(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記逆止弁は、前記装着キャップ及び前記区画部材のうち、何れか一方に配設されて前記ノズルヘッドの前記装着キャップに対する前記容器軸回りの回転に伴い前記ノズルヘッドとともに前記容器軸方向に移動可能に配設され、かつ前記ノズルヘッドが前記開位置に位置した状態で、他方に形成された弁座面に離反可能に当接して前記導入流路を開放可能に閉塞し、前記開閉蓋部が前記流通口を閉塞する閉位置に位置した状態で、前記弁座面から離反して前記導入流路を開放し、
前記被係合部は、前記ノズルヘッドが前記開位置に移行する過程で前記係合部に乗り上げることを特徴とする請求項1に記載の泡噴出容器。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
図1、
図2に示すように、本実施形態のスクイズ容器(泡噴出容器)1は、容器本体2内に収容された内容液を泡状に噴出するものである。具体的に、スクイズ容器1は、有底筒状の容器本体2と、容器本体2の口部3に装着された有頂筒状の噴出ヘッド4と、を備えている。なお、容器本体2内に収容される内容液としては、各種液体洗浄剤(例えばシャンプーやボディーソープ、ハンドソープ、洗顔料、洗口剤等)や、液体整髪剤等が好適に用いられる。
【0014】
ここで、容器本体2及び噴出ヘッド4は、それぞれの中心軸線が共通軸上に位置した状態で配設されている。以下では、この共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向(上下方向)に沿うスクイズ容器1の噴出ヘッド4側を上方、容器本体2側を下方という。また、容器軸O方向から見た平面視で容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0015】
容器本体2は、少なくとも胴部5(
図2参照)が薄肉又は軟質に形成されて弾性変形可能に構成されている。そのため、容器本体2は、容器本体2内を減容させるように胴部5を圧搾(スクイズ変形)することにより、容器本体2内を加圧することが可能とされている。但し、容器本体2は、少なくとも一部が弾性変形可能に構成されていれば構わない。また、本実施形態の胴部5は、容器軸Oに直交する横断面視において、容器軸O上で長軸及び短軸が直交する扁平形状とされている。但し、胴部5の横断面視形状は、円形状等、適宜変更が可能である。
【0016】
図1に示すように、噴出ヘッド4は、容器本体2の口部3に装着された装着キャップ11と、容器軸O回りに往復回転可能に装着キャップ11に装着されたノズルヘッド12と、ノズルヘッド12に固定された区画部材13と、を備えている。なお、装着キャップ11、ノズルヘッド12及び区画部材13は、それぞれ合成樹脂等により形成されている。
【0017】
装着キャップ11は、上方に位置するものほど小径とされた多段筒状に形成されている。装着キャップ11は、装着筒21と、環板部22と、シール筒23と、ストッパ筒24と、流通筒25と、を備えている。
【0018】
装着筒21は、上述した口部3に装着されている。具体的に、装着筒21の内周面には、径方向の内側に向かって突出し、口部3に形成されたサポートリング6に対してアンダーカット嵌合された係合突起27が形成されている。但し、容器本体2の口部3に対する装着キャップ11の装着方法は、この場合に限定されるものではなく、例えば螺着によって装着しても構わない。
環板部22は、装着筒21の上端縁から径方向の内側に向けて突設されている。環板部22は、口部3の上端開口縁に、その全周に亘って容器軸O方向で対向している。
シール筒23は、環板部22の内周縁から容器軸O方向に延設されている。シール筒23のうち、環板部22よりも下方に位置する部分は、口部3内に嵌合されている。
【0019】
ストッパ筒24は、シール筒23のうち環板部22よりも上方に位置する部分の内周面から上方に向けて延設されている。したがって、ストッパ筒24の下端面は、シール筒23に対して径方向の内側に位置し、下方を向く弁座面24aを構成している。本実施形態において、弁座面24aは、容器軸Oに直交する平坦面に形成されている。但し、弁座面24aは、平坦面に限らず、容器軸Oに対して傾斜して延在していても構わない。
【0020】
流通筒25は、ストッパ筒24における容器軸O方向の中央部から径方向の内側に突出した後、上方に向けて延設されている。なお、流通筒25の上端縁は、ストッパ筒24の上端縁と同等の高さに位置している。流通筒25の内側は、内容液を流通させる流通口25aを構成している。流通口25aは、容器本体2内に連通している。流通口25aは、容器本体2内の内容液や空気を装着キャップ11の外部に向けて流出させるとともに、装着キャップ11の外部からの空気(外気)を容器本体2内に流入させる。
【0021】
ノズルヘッド12は、装着キャップ11を上方から覆う有頂筒状に形成されている。ノズルヘッド12は、装着キャップ11の装着筒21を径方向の外側から囲む円筒状のカバー筒31と、カバー筒31の上端部に環状のフランジ壁32を介して連なる円筒状の係合筒33と、を備えている。ノズルヘッド12は、装着キャップ11の装着筒21に螺合されることで、上述したように装着キャップ11に対する容器軸O回りに往復回転に伴い、装着キャップ11に対して容器軸O方向に移動可能に構成されている。
【0022】
具体的に、上述した装着キャップ11における装着筒21の外周面には、周方向に180°ずれた位置に、一対の雄ねじ部35が設けられている。雄ねじ部35は、二条ねじにより構成されている。各雄ねじ部35は、装着筒21の外周面に沿って周方向に180°の角度範囲で延びる上ねじ山35a及び下ねじ山35bを備えている。図示しないが、上ねじ山35aにおいて、ねじ込み側(上側)の先端部から約90°の範囲の部分は、周方向に沿って水平に延び、下ねじ山35bにおけるねじ込み側の先端部に接続されている。
【0023】
一方、ノズルヘッド12におけるカバー筒31の内周面には、周方向に180°ずれた位置に、一対の雄ねじ部35に対応するように一対の雌ねじ部41が設けられている。各雌ねじ部41は、対応する雄ねじ部35にそれぞれ係合(ねじ結合)している。各雌ねじ部41は、容器軸O方向に間隔をあけて並ぶ上係合突起41a及び下係合突起41bをそれぞれ備えている。上係合突起41aは、
図3に示すノズルヘッド12が閉位置の状態において、対応する雄ねじ部35の上ねじ山35aに上方からそれぞれ係合している。下係合突起41bは、
図3に示す状態において、対応する雄ねじ部35の下ねじ山35bに下方からからそれぞれ係合している。なお、上述した雄ねじ部35は、二条ねじに限定されるものではなく、例えば一条ねじや他の多条ねじとしても良い。また、雌ねじ部41についても、雄ねじ部35の形状に応じて適宜変更可能である。
【0024】
また、装着キャップ11に対するノズルヘッド12の回転範囲は、装着キャップ11とノズルヘッド12との間に設けられたストッパ機構38によって、例えば90°の角度範囲に規制されている。ストッパ機構38については、後に説明する。
【0025】
図1に示すように、ノズルヘッド12は、ノズルヘッド12の内部を容器軸O方向に仕切る隔壁42と、流通口25aに連通するノズル43と、流通口25aを開放可能に閉塞する開閉蓋部44と、をさらに備えている。
ノズル43は、係合筒33のうち隔壁42よりも上方に位置する部分から、径方向の外側に向けて突出している。図示の例において、ノズル43は径方向から見た側面視で楕円筒状に形成されている。ノズル43の先端開口部は、内容液を噴射する噴射口43aを構成している。
【0026】
開閉蓋部44は、隔壁42から下方に向けて突設されている。開閉蓋部44は、装着キャップ11の流通筒25内に嵌合可能な外径を有する円筒状に形成されている。開閉蓋部44は、
図3に示す状態において、流通筒25内に嵌合して流通口25aを閉塞する(閉位置)。一方、開閉蓋部44は、
図1に示すノズルヘッド12が開位置の状態において、流通筒25との嵌合が解除され、流通口25aを開放する。
このように、ノズルヘッド12は、開閉蓋部44が流通口25aを閉塞する閉位置と、開閉蓋部44が流通口25aの上方に離れて流通口25aを開放する開位置と、の間で往復回転する。
【0027】
隔壁42には、隔壁42を容器軸O方向に貫通する貫通孔45が形成されている。貫通孔45は、容器軸O方向から見た平面視形状が円形状に形成されている。貫通孔45は、隔壁42において、周方向に間隔をあけて複数形成されている。上述したノズル43は、貫通孔45を通じて装着キャップ11の流通口25aに連通している。なお、貫通孔45の数や形状は、適宜変更して構わない。
【0028】
また、隔壁42のうち、貫通孔45よりも径方向の外側に位置する部分には、下方に向けて延びる規制筒50が形成されている。規制筒50は、流通筒25の外周面に容器軸O方向に摺動可能に嵌合している。規制筒50は、装着キャップ11及びノズルヘッド12の内側において、流通口25aと貫通孔45との間を接続する流路が流通筒25と規制筒50との間を通じて外部に連通することを規制している。
【0029】
隔壁42のうち、開閉蓋部44よりも径方向の内側に位置する部分には、下方に向けて延びる接続筒51が形成されている。図示の例において、接続筒51は、開閉蓋部44よりも下方に突出している。
さらに、隔壁42のうち、接続筒51よりも径方向の内側に位置する部分には、隔壁42を容器軸O方向に貫通する接続孔52が形成されている。図示の例において、接続孔52は、容器軸Oと同軸に形成されている。
【0030】
区画部材13は、流通口25aを通じて容器本体2内に進入していることで、流通口25aと容器本体2の口部3との間を区画している。区画部材13は、容器軸O方向に分割可能な構成とされている。図示の例において、区画部材13は、第1部材61と、第1部材61に対して下側に位置するとともに、第1部材61に組み合わされた第2部材62と、を備えている。なお、区画部材13は、1つの部材で構成してもよく、3つ以上の部材を組み合わせて構成しても構わない。
【0031】
第1部材61は、その上端部が接続筒51内及び接続孔52内に下方から嵌合固定されている。これにより、区画部材13の全体はノズルヘッド12に対して一体に連結されている。そのため、区画部材13は、ノズルヘッド12の開位置(
図1参照)と閉位置(
図3参照)との間の往復回転に伴い、ノズルヘッド12とともに装着キャップ11に対して回転しながら容器軸O方向に移動する。
【0032】
第2部材62内には、流通口25aに連通する混合室63が画成されている。第2部材62の下端部には、混合室63に容器本体2内の空気を導入する空気導入口65と、混合室63内に内容液を導入する液導入口66と、が形成されている。
【0033】
図示の例において、第2部材62の下端部には、下方に向けて突出する差込み筒67が第2部材62に一体で形成されている。差込み筒67には、容器本体2の底部に向けて延びるチューブ68が下方から嵌合されている。差込み筒67のうち、チューブ68の内側に位置する部分が上述した液導入口66を構成している。差込み筒67の内周面には、複数の縦溝69が周方向に間隔をあけて複数形成されている。これにより、差込み筒67の内周面とチューブ68の外周面との間には、縦溝69によって隙間が画成されている。この隙間が、空気導入口65とされている。
【0034】
このような構成により、スクイズ容器1では、容器本体2内の内容液を、液導入口66を通じて混合室63に導入できるとともに、容器本体2内の空気を、空気導入口65を通じて混合室63に導入できる。なお、液導入口66から導入された内容液、及び空気導入口65から導入された空気は、第2部材62内に上方に向けて突設された円錐台状の取入れ部71の開口部72を通じて第2部材62内に導入され、その後、混合室63にて互いに混合される。
【0035】
第2部材62内において、取入れ部71よりも上方に位置する部分には、一対の発泡部材73が混合室63の上部に位置するように装着されている。発泡部材73としては、例えばリングの端面にメッシュを固定した構成のものが用いられ、互いのメッシュを逆側に向けた姿勢で第2部材62の内側に嵌合固定されている。なお、発泡部材73としてはリングとメッシュを備えた構造のものに限定されるものではなく、内容液の種類等に応じて種々の構成を採用して構わない。さらに、発泡部材73の設置個数についても、内容液の種類等に応じて種々変更することができる。
【0036】
第1部材61内において、発泡部材73の上方に位置する部分は、混合室63から連なる噴出流路75を構成している。噴出流路75は、第1部材61に形成された複数の連通孔76を通じて流通口25aに連通している。これにより、混合室63は、噴出流路75と連通孔76とを通じて流通口25aに連通し、さらに流通口25aと貫通孔45とを通じてノズル43内に連通可能とされている。なお、連通孔76や開口部72の個数や形状等は適宜変更して構わない。
【0037】
装着キャップ11の内側には、装着キャップ11の内面と区画部材13の外面との間に画成された導入流路79が形成されている。導入流路79は、流通口25aに連通するとともに、第2部材62に形成された連通口80を通じて容器本体2内に連通している。
【0038】
導入流路79には、逆止弁81が設けられている。図示の例において、逆止弁81は、第1部材61に嵌合された円筒状の保持部82と、保持部82の外周面から径方向の外側に延びる環状且つ膜状のシール膜83と、を有している。このように逆止弁81は、第1部材61に一体に固定されているので、ノズルヘッド12とともに容器軸O回りに回転しながら、容器軸O方向に移動する。なお、逆止弁81は、第2部材62に嵌合されていても構わない。
【0039】
したがって、
図1に示すように、ノズルヘッド12が開位置に位置している場合には、シール膜83の外周縁が装着キャップ11の弁座面24aに対して下方から弾性的に当接する。これにより、逆止弁81は、容器本体2内から導入流路79を通した流通口25aへの空気や内容液の流れを規制するとともに、流通口25aから導入流路79を通した容器本体2内への空気や内容液の流れを許容するように作動する。
【0040】
一方、
図3に示すように、ノズルヘッド12が閉位置に位置している場合には、シール膜83の外周縁が弁座面24aから下方に離反する。したがって、ノズルヘッド12が閉位置に位置している場合には、容器本体2内は導入流路79を通じて流通口25aに連通した状態とされる。
【0041】
図2に示すように、上述したストッパ機構38は、装着キャップ11に対するノズルヘッド12の回転を、
図1に示す開位置と
図3に示す閉位置との間の90°の角度範囲に制限している。ストッパ機構38は、装着キャップ11に設けられた開位置ストッパ85及び閉位置ストッパ86と、ノズルヘッド12に設けられた突起片(被係合部)87と、を備えている。
【0042】
開位置ストッパ85は、上述したストッパ筒24の外周面のうち、周方向で180°ずれた位置からそれぞれ径方向の外側に向けて突設されている。開位置ストッパ85は、平面視で1/4円形状に形成されている。具体的に、開位置ストッパ85のうち、周方向の一方(締め込み方向)を向く面は、平面視において径方向に交差する方向に直線状に延びるストッパ面85aを構成している。具体的に、開位置ストッパ85のストッパ面85aは、径方向の内側に向かうに従い緩み方向に延びる傾斜面とされている。開位置ストッパ85のうち、周方向の他方(緩み方向)を向く面は、径方向の外側に突の湾曲面を構成している。すなわち、開位置ストッパ85の湾曲面は、緩み方向に向かうに従い径方向の外側への膨出量が漸次縮小している。なお、開位置ストッパ85のストッパ面85aは、径方向に直線状に延びる平坦面に形成されていても構わない。
【0043】
また、ストッパ筒24の外周面のうち、各開位置ストッパ85に対して締め込み方向に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出する係止突起88が形成されている。係止突起88における径方向の外側端縁は、開位置ストッパ85における径方向の外側端縁よりも径方向の内側に位置している。
【0044】
閉位置ストッパ86は、上述したストッパ筒24の外周面のうち、上述した各開位置ストッパ85に対して周方向で90°ずれた位置からそれぞれ径方向の外側に向けて突設されている。閉位置ストッパ86は、平面視で1/4円形状に形成されている。具体的に、閉位置ストッパ86のうち、緩み方向を向く面は、平面視において径方向に直線状に延びるストッパ面86aを構成している。閉位置ストッパ86のうち、締め込み方向を向く面は、締め込み方向に向かうに従い径方向の外側への膨出量が漸次縮小する湾曲面に形成されている。なお、閉位置ストッパ86のストッパ面86aについても、径方向の内側に向かうに従い締め込み方向に延びる傾斜面に形成しても構わない。また、本実施形態において、各ストッパ85,86は、ストッパ筒24の外周面における容器軸O方向の全域に亘って形成されている。
【0045】
また、ストッパ筒24の外周面のうち、各閉位置ストッパ86に対して緩み方向に位置する部分には、径方向の外側に向けて突出する係止突起89が形成されている。係止突起89における径方向の外側端縁は、閉位置ストッパ86における径方向の外側端縁よりも径方向の内側に位置している。
【0046】
突起片87は、ノズルヘッド12の係合筒33の内周面に一体に形成されている。各突起片87は、係合筒33の内周面のうち周方向に180°ずれた位置から径方向の内側に向けて突出している。突起片87における径方向の内側端面は、ストッパ筒24の外周面に近接している。すなわち、突起片87における径方向の内側端面は、上述した各ストッパ85,86や係止突起88,89における径方向の外側端縁よりも径方向の内側に位置している。各突起片87は、開位置ストッパ85及び閉位置ストッパ86の各ストッパ面85a,86aの間(移動範囲R)にそれぞれ配置されている。したがって、各突起片87は、各ストッパ85,86のストッパ面85a,86aに周方向で対向している。
【0047】
一対の突起片87は、ノズルヘッド12が装着キャップ11に対して回転することに伴って、移動範囲R内を周方向に沿って移動する。そして、一対の突起片87のうち、締め込み方向を向く面(閉位置規制面87a)は、
図4に示すように、ノズルヘッド12が装着キャップ11に対して最も締め込まれたときに、対応する閉位置ストッパ86のストッパ面86aに緩み方向から当接する。これにより、ノズルヘッド12は締め込み方向へのそれ以上の回転が規制される(閉位置)。本実施形態において、閉位置規制面87aにおける径方向の内側端部(ストッパ面86aと当接する部分)は、径方向に直線状に延びる平坦面とされている。但し、閉位置規制面87aは、径方向の内側に向かうに従い締め込み方向に傾斜する傾斜面に形成しても構わない。
【0048】
一対の突起片87のうち緩み方向を向く面(開位置規制面87b)は、ノズルヘッド12が閉位置から緩み方向に90°回転したときに、
図2に示すように対応する開位置ストッパ85のストッパ面85aに締め込み方向から当接する。これにより、ノズルヘッド12は緩み方向へのそれ以上の回転が規制される(開位置)。本実施形態において、開位置規制面87bにおける径方向の内側端部(ストッパ面85aと当接する部分)は、径方向の内側に向かうに従い緩み方向に傾斜する傾斜面に形成されている。但し、開位置規制面87bは、径方向に直線状に延びる平坦面とされていても構わない。この場合、開位置規制面87bの径方向に対する傾斜角度は、ストッパ面85aに対応している。すなわち、ノズルヘッド12は、開位置において、開位置規制面87bとストッパ面85aとが面接触した状態で、緩み方向への回転が規制される。
【0049】
したがって、ノズルヘッド12は、容器軸O回りの何れの方向に回転した場合であっても、ストッパ機構38によって開位置及び閉位置で位置決めがされ、90°の角度範囲での往復回転が適切に行われる。
【0050】
なお、上述したように各ストッパ85,86のうち、移動範囲Rとは反対側を向く面は、湾曲面とされている。したがって、スクイズ容器1では、例えば装着キャップ11とノズルヘッド12とを組み付ける際に、各突起片87を、各ストッパ85,86の湾曲面同士の間の範囲に配置した状態で、各雌ねじ部41を対応する雄ねじ部35にねじ結合させてノズルヘッド12を締め込み方向に回転させる。すると、各突起片87がストッパ85,86の湾曲面に沿って移動してストッパ85,86を周方向に乗り越えることで、対応するストッパ85,86の移動範囲R内に配置することができる。
【0051】
特に、本実施形態では、雄ねじ部35に二条ねじを利用しているので、上係合突起41aが上ねじ山35aの水平な先端部分に当接する位置まで、ノズルヘッド12を装着キャップ11に対して下方に落とし込むことで、各突起片87をストッパ85,86に係合可能な位置に配置した後に、ノズルヘッド12を回転させることが可能である。
【0052】
ここで、
図4に示すように、ストッパ筒24の外周面のうち、周方向で開位置ストッパ85と係止突起88との間に位置する部分には、係合部91が形成されている。係合部91は、平面視でL字状に形成されている。具体的に、係合部91は、ストッパ筒24の外周面から径方向の外側に延在する第1延在部91aと、第1延在部91aにおける径方向の外側端部から締め込み方向に向けて延在する第2延在部91bと、を有している。第1延在部91aは、少なくとも径方向の内側端部が開位置ストッパ85に締め込み方向から連なっている。また、少なくとも第2延在部91bは、開位置ストッパ85における径方向の外側端縁よりも径方向の外側に位置している。なお、係合部91の平面視形状は、適宜変更が可能である。
【0053】
また、係合部91の上端面は、容器軸Oに対して直交する方向に延在する平坦面に形成されている。係合部91の上端面は、開位置ストッパ85の上端面よりも下方に位置している。本実施形態において、係合部91の上端面は、ノズルヘッド12が開位置に移行する過程において、突起片87の下端面が乗り上げ可能な高さに設定されている。この場合、係合部91の上端面から突起片87の下端面へと乗り上げる高さ(容器軸O方向の距離)は、雄ねじ部35及び雌ねじ部41との間の容器軸O方向における隙間(がたつき)以下に設定されている。なお、雄ねじ部35及び雌ねじ部41との間の隙間は、ノズルヘッド12の回転時等において摩擦等に起因する抵抗力を軽減するためのものである。
【0054】
そして、係合部91の上端面は、ノズルヘッド12が
図1に示す開位置にあるとき、突起片87の下端面に容器軸O方向で当接している。これにより、ノズルヘッド12は、開位置にあるとき、装着キャップ11に対する下方移動が規制されている。なお、係合部91の上端面及び突起片87の下端面の少なくとも一方は、突起片87の下端面が係合部91の上端面に乗り上げ可能な構成であれば、緩み方向に向かうに容器軸O方向で他方に接近する方向に延びる傾斜面や段差面等であっても構わない。
【0055】
次に、上述したスクイズ容器1の操作方法について説明する。
図3、
図4に示すように、ノズルヘッド12を閉位置から開位置にするには、上述したように装着キャップ11に対してノズルヘッド12を緩み方向(周方向の他方)に回転させる。この際、突起片87が開位置ストッパ85のストッパ面85aに周方向で当接する位置までノズルヘッド12を回転させる。すると、ノズルヘッド12は、装着キャップ11に対して緩み方向に回転しながら、装着キャップ11に対して上方に移動する。
【0056】
ここで、ノズルヘッド12が開位置に移行する過程において、突起片87は、まず係止突起88を周方向に乗り越えた後、係合部91(第2延在部91b)に周方向で当接する。その後、ノズルヘッド12をさらに緩み方向に回転させることで、突起片87が係合部91に摺接しながら、突起片87の下端面が係合部91の上端面に乗り上げる。そして、
図1、
図2に示すように、突起片87が上述したように開位置ストッパ85のストッパ面85aに締め込み方向から当接する。これにより、ノズルヘッド12の下方移動が規制された状態で、ノズルヘッド12が開位置となる。ノズルヘッド12が開位置にある状態では、突起片87が係止突起88に緩み方向から係止されることで、ノズルヘッド12の閉位置への移動が規制されている。なお、ノズルヘッド12を装着キャップ11に対して予め引き上げながら、ノズルヘッド12を緩み方向に回転させても構わない。これにより、突起片87と係合部91との周方向での干渉を抑制し、突起片87の下端面が係合部91の上端面に乗り上げ易くなる。
【0057】
また、ノズルヘッド12が開位置にある状態では、開閉蓋部44が流通口25aの上方に離れて流通口25aが開放されるとともに、逆止弁81のシール膜83の外周縁が装着キャップ11の弁座面24aに下方から当接する。これにより、スクイズ容器1は、胴部5の圧搾による内容液の噴出が可能な使用可能状態となる。なお、
図2に示すように、ノズルヘッド12が開位置にある状態では、ノズル43は胴部5の短軸に沿った方向を向く。
【0058】
図1に示すように、容器本体2内の内容液を噴出させるには、まず胴部5を圧搾して容器本体2を加圧する。すなわち、胴部5が圧搾されると、容器本体2内の内容液が液導入口66(チューブ68)を通して混合室63内に流入するとともに、容器本体2内の空気が空気導入口65を通して混合室63内に流入する。混合室63内に流入した内容液は、混合室63内で空気ととともに発泡部材73を通過することで発泡する。発泡した内容液は、連通孔76を通して区画部材13から流出し、流通口25aを通して装着キャップ11から流出する。その後、内容液は、貫通孔45を通してノズル43内に流入した後、噴射口43aから外部に噴出される。
【0059】
内容液の噴出後、胴部5の圧搾が解除されると、胴部5が元の形状に復元することで、容器本体2内に負圧が発生する。この負圧によりシール膜83が下方に向けて弾性変形し、シール膜83の外周縁が弁座面24aから下方に離反することで、導入流路79と容器本体2内とが連通口80を通して連通する。すると、ノズル43内等に残存した内容液が、ノズル43(噴射口43a)から吸引される空気(外気)とともに、導入流路79を通して容器本体2内に引き込まれる(いわゆる、サックバック機能)。これにより、内容液の噴出後、ノズル43内に残存した内容液が噴射口43aから外部に垂れ落ちるのを抑制できる。なお、ノズル43内等に残存した内容液や空気は、連通孔76や区画部材13内を通して容器本体2内に引き込まれても構わない。
【0060】
ノズルヘッド12を開位置から閉位置に移行させるには、装着キャップ11に対してノズルヘッド12を締め込み方向(周方向の一方)に回転させる。この際、
図3,
図4に示すように、突起片87が閉位置ストッパ86のストッパ面86aに周方向で当接する位置までノズルヘッド12を回転させる。すると、ノズルヘッド12は、装着キャップ11に対して締め込み方向に回転しながら、装着キャップ11に対して下方に移動する。
【0061】
ここで、ノズルヘッド12が閉位置に移行する過程において、突起片87は、まず係合部91の上端面から退避することで、装着キャップ11に対するノズルヘッド12の下方移動が許容される。その後、突起片87は、係止突起88を乗り越えて、移動範囲R内を閉位置ストッパ86に向けて移動する。そして、突起片87は、係止突起89を乗り越えた後、閉位置ストッパ86のストッパ面8aに緩み方向から当接する。これにより、ノズルヘッド12が開位置となる。ノズルヘッド12が閉位置にある状態では、突起片87が係止突起89に締め込み方向から係止されることで、ノズルヘッド12の開位置への移動が規制されている。
【0062】
ノズルヘッド12が閉位置にある状態では、開閉蓋部44が流通筒25内に嵌合されることで、流通口25aが閉塞される。これにより、ノズル43内と容器本体2内との連通が遮断されるため、胴部5が不意に圧搾される等しても、容器本体2内の内容液がノズル43を通して外部に漏れ出すのを抑制できる。
【0063】
また、ノズルヘッド12が閉位置に移行する過程では、区画部材13がノズルヘッド12とともに、装着キャップ11に対して下方に移動することで、逆止弁81のシール膜83が弁座面24aから下方に離反する。そのため、本実施形態のスクイズ容器1では、容器本体2内と導入流路79とが連通口80を通じて連通した状態で、ノズルヘッド12が閉位置となる。この場合、雰囲気温度の上昇等、何らかの要因で容器本体2内の圧力が上昇していても、容器本体2内の圧力を容器本体2の外部に逃がし易くすることができる。すなわち、ノズルヘッド12の閉位置において、容器本体2内と流通口25aとは、容器本体2内の内容液中に開口するチューブ68だけでなく、容器本体2内のヘッドスペース中に開口する連通口80及び導入流路79を通じて連通することになる。これにより、容器本体2内の圧力は、容器本体2内の内容液中に開口するチューブ68に加え、連通口80及び導入流路79を通じて容器本体2の外部に開放されるため、容器本体2内の圧力上昇を抑制できる。その結果、ノズルヘッド12が開位置に向けて操作された場合に、内容液がノズル43から不意に噴出するのを抑制できる。
【0064】
このように、本実施形態では、ノズルヘッド12が開位置の状態で、ノズルヘッド12の突起片87に下方から係合して装着キャップ11に対するノズルヘッド12の下方移動を規制する係合部91が装着キャップ11に形成されている構成とした。
この構成によれば、ノズルヘッド12が開位置の状態で、ノズルヘッド12に下方に向けた大きな外力が不意に加えられたとしても、ノズルヘッド12が装着キャップ11に対して下方に強制的に移動するのを抑制できる。そのため、ノズルヘッド12に形成された雌ねじ部41と装着キャップ11に形成された雄ねじ部35との衝突によりねじ部35,41が変形したり、ねじ部35,51同士が容器軸O方向に乗り上げる等して、雄ねじ部35と雌ねじ部41との噛み合いがずれたりするのを抑制できる。これにより、長期に亘って安定した操作性を得ることができる。
【0065】
本実施形態では、ノズルヘッド12が開位置に移行する過程において、突起片87が係合部91を乗り上げることで、開位置における装着キャップ11に対するノズルヘッド12の容器軸O方向の位置を安定させることができる。これにより、繰り返しの開閉動作に関わらず、逆止弁81と弁座面24aとの容器軸O方向の位置を安定させることができるので、逆止弁81(シール膜83)と弁座面24aとの当接状態を安定させることができ、弁座面24aに対する逆止弁81のシール性を長期に亘って確保できる。
【0066】
本実施形態では、少なくとも突起片87の開位置規制面87b、及び開位置ストッパ85のストッパ面85aが対応する傾斜角度で傾斜しているため、開位置において開位置規制面87bとストッパ面85aとが面接触することになる。これにより、ノズルヘッド12が緩み方向にさらに回転が進むような外力が作用した際、開位置規制面87bとストッパ面85aとの傾斜状態に起因して、ストッパ面85a上を滑らせながら径方向の内側に引き込むような応力を突起片87に対して作用させることができる。これにより、開位置ストッパ85に対して突起片87を食い込ませることができ、ノズルヘッド12のそれ以上の回転を効果的に抑制して、ノズルヘッド12を閉位置に確実に位置決めさせ易い。
【0067】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上述した実施形態では、係合筒33がカバー筒31の上方に連なる構成について説明したが、この構成のみに限られない。
図5〜
図8に示すスクイズ容器100のように、係合筒133は、ノズルヘッド112の頂壁のうちカバー筒31よりも径方向の内側に位置する部分に形成しても構わない。
上述した実施形態では、装着筒21に雄ねじ部35を形成した構成について説明したが、この構成のみに限られない。
図5等に示すように、環板部22のうちストッパ筒24よりも径方向の外側に位置する部分から上方に突出するノズル装着筒129に雄ねじ部35を形成しても構わない。
【0068】
上述した実施形態では、係合部91の平面視形状がL字状に形成した場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、
図5等に示す係合部191のように平面視形状が径方向に延びる直線状等、係合部の形状は適宜変更が可能である。また、上述した実施形態では、ノズルヘッド112の開位置において、突起片87の下端面と係合部91の上端面とが当接する構成について説明したが、この構成のみに限られない。ノズルヘッド112の装着キャップ111に対する下方移動を規制する構成であれば、
図5等に示すスクイズ容器100のように、ノズルヘッド112の開位置において、突起片87の下端面と係合部191の上端面とが容器軸O方向で近接する構成でも構わない。
【0069】
上述した実施形態では、区画部材13がノズルヘッド12に連結された構成について説明したが、この構成のみに限らず、
図5等に示す区画部材113のように、装着キャップ111に連結する構成でも構わない。具体的に、区画部材113の上端部は、装着キャップ111において、ストッパ筒24と流通筒25との間に下方から嵌合されている。区画部材113のうち、底壁部を構成する導入部201は、区画部材113の周壁部の下端部内に嵌合固定されている。これにより、区画部材113の内部には混合室163が区画されている。
【0070】
導入部201は、区画部材113の下端部に空気導入口165と液導入口166とを形成する。空気導入口165は、チューブ68内を通さず容器本体2内と混合室163とを連通させている。液導入口166は、チューブ68内を通して容器本体2内と混合室163とを連通させている。
区画部材113には、傘状体210が導入部201と一体で形成されている。傘状体210は、容器軸Oと同軸に配置され、差込み筒67を径方向の外側から囲繞している。傘状体210は、容器本体2内の内容液の空気導入口165から混合室163への進入を抑制する。
【0071】
なお、
図5〜
図8に示すスクイズ容器100においても、上述した実施形態と同様の操作方法により、開位置と閉位置との間のノズルヘッド112の移動や、噴出操作を行うことができる。但し、
図5〜
図8に示す構成では、上述したように区画部材113が装着キャップ111に連結されているため、閉位置においても逆止弁81(シール膜83)と弁座面24aとの当接状態は維持される。
【0072】
上述した実施形態では、区画部材に保持された逆止弁が、装着キャップに形成された弁座面に当接する構成について説明したが、この構成のみに限らず、装着キャップに保持された逆止弁が区画部材の弁座面に当接する構成であっても構わない。
上述した実施形態では、ノズルヘッドを開位置及び閉位置で位置決めするストッパ85,86や係止突起88,89を2つずつ有する構成について説明したが、ストッパ85,86や係止突起88,89は1つずつでも3つ以上の複数でもよい。また、ストッパ85,86や係止突起88,89を有さない構成でも構わない。
上述した実施形態では、ノズルヘッド12の回転範囲が90°に設定された場合について説明したが、ノズルヘッド12の回転範囲は90°以外の任意の角度に設定可能である。
上述した実施形態では、ノズルヘッドが開位置の状態で、係合部によってノズルヘッドの下方移動を規制する構成について説明したが、この構成に加えて、ノズルヘッドが閉位置の状態でノズルヘッドの上方移動を規制する規制部を有する構成にしても構わない。
【0073】
このように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。