(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、オーバーヘッドドアの扉体を構成するセクションの上面及び下面の形状に特徴を持たせることによって、内圧に対する耐風圧性能が向上された(特に、内圧について、外圧と同等の耐風圧性能を備えた)扉体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明が採用した技術手段は、
複数枚のセクションを回動可能に連結してなるオーバーヘッドドアの扉体において、
前記セクションの上面、下面のいずれか一方は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凸面と、からなり、他方は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凹面と、からなり、
扉体全閉姿勢時の上下に隣接するセクションの上側セクションの下面と下側セクションの上面において、前記凸面は、クリアランスを有して前記凹面に受け入れられており、前記クリアランスは、上側セクションと下側セクションの回動時に前記凹面と前記凸面の非接触状態での移動を保証するものであり、
前記セクションの上面、下面のいずれか一方には、室外側角部、室内側角部が形成されており、いずれか他方には、前記室外側角部に対応する室外側接触部、前記室内側角部に対応する室内側接触部を備えており、
扉体全閉姿勢で扉体に面圧が作用しない状態では、前記室外側角部は前記室外側接触部にセクションの厚さ方向に近接しており、前記室内側角部は前記室内側接触部にセクションの厚さ方向に近接しており、扉体全閉姿勢で扉体に所定の面圧が作用した場合には、前記室外側角部あるいは前記室内側角部と、前記室外側接触部あるいは前記室内側接触部と、が接触する、
オーバーヘッドドアの扉体、である。
1つの態様では、前記クリアランスは、縦断面視三角形状の室外側のクリアランスと、縦断面視三角形状の室内側のクリアランスと、を含む。
1つの態様では、扉体全閉姿勢時の上下に隣接するセクションの上側セクションの下面と下側セクションの上面において、室外側面同士、室内側面同士が当接する。
【0009】
1つの態様では、
前記セクションの上面は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凸面と、からなり、
前記セクションの下面は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凹面と、からなり、
前記セクションの下面において、前記室外側面と前記凹面の室外側端縁が角度をもって交わることで室外側角部が形成されており、前記室内側面と前記凹面の室内側端縁が角度をもって交わることで室内側角部が形成されており、
前記セクションの上面は、前記室外側角部に対応する室外側接触部、前記室内側角部に対応する室内側接触部を備えている。
【0010】
1つの態様(第1実施例〜第5実施例)では、前記凸面は、前記室外側面から立ち上がる室外側立ち上がり面と、前記室内側面から立ち上がる室内側立ち上がり面と、を備え、
前記凹面は、前記室外側面から立ち上がる室外側立ち上がり面と、前記室内側面から立ち上がる室内側立ち上がり面と、を備え、
前記凹面の室外側立ち上がり面の下端に前記室外側角部が形成され、前記凹面の室内側立ち上がり面の下端に前記室内側角部が形成され、
前記凸面の室外側立ち上がり面の下端ないし下端近傍が前記室外側接触部となり、前記凸面の室内側立ち上がり面の下端ないし下端近傍が前記室内側接触部となり、
前記凹面の室外側立ち上がり面の立ち上がり角度は、前記凸面の室外側立ち上がり面の立ち上がり角度よりも大きく、前記凹面の室外側立ち上がり面と、前記凸面の室外側立ち上がり面と、の間に室外側のクリアランスが形成され、
前記凹面の室内側立ち上がり面の立ち上がり角度は、前記凸面の室内側立ち上がり面の立ち上がり角度よりも大きく、前記凹面の室内側立ち上がり面と、前記凸面の室内側立ち上がり面と、の間に室内側のクリアランスが形成されている。
後述する実施例では、具体的な立ち上がり角度が記載されているが、本発明に係る立ち上がり角度は実施例の角度に限定されるものではなく、また、室外側角部、室内側角部を形成する角度についても実施例の角度に限定されるものではない。
【0011】
1つの態様(第1実施例〜第4実施例)では、前記凸面の室外側立ち上がり面、室内側立ち上がり面の一方あるいは両方は傾斜面である。
1つの態様(第1実施例〜第4実施例)では、前記凸面は、室外側水平面から立ち上がる室外側立ち上がり面と、室内側水平面から立ち上がる室内側立ち上がり面と、前記室外側立ち上がり面と前記室内側立ち上がり面との間の中間面と、を備えている。
1つの態様(第1実施例〜第4実施例)では、前記凸面の中間面は水平面である。
1つの態様(第1実施例〜第4実施例)では、前記凸面は縦断面視台形状である。
1つの態様(第5実施例)では、前記凸面の室外側立ち上がり面、室内側立ち上がり面の一方あるいは両方は湾曲面(弧面)である。
【0012】
1つの態様(第1実施例)では、前記凹面の室外側立ち上がり面、室内側立ち上がり面の一方あるいは両方は傾斜面である。
1つの態様(第2実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例)では、前記凹面の室外側立ち上がり面、室内側立ち上がり面の一方あるいは両方は垂直面である。
1つの態様(第1実施例〜第5実施例)では、前記凹面は、前記室外側水平面から立ち上がる室外側立ち上がり面と、前記室内側水平面から立ち上がる室内側立ち上がり面と、前記室外側立ち上がり面と前記室内側立ち上がり面との間の中間面と、を備えている。
1つの態様(第1実施例、第2実施例、第4実施例、第5実施例)では、前記凹面の中間面は水平面である。
1つの態様(第3実施例)では、前記凹面の中間面は上向き膨出状の湾曲面である。
1つの態様(第1実施例)では、前記凹面は縦断面視台形状である。
【0013】
1つの態様では、前記セクションは、上框と、下框と、を有し、上框の上面が前記セクションの上面、下框の下面が前記セクションの下面を形成する。
【0014】
1つの態様では、各セクションの室内側部位には、上端寄りあるいは下端寄りに位置して補強部材が設けてある。
1つの態様では、前記セクションは、上框と、下框と、を有し、前記補強部材は、前記上框の室内側面部あるいは前記下框の室内側面部のいずれか一方に設けてある。
【0015】
室外側角部、室内側角部を凸面側に形成し、前記室外側角部に対応する室外側接触部、前記室内側角部に対応する室内側接触部を凹面側に形成してもよい。
したがって、1つの態様(第6実施例)では、
前記セクションの上面は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凸面と、からなり、
前記セクションの下面は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凹面と、からなり、
前記セクションの上面の凸面は、前記室外側面から立ち上がる室外側立ち上がり面と、前記室内側面から立ち上がる室内側立ち上がり面と、前記室外側立ち上がり面と前記室内側立ち上がり面との間の中間面と、を備え、前記室外側立ち上がり面と中間面の室外側端縁が角度をもって交わることで室外側角部が形成されており、前記室内側立ち上がり面と前記中間面の室内側端縁が角度をもって交わることで室内側角部が形成されており、
前記セクションの下面は、前記室外側角部に対応する室外側接触部、前記室内側角部に対応する室内側接触部を備えている。
【0016】
セクションの下面に凸面を形成し、セクションの上面に凹面を形成してもよい。
したがって、1つの態様では、
前記セクションの上面は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凹面と、からなり、
前記セクションの下面は、室外側面と、室内側面と、室外側面と室内側面との間の凸面と、からなり、
前記セクションの上面において、前記室外側面と前記凹面の室外側端縁が角度をもって交わることで室外側角部が形成されており、前記室内側面と前記凹面の室内側端縁が角度をもって交わることで室内側角部が形成されており、
前記セクションの下面は、前記室外側角部に対応する室外側接触部、前記室内側角部に対応する室内側接触部を備えている。
【発明の効果】
【0017】
本発明では、扉体全閉姿勢で扉体に面圧が作用しない状態では、室外側角部は室外側接触部にセクションの厚さ方向に近接しており、室内側角部は室内側接触部にセクションの厚さ方向に近接しており、扉体全閉姿勢で扉体に室内外から所定の面圧が作用した場合には、接触部に近接して位置する室外側角部あるいは室内側角部が、セクション厚方向に変位して、前記室外側接触部あるいは前記室内側接触部に速やかに接触し、セクションの上端部位ないし下端部位が変形する前に、上下に隣接するセクションの上側のセクションの下面と下側のセクションの上面間で力が伝達され、風圧力を上下に隣接するセクションで分配して負担することができる。
【0018】
本発明では、室外側角部、室内側角部が、それぞれ、室外側接触部、室内側接触部に断面視点接触(線接触)するので、セクション厚方向に滑ることなく噛むように接触することができ、上下に隣接するセクションの上側のセクションの下面と下側のセクションの上面間で力を良好に伝達することができる。
本発明は、内圧について、外圧と同等の耐風圧性能を備えたオーバーヘッドドアの扉体を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[A]オーバーヘッドドアの全体構成
図1は、全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアを室内側から見た正面図であり、
図2はオーバーヘッドドアの側面図である。オーバーヘッドドアの扉体Dは、横長方形状の複数枚のセクション1および最下端のボトムセクション1´を高さ方向に回動可能に連結することで構成されている。
図2では、全閉姿勢にある扉体D、全開姿勢にある扉体D´がそれぞれ示されている。各セクション1の幅方向両端にはガイドローラ11が回転自在に設けてあり(
図3参照)、扉体Dは、各セクション1の左右のガイドローラ11が左右のガイドレール9にそれぞれ案内されて上昇、下降することで建物開口部を開閉する。
【0021】
図2に示すように、ガイドレール9は、開口部の高さ方向に延びる第1部位90と、第1部位90の上方から室内側に向かって後方に延びる湾曲状の第2部位91と、第2部位91の後方から天井CLに沿って後方に延びる第3部位92と、からなる。第1部位90は、下方から上方に向かって室内側へ緩やかに傾斜している。第3部位92は、室内側に向かって上方に緩やかに傾斜している。
【0022】
開口部全閉状態では各セクション1はガイドレール9の第1部位90に位置することで複数枚のセクション1がほぼ垂直姿勢となって開口部を閉鎖している(
図2の扉体D)。開口部全閉状態から、各セクション1がほぼ垂直姿勢から第3部位92に位置するほぼ水平姿勢(緩やかな傾斜姿勢)まで引き上げられ(最下位のボトムセクション1´は第2部位91に位置する)、扉体が室内側空間の天井CLに沿って横方向に延びた姿勢となって、開口部全開状態となる(
図2の扉体D´)。
【0023】
建物開口部の上方には、バランススプリング12を備えた回転軸13が配設されており、回転軸13の両端部に軸支したドラム14に一端をそれぞれ固定した巻き取りワイヤ15の他端を、ボトムセクション1´の左右両端にそれぞれ接続して、バランススプリング12の巻き上げ方向の付勢力により全閉姿勢にある扉体を開放方向(上方)に付勢するように構成されている。
【0024】
本実施形態に係るオーバーヘッドドアは電動式であり、電動開閉機構は、開閉機16と、トロリーレール17と、連結アーム18と、を備え、連結アーム18の上端はトロリーレール17上を移動可能となっており、開閉機16による連結アーム18の移動によってボトムセクション1´を始動させることで扉体を移動させる。なお、上述のオーバーヘッドドアの駆動構成は一例に過ぎないものであり、本発明の内容を限定するものではない。
【0025】
[B]セクションの構成
オーバーヘッドドアの扉体Dを構成するセクションについて説明する。なお、本明細書において、「室外側」、「室内側」という文言は、ある要素が実際に室外、室内に面すること、位置することを意味することのみに用いられるものではなく、複数の部材の相対的な位置関係を規定するものとしても用いられる点に留意されたい。また、「上」、「下」という表現は、垂直姿勢にあるセクションに基づいてセクションの要素を規定するものである。以下に述べるセクションの構成は一例に過ぎないものであり、本発明の内容を限定するものではない。
【0026】
図4、
図5に示すように、セクション1は、建物開口部の全幅に亘って水平状に延びる上框2と、建物開口部の全幅に亘って水平状に延びる下框3と、上框2及び下框3の幅方向両端部間を高さ方向に連結する左右の縦框4と、上框2と下框3の幅方向の中間の所定部位を高さ方向に連結する複数本の中框5と、上框2と下框3と縦框4と中框5で形成される長方形状の空間、上框2と下框3と中框5で形成される長方形状の空間に、それぞれ組み込まれる複数枚のパネル6と、から構成されている。本実施形態では、上框2、下框3、左右の縦框4、中框5は、アルミ型材から形成されている。
【0027】
図6に示すように、上框2は、上面20と、垂直状の室外側面部21と、垂直状の室内側面部22と、水平状の下面23と、を備えており、上框2の上面20はセクション1の上面となっている。上面20は、室外側の水平面200と、室内側の水平面201と、室外側水平面200と室内側水平面201との間に上向きに突成された断面視台形状の凸面202と、からなる。凸面202は、室外側の傾斜面2020と、室内側の傾斜面2021と、中央の水平面2022と、からなる。下面23には、室外側に寄った部位から室内側に向かって下向き傾斜状に延びる突片230が形成されており、室内側に寄った部位に溝231が形成されている。溝231は、押縁64を取り付けるための溝である。
図6では上框2の断面を示しているが、上面20(室外側水平面200、室内側水平面201、凸面202)、室外側面部21、室内側面部22、下面23(突片230、溝231)は、上框2の長さ方向(扉体Dが建物開口部に設置された状態では、開口幅方向)に延びている。
【0028】
図7に示すように、下框3は、下面30と、垂直状の室外側面部31と、垂直状の室内側面部32と、水平状の上面33と、を備えており、下框3の下面30はセクション1の下面となっている。下面30は、室外側の水平面300と、室内側の水平面301と、室外側水平面300と室内側水平面301との間に上向きに凹成された断面視台形状の凹面302と、からなる。凹面302は、室外側の傾斜面3020と、室内側の傾斜面3021と、中央の水平面3022と、からなる。上面33には、室外側に寄った部位から室内側に向かって上向き傾斜状に延びる突片330が形成されており、室内側に寄った部位に溝331が形成されている。溝331は、押縁64を取り付けるための溝である。
図7では下框2の断面を示しているが、下面30(室外側水平面300、室内側水平面301、凹面302)、室外側面部31、室内側面部32、上面33(突片330、溝331)は、下框3の長さ方向(扉体Dが建物開口部に設置された状態では、開口幅方向)に延びている。
【0029】
下框3の室内側面部32には、下框3の長さ方向に亘って延びる補強部材7が設けてある。補強部材7は、室内側面部32から室内側に向かって水平状に延びる水平部70と、水平部70の端部から垂下する垂下部71とから、断面視L形状を備えている。このような補強部材7の詳細については、特許文献1、2を参照することができる。なお、下框3に代えて、上框2の室内側面部22に補強部材7を設けてもよい。
【0030】
図8に示すように、縦框4は、垂直状の外面40と、垂直状の室外側面部41と、垂直状の室内側面部42と、垂直状の内面43と、垂直状の中間面44を備えており、縦框4の外面40はセクション1の側面となっている。内面43は、室外側に寄った部位から室内側に向かって立ち上がり傾斜状に延びる突片430が形成されており、室内側に寄った部位に溝431が形成されている。溝431は、押縁(縦框4との関係では図示せず)を取り付けるための溝である。縦框4の上端、下端は、それぞれ、上框2の下面23、下框3の上面33に螺子(1つの態様では、縦框4の全高に亘って延びる1本の長軸の螺子を用いる)で固定されており、水平状に延びる上框2、下框3、左右の縦框4から横長方形状の枠が形成される。縦框4の内面43の上下端部には、突片430の上下端に位置して、切欠き432、433が形成されており、縦框4の外面40、中間面44の上下端部には、切欠き432、433に対応して切欠き(図示せず)が形成されており、上框2の下面23の突片230、下框3の上面33の突片330が、それぞれ嵌合するようになっている。
【0031】
図9に示すように、中框5は、垂直状の第1側面50と、垂直状の室外側面部51と、垂直状の室内側面部52と、垂直状の第2側面53と、を備えている。第1側面50は、室外側に寄った部位から室内側に向かって立ち上がり傾斜状に延びる突片500が形成されており、室内側に寄った部位に溝501が形成されている。第2側面53は、室外側に寄った部位から室内側に向かって立ち上がり傾斜状に延びる突片530が形成されており、室内側に寄った部位に溝531が形成されている。溝501、531は、押縁(中框5との関係では図示せず)を取り付けるための溝である。中框5の上端、下端は、それぞれ、上框2の下面23、下框3の上面33に螺子(1つの態様では、縦框4の全高に亘って延びる1本の長軸の螺子を用いる)で固定されている。中框5の第2側面53の上下端部には、突片530の上下端に位置して、切欠き532、533が形成されており、中框5の第1側面50の上下端部には、突片500の上下端に位置して、切欠き(図示せず)が形成されており、上框2の下面23の突片230、下框3の上面33の突片330が、それぞれ嵌合するようになっている。
【0032】
パネル6は、室外側面部60と、室内側面部61と、上端面62と、下端面63と、左右の側端面と、を備えた方形状のプレートである。パネル6は、室外側面部60の四周が、傾斜状の突片(いわば室外側の押縁)230、330、430、500、530に固定され、室内側面部61の四周が、押縁64に固定されることによって、突片230、330、430、500、530と、押縁64と、によって室外内から挟み込むようにして固定されている。パネル6は、セクション1の厚さ方向において、室外側に偏倚した位置に設けられている。
【0033】
パネル6の固定構造について、
図6、
図7を参照しつつ、詳細に説明する。パネル6の室外側面部60の四周は、接着テープとして例示するブチルテープ65を介して、傾斜状の突片230、330の先端に固定されている。押縁64は、断面視において、傾斜状の本体640と、本体640の室内側端部に形成された挿入片641と、本体640の室外側端部に形成された第1当接部642と、第2当接部643と、からなる。
図6に示すように、押縁64は、第1当接部642がパネル6の室内側面部61の上側の周縁に当接し、第2当接部643がパネル6の上端面62に当接した状態で、挿入片641を溝231に差し入れて接着剤で固定することで取り付けられる。
図7に示すように、押縁64は、第1当接部642がパネル6の室内側面部61の下側の周縁に当接し、第2当接部643がパネル6の下端面63に当接した状態で、挿入片641を溝331に差し入れて接着剤で固定することで取り付けられる。パネル6の左右の周縁も同様の構成によって縦框4、中框5に固定される。
【0034】
図1、
図10に示すように、ボトムセクション1´は、建物開口部の全幅に亘って延びる上框2と、建物開口部の全幅に亘って延びる下框3´と、上框2及び下框3´の幅方向両端部間を高さ方向に連結する左右の縦框4と、上框2と下框3´の幅方向の中間の所定部位を高さ方向に連結する複数本の中框5と、上框2と下框3´と縦框4と中框5で形成される長方形状の空間、上框2と下框3´と中框5で形成される長方形状の空間に、それぞれ組み込まれる複数枚のパネル6と、から構成されている。上框2、下框3´、左右の縦框4、中框5は、アルミ型材から形成されている。ボトムセクション1´の上框2の構成は、セクション1の上框2の構成と同じであり、セクション1の上框2についての記載を援用することができる。
【0035】
図11に示すように、下框3´は、下面30´と、垂直状の室外側面部31´と、垂直状の室内側面部32´と、水平状の上面33´と、を備えており、上面33´には、室外側に寄った部位から室内側に向かって上向き傾斜状に延びる突片330´が形成されており、室内側に寄った部位に溝331´が形成されている。ボトムセクション1´のパネル6の下側の周縁は、突片330´と、溝331´に装着された押縁64と、によって固定される。室内側面部32´には補強部材7が形成されている。
【0036】
ボトムセクション1´の下面、すなわち、下框3の下面30´には、ウェザーストリップ8が取り付けられている。ウェザーストリップ8は、ボトムセクション1´の全幅に亘って延びる中空状の長尺部材である。
図12に示すように、ウェザーストリップ8は、可撓性を備えた本体80と、本体80の幅方向両端に形成された差し込み部81、81とを備え、差し込み部81は、基片82と、基片82の先端に形成された挿入部83と、備え、挿入部83は、第1傾斜面830と第2傾斜面831とから形成され、頂点832を備えた断面視三角形状の第1部分と、第1湾曲面833、第2湾曲面834を備えた断面視半円状の第2部分と、からなり、基片82の先端に第2部分が一体形成されている。
【0037】
下面30´の室外側端部及び室内側端部には、ウェザーストリップ8を取り付けるための挿入溝34が形成されている。挿入溝34は断面視略円形状部位340と、円形状部位340の下側に形成された切欠き部341と、下向き拡開部342と、からなる。
【0038】
図11、
図12は、下框3´、ウェザーストリップ8の断面を示しており、下框3´に形成された挿入溝34、ウェザーストリップ8は、ボトムセクション1´の幅方向に延びる長尺要素である。挿入溝34にウェザーストリップ8を取り付ける時には、挿入溝34の長さ方向の端部にウェザーストリップ8の差し込み部81、81を差し入れ、長さ方向に挿入していくが、従来は、挿入部の断面形状が、挿入溝34と同様に円形であったため、挿入部の円形断面と挿入溝の円形断面とが面接触することによる摩擦によって、差し込み部の差し込み作業に多大な手間がかかり、極めて作業効率が悪いものとなっていた。
【0039】
本実施形態では、差し込み部81を挿入溝34に差し入れた時には、挿入部83が円形状部位340内に位置し、基片82が拡開部342に位置し、差し込み部81の挿入部83の第1部分の頂点(接触点)832を円形状部位340の内面に接触(線接触)させることで、第2部分と挿入溝34の内面との接触を可及的に防止しながら、頂点832と円形状部位340の内面の接触部をガイドとして、ウェザーストリップ8の差し込み部81の挿入部83を、挿入溝34の円形状部位340に、長さ方向に差し入れて行くことができるため、従来の装着手法に比べて作業性が良好である。装着後には、断面視半円状の第2部分が挿入溝34の円形状部位340の下半部の内面に載るので、抜け落ちることもない。
【0040】
最後に、各セクション1、ボトムセクション1´の連結について説明する。扉体Dが全閉姿勢から全開姿勢、全開姿勢から全閉姿勢へと移動する時には、湾曲状の第2部位91を通過するため、各セクション1は互いに回動可能に連結されている。扉体Dにおいて、上下に隣接するセクション1の室内側部位同士が丁番10を介して連結されており、丁番10の回転軸を中心として、上下に隣接するセクション1が回動可能となっている。より具体的には、上下に隣接するセクション1の縦框4の室内側面部42に跨るように丁番10が設けられ(
図3)、上下に隣接するセクション1の下側のセクション1の中框5の室内側面部52と、上側のセクション1の下框3の室内側面部32に突設された補強部材7の水平部70に跨るように丁番10が設けてある(
図14)。
【0041】
[C]閉鎖姿勢の扉体における上下に隣接するセクションの下面と上面との嵌り合い構造
本実施形態において、オーバーヘッドドアの扉体Dにおいて、セクション1の上框2の上面20は、室外側水平面200と、室内側水平面201と、室外側水平面200と室内側水平面201との間の凸面と、からなり、セクション1の下框3の下面30は、室外側水平面300と、室内側水平面301と、室外側水平面300と室内側水平面301との間の凹面と、からなる。扉体全閉姿勢において、上下に隣接するセクション1の上側のセクション1の下框3の下面30と下側のセクション1の上框2の上面20とは、室外側水平面200、300同士、室内側水平面201、301同士が当接すると共に、凹面に凸面がクリアランスを有して受け入れられており、凸面と凹面は、前記クリアランスが、縦断面視において、室外側の三角形状の空間(クリアランス)C1、室内側の三角形状の空間(クリアランス)C2を形成するような形状を備えている。以下、セクション1の上框2の上面20の凸面、下框3の下面30の凹面の具体的な形状の組み合わせについて説明する。
【0042】
[第1実施例]
第1実施例は、
図6に示す上框2の上面20と
図7に示す下框3の下面30との嵌り合いであり、上框2の上面20の説明、下框3の下面30の説明については、既述の記載を援用することができる。
図3、
図13、
図14に示すように、開口部全閉状態において、上下に隣接する2枚のセクション1の下側に位置するセクション1の上框2の上面20に上側に位置するセクション1の下框3の下面30が載っている。上框2の上面20の室外側水平面200上に、下框3の下面30の室外側水平面300が載っており、室外側水平面200の幅寸法は室外側水平面300の幅寸法よりも少し大きい。上框2の上面20の室内側水平面201上に、下框3の下面30の室内側水平面301が載っており、室内側水平面201の幅寸法は室内側水平面301の幅寸法よりも少し大きい。
【0043】
上框2の上面20の凸面202は、下框3の下面30の凹面302内に受け入れられている。より具体的には、下框3の凹面302の室外側傾斜面3020の傾斜角度(図示の例では室外側水平面300から75度で立ち上がる)は上框2の凸面202の室外側傾斜面2020の傾斜角度(図示の例では室外側水平面200から45度で立ち上がる)よりも大きくなっており、下框3の凹面302の室外側傾斜面3020と、上框2の凸面202の室外側傾斜面2020と、下框3の凹面302の中央の水平面3022の室外側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C1が形成されている。
【0044】
下框3の凹面302の室内側傾斜面3021の傾斜角度(図示の例では室内側水平面301から75度で立ち上がる)は上框2の凸面202の室内側傾斜面2021の傾斜角度(図示の例では室内側水平面201から45度で立ち上がる)よりも大きくなっており、下框3の凹面302の室内側傾斜面3021と、上框2の凸面202の室内側傾斜面2021と、下框3の凹面302の中央の水平面3022の室内側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C2が形成されている。
【0045】
上框2の上面20の凸面202の中央の水平面2022は、下框3の下面30の凹面302の中央の水平面3022に隙間C3を存して近接している。水平面3022の幅寸法は水平面2022の幅寸法よりも大きい。典型的には、上框2の上面20の室外側水平面200と下框3の下面30の室外側水平面300が当接しており、上框2の上面20の室内側水平面201と下框3の下面30の室内側水平面301が当接しており、凸面202と凹面302は離間している(なお、セクション1は開口幅方向に延びる部材であり、部分的な変形やねじれが生じる可能性があることから、結果的に、水平面2022と水平面3022が長さ方向において部分的に接触することを排除するものではない。)。
【0046】
このように、上側に位置するセクション1の下框3の下面30と、下側に位置するセクション1の上框2の上面20とが、扉体Dの全閉姿勢において、室外側の空間(クリアランス)C1と、室内側の空間(クリアランス)C2と、隙間C3と、からクリアランスが形成されている。セクション1の下框3の下面30と上框2の上面20が、室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1と、室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2と、を有するクリアランスを形成することによって、扉体Dの開閉時、すなわち、上側のセクション1と下側のセクション1の回動時に、上側のセクション1の下面30の凹面302と、下側のセクション1の上面20の凸面202と、の非接触状態での移動が許容(保証)され、製作時の寸法誤差も吸収される。なお、第1実施例では、
図13に示すように、セクション1の下框3の下面30、上框2の上面20の形状は、セクション1の厚さ方向の中心を通る垂直面に対して対称状の形状となっている。
【0047】
室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1において、下框3の凹面302の室外側傾斜面3020の下端は、角度(105度)をもって室外側水平面300と交わることによって、角部E1を形成しており、角部E1は、上框2の凸面202の室外側傾斜面2020の下端に近接している。
【0048】
図14に示す扉体全閉姿勢において、扉体Dに面圧が作用して、下側に位置するセクション1の上框2に対して上側に位置するセクション1の下框3が相対的に室内側に変位すると、直ちに、下框3の下面30に形成された角部E1が上框2の凸面202の室外側傾斜面2020の下端ないし下端近傍に当接して、断面視において点接触(実際には、線接触)する(
図15)。セクション1は、開口幅方向に延びる部材なので、線接触の態様としては、長さ方向の全部で接触する場合、長さ方向の一部で接触する場合が考えられる。
図15では、角部E1が上框2の凸面202の室外側傾斜面2020の下端に点接触しているが、上框2と下框3の強度が異なることによる撓み量の差異、上框2及び下框3が開口幅方向に長尺であることによる捩れ等によって、角部E1が上框2の凸面202の室外側傾斜面2020の下端より少し上側の部位に点接触する場合もあり得る。
【0049】
室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2において、下框3の凹面302の室内側傾斜面3021の下端は、角度(105度)をもって室内側水平面301と交わることによって、角部E2を形成しており、角部E2は、上框2の凸面202の室内側傾斜面2021の下端に近接している。
【0050】
図14に示す扉体全閉姿勢において、扉体Dに面圧が作用して、下側に位置するセクション1の上框2に対して上側に位置するセクション1の下框3が相対的に室外側に変位すると、直ちに、下框3の下面30に形成された角部E2が上框2の凸面202の室内側傾斜面2021の下端ないし下端近傍に当接して、断面視において点接触(実際には、線接触)する(
図16)。セクション1は、開口幅方向に延びる部材なので、線接触の態様としては、長さ方向の全部で接触する場合、長さ方向の一部で接触する場合が考えられる。
図16では、角部E2が上框2の凸面202の室内側傾斜面2021の下端に点接触しているが、上框2と下框3の強度が異なることによる撓み量の差異、上框2及び下框3が開口幅方向に長尺であることによる捩れ等によって、角部E2が上框2の凸面202の室内側傾斜面2021の下端より少し上側の部位に点接触する場合もあり得る。
【0051】
全閉姿勢にある扉体Dに外圧ないし内圧が作用した時には、扉体Dの幅方向両端部はガイドレール9に拘束されているので、幅方向中央部位が室内側ないし室外側に膨らむように変形すると考えられる。この時、セクション1の上框2と下框3の強度に差があれば、より強度が弱い側(本実施形態では、上框2)がより大きく変形ないし変位するものと考えられる。したがって、
図14の状態において内圧が作用した場合には、上下に隣接するセクション1は
図15のような挙動を示すと考えられ、
図14の状態において外圧が作用した場合には、上下に隣接するセクション1は
図16のような挙動を示すと考えられる。
図15、
図16は縦断面視であり、実際には、室外側角部E1と室外側接触部、室内側角部E2と室内側接触部は、それぞれ、線接触すると考えられ、また、セクションの変形に応じて、部分的に線接触することも考えられる(例えば、幅方向の中央部位のみが接触して、幅方向両端部は離れている)。
【0052】
[第2実施例]
図17を参照しつつ、第2実施例について説明する。下側に位置するセクション1の上框2の上面20は、第1実施例と同様に、室外側の水平面200と、室内側の水平面201と、室外側水平面200と室内側水平面201との間に上向きに突成された断面視台形状の凸面と、からなり、凸面は、室外側の傾斜面2020と、室内側の傾斜面2021と、中央の水平面2022と、からなる。
【0053】
上側に位置するセクション1の下框3の下面30は、室外側の水平面300と、室内側の水平面301と、室外側の水平面300と室内側の水平面301との間に上向きに凹成された凹面と、からなり、凹面は、室外側の垂直面3020´と、室内側の垂直面3021´と、中央の水平面3022と、からなる。
【0054】
下框3の凹面の室外側垂直面3020´と、上框2の凸面の室外側傾斜面2020と、下框3の凹面の中央の水平面3022の室外側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C1が形成されている。下框3の凹面の室内側垂直面3021´と、上框2の凸面の室内側傾斜面2021と、下框3の凹面の中央の水平面3022の室内側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C2が形成されている。
【0055】
室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1において、下框3の凹面の室外側垂直面3020´の下端は、室外側水平面300と角度(90度)をもって交わることで、角部E1を形成しており、角部E1は、上框2の凸面の室外側傾斜面2020の下端に近接している。室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2において、下框3の凹面の室内側垂直面3021´の下端は、室内側水平面301と角度(90度)をもって交わることで、角部E2を形成しており、角部E2は、上框2の凸面の室内側傾斜面2021の下端に近接している。
【0056】
図17下図に示すように、セクション1の下框3の下面30と上框2の上面20が、室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1と、室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2と、を有するクリアランスを形成することによって、扉体Dの開閉時、すなわち、上側のセクション1と下側のセクション1の回動時に、上側のセクション1の下面30の凹面と、下側のセクション1の上面20の凸面と、の非接触状態での移動が許容(保証)され、製作時の寸法誤差も吸収される。扉体全閉姿勢で扉体Dに所定の面圧が作用した場合には、室外側角部E1あるいは室内側角部E2が、室外側接触部(上框2の凸面の室外側傾斜面2020の下端ないし下端近傍)あるいは室内側接触部(上框2の凸面の室内側傾斜面2021の下端ないし下端近傍)に接触して、上下に隣接する下面30と上面20との間で力が伝達される。
【0057】
[第3実施例]
図18を参照しつつ、第3実施例について説明する。下側に位置するセクション1の上框2の上面20は、第1実施例と同様に、室外側の水平面200と、室内側の水平面201と、室外側水平面200と室内側水平面201との間に上向きに突成された断面視台形状の凸面と、からなり、凸面は、室外側の傾斜面2020と、室内側の傾斜面2021と、中央の水平面2022と、からなる。
【0058】
上側に位置するセクション1の下框3の下面30は、室外側の水平面300と、室内側の水平面301と、室外側の水平面300と室内側の水平面301との間に上向きに凹成された凹面と、からなり、凹面は、室外側の垂直面3020´と、室内側の垂直面3021´と、中央の上向き膨出状の湾曲面3022´と、からなる。
【0059】
下框3の凹面の室外側垂直面3020´と、上框2の凸面の室外側傾斜面2020と、下框3の凹面の中央の湾曲面3022´の室外側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C1が形成されている。下框3の凹面の室内側垂直面3021´と、上框2の凸面の室内側傾斜面2021と、下框3の凹面の中央の湾曲面3022´の室内側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C2が形成されている。
【0060】
室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1において、下框3の凹面の室外側垂直面3020´の下端は、室外側水平面300と角度(90度)をもって交わることで、角部E1を形成しており、角部E1は、上框2の凸面の室外側傾斜面2020の下端に近接している。室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2において、下框3の凹面の室内側垂直面3021´の下端は、室内側水平面301と角度(90度)をもって交わることで、角部E2を形成しており、角部E2は、上框2の凸面の室内側傾斜面2021の下端に近接している。
【0061】
図18下図に示すように、セクション1の下框3の下面30と上框2の上面20が、室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1と、室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2と、を有するクリアランスを形成することによって、扉体Dの開閉時、すなわち、上側のセクション1と下側のセクション1の回動時に、上側のセクション1の下面30の凹面と、下側のセクション1の上面20の凸面と、の非接触状態での移動が許容(保証)され、製作時の寸法誤差も吸収される。扉体全閉姿勢で扉体Dに所定の面圧が作用した場合には、室外側角部E1あるいは室内側角部E2が、室外側接触部(上框2の凸面の室外側傾斜面2020の下端ないし下端近傍)あるいは室内側接触部(上框2の凸面の室内側傾斜面2021の下端ないし下端近傍)に接触して、上下に隣接する下面30と上面20との間で力が伝達される。
【0062】
[第4実施例]
図19を参照しつつ、第4実施例について説明する。下側に位置するセクション1の上框2の上面20は、室外側の水平面200と、室内側の水平面201と、室外側水平面200と室内側水平面201との間に上向きに突成された断面視台形状の凸面と、からなり、凸面は、室外側の傾斜面2020と、室内側の傾斜面2021と、中央の水平面2022と、からなる。第4実施例の上框2の上面20は、断面視台形状の凸面を備える点において第1実施例と共通するが、室外側傾斜面2020の立ち上がり角度と室内側傾斜面2021の立ち上がり角度とが異なる点(室内側傾斜面2021の立ち上がり角度が大きい)において相違する。
【0063】
上側に位置するセクション1の下框3の下面30は、室外側の水平面300と、室内側の水平面301と、室外側の水平面300と室内側の水平面301との間に上向きに凹成された凹面と、からなり、凹面は、室外側の垂直面3020´と、室内側の垂直面3021´と、中央の水平面3022と、からなる。
【0064】
下框3の凹面の室外側垂直面3020´と、上框2の凸面の室外側傾斜面2020と、下框3の凹面の中央の水平面3022の室外側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C1が形成されている。下框3の凹面の室内側垂直面3021´と、上框2の凸面の室内側傾斜面2021と、下框3の凹面の中央の水平面3022の室内側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C2が形成されている。
【0065】
室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1において、下框3の凹面の室外側垂直面3020´の下端は、室外側水平面300と角度(90度)をもって交わることで、角部E1を形成しており、角部E1は、上框2の凸面の室外側傾斜面2020の下端と近接している。室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2において、下框3の凹面の室内側垂直面3021´の下端は、室内側水平面301と角度(90度)をもって交わることで、角部E2を形成しており、角部E2は、上框2の凸面の室内側傾斜面2021の下端と近接している。
【0066】
図19下図に示すように、セクション1の下框3の下面30と上框2の上面20が、室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1と、室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2と、を有するクリアランスを形成することによって、扉体Dの開閉時、すなわち、上側のセクション1と下側のセクション1の回動時に、上側のセクション1の下面30の凹面と、下側のセクション1の上面20の凸面と、の非接触状態での移動が許容(保証)され、製作時の寸法誤差も吸収される。扉体全閉姿勢で扉体Dに所定の面圧が作用した場合には、室外側角部E1あるいは室内側角部E2が、室外側接触部(上框2の凸面の室外側傾斜面2020の下端ないし下端近傍)あるいは室内側接触部(上框2の凸面の室内側傾斜面2021の下端ないし下端近傍)に接触して、上下に隣接する下面30と上面20との間で力が伝達される。なお、第4実施例では、
図19に示すように、セクション1の下框3の下面30、上框2の上面20の形状は、セクション1の厚さ方向の中心を通る垂直面に対して非対称状の形状となっている。
【0067】
[第5実施例]
図20を参照しつつ、第5実施例について説明する。下側に位置するセクション1の上框2の上面20は、室外側の水平面200と、室内側の水平面201と、室外側の水平面200と室内側の水平面201との間に上向きに膨出状に突成された湾曲状の凸面202´と、からなる。
【0068】
上側に位置するセクション1の下框3の下面30は、室外側の水平面300と、室内側の水平面301と、室外側の水平面300と室内側の水平面301との間に上向きに凹成された凹面と、からなり、凹面は、室外側の垂直面3020´と、室内側の垂直面3021´と、中央の水平面3022と、からなる。
【0069】
下框3の凹面の室外側垂直面3020´と、上框2の凸面の湾曲状の凸面202´の室外側部位と、下框3の凹面の中央の水平面3022の室外側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C1が形成されている。下框3の凹面の室内側垂直面3021´と、上框2の凸面の湾曲状の凸面202´の室内側部位と、下框3の凹面の中央の水平面3022の室内側部位と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C2が形成されている。
【0070】
室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1において、下框3の凹面の室外側垂直面3020´の下端は、室外側水平面300と角度(90度)をもって交わることで、角部E1を形成しており、角部E1は、上框2の湾曲状の凸面202´の室外側の下端と近接している。室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2において、下框3の凹面の室内側垂直面3021´の下端は、室内側水平面301と角度(90度)をもって交わることで、角部E2を形成しており、角部E2は、上框2の湾曲状の凸面202´の室内側の下端と近接している。
【0071】
図20下図に示すように、セクション1の下框3の下面30と上框2の上面20が、室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1と、室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2と、を有するクリアランスを形成することによって、扉体Dの開閉時、すなわち、上側のセクション1と下側のセクション1の回動時に、上側のセクション1の下面30の凹面と、下側のセクション1の上面20の凸面と、の非接触状態での移動が許容(保証)され、製作時の寸法誤差も吸収される。扉体全閉姿勢で扉体Dに所定の面圧が作用した場合には、室外側角部E1あるいは室内側角部E2が、室外側接触部(上框2の湾曲状の凸面202´の室外側の下端ないし下端近傍)あるいは室内側接触部(上框2の湾曲状の凸面202´の室内側の下端ないし下端近傍)に接触して、上下に隣接する下面30と上面20との間で力が伝達される。
【0072】
[第6実施例]
図21を参照しつつ、第6実施例について説明する。下側に位置するセクション1の上框2の上面20は、室外側の水平面200と、室内側の水平面201と、室外側の水平面200と室内側の水平面201との間に上向きに突成された凸面と、からなり、凸面は、室外側の垂直面2020´と、室内側の垂直面2021´と、中央の水平面2022と、からなる。
【0073】
上側に位置するセクション1の下框3の下面30は、室外側の水平面300と、室内側の水平面301と、室外側の水平面300と室内側の水平面301との間に上向きに凹成された湾曲状の凹面302´と、からなる。
【0074】
下框3の湾曲状の凹面302´の室外側部位と、上框2の上面20の室外側水平面200の中央の凸面寄りの部分と、上框2の凸面の室外側垂直面2020´と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C1が形成されている。下框3の湾曲状の凹面302´の室内側部位と、上框2の上面20の室内側水平面201の中央の凸面寄りの部分と、上框2の凸面の室内側垂直面2021´と、の間に断面視三角形状の空間(クリアランス)C2が形成されている。
【0075】
室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1において、上框2の凸面の室外側垂直面2020´の上端は、水平面2022と角度(90度)をもって交わることで、角部E1を形成しており、角部E1は、下框3の凹面302´の室外側部位と近接している。室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2において、上框2の凸面の室内側垂直面2021´の上端は、水平面2022と角度(90度)をもって交わることで、角部E2を形成しており、角部E2は、下框3の凹面302´の室内側部位と近接している。
【0076】
図21下図に示すように、セクション1の下框3の下面30と上框2の上面20が、室外側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C1と、室内側の断面視三角形状の空間(クリアランス)C2と、を有するクリアランスを形成することによって、扉体Dの開閉時、すなわち、上側のセクション1と下側のセクション1の回動時に、上側のセクション1の下面30の凹面と、下側のセクション1の上面20の凸面と、の非接触状態での移動が許容(保証)され、製作時の寸法誤差も吸収される。扉体全閉姿勢で扉体Dに所定の面圧が作用した場合には、室外側角部E1あるいは室内側角部E2が、室外側接触部(下框3の凹面302´の室外側部位)あるいは室内側接触部(下框3の凹面302´の室内側部位)に接触して、上下に隣接する下面30と上面20との間で力が伝達される。