【課題を解決するための手段】
【0020】
本願発明の実施形態は、例えば、以下の通りである。
[形態1]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の診断方法であって、
a.静脈流出路閉塞の部位を同定する工程と、さらに任意の順序で実施される以下の工程、
b.前記特定された静脈流出路閉塞の部位に関連する狭窄病変の少なくとも1つを評価する工程と、
c.前記狭窄病変にかかる圧力勾配を上大静脈と比較して決定する工程の、片方または両方を含む診断方法。
[形態2]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、奇静脈(AZV)の前記上大静脈および2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影法によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除すること含む、形態1に記載の方法。
[形態3]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することを含む、形態1に記載の方法。
[形態4]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、二重超音波検査法の使用を含む超音波検査法を使用することを含む、形態3に記載の方法。
[形態5]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、前記奇静脈(AZV)の前記上大静脈および前記2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影法によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態1に記載の方法。
[形態6]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、内頸静脈(IJV)の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態1に記載の方法。
[形態7]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態1に記載の方法。
[形態8]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合するプラスミン、他のプラスミド、または線維素を溶解する任意の類似物質に結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態1に記載の方法。
[形態9]
前記プラスミン、プラスミド、または線維素を溶解する他の物質は自己活性である、形態8に記載の方法。
[形態10]
前記プラスミン、プラスミド、または線維素を溶解する他の物質は、特定周波数の光または特定周波数の超音波、または血管内または非侵襲的のどちらかによって伝達される任意の類似のエネルギー源の何れかに暴露されることによって活性化される、形態8に記載の方法。
[形態11]
前記光もしくは前記超音波または両方は、遠位の光学系またはトランスデューサをそれぞれ経由する、形態10に記載の方法。
[形態12]
前記狭窄病変の性状を評価する前記工程は、狭小化または血流障害が疑われる領域に撮像システムを適用して、繊維網、皮弁、反転した弁もしくは不全弁、組織膜、ならびにプラークまたは堆積した線維素もしくは血栓に起因する狭窄を含む管腔内異常を同定することを含む、形態1に記載の方法。
[形態13]
前記撮像システムは、IVUSシステム、OCTシステム、およびIVUSシステムとOCTシステムの組合せから成る群から選ばれる、形態12に記載の方法。
[形態14]
疑わしい有意な静脈の狭窄/管腔内の異常が前記工程bの前記方法の何れかによって確認された場合、前記狭窄にかかる前記圧力勾配を前記上大静脈と比較して決定する前記工程は、血圧計、圧力ワイヤ、または任意の他の血圧測定装置を用いて行われる、形態13に記載の方法。
[形態15]
前記圧力勾配に関する情報を医療提供者に伝える工程をさらに含む、形態14に記載の方法。
[形態16]
前記方法は深部静脈血栓症診断方法となるように、前記静脈流出路閉塞の部位は抹消静脈に同定される、形態1、3、4、7〜15の何れか1項に記載の方法。
[形態17]
抹消静脈内の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をこれらの各部位の選択的静脈造影によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態16に記載の方法。
[形態18]
抹消静脈内の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をこれらの各部位の選択的静脈造影によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態16に記載の方法。
[形態19]
抹消静脈内の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態16に記載の方法。
[形態20]
前記方法は肺塞栓症診断方法となるように、前記静脈流出路閉塞の部位は肺血管に同定される、形態1、3、4、7〜15の何れか1項に記載の方法。
[形態21]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺血管をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態20に記載の方法。
[形態22]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺血管をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態20に記載の方法。
[形態23]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、その部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態20に記載の方法。
[形態24]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の診断装置であって、
演算装置を備え、前記演算装置は、
a.静脈流出路閉塞の部位を同定する工程と、
b.狭窄病変の性状を評価する工程と、
c.前記狭窄にかかる圧力勾配を上大静脈と比較して決定する工程と
を実行するように構成されている、診断装置。
[形態25]
前記演算装置は、血管内超音波法(IVUS)撮像システムおよび光干渉断層法(OCT)システムから成る群から選択される撮像システムを含む、形態24に記載の装置。
[形態26]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、奇静脈(AZV)の前記上大静脈および2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態24に記載の装置。
[形態27]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することを含む、形態24に記載の装置。
[形態28]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、二重超音波検査法の使用を含む超音波検査法を使用することを含む、形態27に記載の装置。
[形態29]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、前記奇静脈(AZV)の前記上大静脈および前記2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態24に記載の装置。
[形態30]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、内頸静脈(IJV)の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態24に記載の装置。
[形態31]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態24に記載の装置。
[形態32]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合するプラスミン、他のプラスミド、または線維素を溶解する任意の類似物質に結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態24に記載の装置。
[形態33]
前記プラスミン、プラスミド、または線維素を溶解する他の物質は自己活性である、形態32に記載の装置。
[形態34]
前記プラスミン、プラスミド、または線維素を溶解する他の物質は、特定周波数の光または特定周波数の超音波、または血管内または非侵襲的のどちらかによって伝達される任意の類似エネルギー源の何れかに暴露されることによって活性化される、形態32に記載の装置。
[形態35]
前記光もしくは前記超音波または両方は、遠位の光学系またはトランスデューサをそれぞれ経由する、形態34に記載の装置。
[形態36]
前記狭窄病変の前記性状を評価する前記工程は、狭小化または血流障害が疑われる領域に撮像システムを適用して、繊維網、皮弁、反転した弁もしくは不全弁、組織膜、ならびにプラークまたは堆積した線維素もしくは血栓に起因する狭窄を含む管腔内異常を同定することを含む、形態24に記載の装置。
[形態37]
前記撮像システムは、IVUSシステム、OCTシステム、およびIVUSシステムとOCTシステムの組合せから成る群から選ばれる、形態36に記載の装置。
[形態38]
疑わしい有意な静脈の狭窄/管腔内の異常が前記工程bの前記方法の何れかによって確認された場合、前記狭窄にかかる前記圧力勾配を前記上大静脈と比較して決定する前記工程は、血圧計、圧力ワイヤ、または任意の他の血圧測定装置を用いて行われる、形態37に記載の装置。
[形態39]
前記圧力勾配に関する情報を医療提供者に伝える工程をさらに含む、形態38に記載の装置。
[形態40]
前記装置は深部静脈血栓症診断装置となるように、前記静脈流出路閉塞の部位は抹消静脈に同定される、形態24、25、27、28、31〜39の何れか1項に記載の装置。
[形態41]
抹消静脈内の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態40に記載の装置。
[形態42]
抹消静脈内の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態40に記載の装置。
[形態43]
抹消静脈内の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈に接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態40に記載の装置。
[形態44]
前記装置は肺塞栓症診断装置であるように、前記静脈流出路閉塞の部位は肺血管で同定される、形態24、25、27、28、31〜39の何れか1項に記載の装置。
[形態45]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺血管をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態44に記載の装置。
[形態46]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺血管をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態44に記載の装置。
[形態47]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈に接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、その部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態44に記載の装置。
[形態48]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の治療方法であって、
a.静脈流出路閉塞の部位を同定する工程と、さらに任意の順序で実施される以下の工程
b.狭窄病変の性状を評価する工程と、
c.前記狭窄にかかる圧力勾配を上大静脈と比較して決定する工程の、片方または両方を含み、さらに
d.所望の治療を施して前記狭窄病変を治療する工程
を含む治療方法。
[形態49]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、AZVの前記上大静脈および2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態48に記載の方法。
[形態50]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することを含む、形態48に記載の方法。
[形態51]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、二重超音波検査法の使用を含む超音波検査法を使用することを含む、形態50に記載の方法。
[形態52]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、前記AZVの前記上大静脈および前記2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影法によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態48に記載の方法。
[形態53]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、IJVの接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態48に記載の方法。
[形態54]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態48に記載の方法。
[形態55]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合するプラスミン、他のプラスミド、または線維素を溶解する任意の類似物質に結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態48に記載の方法。
[形態56]
前記プラスミン、プラスミド、または線維素を溶解する他の物質は自己活性である、形態55に記載の方法。
[形態57]
前記プラスミン、プラスミド、または線維素を溶解する他の物質は、特定周波数の光または特定周波数の超音波、または血管内または非侵襲的のどちらかによって伝達される任意の類似のエネルギー源の何れかに暴露されることによって活性化される、形態55に記載の方法。
[形態58]
前記光もしくは前記超音波または両方は、遠位の光学系またはトランスデューサをそれぞれ経由する、形態57に記載の方法。
[形態59]
前記狭窄病変の前記性状を評価する前記工程は、狭小化または血流障害が疑われる領域に撮像システムを適用して、繊維網、皮弁、反転した弁もしくは不全弁、組織膜、ならびにプラークまたは堆積した線維素もしくは血栓に起因する狭窄を含む管腔内異常を同定することを含む、形態48に記載の方法。
[形態60]
前記撮像システムは、IVUSシステムもしくはOCTシステムまたはIVUSおよびOCTの両方を有するシステムから成る群から選ばれる、形態59に記載の方法。
[形態61]
疑わしい有意な静脈の狭窄/管腔内の異常が前記工程bの前記方法の何れかによって確認された場合、前記狭窄にかかる前記圧力勾配を前記上大静脈と比較して決定する前記工程は、血圧計、圧力ワイヤ、または任意の他の血圧測定装置を用いて行われる、形態60に記載の方法。
[形態62]
前記圧力勾配に関する情報を医療提供者に伝える工程をさらに含む、形態61に記載の方法。
[形態63]
前記治療は血管形成術を適用して前記問題の狭窄を広げるまたは大きくする、形態48に記載の方法。
[形態64]
血管形成術による治療を施す前記工程は、従来の血管形成術、またはカッティングバルーンもしくはスコアリングバルーンを用いる血管形成術により施される血管形成術を含む、形態63に記載の方法。
[形態65]
血管形成術による治療を施す前記工程は、
a.事前の測定値に基づいて使用に適する前記血管形成術用バルーンを決定する工程と、
b.患者に体重に基づいた量のヘパリンを静脈内投与して少なくとも250の活性凝固時間(ACT)を確認する工程と、
c.前記バルーンを前記狭窄に配置する工程と、
d.前記バルーンを膨らませる工程と、
e.前記バルーンを所定の位置に臨床的に有意な時間放置する工程と、
f.前記バルーンを収縮させる工程と、
g.前記バルーンを引く抜く工程と
を含む、形態63に記載の方法。
[形態66]
前記血管形成術用バルーンは、公称膨張直径が、正常な近位非狭窄静脈の少なくとも約80%である非準拠バルーンである、形態63に記載の方法。
[形態67]
前記血管形成術用バルーンは一体型バルーンである、形態63に記載の方法。
[形態68]
前記血管形成術用バルーンは、組織プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、コラゲナーゼ、ヘプラノイド、および任意の他の線維素溶解性薬剤または直接抗トロンビン性薬剤のような薬剤で覆われているまたはこれらの薬剤を染み出す、形態63に記載の方法。
[形態69]
前記バルーンはカッティングバルーンまたはスコアリングバルーンである、形態63に記載の方法。
[形態70]
前記治療の適用によって除去された線維素、血栓、または他の組織片が血流と共に下流へ流れないように塞栓防止を講じる工程をさらに備える、形態48に記載の方法。
[形態71]
前記治療は前記狭窄に閉塞性のバルーンを適用することである、形態48に記載の方法。
[形態72]
前記閉塞性のバルーンはカテーテル本体を備え、前記カテーテル本体は遠位端、最遠位端、近位端、中心管腔、バルーン、およびバルーン管腔を備え、前記バルーンは前記最遠位端から僅かの距離に配置され、前記中心管腔は前記バルーンカテーテルの前記近位端から前記最遠位端まで延び、さらに前記バルーンカテーテルは、前記バルーンカテーテルの前記遠位端に少なくとも一部が配置された撮像システムも有する、形態71に記載の方法。
[形態73]
前記イメージングトランスデューサは、使用者が血管内狭窄を同定することができる撮像システムの一部であるIVUSイメージングトランスデューサまたはOCTイメージングトランスデューサから選択される、形態72に記載の方法。
[形態74]
前記撮像システムは、組織の形態、具体的には病変に関連したプラークを医師が体内で認識し同定するのに寄与するバーチャルヒストロジー(VH)技術を含む、形態73に記載の方法。
[形態75]
前記方法は、
a)前記バルーンカテーテルの前記中心管腔を、前記バルーンカテーテルの前記近位端で吸引源に取り付ける工程と、
b)前記バルーンカテーテルの前記遠位端を前記患者の関心静脈内で前進させて前記病変を通過させるが、前記バルーンは前記病変の下流にあり、そのため前記最遠位端は前記病変の近くに配置される工程と、
c)前記バルーンが前記静脈内の血流を塞ぐように前記バルーンを膨らませる工程と、
d)前記最遠位端に吸引を作用させるように前記吸引を作用させる工程と
をさらに含み、それによって前記最遠位端は前記病変の近くに配置されており、血栓は前記吸引力を受け、前記バルーンカテーテル内に吸引されて前記中心管腔の中を移動して前記近位端から除去される、形態72に記載の方法。
[形態76]
前記治療は、切開カテーテルを適用して前記問題の狭窄を広げるまたは大きくする、形態48に記載の方法。
[形態77]
前記切開カテーテルはカテーテル本体を有し、前記カテーテル本体は遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、および外面を備え、前記切開カテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサを有し、前記切開カテーテルは、前記遠位端の近くの前記外面に配置された切刃を含む、形態76に記載の方法。
[形態78]
前記方法は、
a)前記切開カテーテルの前記遠位端を前記患者の関心静脈内で前進させて前記病変を通過させる工程と、
b)前記カテーテルを撮像作業中に引き戻す工程と、
をさらに含み、これによって前記切刃は、前記病変の前記線維素、具体的には前記静脈壁に付着し取り込まれている血栓に接触し、血栓を引っ掻いて空間を作り、その空間によって前記線維素の残りを前記バルーンの開口によるより大きい開口に押し込むことができるようになる、形態77に記載の方法。
[形態79]
前記治療は、レーザー、高周波、冷凍アブレーション、または他のエネルギー源から成る群から選択されるアブレーションを適用して、前記問題の狭窄を広げるまたは大きくする、形態48に記載の方法。
[形態80]
前記アブレーションは、遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、外面、およびアブレーションシステムを備えるカテーテル本体を有するアブレーションカテーテルによって行われる、形態79に記載の方法。
[形態81]
前記アブレーションカテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサをさらに備える、形態80に記載の方法。
[形態82]
前記方法は、
a)前記アブレーションカテーテルを前記病変の前記部位まで前進させる工程と、
b)前記アブレーション治療を適用して前記病変をアブレーションする工程と
をさらに含む、形態79に記載の方法。
[形態83]
前記方法は撮像システムを用いることを含み、前記撮像システムは光源と遠位光学系とを有するOCTシステムであり、さらに前記撮像システムの遠位光学系と結合されたアブレーションシステムを用いることを含む、形態79に記載の方法。
[形態84]
前記アブレーションシステムによって提供される前記アブレーションは、前記OCT画像を生成するために前記OCTシステムに使用される前記光源と同一の光源から前記アブレーションシステムに供給されるレーザーアブレーションである、形態83に記載の方法。
[形態85]
前記光源を前記遠位光学系に接続する光ファイバーを備える、形態84に記載の方法。
[形態86]
前記アブレーションシステムによって提供される前記アブレーションは、前記OCT画像を生成するために前記OCTシステムに使用される前記光源と同一の光源から前記アブレーションシステムに供給されるレーザーアブレーションである、形態83に記載の方法。
[形態87]
前記OCT画像を生成するのに使用される前記光源は前記遠位光学系から離れて配置される、形態86に記載の方法。
[形態88]
前記OCT画像を生成するのに使用される前記光源は前記遠位光学系の近くに配置される、形態86に記載の方法。
[形態89]
前記光源は、前記OCT画像の生成に必要な前記光だけでなく、前記アブレーションシステムで使用されて前記アブレーションを行う前記レーザー光も提供する、形態86に記載の方法。
[形態90]
前記治療は、治療薬剤を供給カテーテル経由で前記病変に塗布して前記病変に存在するもしくは前記病変の原因となっている線維素または血栓を溶解すること、または前記病変を治療することである、形態48に記載の方法。
[形態91]
前記病変に供給されてもよい前記治療薬剤は、組織プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、コラゲナーゼ、ヘパラノイド、および任意の他の線維素溶解作用薬剤または直接抗トロンビン薬剤から成る群から選択される、形態90に記載の方法。
[形態92]
前記治療薬剤供給カテーテルはカテーテル本体を有し、前記カテーテル本体は遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、外面、バルーン、およびバルーン管腔を備える、形態91に記載の方法。
[形態93]
前記治療薬剤供給カテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサをさらに含む、形態92に記載の方法。
[形態94]
前記バルーンは前記治療薬剤で覆れており、前記バルーンを膨らませると前記治療薬剤が病変と接触し、それにより前記治療薬剤が前記病変に塗布される、形態92に記載の方法。
[形態95]
前記バルーンは多孔質であるか、複数の溝あるいは他の窓を有しており、前記バルーン内にある治療薬剤が前記孔、溝、または他の窓を通過して、狭窄またはその近くの前記組織と接触可能である、形態92に記載の方法。
[形態96]
前記方法は、
a)前記供給カテーテルを前記病変の前記部位まで前進させる工程と、
b)前記治療薬剤を前記病変に塗布する工程と
をさらに含む、形態92に記載の方法。
[形態97]
管腔内の異常を評価して前記工程dの前記治療が機能したか調べる工程をさらに備える、形態48に記載の方法。
[形態98]
前記管腔内の異常を評価する前記工程は、前記工程dの前記治療の一部として用いた同じ交換ワイヤに被せて前記診断カテーテルを再度案内して治療後の静脈造影を選択的に実施し、前記病変の狭窄の残りを評価する工程を含む、形態97に記載の方法。
[形態99]
前記管腔内の異常を評価する前記工程は、前記工程dの前記治療が施された後に前記狭窄にかかる前記圧力勾配を評価して、前記工程dの前記治療の結果として適切な血流が現在存在するか否かを治療後に決定する工程を含む、形態97に記載の方法。
[形態100]
治療後の前記狭窄病変の性状を評価する工程をさらに含む、形態48に記載の方法。
[形態101]
治療後の前記狭窄病変の前記性状を評価する前記工程は、前記工程dで前記治療が施された前記領域にIVUSもしくはOCTまたはIVUSとOCTの両方を実施して、管腔の減少が、正常な静脈直径の約50%未満になり、有意な血流障害が無いか確認する工程を含む、形態100に記載の方法。
[形態102]
任意の順序で実行される以下の工程、
a)管腔内の異常を評価して前記工程dの前記治療が機能したか調べる工程と、
b)前記狭窄病変の治療後の前記性状を評価する工程と
をさらに備える、形態48に記載の方法。
[形態103]
前記工程dの前記治療が前記所望の血流または前記狭窄の所望の減少をもたらすには不十分であった場合に、追加治療を施す工程をさらに備える、形態48に記載の方法。
[形態104]
前記追加治療は、前記工程dで施されたものと同じ治療の再実施または全く新しい治療の実施から成る群から選択される、形態103に記載の方法。
[形態105]
有意な狭窄に罹患した別の静脈がある場合に、他の罹患静脈に治療を実施する工程をさらに備える、形態48に記載の方法。
[形態106]
他の罹患静脈に治療を実施する前記治療が前記所望の血流または前記狭窄の所望の減少をもたらすには不十分であった場合に、追加治療を施す工程をさらに備える、形態105に記載の方法。
[形態107]
前記追加治療は、前記他の罹患静脈に施されたものと同じ治療の再実施または全く新しい治療の実施から成る群から選択される、形態106に記載の方法。
[形態108]
前記方法が深部静脈血栓症治療方法となるように、前記静脈流出路閉塞の部位は抹消静脈で同定される、形態48、50、51、54〜107の何れか1項に記載の方法。
[形態109]
抹消静脈の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態108に記載の方法。
[形態110]
抹消静脈の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除すること、および超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を同定することの両方を含む、形態108に記載の方法。
[形態111]
抹消静脈の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態108に記載の方法。
[形態112]
前記方法は肺塞栓症治療方法であるように、前記静脈流出路閉塞の部位は肺静脈で同定される、形態48、50、51、54〜107の何れか1項に記載の方法。
[形態113]
肺血管に静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態112に記載の方法。
[形態114]
肺血管に静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除すること、および超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を同定することの両方を含む、形態112に記載の方法。
[形態115]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態112に記載の方法。
[形態116]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の治療装置であって、
演算装置を備え、前記演算装置は、
a.静脈流出路閉塞の部位を同定する工程と、さらに任意の順序で実施される以下の工程、
b.狭窄病変の性状を評価する工程と、
c.前記狭窄病変にかかる圧力勾配を上大静脈と比較して決定する工程と、
d.所望の治療を施して前記狭窄病変と治療する工程の片方または両方とを実行するように構成された、治療装置。
[形態117]
撮像システムをさらに備える、形態116に記載の治療装置。
[形態118]
前記撮像システムは、血管内超音波法(IVUS)撮像システムおよび光干渉断層法(OCT)システムから成る群から選択される、形態117に記載の治療装置。
[形態119]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、AZVの前記上大静脈および2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して、有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態116に記載の装置。
[形態120]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することを含む、形態116に記載の装置。
[形態121]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、二重超音波検査法の使用を含む超音波検査法を使用することを含む、形態120に記載の装置。
[形態122]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、前記AZVの前記上大静脈および前記2つの共通頸静脈への入り口をこれらの各部位で選択的静脈造影法によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することと、超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を特定することの両方を含む、形態116に記載の装置。
[形態123]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、IJVの接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態116に記載の装置。
[形態124]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態116に記載の装置。
[形態125]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a)インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合するプラスミン、他のプラスミド、または線維素を溶解する任意の類似物質に結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b)前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c)前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態116に記載の装置。
[形態126]
前記プラスミン、プラスミド、またはいかなる形態の線維素も溶解する他の物質は自己活性である、形態125に記載の装置。
[形態127]
前記プラスミン、プラスミド、またはいかなる形態の線維素も溶解する他の物質は、特定周波数の光または特定周波数の超音波、または血管内または非侵襲的のどちらかによって伝達される任意の類似のエネルギー源の何れかに暴露されることによって活性化される、形態125に記載の装置。
[形態128]
前記光もしくは前記超音波または両方は、遠位の光学系またはトランスデューサをそれぞれ経由する、形態127に記載の装置。
[形態129]
前記狭窄病変の性状を評価する前記工程は、狭小化または血流障害が疑われる領域に撮像システムを適用して、繊維網、皮弁、反転した弁もしくは不全弁、組織膜、ならびにプラークまたは堆積した線維素もしくは血栓に起因する狭窄を含む管腔内異常を同定することを含む、形態116に記載の装置。
[形態130]
前記撮像システムは、IVUSシステムもしくはOCTシステムまたはIVUSおよびOCTの両方を有するシステムから成る群から選ばれる、形態129に記載の装置。
[形態131]
疑わしい有意な静脈の狭窄/管腔内の異常が前記工程bの前記装置の何れかによって確認された場合、前記狭窄にかかる前記圧力勾配を前記上大静脈と比較して決定する前記工程は、血圧計、圧力ワイヤ、または任意の他の血圧測定装置を用いることを含む、形態130に記載の装置。
[形態132]
前記演算装置は、前記圧力勾配に関する情報を医療提供者に伝える工程を実行するようにさらに構成されている、形態131に記載の装置。
[形態133]
前記治療は血管形成術を適用して前記問題の狭窄を広げるまたは大きくする、形態116に記載の装置。
[形態134]
血管形成術による治療を施す前記工程は、従来の血管形成術、またはカッティングバルーンもしくはスコアリングバルーンを用いる血管形成術により施される血管形成術を含む、形態133に記載の装置。
[形態135]
血管形成術による治療を施す前記工程は、
a.事前の測定値に基づいて使用に適する前記血管形成術用バルーンを決定する工程と、
b.患者に体重に基づいた量のヘパリンを静脈内投与して少なくとも250の活性凝固時間(ACT)を確認する工程と、
c.前記バルーンを前記狭窄に配置する工程と、
d.前記バルーンを膨らませる工程と、
e.前記バルーンを所定の位置に臨床的に有意な時間放置する工程と、
f.前記バルーンを収縮させる工程と、
g.前記バルーンを引く抜く工程と
を含む、形態133に記載の装置。
[形態136]
前記血管形成術用バルーンは、公称膨張直径が、正常な近位非狭窄静脈の少なくとも約80%である非準拠バルーンである、形態133に記載の装置。
[形態137]
前記血管形成術用バルーンは一体型バルーンである、形態133に記載の装置。
[形態138]
前記血管形成術用バルーンは、組織プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、コラゲナーゼ、ヘプラノイド、および任意の他の線維素溶解性薬剤または直接抗トロンビン性薬剤のような薬剤で覆われているまたはこれらの薬剤を染み出す、形態133に記載の装置。
[形態139]
前記バルーンはカッティングバルーンまたはスコアリングバルーンである、形態133に記載の装置。
[形態140]
前記治療の適用によって除去された線維素、血栓、または他の組織片が血流と共に下流へ流れないように塞栓防止を講じる工程をさらに備える、形態116に記載の装置。
[形態141]
前記治療は前記狭窄に閉塞性のバルーンを適用することである、形態116に記載の装置。
[形態142]
前記閉塞性のバルーンはカテーテル本体を備え、前記カテーテル本体は遠位端、最遠位端、近位端、中心管腔、バルーン、およびバルーン管腔を備え、前記バルーンは前記最遠位端から僅かの距離に配置され、前記中心管腔は前記バルーンカテーテルの前記近位端から前記最遠位端まで延び、さらに前記バルーンカテーテルは、前記バルーンカテーテルの前記遠位端に少なくとも一部が配置された撮像システムも有する、形態141に記載の装置。
[形態143]
前記イメージングトランスデューサは、使用者が血管内狭窄を同定することができる撮像システムの一部であるIVUSイメージングトランスデューサまたはOCTイメージングトランスデューサから選択される、形態142に記載の装置。
[形態144]
前記撮像システムは、組織の形態、具体的には病変に関連したプラークを医師が体内で認識し同定するのに寄与するバーチャルヒストロジー(VH)技術を含む、形態143に記載の装置。
[形態145]
前記演算装置は、
e)前記バルーンカテーテルの前記中心管腔を、前記バルーンカテーテルの前記近位端で吸引源に取り付ける工程と、
f)前記バルーンカテーテルの前記遠位端を前記患者の関心静脈内で前進させて前記病変を通過させるが、前記バルーンは前記病変の下流にあり、それによって前記最遠位端は前記病変の近くに配置される工程と、
g)前記バルーンが前記静脈内の血流を塞ぐように前記バルーンを膨らませる工程と、
h)前記最遠位端に吸引を作用させるように前記吸引を作用させる工程と
を実行するようにさらに構成されており、それによって前記最遠位端は前記病変の近くに配置されており、血栓は前記吸引力を受け、前記バルーンカテーテル内に吸引されて前記中心管腔の中を移動して前記近位端から除去される、形態142に記載の装置。
[形態146]
前記治療は、切開カテーテルを適用して前記問題の狭窄を広げるまたは大きくする、形態116に記載の装置。
[形態147]
前記切開カテーテルはカテーテル本体を有し、前記カテーテル本体は遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、および外面を備え、前記切開カテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサを有し、前記切開カテーテルは、前記遠位端の近くの前記外面に配置された切刃を含む、形態146に記載の装置。
[形態148]
前記演算装置は、
a)前記切開カテーテルの前記遠位端を前記患者の関心静脈内で前進させて前記病変を通過させる工程と、
b)前記カテーテルを撮像作業中に引き戻す工程と、
を実行するようにさらに構成されており、これによって前記切刃は、前記病変の前記線維素、具体的には前記静脈壁に付着し取り込まれている血栓に接触し、血栓を引っ掻いて空間を作り、その空間によって前記線維素の残りを前記バルーンの開口によるより大きい開口に押し込むことができるようになる、形態147に記載の装置。
[形態149]
前記治療は、レーザー、高周波、冷凍アブレーション、または他のエネルギー源から成る群から選択されるアブレーションを適用して、前記問題の狭窄を広げるまたは大きくする、形態116に記載の装置。
[形態150]
前記アブレーションは、遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、外面、およびアブレーションシステムを備えるカテーテル本体を有するアブレーションカテーテルによって行われる、形態149に記載の装置。
[形態151]
前記アブレーションカテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサをさらに備える、形態150に記載の装置。
[形態152]
前記演算装置は、
a)前記アブレーションカテーテルを前記病変の前記部位まで前進させる工程と、
b)前記アブレーション治療を適用して前記病変をアブレーションする工程と
を実行するようにさら構成されている、形態149に記載の装置。
[形態153]
前記装置は撮像システムを含み、前記撮像システムは光源と遠位光学系とを有するOCTシステムであり、さらに前記撮像システムの遠位光学系と結合されたアブレーションシステムを用いることを含む、形態149に記載の装置。
[形態154]
前記アブレーションシステムによって提供される前記アブレーションは、前記OCT画像を生成するために前記OCTシステムに使用される前記光源と同一の光源から前記アブレーションシステムに供給されるレーザーアブレーションである、形態153に記載の装置。
[形態155]
前記光源を前記遠位光学系に接続する光ファイバーを備える、形態154に記載の装置。
[形態156]
前記アブレーションシステムによって提供される前記アブレーションは、前記OCT画像を生成するために前記OCTシステムに使用される前記光源と同一の光源から前記アブレーションシステムに供給されるレーザーアブレーションである、形態153に記載の装置。
[形態157]
前記OCT画像を生成するのに使用される前記光源は前記遠位光学系から離れて配置される、形態156に記載の装置。
[形態158]
前記OCT画像を生成するのに使用される前記光源は前記遠位光学系の近くに配置される、形態156に記載の装置。
[形態159]
前記光源は、前記OCT画像の生成に必要な前記光だけでなく、前記アブレーションシステムで使用されて前記アブレーションを行う前記レーザー光も提供する、形態156に記載の装置。
[形態160]
前記治療は、治療薬剤を供給カテーテル経由で前記病変に塗布して前記病変に存在するもしくは前記病変の原因となっている線維素または血栓を溶解すること、または前記病変を治療することである、形態116に記載の装置。
[形態161]
前記病変に供給されてもよい前記治療薬剤は、組織プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、コラゲナーゼ、ヘパラノイド、および任意の他の線維素溶解作用薬剤または直接抗トロンビン薬剤から成る群から選択される、形態160に記載の装置。
[形態162]
前記治療薬剤供給カテーテルはカテーテル本体を有し、前記カテーテル本体は遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、外面、バルーン、およびバルーン管腔を備える、形態161に記載の装置。
[形態163]
前記治療薬剤供給カテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサをさらに含む、形態162に記載の装置。
[形態164]
前記バルーンは前記治療薬剤で覆れており、前記バルーンを膨らませると前記治療薬剤が病変と接触し、それにより前記治療薬剤が前記病変に塗布される、形態162に記載の装置。
[形態165]
前記バルーンは多孔質であるか、複数の溝あるいは他の窓を有しており、前記バルーン内にある治療薬剤が前記孔、溝、または他の窓を通過して、狭窄またはその近くの前記組織と接触可能である、形態162に記載の装置。
[形態166]
前記演算装置は、
a)前記供給カテーテルを前記病変の前記部位まで前進させる工程と
b)前記治療薬剤を前記病変に塗布する工程と
を実行するようにさらに構成されている、形態162に記載の装置。
[形態167]
前記演算装置は、管腔内の異常を評価して前記工程dの前記治療が機能したか調べる工程を実行するようにさらに構成されている、形態116に記載の装置。
[形態168]
前記管腔内の異常を評価する前記工程は、前記工程dの前記治療の一部として用いた同じ交換ワイヤに被せて前記診断カテーテルを再度案内して治療後の静脈造影を選択的に実施し、前記病変の狭窄の残りを評価する工程を含む、形態167に記載の装置。
[形態169]
前記管腔内の異常を評価する前記工程は、前記工程dの前記治療が施された後に前記狭窄にかかる前記圧力勾配を評価して、前記工程dの前記治療の結果として適切な血流が現在存在するか否かを治療後に決定する工程を含む、形態167に記載の装置。
[形態170]
前記演算装置は、治療後の前記狭窄病変の前記性状を評価する工程を実行するようにさらに構成されている、形態116に記載の装置。
[形態171]
治療後の前記狭窄病変の前記性状を評価する前記工程は、前記工程dで前記治療が施された前記領域にIVUSもしくはOCTまたはIVUSとOCTの両方を実施して、管腔の減少が、正常な静脈直径の約50%未満になり、有意な血流障害が無いか確認する工程を含む、形態170に記載の装置。
[形態172]
前記演算装置は、任意の順序で実行される以下の工程
a)管腔内の異常を評価して前記工程dの前記治療が機能したか調べる工程と、
b)前記狭窄病変の治療後の前記性状を評価する工程と
を実行するようにさらに構成されている、形態116に記載の装置。
[形態173]
前記工程dの前記治療が前記所望の血流または前記狭窄の所望の減少をもたらすには不十分であった場合に、追加治療を施す工程を実行するようにさらに構成されている、形態116に記載の装置。
[形態174]
前記追加治療は、前記工程dで施されたものと同じ治療の再実施または全く新しい治療の実施から成る群から選択される、形態173に記載の装置。
[形態175]
前記演算装置は、有意な狭窄に罹患した別の静脈がある場合に、他の罹患静脈に治療を実施する工程を実行するようにさらに構成されている、形態116に記載の装置。
[形態176]
前記演算装置は、他の罹患静脈に治療を実施する前記治療が前記所望の血流または前記狭窄の所望の減少をもたらすには不十分であった場合に、追加治療を施す工程を実行するようにさらに構成されている、形態175に記載の装置。
[形態177]
前記追加治療は、前記他の罹患静脈に施されたものと同じ治療の再実施または全く新しい治療の実施から成る群から選択される、形態175に記載の装置。
[形態178]
前記方法が深部静脈血栓症治療方法となるように、前記静脈流出路閉塞の部位は抹消静脈で同定される、形態116〜118、120、121、124〜177の何れか1項に記載の装置。
[形態179]
抹消静脈の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をそれらの各部位の選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態178に記載の装置。
[形態180]
抹消静脈の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈をそれらの各部位の選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除すること、および超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を同定することの両方を含む、形態178に記載の装置。
[形態181]
抹消静脈の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、抹消静脈の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態178に記載の装置。
[形態182]
前記方法は肺塞栓症治療方法であるように、前記静脈流出路閉塞の部位は肺静脈で同定される、形態116〜118、120、121、124〜177の何れか1項に記載の装置。
[形態183]
肺血管に静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈をそれらの各部位で選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態182に記載の装置。
[形態184]
肺血管に静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈をそれらの各部位の選択的静脈造影によって連続的に評価して有意な狭窄または血流障害を確認または排除すること、および超音波検査法を用いて閉塞した流出の部位を同定することの両方を含む、形態182に記載の装置。
[形態185]
肺血管の静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、肺静脈の接近可能な部分に適用される経皮的超音波法を用いて静脈流出路閉塞の部位を特定し、それら部位の有意な狭窄または血流障害を確認または排除することを含む、形態182に記載の装置。
[形態186]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の治療装置であって、組織プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、コラゲナーゼ、ヘプラノイド、および任意の他の線維素溶解性薬剤または直接抗トロンビン性薬剤のような薬剤で覆われているまたはこれらの薬剤を染み出す血管形成術バルーンを備える治療装置。
[形態187]
前記バルーンはカッティングバルーンまたはスコアリングバルーンである、形態186に記載の装置。
[形態188]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の治療装置であって、遠位端、最遠位端、近位端、中心管腔、バルーン、およびバルーン管腔を有するカテーテル本体を備える閉塞性のバルーンを備え、前記バルーンは前記最遠位端から僅かの距離に配置され、前記中心管腔は前記バルーンカテーテルの前記近位端から前記最遠位端まで延び、さらに前記バルーンカテーテルは、前記バルーンカテーテルの前記遠位端に少なくとも一部が配置された撮像システムも有し、前記イメージングトランスデューサは、使用者が血管内狭窄を同定することができる撮像システムの一部であるIVUSイメージングトランスデューサまたはOCTイメージングトランスデューサから選択され、さらに前記撮像システムは、組織の形態、具体的には病変に関連したプラークを医師が体内で認識し同定するのに寄与するバーチャルヒストロジー(VH)技術を含む、治療装置。
[形態189]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の治療装置であって、遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、および外面を備えるカテーテル本体を有する切開カテーテルを備え、前記切開カテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサを有し、前記切開カテーテルは、前記遠位端の近くの前記外面に配置された切刃を含む、治療装置。
[形態190]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の治療装置であって、レーザー、高周波、冷凍アブレーション、または他のエネルギー源から成る群から選択されるアブレーションを施して前記問題の狭窄を広げるまたは大きくすることができるアブレーションカテーテルを備え、前記アブレーションカテーテルは、遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、外面およびアブレーションシステムを有し、さらに前記アブレーションカテーテルは、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサをさらに備える、治療装置。
[形態191]
前記撮像システムは光源と遠位光学系とを有するOCTシステムであり、前記アブレーションシステムは前記撮像システムの前記遠位光学系と結合されている、形態190に記載の装置。
[形態192]
前記アブレーションシステムによって提供される前記アブレーションは、前記OCT画像を生成するために前記OCTシステムに使用される前記光源と同一の光源から前記アブレーションシステムに供給されるレーザーアブレーションである、形態191に記載の装置。
[形態193]
前記光源を前記遠位光学系に接続する光ファイバーを備える、形態191に記載の装置。
[形態194]
前記アブレーションシステムによって提供される前記アブレーションは、前記OCT画像を生成するために前記OCTシステムに使用される前記光源と同一の光源から前記アブレーションシステムに供給されるレーザーアブレーションである、形態193に記載の装置。
[形態195]
前記OCT画像を生成するのに使用される前記光源は前記遠位光学系から離れて配置される、形態193に記載の装置。
[形態196]
前記OCT画像を生成するのに使用される前記光源は前記遠位光学系の近くに配置される、形態193に記載の装置。
[形態197]
前記光源は、前記OCT画像の生成に必要な前記光だけでなく、前記アブレーションシステムで使用されて前記アブレーションを行う前記レーザー光も提供する、形態196に記載の装置。
[形態198]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、および/または肺塞栓症の治療装置であって、治療薬剤供給カテーテルを備え、前記治療薬剤供給カテーテルはそれを経由して治療薬剤を前記病変に塗布して、前記病変に存在するもしくは前記病変の原因となっている線維素または血栓を溶解する、または血栓を治療することができる、治療装置。
[形態199]
前記治療薬剤供給カテーテルはカテーテル本体を有し、前記カテーテル本体は遠位端、近位端、ガイドワイヤを通すことができる中心管腔、外面、バルーン、およびバルーン管腔を備える、形態198に記載の装置。
[形態200]
前記治療薬剤供給カテーテル、その遠位端に撮像システムの一部として配置されたイメージングトランスデューサをさらに含む、形態199に記載の装置。
[形態201]
前記バルーンは多孔質であるか、複数の溝あるいは他の窓を有しており、前記バルーン内にある治療薬剤が前記孔、溝、または他の窓を通過して、狭窄またはその近くの前記組織と接触可能である、形態199に記載の装置。
[形態202]
前記バルーンは、組織プラスミノゲン活性化因子、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、コラゲナーゼ、ヘパラノイド、および任意の他の線維素溶解作用薬剤または直接抗トロンビン薬剤から成る群から選択される前記治療薬剤で覆われており、前記バルーンを膨らませると前記治療薬剤が病変と接触し、それにより前記治療薬剤が前記病変に塗布される、形態199に記載の装置。
[形態203]
多発性硬化症、深部静脈血栓症、または肺塞栓症を有する患者の静脈流出路閉塞の部位を同定する方法であって、
a.インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b.前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c.前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を備える方法。
[形態204]
静脈流出路閉塞の部位を同定する前記工程は、
a.インスリン様成長因子(IGF)結合タンパク質(IGFBP)と結合するプラスミン、他のプラスミド、または線維素を溶解する任意の類似物質に結合する放射性核種のような、線維素に固有のタンパク質と結合する放射性核種を、好ましくは閉塞の存在が疑われる場所の近くに塗布する工程と、
b.前記線維素の前記タンパク質に結合している前記放射性核種から放射される放射線を検出する工程と、
c.前記検出された放射線から画像を形成する工程と、
を含む、形態203に記載の方法。
[形態205]
前記プラスミン、プラスミド、またはいかなる形態の線維素も溶解する他の物質は自己活性である、形態204に記載の方法。
[形態206]
前記プラスミン、プラスミド、またはいかなる形態の線維素も溶解する他の物質は、特定周波数の光または特定周波数の超音波、または血管内または非侵襲的のどちらかによって伝達される任意の類似のエネルギー源の何れかに暴露されることによって活性化される、形態204に記載の方法。
[形態207]
前記光もしくは超音波または両方は、前記遠位光学系またはトランスデューサをそれぞれ経由する、形態206に記載の方法。
以下に添付図面を具体的に参照して、本発明を詳細に説明する。本説明を通じて、同様の構成要素はどの態様においても共通の構成要素を示し、同じ参照番号で参照される。ある部位の特定構成要素に属する特性、属性、機能、相互関連性は、断りが無い限り、別の部位にあり同じ参照番号で参照されるその構成要素にも当てはまる。