【課題を解決するための手段】
【0004】
上述された種類の保持ブロックに関して、この目的は、コンタクト部材を受容するための少なくとも1つの受容開口部が提供され、この受容開口部が、プラグ端部保護表面からケーブル端部保護表面まで延在しかつ保持ブロック部材の外側輪郭へと外に開いているという形で、本発明により達成される。
【0005】
上述された種類のモジュール式プラグインサートに関して、この目的は、本発明による保持ブロックが提供され、この場合、コンタクト部材を、少なくとも1つの受容開口部内へと、いずれの場合も差込方向を横断する方向に向けられた受容方向に沿って導入できる、という形で、本発明により達成される。
【0006】
これらの解決法は、先行技術から知られるように、コンタクト部材を、保持ブロックまたはプラグインサート内に、続く差込方向においてまたはその反対方向において導入する必要がない、とう利点を有する。コンタクト部材の挿入が続く差込方向に対して横断方向に実行され、この結果、掛止フックを使用しないことが可能となり、装着がより容易になる。
【0007】
本発明による解決法を、それら自体有利でありかつ所望に応じて互いと組み合わせることのできる、様々な構成によってさらに改善することができる。これらの構成およびこれらと関連付けられた利点について、以下で詳細に記載する。
【0008】
1つの有利な構成では、本発明による保持ブロックの外側輪郭は、画定された幾何学的形態を有し得る。保持ブロックはこの場合、たとえば、円形または矩形とすることができる。さらに、保持ブロックの外側輪郭は、たとえば三角形またはn本の辺を有する多角形などの、任意の他の幾何学的な形をとることができる。
【0009】
ケーブル端部保護表面を、プラグ端部保護表面と実質的に平行に配置することができる。
【0010】
保持ブロックを、中実体または中空体として構成することができる。保持ブロックが中空体として構成される場合は、プラグ端部保護表面およびケーブル端部保護表面はそれぞれ、たとえばウエブを介して互いに接続可能なプレートを表す。この構成の場合、2つの保護表面は、任意の所望の形態のウエブを介してのみ互いに接続され、受容開口部は、2つの保護表面の各々の中に別個にあるが互いに対向して存在し得る。この場合、受容開口部の内側面は、2つのストリップ形状の表面を備える。
【0011】
保持ブロックを、中実体として構成することができる。すなわち、受容開口部の内側面は、切れ目のない表面である。
【0012】
中実体としての保持ブロックの構成の場合または中空体としての保持ブロックの構成の場合の両方において、受容開口部の内側面を、追加的に処理することができる。この場合、受容開口部の前記内側面に、機械的に処理された機能性被覆を設けること、またはたとえばゴム被覆を設けることができる。たとえば、摩擦軽減層または研磨摩耗を軽減する被覆は、機能性被覆と見なされ得る。受容開口部の内側面に、たとえば後から挿入されることになるコンタクト部材との摩擦を大きくする構造を設けることも考えられる。
【0013】
保持ブロックは、外側輪郭全体にわたって所望に応じて分布させることのできる、いくつかの受容開口部を有し得る。受容開口部は、外側輪郭に沿って所望に応じて配置できるだけでなく、様々な深さおよび/または幅を有することもできる。受容開口部の配置、幅、および深さに関して、任意の所望の組み合わせが考えられる。受容開口部の位置、深さ、および幅のこの組み合わせの結果として、様々な基準に対応可能な非常に幅広い嵌合面を実現することができる。
【0014】
保持ブロックのさらなる有利な構成では、プラグ端部保護表面および/またはケーブル端部保護表面から外に突出する、少なくとも1つの壁が設けられる。
【0015】
この壁を、保持ブロックから押出成形することができるか、またはこの壁は、後から取り付けられる別個の部材を表すことができる。
【0016】
1つの壁または複数の壁を、プラグ端部保護表面および/またはケーブル端部保護表面から離れる方向を向く、受容開口部の内壁の伸張部と見なすことができる。1つの壁または複数の壁は、保護表面から離れる方向を向く方向における受容開口部の広がりを大きくし、こうして後から挿入されることになるコンタクト部材に対して、より大きい受容および担持表面を提供することができる。
【0017】
1つの壁または複数の壁は、単独の、いくつかの、または全ての受容開口部においてさらに存在し得る。この場合、壁を設けられた全ての受容開口部に関して壁の高さが同じであれば、または壁の端面が、関連付けられたコンタクト表面と平行に互いと面一であれば、有利である。
【0018】
個々の受容開口部の壁を、互いから空間的に分離することができる。しかし、互いに隣り合って位置付けられた異なる受容開口部の壁が、互いに接触することも、または互いへと融合する、すなわち接触の箇所において材料接続を有することすら可能である。この壁の材料接続は、保持ブロックの安定性を高めるために、特に有利である。
【0019】
1つの壁または複数の壁の端部は、壁にわたる平均の場合よりも小さい壁厚さを有し得る。1つの壁または複数の壁の端部は、続いて挿入されることになる部材の挿入を単純化する面取り部を、さらに有し得る。
【0020】
1つの壁または複数の壁は、1つの受容開口部または複数の受容開口部の1つの内壁または複数の内壁の、ずれのない連続体を形成することができ、この場合、1つの受容開口部または複数の受容開口部の1つの内壁または複数の内壁は、保護表面同士の間の方向においてまたはその反対方向において、段部また縁部を有さない。
【0021】
1つの壁または複数の壁を、1つの受容開口部または複数の受容開口部から離れるようにずらして構築することも可能である。この構成では、縁部または段部が、保護表面同士の間の方向においてまたはその反対方向において見出される。そのような段部は、後から挿入されることになる部材を前記段部上で支持できるという利点を有し得る。
【0022】
保持ブロックの本発明によるさらなる構成では、少なくとも1つのさらなる保持ブロック部材が提供され、そのさらなる外側輪郭は、保持ブロック部材の外側輪郭と相補の関係にある。
【0023】
保持ブロックを形成する保持ブロック部材は、単独で見た場合、複雑な外側輪郭を有し得るものの、この外側輪郭は、保持ブロック部材の相補的な設計によって、単純化された外側輪郭、たとえば保持ブロック全体の円形の外側輪郭を形成するように、単純化することができる。
【0024】
様々な保持ブロック部材を、同じ材料からまたは様々な材料から製造することができる。様々な材料は、保持ブロック部材同士を相違させる役割を果たし得る。いくつかの保持ブロック部材を相違させることおよびこれらの装着の改善を目的として、これらは、たとえば色コード化および/または表面構造によるコード化によって実現可能なマークを、追加的に有し得る。
【0025】
個々の保持ブロック部材が対称性を有することも可能であり、この結果、プラグ端部保護表面とケーブル端部保護表面を相違させる必要がなくなる。したがって、そのような保持ブロック部材の設置によって、この場合プラグ端部保護表面とケーブル端部保護表面が入れ替えられるが、機能が損なわれることがない。
【0026】
さらなる保持ブロック部材が、保持ブロックの外側輪郭から保持ブロックの内面まで幅が狭くなっている、さらなる外側輪郭を有すれば有利である。このことにより、続く差込方向を横断する方向における、さらなる保持ブロック部材の挿入が可能になる。続く差込方向は、保持ブロック部材の保護表面に対して垂直である。
【0027】
それでもなお、さらなる保持ブロック部材が、保持ブロックの外面から保持ブロックの内面まで広くなっているさらなる外側輪郭を有することも可能である。ただ1つのさらなる保持ブロック部材を用いて保持ブロックを形成するような様式で構成された、さらなる保持ブロック部材の場合、さらなる保持ブロック部材を保持ブロック部材内に、続く差込方向にまたはその反対方向に導入することが必要である。
【0028】
保持ブロックが3つ以上の保持ブロック部材を備える場合、かつ1つのさらなる保持ブロック部材のみが保持ブロックの外面から内面までより広くなるさらなる外側輪郭を有する場合、続く差込方向を横断する方向における保持ブロック部材の挿入が、それでもやはり可能である。このことは、続く差込方向を横断する方向に最後に挿入されることになる保持ブロック部材が、外面から内面まで小さくなっている幅を有する保持ブロック部材であるという形で実現可能である。
【0029】
2つ以上の保持ブロック部材を、2つ以上の保持ブロック部材の外側輪郭が、保持ブロックの組立後に連結受容開口部を形成するような様式で構成することができる。この場合、たとえば、2つの保持ブロック部材の外側輪郭が、保持ブロックを形成するための組立後に円形の受容開口部を形成する半円形の受容開口部を、いずれの場合も有することが可能である。
【0030】
組み立てられた保持ブロックは、切れ目のないプラグ端部保護表面およびケーブル端部保護表面を有し得るが、組み立てられた保持ブロックは、材料の節減を理由として、たとえば保護表面に凹部も有し得る。凹部は、受容開口部を表すことなく、プラグ端部保護表面からケーブル端部保護表面まで延在し得る。
【0031】
保持ブロックのさらなる有利な構成では、これは、プラグ端部のさらなる保護表面、ケーブル端部のさらなる保護表面、およびこれらのさらなる保護表面を取り囲むさらなる外側輪郭を備え、プラグ端部のさらなる保護表面からケーブル端部のさらなる保護表面まで延在しかつさらなる保持ブロック部材のさらなる外側輪郭へと外に開いている、コンタクト部材を受容するための少なくとも1つの受容開口部を有する、さらなる保持ブロック部材を備える。
【0032】
ケーブル端部のさらなる保護表面を、プラグ端部のさらなる保護表面と実質的に平行に配置することができる。
【0033】
そのような様式で構成された保持ブロック部材は、保持ブロックの外側輪郭から内面までの受容開口部の長さを過度に長くするよう選択する必要なく、受容開口部を保持ブロック全体にわたって所望に応じて分布させることができる、という利点を有する。
【0034】
過度に大きくない受容開口部の長さの広がりは、保持ブロックの安定性を損なわない。受容開口部を、2つ以上の保持ブロック部材によって形成することができる。
【0035】
外側輪郭において外に開いている受容開口部は、組み立てられた状態であっても外向きに向く開口部を、常に有する。ただし受容開口部を、いくつかの保持ブロック部材で少なくとも部分的に構成することもできる。いくつかの受容開口部は、保持ブロックの組み立てられた状態において完成する受容開口部を表し得る。いくつかの構成要素としての受容開口部から成る前記受容開口部は、保持ブロックの組み立てられた状態において、閉じた内壁を有することができ、ケーブル端部保護表面およびプラグ端部保護表面に向かって開かれ得る。
【0036】
さらなる保持ブロック部材の受容開口部も、受容開口部の内壁において、保持ブロック部材の受容開口部と同様の処理を受けることができる。たとえば構造化、被覆、またはゴム被覆などの可能な表面処理を、同様に適用することができる。
【0037】
受容開口部のそのような処理を、保持ブロック部材の外側輪郭の接触する部分にも適用することができる。こうしてたとえば、摩擦軽減層による接触する部分の処理により、保持ブロック部材内へのさらなる保持ブロック部材の挿入を容易にすることが可能である。
【0038】
たとえば保持ブロック部材とさらなる保持ブロック部材との間の摩擦を大きくすることによって、両保持ブロック部材間で摩擦ロック接続を生成できること、および、これらを互いに対して固定できることが、さらに可能である。
【0039】
本発明による保持ブロックの1つの有利な構成では、保持ブロック部材および少なくとも1つのさらなる保持ブロック部材が、ポジティブロックの様式で少なくとも部分的に互いに係合する。
【0040】
そのようなポジティブロックにより、さらなる保持ブロック部材に対する保持ブロック部材の相対移動を防止することができる。この場合、保護表面に対して垂直に延びる方向においてまたはその反対方向において、保持ブロック部材の移動が防止されれば、とりわけ有利であり得る。
【0041】
ポジティブロックを、関与する保持ブロック部材の外側輪郭の接触する部分において存在する溝または突出部を介して、実現することができる。溝および突出部を有利には、相補の関係となるように構成することができ、それらの形状をたとえば、矩形または半円形とすることができる。
【0042】
ポジティブロックを、保持ブロック部材のプラグ端部保護表面とケーブル端部保護表面との間の距離が、さらなる保持ブロック部材の同じ保護表面同士の間の距離よりも大きいという形で形成することもできる。
【0043】
この構成では、保持ブロック部材は、段部のないおよびずれのない様式で保護表面から続いており、かつ一方側または両側で開口部の上方に延在し、かつ間にさらなる保持ブロック部材が受容される、張り出し部を有する。
【0044】
保護表面に対して垂直な方向において測定される張り出し部の内部距離を、さらなる保持ブロック部材の保護表面同士の間の距離以上とすることができる。
【0045】
さらなる保持ブロック部材を、これのために設けられた保持ブロック部材の開口部内に挿入することができる。また、プラグ端部保護表面および/またはケーブル端部保護表面を有する保持ブロック部材の張り出し部は、さらなる保持ブロック部材のさらなる保護表面と少なくとも部分的に重なることができる。
【0046】
組み立てられた状態では、さらなる保持ブロック部材はしたがって、保護表面に対して垂直な方向に沿ってまたはこれと反対方向に、移動させることができない。
【0047】
ポジティブロックはさらに、保持ブロック部材に固止されかつさらなる保持ブロック部材の開口部内に押し込むことのできる、ピンを用いて実現することもできる。この場合、ピンを保持ブロック部材およびさらなる保持ブロック部材の両方に固止することができるか、または、このポジティブロックピンおよび対応する開口部が、各保持ブロック部材において交互に存在し得る。
【0048】
保持ブロック部材の張り出し部を有する上記の実施形態を、たとえば、妨害物またはラッチ機構として構成することができる。保持ブロック部材の互いに対する保持または固定が、こうして保証される。
【0049】
可能な妨害物によって実現される保持を、対応する力を作用させて容易に解放することができる。一方、掛止フックによって生成される掛止は、この掛止を外すことによってのみ解放することができる。
【0050】
保持ブロック部材とさらなる保持ブロック部材との間のポジティブロックを、保持ブロックの外側輪郭において、すなわち、特にさらなる保持ブロック部材との保持ブロック部材の接触箇所において、ずれが生じないように、特に構成することができる。前記箇所におけるずれは、保持ブロック部材とさらなる保持ブロック部材との間のポジティブロックが、まだ完全には作り出されていないことを示すものとして機能し得る。
【0051】
保持ブロックのさらなる有利な構成は、少なくとも1つの受容開口部の開口を封止する、少なくとも1つの固着スリーブ(securing sleeve)を有する。
【0052】
固着スリーブを、1つの個片としてまたはいくつかの部品で構築される環体として、構成することができる。たとえば、保持ブロックの周囲に両側から設置される2部品の半環体を、この場合考えることができ、この半環体を、この半環体のそれぞれの接触箇所において接続することができる。
【0053】
固着スリーブを、保持ブロックを完全には取り囲まないが、自体が及ぼすばね力のみによって保持ブロック上に摩擦係合の様式で接続される、クリップとすることもできる。
【0054】
固着スリーブを、ケーブル端部保護表面およびプラグ端部保護表面の両方から、保持ブロック上に設置することができる。固着スリーブが、各一方側から保持ブロックを覆って敷設または設置可能な、2部品の環体を備えることも可能である。
【0055】
固着スリーブは、プラグ端部とケーブル端部との間のあらゆる種類の流体および/またはほこりの行き来を防止する、少なくとも1つの封止部材を有し得る。封止部材を、固着スリーブ上におよび/または保持ブロック上に設けることができる。さらに封止部材は、たとえば、保持ブロックと固着スリーブとの間に位置付けられるOリングとすることができる。
【0056】
固着スリーブが保持ブロックの外側輪郭に接触する領域を、所望に応じて構成することができる。少なくとも1つの受容開口部に加えて、固着スリーブは、保持ブロックの外側輪郭へと外に開いているさらなる受容開口部を封止することができる。
【0057】
固着スリーブは、リング形状および矩形の両方または任意の形態となるように構成することができ、保護表面を有し得る。この保護表面は、特に、組み立てられた状態では、保持ブロックの保護表面と平行とすることができる。基部表面をさらに、切れ目のないものとするか、またはこれに開孔を設けることができる。
【0058】
本発明による保持ブロックは有利には、少なくとも1つの固着スリーブが、保持ブロックの外側輪郭へと開いている受容開口部を封止するように構成され得る。
【0059】
固着スリーブは、特に全周に関わる様式で、保持ブロックの外側輪郭へと外に開いている全ての受容開口部を封止することができる。前記封止を、表面全体にわたってまたは部分的に実行することができる。たとえば受容開口部の開口にわたって存在する薄いウエブは、たとえば受容開口部の開口の上方に突出しかつ受容開口部を完全には架橋しない自立型ウエブなどの、受容開口部の開口の封止部も表す。
【0060】
2部品の固着スリーブの場合、受容開口部の保護を、たとえば4分の1ずつまたはこれにもかかわらず任意の他の所望の分割で、たとえば固着スリーブの第1の部品からまたは固着スリーブの第2の部品から交互に、実行することができる。
【0061】
保持ブロックのさらなる有利な構成では、保持ブロック部材の外側輪郭およびさらなる保持ブロック部材のさらなる外側輪郭の接触する部分は、これらが保持ブロックの外側輪郭へと外に開いていない受容開口部を封止するような様式で構成される。
【0062】
保持ブロックの外側輪郭は、保持ブロック部材がさらなる保持ブロック部材と1つにされるときにのみ生成され得る。
【0063】
保持ブロックの外側輪郭へと外に開いていない受容開口部は、固着スリーブを用いて、困難を伴ってしか封止できない。このことは、固着スリーブの複雑な形態によって達成され得るが、保持ブロックの外側輪郭へと外に開いていない受容開口部の封止は好ましくは、保持ブロック部材の外側輪郭およびさらなる保持ブロック部材のさらなる外側輪郭の接触する部分を用いて実行される。
【0064】
保持ブロックの外側輪郭へと外に開いていない受容開口部は、保持ブロック部材において、さらなる保持ブロック部材において、または両方において、存在し得る。受容開口部を、外側輪郭およびさらなる外側輪郭の接触する部分に沿って、交互に配置することもできる。そのような場合、そのような受容開口部に対向する他方の保持ブロック部材の構造化されていない内部表面は、受容開口部を封止する機能のみを有する。
【0065】
ただし、保持ブロック部材が1つに接合されて保持ブロックを形成すると受容開口部の最終形状を形成し得る、保持ブロック部材において、単一の受容開口部の2つ以上の部分的に成形された部分を設けることも、さらに可能である。
【0066】
保持ブロックの外側輪郭上に位置付けられていない受容開口部の構造は、後から受容開口部内に導入されることになる部材を、受容開口部を外側輪郭から中央領域まで延長する必要なく、前記保持ブロック内の中央に、すなわち保持ブロックの外側輪郭まで可能な限り大きい距離をとって、挿入できる、という利点を特に有する。そのような長い受容開口部を回避することにより、保持ブロックの安定性が高まる。
【0067】
本発明による保持ブロックを有利には、固着スリーブが保持ブロックの外側輪郭をポジティブロックの様式で少なくとも部分的に取り囲むように構成することができる。
【0068】
固着スリーブは、固着スリーブ上に設けられたポジティブロック部材が保持ブロックとのポジティブロックを形成することができるように、保持ブロックの外側輪郭に完全にまたは部分的に当接して具合よく収まることができる。そのようなポジティブロック部材の単純な構成は、たとえば、保持ブロックの保護表面と平行に配向される固着スリーブの、切れ目のない保護表面または部分的に破断された保護表面である。固着スリーブはそのようにして、保護表面とともに、たとえば、円形の断面を有する保持ブロックのための円筒形の受容部を形成することができる。
【0069】
保持ブロックのさらなる有利な構成では、これは、保持ブロックを固着スリーブにロックおよび/または固定するための、妨害物(inhibitor)および/またはラッチ機構を有する。
【0070】
可能な妨害物を、ビードおよび対応する好ましくは相補的な凹部の相互作用によって、実現することができる。この場合、ビードを、保持ブロック上にまたは固着スリーブ上に、位置付けることができる。対応する凹部は、妨害物の他方の部材上に位置付けられる。
【0071】
妨害物により、再び容易に解放可能でありかつ保持ブロックおよび固着スリーブの互いに対する移動のみを妨害する、保持ブロックと固着スリーブとの間の容易な掛止が可能となる。
【0072】
可能な掛止を、掛止フックおよび好ましくは相補的な掛止開口部によって実現することができる。掛止フックを、固着スリーブ、保持ブロック上の対応する掛止開口部に取り付けることができる。
【0073】
掛止フックを、保持ブロックおよび固着スリーブ上の掛止開口部上に位置付けることも可能である。
【0074】
掛止フックおよび掛止開口部の両方が、保持ブロック上におよび固着スリーブ上に存在することが、さらに可能である。そのような掛止めは、固着スリーブに対する保持ブロックの位置または場所の、より強い固定を表し得る。それでもなお、この固定は、対応する掛止開口部に対する掛止フックの掛止が解放されさえすれば、解放可能である。このことは、好ましくは掛止解放部材によって行われ得る。
【0075】
本発明による保持ブロックの固着スリーブが、1つの構成において、保護表面のうちの少なくとも1つにおいて係合する少なくとも1つのロック機構を有すれば、有利であり得る。
【0076】
この少なくとも1つのロック機構を、ピン形状となるように構成することができる。ロック機構を、保持ブロックの外側輪郭に当接して具合よく収まる固着スリーブの内側面上に、直接位置付けることができる。ロック機構が、固着スリーブの保護表面から外に突出することも可能である。
【0077】
少なくとも1つのロック機構は好ましくは、受容開口部の開口内へと突出する。この場合、ロック機構を、これが受容開口部の開口を封止し、開口に対して遠位にある受容開口部の端部とともに、受容部の最終形状を形成するような形状とすることができる。
【0078】
保持ブロックの組み立てられた状態において完全に閉じることのできる受容部をこうして、たとえば、断面が平凹状であるロック機構を使用することによって、開口から遠位にある受容開口部の端部において丸みを有する細長い受容開口部から、生成することができる。
【0079】
ロック機構を、ロック機構の凸状の膨出部が、受容開口部の遠位の曲がりに対向して鏡面対称に位置付けられるように、配向することができる。そのようにして、全周にわたって封止される円形の受容開口部を、そのようなロック機構を使用することによって得ることができる。
【0080】
固着スリーブの内面上にロック機構が位置付けられる場合、受容部の同じ最終形状を得ることができる。そのようなロック機構は、受容開口部の開口において受容開口部内に係合することができ、受容開口部を有する自立型ロック機構の上記の説明と類似の様式で、前記受容開口部の最終形状を形成することができる。
【0081】
固着スリーブの環体に取り付けられたそのような外部ロック機構の区域を、一面が凸状で他面が凹状となるように構成することができる。このとき、凹状の側面もこの場合、受容開口部の遠位の曲がりの方を向く。この場合、凹状の側面は、固着スリーブの一部である。
【0082】
特に外部に存在するロック機構を、材料接続されるように、すなわち固着スリーブの一部として、構成することができる。ロック機構は、保持ブロックの保護表面のうちの1つの中へと、ならびに両方の保護表面を通っての両方で、突出することができる。
【0083】
保持ブロックおよび固着スリーブが1つに接合されるとき、ロック機構の第1の端部が、保持ブロックのプラグ端部保護表面またはケーブル端部保護表面において、最初に係合する。
【0084】
ロック機構の第1の端部は、様々な構成を有し得る。ロック機構の第1の端部はこうして、たとえば、面取り部を有し得る。そのような面取り部は、続く前進において受容開口部内に挿入されたさらなる部材と保持ブロックを1つに接合するのを単純化し、固着スリーブおよび保持ブロックが1つに接合されるときに、前記さらなる部材をさらなる部材の最終の場所へと摺動させることができる。
【0085】
ロック機構の可能な凹状の表面に沿って、ずれのない前進(offset-free progression)または縁部を有する前進(progression with an edge)を形成することができる。
【0086】
受容開口部の内部表面に対して垂直に測定されるロック機構の幅は、ロック機構を受容する対応する受容開口部と同じ幅を有し得る。
【0087】
ロック機構を受容開口部内に導入することにより、摩擦係合を表すものでもある一種の圧入嵌合を実現できるように、ロック機構の幅が、受容開口部とちょうど同じ幅または受容開口部よりも僅かに大きい幅を有することも可能である。この摩擦係合は、固着スリーブのおよび保持ブロックの、解放の容易な固定であり得る。
【0088】
ロック機構は、受容開口部の丸みとちょうど同じように、封止部材を有することができ、この結果、後から受容開口部内に挿入されることになる部材が、プラグ端部とケーブル端部との間のどのような流体および/またはほこりの行き来も防止するような様式で封止される。
【0089】
本発明によるモジュール式プラグインサートの第1の構成は、保持ブロックを有し、この場合、コンタクト部材を、少なくとも1つの受容開口部内へと、いずれの場合も差込方向を横断する方向に向けられた受容方向に沿って、導入できる。
【0090】
ケーブル端部保護表面を、プラグ端部保護表面と実質的に平行に配置することができる。
【0091】
コンタクト部材を、たとえば圧着コンタクトとして構成することができる。そのような圧着コンタクトは、容易な装着を可能にするが、より高い電流の線のために使用する場合は、導電性のスリーブで好ましくは置き換えることができる。
【0092】
コンタクト部材は、電力ケーブルを終端することができる。この終端を、たとえば、スリーブがケーブル端部上に、ケーブル端部を受容するための空洞を有するという形で、実現することができる。この空洞内で、ケーブル端部を、締め付けまたははんだ付けによって、導電的な様式でスリーブに接続することができる。
【0093】
コンタクト部材のプラグ端部は、空洞を有する、または中実の構成を有することもできる。いくつかのコンタクト部材が存在する場合、これらは、異なる形態および/またはプラグ端部の端部を有し得る。このようにして、コンタクト部材のサイズおよび/またはコンタクト部材のプラグ端部の端部の構成による、続く嵌合面のコード化を可能にすることが可能である。コンタクト部材は、保持ブロックのケーブル端部保護表面および/またはプラグ端部保護表面から、外に突出することができる。
【0094】
存在する全てのコンタクト部材が、同じ長さだけ保護表面から外に突出することが可能である。それでもなお、いくつかのまたは単独のコンタクト部材が、その他のコンタクト部材よりも保護表面から外にさらに突出することも可能である。このことはたとえば、存在する他の線の電気的接触よりも前方で接地線の電気的接触を確立すべきである場合に、有利であり得る。保持ブロックの上記の壁と相互作用して、コンタクト部材のケーブル端部の端部は、保持ブロックのケーブル端部保護表面から外に、この方向に同様に突出する壁とこれらが面一となるような様式で、突出することができる。挿入されたコンタクト部材とともに、壁はこの場合、一方では前記コンタクト部材がケーブル端部まで突出する他のコンタクト部材との機械的および/または電気的接触を確立するのを防止するという、また他方では受容開口部において生じ得るコンタクト部材の傾きを最小化するという、機能を有する。
【0095】
壁とプラグ端部まで突出するコンタクト部材との間の相互作用において、高電圧を印加されるこれらのコンタクト部材が互いから電気的に絶縁されれば、特に有利である。壁により、コンタクト部材および保持ブロックを壁で包囲するプラグ部材に関して、空気距離および発生するクリープ電流の沿面距離、ならびにしたがってクリープ抵抗を大きくすることができる。そのようにして、コンタクト部材を、固守すべき最低沿面距離に達しないということなく、互いまでの距離のより小さいところに配置することができる。コンタクト部材の互いまでのそのようなより小さい距離により、より小さい嵌合面を実現できる。コンタクト部材は好ましくは、対応する受容開口部の形状と相補の関係となるように構成される。
【0096】
保持ブロックから外に突出するコンタクト部材の部分は、これから逸脱する形状を有し得る。この場合、プラグ端部まで突出するコンタクト部材の端部を、平坦なコンタクトとして構成することが可能である。受容開口部を通る受容部の領域におけるコンタクト部材が、矩形のまたは正方形の断面を有することも可能である。そのような断面形状であれば、それぞれの受容開口部内に挿入されたコンタクト部材が、それら自体の長手軸を中心に回転するのを防止する、という利点を有するであろう。
【0097】
コンタクト部材は、表面処理および/または被覆を有し得る。この場合、たとえば、差し込みが頻繁である場合にコンタクトを研磨摩耗から保護するために、摩擦を軽減するがそれでもなお導電性である被覆を設けることができる。
【0098】
保持ブロックのおよび受容開口部の、構造および場所に応じて、保持ブロックの外側輪郭へと外に開いている受容開口部は、常に、すなわち保持ブロックの組み立てられた状態および保持ブロックの組み立てられていない状態の両方において、コンタクト部材を装備していることができる。
【0099】
保持ブロックの外側輪郭へと外に開いていない受容開口部は、保持ブロック部材の組み立てられていない状態においてのみ、受容開口部内に挿入することができる。
【0100】
モジュール式プラグインサートのさらなる有利な構成では、少なくとも1つのコンタクト部材が、差込方向におけるまたはその反対方向における変位に抵抗して固着される様式で、保持ブロックの少なくとも1つの受容開口部内に保持される。この場合、コンタクト部材は好ましくは、プラグ端部保護表面およびケーブル端部保護表面に対して実質的に垂直に延在する。
【0101】
差込方向におけるまたはその反対方向における変位に抵抗する確実な保持を、たとえば摩擦によって実現することができる。この場合、受容開口部の内部表面および/またはコンタクト部材の、ゴム被覆を使用することが可能である。
【0102】
受容開口部の内壁および/またはコンタクト部材に、粗化された部分もしくは波形部を設ける、または、摩擦を大きくする構造を一般的に設けることも可能である。コンタクト部材が、受容開口部における上述の縁部/ずれおよび/または対応する受容開口部内に係合しているロック機構に当接して、静止していることも可能である。こうして、差込方向におけるまたはその反対方向における変位が防止される。
【0103】
本発明によるモジュール式プラグインサートは好ましくは、少なくとも1つの保持ブロック部材と少なくとも部分的にポジティブロックさせることの可能な、少なくとも1つのコンタクト部材を有する。
【0104】
コンタクト部材と少なくとも1つの保持ブロック部材との間のポジティブロックを、たとえば、コンタクト部材が中央周縁のそりを有する、すなわちコンタクト部材の中央領域において、コンタクト部材の端部におけるよりも大きい直径が測定され得るという形で、実現することができる。コンタクト部材のそのような構成を、たとえば、少なくとも1つの保持ブロック部材の、相補的な様式で構成された受容開口部内に受容することができる。
【0105】
コンタクト部材が、側方にすなわちコンタクト部材の長手軸に対して垂直に突出しかつその後で屈曲する、ポジティブロック部材を有することが、さらに可能である。この場合ポジティブロック部材の端部は、これがコンタクト部材の長手軸と平行に延びるような様式で屈曲される。そのような構成を有するポジティブロック部材は、相補的な構成を有する相手側ポジティブロック部材内に係合することができる。この相手側ポジティブロック部材は、保持ブロック部材の受容開口部の内面上に位置付けられ、こうしてポジティブロックを形成する。
【0106】
コンタクト部材または受容開口部の内面が、ピン形状のポジティブロック部材を有することも考えられる。このピン形状のポジティブロック部材は、ピン形状のポジティブロック部材が相補的な孔内に係合できるという形で、コンタクト部材と保持ブロック部材との間の接触閉鎖を生み出す。ピン形状のポジティブロック部材を、コンタクト部材のところおよび保持ブロック部材の受容開口部内の両方に、位置付けることができる。孔はこの場合、ポジティブロックに関与するそれぞれの他の部材上に位置付けられる。
【0107】
本発明によるモジュール式プラグインサートのさらなる有利な構成では、ポジティブロックは、少なくとも1つのコンタクト部材の外側輪郭と少なくとも1つの受容開口部の内側輪郭との間に、少なくとも部分的に形成される。
【0108】
この構成の場合、コンタクト部材は、連続的に一定の横断面または連続的に一定の横断面形状を有し得る。ただしこれらは、受容開口部を通るコンタクト部材の受容部の領域において、この形状またはこのサイズから逸脱することができる。
【0109】
コンタクト部材は、コンタクト部材の中央長手軸から離れる方向へとコンタクト部材から外に突き出る、外側輪郭を有し得る。外側輪郭は好ましくは、コンタクト部材の周囲に切れ目なく延びることができ、この結果、ポジティブロックは、長手軸を中心にしたコンタクト部材の回転から、独立したものとなる。
【0110】
保持ブロック部材の受容開口部の内側輪郭は、コンタクト部材の外側輪郭と相補の関係となるように構成された溝を有し得る。この溝は、受容開口部の開口の各内壁から、内壁の両側面上に、内壁の遠位の曲がりまで切れ目なく延在し得る。この場合、互いに向かって延びる両溝は、互いへと融合することができる。
【0111】
丸形の断面を有するコンタクト部材が使用される場合、切れ目のない円周方向のビードが有利である。ただし、たとえば、断面が円形でない、たとえば断面が矩形であるコンタクト部材が使用され、コンタクト部材の前記断面が、保持ブロック部材の受容開口部の幅を上回る広がりを有する場合は、ポジティブロックを生成する少なくとも1つの部材を、コンタクト部材の外壁に設けることができる。この場合、この広がりに対して垂直に測定される広がりは、受容開口部の幅に対応する。
【0112】
ポジティブロックを生み出すこの部材は、たとえば、受容開口部の相補的な溝内へと突き出ることのできるピンとすることができる。コンタクト部材の幾何学形状の結果として、これは、受容開口部内で回転不可能である。この結果、ポジティブロックを生成する少なくとも1つの部材は常に、コンタクト部材が保持ブロック部材の受容開口部内に導入されるとすぐに、保持ブロック部材とのポジティブロックを形成する。
【0113】
コンタクト部材の、ポジティブロックを生成する部材の反対の側面も、ポジティブロックを生成する第2の部材を好ましくは有し得る。ポジティブロックを生成するいくつかの部材を、コンタクト部材の受容開口部の内壁に接触している、1つの側面または複数の側面に沿って取り付けることができる。ポジティブロックを生成するこれらの部材を、コンタクト部材の材料から形成すること、すなわち、材料ロックによってコンタクト部材に固止することができる。
【0114】
ポジティブロックを生成する部材を、次いで好適な手段を用いて別個の部材としてコンタクト部材に取り付けることも可能である。取り付けをたとえば、はんだ付けまたは接着によって行うことができる。
【0115】
本発明の主題について、付随する図面を参照して、明示的な構成に基づいて、以下でさらに詳細に説明する。ここでは、本発明の構成要素および特徴には参照符号が与えられ、この場合、同じ構成要素または同じ機能を有する構成要素には同じ参照符号が与えられ、必要な場合は、区別のために追加の文字が付される。構成要素の特定の組み合わせが本発明の技術的側面にとって重要でない限りは、示される特徴を、所望に応じて組み合わせるおよび/または省略することができる。