特許第6735186号(P6735186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6735186
(24)【登録日】2020年7月15日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】工作機械用ロボット及び工作機械
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/06 20060101AFI20200728BHJP
   B23Q 7/04 20060101ALI20200728BHJP
【FI】
   B25J9/06 B
   B23Q7/04 M
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-166533(P2016-166533)
(22)【出願日】2016年8月29日
(65)【公開番号】特開2018-34214(P2018-34214A)
(43)【公開日】2018年3月8日
【審査請求日】2019年3月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000149066
【氏名又は名称】オークマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森村 章一
【審査官】 臼井 卓巳
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−210394(JP,A)
【文献】 特開平07−251392(JP,A)
【文献】 特表平08−501986(JP,A)
【文献】 特開2008−000860(JP,A)
【文献】 特開2008−183696(JP,A)
【文献】 特開2013−059826(JP,A)
【文献】 特開2014−184467(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/163390(WO,A1)
【文献】 米国特許第4077736(US,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02570208(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/06−15/08
B23B 3/22−47/06
B23Q 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械の回転装置に連結することで回転装置の回転駆動力を入力可能な入力軸と、
前記回転駆動力で駆動される被駆動部と、
内部モータと、
を備え、前記入力軸と前記内部モータの軸が連結される
ことを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項2】
請求項1に記載の工作機械用ロボットにおいて、
前記入力軸は複数設けられる
ことを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項3】
請求項1,2のいずれかに記載の工作機械用ロボットにおいて、
前記内部モータで前記被駆動部を駆動するモードと、前記回転装置の前記回転駆動力で前記被駆動部を駆動するモードと、前記内部モータ及び前記回転装置の前記回転駆動力で前記被駆動部を駆動するモードを備えることを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の工作機械用ロボットにおいて、
前記被駆動部はエンドエフェクタである
ことを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかに記載の工作機械用ロボットにおいて、
前記被駆動部は関節である
ことを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項6】
請求項1に記載の工作機械用ロボットにおいて、
前記入力軸及び前記被駆動部はそれぞれ複数設けられ、
前記入力軸と前記被駆動部は、1対1、1対N、N対1(但し、Nは2以上の自然数)のいずれかに対応する
ことを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の工作機械用ロボットにおいて、
前記回転装置はワーク主軸装置、工具主軸装置のいずれかである
ことを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の工作機械用ロボットにおいて、
前記工作機械の加工室内に配置される
ことを特徴とする工作機械用ロボット。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の工作機械用ロボットを加工室内に備えることを特徴とする工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械用ロボット及び工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工具によりワークを除去加工する工作機械が知られている。かかる工作機械において、自動化や高性能化に対する要求はますます高まっており、自動化を実現するためにロボットを設けることが一部で提案されている。
【0003】
特許文献1には、工作機械の外に設置されたロボットを用いて、工作機械へのワークの着脱を行う技術が開示されている。
【0004】
特許文献2には、工作機械の上部に取り付けられたガントリレール上に走行する多関節ロボットを設け、当該多関節ロボットで複数の工作機械間のワークの搬送等を行う技術が開示されている。しかし、通常、工作機械の本体部は、安全性や環境性などへの対応から、カバーで覆われる。したがって、特許文献1,2のように、工作機械の本体部以外の箇所に設けられたロボットを用いて加工室の内部へアクセスしようとすると、加工室のドアを開く必要がある。そのため、特許文献1,2のロボットでは、ワークを加工していないときにワークの着脱等を行うことはできる。しかし、加工中、すなわち、加工室のドアを閉めた状態においては、ロボットが、ワークや工具にアクセスすることができない。その結果、特許文献1,2の技術では、ロボットの用途が限られていた。そこで、一部では、ロボットを、加工室内に設けることも提案されている。
【0005】
特許文献3,4には、把持器の開閉動作によりワークの搬送を行う、ワークの搬送具が開示されている。この搬送具は、アーム状であり、本体機能箱に取り付けられている。また、当該本体機能箱は、主軸を支持する主軸頭の右側部に設けられている。搬送具は、主軸の長軸と略直交する軸回りに旋回可能となっている。そして、搬送具は、旋回することでそのアームが略水平となる状態と略垂直となる状態とに変化できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−36285号公報
【特許文献2】特開2010−64158号公報
【特許文献3】特開平5−301141号公報
【特許文献4】特開平5−301142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、工作機械に用いられるロボットでは、ワークの搬送や加工など比較的大きな出力やトルクが求められることが多い。他方、複雑ワークの測定等を行うためには、ロボットが狭い隙間に入り込む必要がある。そのため、ロボットの腕は細いほうがよく、大型のモータを取り付けることが困難である。
【0008】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロボットに大型のモータを取り付けることなく細い腕でありながら、必要な際には大きな出力やトルクで作業が可能な工作機械用ロボット及びこれを備える工作機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、工作機械の回転装置に連結することで回転装置の回転駆動力を入力可能な入力軸と、前記回転駆動力で駆動される被駆動部と、内部モータと、を備え、前記入力軸と前記内部モータの軸が連結されることを特徴とする工作機械用ロボットである。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、入力軸は複数設けられる。
【0011】
本発明の他の実施形態では、前記内部モータで前記被駆動部を駆動するモードと、前記回転装置の前記回転駆動力で前記被駆動部を駆動するモードと、前記内部モータ及び前記回転装置の前記回転駆動力で前記被駆動部を駆動するモードを備える。
【0012】
本発明のさらに他の実施形態では、被駆動部はエンドエフェクタである。
【0013】
本発明のさらに他の実施形態では、被駆動部は関節である。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態では、入力軸及び被駆動部はそれぞれ複数設けられ、入力軸と被駆動部は、1対1、1対N、N対1(但し、Nは2以上の自然数)のいずれかに対応する。
【0015】
本発明のさらに他の実施形態では、回転装置はワーク主軸装置、工具主軸装置のいずれかである。
【0016】
本発明のさらに他の実施形態では、工作機械の加工室内に配置される。
【0017】
また、本発明は、上記の工作機械用ロボットを加工室内に備えることを特徴とする工作機械である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ロボットに大型のモータを取り付けることなく、必要な際には大きな出力やトルクで作業が可能な工作機械用ロボット及びこれを備える工作機械を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】工作機械の斜視図である。
図2】機内ロボットの構成図(その1)である。
図3】機内ロボットの構成図(その2)である。
図4】機内ロボットの構成図(その3)である。
図5】機内ロボットの構成図(その4)である。
図6】機内ロボットの動作説明図(その1)である。
図7】機内ロボットの動作説明図(その2)である。
図8】機内ロボットの動作説明図(その3)である。
図9】機内ロボットの動作説明図(その4)である。
図10】機内ロボットの動作説明図(その5)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0021】
<全体構成>
図1は、工作機械10の概略構成を示す図である。なお、以下の説明では、主軸装置14の回転軸方向をZ軸、刃物台4のZ軸と直交する移動方向をX軸、Z軸およびX軸に直交する方向をY軸と呼ぶ。
【0022】
工作機械10は、工具100でワークを切削加工する機械である。具体的には、工作機械10は、ワークを回転させながら旋削工具を当ててワークを切削する旋削機能を有した旋盤である。工作機械10の刃物台4は工具100を回転させることにより簡単な転削機能を有している。
【0023】
工作機械10の周囲は、カバー(図示せず)で覆われている。このカバーで区画される空間が、ワークの加工が行われる加工室となる。カバーを設けることで、切り屑等が外部に飛散することが防止される。カバーには、少なくとも一つの開口部と、当該開口部を開閉するドア(いずれも図示せず)が設けられている。オペレータは、この開口部を介して、工作機械10の内部やワーク等にアクセスする。加工中、開口部に設けられたドアは、閉鎖される。これは、安全性や環境性等を担保するためである。
【0024】
工作機械10は、ワークを自転可能に保持するワーク主軸装置14と、転削機能により先端部が回転可能な工具100を保持する刃物台4を備えている。ワーク主軸装置14は、基台22に設置された主軸台と、当該主軸台に取り付けられたワーク主軸を備えている。ワーク主軸は、ワークを着脱自在に保持するチャックやコレットを備えており、保持するワークを適宜、交換することができる。また、ワーク主軸は、水平方向(Z軸方向)に延びるワーク回転軸を中心として自転する。
【0025】
刃物台4は、旋削工具、例えば、バイトと呼ばれる工具を保持する。この刃物台4およびバイトは、駆動機構により、XZ軸方向に直線移動可能となっている。
【0026】
加工室内の底部には、切削加工の際に飛散した切り屑を、回収して排出する排出機構が設けられている。排出機構としては、種々の形態が考えられるが、例えば、排出機構は、重力により落下した切り屑を、外部に搬送するコンベア等で構成される。
【0027】
工作機械10は、各種演算を行う制御装置を備えている。工作機械10における制御装置は、数値制御装置(NC)とも呼ばれており、オペレータからの指示に応じて、工作機械10の各部の駆動を制御する。この制御装置は、例えば、各種演算を行うCPUと、各種制御プログラムや制御パラメータを記憶するメモリと、入出力インタフェースと、入力装置及び出力装置で構成される。入力装置は例えばタッチパネルやキーボードであり、出力装置は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等である。入力装置と出力装置をともにタッチパネルで構成してもよい。また、制御装置は、通信機能を有しており、他の装置との間で各種データ、例えば、NCプログラムデータ等を授受できる。この制御装置は、例えば、工具100やワークの位置を随時演算する数値制御装置を含んでもよい。制御装置は、単一の装置でもよいし、複数の演算装置を組み合わせて構成されてもよい。
【0028】
工作機械10は、さらに、機内ロボット20を備えている。機内ロボット20は、入力軸と、関節と、節と、エンドエフェクタを備えている。入力軸は、工具100に連結され、刃物台4に備わる転削加工用の駆動力が機内ロボット20の駆動力として伝達される。
【0029】
本実施形態では、加工室内の所定位置に配置されたロボットを機内ロボットと称する。所定位置は必ずしも固定位置を意味するものではなく、初期状態ではある位置に配置されていても、ワークの加工中その他において所望の位置まで移動し得るものをその概念に含むものとする。
【0030】
図2は、機内ロボット20の構成図を示す。機内ロボット20は、入力軸20aと、伝達軸20bと、ベベルギア(傘歯車)20cと、エンドエフェクタ20dを備える。図では、入力軸20aは複数(6個)設けられている。入力軸20aの先端は、主軸装置14と係合するように突起形状となっている。
【0031】
複数の入力軸20aのいずれかが工具100に連結されると、入力軸20aから入力された工具100の駆動力は、伝達軸20b、ベベルギア20cを介して機内ロボット20のエンドエフェクタ20dに伝達される。エンドエフェクタ20dには、図1に示すようなワーク3を把持するハンドを取り付けることができ、あるいは工具、さらには各種センサを取り付けることもできる。ハンドの場合、工具100の比較的大きなトルクを生かして、大きな力でワーク3を把持したり回転させたりすることが可能である。
【0032】
エンドエフェクタ20dを駆動するための駆動力は、工具100から伝達されるので、大出力で加工やその他の作業をすることが可能である。
【0033】
また、入力軸20aは複数箇所に設けられているので、機内ロボット20の姿勢が変化した場合でも、工具100と連結するのに都合がよい入力軸20aを選択して加工やその他の作業を実施できる。
【0034】
また、複数の入力軸20aを機能毎に分けることもできる。例えば、エンドエフェクタ20dとしてワーク3を把持するハンドを取り付けた場合において、ハンドでワーク3を把持する駆動力を入力するための入力軸、ハンドでワーク3を回転させる駆動力を入力するための入力軸等である。
【0035】
本実施形態において、入力軸20aとエンドエフェクタ20dの組み合わせを複数用意することで、アクチュエータを増やすことなしに、エンドエフェクタ20dを使い分けることも容易化される。例えば、エンドエフェクタ20dとして、複数のエンドエフェクタ20dを設け、複数の入力軸20aと複数のエンドエフェクタ20dを1対1に対応させる等である。勿論、これ以外にも、ある入力軸20aを複数のエンドエフェクタ20dに対応させる(1対N)、あるいは複数の入力軸20aをあるエンドエフェクタ20dに対応させる(N対1)ことも可能である。ここで、Nは2以上の自然数である。
【0036】
図5は、入力軸20aから入力された駆動力を関節トルクに利用する場合を示す。機内ロボット20には関節駆動用の内部モータ20eが設けられ、この内部モータ20eの軸は入力軸20aと兼用されている。なお、符号20fは機内ロボット20の節である。
【0037】
このように入力軸20aと内部モータ20eの軸を共通化することにより、内部モータ20eだけでは出力やトルクが不足する場合に、工具100の回転駆動力を利用してサポートすることが可能となり、大きな力を発生させることができる。これにより、負荷の高い加工や重量物の搬送が可能となる。機内ロボット20は、
(1)内部モータ20eのみの駆動力で駆動するモード
(2)工具100の駆動力のみで駆動するモード
(3)内部モータ20eの駆動力と工具100の駆動力で駆動するモード
の3つのモードを備えるといえる。
【0038】
本実施形態では、機内ロボット20に大きなモータやアクチュエータを設ける必要がないため、機内ロボット20の腕を細くして種々の箇所にアクセスすることが可能である。また、必要な場合には工具100の駆動力を利用することで大きな出力やトルクを出すことができるが、工具100はもともと工作機械に必須の構成であるため、コストを低減することもできる。
【0039】
以下、本実施形態における機内ロボット20の動作について、エンドエフェクタ20dとしてハンドを用いた場合を例にとり説明する(以下では、ハンド20dとする)。
【0040】
図6は、ワーク3の把持位置に機内ロボット20を移動させた状態を示す。機内ロボット20の初期位置を図1に示す位置とすると、図6の位置までは機内ロボット20の内部に設けられた内部モータ20eの駆動力のみで移動する。図1に示す初期位置、及び図6に示す状態では、機内ロボット20の入力軸20aは、工具100と連結している必要はない。このことは、エンドエフェクタ20dとしてのハンド20dを使用しない場合、機内ロボット20の入力軸20aは工具100と分離しており、機内ロボット20を自由に移動させ得ることを意味する。
【0041】
図7は、図6の状態からハンド20dを開閉動作させてワーク3を把持する状態である。この場合、図3に示すように、機内ロボット20の複数の入力軸20aの中でハンド開閉用の入力軸20aを工具100に連結し、工具100の駆動力を入力軸20a、伝達軸20b、ベベルギア20cを介してハンド20dに伝達し、工具100の駆動力を用いてハンド20dを開閉動作させてワーク3を把持する。
【0042】
なお、ハンド20dを閉動作させてワーク3を把持した後は、ハンド20dの内部に設けられたブレーキ機構を作動させて閉状態を維持する。これにより、工具100と入力軸20aとの連結状態を解除しても、ワーク3を把持した状態がそのまま維持される。
【0043】
図8は、ワーク把持後、図4に示すように、機内ロボット20の複数の入力軸20aの中でワーク3の反転用の入力軸20aを工具100に連結した状態を示す。
【0044】
図9は、図8の状態からワーク3を反転中の状態を示す。工具100の駆動力は入力軸20a、伝達軸20b、ベベルギア20cを介してハンド20dに伝達され、ワーク3を把持しつつワーク3を反転させる。
【0045】
図10は、ワーク3を反転した後、ハンド20dを開動作させてワーク3を解放している状態を示す。主軸装置14のチャックでワーク3を保持し、機内ロボット20の複数の入力軸20aの中でハンド開閉用の入力軸20aを工具100に連結し、工具100の駆動力を入力軸20a、伝達軸20b、ベベルギア20cを介してハンド20dに伝達し、工具100の駆動力を用いてハンド20dを開動作させてワーク3を解放する。ワーク3はチャックで保持された状態となる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。以下に、変形例について説明する。
【0047】
<変形例1>
実施形態では、伝達軸20b、ベベルギア20cを介して工具100からの駆動力をエンドエフェクタ20dあるいは関節に伝達しているが、工具100からエンドエフェクタ20dあるいは関節に至るまでの経路のいずれかにさらに減速機を設けることで、より大きな力を容易に得ることもできる。また、リンク機構を用いるなど回転以外の方法で駆動力を伝達してもよい。
【0048】
<変形例2>
実施形態では、機内ロボット20の入力軸20aを工具100に連結したが、入力軸20aの連結先は必ずしも工具100である必要はなく、刃物台4に連結して刃物台4の旋回トルクを利用してもよい。要するに、機内ロボット20は、工作機械の回転装置に連結して回転装置の駆動力をエンドエフェクタ20d又は関節に伝達すればよく、種々の回転装置を用いることができる。
【0049】
<変形例3>
実施形態では、機内ロボット20の入力軸20aと工具100の連結は、入力軸20aの先端の突起部と工具100との係合により行っているが、フレキシブルシャフトやユニバーサルジョイント、カップリング等を介して連結してもよい。
【0050】
<変形例4>
実施形態では、工作機械の加工室内に設けられる機内ロボット20を例示したが、必ずしも加工室内に限定されるものではなく、加工室外に設けられる工作機械用ロボットに適用してもよい。当該ロボットも入力軸20a及び内部モータ20eを備え、内部モータ20eのみで動作するモードと、入力軸20aを工具100等の回転装置に連結させて回転装置の駆動力を利用して動作するモード、さらには内部モータと回転装置の駆動力とを併用するモードの3つのモードを有するものとし得る。
【符号の説明】
【0051】
3 ワーク、4 刃物台、14 主軸装置、20 機内ロボット、20a 入力軸、20b 伝達軸、20c ベベルギア、20d エンドエフェクタ(ハンド)、20e 内部モータ、100 工具。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10