【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年10月13日から10月16日開催のJAPAN PACK 2015(2015 日本国際包装機械展)にて公開された
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
製袋されるべきフィルムが走行する走行経路に沿って前記フィルムを繰り出しながら筒状フィルムに成形し、前記筒状フィルム内に被包装品を包装する製袋包装機であって、
前記筒状フィルムを前記走行経路の幅方向にエンドシールして袋体に成形する超音波式のエンドシーラを具備し、
前記エンドシーラは、
前記走行経路を挟んで対向配置されたアンビル及びホーンを含むシーラユニットと、
前記ホーンを振動させる1つの振動素子と、
前記アンビルと前記ホーンとを離接方向に互いに前記筒状フィルムを介して離接させるべく前記シーラユニットを開閉作動させる開閉装置と
を含み、
前記開閉装置は、
前記ホーン及び前記振動素子を互いに連結し、前記離接方向に延びるホーンユニットと、
前記ホーンユニットの前記幅方向両側に配置された第1及び第2駆動モータと、
前記ホーンユニットの前記幅方向両側にて前記第1及び第2駆動モータと前記シーラユニットとをそれぞれ連結し、前記第1及び第2駆動モータの駆動により前記アンビルと前記ホーンとを前記離接方向に互いに離接させる第1及び第2リンク機構と
を有し、
前記開閉装置は、前記第1及び第2駆動モータと、前記第1及び第2リンク機構とを前記ホーンユニットの幅方向両側に前記ホーンユニットを基準として線対称となる位置にそれぞれ配置してなる、製袋包装機。
前記第1及び第2スライドロッドは、前記第1スライドバー側の一端に、前記シーラユニットの開閉作動に伴い前記第1スライドバーに当接し得る緩衝部をそれぞれ有する、請求項2又は3に記載の製袋包装機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、振動素子が3つ設けられているため、各振動素子の周波数、ひいてはホーンの振幅及び叩く圧力を調整して筒状フィルムを好適にエンドシールするのは困難である。そこで、振動素子を1つだけにすることが考えられるが、筒状フィルムを好適にエンドシールするためのホーンの振動エネルギーを得るには振動素子が大型化する。
【0006】
また、エンドシーラは、水平方向にホーンとアンビルとを互いに離接させるべくシーラユニットを開閉作動させる装置とを備える。この装置は、シーラユニットを開閉作動させるための駆動モータと、駆動モータの駆動によりアンビルとホーンとを互いに離接させるリンク機構とを有している。駆動モータは通常1つであり、筒状フィルムを挟んでホーン及び振動素子と対向して配置される。
【0007】
このため、1つで大型の振動素子を使用すると、エンドシーラは製袋包装機の外方に張り出す。このようなエンドシーラは製袋包装機の小型化を阻害するとともに、その操作やメンテナンスに支障をきたし、製袋包装機の操作性を悪化させる。
【0008】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、超音波を用いてフィルムにエンドシールを行う場合に、1つの振動素子によりその調整の簡素化を図りながら、小型化及び操作性向上を実現することができる製袋包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明では、製袋されるべきフィルムが走行する走行経路に沿ってフィルムを繰り出しながら筒状フィルムに成形し、筒状フィルム内に被包装品を包装する製袋包装機であって、筒状フィルムを走行経路の幅方向にエンドシールして袋体に成形する超音波式のエンドシーラを具備し、エンドシーラは、走行経路を挟んで対向配置されたアンビル及びホーンを含むシーラユニットと、ホーンを振動させる1つの振動素子と、アンビルとホーンとを離接方向に互いに筒状フィルムを介して離接させるべくシーラユニットを開閉作動させる開閉装置とを含み、開閉装置は、ホーン及び振動素子を互いに連結し、離接方向に延びるホーンユニットと、ホーンユニットの幅方向両側に配置された第1及び第2駆動モータと、ホーンユニットの幅方向両側にて第1及び第2駆動モータとシーラユニットとをそれぞれ連結し、第1及び第2駆動モータの駆動によりアンビルとホーンとを離接方向に互いに離接させる第1及び第2リンク機構とを有
し、開閉装置は、第1及び第2駆動モータと、第1及び第2リンク機構とをホーンユニットの幅方向両側にホーンユニットを基準として線対称となる位置にそれぞれ配置してなる製袋包装機を提供する。
【0010】
好ましくは、開閉装置は、離接方向の交差方向に延び、ホーンユニットが振動素子側で固定されるとともに第1及び第2リンク機構の一端が連結され、シーラユニットの開閉作動に伴い離接方向にスライドする第1スライドバーと、交差方向に延びるとともにアンビルが固定され、シーラユニットの開閉作動に伴い離接方向にスライドする第2スライドバーと、交差方向に延びるとともに第1及び第2リンク機構の他端が連結され、シーラユニットの開閉作動に伴い離接方向にスライドする第3スライドバーと、離接方向に延びるとともに第2及び第3スライドバーの両端部にそれぞれ支持され、シーラユニットの開閉作動に伴い離接方向にスライドして第1スライドバーに離接する、一対の第1及び第2スライドロッドとをさらに有する。
【0011】
好ましくは、第1及び第2リンク機構は、第1及び第2駆動モータの出力軸にそれぞれ連結されたレバーと、レバーの外周部及び第1スライドバーに両端部がそれぞれ揺動自在に連結された第1リンクと、レバーの外周部及び第3スライドバーに両端部がそれぞれ揺動自在に連結された第2リンクとをそれぞれ含む。
【0012】
好ましくは、第1及び第2スライドロッドは、第1スライドバー側の一端に、シーラユニットの開閉作動に伴い第1スライドバーに当接し得る緩衝部をそれぞれ有する。
好ましくは、シーラユニットが閉作動した後に、シーラユニットによる筒状フィルムを介した被包装品の噛み込み
の有無を
所定の噛み込み検出時間において検出する検出手段と、
前記噛み込み検出時間において前記振動素子を発振させない制御手段とをさらに備える。
【0013】
好ましくは、シーラユニットは、アンビル及びホーンの少なくとも何れか一方に冷却装置をさらに含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、超音波を用いてフィルムにエンドシールを行う場合に、1つの振動素子によりその調整の簡素化を図りながら、製袋包装機の小型化及び操作性向上を実現することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態に係る製袋包装機の一例である縦形製袋充填包装機1について説明する。
図1に示すように、縦形製袋充填包装機1は、充填筒2と、縦シーラ3と、横シーラ(エンドシーラ)4とを備えている。また、縦形製袋充填包装機1の外方側(
図1の左側)には、オペレータが操作するスイッチ類やタッチパネル式ディスプレイ等の操作装置(不図示)が配されている。充填筒2は、鉛直な円筒形状に形成されている。充填筒2の上方には、被包装物を投入するためのホッパー(不図示)が備えられている。被包装物は、ホッパーを介して充填筒2内に投入され、充填筒2の内側を落下する(矢印A)。
【0017】
充填筒2の上部外側には、フォーマ6が設けられている。フォーマ6は、帯状のフィルムfを充填筒2を囲うようにガイドして筒状にするものである。フィルムfは、リール7から複数のローラ8a〜8eを介して走行経路5に沿って走行し、フォーマ6に繰り出される。具体的には、走行経路5では、フィルムfは複数のローラ8a〜8eに巻付きながら繰り出される。その後、フィルムfは、フォーマ6にて充填筒2の外周を覆うように筒状に成形され、その両側縁は互いに合掌状に重ね合わされる。
【0018】
充填筒2にはフィルムfの繰り出し手段として繰り出し装置9が配設されている。繰り出し装置9は、無端状の一対の繰り出しベルト10を有している。これら繰り出しベルト10は、サクションユニット(不図示)によってフィルムfを吸着しながら充填筒2に沿ってその下方に向けて繰り出す。
【0019】
充填筒2の近傍であってフォーマ6の下側に縦シーラ3が配設されている。この縦シーラ3は、超音波式であって、水平方向に走行経路5を介して対向配置されたアンビル11及びホーン13を有している。ホーン13は所定周波数にて振動する。縦シーラ3は、充填筒2の外周回りに筒状とされ且つ充填筒2の長手方向に沿って繰り出される筒状のフィルムfの合掌状に重ね合わされた両側縁をアンビル11とホーン13との間に挟み込み、ホーン13が振動することで鉛直方向にヒートシール(縦シール、センタシール)して接着して筒状フィルムfcに成形する。
【0020】
また、充填筒2の下方に横シーラ4が配設されている。この横シーラ4は、超音波式であって、横シーラ4は、走行経路5を挟んで対向配置されたアンビル16及びホーン17を含むシーラユニット18と、ホーン17を振動させる振動素子19とを備えている。シーラユニット18は、アンビル16の冷却装置15を備えている。
【0021】
横シーラ4は、充填筒2の下端から繰り出される筒状フィルムfcを水平方向にヒートシール(横シール、エンドシール)して接着する。この際、横シーラ4は後述する昇降軸受部20a、20bを介して
図1に矢印で示すように上下動することにより、走行経路5に順次繰り出される筒状フィルムfcの適所が連続的に横シールされるとともに切断され、次々に袋体12が製造される。このとき、横シールにおける切断箇所の下側は前回の製袋工程での袋体12のトップを形成し、その切断箇所の上側は今回の製袋工程での袋体12のボトムを形成する。
【0022】
図2に示すように、アンビル16側から順に、ホーン17、ブースタ22、1つの振動素子19が離接方向Xに直列接続され、ホーンユニット25を形成している。振動素子19は発振装置39(
図3参照)からの指令により振動される。振動素子19は、高周波電気エネルギーを機械振動エネルギーに変換する。機械振動エネルギーは、ブースタ22で増幅された後、ホーン17を介して筒状フィルムfcを溶着する。
【0023】
また、横シーラ4は、アンビル16とホーン17とを水平な離接方向Xに互いに筒状フィルムfcを介して離接させるべくシーラユニット18を開閉作動させる開閉装置21を備えている。
図3にも示すように、開閉装置21は、ホーンユニット25、第1及び第2駆動モータ26a、26b、第1及び第2リンク機構27a、27bを有している。第1及び第2駆動モータ26a、26bと、第1及び第2リンク機構27a、27bとは、それぞれホーンユニット25の水平方向両側(つまり走行経路5の幅方向両側)に配置されている。
【0024】
第1及び第2リンク機構27a、27bは、第1及び第2駆動モータ26a、26bとシーラユニット18とをそれぞれ連結し、第1及び第2駆動モータ26a、26bの駆動によりアンビル16とホーン17とを水平な離接方向Xに互いに離接させる。
【0025】
また、開閉装置21は、第1スライドバー28、第2スライドバー29、第3スライドバー30、一対の第1及び第2スライドロッド31a、31b、ベースプレート36(
図2参照)をさらに有している。
詳しくは、第1スライドバー28は、離接方向Xと交差する交差方向Y(例えば直交方向)に延び、ホーンユニット25が連結されるとともに第1及び第2リンク機構27a、27bを構成する後述の第1リンク(一端)32a、32bの一端が揺動自在に連結されている。
【0026】
第2スライドバー29は、交差方向Yに延びるとともにアンビル16が固定されている。第3スライドバー30は、交差方向Yに延びるとともに第1及び第2リンク機構28、29を構成する後述の第2リンク(他端)33a、33bの一端が揺動自在に連結されている。第3スライドバー30の長手方向中央には挿通孔30aが貫通されている。挿通孔30aには、シーラユニット18の開閉作動に伴いホーン17が離接方向Xに挿通される。
【0027】
また、ベースプレート36は、第1及び第2駆動モータ26a、26bが取り付けられるとともに、第1及び第2スライドロッド31a、31bを離接方向Xにスライド自在に支持している。第1及び第2スライドロッド31a、31bは、離接方向Xに延びるとともに第2及び第3スライドバー29、30をそれぞれ支持している。これら第1〜第3スライドバー28、29、30の離接方向Xにおけるスライドに伴い、シーラユニット18が開閉作動する。また、第1及び第2スライドロッド31a、31bは、第3スライドバー30のスライドに伴い離接方向Xにスライドして第1スライドバー28に対し離接する。
【0028】
また、第1及び第2リンク機構27a、27bは、前述した第1リンク32a、32b及び第2リンク33a、33bと、レバー34a、34bとからそれぞれ構成されている。
詳しくは、レバー34a、34bの中央部には、第1及び第2駆動モータ26a、26bの出力軸がそれぞれ連結されている。
【0029】
レバー34a、34bのそれぞれの一端部には、第2リンク33a、33bの一端部が揺動自在に連結されている。第2リンク33a、33bの他端部には、第3スライドバー30が揺動自在に連結されている。第3スライドバー30には、第1及び第2スライドロッド31a、31bが連結されている。第1及び第2スライドロッド31a、31bには、第2スライドバー29が連結され、第2スライドバー29にアンビル16が固定されている。
【0030】
一方、レバー34a、34bのそれぞれの他端部には、第1リンク32a、32bの一端部が揺動自在に連結されている。第1リンク32a、32bの他端部には、第1スライドバー28が揺動自在に連結されている。第1スライドバー28には、ホーンユニット25が連結されている。
また、前述した冷却装置15は、第2スライドバー29に固定され、アンビル16の長手方向に沿って上下に配置された管部材である。この管部材の端部からエアを供給し、管部材の長手方向の中央部に開口された孔からエアを噴出することによりアンビル16を冷却する。なお、アンビル16ではなくホーン17に冷却装置15を配置しても良い。
【0031】
第1リンク32a、32b、第2リンク33a、33bは、それぞれ、ホーンユニット25の水平方向両側にホーンユニット25を基準として線対称形状をなすリンク部材であり、また、レバー34a、34bは同一形状をなすリンク部材である。第1及び第2リンク機構27a、27bを構成するこれらの線対称形状又は同一形状の各リンク部材は、ホーンユニット25の水平方向両側にホーンユニット25を基準として線対称に配置、連結されている。
【0032】
これより、第1及び第2リンク機構27a、27bは、ホーンユニット25の水平方向両側にホーンユニット25を基準として全体として線対称形状をなしている。また、第1及び第2駆動モータ26a、26bも、ホーンユニット25の水平方向両側にホーンユニット25を基準として線対称となる位置に配置されている。
【0033】
また、第1及び第2スライドロッド31a、31bは、第1スライドバー28側の一端に、シーラユニット18の開閉作動に伴い第1スライドバー28に当接し得る緩衝部35a、35bをそれぞれ有している。緩衝部35a、35bは離接方向Xが径方向となる円筒状をなし、弾性部材から形成されている。
【0034】
また、
図2に示すように、ベースプレート36には、軸受部37a、37b、前述した昇降軸受部20a、20bが設けられている。
軸受部37a、37bは、第1及び第2スライドロッド31a、31bをそれぞれ離接方向Xにスライド自在に支持している。
昇降軸受部20a、20bは、鉛直方向Zに延び、図示しないロッドで昇降軸受部20a、20bを上下にスライド自在に支持する昇降装置(不図示)によって、横シーラ4を
図1に矢印で示すように上下動させながら、開閉装置21がシーラユニット18を開閉作動させることにより、走行経路5に順次繰り出される筒状フィルムfcから袋体12を形成する。
【0035】
以下、
図3及び
図4を参照して、開閉装置21によるシーラユニット18を開閉作動について詳しく説明する。シーラユニット18は制御装置38を有し、制御装置38は、第1及び第2駆動モータ26a、26b及び発振装置39に電気的に接続されている。
【0036】
開閉装置21は制御装置38からの指令により第1及び第2駆動モータ26a、26bを駆動し、レバー34a、34bを
図3の矢印の向きに回転させる。レバー34a、34bの当該回転により、第1リンク32a、32bはホーン17側に移動し、これに伴い第1スライドバー28は
図3の矢印の向き(第3スライドバー30側の向き)に引っ張られて
図4の状態となる。
【0037】
一方、レバー34a、34bの当該回転により、第2リンク33a、33bは第1スライドバー28側に移動し、これに伴い第3スライドバー30は
図3の矢印の向き(第1スライドバー28側の向き)に引っ張られて
図4の状態となる。第3スライドバー30は第1及び第2スライドロッド31a、31bに連結され、また、第1及び第2スライドロッド31a、31bは第2スライドバー29に連結されている。
【0038】
このことから、シーラユニット18の開閉作動に伴い第2、第3スライドバー29、30、及び、第1及び第2スライドロッド31a、31bは一体となって、それぞれ
図3の矢印の向き(第1スライドバー28側の向き)にスライドする。この際、第1及び第2スライドロッド31a、31bは第1スライドバー28に緩衝部35a、35bにて当接されて押圧される。この押圧時には、緩衝部35a、35bが径方向に湾曲することにより押圧による衝撃力が吸収される。
【0039】
このように、開閉装置21によりシーラユニット18の開閉動作を行うことで、
図3に示す筒状フィルムfcの中心位置Cを基準としたとき、
図4に示すように、アンビル16が筒状フィルムfcに接触する位置まで引っ張られるとともに、ホーン17が第3スライドバー30の挿通孔30aから完全に抜け出て筒状フィルムfcに接触する位置まで引っ張られ、横シーラ4による筒状フィルムfcの横シールが行われる。
【0040】
筒状フィルムfcの横シールの終了後は、制御装置38からの指令により第1及び第2駆動モータ26a、26bを駆動し、レバー34a、34bを
図3の向きとは逆回転となる
図4の矢印の向きに回転させる。レバー34a、34bの当該回転により、第1リンク32a、32bはホーン17と反対側に移動し、これに伴い第1スライドバー28は
図4の矢印の向き(開閉装置21の外側の向き)に押されて
図3の状態となる。
【0041】
一方、レバー34a、34bの当該回転により、第2リンク33a、33bは第1スライドバー28と反対側に移動し、これに伴い第3スライドバー30は
図4の矢印の向き(第2スライドバー29側の向き)に押されて
図3の状態となる。こうして、シーラユニット18の開閉作動に伴い第2、第3スライドバー29、30、及び、第1及び第2スライドロッド31a、31bは一体となって、それぞれ
図4の矢印の向き(第1スライドバー28と反対側の向き)にスライドする。
【0042】
この結果、
図4に示す筒状フィルムfcの中心位置Cを基準としたとき、
図3に示すように、アンビル16が筒状フィルムfcから離間する位置まで移動されるとともに、ホーン17が第3スライドバー30の挿通孔30aに位置付けられるまで筒状フィルムfcから離間した位置に移動され、順次繰り出される筒状フィルムfcの次の横シールの待機状態となる。
【0043】
図5に示すように、制御装置38は、シーラユニット18が閉作動した後のタイミングにて、シーラユニット18により横シールを実行する際、
図4に示したように筒状フィルムfcを介してアンビル16とホーン17との間に被包装物が存在する状態、すなわちシーラユニット18の噛み込み状態を所定の噛み込み検出時間t1に検出する(検出手段)。
【0044】
このシーラユニット18の噛み込み検出は、例えば第1及び第2駆動モータ26a、26bに接続したエンコーダ(不図示)で第1及び第2駆動モータ26a、26bの回転位置を検出したり、或いは、制御装置38にて第1及び第2駆動モータ26a、26bの電流値を検出したり、或いは、これら回転位置及び電流値の双方を検出することにより実施可能である。
【0045】
当該噛み込み検出により、噛み込み有り(筒状フィルムfcを介してアンビル16とホーン17との間に被包装物が存在)と判定されると、横シールされた袋体12は不良品として取り扱われる。一方、当該噛み込み検出により、噛み込み無し(筒状フィルムfcを介してアンビル16とホーン17との間に被包装物は存在しない)と判定されると、横シールされた袋体12は良品として取り扱われる。
【0046】
また、上記エンコーダで第1及び第2駆動モータ26a、26bの回転位置を検出することにより、アンビル16とホーン17との位置も検出可能であるため、噛み込み検出時間t1に筒状フィルムfcがアンビル16とホーン17との間に存在するか否かを検出することができる。噛み込み検出時間t1に筒状フィルムfcがアンビル16とホーン17との間に存在しないことが検出された場合、筒状フィルムfcを横シールすることができないため、制御装置38は発振装置39を作動させない制御を行う。これにより、アンビル16及びホーン17が直接に接触して摩耗、損傷するのを防止することができる。
【0047】
そして、制御装置38は、噛み込み検出時間t1の経過後、発振装置39を介して振動素子19を所定の発振時間t2発振させ、発振時間t2の経過後、シーラユニット18の開作動が開始する前に振動素子19の発振を停止する発振制御を行っている(制御手段)。
【0048】
以上のように本実施形態の横シーラ4の開閉装置21は、2つの第1及び第2駆動モータ26a、26bと、2つの第1及び第2リンク機構27a、27bとをホーンユニット25の水平方向両側にホーンユニット25を基準として線対称となる位置に配置し、シーラユニット18を開閉作動させる。これにより、1つの大型の振動素子19をホーンユニット25に組み込んだとしても、離接方向Xに1つの駆動モータをホーンユニット25と直列配置した場合に比して、縦形製袋充填包装機1からの横シーラ4の外方への張り出しを抑制することができる。
【0049】
従って、縦形製袋充填包装機1の小型化を実現することができる。しかも、縦形製袋充填包装機1の外方側に配置された、スイッチ類やタッチパネル式ディスプレイ等の操作装置をオペレータが操作する際や、縦形製袋充填包装機1のメンテナンス時に、作業を容易に行うことができ、縦形製袋充填包装機1の操作性向上をも実現することができる。
【0050】
また、振動素子19は1つであるため、その周波数の調整が容易であるとともに、上述した発振制御の制御性向上を実現可能である。
また、第1及び第2リンク機構27a、27bと、これらに連動する第1〜第3スライドバー28、29、30、及び、第1及び第2スライドロッド31a、31bとを備える。これにより、シーラユニット18の閉動作に際し、アンビル16及びホーン17が筒状フィルムfcの中心位置Cまで引っ張られるように移動するため、横シールを筒状フィルムfcの中心位置Cで確実に行うことができる。従って、袋体12の品質向上を図ることができる。
【0051】
また、第1及び第2スライドロッド31a、31bは緩衝部35a、35bを備える。これにより、第1及び第2スライドロッド31a、31bが第1スライドバー28に当接ひいては押圧されたときの押圧による衝撃力を好適に吸収することができ、ひいてはアンビル16及びホーン17が過度な押圧力で互いに接触するのを防止することができる。従って、アンビル16及びホーン17の摩耗、損傷が抑制される。
【0052】
また、シーラユニット18の噛み込み検出中に振動素子19が発振すると、アンビル16及びホーン17が温度上昇し、アンビル16及びホーン17に筒状フィルムfcが溶着し、噛み込み検出精度が著しく低下する。そこで、制御装置38は、噛み込み検出時間t1におけるシーラユニット18の噛み込み検出後に、発振装置39を介して振動素子19を所定の発振時間t2発振させて横シールを実行する。これにより、シーラユニット18の噛み込み検出中にアンビル16及びホーン17が温度上昇するのを防止することができる。従って、シーラユニット18の噛み込み検出の精度を向上することができ、袋体12の不良品検出精度を大幅に向上することが可能である。
【0053】
また、シーラユニット18は、アンビル16及びホーン17の少なくとも何れか一方に冷却手段を備えることにより、横シールにより形成されたシール部の硬化時間を短縮することが可能である。従って、縦形製袋充填包装機1の運転速度を高速化することができ、袋体12の生産性を大幅に向上することができる。
【0054】
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、第1及び第2リンク機構27a、27bと、これらに連動する第1〜第3スライドバー28、29、30、及び、第1及び第2スライドロッド31a、31bとを含む開閉装置21の構成は、上記実施形態に限定されず、種々の機構が考えられるのは勿論である。
【0055】
また、本発明は、縦形製袋充填包装機1に限らず、横形製袋包装機にも適用することができる。この場合には、複数のローラから繰り出されたフィルムを水平な走行経路に走行させながらフォーマにより走行経路の幅方向に折り畳んで被包装物を包み込む。そして、折り畳んだフィルムの両端をセンタシーラによりシールした後に、エンドシーラによりシールして切断することにより、次々にピロー形状の袋体が製造される。
【0056】
このエンドシーラを横シーラ4と同様の超音波式とし、走行経路5を挟んで上下に対向配置されたアンビル16及びホーン17を含むシーラユニット18と、アンビル16とホーン17とを上下の離接方向に互いにフィルムを介して離接させるべくシーラユニット18を開閉作動させる開閉装置21とから構成する。
【0057】
この場合にも、2つの第1及び第2駆動モータ26a、26bと、2つの第1及び第2リンク機構27a、27bとが走行経路5の幅方向両側にホーンユニット25を基準として線対称となる位置に配置される。これにより、横形製袋包装機からのエンドシーラの上方への張り出しを抑制することができるため、縦形製袋充填包装機1の場合と同様に、横形製袋包装機の小型化及び操作性向上を実現することができる。