(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0011】
(特徴1)特定の場合は、さらに、乾燥運転を開始させた後、所定期間が経過する前に、
排気温センサによって検出される
排気温が
オフ排気温閾値を上回る場合を含むことが好ましい。
【0012】
例えば、ユーザの指示に従って、乾燥運転を一旦停止し、再度乾燥運転を開始する場合等には、乾燥運転の開始後、所定期間が経過する前であっても、
排気温が
オフ排気温閾値を上回る状況が発生し得る。上記の構成によると、そのような状況が発生する場合においても、所定期間の経過を待つことなく、オフ
排気温閾値を低くすることができる。従って、乾燥運転の状況に関わらず、ドラム内の衣類がダメージを受けることを適切に抑制することができる。
【0013】
(特徴2)制御装置は、特定の場合に、さらに
オン排気温閾値を低くすることが好ましい。
【0014】
この構成によると、衣類乾燥機は、
オフ排気温閾値とともに、
オン排気温閾値を低くすることができる。そのため、バーナの作動及び停止の繰り返し回数が過度に多くなることを抑制し、ドラム内の温度を、衣類の乾燥に適した温度に適切に維持することができる。
【0015】
(特徴3)
上述した衣類乾燥機は、ドラム内の衣類の温度である衣類温を検出する衣類温センサをさらに備えているとよい。その場合、制御装置は、バーナ及びファンを作動させることによって乾燥運転を開始させた後で、衣類温センサによって検出される衣類温が所定のオフ衣類温閾値を上回る場合にバーナを停止させてもよい。また、制御装置は、バーナを停止させた後に、衣類温センサが検出する衣類温が、オフ衣類温閾値よりも低い所定のオン衣類温閾値を下回る場合に、バーナを再度作動させるとともに、特定の場合に、さらにオフ衣類温閾値を低くしてもよい。
【0016】
この構成によると、衣類乾燥機は、特定の場合に、
さらにオフ衣類温閾値を低くすることができる。従って、衣類温が過度に上昇することを抑制することにより、ドラム内の衣類が過度に高温に晒されることを抑制し、ドラム内の衣類がダメージを受けることを抑制することができる。
【0017】
本明細書が開示する衣類乾燥機の別の実施形態は、衣類を収容するドラムと、外部からドラム内に空気を送るファンと、ドラム内に送られる空気を加熱するバーナと、バーナによって加熱された後であってドラム内に送られる前の空気の温度である吹出温を検出する吹出温センサと、ドラム内の衣類の温度である衣類温を検出する衣類温センサと、制御装置と、を備えている。制御装置は、バーナ及びファンを作動させることによって乾燥運転を開始させた後で、衣類温センサによって検出される衣類温が所定のオフ衣類温閾値を上回る場合にバーナを停止させ、バーナを停止させた後に、衣類温センサが検出する衣類温が、オフ衣類温閾値よりも低い所定のオン衣類温閾値を下回る場合に、バーナを再度作動させるとともに、乾燥運転を開始させた後、所定期間が経過した時点における吹出温センサが検出する温度が所定の吹出温閾値を上回る場合と、乾燥運転が開始された時点から所定期間が経過した時点までの吹出温の上昇量が所定の上昇量閾値を上回る場合とのうちの少なくとも一方の場合である特定の場合に、オフ衣類温閾値を低くする。
【0018】
上記の別の実施形態の衣類乾燥機は、乾燥運転の開始後に、衣類温が所定のオフ衣類温閾値を上回る場合にバーナを停止させ、バーナを停止させた後に衣類温が所定のオン衣類温閾値を下回る場合に、バーナを再度作動させることで、衣類温をオン衣類温閾値以上オフ衣類温閾値以下の温度に保ち、衣類温が過度な高温に維持されることを抑制する。その上で、上記の衣類乾燥機は、乾燥運転を開始させた後、所定期間が経過した時点における吹出温センサが検出する吹出温が所定の吹出温閾値を上回る場合と、乾燥運転が開始された時点から所定期間が経過した時点までの吹出温の上昇量が所定の上昇量閾値を上回る場合とのうちの少なくとも一方の場合である特定の場合に、オフ衣類温閾値を低くする。そのため、例えば、ドラム内から外部に空気が排出される衣類経路に設けられたリントフィルタが閉塞する等の事情によって吹出温が所定の吹出温閾値を上回る(又は/及び、吹出温の上昇量が所定の上昇量閾値を上回る)ような場合において、バーナを比較的早期に停止させることができる。そのため、例えば、リントフィルタが閉塞する等の事情によって吹出温が所定の吹出温閾値を上回る(又は/及び、吹出温の上昇量が所定の上昇量閾値を上回る)ような場合において、衣類温が過度に上昇することを抑制することができる。従って、上記の衣類乾燥機によると、ドラム内の衣類が過度に高温に晒されることを抑制し、ドラム内の衣類がダメージを受けることを抑制することができる。この構成によると、衣類乾燥機は、特定の場合に、オフ衣類温閾値を低くすることができる。従って、衣類温が過度に上昇することを抑制することにより、ドラム内の衣類が過度に高温に晒されることを抑制し、ドラム内の衣類がダメージを受けることを抑制することができる。また、別の実施形態の衣類乾燥機は、上述した特徴1と同様に、特定の場合は、さらに、乾燥運転を開始させた後、所定期間が経過する前に、衣類温センサによって検出される衣類温がオフ衣類温閾値を上回る場合を含むことが好ましい。これにより、所定期間の経過を待つことなく、オフ衣類温閾値を低くすることができ、乾燥運転の状況に関わらず、ドラム内の衣類がダメージを受けることを適切に抑制することができるためである。さらに、別の実施形態の衣類乾燥機は、上述した特徴2と同様に、制御装置は、特定の場合に、さらにオン衣類温閾値を低くすることが好ましい。これにより、バーナの作動及び停止の繰り返し回数が過度に多くなることを抑制し、ドラム内の温度を、衣類の乾燥に適した温度に適切に維持することができるためである。
【0019】
(実施例)
(衣類乾燥機2の構成;
図1)
図1に示すように、本実施例の衣類乾燥機2は、筐体4と、ドア6と、ドラム10と、ファン14と、バーナ30と、制御装置70と、を備えている。
【0020】
筐体4は、衣類乾燥機2の本体である。衣類乾燥機2の上記の各要素は筐体4内に収容されている。筐体4の前面(
図1の左側)には、表示部及び操作部(図示しない)が設けられている。表示部は様々な情報が表示されるディスプレイである。操作部は複数のボタンを備える。利用者は、操作部を介して、衣類乾燥機2に様々な指示を入力可能である。ドア6は、筐体4の前面に設けられた扉である。
【0021】
ドラム10は、乾燥の対象の衣類Cを収容する容器である。ドラム10は、モータ12によって回転させられる。ドラム10の前面側には前面開口部10aが開口しており、ドア6によって閉塞される。衣類乾燥機2の利用者は、ドア6を開けて、前面開口部10aを介してドラム10内に衣類Cを投入するとともに、ドラム10内から衣類Cを取り出すことができる。また、ドラム10の前面側であって、前面開口部10aの側方には、ドラム10内にバーナ30で加熱された後の空気を送り込むための吹出口36も開口されている。
【0022】
ドラム10内には、電極50及び衣類温サーミスタ60が設けられている。電極50は、衣類Cに含まれる水分を検出する。衣類温サーミスタ60は、ドラム10内の衣類Cの温度(以下では「衣類温」と呼ぶ)を検出する。ドラム10の回転に伴って衣類Cが電極50及び衣類温サーミスタ60に接触することにより、電極50は衣類Cの水分を検出し、衣類温サーミスタ60は衣類温を検出することができる。また、ドラム10内には、図示しない重量センサも設けられている。重量センサは、ドラム10内の衣類Cの重量を検出する。
【0023】
また、ドラム10の後面側(
図1の右側)には後面開口部10bが開口している。後面開口部10bはリントフィルタ16によって閉塞されている。リントフィルタ16は、ドラム10内の衣類C等から発生した糸くず(リント)を収集するためのフィルタである。リントフィルタ16は、空気を通過させるが、空気に含まれる糸くず類を通過させずに捕捉する。
【0024】
ファン14は、ドラム10の後側に配置されている。ファン14を作動させることにより、筐体4の外部からドラム10内に空気を送り込むとともに(
図1の矢印W1〜W3参照)、ドラム10内の空気を、筐体4の背面(
図1中の右側)近傍の上面に形成された排気口20に向けて送り出す(
図1の矢印W4〜W6参照)ことができる。排気温サーミスタ22は、排気口20の近傍に設けられており、ドラム10内から排気口20に向けて送り出される空気の温度(以下では「排気温」と呼ぶ場合がある)を検出するサーミスタである。
【0025】
バーナ30は、ドラム10の下方に配置されている。バーナ30は、ガスを燃焼させた燃焼熱を利用して、外部から吹出口36を介してドラム10内に送りこまれる空気を加熱する(矢印W3参照)。バーナ30には、ガス供給管32を介して燃料であるガスが供給される。ガス供給管32には、ガス供給管32を開閉するための電磁弁34が設けられている。バーナ30と吹出口36との間には吹出温サーミスタ40が設けられている。吹出温サーミスタ40は、バーナ30で加熱された後の空気(即ち、吹出口36からドラム10内に送り込まれる空気(矢印W3参照))の温度(以下では「吹出温」と呼ぶ)を検出するサーミスタである。
【0026】
制御装置70は、上述の衣類乾燥機2の筐体4内の各構成要素と電気的に接続されており、各構成要素の動作を制御する。
【0027】
(衣類乾燥機2の動作)
次いで、本実施例の衣類乾燥機2の動作について説明する。利用者が、ドラム10内に衣類Cを投入し、衣類乾燥機2の操作部(図示しない)を介して所定の乾燥開始操作を入力すると、衣類乾燥機2は乾燥運転を実行する。乾燥運転が実行される間、制御装置70は、
図2〜
図5に示す各処理を実行する。
【0028】
(メイン処理;
図2)
図2は、衣類乾燥機2の乾燥運転中に制御装置70が実行するメイン処理のフローチャートを示す。制御装置70は、操作部において乾燥開始操作が入力されると、制御装置70は
図2のメイン処理を開始する。S10では、制御装置70は、モータ12及びファン14を回転させるとともに、バーナ30を作動させる。これによって乾燥運転が開始される。以下では、バーナ30を作動させる(即ち燃焼状態にする)ことを「バーナ30をオンする」と呼び、バーナ30を停止させる(即ち消火状態にする)ことを「バーナ30をオフする」と呼ぶ場合がある。
【0029】
次いで、制御装置70は、この時点におけるオンオフデューティをパターン1に設定する。ここで、「オンオフデューティ」とは、所定の単位期間(本実施例では60秒)のうち、バーナ30をオンする期間(以下では「オン期間」と呼ぶ)と、バーナ30をオフする期間(以下では「オフ期間」と呼ぶ)との割合のことである。後で詳しく説明する通り、S10で乾燥運転を開始した後、排気温が所定の排気温オフ設定値を上回った後は、制御装置70は、このオンオフデューティに従ってバーナ30のオンオフを切り替える排気温温調制御(
図5参照)を行う。オンオフデューティには、予め定められた複数個のパターンが存在する(
図5参照)。例えば、パターン1は、単位期間である60秒のうち、オン期間が50秒であり、オフ期間が10秒である。パターン2は、オン期間が45秒であり、オフ期間が15秒である。パターン3は、オン期間が40秒であり、オフ期間が20秒である。このように、各パターンは、パターンの数値が1段階進むごとに、オン期間が短くなり、オフ期間が長くなるように設定されている。S12では、制御装置70は、オンオフデューティをパターン1に設定する。
【0030】
続くS14では、制御装置70は、ドラム10内の衣類Cの重量と、衣類Cの脱水度とに基づいて、乾燥運転の運転コースを仮判定し、その結果が定格であるか否かを判断する。衣類Cの重量は、ドラム10内の重量センサ(図示しない)によって検出される。衣類Cの脱水度は、電極50が衣類Cの水分を検出する頻度に基づいて算出される。衣類Cの重量及び脱水度が所定の定格範囲内である場合、制御装置70は、運転コースの仮判定結果が定格であると判断する。この場合、制御装置70は、S14でYESと判断し、S16に進む。一方、衣類Cの重量及び脱水度が所定の定格範囲外である場合(例えば、衣類Cが多すぎる場合や少なすぎる場合(過剰、少量)、衣類Cの乾燥が既に相当程度進行している場合(高脱水)等)、制御装置70は、運転コースの仮判定結果が定格でないと判断する。この場合、制御装置70は、S14でNOと判断し、S18に進む。
【0031】
S16、S18では、制御装置70は、衣類温オフ初期値、衣類温オン初期値、排気温オフ初期値、及び、排気温オン初期値の各初期値を設定する。ここで、「衣類温オフ初期値」は、乾燥運転の開始後にバーナ30をオフするための基準になる衣類温の初期設定値である。「衣類温オン初期値」は、一旦バーナ30をオフさせた後でバーナ30を再度オンするための基準になる衣類温の初期設定値である。「排気温オフ初期値」は、乾燥運転の開始後にバーナ30をオフするための基準になる排気温の初期設定値である。「排気温オン初期値」は、一旦バーナ30をオフさせた後でバーナ30を再度オンするための基準になる排気温の初期設定値である。S16の場合とS18の場合とでは、設定される各初期値の値が異なる。
【0032】
S16では、衣類温オフ初期値、衣類温オン初期値は、それぞれ、90℃、80℃に設定される。そして、排気温オフ初期値、排気温オン初期値は、それぞれ、72℃、71℃に設定される。
【0033】
一方、S18では、衣類温オフ初期値、衣類温オン初期値は、それぞれ、85℃、75℃に設定される。そして、排気温オフ初期値、排気温オン初期値は、それぞれ、70℃、68℃に設定される。
【0034】
続くS20では、制御装置70は、衣類温オフ補正値、衣類温オン補正値、排気温オフ補正値、及び、排気温オン補正値の各補正値を初期設定する。S20の時点では、いずれの補正値も0に設定される。ここで、「衣類温オフ補正値」は、上記の衣類温オフ初期値を補正して、乾燥運転の開始後にバーナ30をオフするための基準になる衣類温の設定値である衣類温オフ設定値を算出するための値である。また、「衣類温オン補正値」は、上記の衣類温オン初期値を補正して、一旦バーナ30をオフさせた後でバーナ30を再度オンするための基準になる衣類温の設定値である衣類温オン設定値を算出するための値である。また、「排気温オフ補正値」は、上記の排気温オフ初期値を補正して、乾燥運転の開始後にバーナ30をオフするための基準になる排気温の設定値である排気温オフ設定値を算出するための値である。また、「排気温オン補正値」は、上記の排気温オン初期値を補正して、一旦バーナ30をオフさせた後でバーナ30を再度オンするための基準になる排気温の設定値である排気温オン設定値を算出するための値である。
【0035】
次いで、S22において、制御装置70は、衣類温オフ設定値、衣類温オン設定値、排気温オフ設定値、及び、排気温オン設定値の各設定値を算出する。衣類温オフ設定値は、衣類温オフ初期値から衣類温オフ補正値を減じた値である。衣類温オン設定値は、衣類温オン初期値から衣類温オン補正値を減じた値である。排気温オフ設定値は、排気温オフ初期値から排気温オフ補正値を減じた値である。排気温オン設定値は、排気温オン初期値から排気温オン補正値を減じた値である。S10で乾燥運転が開始された直後のS22では、各補正値が0に設定されるため(S20)、各設定値は、S16又はS18で設定された各初期値と同じ値になる。
【0036】
次いで、制御装置70は、S24、S26、S28の各監視を実行する。S24では、制御装置70は、S10で乾燥運転を開始してから所定期間(本実施例では2分30秒)が経過する前に、排気温サーミスタ22が検出する排気温が、排気温オフ設定値(S22)以上になることを監視する。所定期間が経過する前に、排気温が排気温オフ設定値以上になる場合、制御装置70は、S24でYESと判断し、
図5のS110以降の各処理(以下では、「排気温温調処理」と呼ぶ)を実行する。例えば、前回の乾燥運転が終了した直後に乾燥運転が再実行される場合等、乾燥運転の開始直後の時点で既にドラム10内の空気が十分に高温であるような場合には、S24でYESと判断されうる。
【0037】
S26では、制御装置70は、S10で乾燥運転を開始してから所定期間が経過する前に、衣類温サーミスタ60が検出する衣類温が、衣類温オフ設定値(S22)以上になることを監視する。所定期間が経過する前に、衣類温が衣類温オフ設定値以上になる場合、制御装置70は、S26でYESと判断し、
図4のS94〜S98及びS88、S90の各処理(以下では、「衣類温温調処理」と呼ぶ)を実行する。例えば、前回の乾燥運転が終了した直後に衣類が取り出されずに乾燥運転が再実行される場合等、乾燥運転の開始直後の時点で既に衣類Cが十分に高温であるような場合には、S26でYESと判断されうる。
【0038】
S28では、制御装置70は、S10で乾燥運転を開始してから所定期間が経過することを監視する。S10で乾燥運転が開始されてから、S24とS26のいずれにおいてもYESと判断されない状態であるとともに、所定期間が未経過である場合、制御装置70はS28でNOと判断し、
図3のS50以降の各処理(以下では、「閉塞補正処理」と呼ぶ)を実行する。一方、S10で乾燥運転を開始してから、S24とS26のいずれにおいてもYESと判断されない状態で所定期間が経過する場合、制御装置70はS28でYESと判断し、
図4のS80〜S86の各処理(以下では、「コース判定処理」と呼ぶ)を実行する。
【0039】
(閉塞補正処理;
図3)
図3を参照して、閉塞補正処理の内容について説明する。S50では、制御装置70は、吹出温サーミスタ40が検出する吹出温が140℃以上160℃未満であるか否かを判断する。この時点の吹出温が140℃以上160℃未満の範囲内である場合、制御装置70は、S50でYESと判断し、S52に進む。リントフィルタ16がリントによって閉塞されると、衣類乾燥機2の通気経路を流れる空気の風量が減り、それに伴って吹出温は高くなる。リントフィルタ16が殆ど閉塞されていない場合、通常、吹出温は140℃未満の範囲に維持されるが、リントフィルタ16が閉塞されてくると、吹出温は140℃以上まで上昇する。そして、リントフィルタ16の閉塞度合が高くなるに従って、吹出温も高くなる。S52では、制御装置70は、各補正値を再設定する。S52では、衣類温オフ補正値が10、衣類温オン補正値が10、排気温オフ補正値が5、排気温オン補正値が5にそれぞれ設定される。S52を終えるとS54に進む。一方、吹出温が140℃以上160℃未満の範囲外である場合、制御装置70は、S50でNOと判断し、S52をスキップしてS54に進む。
【0040】
S54では、制御装置70は、吹出温が160℃以上180℃未満であるか否かを判断する。この時点の吹出温が160℃以上180℃未満の範囲内である場合、制御装置70は、S54でYESと判断し、S56に進む。S56では、制御装置70は、各補正値を再設定する。S56では、衣類温オフ補正値が15、衣類温オン補正値が20、排気温オフ補正値が10、排気温オン補正値が10にそれぞれ設定される。S56を終えるとS58に進む。一方、吹出温が160℃以上180℃未満の範囲外である場合、制御装置70は、S54でNOと判断し、S56をスキップしてS58に進む。
【0041】
S58では、制御装置70は、吹出温が180℃以上200℃未満であるか否かを判断する。この時点の吹出温が180℃以上200℃未満の範囲内である場合、制御装置70は、S58でYESと判断し、S60に進む。S60では、制御装置70は、筐体4の前面の表示部に設けられている報知ランプを点灯させる。これにより、報知ランプを見た利用者は、現在リントフィルタ16が閉塞されており、清掃が必要であることを知ることができる。続くS62では、制御装置70は、各補正値を再設定する。S62では、衣類温オフ補正値が20、衣類温オン補正値が30、排気温オフ補正値が15、排気温オン補正値が15にそれぞれ設定される。S62を終えるとS64に進む。一方、吹出温が180℃以上200℃未満の範囲外である場合、制御装置70は、S58でNOと判断し、S60、S62をスキップしてS64に進む。
【0042】
S64では、制御装置70は、吹出温が200℃以上であるか否かを判断する。この時点の吹出温が200℃以上である場合、制御装置70は、S64でYESと判断し、S66に進み、乾燥運転をエラー停止させる。この場合、制御装置70は、モータ12及びファン14を停止させるとともに、バーナ30をオフする。S66を終えると、制御装置70は乾燥運転をエラー終了する。一方、吹出温が200℃以上ではない場合、制御装置70は、S64でNOと判断し、
図3のS22に戻る。即ち、S22では、制御装置70は、この時点で設定されている各補正値(S20、
図3のS52、S56、S62のいずれか)を利用して、各設定値を再度算出する。そして、再度算出された各設定値に従って、乾燥運転を継続する。
【0043】
即ち、本実施例では、S24、S26でYESと判断されることなく所定期間が経過するまでの間は、制御装置70は、閉塞補正処理(
図3参照)を繰り返し実行し、その間に設定された最新の各補正値を用いて各設定値を随時更新しながら(
図2のS22)、乾燥運転を継続する。
【0044】
(コース判定処理及び衣類温温調処理;
図4)
図4を参照して、コース判定処理(S80〜S86)と衣類温温調処理(S94〜S98、S88、S90)の内容について説明する。本実施例では、コース判定処理(S80〜S86)は、
図2のS24、S26でYESと判断されることなく所定期間が経過した場合に1回だけ実行され、その後は衣類温温調処理(S88、S90、S94〜S98)に移行する。
【0045】
S80では、制御装置70は、ドラム10内の衣類Cの重量と、衣類Cの脱水度と、に基づいて、乾燥運転の運転コースを判定(本判定)し、その結果が定格であるか否かを判断する。S80の処理の内容は、
図2のS14と同様であるため、詳しい説明は省略する。運転コースの判定結果が定格であると判断される場合(S80でYES)、制御装置70は、S82に進む。一方、運転コースの判定結果が定格でないと判断される場合(S80でNO)、制御装置70は、S84に進む。
【0046】
S82、S84では、制御装置70は、衣類温オフ初期値、衣類温オン初期値、排気温オフ初期値、及び、排気温オン初期値の各初期値を再設定する。S82、S84の処理は、それぞれ、S16、S18の処理と同じ処理である。
【0047】
次いで、S86では、制御装置70は、S20と同様に、各設定値を算出する。S86では、制御装置70は、上記S82又はS84で設定された各初期値から、
図2のS24及びS26でYESと判断されることなく所定期間が経過した時点(S28でYES)で設定されている各補正値(
図2のS20、
図3のS52、S56、S62参照)を減じることにより、各設定値を算出する。本実施例では、所定期間が経過すると(S28でYES)、閉塞補正処理(
図3)が実行されなくなり、各補正値が確定する。そして、コース判定処理(
図4)が実行されることにより、各設定値が確定する(S86)。以後は、S86で確定した各設定値に従って乾燥運転が継続されることになる。S86を終えると、制御装置70は、衣類温温調処理(S88、S90、S94〜S98)を実行する。
【0048】
制御装置70は、S88、S90の監視を実行する。S88では、制御装置70は、排気温が排気温オフ設定値以上になることを監視する。排気温が排気温オフ設定値以上になる場合、制御装置70は、S88でYESと判断し、
図5のS110以降の処理(即ち、排気温温調処理)を実行する。この場合、衣類温温調処理は終了する。S90では、制御装置70は、衣類温が衣類温オフ設定値以上になることを監視する。衣類温が衣類温オフ設定値以上になる場合、制御装置70は、S90でYESと判断し、S94に進む。
【0049】
S94では、制御装置70は、バーナ30をオフする。続くS96では、制御装置70は、衣類温が衣類温オン設定値未満になることを監視する。バーナ30をオフした後で、衣類温が衣類温オン設定値未満まで下がると、制御装置70は、S96でYESと判断し、S98に進む。S98では、制御装置70は、再びバーナ30をオンする。そして、S88、S90の監視に戻る。
【0050】
(排気温温調処理;
図5)
図5を参照して、排気温温調処理の内容について説明する。S110では、制御装置70は、バーナ30をオフするとともに、オフ期間をカウントするためのオフタイマをスタートさせる。続くS112では、制御装置70は、S110でオフタイマをスタートさせてからオフ期間が経過することを監視する。オフ期間が経過すると、制御装置70はS112でYESと判断し、S114に進む。
【0051】
S114では、制御装置70は、排気温が排気温オン設定値未満になることを監視する。バーナ30をオフした後で、排気温が排気温オン設定値未満まで下がると、制御装置70は、S114でYESと判断し、S116に進む。S116では、制御装置70は、再びバーナ30をオンするとともに、オン期間をカウントするためのオンタイマをスタートさせる。
【0052】
次いで、制御装置70は、S118、S120、S122の各監視を実行する。S118では、制御装置70は、S116でオンタイマをスタートさせてからオン期間が経過することを監視する。オン期間が経過すると、制御装置70はS118でYESと判断し、S110に戻り、バーナ30を再度オフしてオフタイマをスタートさせる。S120では、制御装置70は、オン期間が経過する前に、衣類温が衣類温オフ設定値以上になることを監視する。衣類温が衣類温オフ設定値以上になる場合、制御装置70はS120でYESと判断し、S124に進む。また、S122では、制御装置70は、オン期間が経過する前に、排気温が排気温オフ設定値以上になることを監視する。排気温が排気温オフ設定値以上になる場合、制御装置70はS122でYESと判断し、S124に進む。
【0053】
S124では、制御装置70は、オンオフデューティのパターンを1段階進める。例えば、オンオフデューティのパターンがパターン1(即ち、オン:オフ=50秒:10秒)に設定されていた場合、S124では、制御装置70はオンオフデューティのパターンをパターン2(即ち、オン:オフ=45秒:15秒)に変更する。S124を終えると、S110に戻り、制御装置70は、バーナ30を再度オフするとともに、オフタイマをスタートさせる。これ以後、制御装置70は、S124で変更された後のオンオフデューティのパターンが示すオン期間及びオフ期間に従って、S110〜S124の各処理を実行する。
【0054】
以上の通り、乾燥運転の実行中には、上記の各処理(
図2〜
図5参照)が実行される。所定の乾燥運転時間が経過した場合、又は、操作部に所定の乾燥中止操作が入力される場合には、制御装置70は、バーナ30をオフするとともに、モータ12及びファン14を停止させ、乾燥運転を終了させる。その場合、
図2〜
図5の処理も終了する。
【0055】
(比較例の乾燥運転;
図6)
ここで、本実施例の衣類乾燥機2による乾燥運転の作用効果を十分に説明するために、
図6を参照して、従来の衣類乾燥機を用いて乾燥運転を行った場合の比較例を説明する。従来の衣類乾燥機も、
図1に示す衣類乾燥機2と同様の構成を備える。ただし、従来の衣類乾燥機では、
図5の排気温温調処理は実行されない。従来の衣類乾燥機では、
図5の排気温温調処理に代えて、排気温が所定の排気温オフ設定値を上回る場合にバーナを停止させ、バーナを停止させた後に、排気温が所定の排気温オン設定値を下回る場合に、バーナを再度作動させる処理(以下では、「従来の温調処理」と呼ぶ場合がある)を実行する。即ち、従来の温調処理では、オンオフデューティに従ってバーナをオンオフする処理を行わない。そのため、従来の温調処理では、オンオフデューティのパターンを変更する処理も行われない。
【0056】
図6は、比較例の衣類乾燥機によって乾燥運転を行った場合における衣類温、排気温、吹出温、及び、電極検出状態の推移を示すグラフである。
図6の例では、衣類Cの重さが2kgであり、乾燥運転時間は35分に設定されている。そして、衣類温オフ設定値、衣類温オン設定値がそれぞれ90℃、80℃に設定され、排気温オフ設定値、排気温オン設定値がそれぞれ72℃、71℃に設定されている。
図6のうちのCT、ET、BTは、それぞれ、衣類温、排気温、吹出温の推移を示すグラフである。DSは、衣類の水分を検出するための電極(
図1の電極50に相当する)の検出状態を示す。DSは、電極が衣類の水分を検出した際に出力するパルス信号を示している。
【0057】
図6の例では、乾燥運転開始から19分頃まで、衣類温、排気温、吹出温がともに上昇し続ける。また、乾燥運転開始から15分頃までは電極50が水分を検出する頻度が高く、その後低くなっている(即ち乾燥が進行している)。そして、乾燥運転開始から19分経過後に、衣類温が衣類温オフ設定値(即ち90℃)以上に到達し、衣類温温調処理が実行される。そして、その後、乾燥運転開始から23分経過後に、排気温が排気温オフ設定値(即ち72℃)以上に到達し、以後従来の温調処理が実行される。この結果、特に乾燥運転の終盤(20分以降)において、バーナのオンオフの繰り返し回数が多くなり(バーナオンの合計回数が20回)、それに伴って、ドラム内の温度が乾燥に適した温度よりも高温に維持され易くなる。その結果、従来の衣類乾燥機による乾燥運転では、ドラム内の衣類が過度に高温に晒され、ダメージを受けるおそれがある。
【0058】
(実施例の乾燥運転;
図7)
一方、
図7は、本実施例の衣類乾燥機2によって乾燥運転を行った場合における衣類温、排気温、吹出温、及び、電極検出状態の推移を示すグラフである。
図7の例でも、
図6の例と同様に、衣類Cの重さが2kgであり、乾燥運転時間は35分に設定されている。そして、衣類温オフ設定値、衣類温オン設定値がそれぞれ90℃、80℃に設定され、排気温オフ設定値、排気温オン設定値がそれぞれ72℃、71℃に設定されている。
【0059】
図7の例では、乾燥運転開始から15分頃まで、衣類温、排気温、吹出温がともに上昇し続ける。また、乾燥運転開始から15分頃までは電極50が水分を検出する頻度が高く、その後低くなっている(即ち乾燥が進行している)。そして、乾燥運転開始から17分経過後に、排気温が排気温オフ設定値(即ち72℃)以上に到達し、以後、
図5の排気温温調処理が実行される。即ち、制御装置70は、一旦バーナ30がオフされた後(
図5のS110)、再度オン期間の間バーナ30がオンされる間(S116)に、衣類温が衣類温オフ設定値以上に到達する場合(S120でYES)、又は、排気温が排気温オフ設定値以上に到達する場合に、オンオフデューティのパターンを1段階進める(S124)。これにより、次回以降のオフ期間が長くなり、オン期間が短くなる。これにより、オフ期間の間の衣類温及び排気温の低下が促進され、オン期間の間の衣類温及び排気温の上昇が抑制される。そのため、バーナ30のオンオフの繰り返し回数が多くなることが抑制される(バーナオンの合計回数が15回)。それに伴って、ドラム10内の温度が乾燥に適した温度よりも高温に維持されることを抑制し、ドラム10内の衣類Cがダメージを受けることを抑制することができる。
【0060】
以上、本実施例の衣類乾燥機2の構成及び運転内容について説明した。上記の通り、制御装置70は、乾燥運転の開始(
図2のS10)後、
図3の閉塞補正処理を実行し、吹出温に応じて各補正値を設定する。具体的には、各補正値は、吹出温が140℃以上の範囲である場合に、0より大きい値に設定される。そして、制御装置70は、所定期間が経過すると(S28でYES)、所定期間が経過した時点で設定されている各補正値(
図2のS20、
図3のS52、S56、S62参照)に基づいて、各設定値を算出する(
図4のS86)。そして、以後、S86で確定された各設定値に従って乾燥運転が継続される。即ち、所定期間経過時点における吹出温が140℃以上である場合には、各設定値が初期値より低くなる。そのため、例えば、リントフィルタ16が閉塞している等の事情によって吹出温が所定の140℃以上になるような場合において、バーナ30を比較的早期にオフさせることができるようになる。そのため、リントフィルタ16が閉塞している等の場合において、衣類温又は排気温が過度に上昇することを抑制することができる。従って、本実施例の衣類乾燥機2によると、ドラム10内の衣類Cが過度に高温に晒されることを抑制し、ドラム10内の衣類Cがダメージを受けることを抑制することができる。
【0061】
また、本実施例では、制御装置70は、乾燥運転の開始(
図2のS10)後、所定期間が経過する前であっても、
図3の閉塞補正処理によって設定された各補正値を用いて、各設定値を算出し(
図2のS22)、その設定値に基づいて乾燥運転を実行する。そして、乾燥運転の開始(
図2のS10)後、所定期間が経過する前に、排気温が排気温オフ設定値以上に到達する場合(S24でYES)、又は、衣類温が衣類温オフ設定値以上に到達する場合(S26でYES)には、コース判定処理(
図4のS80〜S86)をスキップし、その時点で設定されている各設定値に基づいて、衣類温温調処理(
図4のS94以降)及び排気温温調処理(
図5のS110以降)に進む。即ち、本実施例の衣類乾燥機2によると、例えば、前回の乾燥運転が終了した直後に再度乾燥運転が実行される場合等の状況であっても、所定期間の経過を待つことなく、適切な各設定値に基づいて乾燥運転を実行することができる。そのため、乾燥運転の状況に関わらず、ドラム10内の衣類Cがダメージを受けることを適切に抑制することができる。
【0062】
また、本実施例では、制御装置70は、
図3の閉塞補正処理において、衣類温オフ補正値及び排気温オフ補正値のみならず、衣類温オン補正値及び排気温オン補正値も設定する。そのため、本実施例の衣類乾燥機2によると、バーナ30をオフする際の基準となる衣類温及び排気温(即ち、衣類温オフ設定値及び排気温オフ設定値)とともに、バーナ30をオンする際の基準となる衣類温及び排気温(即ち、衣類温オン設定値及び排気温オン設定値)も補正することができる。そのため、バーナ30のオンオフの繰り返し回数が過度に多くなることを抑制し、ドラム10内の温度を、衣類Cの乾燥に適した温度に適切に維持することができる。
【0063】
また、本実施例では、
図3の閉塞補正処理において、吹出温が140℃以上160℃未満の場合(S50でYES)には、衣類温オフ補正値、衣類温オン補正値はともに10である(S52)が、吹出温が160℃以上180℃未満の場合(S54でYES)には、衣類温オン補正値(20)が衣類温オフ補正値(15)より大きい。さらに、吹出温が180℃以上200℃未満の場合(S58でYES)には、衣類温オン補正値(30)が衣類温オフ補正値(20)よりさらに大きい。即ち、本実施例の衣類乾燥機2によると、リントフィルタ16の閉塞度合いが比較的高い時に、閉塞度合いが比較的低い時に比べて、衣類温オン補正値を衣類温オフ補正値より大きくする(即ち、オフ設定値とオン設定値の温度差を大きくする)ことができる。この結果、衣類温の平均温度を低くすることができ、バーナ30のオンオフ切り替え回数も少なくすることができる。
【0064】
また、本実施例では、制御装置70は、乾燥運転の開始後に、排気温が排気温オフ設定値以上に到達すると、
図5の排気温温調処理を実行する。即ち、制御装置70は、一旦バーナ30がオフされた後(
図5のS110)、再度オン期間の間バーナ30がオンされる間(S116)に、衣類温が衣類温オフ設定値以上に到達する場合(S120でYES)、又は、排気温が排気温オフ設定値以上に到達する場合に、オンオフデューティのパターンを1段階進める(S124)。これにより、次回以降のオフ期間が長くなり、オン期間が短くなる。これにより、オフ期間の間の衣類温及び排気温の低下が促進され、オン期間の間の衣類温及び排気温の上昇が抑制される。そのため、バーナ30のオンオフの繰り返し回数を抑制することができる。そして、それに伴って、ドラム10内の温度が乾燥に適した温度よりも高温に維持されることを抑制し、ドラム10内の衣類Cがダメージを受けることを抑制することができる。
【0065】
本実施例の記載と請求項の記載との対応関係を説明しておく
。図3のS50又はS54又はS58でYESの場合が「特定の場合」の一例である。
【0066】
以上、実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0067】
(変形例1)上記の実施例では、
図5のS120又はS122でYESの場合に、制御装置70は、オンオフデューティのパターンを1段階進める(S124)。これに代えて、制御装置70は、S120でYESの場合(即ち、衣類温が衣類温オフ設定値以上に到達する場合)、S124をスキップしてS110に進んでもよい(即ち、オンオフデューティのパターンを1段階進めなくてもよい)。反対に、制御装置70は、S122でYESの場合(即ち、排気温が排気温オフ設定値以上に到達する場合)、S124をスキップしてS110に進んでもよい(即ち、オンオフデューティのパターンを1段階進めなくてもよい)。
【0068】
(変形例2)また、制御装置70は、オン期間が経過する前に、衣類温が衣類温オフ設定値以上に到達し、かつ排気温が排気温オフ設定値以上に到達する場合(即ち、
図5のS120とS122の両方でYESの場合)に、制御装置70は、オンオフデューティのパターンを1段階進めるようにしてもよい。
【0069】
(変形例3)上記の実施例では、
図5のS124において、制御装置70は、オンオフデューティのパターンを1段階進めており、オフ期間を長くするとともに、オン期間を短くしている。これに限られず、制御装置70は、S124において、オフ期間を長くし、オン期間は変更しないようにしてもよい。この場合、オフ期間とオン期間の合計が所定の単位期間(例えば60秒間)より長くなっても短くなってもよい。
【0070】
(変形例4)上記の実施例では、
図2のS20、
図3のS52、S56、S62において、制御装置70は、衣類温オフ補正値及び排気温オフ補正値に加えて、衣類温オン補正値及び排気温オン補正値も設定し、それらの各補正値を用いて各設定値を算出している(
図2のS22、
図4のS86)。これに限られず、制御装置70は、
図2のS20、
図3のS52、S56、S62において、衣類温オフ補正値及び排気温オフ補正値のみを設定し、衣類温オン補正値及び排気温オン補正値の設定を省略してもよい。この場合、
図2のS22、
図4のS86において、制御装置70は、衣類温オン初期値及び排気温オン初期値を、それぞれ、そのまま衣類温オン設定値及び排気温オン設定値として特定してもよい(即ち、補正値を減じる計算を行わなくてよい)。
【0071】
(変形例5)上記の実施例では、制御装置70は、乾燥運転の開始(
図2のS10)後、
図3の閉塞補正処理を実行し、吹出温に応じて各補正値を設定する。具体的には、各補正値は、吹出温が140℃以上の範囲である場合に、0より大きい値に設定される。これに代えて(若しくは、これに加えて)、制御装置70は、乾燥運転の開始時点からの吹出温の上昇量に応じて各補正値を設定してもよい。言い換えると、制御装置70は、乾燥運転の開始時点からの吹出温の上昇度合い(若しくは上昇速度)に応じて各補正値を設定してもよい。そして、各補正値は、吹出温の上昇量が所定の上昇温閾値(例えば、120℃)以上の範囲である場合に、0より大きい値に設定されてもよい。そして、制御装置70は、所定期間が経過すると、所定期間が経過した時点で設定されている各補正値に基づいて、各設定値を算出するようにしてもよい。そして、以後、確定された各設定値に従って乾燥運転が継続されてもよい。この変形例による場合も、衣類乾燥機2は、リントフィルタ16が閉塞している等の事情に応じて、衣類温又は排気温が過度に上昇することを抑制することができる。
【0072】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。