(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記周辺画像生成部は、特定の接続部材を示す第2の参照地物画像情報に基づいて抽出された、複数の地物を接続する一以上の接続部材に対応づけられている第1画像を当該特定の接続部材に重ねて表示させる周辺画像を生成する、
請求項5に記載の画像生成サーバ。
地図を表示するための地図情報を含む地図データベースと、前記地図に示される経路に沿って実際に記録された周辺画像を前記経路上の位置情報と関連づけて記録する周辺画像データベースと、を参照可能に構成されるコンピュータを、
前記地図上の異なる二地点間を結ぶ一以上の経路を検索する経路検索部と、
抽出対象となる特定の地物を示す参照地物画像情報を参照して、前記周辺画像に記録されている前記特定の地物を抽出する地物抽出部と、
前記特定の地物が抽出された周辺画像に関連付けられた前記経路上の前記位置情報から前記抽出された特定の地物の前記地図上における位置を特定する位置特定部と、
前記特定された前記位置を示す地図画像を生成する画像生成部と、
して機能させるプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、架線を敷設する作業のために電柱の使用を希望する者は、電力事業者やNTT等の電柱所有者又は道路管理者に対して、どの範囲に設置されたどのような電柱を何本使用するか等についての電柱許可申請を行う必要がある。しかしながら、どの範囲にどのような電柱が何本設置されているか等を含む電柱情報は、電柱所有者又は道路管理者のみが保有する情報であり、原則、非公開情報である。よって、電柱の使用を希望する者は、電柱許可申請を行う際には、現地調査を行ってこのような電柱情報を取得する必要がある。
【0005】
また、架線の敷設工事では、既存の架線をそのまま利用して既存の架線の終端から新たな架線を敷設すれば足りる。例えば、地点Aから地点Bまでのルート上において架線を敷設する場合であって、地点Aと地点Aから地点Bまでのルートの途中にある地点Cとの間においてすでに架線が敷設されていたときは、地点Cと地点Bとの間において架線を新たに敷設すれば足りる。ここで、架線の終端は、電柱に設けられた、光通信加入者宅への電話線の分岐や幹線ケーブルとの接続を提供する機器であるクロージャ等の端子かんに設けられている。このため、架線の敷設工事のためには、クロージャ等の端子かんを特定する必要がある。しかしながら、電柱情報と同様に、端子かんに関する情報についても、原則非公開であり、現地調査を必ず行う必要がある。
【0006】
このため、架線を新たに敷設する必要が生じる度に、作業者が現地調査に赴く必要があり、架線の範囲が広がれば広がるほど、多くの作業者を長時間現地調査に向かわせる必要があった。よって、架線の敷設工事には、多大な経済的及び時間的コストがかかるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、架線を敷設する際の経済的及び時間的コストを削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る画像生成サーバは、地図情報を表示するための画像生成サーバであって、地図を表示するための地図情報を含む地図データベースと、前記地図に示される経路に沿って実際に記録された周辺画像を前記経路上の位置情報と関連づけて記録する周辺画像データベースと、を参照可能に構成されており、前記地図上の異なる二地点間を結ぶ一以上の経路を検索する経路検索部と、抽出対象となる特定の地物を示す参照地物画像情報を参照して、前記周辺画像に記録されている前記特定の地物を抽出する地物抽出部と、前記特定の地物が抽出された周辺画像に関連付けられた前記経路上の前記位置情報から前記抽出された特定の地物の前記地図上における位置を特定する位置特定部と、前記特定された前記位置を示す地図画像を生成する画像生成部と、を備える。
【0009】
一実施形態に係る画像生成方法は、地図情報を表示するための画像生成方法であって、地図を表示するための地図情報を含む地図データベースと、前記地図に示される経路に沿って実際に記録された周辺画像を前記経路上の位置情報と関連づけて記録する周辺画像データベースと、を参照可能であり、前記地図上の異なる二地点間を結ぶ一以上の経路を検索するステップと、抽出対象となる特定の地物を示す参照地物画像情報を参照して、前記周辺画像に記録されている前記特定の地物を抽出するステップと、前記特定の地物が抽出された周辺画像に関連付けられた前記経路上の前記位置情報から前記抽出された特定の地物の前記地図上における位置を特定するステップと、前記特定された前記位置を示す地図画像を生成するステップと、を含む。
【0010】
一実施形態に係るプログラムは、地図を表示するための地図情報を含む地図データベースと、前記地図に示される経路に沿って実際に記録された周辺画像を前記経路上の位置情報と関連づけて記録する周辺画像データベースと、を参照可能に構成されるコンピュータを、前記地図上の異なる二地点間を結ぶ一以上の経路を検索する経路検索部と、抽出対象となる特定の地物を示す参照地物画像情報を参照して、前記周辺画像に記録されている前記特定の地物を抽出する地物抽出部と、前記特定の地物が抽出された周辺画像に関連付けられた前記経路上の前記位置情報から前記抽出された特定の地物の前記地図上における位置を特定する位置特定部と、前記特定された前記位置を示す地図画像を生成する画像生成部と、して機能させる。
【0011】
なお、各実施形態において、「部」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、架線を敷設する際の経済的及び時間的コストを削減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、一実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、一連の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0015】
図1は、実施形態に係る画像生成システムの概略構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、画像生成システム100は、例示的に、地図情報を生成するための画像生成サーバ1と、地図に示される経路に沿って走行する車両2と、車両2とともに移動し、走行する車両2の周辺を撮像する撮像装置3と、地図を表示するための地図情報を含む地図データベース(DB)6と、地図に示される経路に沿って実際に記録された周辺画像を経路上の位置情報と関連づけて記録する周辺画像データベース(DB)8と、を備えて構成されている。
【0016】
画像生成システム100のうち、撮像装置3を搭載する車両2、地
図DB6及び周辺画像DB8は、公共の利用に供するように設けられたサービスにおいて利用可能なデータベースであってよく、例えば、Googleマップ(登録商標)及びGoogleストリートビュー(登録商標)を適用可能である。
【0017】
画像生成サーバ1は、通信ネットワークN1を介して、地
図DB6と、周辺画像DB8と、を参照可能に構成されている。車両2は、通信ネットワークN2を介して、車両2に搭載されている不図示のGPS手段により測定された車両2の位置情報(撮像位置情報)を周辺画像DB8に送信する。撮像装置3は、通信ネットワークN2を介して、地図に示される経路に沿って走行する車両2の周辺を撮像することにより得られる周辺画像を周辺画像DB8に送信する。また、撮像装置3は、周辺画像が記録された際の高さに対応する参照高さ情報と、周辺画像に記録されている撮像装置3の仰角と、を周辺画像DB8に送信する。
【0018】
なお、通信ネットワークN1及びN2は、インターネット、パケット通信網、回線通信網の組み合わせであってもよく、少なくとも画像生成サーバ1との通信部分は無線であるが、その他の網は、有線及び無線の少なくとも一方を含む。なお、
図1では、一例として車両2と撮像装置3について、それぞれ1台ずつを記載しているが、これらの台数は任意であり、それぞれ2台以上となるように構成することができる。
【0019】
[画像生成サーバの概要]
画像生成サーバ1は、例えば、ブラウザを介して地
図DB6及び周辺画像DB8を参照可能に構成されている。画像生成サーバ1は、地図表示サーバ5から提供される地図画像、及び、周辺画像サーバ7から提供される周辺画像の少なくとも一方に地物を示す情報、例えば、地物を示す画像等をオーバーラップさせて表示させる。
【0020】
「地物」とは、天然と人工にかかわらず、地上にあるすべての物の概念のことであり、例えば、道路、設備、施設、建築物、地形、植物等を含む。
図1及び2の例においては、地物4として、例示的に、AO(
Aerial
Optical)クロージャ4A、電柱4B、架線4Cを含む。
【0021】
図2は、実施形態に係る地図表示機能により表示される地図画像及び周辺画像の一例である。
図2に示すように、画像生成サーバ1は、例示的に、地図画像を含むウィンドウW2と、周辺画像を含むウィンドウW3と、を含むウィンドウW1を表示する。ここで、周辺画像を含むウィンドウW3においては、ウィンドウW2における地図画像上の地点Aから地点Bまでの経路R1上に配置された人物Jの地図上における位置に関連づけられた周辺画像を表示することが可能である。このように、画像生成サーバ1は、所定の範囲の地図を示す地図画像を表示し、また、地図の所定の位置に対する周辺画像を表示することが可能である。
【0022】
クロージャとは、架空通信線路の相互接続を行う電柱上に設置される端子箱である端子かんの一例である。AOクロージャ4Aは、例えば、架線4Cの一例である光ファイバケーブルの端子かんであり、光クロージャとも呼ばれる。AOクロージャ4Aは、幹線ケーブル同士を接続又は分岐したり、光通信加入者宅の光引込線と接続したり、配線点からケーブルを分配したりする機能を備えている。このようにAOクロージャ4Aは、光ファイバケーブルの架け渡しの起点又は終点として機能する。
【0023】
[画像生成サーバの構成]
画像生成サーバ1は、例示的に、送受信部11と、記録部12と、情報処理部13と、表示部14と、を備える。なお、画像生成サーバ1は、CPU、ROM、RAM、HDD、ユーザインタフェース、ディスプレイ、及び通信インタフェース等のハードウェアを備える汎用又は専用のコンピュータシステムにより構成することができ、例えば、CPUが、メモリに記憶された所定のプログラムを実行することにより上記各部が実現される。また、画像生成サーバ1は、単一のコンピュータより構成されるものであっても、通信ネットワークN上に分散した複数のコンピュータより構成されるものであってもよい。
【0024】
送受信部11は、画像生成サーバ1と通信ネットワークNとの間で各種情報を送受信するブロックである。送受信部11は、例えば、地
図DB6から地図を表示するための地図情報を取得し、周辺画像DB8から地図に示される経路上の位置情報と関連づけられている周辺画像を取得する。
【0025】
記録部12は、例えば地図表示ソフトウェアプログラムPIと、抽出対象となる特定の地物を示す参照地物画像情報RIと、重畳用情報TIと、広告画像KIと、を含む。重畳用情報TIは、後述するように、周辺画像DB8に記録されている周辺画像に重ね合わせるための画像情報やテキスト情報等を含む。
【0026】
情報処理部13は、地図画像を生成するための情報処理を実行する機能ブロックである。情報処理部13は、機能的に、地図上の異なる二地点間を結ぶ一以上の経路を検索する経路検索部131と、抽出対象となる特定の地物を示す参照地物画像情報KIを参照して、周辺画像に記録されている特定の地物を抽出する地物抽出部132と、特定の地物が抽出された周辺画像に関連付けられた経路上の位置情報から地物抽出部132により抽出された特定の地物の地図上における位置を特定する位置特定部133と、位置特定部133により特定された位置を示す地図画像を生成する画像生成部134と、地物の高さを測定する高さ測定部135と、周辺画像DB8に記録されている周辺画像に所定の画像を重ねて表示させる周辺画像を生成する周辺画像生成部136と、仮想地物を地図上に追加設定する仮想地物設定部137と、を含んで構成されている。
【0027】
表示部14は、画像生成部134又は周辺画像生成部136が生成した画像を表示するブロックである。表示部14は、画像を出力可能であればよく、例えばディスプレイが該当するが、これに限られず、スマートフォン、携帯電話、PDA、PC、又はその他の端末装置で構成されてもよい。
【0028】
[画像生成処理]
<第1実施形態>
図3〜
図9を参照しながら、画像生成サーバ1により実行される画像生成処理の第1実施形態を説明する。
【0029】
図3は、本実施形態に係る画像生成処理フローの一例を示すフローチャートである。本実施形態に係る画像生成処理フローにおいて、前提として、
図1に示す画像生成サーバ1のオペレータにより、記録部12に記録されている地図表示ソフトウェアプログラムPIの実行が指示されると、地図表示ソフトウェアプログラムPIに基づくプログラム動作が開始する。また、画像生成サーバ1は、以下のステップにおいて、地図を表示するための地図情報を含む地
図DB6と、地図に示される経路に沿って実際に記録された周辺画像を経路上の位置情報と関連づけて記録する周辺画像DB8と、を参照可能である。
【0030】
(
図3のステップS1)
図1に示す経路検索部131は、地
図DB6に含まれる地図情報を参照して、地図上の異なる二地点間を結ぶ一以上の経路を検索する。
【0031】
(ステップS2)
地物抽出部132は、
図1に示す抽出対象となる特定の地物を示す参照地物画像情報RIを参照して、周辺画像DB8に含まれる周辺画像に記録されている特定の地物を抽出する。
【0032】
図4は、本実施形態に係る特定の地物の抽出処理の一例を説明する概念図である。特に、
図4は、周辺画像DB8に記録されている周辺画像及び周辺画像に対応づけられている地図上の位置情報を用いて、地図上の異なる二地点である地点A及び地点Bを結ぶ経路R2の周辺画像を結合させて再構成される地図を概念的に示している。地物抽出部132は、抽出対象となるAOクロージャ4A(特定の地物)を示す参照地物画像情報RIを参照して、周辺画像DB8に含まれる周辺画像に記録されている、経路R2に沿って配置されているAOクロージャ4Aを抽出する。他方で、地物抽出部132は、AOクロージャ4A(特定の地物)を示す参照地物画像情報RIを参照し、AOクロージャ4Aとは異なる他のクロージャ4Dについては、抽出しないように構成されている。
【0033】
図5は、本実施形態に係る特定の地物の抽出処理の他の一例を説明する概念図である。
図5に示すように、
図1に示す地物抽出部132は、抽出されたAOクロージャ4A(特定の地物)が経路1及び経路2のいずれにも位置していない場合に、当該AOクロージャ4Aの位置P1から最も近い経路1上の位置P1´に位置する特定の地物として抽出してもよい。
【0034】
地物抽出部132は、例えば、地点P1から地点X1までの距離L1と地点P1から地点X2までの距離L2とを合算した距離(L1+L2)、地点P1から地点X2までの距離L2と地点P1から地点X3までの距離L3とを合算した距離(L2+L3)、地点P1から地点Y1までの距離L4と地点P1から地点Y2までの距離L5とを合算した距離(L4+L5)、及び、地点P1から地点Y2までの距離L5と地点P1から地点Y3までの距離L6とを合算した距離(L5+L6)をそれぞれ比較し、特定の地物を、もっとも距離が短かった組合せである経路1上の地点X1と地点X2との間の位置P1´に位置する特定の地物として抽出してもよい。
【0035】
(
図3のステップS3)
図3に戻り、
図1に示す位置特定部133は、特定の地物が抽出された周辺画像に関連付けられた経路上の位置情報から抽出された特定の地物の地図上における位置を特定する。
(ステップS4)
画像生成部134は、前記特定された前記位置を示す地図画像を生成する。そして、
図1に示す表示部14は、画像生成部134が生成した地図画像を出力する。
【0036】
図6は、本実施形態に係る、特定された地物の位置を示す地図画像の表示例である。
図6に示すように、位置特定部133は、AOクロージャ4A(特定の地物)が抽出された周辺画像に関連付けられた地点Aから地点Bまでの経路上の位置情報から抽出された特定の地物の地図上における位置A1、A2、A3及びA4を特定し、画像生成部134は、特定された位置A1、A2、A3及びA4を示す地図画像を生成する。画像生成部134は、位置特定部133により特定された位置をプロットとして表現しているが、これに限られず、位置特定部133により特定された位置に特定の地物を示すアイコンやその他の画像を配置するような地図画像を生成してもよい。
【0037】
次に、
図7及び
図8を用いて、画像生成サーバが実行画像生成処理の他の例について説明する。
【0038】
図7は、本実施形態に係る周辺画像の表示例である。
図8は、実施形態に係る地図画像の表示例である。
図1に示す地物抽出部132は、参照地物画像情報R1を参照して、所定の範囲内に含まれる特定の地物を抽出する。地物抽出部132は、例えば、
図7に示すように、抽出対象となる缶ジュース4H(特定の地物)を示す参照地物画像情報R1を参照して、地図上の所定の範囲A1において撮像された周辺画像G1から、自動販売機4F内に配置された缶ジュース4Hを抽出する。位置特定部133は、缶ジュース4Hが抽出された周辺画像G1に関連付けられた経路上の位置情報から抽出された缶ジュース4Hの地図上における位置を特定する。そして、
図8に示すように、画像生成部134は、特定された位置を示す地図画像G2を生成する。
【0039】
(高さ測定処理)
図9〜
図11を参照しながら、画像生成サーバにより実行される地物の高さ測定処理の実施形態を説明する。画像生成サーバは、地物の高さ測定処理を画像生成処理の一部として実行してもよいし、独立した処理として実行するように構成されてもよい。
【0040】
図9は、本実施形態に係る電柱4B(地物)の高さを測定する高さ測定処理の一例を説明する図である。
図10は、本実施形態に係る電柱4Bを含む周辺画像の一例を示す図である。
図1に示す地物の高さを測定する高さ測定部135は、電柱4Bを含む周辺画像G3が記録された際の高さHに対応する参照高さ情報と、周辺画像G3に記録されている電柱4Bの仰角とに基づいて、電柱4Bの高さ(H+X)を測定する。例えば、
図10に示すように、電柱4Bの測定したい高さが例えば電柱4Bの頂上の高さであるとき、電柱4Bの頂上に電柱4Bを含む周辺画像G3の中心を合わせると、仰角(75y,282.78h,128.15t)(θ=38.15°)が設定される。高さ測定部135は、
図9に示す車両2の計測位置(撮影位置)の緯度経度(35.3406876,139.4387373)と、地図上における電柱4Bの設置位置と、に基づいて、距離Lを算出する。高さ測定部135は、下記(1)式より、算出された距離Lと、設定された仰角θと、を用いて、電柱4Bの一部の長さXを算出する。
X=L・tanθ (1)
ここで、撮像装置3の設置高さHは、例えば所定の値2.2mであり、高さ測定部135は、撮像装置3の設置高さH(2.2m)と、算出した長さXと、を合算することで、電柱4Bの高さ(H+X)を決定する。なお、
図10に示す周辺画像G3において、測定対象である電柱4Bが傾いた状態で含まれている場合は、電柱4Bの高さを正確に測定することができないおそれがある。したがって、このような場合は、車両2の複数の撮影位置から撮像した、電柱4Bを含む複数の周辺画像を用いることで、電柱4Bの高さをより正確に測定することができる。
【0041】
図11(A)及び(B)は、本実施形態に係る地物の高さ測定処理の他の例を説明する図である。
図11(A)に示すように、電柱4Bのステップボルト4Eは、省令等が定める電気設備技術基準等により、電柱4Bの種類ごとに設置される高さX.Xmが予め設定されており、各ステップボルト4Eの設置間隔についても、例えば、1.0mや0.9mというように予め設定されている。
図11(B)に示すように、電柱4B(地物)の架線4Cについても、設置される高さが5.5m、5.8m、又は6.1m等というように予め設置されており、架線4Cの設置間隔についても、0.Ymというように予め設定されている。よって、高さ測定部135は、例えば、各架線4C(地物)の設置高さや各ステップボルト4E(地物)の設置高さを測定する場合は、電気設備技術基準等により予め定められた架線4Cやステップボルト4Eの設置高さや設置間隔を利用することができる。
【0042】
以上のとおり、第1実施形態によれば、地図上の異なる地点A及び地点B間を結ぶ一以上の経路を検索し、AOクロージャ4A(特定の地物)を抽出し、特定の地物が抽出された周辺画像に関連付けられた経路上の位置情報から抽出された特定の地物の地図上における位置を特定し、特定された位置を示す地図画像を生成する。よって、異なる二点間地点Aから地点Bまでの経路中、地点Aから地点A4までは、すでに光ファイバが敷設されていることが把握でき、残りの地点A4から地点Bまでの経路において光ファイバを新たに敷設すれば足りることが把握できる。このように、作業者が現地調査に赴かなくても、光ファイバの敷設状況を確認することができるので、架線を敷設する際の経済的及び時間的コストを削減できる。
【0043】
本実施形態においては、周辺画像が記録された際の高さに対応する参照高さ情報と、周辺画像に記録されている地物の仰角とに基づいて、地物の高さを測定する。よって、より正確に地物の高さを測定することができる。
【0044】
本実施形態においては、予め定められた地物の設置高さや設置間隔を利用して地物の高さを測定する。よって、より簡単に地物の高さを測定することができる。
【0045】
<第2実施形態>
図12〜
図14を参照しながら、画像生成サーバにより実行される画像生成処理の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、周辺画像DBに記録されている周辺画像に所定の画像を重ねて表示させる周辺画像を更に生成する点で、地図画像を生成する第1実施形態とは異なる。以下では、第1実施形態と異なる点について主に説明する。
【0046】
図12(A)は、
図1に示す周辺画像DB8に記録されている周辺画像の表示例である。
図12(B)は、周辺画像DB8に記録されている周辺画像に所定の画像を重ねて表示させる周辺画像の表示例である。
図12(A)及び(B)に示すように、
図1に示す周辺画像生成部136は、架線4C(特定の接続部材)を示す第2の参照地物画像情報に基づいて抽出された、不図示の複数の電柱(複数の地物)を接続する一以上の架線4C(接続部材)に対応づけられている画像G6(第1画像)を周辺画像G4の当該特定の接続部材に重ねて表示させる周辺画像G8を生成する。なお、一以上の架線4Cに対応づけられている画像G6として、破線状画像を一例として挙げたが、架線4Cを強調表示できればよいので、架線4Cに重畳させて表示される実線であってもよいし、他の形態の画像であってもよい。
【0047】
図13(A)は、本実施形態に係る仮想地物が追加設定された地図画像の表示例である。
図13(B)は、本実施形態に係る仮想地物が追加設定された種変画像の表示例である。
図13(A)及び(B)に示すように、仮想地物設定部137は、実際には存在しない電柱4B(仮想地物)を地
図G10上に追加設定し、周辺画像生成部136は、追加設定された仮想地物に対応づけられた電柱4Bを示す画像G12(第2画像)を周辺画像DB8に記録されている周辺画像の対応する位置に重ねて表示させる周辺画像G14を生成する。
【0048】
図14は、本実施形態に係る広告画像を含む周辺画像の表示例である。
図14に示すように、周辺画像生成部136は、地物抽出部132により抽出されたビル4J(特定の地物)に対応付けられている広告画像KIを当該特定の地物の所定の範囲A2に重ねて表示させる周辺画像G16を生成する。なお、所定の範囲A2に重ねて表示する広告情報は、広告画像KIに限らず、動画やテキスト等を含んでもよい。
【0049】
以上のとおり、第2実施形態によれば、周辺画像DB8に記録されている周辺画像に所定の画像を重ねて表示させる周辺画像を生成する。よって、本実施形態では、第1実施形態による効果に加えて、撮像装置の周囲を撮像することによって得られた単なる画像に加工を施すことによって有効活用することができる。
【0050】
なお、上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0051】
上記実施形態においては、地物として、クロージャ4A、電柱4B、架線4C、ステップボルト4E等を挙げたが、これに限られず、地物は、例えば電柱に設けられる熱、煙、ガス等を検出する防災センサや水位、雨量、又は地震等を検出するセンサを含む環境センサ等を含んでもよい。