(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態のエアロゾル吸引器用の電源ユニット及びエアロゾル吸引器について説明する。
【0010】
(エアロゾル吸引器)
エアロゾル吸引器1は、燃焼を伴わずに香味を吸引するための器具であり、所定方向(以下、長手方向Aと呼ぶ)に沿って延びる棒形状を有する。エアロゾル吸引器1は、
図1に示すように、長手方向Aに沿って電源ユニット10と、第1カートリッジ20と、第2カートリッジ30と、がこの順に設けられている。第1カートリッジ20は、電源ユニット10に対して着脱可能であり、第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20に対して着脱可能である。言い換えると、第1カートリッジ20及び第2カートリッジ30は、それぞれ交換可能である。
【0011】
<第1実施形態>
(電源ユニット)
第1実施形態の電源ユニット10は、
図2及び
図3に示すように、円筒状の電源ユニットケース11の内部に電源12、充電器13、制御部50、各種センサ等を収容する。
【0012】
電源ユニットケース11の長手方向Aの一端側(第1カートリッジ20側)に位置するトップ部11aには、放電端子41が設けられる。放電端子41は、トップ部11aの上面から第1カートリッジ20に向かって突出するように設けられ、第1カートリッジ20の負荷21と電気的に接続可能に構成される。
【0013】
また、トップ部11aの上面には、放電端子41の近傍に、第1カートリッジ20の負荷21に空気を供給する空気供給部42が設けられている。
【0014】
電源ユニットケース11の長手方向Aの他端側(第1カートリッジ20と反対側)に位置するボトム部11bには、外部電源(不図示)と非接触で電源12を充電するための受電コイル43と、受電コイル43が受電した交流電力を直流電力に変換する整流器44とが収容されている。非接触による電力伝送(Wireless Power Transfer)の方式は、電磁誘導方式でもよいし、磁気共鳴方式でもよく、電磁誘導方式と磁気共鳴方式を組合せたものでもよく、他の方式でもよい。いずれの方式の非接触による電力伝送であっても、電源ユニットケース11は、外部電源と物理的に接触してもよいし、接触しなくてもよい。また、本明細書においては、非接触による電力伝送は、無接点による電力伝送と同義なものとして扱う。
【0015】
また、電源ユニットケース11のトップ部11aの側面には、ユーザが操作可能な操作部14が設けられる。操作部14は、ボタン式のスイッチ、タッチパネル等から構成され、ユーザの使用意思を反映して制御部50及び各種センサを起動/遮断する際等に利用される。
【0016】
電源12は、充電可能な二次電池であり、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。充電器13は、整流器44から電源12へ入力される充電電力を制御する。充電器13は、DC−DCコンバータ、電圧計、電流計、プロセッサ等を含む充電ICを用いて構成される。
【0017】
制御部50は、
図4に示すように、充電器13、操作部14、パフ(吸気)動作を検出する吸気センサ15、電源12の電圧を測定する電圧センサ16、温度を検出する温度センサ17等の各種センサ装置、及びパフ動作の回数又は負荷21への通電時間等を記憶するメモリー18に接続され、エアロゾル吸引器1の各種の制御を行う。吸気センサ15は、コンデンサマイクロフォンや圧力センサ等から構成されていてもよい。制御部50は、具体的にはプロセッサ(MCU:マイクロコントローラユニット)である。このプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0018】
(第1カートリッジ)
第1カートリッジ20は、
図3に示すように、円筒状のカートリッジケース27の内部に、エアロゾル源22を貯留するリザーバ23と、エアロゾル源22を霧化する電気的な負荷21と、リザーバ23から負荷21へエアロゾル源を引き込むウィック24と、エアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルが第2カートリッジ30に向かって流れるエアロゾル流路25と、第2カートリッジ30の一部を収容するエンドキャップ26と、を備える。
【0019】
リザーバ23は、エアロゾル流路25の周囲を囲むように区画形成され、エアロゾル源22を貯留する。リザーバ23には、樹脂ウェブや綿等の多孔体が収容され、且つ、エアロゾル源22が多孔体に含浸されていてもよい。リザーバ23には、樹脂ウェブ又は綿状の多孔質体が収容されず、エアロゾル源22のみが貯留されていてもよい。エアロゾル源22は、グリセリン、プロピレングリコール、水などの液体を含む。
【0020】
ウィック24は、リザーバ23から毛管現象を利用してエアロゾル源22を負荷21へ引き込む液保持部材であって、例えば、ガラス繊維や多孔質セラミックなどによって構成される。
【0021】
負荷21は、電源12から放電端子41を介して供給される電力によって燃焼を伴わずにエアロゾル源22を霧化する。負荷21は、所定ピッチで巻き回される電熱線(コイル)によって構成されている。なお、負荷21は、エアロゾル源22を霧化してエアロゾルを発生可能な素子であればよく、例えば、発熱素子、又は超音波発生器である。発熱素子としては、発熱抵抗体、セラミックヒータ、及び誘導加熱式のヒータ等が挙げられる。
【0022】
エアロゾル流路25は、負荷21の下流側であって、電源ユニット10の中心線L上に設けられる。
【0023】
エンドキャップ26は、第2カートリッジ30の一部を収容するカートリッジ収容部26aと、エアロゾル流路25とカートリッジ収容部26aとを連通させる連通路26bと、を備える。
【0024】
(第2カートリッジ)
第2カートリッジ30は、香味源31を貯留する。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20のエンドキャップ26に設けられたカートリッジ収容部26aに着脱可能に収容される。第2カートリッジ30は、第1カートリッジ20側とは反対側の端部が、ユーザの吸口32となっている。なお、吸口32は、第2カートリッジ30と一体不可分に構成される場合に限らず、第2カートリッジ30と着脱可能に構成されてもよい。このように吸口32を電源ユニット10と第1カートリッジ20とは別体に構成することで、吸口32を衛生的に保つことができる。
【0025】
第2カートリッジ30は、負荷21によってエアロゾル源22が霧化されることで発生したエアロゾルを香味源31に通すことによってエアロゾルに香味を付与する。香味源31を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。香味源31は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源31には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
【0026】
本実施形態のエアロゾル吸引器1では、エアロゾル源22と香味源31と負荷21とによって、香味が付加されたエアロゾルを発生させることができる。つまり、エアロゾル源22と香味源31は、エアロゾルを発生させるエアロゾル生成源と言うことができる。
【0027】
エアロゾル吸引器1に用いられるエアロゾル生成源の構成は、エアロゾル源22と香味源31とが別体になっている構成の他、エアロゾル源22と香味源31とが一体的に形成されている構成、香味源31が省略されて香味源31に含まれ得る物質がエアロゾル源22に付加された構成、香味源31の代わりに薬剤や漢方等がエアロゾル源22に付加された構成等であってもよい。
【0028】
このように構成されたエアロゾル吸引器1では、
図3中、矢印Bで示すように、電源ユニットケース11に設けられた空気取込口(不図示)から流入した空気が、空気供給部42から第1カートリッジ20の負荷21付近を通過する。負荷21は、ウィック24によってリザーバ23から引き込まれた又は移動させられたエアロゾル源22を霧化する。霧化されて発生したエアロゾルは、空気取込口から流入した空気と共にエアロゾル流路25を流れ、連通路26bを介して第2カートリッジ30に供給される。第2カートリッジ30に供給されたエアロゾルは、香味源31を通過することで香味が付与され、吸口32に供給される。
【0029】
また、エアロゾル吸引器1には、各種情報を報知する報知部45が設けられている。報知部45は、発光素子によって構成されていてもよく、振動素子によって構成されていてもよく、音出力素子によって構成されていてもよい。また、報知部45は、発光素子、振動素子及び音出力素子のうち、2以上の素子の組合せであってもよい。報知部45は、電源ユニット10、第1カートリッジ20、及び第2カートリッジ30のいずれに設けられてもよいが、電源12からの導線を短くするため電源ユニット10に設けられることが好ましい。例えば、操作部14の周囲が透光性を有し、LED等の発光素子によって発光するように構成される。
【0030】
(電気回路)
続いて、電源ユニット10の電気回路について
図5を参照しながら説明する。
【0031】
電源ユニット10は、電源12と、放電端子41を構成する正極側放電端子41a及び負極側放電端子41bと、電源12の正極側と正極側放電端子41aとの間及び電源12の負極側と負極側放電端子41bとの間に接続される制御部50と、受電コイル43及び整流器44を含む非接触充電回路46と、非接触充電回路46と電源12との電力伝達経路上に配置される充電器13と、電源12と放電端子41との電力伝達経路上に配置されるスイッチ19と、を備える。スイッチ19は、例えばMOSFETにより構成され、制御部50がゲート電圧を調整することによって開閉制御される。
【0032】
(制御部)
制御部50は、
図4に示すように、エアロゾル生成要求検出部51と、電力制御部53と、報知制御部54と、を備える。
【0033】
エアロゾル生成要求検出部51は、吸気センサ15の出力結果に基づいてエアロゾル生成の要求を検出する。吸気センサ15は、吸口32を通じたユーザの吸引により生じた電源ユニット10内の圧力変化の値を出力するよう構成されている。吸気センサ15は、例えば、空気取込口から吸口32に向けて吸引される空気の流量(すなわち、ユーザのパフ動作)に応じて変化する気圧に応じた出力値(例えば、電圧値又は電流値)を出力する圧力センサである。なお、吸気センサは検出した空気の流量や圧力がユーザのパフ動作に該当しえるか否かを判断し、ON値とOFF値のいずれか一方を出力するように構成されていてもよい。
【0034】
報知制御部54は、各種情報を報知するように報知部45を制御する。例えば、報知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの検出に応じて、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知するように報知部45を制御する。報知制御部54は、メモリー18に記憶されたパフ動作の回数又は負荷21への累積通電時間に基づいて、第2カートリッジ30の交換タイミングを報知する。報知制御部54は、第2カートリッジ30の交換タイミングの報知に限らず、第1カートリッジ20の交換タイミングの報知、電源12の交換タイミング、電源12の充電タイミング等を報知してもよい。
【0035】
電力制御部53は、エアロゾル生成要求検出部51がエアロゾル生成の要求を検出した際に放電端子41を介した電源12の放電を、スイッチ19のオン/オフによって制御する。
【0036】
電力制御部53は、負荷21によってエアロゾル源が霧化されることで生成されるエアロゾルの量が所望範囲に収まるように、言い換えると、電源12から負荷21に供給される電力量が一定範囲となるように制御する。具体的に説明すると、電力制御部53は、例えば、PWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御によってスイッチ19のオン/オフを制御する。これに代えて、電力制御部53は、PFM(Pulse Frequency Modulation:パルス周波数変調)制御によってスイッチ19のオン/オフを制御してもよい。
【0037】
電力制御部53は、負荷21への電力供給を開始してから所定期間が経過した場合に、電源12から負荷21に対する電力供給を停止してもよい。言い換えると、電力制御部53は、ユーザが実際にパフ動作を行っているパフ期間内であっても、パフ期間が所定期間を超えた場合に、電源12から負荷21に対する電力供給を停止する。所定期間は、ユーザのパフ期間のばらつきを抑制するために定められる。電力制御部53は、電源12の蓄電量に応じて、1回のパフ動作におけるスイッチ19のオン/オフのデューティ比を制御する。例えば、電力制御部53は、電源12から負荷21に電力を供給するオン時間の間隔(パルス間隔)を制御したり、電源12から負荷21に電力を供給するオン時間の長さ(パルス幅)を制御したりする。
【0038】
また、電力制御部53は、受電コイル43による外部電源からの受電を検出し、充電器13を介した電源12の充電を制御する。
【0039】
(非接触充電回路)
図5に示すように、非接触充電回路46は、受電コイル43と、整流器44と、平滑コンデンサ47と、AC導線48と、DC導線49と、を備える。
【0040】
受電コイル43は、充電時に、外部電源によって交流電力で励磁される送電コイル61と非接触で近接配置され、送電コイル61から交流電力を非接触で受電する。
図6A及び
図6Bに示すように、本実施形態の受電コイル43は、1つのコイルで構成されているものの、電源ユニットケース11が縦向きに置かれた場合(
図6A参照)と電源ユニットケース11が横向きに置かれた場合(
図6B参照)の双方で、非接触で電力を受電可能となるように電源ユニットケース11のボトム部11bに配置されている。
【0041】
図3も参照して具体的に説明すると、本実施形態の受電コイル43は、コイル巻き軸中心線L1が、電源ユニットケース11の長さ方向における中心線Lに対して斜め(例えば、45°)になるように配置されている。
図6Aに示すように、送電コイル61が内装される充電マット62上に、電源ユニットケース11のボトム部11bが下側となる縦向きに電源ユニット10を置いた場合、受電コイル43が充電マット62の送電コイル61と所定の角度(例えば、45°)をもって非接触で対向し、送電コイル61からの磁束が受電コイル43を貫通する。また、
図6Bに示すように、充電マット62上に、横向きに電源ユニット10を置いた場合も、受電コイル43が充電マット62の送電コイル61と所定の角度(例えば、45°)をもって非接触で対向し、送電コイル61からの磁束が受電コイル43を貫通する。
【0042】
電磁誘導方式の非接触充電では、受電コイル43を貫通する送電コイル61が発生させた磁束が多いほど、非接触充電の効率が向上する。換言すれば、受電コイル43を貫通する送電コイル61が発生させた磁束が0の場合、非接触充電が行えない。送電コイル61が発生させた磁束を受電コイル43に貫通させるためには、受電コイル43と送電コイル61を対向させる必要がある。なお、本明細書においては、受電コイル43と送電コイル61がなす角度が90°である場合、受電コイル43と送電コイル61は対向しているとは扱わない点に留意されたい。
【0043】
前述した通り、本実施形態においては、充電マット62上に、縦向きに電源ユニット10を置いた場合でも、横向きに電源ユニット10を置いた場合でも、受電コイル43が送電コイル61と所定の角度(例えば、45°)をもって非接触で対向し、送電コイル61からの磁束が受電コイル43を貫通する。従って、どちらの場合でも、受電コイルによる受電が可能になる。
【0044】
以上、電磁誘導方式による非接触充電について説明したが、磁気共鳴方式による非接触充電においても、受電コイル43と送電コイル61がなす角度が90°である場合は受電コイル43が発生した磁界によって送電コイル61が共鳴しないため、非接触充電が行えない。そこで、受電コイル43を、コイル巻き軸中心線L1が電源ユニットケース11の長さ方向における中心線Lに対して斜め(例えば、45°)になるように配置する。このようにすれば、磁気共鳴方式における非接触充電においても、充電マット62上に、縦向きに電源ユニット10を置いた場合でも、横向きに電源ユニット10を置いた場合でも、受電コイルによる受電が可能になる。
【0045】
なお、コイル巻き軸中心線L1の電源ユニットケース11の中心線Lに対する角度は、45°に限らず、例えば、電源ユニット10が縦向きに置かれる場合と横向きに置かれる場合の頻度、電源ユニット10が縦向きに置かれる場合と横向きに置かれる場合の送電コイル61と受電コイル43との距離等に基づいて適宜選択される。
【0046】
電源ユニットケース11には、横向きに電源ユニット10を置いた場合に、電力を受電可能な所定の角度範囲に電源ユニット10を維持できるように位置規制部が設けられることが好ましい。
【0047】
このような電源ユニット10によれば、非接触で電源12の充電を行うにあたり、ユーザが電源ユニットケース11の向きを気にする必要がないので、非接触で電源12を充電する際の利便性を向上させることが可能になる。また、受電コイル43は、電源ユニットケース11の長さ方向における中心線Lに対して斜めに配置されるので、1つの受電コイル43で縦置きと横置きの双方で、非接触充電が可能となる。
【0048】
整流器44は、受電コイル43が受電した交流電力を直流電力に変換する。整流器44が変換した直流電力は、平滑コンデンサ47によって平滑化される。本実施形態の整流器44は、
図5に示すように、4個のダイオードD1〜D4をブリッジ接続した全波整流回路であるが、半波整流回路であってもよい。本実施形態の整流器44をより具体的に説明すると、ダイオードD1のアノード及びダイオードD2のカソードは、受電コイル43の一端から延びるAC導線48に第1接続点P1で接続されており、ダイオードD3のアノード及びダイオードD4のカソードは、受電コイル43の他端から延びるAC導線48に第2接続点P2で接続されている。また、ダイオードD1及びD3の各カソードは、正極側のDC導線49に第3接続点P3で接続されており、ダイオードD2及びD4の各アノードは、負極側のDC導線49に第4接続点P4で接続されている。
【0049】
AC導線48は、受電コイル43と整流器44とを接続し、受電コイル43が受電した交流電力を整流器44に供給する。AC導線48は、交流電力が流れるため、表皮効果によって発熱が生じる可能性がある。
【0050】
DC導線49は、整流器44と充電器13とを接続し、整流器44で変換された直流電力を充電器13に供給する。DC導線49は、AC導線48とは異なり、表皮効果による発熱は発生しない。
【0051】
ここで、DC導線49の長さは、AC導線48以上の長さであることが好ましい。このようにすると、AC導線48を短くできるので、表皮効果によるAC導線48の発熱や、AC導線48の発熱による回路素子への影響を抑制できる。特に磁気共鳴方式を用いる場合は、AC導線48の発熱で受電コイル43の温度が上がることに起因して送電コイル61と受電コイル43との間の結合係数が減少し、送電効率が低下する。AC導線48を短くすることで、この送電効率の低下を抑制できる。なお、回路素子は、整流器44、充電器13、制御部50に含まれる回路素子に加えて、これらを搭載する不図示の基板に設けられるコンデンサ、抵抗器を含む。
【0052】
(配置構成)
図3に示すように、電源ユニットケース11の内部には、ボトム部11bに受電コイル43及び整流器44が配置され、電源12に対し、受電コイル43及び整流器44と反対側に充電器13が配置されている。電源ユニットケース11が縦向きに置かれた状態における充電時に、受電コイル43が電源12より鉛直方向の下方に配置されることで、受電コイル43と充電マット62の送電コイル61との間の距離が短くなり、送電効率が向上する。さらに、電源12を挟んで受電コイル43の反対側に充電器13が配置されることで、受電コイル43の漏洩磁場が充電器13に与える影響を抑えることができる。
【0053】
なお、受電コイル43の中心を空洞にし、電源12などの電源ユニット10の構成要素をその空洞の中に配置したり、その空洞を貫通したりするように配置してもよい。このように電源ユニット10を構成すれば、電源ユニット10を小型化することができる。
【0054】
なお、受電コイル43及び整流器44は、長手方向Aにおいて電源12の一端側と他端側のうちいずれか一方に配置されていることが好ましい。これにより、受電コイル43と整流器44と結ぶAC導線48が、エアロゾル吸引器1の構成要素の中で最も大きい電源12を縦断又は横断せずに済むため、AC導線48が短くなり、表皮効果が低減される。なお、長手方向Aに直交する方向において、受電コイル43及び整流器44が電源12の一端側と他端側のうちいずれか一方に配置されていてもよい。本実施形態では、細長い円柱状の電源ユニット10を例示したが、電源ユニット10の電源ユニットケース11は、上面及び下面が長方形の四角柱状体や、上面及び下面が楕円形の楕円柱状体であってもよく、全体として卵形状を有していてもよい。この場合、長手方向Aに直交する方向において、電源12を挟んで受電コイル43の反対側に充電器13を配置すれば、受電コイル43の漏洩磁場が充電器13に与える影響をより適切に抑えることができる。
【0055】
また、
図3に示すように、受電コイル43を収容する電源ユニットケース11内には、回路素子を受電コイル43の漏洩磁場から保護するシールド81が設けられている。シールド81は、フェライトや軟磁性材などで構成され、漏洩磁束を吸収することにより、漏洩磁場を遮蔽若しくは低減することができる。
【0056】
(回路構成の変形例)
本実施形態の電源ユニット10に適用される回路構成は、
図5に示される回路構成に限定されず、例えば、
図7に示すような回路構成を適用できる。
図7に示す回路構成は、変換器として整流器44の代わりにインバータ70が設けられている点が
図5に示される回路構成と相違している。インバータ70は、4個のスイッチング素子71をブリッジ接続することで構成される。スイッチング素子71は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、又はMOSFET(Metal Oxide Semi-conductor Field Effect Transistor)等のトランジスタであり、制御部50がゲート電圧を調整することによって開閉制御される。
【0057】
本実施形態のインバータ70をより具体的に説明すると、トランジスタT1のエミッタ及びトランジスタT2のコレクタは、受電コイル43の一端から延びるAC導線48に第1接続点P1で接続されており、トランジスタT3のエミッタ及びトランジスタT4のコレクタは、受電コイル43の他端から延びるAC導線48に第2接続点P2で接続されている。また、トランジスタT1及びトランジスタT3の各コレクタは、正極側のDC導線49に第3接続点P3で接続されており、トランジスタT2及びトランジスタT4の各エミッタは、負極側のDC導線49に第4接続点P4で接続されている。また、各トランジスタT1〜T4のコレクタ−エミッタ間においてエミッタからコレクタに向けて順方向となるように接続されるダイオードD1〜D4が設けられている。整流器44の代わりにインバータ70を用いることで、受電コイル43を送電コイルとして利用することが可能となる。
【0058】
即ち、受電コイル43に他のデバイスの受電コイルを近接させた状態で、受電コイル43を電源12の電力で励磁し、他のデバイスの受電コイルに送電することができる。このとき、インバータ70は、トランジスタT1、T4をオンとし且つトランジスタT2、T3をオフとする状態と、トランジスタT1、T4をオフとし且つトランジスタT2、T3をオンとする状態と、を繰り返すことで電源12から供給される直流電力を交流電力に変換する。なお、インバータ70によって、受電コイル43が受電した交流電力を直流電力へ変換する場合は、トランジスタT1〜T4の全てがオフになるように制御される。
【0059】
つぎに、電源ユニット10の第2実施形態及び第3実施形態について、
図8〜
図16を参照して順次説明する。ただし、第1実施形態と共通の構成については、第1実施形態と同じ符号を用いることにより、第1実施形態の説明を援用する。また、第2実施形態及び第3実施形態においても整流器の代わりにインバータを用いてもよいが、以降の説明では、整流器を例に説明する。さらに、第2実施形態及び第3実施形態の電源ユニット10に適用される回路構成においては、電源12と放電端子41との間の回路は図示を省略する。
【0060】
<第2実施形態>
図8〜
図10に示すように、第2実施形態の電源ユニット10は、電源ユニットケース11が横向きに置かれた場合に非接触で電力を受電可能な第1受電コイル43B1(
図9B参照)と、電源ユニットケース11が縦向きに置かれた場合に非接触で電力を受電可能な第2受電コイル43B2(
図9A参照)と、を備える点が第1実施形態と相違している。このような電源ユニット10によれば、横置きと縦置きでそれぞれ専用の受電コイル43B1、43B2を有するので、横置きと縦置きの双方で効率的に充電できる。
【0061】
具体的に説明すると、
図8に示すように、第1受電コイル43B1は、コイル巻き軸中心線L11が、電源ユニットケース11の長さ方向における中心線Lに対して直交する方向に沿うように電源ユニットケース11の略中間部(以下、単に中間部と称する)に配置され、第2受電コイル43B2は、コイル巻き軸中心線L12が、電源ユニットケース11の長さ方向における中心線Lに沿うように電源ユニットケース11のボトム部11bに配置される。このようにすると、横置き、縦置きのいずれの姿勢で充電を行う場合でも、受電コイル43B1、43B2を送電コイル61に対して略平行に対向させることができるので、横置きと縦置きの双方で効率の良い非接触充電を行うことが可能になる。
【0062】
図10に示すように、第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2は、充電器13に対して並列に接続される。より具体的に説明すると、第1受電コイル43B1と充電器13とを接続するDC導線49と、第2受電コイル43B2と充電器13とを接続するDC導線49とが、第5接続点P5及び第6接続点P6で接続される。このようにすると、充電器13を共通化できるので、電源ユニット10の大型化・重量化・高コスト化を抑制することが可能になる。なお、第1受電コイル43B1と充電器13の間には第1整流器44B1が、第2受電コイル43B2と充電器13の間には第2整流器44B2がそれぞれ設けられる。このような回路構成においても、第1受電コイル43B1と第2受電コイル43B2は、それぞれ第1整流器44B1と第2整流器44B2とを介して、充電器13に対して並列に接続される。
【0063】
また、充電器13に対して第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2に並列に接続する場合、第1受電コイル43B1と充電器13とを接続する回路の一部と、第2受電コイル43B2と充電器13とを接続する回路の一部とを、共通化することができる。即ち、本実施形態では、第5接続点P5及び第6接続点P6と充電器13との間のDC導線49が共通化されている。このようにすると、回路の共通化により、電源ユニット10の大型化・重量化・高コスト化をより一層抑制できる。
【0064】
また、前述したように、第2実施形態の電源ユニット10は、第1受電コイル43B1が受電した交流電力を直流電力に変換する第1整流器44B1と、第2受電コイル43B2が受電した交流電力を直流電力に変換する第2整流器44B2と、を備える。第2実施形態の電源ユニット10では、第1受電コイル43B1と第2受電コイル43B2とが電源ユニットケース11内において離間して配置されるが、第1整流器44B1は、第1受電コイル43B1の近傍に配置され、第2整流器44B2は、第2受電コイル43B2の近傍に配置される。このようにすると、AC導線48が短くなるので、表皮効果によって生じ得る発熱や回路素子への影響を抑制できる。また、第1受電コイル43B1及び第1整流器44B1と、第2受電コイル43B2及び第2整流器44B2とは、電源12を挟んで反対側に配置されているので、互いに干渉することなく縦置きと横置きとで最適な位置に受電コイル43B1、43B2を配置することが可能になる。
【0065】
(回路構成の変形例)
第2実施形態の電源ユニット10に適用される回路構成は、
図10に示される回路構成に限定されず、例えば、
図11に示すような回路構成を適用できる。
図11に示す回路構成は、充電器13の入力側の共通化されたDC導線49にリップル除去用の平滑コンデンサ47、及び充電器13に過大な電圧が印加されないようにするためのツェナーダイオード40が設けられている点が
図10の回路構成と相違している。
【0066】
なお、必ずしも平滑コンデンサ47及びツェナーダイオード40の両方が設けられている必要はなく、充電器13の入力側の共通化されたDC導線49に平滑コンデンサ47とツェナーダイオード40との少なくとも一方が設けられていればよい。第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2が、それぞれ第1整流器44B1と第2整流器44B2とを介して、平滑コンデンサ47とツェナーダイオード40との少なくとも一方に対して並列に接続されることで、平滑コンデンサ47とツェナーダイオード40の少なくとも一方を共通化することができ、電源ユニット10の大型化・重量化・高コスト化をより一層抑制できる。また、第1整流器44B1及び第2整流器44B2も、平滑コンデンサ47とツェナーダイオード40の少なくとも一方に対して並列に接続されるので、回路素子の一層の共通化が図られる。
【0067】
平滑コンデンサ47とツェナーダイオード40の少なくとも一方は、第1受電コイル43B1が非接触で電力を受電した場合と第2受電コイル43B2が非接触で電力を受電した場合の双方において、充電器13が正常に動作可能な電力を供給するように構成される。具体的には、平滑コンデンサ47の容量は、第1受電コイル43B1から供給される電力と第2受電コイル43B2から供給される電力とのうちリップルが大きい方に基づき設定される。また、ツェナーダイオード40のツェナー電圧は、第1受電コイル43B1から供給される電力と第2受電コイル43B2から供給される電力とのうち過渡電圧又は定常的な電圧が高い方に基づき設定される。このようにすると、平滑コンデンサ47のみを用いる場合又はツェナーダイオード40のみを用いる場合でも、電源ユニット10の小型化及び軽量化を図りつつ、充電器13を適切に保護することができる。
【0068】
なお、第2実施形態の電源ユニット10では、
図8に示すように、第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2の背後に第1シールド81B1及び第2シールド81B2が設けられており、第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2の漏洩磁場から回路素子を保護している。
【0069】
<第3実施形態>
図12〜
図15に示すように、第3実施形態の電源ユニット10は、電源ユニットケース11が横向きに置かれた場合に非接触で電力を受電可能な第1受電コイル43B1(
図13B参照)と、電源ユニットケース11が縦向きに置かれた場合に非接触で電力を受電可能な第2受電コイル43B2(
図13A参照)と、を備えるにあたり、第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2が電源12の一端側に隣接して配置される点と、整流器44が共通化される点が第2実施形態と相違している。
【0070】
具体的に説明すると、第3実施形態の第2受電コイル43B2は、電源ユニットケース11の中間部で、且つ、第1受電コイル43B1の近傍に配置されている。電源ユニットケース11の中間部に配置された第2受電コイル43B2は、電源ユニットケース11が縦向きに置かれた場合に、電源ユニットケース11の中間部を囲むリング状の送電コイル61からの磁束を捉えることによっても、電力を受電することができる。言い換えると、第3実施形態の電源ユニット10を第2受電コイル43B2で充電する場合は、電源ユニットケース11が貫通可能な送電コイル61を備える充電台(不図示)を用いてもよく、第1実施形態における充電マット62を用いてもよい。充電マット62を用いる場合には、電磁誘導方式より長距離の電力伝送が可能な磁気共鳴方式で電力伝送が行われることが好ましい。
【0071】
図14に示すように、第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2は、1つの整流器44に対して並列に接続される。より具体的に説明すると、第1受電コイル43B1と整流器44とを接続するAC導線48と、第2受電コイル43B2と整流器44とを接続するAC導線48とが、第7接続点P7及び第8接続点P8で接続される。このようにすると、整流器44を共通化することができるので、電源ユニット10の大型化・重量化・高コスト化をより一層抑制することが可能になる。
【0072】
また、1つの整流器44に第1受電コイル43B1及び第2受電コイル43B2を並列に接続する場合、第1受電コイル43B1と第2受電コイル43B2を接続する回路には、第1受電コイル43B1と第2受電コイル43B2との間の短絡を防止する素子91を設けることが好ましい。具体的には、第1受電コイル43B1と第7接続点P7との間、及び第2受電コイル43B2と第8接続点P8との間に、それぞれ素子91が設けられている。このようにすると、第1受電コイル43B1と第2受電コイル43B2との間の短絡によって充電効率が低下することを回避できる。
【0073】
素子91は、電流の流れ方向を規制するダイオードDであることが好ましい。これにより、マイクロコンピュータによる指令が無くとも、ダイオードDで受電コイル43B1、43B2間の短絡を防止できるので、マイクロコンピュータのピンの削減が可能になる。なお、2つのダイオードDのうち少なくとも一方には、逆流防止ダイオードに代えて、IGBTなどの寄生ダイオードを用いても良い。
【0074】
(回路構成の第1変形例)
素子91は、
図15に示すように、ダイオードDの代わりに、制御部50によって制御され、回路を開閉する開閉器Sとしてもよい。この場合、第1受電コイル43B1を用いて充電しているとき、第2受電コイル43B2側の開閉器Sを開放し、第2受電コイル43B2を用いて充電しているとき、第1受電コイル43B1側の開閉器Sを開放することで、第1受電コイル43B1と第2受電コイル43B2との間の短絡を確実に防止できる。また、開閉器Sを用いると、開閉器Sを通過するときの抵抗が小さいため、充電効率を向上させることができる。
【0075】
(回路構成の第2変形例)
また、
図16に示すように、第3実施形態の電源ユニット10においても、充電器13の入力側のDC導線49にリップル除去用の平滑コンデンサ47と充電器13に過大な電圧が印加されないようにするためのツェナーダイオード40との少なくとも一方が設けられていることが好ましい。これにより、電源ユニット10の小型化及び軽量化を図りつつ、充電器13を適切に保護することができる。
【0076】
なお、本発明は、上記した実施形態に限らず、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、受電コイルは、平面的に構成されてもよいし、立体的に構成されてもよい。例えば、電源ユニットケースが少なくとも一部に丸みを帯びた湾曲部を有する場合、第1受電コイルは、電源ユニットケースの湾曲部に少なくとも一部が対向するように配置され、且つ、0ではない曲率を有するものとできる。このようにすると、横置き用の第1受電コイルが曲率を持つため、曲率によって第1受電コイルの径を大きくでき、横置き時の充電効率を高くできる。また、電源ユニットケース内のスペースを有効活用することで、電源ユニットケースのサイズの大型化を回避できる。
【0077】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0078】
(1)
エアロゾル源からエアロゾルを生成可能な負荷(負荷21)に対して電力を供給可能な電源(電源12)と、
前記電源を収容する筐体(電源ユニットケース11)と、を備えるエアロゾル吸引器(エアロゾル吸引器1)用の電源ユニット(電源ユニット10)であって、
前記筐体には、前記筐体が横向きに置かれた場合と前記筐体が縦向きに置かれた場合の双方で、非接触で電力を受電可能な少なくとも一つの受電コイル(受電コイル43)が収容されている、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0079】
(1)によれば、受電コイルは、筐体が横向きに置かれた場合と筐体が縦向きに置かれた場合の双方で、非接触で電力を受電可能なので、非接触充電を行うにあたり、ユーザが筐体の向きを気にしなくてもよい。
【0080】
(2)
(1)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記受電コイルは、前記筐体の長さ方向における中心軸(中心線L)に対して斜めに配置される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0081】
(2)によれば、受電コイルが筐体の長さ方向における中心軸に対して斜めに配置されるので、1つの受電コイルで縦置きと横置きの双方で、非接触充電が可能となる。換言すれば、最低限の回路素子で、縦置きと横置きの双方で、非接触充電が可能となる。
【0082】
(3)
(1)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記受電コイルは、
前記筐体が横向きに置かれた場合に非接触で電力を受電可能な第1受電コイル(第1受電コイル43B1)と、
前記第1受電コイルとは別体且つ前記筐体が縦向きに置かれた場合に非接触で電力を受電可能な第2受電コイル(第2受電コイル43B2)と、を備える、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0083】
(3)によれば、縦置きと横置きでそれぞれ専用の受電コイルを有するため、縦置きと横置きの双方で効率的に充電できる。換言すれば、縦置きと横置きの双方で非接触充電による充電の速度を向上できる。
【0084】
(4)
(3)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記電源の充電を制御可能な充電器(充電器13)をさらに備え、
前記第1受電コイル及び前記第2受電コイルは、前記充電器に対して並列に接続される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0085】
(4)によれば、第1受電コイル及び第2受電コイルが充電器に対して並列に接続されるため、充電器を共通化することができ、電源ユニットの大型化・重量化・高コスト化を抑制できる。
【0086】
(5)
(4)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記第1受電コイルと前記充電器とを接続する回路の一部(DC導線49)と、前記第2受電コイルと前記充電器とを接続する回路の一部(DC導線49)とは、共通化されている、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0087】
(5)によれば、第1受電コイルと充電器とを接続する回路の一部と、第2受電コイルと充電器とを接続する回路の一部は、共通化されているので、電源ユニットの大型化・重量化・高コスト化をより一層抑制できる。
【0088】
(6)
(3)〜(5)のいずれかに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記電源の充電を制御可能な充電器(充電器13)と、
前記充電器に接続され、交流電力を直流電力に変換する変換器(整流器44、インバータ70)と、をさらに備え、
前記第1受電コイル及び前記第2受電コイルは、前記変換器に対して並列に接続される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0089】
(6)によれば、第1受電コイル及び第2受電コイルが変換器に対して並列に接続されるため、変換器を共通化することができ、電源ユニットの大型化・重量化・高コスト化をより一層抑制できる。
【0090】
(7)
(4)〜(6)のいずれかに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記充電器の入力側に接続される平滑コンデンサ(平滑コンデンサ47)とツェナーダイオード(ツェナーダイオード40)の少なくとも一方をさらに備え、
前記第1受電コイル及び前記第2受電コイルは、前記平滑コンデンサと前記ツェナーダイオードの少なくとも一方に対して並列に接続される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0091】
(7)によれば、第1受電コイル及び第2受電コイルが平滑コンデンサとツェナーダイオードの少なくとも一方に対して並列に接続されるので、平滑コンデンサとツェナーダイオードの少なくとも一方を共通化することができ、電源ユニットの大型化・重量化・高コスト化をより一層抑制できる。
【0092】
(8)
(7)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記平滑コンデンサと前記ツェナーダイオードの少なくとも一方は、前記第1受電コイルが非接触で電力を受電した場合と前記第2受電コイルが非接触で電力を受電した場合の双方において、前記充電器が正常に動作可能な電力を供給可能に構成される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0093】
(8)によれば、平滑コンデンサとツェナーダイオードの少なくとも一方は、より改善が必要な充電電力に合わせて構成されるため、単一の平滑コンデンサ又はツェナーダイオードを用いる場合でも、電源ユニットの小型化及び軽量化に加えて、充電器を適切に保護することができる。
【0094】
(9)
(7)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記平滑コンデンサの容量は、前記第1受電コイルから供給される電力と前記第2受電コイルから供給される電力とのうちリップルが大きい方に基づき設定される、
及び/又は、前記ツェナーダイオードのツェナー電圧は、前記第1受電コイルから供給される電力と前記第2受電コイルから供給される電力とのうち過渡電圧又は定常的な電圧が高い方に基づき設定される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0095】
(9)によれば、単一の平滑コンデンサ又はツェナーダイオードを用いる場合でも、電源ユニット小型化及び軽量化に加えて、充電器を適切に保護することができる。
【0096】
(10)
(3)〜(9)のいずれかに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記筐体は、少なくとも一部に丸みを帯びた湾曲部を有し、
前記第1受電コイルは、前記湾曲部に少なくとも一部が対向するように配置され、且つ、0ではない曲率を有する、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0097】
(10)によれば、横置き用の受電コイルが曲率を持つため、曲率によって受電コイルの径を大きくでき、横置き時の充電効率を高くできる。また、筐体内のスペースを有効活用することで、筐体サイズの大型化を回避できる。
【0098】
(11)
(3)〜(5)のいずれかに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
交流電力を直流電力に変換する変換器(整流器44、インバータ70)をさらに備え、
前記変換器は、
第1変換器(第1整流器44B1)と、
前記第1変換器とは別体である第2変換器(第2整流器44B2)と、を備え、
前記第1受電コイル及び前記第2受電コイルは、前記筐体内において離間して配置され、
前記第1受電コイルは、前記第1変換器に接続され、
前記第2受電コイルは、前記第2変換器に接続される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0099】
(11)によれば、2つの受電コイルを離間して配置した場合に、変換器を2つ設けるため、受電コイルと変換器とを接続するAC導線が短くなり、表皮効果によって生じ得る発熱や回路素子への影響を抑制できる。
【0100】
(12)
(11)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記第1変換器と前記第2変換器は、前記筐体に収容され、
前記第1受電コイルと前記第1変換器は、前記電源の一端側に配置され、
前記第2受電コイルと前記第2変換器は、前記電源の他端側に配置される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0101】
(12)によれば、第1受電コイル及び第1変換器と、第2受電コイル及び第2変換器とを、電源を挟んで反対側に配置することで、縦置きと横置きとで最適な位置に受電コイルを配置できる。
【0102】
(13)
(11)又は(12)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記電源の充電を制御可能な充電器(充電器13)をさらに備え、
前記充電器の入力側に接続される平滑コンデンサ(平滑コンデンサ47)とツェナーダイオード(ツェナーダイオード40)の少なくとも一方をさらに備え、
前記第1変換器及び前記第2変換器は、前記平滑コンデンサと前記ツェナーダイオードの少なくとも一方に対して並列に接続される、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0103】
(13)によれば、第1変換器及び第2変換器が平滑コンデンサとツェナーダイオードの少なくとも一方に対して並列に接続されるので、回路素子の共通化が図られ、電源ユニットを小型化及び軽量化できる。
【0104】
(14)
(3)〜(10)のいずれかに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記第1受電コイルと前記第2受電コイルの間における短絡を防止する素子(素子91)をさらに備える、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0105】
(14)によれば、第1受電コイルと第2受電コイルとの間の短絡を防止する素子を有するため短絡による充電効率の低下を避けることができる。併せて、第1受電コイルと第2受電コイルのうち一方のコイルが受電している際に、他方のコイルを適切に保護することができる。
【0106】
(15)
(14)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記素子は、開閉器である、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0107】
(15)によれば、開閉器で回路を切り離すことで、第1受電コイルと第2受電コイルとの間の短絡を確実に防止できる。また、開閉器を通過する場合の抵抗が小さいため、充電効率が向上する。さらに、第1受電コイルと第2受電コイルのうち一方のコイルが受電している際に、他方のコイルを適切に保護することができる。
【0108】
(16)
(14)に記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記素子は、ダイオード(ダイオードD)である、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0109】
(16)によれば、ダイオードでコイル間の短絡を防止するため、マイクロコンピュータによる指令が無くともコイル間の短絡を防止でき、マイクロコンピュータのピンの削減が可能になる。さらに、第1受電コイルと第2受電コイルのうち一方のコイルが受電している際に、他方のコイルを適切に保護することができる。
【0110】
(17)
(6)、(11)〜(13)のいずれかに記載のエアロゾル吸引器用の電源ユニットであって、
前記変換器は、整流器(整流器44)又はインバータ(インバータ70)である、エアロゾル吸引器用の電源ユニット。
【0111】
(17)によれば、変換器を汎用性の高い整流器又はインバータとすることで、製造コストを抑えることができる。
【解決手段】エアロゾル源からエアロゾルを生成可能な負荷21に対して電力を供給可能な電源12と、電源12を収容する電源ユニットケース11と、を備えるエアロゾル吸引器1用の電源ユニット10であって、電源ユニットケース11には、電源ユニットケース11が横向きに置かれた場合と電源ユニットケース11が縦向きに置かれた場合の双方で、非接触で電力を受電可能な少なくとも一つの受電コイル43が収容されている。