【文献】
Hair Milk,ID 1663446,Mintel GNPD[online],2011年10月,[検索日2020.03.25],インターネット,URL,https://www.portal.mintel.com
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔成分(A):被膜形成ポリマー〕
成分(A)の被膜形成ポリマーとしては、例えばシリコーン骨格を有する被膜形成ポリマーが挙げられ、このようなポリマーとしては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン等のポリシリコーン-9;ポリシリコーン-28等の国際公開第2014/002707号に記載のオルガノポリシロキサングラフトポリマー;Silsoft Spread TT(モメンティブ社)等のポリシリコーン-17;ポリシリコーン-6;ルビフレックスSilk(BASF社)等のアクリル酸アルキル・メタクリル酸・シリコーン共重合体;KP-545(信越化学工業社)等のアクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル等が挙げられる。
【0015】
上記以外の成分(A)の被膜形成ポリマーとしては、特開平2-180911号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;特開平8-291206号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体;ユカフォーマーM-75、ユカフォーマーR205、ユカフォーマー301(以上、三菱化学社)、RAMレジン(大阪有機化学社)等の(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー;ダイヤフォーマーZ-651(三菱化学社)等の(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー;ウルトラホールド8、ウルトラホールドStrong(以上、BASF社)等のアクリル酸/アクリル酸アミド/アクリル酸エチル共重合体;プラスサイズL-2714(互応化学工業社)等の(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー;プラスサイズL-9540B(互応化学工業社)等のアクリル樹脂アルカノールアミン液;ルビセットP.U.R.(BASFジャパン社)等のポリウレタン;ルビスコールPlus(BASF社)等のポリビニルカプロラクタム;アンフォーマー28-4910、アンフォーマーLV-71(以上、アクゾノーベル社)等の(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー;アンフォーマーHC(アクゾノーベル社)等の(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)コポリマー;レジン28-2930(アクゾノーベル社)等の(酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー;ダイナムX(アクゾノーベル社)等のポリウレタン-14・AMP-アクリレーツコポリマー;アクアフレックスSF-40(アシュランド社)等の(PVP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー;アクアフレックスFX-64(アイエスピー・ジャパン社)等の(イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミド)コポリマー;スタイリーゼCC-10(アシュランド社)等の(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー;PVP/VA E-735(アシュランド社)や、ルビスコールVA64P(BASF社)等の(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)コポリマー;ガフカット440、同734、755(アシュランド社)等のポリクオタニウム-11、ルビスコール K-17、同K-30(BASF社)等のポリビニルピロリドン;ルビセットClear(BASF社)等の(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール)コポリマー;ガントレッツES-225(アシュランド社)等の(ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル)コポリマー;ガントレッツES-425(アシュランド社)等の(ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル)コポリマー等が挙げられる。
【0016】
なかでも、セット性、乾き際のべとつきの無さ、塗布後の柔らかさの観点から、シリコーン骨格を有する被膜形成ポリマー、特開平2-180911号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、特開平8-291206号公報に記載のアルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)コポリマー、ポリクオタニウム-11、ポリビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー、(ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル)コポリマーから選ばれる1種又は2種以上の被膜形成ポリマーが好ましく、シリコーン骨格を有する被膜形成ポリマー、ポリビニルピロリドン、ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマーから選ばれる1種又は2種以上の被膜形成ポリマーがより好ましく、ポリシリコーン-9、及びポリシリコーン-28等の国際公開第2014/002707号に記載のオルガノポリシロキサングラフトポリマーが更に好ましい。
【0017】
本発明の毛髪化粧料中における成分(A)の含有量は、塗布直後の不自然な毛束のできにくさ、並びにハンドブロー中の髪の柔らかさ、髪のねじれの取れやすさ及び毛髪のきしみ軽減の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、また、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.45質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である。
【0018】
〔成分(B):炭素数8以上22以下のアルキル基を有するアルキルグリセリルエーテル〕
成分(B)のアルキルグリセリルエーテルは、炭素数8以上22以下のアルキル基を有するものであり、アルキル基の炭素数は、ハンドブロー中の指通りのよさ、髪のねじれの取れやすさの観点から、14以上、更には16以上が好ましく、また、20以下、更には18以下が好ましい。またアルキル基が分岐鎖であるものが好ましい。具体例としては、イソステアリルグリセリルエーテル、イソステアリルペンタエリスリルグリセリルエーテル等が挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0019】
本発明の毛髪化粧料中における成分(B)の含有量は、塗布直後の不自然な毛束のできにくさ、並びにハンドブロー中の指通りのよさ、髪のねじれの取れやすさ、及び毛髪のきしみ低減の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、また、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.47質量%以下、更に好ましくは0.45質量%以下である。
【0020】
また、本発明の毛髪化粧料中における成分(A)の含有量と成分(B)の含有量の質量比(A)/(B)は、塗布直後に毛束を形成せず、ハンドブロー時に指通り良く、柔らかな感触で、きしみなく、根元のねじれを取り、仕上がりを持続する観点から、0.1以上であって、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.4以上、更に好ましくは0.5以上であり、また、10.0以下であって、好ましくは5.0以下、より好ましくは2.0以下、更に好ましくは1.5以下である。
【0021】
〔成分(C):芳香族アルコール〕
成分(C)の芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p-アニシルアルコール、p-メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2-ベンジルオキシエタノール等が挙げられる。これらのうち、ベンジルアルコール、2-ベンジルオキシエタノールが好ましい。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0022】
本発明の毛髪化粧料中における成分(C)の含有量は、成分(B)を毛髪内に浸透させ髪のねじれを取れやすくすると共に、ハンドブロー中の指通りのよさと毛髪のきしみ低減とを両立させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上であり、また、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下、更に好ましくは0.4質量%以下である。
【0023】
また、本発明の毛髪化粧料中における成分(B)の含有量と成分(C)の含有量の質量比(B)/(C)は、成分(B)を毛髪内に浸透させ髪のねじれを取れやすくすると共に、ハンドブロー中の指通りのよさと毛髪のきしみ低減とを両立させる観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.2以上であり、また、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.5以下、更に好ましくは3.0以下である。
【0024】
〔成分(D):成分(B)以外の非イオン界面活性剤〕
成分(D)は成分(B)以外の非イオン界面活性剤である。成分(B)以外の非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。
【0025】
これらのうち、ポリオキシアルキレン付加型非イオン界面活性剤が好ましく、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。
【0026】
成分(D)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。本発明の毛髪化粧料中における成分(D)の含有量は、成分(B)の組成物中への均一溶解性の観点、及びハンドブロー中の指通りのよさと毛髪のきしみ低減とを両立させる観点から、0.01質量%以上であって、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、また、2質量%以下であって、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以下である。
【0027】
〔成分(E):有機酸〕
本発明の毛髪化粧料には、更に成分(E)として、有機酸を含有させることができる。有機酸としては、炭素数8以下のものが好ましく、モノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸が挙げられ、またヒドロキシカルボン酸でもよい。モノカルボン酸としては、酢酸、乳酸、グリコール酸等が挙げられ、ジカルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられ、トリカルボン酸としては、クエン酸等が挙げられる。また、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。なかでも、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、グリコール酸が好ましい。
【0028】
本発明の毛髪化粧料中における成分(E)の含有量は、塗布時の滑らかさの観点から、また、ハンドブロー中の指通りのよさ、毛髪のきしみ低減をより向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
【0029】
〔成分(F):多価アルコール〕
本発明の毛髪化粧料には、更に成分(F)として、多価アルコールを含有させることができる。多価アルコールとしては、炭素数2〜20のもの、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセリン類;キシリット、マンニット、ガラクチット、ソルビット等の糖アルコール類;その他トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
【0030】
多価アルコールは2種以上を併用してもよい。また、本発明の毛髪化粧料中における成分(F)の含有量は、ハンドブロー中の指通りのよさ、髪のねじれを取れやすさ、ハンドブロー後の毛髪形状の耐湿性をより向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
【0031】
〔媒体〕
本発明の毛髪化粧料は、媒体として水を使用することが好ましい。毛髪化粧料中の水の含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。
【0032】
本発明の毛髪化粧料には、更に水以外の媒体として、必要により有機溶剤が使用される。有機溶剤としては、エタノール、2-プロパノール等の低級アルカノール類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルセロソルブ等のセロソルブ類;エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類が挙げられる。
【0033】
〔その他の任意成分〕
本発明の毛髪化粧料には、以上の成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的に応じて配合できる。このような成分としては、例えば、成分(D)以外の界面活性剤、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、キレート剤、保湿剤(パンテノール等)、pH調整剤、染料、顔料等の着色剤、植物エキス、パール化剤、香料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0034】
〔粘度〕
本発明の毛髪化粧料の粘度は、毛髪の根元のねじれを取り除きやすくし、毛流れを整え、寝癖によるハネや折れ曲がり等のない自然なまとまりを与える点から、好ましくは0.1mPa・s以上、より好ましくは0.5mPa・s以上、更に好ましくは1.0mPa・s以上であり、また、好ましくは1000mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下、更に好ましくは10mPa・s以下である。
【0035】
ここでの粘度は、組成物の粘度が20,000mPa・sまではB型粘度計TVB-10M(東機産業社)で、組成物の粘度が20,000mPa・sを超える場合は、B型粘度計TVB-10R(東機産業社)とT-BAR STAGE TS-10(東機産業社)を併用し、30℃で60秒間回転後の条件で、以下のローター、回転数を用いて測定するものとする。回転数は、組成物の粘度が10mPa・sまでは30rpm、10mPa・sを超え20mPa・sまでは60rpm、20mPa・sを超え20,000mPa・sまでは30rpm、20,000mPa・sを超える場合は5rpmを使用し、また、ローターは、組成物の粘度が10mPa・sまではL/Adp、10mPa・sを超え200mPa・sまではM1、200mPa・sを超え1,000mPa・sまではM2、1,000mPa・sを超え4,000mPa・sまではM3、4,000mPa・sを超え20,000mPa・sまではM4、20,000mPa・sを超え160,000mPa・sまではT-B、160,000mPa・sを超える場合は、T-Cを使用する。
【0036】
〔剤型〕
本発明の毛髪化粧料の剤型としては、特に制限はなく、透明液状、ローション状、乳液状、霧状(ヘアミスト、ヘアスプレー)、泡状(ヘアムース)等が可能であるが、なかでも霧状の形態で塗布する剤型とすることが好ましく、ノンエアゾール型の剤型であることがより好ましい。なお、本発明の毛髪化粧料を、エアゾール原液と噴射剤からなるエアゾール式毛髪化粧料として用いる場合、各成分の含有量は、噴射剤を含まないエアゾール原液の全組成中の含有量をいうものとする
【0037】
〔整髪方法〕
本発明の毛髪化粧料を用いて、寝ぐせなどで毛先がハネた状態の髪を自然なまとまりのある仕上がりにするには、本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用し、すすぎ流すことなく、該毛髪化粧料を適用した毛髪にドライヤーの温風を当てながらブローする整髪方法を行うのが好ましい。
【0038】
本発明の毛髪化粧料は、乾燥した毛髪に対して適用しても、濡れた毛髪に対して適用してもよいが、整髪時間の短縮と寝ぐせや髪のねじれの解消とを両立する観点から、乾燥した毛髪に適用することが好ましい。
【0039】
また、本発明の毛髪化粧料は、髪の根元や寝癖で折れ曲がった箇所を中心に、髪全体に適用するのが好ましい。本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用後、頭髪全体になじませるには、毛髪に手グシを通す等の手を用いる方法、くし、ブラシ等の道具を用いる方法、及びその両者の組み合わせ等によればよい。
【0040】
ドライヤー等で温風を当てながらブローする際には、根元から髪をほぐすように髪に指や手を通せばよい。例えば、手の指を若干立てた状態で毛髪の根元に指を挿入し、毛先方向に対して垂直方向に頭皮に沿うように左右に動かしながら、徐々に毛先方向に指を動かす方法、ドライヤーの温風を当てながら頭髪から適量の毛束を取り、これに手、指等を用いて毛束の長さ方向に毛髪を引き伸ばす操作を所定時間かけて行う方法等が挙げられる。
【実施例】
【0041】
実施例1〜10、比較例1〜5
表1及び2に示す毛髪化粧料を調製し、これをトリガースプレイヤー付き容器〔吉野工業社製、トリガー:M3トリガー付きスプレイヤー〕に充填したものを用いて、下記方法及び基準に従って性能評価を行った。
【0042】
〔粘度の測定方法〕
各実施例及び比較例の組成物について、粘度が20,000mPa・sまではB型粘度計TVB-10M(東機産業社)で、30℃、60秒間回転後の条件により測定した。組成物の粘度が20,000mPa・s以上の場合は、B型粘度計TVB-10R(東機産業社)とT-BAR STAGE TS-10(東機産業社)を併用し、30℃、60秒間回転後の条件により測定した。
回転数は、粘度が10mPa・sまでは30rpm、10〜20mPa・sは60rpm、20〜20,000mPa・sは30rpm、20,000mPa・s以上は5rpmとした。また、ローターは、粘度が10mPa・sまではL/Adp、10〜200mPa・sはM1、粘度が200〜1,000mPa・sはM2、粘度が1,000〜4,000mPa・sはM3、粘度が4,000〜20,000mPa・sはM4を使用し、粘度が20,000〜160,000mPa・sはT-Bのローター、160,000mPa・sを超える場合は、T-Cのローターを使用して測定した。
【0043】
〔評価用毛束〕
化学的処理履歴の無い日本人のウエービー毛で毛髪を引っ張ってまっすぐに伸ばした時の長さ30cm、重さ0.5gの毛束を作製した。この毛束を、以下に処方を示すモデルシャンプーで洗浄した後、以下に処方を示すモデルリンスを塗布し、すすぎ流した後に、タオルで余分な水分を拭き取り、実験室条件下で2時間自然乾燥した後の毛束を評価に用いた。
【0044】
(モデルシャンプーの組成)
成分 (質量%)
ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.28
エデト酸二ナトリウム 0.1
安息香酸ナトリウム 0.5
オキシベンゾン 0.03
リン酸 0.075
ジブチルヒドロキシトルエン 0.01
塩化ナトリウム 0.8
赤色106号 0.00012
香料 0.26
精製水 バランス
合計 100
【0045】
(モデルリンスの組成)
成分 (質量%)
セテアリルアルコール 2.0
ステアルトリモニウムクロリド 0.76
ジステアリルジモニウムクロリド 2.7
プロピレングリコール 5.0
イソプロパノール 0.6
エチルパラベン 0.1
イオン交換水 バランス
合計 100
【0046】
〔評価方法・評価基準〕
評価用毛束に表1及び2に示す毛髪化粧料を1.0g塗布し均一になじませた後に、毛束の根元に指を入れ、根元から毛先に20cm/秒の速度で指を通すことを繰り返し行いながら、ドライヤー(Panasonic,EH5215P)の温風を当ててハンドブローを行いながら乾燥を行った。
毛髪化粧料塗布直後の「毛束のできにくさ」、ハンドブロー操作時の「指通りのよさ」、「髪のべたつきのなさ」、「髪の柔らかさ」、「髪のねじれの取れやすさ」、「髪のきしまなさ」及び「ハンドブロー終了後の毛髪形状の耐湿性」について、以下の評価基準でそれぞれ評価した。
【0047】
<毛髪化粧料塗布直後の毛束のできにくさ>
毛束に毛髪化粧料を塗布し、評価用毛束になじませた後、7名のパネラーに毛束の状態を目視で確認させ、「不自然な毛束が全くない」/「不自然な毛束が少しある」/「不自然な毛束が多い」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「不自然な毛束が全くない」/「不自然な毛束が少しある」/「不自然な毛束が多い」と答えたパネラーの人数を順に示す。
【0048】
<ハンドブロー時の指通りのよさ>
ハンドブロー時の指通りのよさについて、7名のパネラーに「指通りが良い」/「どちらともいえない」/「指通りが悪い」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「指通りが良い」/「どちらともいえない」/「指通りが悪い」と答えたパネラーの人数を順に示す。
【0049】
<ハンドブロー時の髪のべたつきのなさ>
ハンドブロー時のべたつきのなさについて、7名のパネラーに「べたつかない」/「どちらともいえない」/「べたつく」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「べたつかない」/「どちらともいえない」/「べたつく」と答えたパネラーの人数を順に示す。
【0050】
<ハンドブロー時の髪の柔らかさ>
ハンドブロー時の髪の柔らかさについて、7名のパネラーに「柔らかい」/「どちらともいえない」/「硬い」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「処理前の毛髪より柔らかい」/「どちらともいえない」/「硬い」と答えたパネラーの人数を順に示す。
【0051】
<ハンドブロー時の髪のねじれの取れやすさ>
ハンドブロー時の髪のねじれの取れやすさについて、7名のパネラーに「ねじれが取れやすい」/「どちらともいえない」/「ねじれが取れにくい」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「ねじれが取れやすい」/「どちらともいえない」/「ねじれが取れにくい」と答えたパネラーの人数を順に示す。
【0052】
<ハンドブロー時の髪のきしまなさ>
ハンドブロー時の髪のきしまなさについて、7名のパネラーに「きしまない」/「どちらともいえない」/「きしむ」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「きしまない」/「どちらともいえない」/「きしむ」と答えたパネラーの人数を順に示す。
【0053】
<ハンドブロー後の毛髪形状の耐湿性>
毛束に毛髪化粧料1.0gを適用し、ドライヤーで温風を当ててハンドブローを行い、温度25℃、湿度90%の環境下で毛束を15分静置した後、7名のパネラーに静置前後での毛束の形状変化の度合いを目視で確認させ、「変化なし」/「少し変化あり」/「大きな変化あり」のいずれであるのかを択一的に選択させた。「変化なし」/「少し変化あり」/「大きな変化あり」と答えたパネラーの人数を順に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
*1:N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(特許文献2の合成例1のオルガノポリシロキサンA)
*2:国際公開第2014/002707号の実施例1に記載のオルガノポリシロキサングラフトポリマー
*3:シリコーンSM8904 COSMETIC EMULSION(東レ・ダウコーニング社製)
*4:ペネトールGE-IS(花王社製)
*5:ソフタノール90(日本触媒社製)
*6:コータミン86W(花王社製)