとき、5,000×の倍率で撮影した、
図2、吸収したエラストマーの反対側の(すなわち、ePTFEが多い側)膜の表面のSEM画像に示されているように、フィブリルがセルペチン形状を有することがわかった。
【0085】
このエラストマー複合材の引張り強度は約104MPaであった。
【0086】
実施例2
バルーンカバーを以下の方法で構築した。先に詳細に記載したePTFEフッ素重合体エラストマー複合材料を得た。送達直径の大きさ、約4.3mmの大きさに合わせたマンドレルを得る。複合材料の全長の方向がエラストマー特性を有する方向であることに注意した。
【0087】
複合材料を、縦方向で計測して100mmの幅に切った。複合材料を、横方向で計測して250mmの長さに切った。そして、250mmの全長を2つに、横方向で計測して125mmの長さに切った。
【0088】
前記複合材料を、4.3mmのマンドレルが材料の縦方向と平行になるように整列させた。そして、マンドレルに向かって配向する吸収したエラストマーをマンドレルの側と反対にして、その膜をマンドレル上に円周方向で巻き付けた。そして、マンドレルから離れて配向する吸収したエラストマーをマンドレルの側と反対にして、第二の125mmの全長を、マンドレル上に円周方向で巻き付けた。巻き付け中、複合材料には最小限の張力しかかけないか、又はまったく張力をかけなかった。
【0089】
犠牲的な三層のePTFEフィルムを複合材料に巻きつけ、そしてマンドレルを3分間235℃のオーブン内に置いた。いったんオーブンから取り出すと、犠牲的なラップを取り除いて、捨てた。そして、管状形態の複合材料を、85mmの管長に整える。
【0090】
バルーンカバーを、Vention Medicalによって供給されたプリーツを付し、折り畳んだ23mmの直径のナイロンバルーンの周りにスライドし、そして、そのバルーンの近位末端と遠位末端でカテーテルに固定した。
【0091】
実施例3
バルーンカバーを、以下の方法で構築した。ePTFEフッ素重合体エラストマー複合材料を得た。利用したこの複合剤、−Bacinoに対する米国特許番号第5,476,589号に従って一般的に製造される(前記文献の全体を参照により本明細書中に援用する)−延伸ePTFE膜は、次の特性を有する:厚さは約6.3ミクロン(μm)であり、面積あたりの質量が約3g/m
2であり、最も強い方向へのマトリックス引張り強度が約917mPaであり、最も強い方向と直交した方向へのマトリックス引張り強度が約17.2mPaであった。前記膜を実施例1の複合材に同じようにコーティングした。送達直径、約4.3mmの大きさに合わせたマンドレルを得る。
【0092】
複合材料を、縦方向で計測して100mmの幅に切った。この幅の方向が最も強い方向であることに注意する。複合材料を、横方向で計測して250mmの長さに切った。そして、250mmの全長を2つに、横方向で計測して125mmの長さに切った。
【0093】
前記複合材料を、4.3mmのマンドレルが材料の縦方向と平行になるように整列させた。そして、マンドレルに向かって配向する吸収したエラストマーをマンドレルの側と反対にして、その膜をマンドレル上に円周方向で巻き付けた。そして、マンドレルから離れて配向する吸収したエラストマーをマンドレルの側と反対にして、第二の125mmの全長を、マンドレル上に円周方向で巻き付けた。巻き付け中、複合材料には最小限の張力しかかけないか、又はまったく張力をかけなかった。
【0094】
犠牲的な三層のePTFEフィルムを複合材料に巻きつけ、そしてマンドレルを3分間235℃のオーブン内に置いた。いったんオーブンから取り出すと、犠牲的なラップを取り除いて、捨てた。そして、管状形態の複合材料を、85mmの管長に整える。
【0095】
バルーンカバーを、Vention Medicalによって供給されたプリーツを付し、折り畳んだ23mmの直径のナイロンバルーンの周りにスライドし、そして、そのバルーンの近位末端と遠位末端でカテーテルに固定した。
実施例4
【0096】
バルーンカバーを以下の方法で構築した。先に詳細に記載したePTFEフッ素重合体エラストマー複合材料を得た。送達直径の大きさ、約4.3mmの大きさに合わせたマンドレルを得た。複合材料の全長の方向がエラストマー特性を有する方向であることに注意した。
【0097】
複合材料を、縦方向で計測して150mmの幅に切った。
図8Aに示した鋳型を使用して、鋳型のベースを縦方向で整列させ、そして、指定した形状にフィルムを切った。(他の鋳型形状は、管状形態の全長に沿って層数を変えるのに使用できる。鋳型形状は、少なくとも第一の全長を有する第一の区域と第二の全長を有する第二の区域を含み得る。前記鋳型は、(単数若しくは複数の)ジグザグの縁を有しても、又は(単数若しくは複数の)曲線の縁を有しもよく、管状形態の全長に沿って層数のはっきりとしたより段階的なバリエーションをもたらした。)
【0098】
前記複合材料を、4.3mmのマンドレルが材料の縦方向と平行になるように整列させた。そして、ePTFEが多い側をマンドレルに向けて、その膜をマンドレル上に円周方向で巻き付けた。巻き付け中、複合材料には最小限の張力しかかけないか、又はまったく張力をかけなかった。
【0099】
犠牲的な三層のePTFEフィルムを複合材料に巻きつけ、そしてマンドレルを3分間235℃のオーブン内に置いた。いったんオーブンから取り出すと、犠牲的なラップを取り除いて、捨てた。そして、管状形態の複合材料を、
図8Bに示したように85mmの管長に整えた。
【0100】
バルーンカバーを、Vention Medicalによって供給されたプリーツを付し、折り畳んだ23mmの直径のナイロンバルーンの周りにスライドし、そして、そのバルーンの近位末端と遠位末端でカテーテルに固定した。