(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
工場において階層関係を有する部門における異常に関する情報を収集し、収集した前記異常に関する情報を、前記異常の状態に関する情報を含む異常情報が格納される異常情報記憶部、及び、前記異常に対する対策の状態に関する情報を含む対策情報が格納される対策進捗情報記憶部に格納する格納処理部と、
前記異常が継続している時間の長さを監視し、前記時間の長さが所定の時間を超えると、前記異常情報記憶部における前記異常情報において、前記異常の状態を更新する異常監視部と、
前記対策の状況を監視し、前記対策の状況が変化すると、前記対策進捗情報記憶部における前記対策情報において、前記対策の状態を更新する対策監視部と、
前記異常情報における前記異常の状態、及び、前記対策情報における前記対策の状態に応じて、前記異常の状態、及び、前記対策の状態を示すアラーム情報の出力方法を変化させる出力処理部と、
前記アラーム情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする業務管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
<概要>
まず、本実施形態におけるPDCA管理システム1の概要を説明する。
本実施形態におけるPDCA管理システム1は、以下の処理を行う。
(B1)工場の様々な業務の「計画情報」および「実績情報」を、他システムからも含め、リアルタイムに収集する(Plan Do)。
【0013】
そして、本実施形態におけるPDCA管理システム1は、(B1)の処理を行った上で以下の処理を行う。それぞれの処理の詳細は後記する。
(B2)収集した情報を元に、異常判定し、大型ボードに表示し、異常に気付かせる。
それとともに、複合的に情報を表示・分析し、異常の要因と影響を見定める(Check)。
(B3)対策の状況を表示して注意喚起し、対策を促す(Action)。
【0014】
<システム構成>
図1は、本実施形態に係るPDCA管理システム1の構成例を示す図である。
PDCA管理システム1は、部門2におけるPDCAを管理するための業務管理装置100を有している。
業務管理装置100は、メモリ110、CPU(Central Processing Unit)101、通信装置102を有している。メモリ110には、図示しない記憶装置からプログラムがロードされ、ロードされたプログラムがCPU101によって実行されることにより、登録処理部111、設備異常監視部112及び対策監視部113が具現化する。
登録処理部11は、端末装置200から送信された情報を、それぞれのDB121〜126に格納する。設備異常監視部112は、設備異常や、品質異常や、安全異常等の異常が解消されたか否かを監視している。対策監視部113は、設備異常等の異常に対する対策が行われたか否かを監視している。
【0015】
また、業務管理装置100は、進捗異常アラームDB121、進捗異常対策依頼DB122、品質異常アラームDB123、安全異常アラームDB124、設備異常アラームDB125、設備異常対策依頼DB126を有している。
進捗異常アラームDB121は、工程の進捗の異常に関する情報が格納される。品質異常アラームDB123は、品質異常に関する情報が格納される。安全異常アラームDB124は、安全異常に関する情報が格納される。設備異常アラームDB125は、設備の異常に関する情報が格納される。
また、進捗異常対策依頼DB122は、進捗異常に対する対策に関する情報が格納される。そして、設備異常対策依頼DB126は、設備異常に対する対策に関する情報が格納される。
【0016】
そして、業務管理装置100は、アラーム情報選択DB127、優先順位定義マスタDB128、対策マスタDB129、及び、管理者呼出依頼DB130を有している。
アラーム情報選択DB127は、後記するアラーム情報M(
図33等参照)を出力装置220から出力する際、DB121〜126のうち、どのDB121〜126を参照するかに関する情報が格納されている。優先順位定義マスタDB128には、後記するアラーム情報Mに対して優先順位を表示する際に出力処理部211が参照するための情報が格納されている。対策マスタDB129は、異常に対する対策を進捗異常対策依頼DB122や、設備異常対策依頼DB126に格納する際に、どのような対策を格納するかを登録処理部111が参照するための情報が格納されている。管理者呼出依頼DB130には、対策内容が管理者呼出である場合における情報が格納されている。
【0017】
それぞれの部門2には、端末装置200が設置されている。端末装置200は、メモリ210、CPU201、通信装置202、入力装置203を有している。メモリ210には、図示しない記憶装置からプログラムがロードされ、ロードされたプログラムがCPU201によって実行されることにより、業務管理装置100から送信される表示情報に基づく情報を出力装置220から出力させる出力処理部211が具現化している。
【0018】
出力装置220は、部門2それぞれに応じた装置が設置される。例えば、A部門2A及びC部門2Cには、出力装置220として表示ボード221が設置されている。これに対して、B部門2Bには、表示ボード221と、スピーカ222が設置されている。また、端末装置200及び出力装置220として、タブレット端末が設置されてもよい。この場合、タブレット端末には、端末装置200及び出力装置220の機能が搭載される。また、表示ボード221がタッチパネルの機能を有することで、表示ボード221が入力装置203の機能を有してもよい。
【0019】
また、A部門2Aが、進捗に関する部門2である場合、進捗状態を監視する進捗監視装置230がA部門2Aに設置される。
【0020】
業務管理装置100、及び、それぞれの端末装置200は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNで接続され、情報のやりとりを行っている。
【0021】
<異常発生状況の可視化>
(異常発生・解消の登録:ユーザが登録する場合)
図2は、異常発生を設備異常アラームDB125に登録する手順を示す図である。
図2では、設備異常をユーザが認識した際に行う処理を説明する。
設備異常の発生を認識すると、ユーザは、端末装置200の入力装置203を介して、設備異常登録情報401を入力する。
図2に示すように、設備異常登録情報401は、工程に対して一意に割り振られる「工程No.」、現象である「異常内容」、異常における現在の状態を示す「ステータス」、「発生日時」、異常が発生している設備が設置されている部門を示す「部門」、異常が発生している設備を示す「設備」が含まれる。
【0022】
設備異常登録情報401は、業務管理装置100へ送信され、設備異常アラームDB125に保持されている設備異常アラーム情報125Aに格納される。
図2の例に示すように、設備異常アラーム情報125Aは、「異常No.」、「工程No.」、「異常内容」、「異常ステータス」、「発生日時」、「設備」の各項目を有している。また、図示していないが、設備異常アラーム情報125Aは、設備異常が解消した日時が格納される「解消日時」の項目も有している。設備異常登録情報401を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、まず、「異常No.」を生成する。その後、生成した「異常No.」を設備異常アラーム情報125Aの「異常No.」の欄に格納すると、設備異常登録情報401の各情報を設備異常アラーム情報125Aに格納する。すなわち、登録処理部111は、設備異常登録情報401の「工程No.」を設備異常アラーム情報125Aの「工程No.」の欄に格納する。同様に、登録処理部111は、設備異常登録情報401の「異常内容」を設備異常アラーム情報125Aの「異常内容」の欄に格納し、設備異常登録情報401の「ステータス」を設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄に格納する。そして、登録処理部111は、設備異常登録情報401の「発生日時」を設備異常アラーム情報125Aの「発生日時」の欄に格納する。また、登録処理部111は、設備異常登録情報401の「設備」を、設備異常アラーム情報125Aの「設備」の欄に格納する。
なお、
図2に示す例では、設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄に「異常発生中」の情報が格納されている(太枠)。
【0023】
なお、後記するが、登録処理部111は、設備異常対策依頼DB126に格納されている設備異常対策依頼情報126Aにも同様の情報を格納する(
図17で後記)。
【0024】
図3は、異常の解消を設備異常アラームDB125に登録する手順を示す図である。
図3では、設備異常の解消をユーザが認識した際に行う処理を説明する。
設備異常の解消を認識すると、ユーザは、端末装置200の入力装置203を介して、設備回復登録情報402を入力する。
図2に示すように、設備異常登録情報401は、「異常No.」、現在の状態を示す「ステータス」、「解消日時」が含まれる。「解消日時」は、設備異常が解消した日時である。
【0025】
図3に示すように、設備回復登録情報402は、業務管理装置100へ送信され、設備異常アラームDB125に保持されている設備異常アラーム情報125Aに格納される。設備回復登録情報402を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、設備回復登録情報402の「異常No.」をキーとして、設備回復登録情報402の各情報を設備異常アラーム情報125Aに格納する。すなわち、登録処理部111は、設備回復登録情報402の「ステータス」を設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄に格納する。そして、登録処理部111は、設備回復登録情報402の「解消日時」を設備異常アラーム情報125Aの「解消日時」の欄(不図示)に格納する。なお、
図3に示す例では、設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄に「異常解消」の情報が格納される(太枠参照)。
【0026】
(異常発生・解消の登録:自動登録の場合)
図4は、異常発生を進捗異常アラームDB121に登録する手順を示す図である。
図4では、管理システムによる進捗異常の自動登録処理を説明する。なお、
図4及び
図5では、進捗に異常が発生した場合について説明する。
【0027】
まず、進捗監視装置230が進捗の遅れを検知する。進捗の遅れは、例えば、製品が、ある時刻までにN個生産されていなければならないところを、当該時刻になってもN個に到達していない等を、進捗監視装置230が定期的に監視することで検知される。進捗監視装置230は、基準(計画)と実績とを比較し、差異が閾値以上であった場合、進捗の遅れを検知する。
【0028】
進捗遅れの発生を認識すると、進捗監視装置230は、進捗監視バッチ情報411を入力する。
図4に示すように、進捗監視バッチ情報411には、「工程No.」、現象を示す「異常内容」、現在の状態を示す「ステータス」、「発生日時」、「設備」が含まれる。
【0029】
進捗監視バッチ情報411は、業務管理装置100へ送信され、進捗異常アラームDB121に保持されている進捗異常アラーム情報121Aに格納される。
図4の例に示すように、進捗異常アラーム情報121Aは、「異常No.」、「工程No.」、「異常内容」、「異常ステータス」、「発生日時」、「設備」の各項目を有している。また、図示していないが進捗異常アラーム情報121Aは、進捗遅れが解消した日時が格納される「解消日時」の項目も有している。進捗監視バッチ情報411を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、まず、「異常No.」を生成する。その後、生成した「異常No.」を進捗異常アラーム情報121Aの「異常No.」の欄に格納すると、進捗監視バッチ情報411の各情報を進捗異常アラーム情報121Aに格納する。すなわち、登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「工程No.」を進捗異常アラーム情報121Aの「工程No.」の欄に格納する。同様に、登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「異常内容」を進捗異常アラーム情報121Aの「異常内容」の欄に格納し、進捗監視バッチ情報411の「ステータス」を進捗異常アラーム情報121Aの「異常ステータス」の欄に格納する。そして、登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「発生日時」を進捗異常アラーム情報121Aの「発生日時」の欄に格納する。さらに、登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「設備」を進捗異常アラーム情報121Aの「設備」の欄に格納する。
なお、
図2に示す例では、進捗異常アラーム情報121Aの「異常ステータス」の欄に「異常発生中」の情報が格納されている(太枠参照)。
【0030】
なお、後記するが、登録処理部111は、進捗異常対策依頼DB122にも同様の情報を格納する。
【0031】
図5は、異常の解消を進捗異常アラームDB121に登録する手順を示す図である。
図5では、進捗遅れの解消を進捗監視装置230が認識した際に行う処理を説明する。
進捗遅れの解消を認識すると、進捗監視装置230は、進捗監視バッチ情報411を生成する。
図5に示すように、進捗監視バッチ情報411は、「異常No.」、「ステータス」、「解消日時」が含まれる。「解消日時」は、進捗遅れが解消した日時である。
【0032】
進捗監視バッチ情報411は、業務管理装置100へ送信され、進捗異常アラームDB121に保持されている進捗異常アラーム情報121Aに格納される。進捗監視バッチ情報411を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「異常No.」をキーとして、進捗監視バッチ情報411の各情報を進捗異常アラーム情報121Aに格納する。すなわち、登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「ステータス」を進捗異常アラーム情報121Aの「異常ステータス」の欄に格納する。そして、登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「解消日時」を進捗異常アラーム情報121Aの「解消日時」の欄(不図示)に格納する。なお、
図3に示す例では、進捗異常アラーム情報121Aの「異常ステータス」の欄に「異常解消」の情報が格納される(太枠参照)。
【0033】
(異常程度の更新:設備異常の場合)
次に、
図6〜
図8を参照して、設備異常の場合における異常程度の更新について説明する。
図6に示す設備異常アラームDB125の設備異常アラーム情報125Aは、
図3に示す設備異常アラーム情報125Aと同じである。
設備異常監視部112は、設備回復登録情報402(
図3)が送信されたか否かを判定する。発生日時から、予め設定されている第1時間が経過しても、設備回復登録情報402が送信されない場合、設備異常監視部112は、
図7に示すような、設備異常監視バッチ情報421を登録処理部111に送る。
図7に示すように、設備異常監視バッチ情報421は、「異常No.」、「ステータス」の各情報を有している。ここで、「ステータス」には、「異常発生中[大]」の情報が格納されている。
【0034】
登録処理部111は、設備異常監視バッチ情報421の「異常No.」をキーとして、設備異常アラーム情報125Aを検索し、該当するレコードの「異常ステータス」の欄を「異常発生中[大]」に更新する(太枠参照)。
【0035】
例えば、設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄が「異常発生中[大]」に更新された後、予め設定されている第2時間が経過しても、設備回復登録情報402が送信されない場合、設備異常監視部112は、
図8に示すような、設備異常監視バッチ情報421を登録処理部111に送る。
図8に示すように、設備異常監視バッチ情報421は、「異常No.」、「ステータス」の各情報を有している。ここで、「ステータス」には、「異常発生中[特大]」の情報が格納されている。
【0036】
登録処理部111は、設備異常監視バッチ情報421の「異常No.」をキーとして、設備異常アラーム情報125Aを検索し、該当するレコードの「異常ステータス」の欄を「異常発生中[特大]」に更新する。
【0037】
(異常程度の更新:進捗異常の場合)
次に、
図9〜
図11を参照して、進捗異常の場合における異常程度の更新について説明する。
図9に示す進捗異常アラームDB121の進捗異常アラーム情報121Aは、
図4に示す進捗異常アラーム情報121Aと同じである。
進捗差異が拡大した場合、設備異常監視部112は、
図10に示すような、進捗監視バッチ情報411を登録処理部111に送る。進捗遅れが拡大するとは、基準(計画)と、実績を比較し、その差が予め設定されている第1閾値以上となった場合である。
図10に示すように、進捗監視バッチ情報411は、「異常No.」、「ステータス」の各情報を有している。ここで、「ステータス」には、「異常発生中[大]」の情報が格納されている。
【0038】
登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「異常No.」をキーとして、進捗異常アラーム情報121Aを検索し、該当するレコードの「異常ステータス」の欄を「異常発生中[大]」に更新する(太枠参照)。
【0039】
進捗異常アラーム情報121Aの「異常ステータス」の欄が「異常発生中[大]」に更新された後、さらに進捗差異が拡大した場合、設備異常監視部112は、
図11に示すような、進捗監視バッチ情報411を登録処理部111に送る。進捗差異がさらに拡大するとは、基準(計画)と、実績を比較し、その差が予め設定されている第2閾値(>第1閾値)以上となった場合である。
図11に示すように、進捗監視バッチ情報411は、「異常No.」、「ステータス」の各情報を有している。ここで、「ステータス」には、「異常発生中[特大]」の情報が格納されている。
【0040】
登録処理部111は、進捗監視バッチ情報411の「異常No.」をキーとして、進捗異常アラーム情報121Aを検索し、該当するレコードの「異常ステータス」の欄を「異常発生中[特大]」に更新する(太枠参照)。
【0041】
ここで、
図2〜
図11における登録処理が、品質異常アラームDB123や、安全異常アラームDB124についても行われる。
【0042】
(異常発生警告表示)
次に、
図12〜
図16を参照して、異常発生警告表示の例を示す。なお、
図12〜
図16では、設備異常の場合を例として示しているが、進捗異常の場合も同様である。
まず、
図12は、設備異常アラームDB125に保持されている設備異常アラーム情報125Aに、何も情報が登録されていない状態を示す。つまり、
図12は、設備異常が発生していない状態を示している。このような場合、出力処理部211が、表示ボード221に異常が発生していないことを示す緑の丸(
図12では、細実線の丸で表現)でアラーム情報Mを表示する。このようなアラーム情報Mの表示を「正常表示」と称する。
【0043】
次に、
図13は、
図2に示すように設備異常が発生した際の設備異常アラーム情報125Aを示している。
図13における設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄には、
図2と同様に、「異常発生中」が登録されている。このような場合、
図13に示すように、出力処理部211は、異常が発生していることを示す赤の丸(
図13では、太実線の丸で表現)でアラーム情報Mを表示する。このようなアラーム情報Mの表示を「異常表示(小)」と称する。
【0044】
そして、
図14は、
図7に示すように、第1時間が過ぎても設備異常が解消していない場合の設備異常アラーム情報125Aを示している。
図14における設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄には、
図7と同様に、「異常発生中[大]」が登録されている。このような場合、
図14に示すように、出力処理部211は、表示ボード221に点滅する赤の丸(
図14では、太破線の丸の紙面左上に3本の線を配置することで表現)でアラーム情報Mを表示することで、異常が発生してから、第1時間が経過していることを示す。このようなアラーム情報Mの表示を「異常表示(大)」と称する。
【0045】
さらに、
図15は、
図8に示すように、設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄が「異常発生中[大]」に更新された後、第2時間が過ぎても設備異常が解消していない場合の設備異常アラーム情報125Aを示している。
図15における設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄には、
図8と同様に、「異常発生中[特大]」が登録されている。このような場合、
図15に示すように、出力処理部211は、表示ボード221に高速点滅する赤の丸(
図14では、太破線の丸の紙面左上及び右上に3本の線を配置することで表現)を表示することで、異常が発生してから、第2時間が経過していることを示す。このようなアラーム情報Mの表示を「異常表示(特大)」と称する。
【0046】
そして、
図16には、
図3と同様に、設備異常が解消した際における設備異常アラーム情報125Aが示されている。
図16に示す設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄には、
図3と同様、「異常解消」が登録されている。このような場合、
図16に示すように、出力処理部211は、表示ボード221に異常が発生していないことを示す緑の丸(
図16では、細実線の丸で表現)でアラーム情報Mを表示する。前記したように、このようなアラーム情報Mの表示を「正常表示」と称する。
【0047】
なお、「正常表示」、「異常表示(小)」、「異常表示(大)」、「異常表示(特大)」それぞれのアラーム情報Mを、どのように表示させるかはユーザによってカスタマイズ可能である。
このように、本実施形態では、設備異常等の異常の度合を、丸の色や、点滅等で強調表示する。このようにすることで、ユーザに異常の発生や、異常の度合といった異常発生状況を気付かせることができる。
【0048】
なお、ここでは、表示ボード221がアラーム情報Mを表示しているが、その他にもスピーカ222から出力される音でアラームが表されてもよい。この場合、設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄に格納されている情報に応じて音の種類や、長さが変化するようにするとよい。
【0050】
(対策依頼の登録)
図17〜
図20を参照して、発生した異常に対する対策依頼の登録について説明する。なお、
図17〜
図20では、設備異常に対する対策依頼の例を示すが、その他の異常(進捗異常等)についても、同様の処理が行われる。
図17において、設備異常を認識したユーザは、端末装置200の入力装置203を介して設備異常登録情報401を業務管理装置100へ送信する。このとき、送信される設備異常登録情報401は、
図2で送られたものと同じものである。ただし、「工程No.」のみが設備異常登録情報401に含まれていてもよい。
【0051】
設備異常登録情報401を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、受信した設備異常登録情報401と、対策マスタDB129に格納されている対策マスタ情報129A(
図18参照)を基に、設備異常対策依頼DB126の設備異常対策依頼情報126Aに対策に関する情報を格納する。つまり、過去における対策内容の実績を基に対策マスタ情報129Aが作成される。
【0052】
図17の例に示すように、設備異常対策依頼情報126Aは、「依頼No.」、「親No.」、「異常No.」、「工程No.」、「部門」、「依頼ステータス」、「依頼内容」、「対策案」、「対策内容」、「発生日時」、「対策予定」、「更新日時」、「完了日時」、「設備」の各項目を有する。なお、「発生日時」とは、設備異常の発生日時である。
【0053】
図18は、対策マスタDB129に格納されている対策マスタ情報129Aの例を示す図である。
対策マスタ情報129Aは、「工程No.」、「設備」、「異常内容」、「対策内容」、「回数」」の各項目を有している。対策マスタ情報129Aは、設備異常対策依頼情報126Aの「対策内容」の欄を基に作成される。
【0054】
「工程No.」は、設備異常アラーム情報125Aや、設備異常対策依頼情報126Aにおける「工程No.」と同様の情報である。「設備」は、異常が生じた設備の名称が格納される。「異常内容」には、生じた異常の内容が格納され、「対策内容」には、「異常内容」に対して行われた対策が格納される。「回数」には、「対策内容」に格納されている対策が行われた回数が格納される。
【0055】
図17に示す設備異常登録情報401を受信した登録処理部111は、設備異常登録情報401の「工程No.」や、「異常内容」、「設備」等をキーとして、
図18の対策マスタ情報129Aを検索し、該当する「対策内容」のうち、「回数」が最も大きい「対策内容」を抽出する。
図17及び
図18の例では、「Xx部品交換」が抽出される。登録処理部111は、抽出した「対策内容」を、設備異常対策依頼情報126Aの「対策案」の欄に格納する。また、登録処理部111は、設備異常対策依頼情報126Aのレコードを更新した日時を「更新日時」の欄に格納する。
【0056】
図19は、自部門では対策しきれない場合、他部門に依頼する場合における設備異常対策依頼情報126Aの登録例を示す図である。例えば、生産部門では、対策しきれない設備異常対策を保全管理部門に依頼する場合等である。
ユーザが、自部門では、設備異常に対する保全を対策しきれないと判断すると、端末装置200を介して、
図19に示すような、保全依頼情報431を業務管理装置100へ送信する。保全依頼情報431には、「依頼No.」、依頼先の「対象部門」、保全状態を示す「ステータス」、「依頼日時」の各情報を含む。依頼先の「対象部門」は、ユーザによって選択されるが、業務管理装置100が、空いている部門を選択してもよい。
【0057】
保全依頼情報431を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、設備異常対策依頼DB126に格納されている設備異常対策依頼情報126Aのレコードを生成する(レコードR1)。次に、登録処理部111は、生成したレコードR1の「依頼No.」の欄に、新たに生成した依頼No.の「4」を格納する。次に、登録処理部111は、レコードR1の親レコードとなるレコードR2の「異常No.」、「工程No.」、「部門」、「依頼ステータス」、「依頼内容」、「対策案」、「対策内容」、「発生日時」、「対策予定」、「更新日時」、「完了日時」、「設備」の各欄の情報をレコードR1の各欄にコピーする。ただし、
図19の例において、レコードR2の「対策内容」、「対策予定」、「完了日時」の欄は空欄であるため、レコードR1における当該欄には、空欄がコピーされる。
【0058】
次に、登録処理部111は、保全依頼情報431の「対象部門」に格納されている情報(ここでは、「保全」)で、レコードR1の「部門」の欄を更新する。また、登録処理部111は、レコードR1の「親No.」の欄に、親レコードとなるレコードR2の「依頼No.」の数字を格納する。さらに、登録処理部111は、レコードR2の「依頼ステータス」の欄を「依頼済み」に更新する。
【0059】
図20は、設備異常対策の1つとして、管理者を呼び出す処理を行う例を示す図である。
設備異常対策の1つとして、管理者を呼び出すことが必要な場合、ユーザは、端末装置200を介して、管理者呼出情報432を業務管理装置100へ送信する。
図20の例に示すように、管理者呼出情報432は、場所を示す「工程No.」、依頼内容を示す「依頼内容」、状態を示す「ステータス」、依頼日時を示す「発生日時」、呼び出す管理者が所属する部門の情報示す「部門」を含む。
【0060】
管理者呼出情報432を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、管理者呼出依頼DB130に格納されている管理者呼出依頼情報130Aに管理者呼出情報432の各情報を格納する。管理者呼出依頼情報130Aは、設備異常対策依頼情報126Aと同様の項目を有する。
【0061】
管理者呼出情報432を受信した業務管理装置100の登録処理部111は、管理者呼出依頼情報130Aに新たなレコードを生成するとともに、依頼No.を生成し、生成した依頼No.を、管理者呼出依頼情報130Aの「依頼No.」の欄に格納する。また、登録処理部111は、管理者呼出依頼情報130Aの「工程No.」、「部門」、「依頼ステータス」、「依頼内容」、「発生日時」の欄に、管理者呼出情報432の「工程No.」、「部門」、「ステータス」、「依頼内容」、「発生日時」の各情報を格納する。
図20の例では、管理者呼出依頼情報130Aの「工程No.」に「工程1」、「依頼ステータス」に「未確認」、「依頼内容」に「管理者呼出」が格納される。また、登録処理部111は、管理者呼出情報432のレコードに情報を登録(更新)した日時を「更新日時」の欄に格納する。
【0062】
(対策依頼に対する対策状況の登録)
次に、
図21〜
図23を参照して、対策依頼に対する対策状況の登録について説明する。
図21〜
図23では、設備異常に対する処理を示しているが、他の異常も同様である。
図21は、設備異常に対する対策依頼が行われた際の設備異常対策依頼情報126Aを示している。すなわち、
図21に示す設備異常対策依頼情報126Aは、
図17の示す設備異常対策依頼情報126Aと同じ情報を有している。
【0063】
設備異常に対する対策者が、設備異常の対策を始めると、対策者は、
図22に示すように、端末装置200を介して、設備異常対策登録情報443を業務管理装置100へ送信する。ここで、送信される設備異常対策登録情報443には、「依頼No.」、「ステータス」、「対策予定日時」、「更新日時」の各情報が含まれている。
図22の例では、「ステータス」として「対策中」が格納されており、「対策予定日時」に「9:20:00」が格納されており、更新日時として「9:10:00」が格納されているものとする。
【0064】
設備異常対策登録情報443を受信した業務管理装置100は、設備異常対策登録情報443の「依頼No.」をキーとして、設備異常対策依頼DB126に格納している設備異常対策依頼情報126Aを検索する。そして、登録処理部111は、検索の結果、取得された設備異常対策依頼情報126Aのレコードに、設備異常対策登録情報443の各情報を格納する。具体的には、登録処理部111は、設備異常対策登録情報443の「ステータス」(「対策中」)を設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄に格納する。また、登録処理部111は、設備異常対策登録情報443の「対策予定日時」(「9:20:00」)、「更新日時」(「9:10:00」)を設備異常対策依頼情報126Aの「対策予定」、「更新日時」の欄に格納する。
【0065】
図23は、対策者による設備異常の対策が完了した際における処理を示す図である。
設備異常に対する対策が完了すると、対策者は、端末装置200を介して設備異常対策登録情報443を業務管理装置100へ送信する。ここで、送信される設備異常対策登録情報443には、「依頼No.」、「対策内容、「ステータス」、「更新日時」、「完了日時」の各情報が含まれている。
図23の例では、「対策内容」として「Xx部品交換」、「ステータス」として「対策済」が格納されている。また、更新日時として「9:20:00」が格納され、「完了日時」として「9:20:00」が格納されているものとする。
【0066】
設備異常対策登録情報443を受信した業務管理装置100は、設備異常対策登録情報443の「依頼No.」をキーとして、設備異常対策依頼DB126に格納している設備異常対策依頼情報126Aを検索する。そして、登録処理部111は、検索の結果、取得された設備異常対策依頼情報126Aのレコードに、設備異常対策登録情報443の各情報を格納する。具体的には、登録処理部111は、設備異常対策登録情報443の「ステータス」(「対策済」)を設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄に格納する。また、登録処理部111は、設備異常対策登録情報443の「対策内容」(「Xx部品交換」)を設備異常対策依頼情報126Aの「対策内容」の欄に格納する。さらに、登録処理部111は、設備異常対策登録情報443の「更新日時」(「9:20:00」)を設備異常対策依頼情報126Aの「更新日時」の欄に格納し、設備異常対策登録情報443の「完了日時」(「9:20:00」)を設備異常対策依頼情報126Aの「完了日時」の欄に格納する。
【0067】
また、
図19のように、他部門へ対策を依頼している場合、依頼した他部門において対策が完了すると、設備異常対策依頼情報126Aの「親No.」に格納されている番号を基に、依頼元の「依頼ステータス」の欄を「対策済み」に更新する。
【0068】
(対策依頼に対する放置状態の監視)
次に、
図24及び
図25を参照して、設備異常に対する対策依頼が行われない状態で、放置されている場合の処理について説明する。すなわち、
図24及び
図25では、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」が「未確認」のまま、所定期間、放置されている例を示す。
図24は、設備異常に対する対策依頼が行われた際の設備異常対策依頼情報126Aを示している。すなわち、
図24に示す設備異常対策依頼情報126Aは、
図17の示す設備異常対策依頼情報126Aと同じ情報を有している。
【0069】
対策監視部113は、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」が「未確認」の状態であり、かつ、現在時刻が「発生日時」の欄に登録されている時刻を超過したか否かを定期監視している。
そして、
図22に示すような対策依頼がとられないまま、現在時刻が対策予定時刻を超過すると、対策監視部113は、
図25に示すような対策依頼監視バッチ情報434を生成し、生成した対策依頼監視バッチ情報434を登録処理部111にわたす。
図25に示すように、対策依頼監視バッチ情報434は、「依頼No.」、「ステータス」を有する。ここで、対策依頼監視バッチ情報434の「ステータス」には、「未確認[放置]」が格納されている。
【0070】
対策依頼監視バッチ情報434を受信した、登録処理部111は、対策依頼監視バッチ情報434に格納されている「依頼No.」をキーとして、設備異常対策依頼情報126Aのレコードを検索する。そして、検索したレコードにおける「依頼ステータス」の欄に、対策依頼監視バッチ情報434の「ステータス」の情報を格納する。
図25に示すように、ここでは、「未確認[放置]」が、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄に格納される。
【0071】
(対策依頼に対する不実行状態の監視)
次に、
図26及び
図27を参照して、対策者による設備異常に対策がなされているが、対策予定日時が過ぎても、放置状態となっている場合の処理について説明する。
図26は、設備異常に対する対策を始めた後の設備異常対策依頼情報126Aを示している。すなわち、
図26に示す設備異常対策依頼情報126Aは、
図22に示す設備異常対策依頼情報126Aと同じ情報を有している。
【0072】
対策監視部113は、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」が「対策中」であり、かつ、現在時刻が設備異常対策依頼情報126Aの「対策予定」の欄に登録されている時刻を超過したか否かを定期監視している。
そして、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」が「対策中」であり、かつ、現在時刻が設備異常対策依頼情報126Aの「対策予定」の欄に登録されている時刻を超過すると、対策監視部113は、
図27に示すような対策依頼監視バッチ情報434を生成し、生成した対策依頼監視バッチ情報434を登録処理部111にわたす。現在時刻と、対策予定日時との比較は、定期監視によって行われる。
図27に示すように、対策依頼監視バッチ情報434は、「依頼No.」、「ステータス」を有する。ここで、対策依頼監視バッチ情報434の「ステータス」には、「対策中[放置]」が格納されている。
【0073】
対策依頼監視バッチ情報434を受信した、登録処理部111は、対策依頼監視バッチ情報434に格納されている「依頼No.」をキーとして、設備異常対策依頼情報126Aのレコードを検索する。そして、検索したレコードにおける「依頼ステータス」の欄に、対策依頼監視バッチ情報434の「ステータス」の情報を格納する。
図27に示すように、ここでは、「対策中[放置]」が、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄に格納される。
【0074】
(対策状況表示)
次に、
図28〜
図32を参照して、異常発生警告表示の例を示す。なお、
図28〜
図32では、設備異常の場合を例として示しているが、その他の異常の場合も同様である。
まず、
図28は、設備異常対策依頼DB126に保持されている設備異常対策依頼情報126Aにおいて、何も情報が登録されていない状態を示す。つまり、
図28は、設備異常が発生していない状態を示している。このような場合、出力処理部211が、表示ボード221に異常が発生していないことを示す緑の丸(
図28では、細実線の丸で表現)でアラーム情報Mを表示する。このようなアラーム情報Mの表示を「正常表示」と称する。ちなみに、
図28〜
図32において、設備異常対策依頼情報126Aは、必要な項目のみを示している。
【0075】
次に、
図29は、設備異常が発生し、
図17に示すように、設備異常対策依頼情報126Aに情報が格納された際の設備異常対策依頼DB126を示している。
図29における設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄には、
図17と同様に、「未確認」が登録されている。このような場合、
図29に示すように、出力処理部211は、点滅する赤の丸(
図29では、太破線の丸の紙面左上に3本の線を配置することで表現)でアラーム情報Mを表示することで異常が発生しているが、対策が行われていないことを示す。このようなアラーム情報Mの表示を「異常表示(大)」と称する。
【0076】
そして、
図30は、
図25に示すように、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」が「未確認」の状態であり、かつ、現在時刻が「発生日時」の欄に登録されている時刻を超過した場合の設備異常対策依頼DB126を示している。
図30における設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄には、
図25と同様に、「未確認[放置]」が登録されている。このような場合、
図30に示すように、出力処理部211は、表示ボード221に高速点滅する赤の丸(
図30では、太破線の丸の紙面左上及び右上に3本の線を配置することで表現)でアラーム情報Mを表示することで、設備異常に対する対策が行われないまま、現在時刻が「発生日時」の欄に登録されている時刻を超過していることを示す。このようなアラーム情報Mの表示を「異常表示(特大)」と称する。
【0077】
なお、
図27に示すように、設備異常に対する対策が行われているものの、対策予定時刻を過ぎても対策が完了していない場合も、
図30の表示が行われる。
【0078】
図31は、
図22に示すように、設備異常に対する対策中(現在時刻は対策予定時刻を経過していない)である場合の設備異常対策依頼DB126を示している。
図31における設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄には、
図22と同様に、「対策中」が登録されている。このような場合、
図31に示すように、出力処理部211は、異常が発生していることを示す赤の丸(
図31では、太実線の丸で表現)でアラーム情報Mを表示する。前記したように、このようなアラーム情報Mの表示を「異常表示(小)」と称する。
【0079】
そして、
図32には、
図23と同様に、設備異常に対する対策が完了した際における設備異常対策依頼情報126Aが示されている。
図32に示す設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」の欄には、
図23と同様、「対策済み」が登録されている。このような場合、
図32に示すように、出力処理部211は、表示ボード221に異常が発生していないことを示す緑の丸(
図32では、細実線の丸で表現)でアラーム情報Mを表示する。前記したように、このようなアラーム情報Mの表示を「正常表示」と称する。
【0080】
なお、アラーム情報Mを、どのように表示させるかはユーザによってカスタマイズ可能である。
【0081】
このように、自部門で対策すべきものか否かや、緊急度合(放置、対策中の放置等)が色、点滅による強調表示で表現される。このようにすることで、ユーザに対策状況を気付かせることができる。このようにすることで、ユーザに対策(アクション)を促すことができる。
【0082】
なお、ここでは、表示ボード221がアラーム情報Mを表示しているが、その他にもスピーカ222から出力される音でアラームが表されてもよい。この場合、設備異常アラーム情報125Aの「異常ステータス」の欄に格納されている情報に応じて音の種類や、長さが変化するようにするとよい。
【0083】
また、対策が取り消された場合、設備異常対策依頼情報126Aの「依頼ステータス」に「取消」の情報が更新され、アラーム情報Mが「正常表示」となる。
【0084】
(表示)
図33は、表示ボード221に表示される状態表示画面Dの例を示す図である。
状態表示画面Dは、部門表示領域D10、職務ボタンD20、上位アラーム表示領域D30、下位アラーム表示領域D40、管理者呼出表示領域D50を有する。
例えば、
図33では、部門表示領域D10において「工場>生産工程」が選択されている。「生産工程」は、「工場」の下位部門のうちの1つであり、「生産工程」に関する設備状態が表示されていることを示している。
【0085】
また、
図33に示すように、職務ボタンD20には「総括」、「生産」、「品質」、「保全」等が表示されている。ここで、職務とは、部門における立場である。職務ボタンD20は、ユーザが表示させたい情報を選択するためのボタンである。例えば、ユーザが、「生産現場」の人間で、「生産」に関する情報を閲覧したいと考えた場合、
図33に示すように、ユーザは「生産」の職務ボタンD20を選択入力する。同様に、ユーザが「品質管理」に関する情報を閲覧したいと考えた場合、ユーザは「品質」の職務ボタンD20を選択入力する。また、ユーザが「保全管理」に関する情報を閲覧したいと考えた場合、ユーザは「保全」の職務ボタンD20を選択入力する。「総括」の職務ボタンD20は、部門表示領域D10に表示されている「工場」の概況を把握したい人(工場長等)が選択入力する職務ボタンD20である。このようにすることで、表示ボード221が設置されている場所や、閲覧する人の職務によって、表示するアラーム情報Mを切り替えることができる。このようにすることで、ユーザが閲覧したいアラーム情報Mを適切に表示することができる。
【0086】
上位アラーム表示領域D30、下位アラーム表示領域D40には、職務ボタンD20に対応したアラーム情報Mが表示されている。つまり、上位アラーム表示領域D30、下位アラーム表示領域D40には、職務ボタンD20を選択入力したユーザが閲覧したいアラーム情報Mが格納されている。このように、状態表示画面Dを、上位アラーム表示領域D30、下位アラーム表示領域に分けることで、上位階層の部門と、下位階層の部門とにおけるアラーム情報Mを一度に閲覧することができるため、異常や、対策の状況を大局的に判断することができる。
【0087】
図33の例では、「生産」の職務ボタンD20が選択されている。従って、上位アラーム表示領域D30、及び、下位アラーム表示領域D40には部門表示領域D10には、「生産工程」の部門の人が閲覧したいアラーム情報Mが表示されている。アラーム情報Mは、
図2〜
図32に示す処理に従って表示される。また、アラーム情報Mの表示は、
図12〜
図16、及び、
図28〜
図32に基づいて表現されている。
【0088】
上位アラーム表示領域D30には、部門表示領域D10で表示されている部門に関するアラーム情報Mが表示される。また、下位アラーム表示領域D40には、上位アラーム表示領域D30に表示されている部門の下位部門に関するアラーム情報Mが表示される。
図33の例において、上位アラーム表示領域D30には、「生産工程」全体に関するアラーム情報Mが表示されている。また下位アラーム表示領域D40には、「生産工程」内の各工程である「加工A」、「加工B」、「組立A」、「組立B」のアラーム情報Mが表示されている。また、上位アラーム表示領域D30における上位部門表示領域D31には、上位アラーム表示領域D30の表示対象である「生産工程」が表示されている。さらに、下位アラーム表示領域D40における下位部門表示領域D41には、下位アラーム表示領域D40の表示対象である「加工A」、「加工B」、「組立A」及び「組立B」が表示されている。
【0089】
それぞれのアラーム情報Mにおいて、「●●異常」が表示されているアラーム情報Mは、異常登録処理(
図2〜
図16)における登録に基づいて表示されるものである。例えば、「進捗異常」と表示されているアラーム情報Mは、進捗異常アラームDB121の登録情報に基づいて表示される。また、「設備異常」と表示されているアラーム情報Mは、設備異常アラームDB125の登録情報に基づいて表示される。同様に「品質異常」と表示されているアラーム情報Mは、品質異常アラームDB123の登録情報に基づいて表示される。また、「安全異常」と表示されているアラーム情報Mは、安全異常アラームDB124の登録情報に基づいて表示される。
【0090】
一方、「●●対策」が表示されているアラーム情報Mは、対策登録処理(
図17〜
図32)における登録に基づいて表示されるものである。例えば、「進捗対策」と表示されているアラーム情報Mは、進捗異常対策依頼DB122の登録情報に基づいて表示される。例えば、
図33の「加工A」の「進捗対策」が「異常表示(大)」となっているが、これは、「加工A」で進捗遅れが発生しているが、対策が「未確認」の状態であることを示している(
図29参照)。
【0091】
また、アラーム情報Mについて、縦の列は同一の種類のアラーム情報Mを示している。例えば、アラーム情報M101は、「加工A」の工程における進捗状況を示し、アラーム情報M102は、「加工B」の工程における進捗状況を示す。さらに、アラーム情報M103は、「組立A」の工程における進捗状況を示し、アラーム情報M104は、「組立B」の工程における進捗状況を示す。
【0092】
ここで、アラーム情報Mとして表示される「進捗異常」、「品質異常」等のそれぞれを業務と称する。
なお、「加工A」、「加工B」、「組立A」、「組立B」それぞれの部門において、どの業務(「進捗異常」、「品質異常」等)のアラーム情報Mが表示されるかは、出力処理部211が、後記するアラーム情報選択DB127を参照することによって決定される。以降に示される状態表示画面Dも同様である。
【0093】
そして、アラーム情報M100は、「加工A」、「加工B」、「組立A」、「組立B」の上位部門である「生産工程」の進捗状況を示す。その他のアラーム情報Mの列についても同様である。
【0094】
ここで、
図33に示すように、下位部門において、異なる複数の状態(進捗状況等)がある場合、上位部門のアラーム情報Mは、下位部門において、より注意喚起の強い情報が採用される。例えば、
図33の例では、「加工B」、「組立A」、「組立B」の「品質異常」を示すアラーム情報M112〜D114が「正常表示」を示している。これに対して、「加工A」の「品質異常」を示すアラーム情報M111が「異常表示(小)」を示している。従って、「加工A」、「加工B」、「組立A」及び「組立B」の上位部門である「生産工程」の「品質異常」を示すアラーム情報M110は、「加工A」、「加工B」、「組立A」及び「組立B」のうちで、最も注意喚起が強い「加工A」の「異常表示(小)」に合わせて、「異常表示(小)」でアラーム情報Mが表示される。
【0095】
なお、「加工B」、「組立A」、「組立B」の「品質異常」を示すアラーム情報M112〜D114が「正常表示」を示しており、「加工A」の「品質異常」を示すアラーム情報M111が「異常表示(小)」を示しているが、品質異常アラームDB123に格納されている品質異常アラーム情報(不図示)において、「生産工程」の「異常ステータス」の欄が「解消済み」となっていた場合、当該「解消済み」の情報が優先される。
【0096】
このように、出力処理部211は、工場内で収集した様々な計画情報、実績情報、異常情報、対策情報が格納されているそれぞれのDB121〜126から、表示する対象工程の情報を抽出し、表示ボード221に出力する。
「優先順位定義マスタ」に設定されている条件をもとに、アラームの対策優先順位を表示する。
【0097】
なお、状態表示画面Dは、定期的にリフレッシュされる。このようにすることで、最新の情報をアラーム情報Mとして表示することができる。
【0098】
また、管理者呼出表示領域D50には、
図20において、情報が格納された管理者呼出依頼情報130Aの内容が表示される。
図33の例では、
図20において管理者呼出依頼情報130Aの内容に合わせて「管理者:Xx部品交換をお願いします」の情報が表示されている。ここで、「管理者」とは「生産工程」の管理者である。なお、
図33以外の状態表示画面Dでは、管理者呼出表示領域D50には情報が表示されていないものとする。
【0099】
次に、状態表示画面Dの遷移について説明する。
図34は、表示される部門として「工場」が選択され(部門表示領域D10参照)、「総括」の職務ボタンD20が表示されている例を示す。従って、
図34の例では、上位アラーム表示領域D30には「工場」に関するアラーム情報Mが表示され、下位アラーム表示領域D40には「工場」の下位部門である「納入工程」、「生産工程」、「検査工程」、「出荷工程」が表示されている。
【0100】
ここで、ユーザが、下位アラーム表示領域D40の下位部門表示領域D41に表示されている「生産工程」を選択入力すると、出力処理部211は、表示ボード221の画面を
図35の状態表示画面Dに遷移させる。なお、職務ボタンD20は「総括」のままである。
図35の状態表示画面Dでは、「総括」の職務ボタンD20が選択入力された状態での、「生産工程」におけるアラーム情報Mが表示されている。
図35において表示されている上位部門、下位部門は
図33と同様であるので、ここでの説明を省略する。なお、上位の部門(
図35の例では「工場」)の状態表示画面Dに遷移するには、部門表示領域D10に表示されている上位部門の名称(
図35の例では「工場」)をユーザが選択入力する。
【0101】
なお、
図35の例では、一部のアラーム情報Mに優先順位表示Y1〜Y5が表示されている。すなわち、「加工A」の工程における「設備異常」が優先順位「1」(優先順位表示Y1)であり、「加工A」の工程における「進捗異常」が優先順位「2」(優先順位表示Y2)である。以下、同様に、「組立A」における「進捗異常」が優先順位「3」(優先順位表示Y3)であり、「加工B」における「進捗異常」が優先順位「4」(優先順位表示Y4)であり、「加工A」の「品質異常」が優先順位「5」(優先順位表示Y5)である。このような優先順位表示Y1〜Y5は、表示のオン・オフの切り替えが可能である。優先順位表示Y1〜Y5は、表示のオン・オフは、設定画面や、右クリックによるメニュー表示等によって設定可能である。
【0102】
また、優先順位表示Y1〜Y5は、
図36に示すような優先順位定義マスタDB128に格納されている優先順位定義マスタ情報128Aを出力処理部211が参照することによって表示される。なお、
図36の例では、上位5個の優先順位表示Y1〜Y5が表示されているが、上位3個や、上位10個等といった優先順位が表示されてもよい。
図36は、「生産工程」における優先順位定義マスタ情報128Aの例を示す図である。
図36の例に示すように、「生産工程」における優先順位定義マスタ情報128Aでは、「生産工程」を構成する「加工A」、「加工B」、「組立A」、「組立B」に対する「進捗異常」、「品質異常」、「設備異常」、「安全異常」といった各業務の優先順位が格納されている。ここでは、「工場」、「生産工程」等、表示される部門毎に優先順位定義マスタ情報128Aが作成されるとしているが、最上位から最下位までのすべての部門における優先順位を網羅した優先順位定義マスタ情報128Aが作成されてもよい。なお、
図36以外の状態表示画面Dでは、優先順位表示Y1〜Y5の表示はオフになっているものとする。
【0103】
なお、緊急性の高いものほど、優先順位は高く、同じ緊急性のものであれば、優先順位定義マスタ情報128Aに基づいて優先順位が決定される。緊急性の高いものほど、優先順位が高いとは、「異常表示(特大)」で表示されているアラーム情報Mの対象が最も優先順位が高く、「異常表示(小)」となっているものは優先順位が低くなるという意味である。
【0104】
図37は、
図35の状態表示画面Dを表示する際の出力処理部211の動作を示す図である。
前記したように、出力処理部211は、アラーム情報選択DB127を参照して、現在選択されている部門(「生産工程」:部門表示領域D10参照)と、選択されている職務ボタンD20(「総括」)とに適したDB121,123〜125を選択する。アラーム情報選択DB127については後記する。ここでは、進捗異常アラームDB121、品質異常アラームDB123、安全異常アラームDB124、設備異常アラームDB125(業務に対応)が選択される。出力処理部211は、選択したDB121,123〜125を参照して、アラーム情報Mを表示する。また、
図35の例では、優先順位表示Y1〜Y5の表示が設定されているため、出力処理部211は、優先順位定義マスタDB128も参照して、優先順位表示Y1〜Y5を表示する。
【0105】
ここで、ユーザが、
図35の下位アラーム表示領域D40の下位部門表示領域D41に表示されている「加工A」(符号D43)を選択入力すると、出力処理部211は、表示ボード221の画面を
図38の状態表示画面Dに遷移させる。なお、職務ボタンD20は「総括」が選択されたままである。
図38の状態表示画面Dでは、「総括」の職務ボタンD20が選択入力された状態での、「加工A」におけるアラーム情報Mが表示されている。
図38の状態表示画面Dでは、上位アラーム表示領域D30には、「加工A」のアラーム情報Mが表示され、下位アラーム表示領域D40には「加工A」の下位部門である「掘削」、「切込」、「曲げ」、「仕上げ」のアラーム情報Mが表示される。
【0106】
図39は、
図35の状態表示画面Dから、
図38の状態表示画面Dへ遷移する際の出力処理部211の動作を示す図である。
出力処理部211は、アラーム情報選択DB127を参照して、選択された部門(「加工A」)と、選択されている職務ボタンD20(「総括」)とに適したDB121,123〜125を選択する。アラーム情報選択DB127については後記する。ここでは、進捗異常アラームDB121、品質異常アラームDB123、安全異常アラームDB124、設備異常アラームDB125(業務に対応)が選択される。出力処理部211は、選択したDB121,123〜125を参照して、生産工程用のアラーム情報Mを表示する(生産工程表示)。
【0107】
ここで、
図35の下位アラーム表示領域D40の下位部門表示領域D41に表示されている「加工A」(符号D43)を選択入力すると、出力処理部211は、アラーム情報選択DB127を参照して、選択された部門(「加工A」)と、選択されている職務ボタンD20(「総括」)とに適したDB121,123〜125を選択する。アラーム情報選択DB127については後記する。ここでは、進捗異常アラームDB121、品質異常アラームDB123、安全異常アラームDB124、設備異常アラームDB125(業務に対応)が選択される。出力処理部211は、選択したDB121,123〜125を参照して、加工A用のアラーム情報Mを表示する(加工A表示)。
【0108】
また、ユーザが、
図35の状態表示画面Dで「保全」の職務ボタンD20を選択入力すると、出力処理部211は、表示ボード221の画面を
図40の状態表示画面Dに遷移させる。なお、表示される部門は、
図35と同じ「生産工程」である(部門表示領域D10参照)。
図40の状態表示画面Dでは、
図35と同様、上位アラーム表示領域D30には、「生産工程」のアラーム情報Mが表示され、下位アラーム表示領域D40には、「生産工程」内の各工程である「加工A」、「加工B」、「組立A」、「組立B」のアラーム情報Mが表示されている。ただし、「保全」の職務ボタンD20が選択入力されているため、「設備異常」、「設備対策」のアラーム情報Mが表示されている。
【0109】
図41は、
図35の状態表示画面Dから、
図40の状態表示画面Dへ遷移する際の出力処理部211の動作を示す図である。
出力処理部211は、表示ボード221に表示されている
図35の状態表示画面D(総括用表示)では、アラーム情報選択DB127を参照して選択した進捗異常アラームDB121、品質異常アラームDB123、安全異常アラームDB124、設備異常アラームDB125を基にアラーム情報Mを表示する。そして、
図35の「保全」の職務ボタンD20が選択入力されると、出力処理部211は、アラーム情報選択DB127を参照して、選択されている職務ボタンD20(「保全」)に適したDB125,126を選択する。アラーム情報選択DB127については後記する。ここでは、設備異常アラームDB125及び設備異常対策依頼DB126(業務に対応)が選択される。出力処理部211は、選択したDBを参照して、表示ボード221に
図40に示す状態表示画面D(保全用表示)を表示する。
【0110】
(アラーム情報選択情報127A)
図42は、本実施形態におけるアラーム情報選択情報127Aの例を示す図である。
ここでは、「工場」における異常に関するアラーム情報選択情報127Aを示している。「異常に関する」とは、「設備異常」、「進捗異常」等、「異常」に関するアラーム情報Mという意味である。「設備異常対策」や、「進捗異常対策」等の「対策」についても同様のアラーム情報選択情報127Aが設けられている。また、
図42は、「工場」に関するアラーム情報選択情報127Aを示しているが、PDCA管理システム1は、「生産工程」や、「加工A」等の各工程に対しても、同様のアラーム情報選択情報127Aを備えている。さらに、各職務についても同様のアラーム情報選択情報127Aを備えている。
【0111】
アラーム情報選択情報127Aは、アラーム情報選択DB127に格納されており、出力処理部211は、部門表示領域D10に表示されている部門と、アラーム情報選択DB127とを参照して、表示するアラーム情報Mを選択する。
【0112】
図42の例におけるアラーム情報選択情報127Aは、横軸に部門、縦軸に業務が対応している。そして、各部門においてアラーム情報Mとして表示する情報は丸が示されており、表示しない情報は「−」が示されている。
【0113】
例えば、「納入工程」の場合、「納入進捗」、「納入品質」、「納入工程事故状況」をアラーム情報Mとして表示するため、「進捗」、「品質」、「安全」の各業務が「進捗異常」、「品質異常」、「安全異常」のアラーム情報Mとして表示される。換言すれば、出力処理部211は、進捗異常アラームDB121、品質異常アラームDB123、安全異常アラームDB124を選択し、その情報をアラーム情報Mとして表示する。同様に、「生産工程」の場合、「生産進捗」、「生産品質」、「生産設備状態」、「生産工程事故状況」をアラーム情報Mと表示するため、「進捗」、「品質」、「設備」、「安全」の業務が「進捗異常」、「品質異常」、「設備異常」、「安全異常」のアラーム情報Mとして表示される(
図33、
図35参照)。なお、「進捗対策」等の対策状況についても、同様に、部門と、業務について、どのアラーム情報Mが表示されるかに関する情報がアラーム情報選択情報127Aとしてアラーム情報選択DB127に格納されている。なお、「進捗対策」等の対策状況については、
図44A〜
図47Cで後記するように、進捗異常対策依頼DB122や、設備異常対策依頼DB126の「部門」の項目も参照される。
【0114】
図42では、部門(部門表示領域D10や、上位部門表示領域D31、下位部門表示領域D41に表示される部門)と、表示されるアラーム情報Mとの関係が示されているが、同様の構成で、職務ボタンD20と、表示されるアラーム情報Mとの関係を有するアラーム情報選択情報127Aもアラーム情報選択DB127に格納されている。また、アラーム情報選択DB127には、アラーム情報Mの表示対象となる設備に関する情報が格納されてもよい。
【0115】
図43は、詳細情報画面の例を示す図である。
図43に示すような詳細情報画面は、上位アラーム表示領域D30や、下位アラーム表示領域D40に表示されているアラーム情報Mが選択入力されることにより、例えば、別ウィンドウで表示される画面である。
図43の例は、
図33に示す上位アラーム表示領域D30や、下位アラーム表示領域D40のアラーム情報M102が選択入力されることで表示される画面である。アラーム情報M102は、「進捗異常」に関するアラーム情報Mであるため、詳細情報画面には、進捗に関する情報が表示されている。
図43の例において、太文字は遅延が生じていることを示し、実線白抜き文字は遅延が大きい(遅延大)であることを示し、破線白抜き文字は先行していることを示す。先行とは、予定より進捗が進んでいることを示す。また、破線は現在を示す。
図43の例により、
図33に示す「加工B」の進捗について、自工程での進捗だけでなく、前工程で進捗の遅れが大きいことをユーザが確認できる。
【0116】
(他部門への対策依頼によるアラーム情報Mの切り替え)
次に、
図44A〜
図47Cを参照して、他部門への対策依頼によるアラーム情報Mの切り替えを説明する。
図44A、
図45A、
図46A、
図47Aは、設備異常対策依頼情報126Aを示している。ただし、
図44A、
図45A、
図46A、
図47Aでは、設備異常対策依頼情報126Aのうち、「部門」及び「依頼ステータス」の項目のみを示している。
図44B、
図45B、
図46B、
図47Bは、生産工程の部門におけるアラーム情報M、
図44C、
図45C、
図46C、
図47Cは、保全管理の部門におけるアラーム情報Mを示している。なお、生産工程の部門におけるアラーム情報Mとは「生産」の職務ボタンD20が選択入力されている状態表示画面Dにおけるアラーム情報Mの表示状態(
図33に対応)を示す。また、保全管理におけるアラーム情報Mとは「保全」の職務ボタンD20が選択入力されている状態表示画面Dにおけるアラーム情報Mの表示状態(
図40に対応)を示す。また、
図44B、
図44C,
図45B、
図45C、
図46B、
図46C、
図47B、
図47Cでは、「設備異常」、「設備対策」のアラーム情報Mのみを示すこととする。さらに、生産工程の部門における状態表示画面Dを示す
図33では、「設備対策」のアラーム情報Mが表示されていないが、ここでは、説明のため、生産工程の部門における状態表示画面Dにおいて「設備対策」のアラーム情報Mが表示されているものとする。
【0117】
また、
図44B、
図45B、
図46B、
図47Bにおいて、「設備異常」のアラーム情報Mは、部門「生産」について、出力処理部211が設備異常アラーム情報125Aを参照して表示するものである。そして、
図44C、
図45C、
図46C、
図47Cにおいて、「設備異常」のアラーム情報Mは、部門「保全」について、出力処理部211が設備異常アラーム情報125Aを参照して表示するものである。
【0118】
同様に、
図44B、
図45B、
図46B、
図47Bにおいて、「設備対策」のアラーム情報Mは、部門「生産」について、出力処理部211が設備異常対策依頼情報126Aを参照して表示するものである。そして、
図44C、
図45C、
図46C、
図47Cにおいて、「設備対策」のアラーム情報Mは、部門「保全」について、出力処理部211が設備異常対策依頼情報126Aを参照して表示するものである。
なお、例えば、アラーム情報選択情報127A(
図42)において、「保全」の部門では「設備対策」が表示されない設定となっていたとしても、設備異常対策依頼情報126Aの「部門」の項目に「保全」が格納されている場合、つまり、「保全」の部門が他部門から対策を依頼された場合、出力処理部211は設備異常対策依頼DB126の内容をアラーム情報Mとして表示する。
【0119】
図44A〜
図44Cは、設備異常が発生し、生産工程の部門で対策を着手した状態を示している。ここでは、
図44Aに示すように、設備異常対策依頼情報126Aの「部門」の欄には「生産」が登録され、「依頼ステータス」は「対策中」が登録されている(
図22に対応)。この時、生産工程の部門では、
図44Bに示すように、「設備異常」及び「設備対策」が「異常表示(小)」となっている。ここでは、保全管理の部門に対策が依頼されていないため、
図44Cに示すように、保全管理の部門では、「設備異常」が「異常表示(小)」となっているが、「設備対策」は「正常表示」となっている。
【0120】
図45A〜
図45Cは、生産工程の部門では対策できず、保全管理の部門に対策を依頼した状態を示している。ここでは、
図45Aに示すように、設備異常対策依頼情報126Aの「生産」のレコードにおける「依頼ステータス」は「依頼済み」が登録され、「保全」のレコードにおける「依頼ステータス」は「未確認」が登録される(
図19に対応)。この時、生産工程の部門では、
図45Bに示すように、「設備異常」が「異常表示(小)」となるが、対策を保全管理の部門に依頼したため、「設備対策」が「正常表示」となっている。対して、保全管理の部門に対策が依頼され、「未確認」の状態であるため、
図45Cに示すように、保全管理の部門では、「設備異常」が「異常表示(小)」となり、「設備対策」は「依頼ステータス」が「異常表示(大)」となっている(
図29参照)。
【0121】
続いて、
図46A〜
図46Cは、対策を依頼された保全管理の部門が、設備異常の対策に着手した状態を示している。ここでは、
図46Aに示すように、設備異常対策依頼情報126Aの「生産」のレコードにおける「依頼ステータス」は「依頼済み」が登録され、「保全」のレコードにおける「依頼ステータス」は「対策中」が登録される(
図22に対応)。この時、生産工程の部門では、
図46Bに示すように、「設備異常」が「異常表示(小)」となるが、対策を保全管理の部門に依頼したため、「設備対策」が「正常表示」となっている。対して、保全管理の部門において対策が「対策中」であるため、
図46Cに示すように、保全管理の部門では、「設備異常」及び「設備対策」が「異常表示(小)」となっている(
図31に対応)。
【0122】
続いて、
図47A〜
図47Cは、対策を依頼された保全管理の部門が、設備異常の対策を完了した状態を示している。ここでは、
図47Aに示すように、設備異常対策依頼情報126Aの「生産」及び「保全」のレコードにおける「依頼ステータス」に「対策済」が登録される(
図23参照)。この時、生産工程の部門では、
図47Bに示すように、「設備異常」及び「設備対策」が「正常表示」となる。また、
図47Cに示すように、保全管理の部門でも、「設備異常」及び「設備対策」が「正常表示」となる(
図32参照)。
【0123】
本実施形態によれば、閲覧するユーザによって、表示する情報範囲を切り替え、また、部門の階層構造を基に表示を切り替える。このようにすることで、ユーザにとって適切な情報を表示することができ、PDCAの効率を向上させることができる。
【0124】
つまり、本実施形態は以下の特徴及び効果を奏することができる。
(C1)異常の有無および発生場所を視覚的に表示する。
このようにすることで、部門毎に異常の有無を色や、点滅等の視覚的に把握できる方法で表示することで、効率的に異常に気付かせることができる。
(C2)異常に対する対策の状況を視覚的に表示する。
このようにすることで、異常に対する対策の状況を視覚的に把握できる方法で表示する。また、対策が滞った場合も、視覚的に把握できる方法で表示することで、注意喚起し、対策を促す。さらに、対策マスタDB129に格納されている過去事例をもとに対策案を表示し、対策を補助する。このようにすることで、異常発生を容易に把握でき、さらに、異常に対する対策をフォローアップする仕組みを有することで、迅速な対策につなげることができる。
【0125】
(C3)工場全体のあらゆる部門の状況をリアルタイムかつ横並びで表示する。
このように、工場全体における生産、品質、保全、安全等に関わるあらゆる情報を1画面に表示することで、業務横串で工場全体の状況を把握することができる。
また、
図35に示すように対応すべきアラーム優先順位を補助的に表示することで、どの異常や、対策から着手すればよいかをユーザが判断しやすくなる。
(C4)設置する場所や見る人に合わせて表示を切り替える。
つまり、各々の立場(工場長、生産、品管、保全、等)によって画面を切り替え、さらに表示する範囲(工場全体、工程毎、等)を切り替える。このようにすることで、職務や職位によって把握したい情報の範囲や内容が違う場合でも、迅速にユーザが閲覧したい情報に辿りつくことができる。
【0126】
また、自部門で対策が不可能である場合、他部門に対策に関する情報を受け渡すことで、部門間の協力が容易となり、作業効率を向上させることができる。
【0127】
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を有するものに限定されるものではない。
【0128】
また、本実施形態では、品質異常、安全異常に対する対策について記載していないが、品質異常、安全異常に対しても、
図17〜
図32に示す処理が行われてもよい。また、各DB121〜126の選択は、端末装置200における出力処理部211が行うとしているが、業務管理装置100で行われてもよい。
【0129】
また、前記した各構成、機能、各部111〜113,121、各DB121〜130等は、それらの一部又はすべてを、例えば集積回路で設計すること等によりハードウェアで実現してもよい。また、
図1に示すように、前記した各構成、機能等は、CPU101,201等のプロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、HD(Hard Disk)に格納すること以外に、メモリ110,210や、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又は、IC(Integrated Circuit)カードや、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。また、各DB121〜130のうち、少なくとも1つがクラウド等、業務管理装置100の外部に備えられていてもよい。
また、各実施形態において、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【解決手段】収集した異常に関する情報を、異常情報や、異常に対する対策に関する情報である対策情報が格納される対策進捗情報記憶部に格納する各DB121〜126と、異常が継続している時間時間の長さが所定の時間を超えると、異常の状態を更新する設備異常監視部112と、対策の状況を監視し、対策の状況が変化すると、対策の状態を更新する対策監視部113と、異常が継続している時間の長さ、及び、対策の状況に応じて、アラーム情報の表示方法を変化させることを特徴とする。