特許第6735575号(P6735575)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6735575エンドエフェクターを外科手術デバイスに接続すること
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6735575
(24)【登録日】2020年7月16日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】エンドエフェクターを外科手術デバイスに接続すること
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20200728BHJP
【FI】
   A61B17/068
【請求項の数】19
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-46868(P2016-46868)
(22)【出願日】2016年3月10日
(65)【公開番号】特開2016-171991(P2016-171991A)
(43)【公開日】2016年9月29日
【審査請求日】2019年2月13日
(31)【優先権主張番号】62/134,107
(32)【優先日】2015年3月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/052,952
(32)【優先日】2016年2月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】スコット リード
【審査官】 後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0005789(US,A1)
【文献】 特表2006−525061(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0041268(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0060841(US,A1)
【文献】 米国特許第05928241(US,A)
【文献】 米国特許第05505737(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/068
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術デバイスであって、該外科手術デバイスは、
外側チューブと内側シャフトアセンブリとを含む細長い本体部分であって、該内側シャフトアセンブリは、遠位チューブを有し、該遠位チューブは、その遠位端において非円形ボアを規定し、該内側シャフトアセンブリは、該外側チューブを通して長手方向に移動可能であり、該外側チューブおよび該遠位チューブは、それらを横断して延びている対応する開口部を規定する、細長い本体部分と、
該細長い本体部分への選択的な接続のための構成および寸法にされているエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、駆動シャフトを含み、該駆動シャフトは、そこから近位方向に延び、その外側表面において環状凹部を規定し、該駆動シャフトは、形状において該遠位チューブの該非円形ボアと相補的である非円形横断断面プロフィールを有する、エンドエフェクターと、
該細長い本体部分の該開口部内で移動可能である移動止めであって、該移動止めは、該遠位チューブの該非円形ボアへの該駆動シャフトの挿入に応答して該エンドエフェクターを該細長い本体部分に接続するために、該駆動シャフトの該環状凹部と該細長い本体部分の該外側チューブとの間で位置決め可能である、移動止めと
を含み、
該エンドエフェクターは、該駆動シャフトの周りに位置決めされている外側ハウジングを含み、
該エンドエフェクターの該外側ハウジングおよび該細長い本体部分の該外側チューブは、対応する嵌合構造を含み、該対応する嵌合構造は、該細長い本体部分と該エンドエフェクターとを回転して整列させて一緒に係止する係合のための構成および寸法にされている、外科手術デバイス。
【請求項2】
前記駆動シャフトの前記環状凹部は、弓形断面プロフィールを有する、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項3】
前記駆動シャフトの前記環状凹部は、該駆動シャフトを部分的に取り囲んでいる、請求項2に記載の外科手術デバイス。
【請求項4】
前記内側シャフトアセンブリは、遠位可撓性部分に接続されている近位剛性部分を含む、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項5】
前記エンドエフェクターの前記駆動シャフトおよび前記遠位チューブの前記ボアは、相補的なD字形の断面プロフィールを有する、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項6】
前記エンドエフェクターの前記駆動シャフトは、前記内側シャフトアセンブリの回転に応答して回転する、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項7】
前記細長い本体部分の近位端において支持されている関節運動アクチュエーターと、駆動アセンブリとを有する関節運動アセンブリをさらに含み、該細長い本体部分の前記外側チューブは、近位部分と遠位部分とを含み、該駆動アセンブリは、該関節運動アクチュエーターと該外側チューブの該遠位部分との間で動作可能に結合されており、該関節運動アクチュエーターは、前記エンドエフェクターを該細長い本体部分を通して規定される長手方向軸に対して関節運動させるために、該外側チューブの該近位部分に対して該外側チューブの該遠位部分を関節運動させるように作動可能である、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項8】
前記駆動アセンブリは、スライド可能なチューブと関節運動アームとを含み、該関節運動アームは、該スライド可能なチューブおよび前記外側チューブの前記遠位部分に旋回可能に結合され、前記関節運動アクチュエーターは、該スライド可能なチューブに結合されており、ここで、該関節運動アクチュエーターの回転は、該スライド可能なチューブを細長い本体部分を通して長手方向に並進させ、該スライド可能なチューブの長手方向の並進は、前記エンドエフェクターが前記長手方向軸に対して関節運動することを可能にするために、該関節運動アームを長手方向に並進させる、請求項に記載の外科手術デバイス。
【請求項9】
前記移動止めは、前記エンドエフェクターと前記細長い本体部分との間の選択的な接続を可能にするために、該エンドエフェクターと該細長い本体部分との間で浮動するような構成および寸法にされている、請求項1に記載の外科手術デバイス。
【請求項10】
前記移動止めは、球形の形状を有する、請求項に記載の外科手術デバイス。
【請求項11】
外科手術ファスナー適用デバイスの細長い本体部分への解放可能な接続のための構成および寸法にされているエンドエフェクターであって、該細長い本体部分は、移動止めを含み
該エンドエフェクターは、
該外科手術ファスナー適用デバイスの該細長い本体部分の中への挿入のための構成および寸法にされている近位方向に延びている駆動シャフトであって、該駆動シャフトは、該移動止めを受け取るような構成および寸法にされている環状凹部を規定し、該移動止めは、該エンドエフェクターを該外科手術ファスナー適用デバイスに接続するために、該環状凹部と該外科手術ファスナー適用デバイスの該細長い本体部分との間に位置決め可能である、駆動シャフトと、
該駆動シャフトの周りに位置決めされている外側ハウジングと
を含み
該細長い本体部分は、外側チューブを含み、
該エンドエフェクターの該外側ハウジングおよび該細長い本体部分の該外側チューブは、対応する嵌合構造を含み、該対応する嵌合構造は、該細長い本体部分と該エンドエフェクターとを回転して整列させて一緒に係止する係合のための構成および寸法にされている、エンドエフェクター。
【請求項12】
前記駆動シャフトの前記環状凹部は、弓形断面プロフィールを規定する、請求項11に記載のエンドエフェクター。
【請求項13】
前記駆動シャフトの前記環状凹部は、該駆動シャフトを部分的に取り囲んでいる、請求項11に記載のエンドエフェクター。
【請求項14】
前記駆動シャフトは、非円形横断断面プロフィールを有する、請求項11に記載のエンドエフェクター。
【請求項15】
前記駆動シャフトは、D字形である、請求項11に記載のエンドエフェクター。
【請求項16】
前記近位方向に延びている駆動シャフトを支持している内側ハウジングをさらに含み、該駆動シャフトは、該内側ハウジング内に支持されている複数のファスナーを該内側ハウジングから発射するために回転可能である、請求項11に記載のエンドエフェクター。
【請求項17】
エンドエフェクターへの解放可能な接続のための構成および寸法にされている外科手術ファスナー適用デバイスであって、該外科手術ファスナー適用デバイスは、
外側チューブと内側シャフトアセンブリとを含む細長い本体部分であって、該内側シャフトアセンブリは、遠位チューブを有し、該遠位チューブは、その遠位端において非円形ボアを規定し、該内側シャフトアセンブリは、該外側チューブを通して長手方向に移動可能であり、該外側チューブおよび該遠位チューブは、それらを横断して延びている対応する開口部を規定する、細長い本体部分と、
該細長い本体部分の該開口部内で移動可能である移動止めであって、該移動止めは、該エンドエフェクターと該細長い本体部分との間の選択的な接続を可能にするために、該エンドエフェクターと該細長い本体部分との間で浮動するような構成および寸法にされている、移動止めと
を含み、
該エンドエフェクターは、近位方向に延びている駆動シャフトと、該駆動シャフトの周りに位置決めされている外側ハウジングとを含み、
該エンドエフェクターの該外側ハウジングおよび該細長い本体部分の該外側チューブは、対応する嵌合構造を含み、該対応する嵌合構造は、該細長い本体部分と該エンドエフェクターとを回転して整列させて一緒に係止する係合のための構成および寸法にされている、外科手術ファスナー適用デバイス。
【請求項18】
前記移動止めは、球形の形状を有する、請求項17に記載の外科手術ファスナー適用デバイス。
【請求項19】
前記細長い本体部分の近位端において支持されている関節運動アクチュエーターと、駆動アセンブリとを有する関節運動アセンブリをさらに含み、該細長い本体部分の前記外側チューブは、近位部分と遠位部分とを含み、該駆動アセンブリは、該関節運動アクチュエーターと該外側チューブの該遠位部分との間で動作可能に結合されており、該関節運動アクチュエーターは、前記エンドエフェクターを該細長い本体部分を通して規定される長手方向軸に対して関節運動させるために、該外側チューブの該近位部分に対して該外側チューブの該遠位部分を関節運動させるように作動可能である、請求項17に記載の外科手術ファスナー適用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2015年3月17日に出願された米国仮特許出願第62/134,107号の利益および上記米国仮特許出願に対する優先権を主張し、その開示全体は、本明細書中で参考として援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、外科手術手順を実施するための外科手術デバイス、システム、および/または方法に関する。より詳しくは、本開示は、最小限に侵襲性の外科手術手順を実施するための吸収性または永久的な外科手術ファスナーを含むエンドエフェクターで装填可能である外科手術ファスナー適用デバイスおよび/またはシステム、ならびにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
様々な外科手術手順は、組織接続を形成するために、または物体を組織に固定するために、組織にファスナーを適用することが可能なデバイスを必要とする。例えば、ヘルニアの修復中、メッシュを身体組織に留めることがしばしば望ましい。特定のヘルニア(例えば、直接鼠径ヘルニアまたは間接鼠径ヘルニア)において、腸の一部は、腹部壁における欠陥を通って突出し、ヘルニア嚢を形成する。欠陥は、比較的大きい切開が作られる開腹外科手術手順を用いて修復され得、ヘルニアは、縫合によって腹部壁の外側で閉じられる。メッシュは、腹部壁における開口部を覆って縫合糸で取り付けられて、補強を提供する。
【0004】
最小限に侵襲性(例えば、内視鏡または腹腔鏡)の外科手術手順は、ヘルニアを修復するために現在利用可能である。腹腔鏡手順において、外科手術は、小さい切開を通して、腹部において実施され、一方、内視鏡手順において、外科手術は、身体における小さい切開を通して挿入された細い内視鏡チューブまたはカニューレを通して実施される。腹腔鏡手順および内視鏡手順は、概して、身体内の遠隔な領域に達することが可能な長くて細いデバイスを利用し、これらは、デバイスが挿入された切開またはチューブとの密封を形成するように構成されている。さらに、上記デバイスは、代表的に、遠隔に、すなわち、身体の外側から、作動されることが可能である。
【0005】
現在、ヘルニアの修復のための最小限に侵襲性の外科手術技術は、外科手術ファスナー(例えば、外科手術タック、ステープル、およびクリップ)を利用して、メッシュを組織に固定し、組織の内部成長を促進するための補強および構造を提供する。外科手術ファスナーは、しばしば、メッシュへの送達のための細長いデバイスを通って適用され、体腔の外側から操作される。
【0006】
いくつかの手順において、永久的なファスナーが必要とされ得、一方で、他の手順において、生体吸収性ファスナーが必要とされ得、またはその両方であり得る。最小限に侵襲性のデバイスは、代表的に永久的なファスナーまたは生体吸収性ファスナーのいずれかで装填されるエンドエフェクターを含む。さらに、外科手術手順の後、これらのデバイスは、再使用のために再滅菌されるか、または処分されるかのいずれかである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
従って、新しいデバイスおよび/またはシステムであって、新しいデバイスおよび/またはシステムは、確実であり、正確であり、そしてそれに対するエンドエフェクターの容易で有効な取り付けおよび除去を可能にする、新しいデバイスおよび/またはシステム、ならびにその使用方法が望ましい。
【0008】
本開示は、小さい作業空間(例えば、0.218インチの作業範囲など)内での外科手術デバイスおよび/もしくはシステムへのエンドエフェクターの取り付けおよび/もしくは取り外しを可能にするための新しいデバイス、システム、ならびに/または方法に関する。新しいデバイス、システム、および/または方法は、有利には、ユーザーが、選択的に移動可能および/または浮動する移動止めによって、そのハンドルからの遠隔でのそのような取り付けおよび/または取り外しを実現することを可能にし、この移動止めは、エンドエフェクターの近位方向に延びている駆動シャフトを本開示のデバイスおよび/またはシステムの細長い本体部分の内側シャフトアセンブリに結合する。本開示のエンドエフェクターが本開示のデバイスおよび/もしくはシステムに取り付けられて、ユーザーは、エンドエフェクターを本開示のデバイスおよび/もしくはシステムに対して関節運動させ得、ならびに/または例えば、メッシュを身体組織に固定するために、これらのエンドエフェクターからアンカーを発射し得る。
【0009】
本開示の1つの局面において、外科手術デバイスが提供される。外科手術デバイスは、細長い本体部分と、エンドエフェクターと、移動止めとを含む。
【0010】
細長い本体部分は、外側チューブと内側シャフトアセンブリとを含む。外側チューブは、近位部分と遠位部分とを含む。内側シャフトアセンブリは、外側チューブを通して長手方向におよび/または回転可能に移動可能である。内側シャフトアセンブリは、遠位チューブを含み、この遠位チューブは、その遠位端において非円形ボアを規定する。ボアは、D字形の断面プロフィールを有し得る。外側チューブおよび遠位チューブは、それらを横断して延びている対応する開口部を規定する。内側シャフトアセンブリは、遠位可撓性部分に接続されている近位剛性部分を含む。遠位可撓性部分は、遠位チューブに対して遠位方向に延びている。
【0011】
エンドエフェクターは、細長い本体部分に選択的に接続可能である。エンドエフェクターは、駆動シャフトを含み、この駆動シャフトは、そこから近位方向に延び、その外側表面において環状凹部を規定する。駆動シャフトの環状凹部は、弓形断面プロフィールを有し得る。駆動シャフトの環状凹部は、駆動シャフトを部分的に取り囲み得る。駆動シャフトは、形状において細長い本体部分の内側シャフトアセンブリの非円形ボアと相補的である非円形横断断面プロフィールを有する。駆動シャフトの非円形横断断面プロフィールは、D字形であり得、ボアのD字形の断面プロフィールと相補的であり得る。駆動シャフトは、内側シャフトアセンブリの回転に応答して回転する。
【0012】
エンドエフェクターは、駆動シャフトの周りに位置決めされている外側ハウジングを含む。エンドエフェクターの外側ハウジングおよび細長い本体部分の外側チューブは、対応する嵌合構造を含み、この対応する嵌合構造は、細長い本体部分とエンドエフェクターとを回転して整列させて一緒に係止する係合のための構成および寸法にされている。
【0013】
移動止めは、細長い本体部分の開口部内で移動可能である。移動止めは、内側シャフトアセンブリの非円形ボアへの駆動シャフトの挿入に応答してエンドエフェクターを細長い本体部分に接続するために、駆動シャフトの環状凹部と細長い本体部分の外側チューブとの間で位置決め可能である。移動止めは、エンドエフェクターと細長い本体部分との間の選択的な接続を可能にするために、エンドエフェクターと細長い本体部分との間で浮動するような構成および寸法にされている。特定の実施形態において、移動止めは、球形の形状を有する。
【0014】
いくつかの実施形態において、外科手術デバイスは、細長い本体部分の近位端において支持されている関節運動アクチュエーターを有する関節運動アセンブリを含む。駆動アセンブリは、関節運動アクチュエーターと外側チューブの遠位部分との間で動作可能に結合されている。関節運動アクチュエーターは、エンドエフェクターを細長い本体部分を通して規定される長手方向軸に対して関節運動させるために、外側チューブの近位部分に対して外側チューブの遠位部分を関節運動させるように作動可能である。
【0015】
駆動アセンブリは、スライド可能なチューブと関節運動アームとを含み得る。関節運動アームは、スライド可能なチューブおよび外側チューブの遠位部分に旋回可能に結合されている。関節運動アクチュエーターは、関節運動アクチュエーターの回転がスライド可能なチューブを細長い本体部分を通して長手方向に並進させるように、スライド可能なチューブに結合されている。スライド可能なチューブの長手方向の並進は、エンドエフェクターが長手方向軸に対して関節運動することを可能にするために、関節運動アームを長手方向に並進させる。
【0016】
さらに別の局面に従って、エンドエフェクターは、外科手術ファスナー適用デバイスの細長い本体部分への解放可能な接続のための構成および寸法にされている。細長い本体部分は、移動止めを含む。エンドエフェクターは、外科手術ファスナー適用デバイスの細長い本体部分の中への挿入のための構成および寸法にされている近位方向に延びている駆動シャフトを含む。駆動シャフトは、移動止めを受け取るような構成および寸法にされている環状凹部を規定し、その結果、移動止めは、エンドエフェクターを外科手術ファスナー適用デバイスに接続するために、環状凹部と外科手術ファスナー適用デバイスの細長い本体部分との間に位置決め可能である。
【0017】
エンドエフェクターは、近位方向に延びている駆動シャフトを支持している外側チューブを含み得る。いくつかの実施形態において、駆動シャフトは、外側チューブ内に支持されている複数のファスナーを外側チューブから発射するために回転可能である。
【0018】
さらに別の局面に従って、エンドエフェクターへの解放可能な接続のための構成および寸法にされている外科手術ファスナー適用デバイスが提供される。
【0019】
外科手術ファスナー適用デバイスは、細長い本体部分と移動止めとを含む。細長い本体部分は、外側チューブと内側シャフトアセンブリとを含む。内側シャフトアセンブリは、遠位チューブを含み、この遠位チューブは、その遠位端において非円形ボアを規定する。内側シャフトアセンブリは、外側チューブを通して長手方向に移動可能である。外側チューブおよび遠位チューブは、それらを横断して延びている対応する開口部を規定する。移動止めは、細長い本体部分の開口部内で移動可能である。移動止めは、エンドエフェクターと細長い本体部分との間の選択的な接続を可能にするために、エンドエフェクターと細長い本体部分との間で浮動するような構成および寸法にされている。
【0020】
他の局面、特徴、および利点は、以下の記載、図面、および特許請求の範囲から明らかである。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術デバイスであって、
外側チューブと内側シャフトアセンブリとを含む細長い本体部分であって、該内側シャフトアセンブリは、遠位チューブを有し、該遠位チューブは、その遠位端において非円形ボアを規定し、該内側シャフトアセンブリは、該外側チューブを通して長手方向に移動可能であり、該外側チューブおよび該遠位チューブは、それらを横断して延びている対応する開口部を規定する、細長い本体部分と、
該細長い本体部分への選択的な接続のための構成および寸法にされているエンドエフェクターであって、該エンドエフェクターは、駆動シャフトを含み、該駆動シャフトは、そこから近位方向に延び、その外側表面において環状凹部を規定し、該駆動シャフトは、形状において該遠位チューブの該非円形ボアと相補的である非円形横断断面プロフィールを有する、エンドエフェクターと、
該細長い本体部分の該開口部内で移動可能である移動止めであって、該移動止めは、該遠位チューブの該非円形ボアへの該駆動シャフトの挿入に応答して該エンドエフェクターを該細長い本体部分に接続するために、該駆動シャフトの該環状凹部と該細長い本体部分の該外側チューブとの間で位置決め可能である、移動止めと
を含む、外科手術デバイス。
(項目2)
上記駆動シャフトの上記環状凹部は、弓形断面プロフィールを有する、上記項目に記載の外科手術デバイス。
(項目3)
上記駆動シャフトの上記環状凹部は、該駆動シャフトを部分的に取り囲んでいる、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目4)
上記内側シャフトアセンブリは、遠位可撓性部分に接続されている近位剛性部分を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目5)
上記エンドエフェクターの上記駆動シャフトおよび上記遠位チューブの上記ボアは、相補的なD字形の断面プロフィールを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目6)
上記エンドエフェクターの上記駆動シャフトは、上記内側シャフトアセンブリの回転に応答して回転する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目7)
上記エンドエフェクターは、上記駆動シャフトの周りに位置決めされている外側ハウジングを含み、該エンドエフェクターの該外側ハウジングおよび上記細長い本体部分の上記外側チューブは、対応する嵌合構造を含み、該対応する嵌合構造は、該細長い本体部分と該エンドエフェクターとを回転して整列させて一緒に係止する係合のための構成および寸法にされている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目8)
上記細長い本体部分の近位端において支持されている関節運動アクチュエーターと、駆動アセンブリとを有する関節運動アセンブリをさらに含み、該細長い本体部分の上記外側チューブは、近位部分と遠位部分とを含み、該駆動アセンブリは、該関節運動アクチュエーターと該外側チューブの該遠位部分との間で動作可能に結合されており、該関節運動アクチュエーターは、上記エンドエフェクターを該細長い本体部分を通して規定される長手方向軸に対して関節運動させるために、該外側チューブの該近位部分に対して該外側チューブの該遠位部分を関節運動させるように作動可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目9)
上記駆動アセンブリは、スライド可能なチューブと関節運動アームとを含み、該関節運動アームは、該スライド可能なチューブおよび上記外側チューブの上記遠位部分に旋回可能に結合され、上記関節運動アクチュエーターは、該スライド可能なチューブに結合されており、ここで、該関節運動アクチュエーターの回転は、該スライド可能なチューブを細長い本体部分を通して長手方向に並進させ、該スライド可能なチューブの長手方向の並進は、上記エンドエフェクターが上記長手方向軸に対して関節運動することを可能にするために、該関節運動アームを長手方向に並進させる、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目10)
上記移動止めは、上記エンドエフェクターと上記細長い本体部分との間の選択的な接続を可能にするために、該エンドエフェクターと該細長い本体部分との間で浮動するような構成および寸法にされている、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目11)
上記移動止めは、球形の形状を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術デバイス。
(項目12)
外科手術ファスナー適用デバイスの細長い本体部分への解放可能な接続のための構成および寸法にされているエンドエフェクターであって、該細長い本体部分は、移動止めを含み、該エンドエフェクターは、
該外科手術ファスナー適用デバイスの該細長い本体部分の中への挿入のための構成および寸法にされている近位方向に延びている駆動シャフト
を含み、該駆動シャフトは、該移動止めを受け取るような構成および寸法にされている環状凹部を規定し、該移動止めは、該エンドエフェクターを該外科手術ファスナー適用デバイスに接続するために、該環状凹部と該外科手術ファスナー適用デバイスの該細長い本体部分との間に位置決め可能である、エンドエフェクター。
(項目13)
上記駆動シャフトの上記環状凹部は、弓形断面プロフィールを規定する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目14)
上記駆動シャフトの上記環状凹部は、該駆動シャフトを部分的に取り囲んでいる、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目15)
上記駆動シャフトは、非円形横断断面プロフィールを有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目16)
上記駆動シャフトは、D字形である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目17)
上記近位方向に延びている駆動シャフトを支持している外側チューブをさらに含み、該駆動シャフトは、該外側チューブ内に支持されている複数のファスナーを該外側チューブから発射するために回転可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載のエンドエフェクター。
(項目18)
エンドエフェクターへの解放可能な接続のための構成および寸法にされている外科手術ファスナー適用デバイスであって、該外科手術ファスナー適用デバイスは、
外側チューブと内側シャフトアセンブリとを含む細長い本体部分であって、該内側シャフトアセンブリは、遠位チューブを有し、該遠位チューブは、その遠位端において非円形ボアを規定し、該内側シャフトアセンブリは、該外側チューブを通して長手方向に移動可能であり、該外側チューブおよび該遠位チューブは、それらを横断して延びている対応する開口部を規定する、細長い本体部分と、
該細長い本体部分の該開口部内で移動可能である移動止めであって、該移動止めは、該エンドエフェクターと該細長い本体部分との間の選択的な接続を可能にするために、該エンドエフェクターと該細長い本体部分との間で浮動するような構成および寸法にされている、移動止めと
を含む、外科手術ファスナー適用デバイス。
(項目19)
上記移動止めは、球形の形状を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ファスナー適用デバイス。
(項目20)
上記細長い本体部分の近位端において支持されている関節運動アクチュエーターと、駆動アセンブリとを有する関節運動アセンブリをさらに含み、該細長い本体部分の上記外側チューブは、近位部分と遠位部分とを含み、該駆動アセンブリは、該関節運動アクチュエーターと該外側チューブの該遠位部分との間で動作可能に結合されており、該関節運動アクチュエーターは、上記エンドエフェクターを該細長い本体部分を通して規定される長手方向軸に対して関節運動させるために、該外側チューブの該近位部分に対して該外側チューブの該遠位部分を関節運動させるように作動可能である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の外科手術ファスナー適用デバイス。
(摘要)
エンドエフェクターへの解放可能な接続のための外科手術ファスナー適用デバイスが提供される。外科手術ファスナー適用デバイスは、外側チューブと内側シャフトアセンブリとを有する細長い本体部分を含む。内側シャフトアセンブリは、その遠位端において非円形ボアを規定する。内側シャフトアセンブリは、外側チューブを通して長手方向に移動可能である。外側チューブおよび内側シャフトアセンブリは、それらを通して半径方向に延びている対応する開口部を規定する。外科手術ファスナー適用デバイスは、細長い本体部分の開口部内で移動可能である移動止めを含む。移動止めは、エンドエフェクターと細長い本体部分との間の選択的な接続を可能にするために、エンドエフェクターと細長い本体部分との間で浮動する。
【0021】
本明細書中に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施形態を例示し、上に与えられた本開示の概略的な説明および下に与えられる詳細な説明と一緒に、本開示の原理を説明するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本開示に従う内視鏡外科手術システムの斜視図である。
図2図2は、図1の内視鏡外科手術システムの遠位部分の拡大された上面斜視図である。
図3図3は、図2に示される内視鏡外科手術システムの遠位部分の底面斜視図である。
図4図4は、部品が分離されている、図1の内視鏡外科手術システムのエンドエフェクターの斜視図である。
図5図5は、図4に示される指示された領域の拡大詳細斜視図である。
図6図6は、図1の内視鏡外科手術システムのシッピングウェッジの斜視図である。
図7図7は、部品が分離されている、図1の内視鏡外科手術システムの細長い本体部分の斜視図である。
図8図8は、図7に示される指示された領域の拡大詳細斜視図である。
図9図9は、図1の線分9−9に沿って得られる場合の図1の内視鏡外科手術システムの断面図であり、内視鏡外科手術システムは、第1の状態で示されている。
図10図10は、図9に示される指示された領域の拡大詳細立面図である。
図11図11は、第2の状態における図1の内視鏡外科手術システムの一部分の断面図である。
図12図12は、図11に示される指示された領域の拡大詳細図である。
図13図13図18は、図1の内視鏡外科手術システムの組み立てを例示している進行図である。
図14図13図18は、図1の内視鏡外科手術システムの組み立てを例示している進行図である。
図15図13図18は、図1の内視鏡外科手術システムの組み立てを例示している進行図である。
図16図13図18は、図1の内視鏡外科手術システムの組み立てを例示している進行図である。
図17図13図18は、図1の内視鏡外科手術システムの組み立てを例示している進行図である。
図18図13図18は、図1の内視鏡外科手術システムの組み立てを例示している進行図である。
図19図19図22は、図1の内視鏡外科手術システムからのシッピングウェッジの除去を例示している進行図である。
図20図19図22は、図1の内視鏡外科手術システムからのシッピングウェッジの除去を例示している進行図である。
図21図19図22は、図1の内視鏡外科手術システムからのシッピングウェッジの除去を例示している進行図である。
図22図19図22は、図1の内視鏡外科手術システムからのシッピングウェッジの除去を例示している進行図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
詳細な説明
本開示のデバイスの実施形態が、図面を参照して詳細に記載され、図面において、類似の参照数字は、数枚の図の各々における、同一の要素または対応する要素を表す。本明細書中で用いられる場合、用語「遠位」は、ユーザーからより遠い、デバイスのその部分を指し、一方、用語「近位」は、ユーザーにより近い、デバイスのその部分を指す。
【0024】
本開示に従う内視鏡外科手術デバイスの非限定的な例は、手動、機械的、および/または電気機械的な外科手術タックアプライヤー(すなわち、タッカー)などを含む。本開示の内視鏡外科手術デバイスと使用され得るか、または本開示の内視鏡外科手術デバイスとの使用のために適合され得る同様の内視鏡外科手術デバイスおよびその構成要素のより詳細な説明について、2013年8月23日に出願された「Articulating Apparatus for Endoscopic Procedures」と題する米国特許出願第13/974,338号が参照され得、その内容全体は、本明細書により、本明細書中で参考として援用される。
【0025】
最初に図1図8を参照すると、内視鏡外科手術システムは、概して、10として示されている。内視鏡外科手術システム10は、内視鏡外科手術タックアプライヤーまたはタッカー100の形態での内視鏡外科手術デバイスと、シッピングウェッジ200とを含む。タックアプライヤー100は、ハンドルアセンブリ110と細長い本体部分120とを含み、この細長い本体部分120は、ハンドルアセンブリ110から、その遠位端におけるエンドエフェクター130に、長手方向軸「L」に沿って遠位方向に延びており、このエンドエフェクター130は、細長い本体部分120から選択的に取り外し可能であり/細長い本体部分120に取り付け可能である。
【0026】
ハンドルアセンブリ110は、ハンドルハウジング112を含み、このハンドルハウジング112は、第1の半体セクション112aと、第2の半体セクション112bとを有し、第1の半体セクション112aおよび第2の半体セクション112bは、互いに接合されて、静止したハンドル112cを形成する。ハンドルハウジング112の第1の半体セクション112aおよび第2の半体セクション112bは、当業者によって公知の方法(溶接、ファスナー(すなわち、ねじ)などが挙げられ、これらに限定されない)を用いて互いに接合され得る。
【0027】
図9も参照すると、ハンドルアセンブリ110は、トリガー114を含み、このトリガー114は、矢印「A1」によって例示されるような、ハンドルハウジング112に対する旋回移動のための旋回点「P」の周りでハンドルハウジング112に接続されている。ハンドルアセンブリ110は、トリガー114を広がった位置または作動されていない位置に維持するために構成されている付勢部材116を含む。付勢部材116はまた、トリガー114を作動されていない位置に戻すために十分なばね定数を有するように構成されている。
【0028】
トリガー114は、ハンドグリップ部分と反対側の、トリガー114の旋回点「P」から遠隔の場所において、トリガー114上に形成されている歯車ラック114aを規定する。トリガー114の歯車ラック114aは、ハンドルハウジング112において回転可能に支持されているピニオン歯車114bとの動作可能な係合のために構成されている。
【0029】
ハンドルアセンブリ110は、冠歯車の形態のかさ歯車114cをさらに含み、このかさ歯車114cは、ピニオン歯車114bと動作可能に係合されており/関連付けられており、ハンドルハウジング112に回転可能に取り付けられている。かさ歯車114cは、ハンドルハウジング112に回転可能に取り付けられている駆動歯車118と動作可能に係合されている/関連付けられている。歯車構成要素(例えば、歯車ラック114a、ピニオン歯車114b、かさ歯車114c、駆動歯車118、および/またはそれらの歯)は、互いに相互作用する/絡み合うための任意の適切な構成を有し得る。例えば、これらの歯車構成要素は、トリガー114の1回の完全な握り締めが、ピニオン歯車114bの1回の完全な回転をもたらし、駆動歯車118が、必要とされる回数のターンを回転して外科手術ファスナーを送達することを生じさせるような構成および寸法にされ得る。
【0030】
図9および図11に見られるように、駆動歯車118は、非円形開口部118aを規定し、この非円形開口部118aは、細長い本体部分120の内側シャフトアセンブリ140の近位端部分を受け取るような寸法にされている。非円形開口部118aは、トルクを内側シャフトアセンブリ140に伝えるために、任意の適切な形状(例えば、D字形など)を有する横断断面プロフィールを有し得る。
【0031】
図10および図11も参照すると、細長い本体部分120は、内側シャフトアセンブリ140を支持している外側チューブ122を含む。外側チューブ122は、近位部分124と遠位部分126とを含む。
【0032】
図7を参照すると、近位部分124は、外側表面124aであって、それを通って横断して延びているスルーボア124bを規定する外側表面124aと、内側表面124cであって、それに沿って長手方向に延びている管腔124dを規定する内側表面124cとを含む。内側表面124cの遠位端は、それに沿ってねじ切りされた部分124eを規定する。
【0033】
図8を参照すると、外側チューブ122の遠位部分126は、外側壁126aを含む。外側壁126aの内側表面は、中央ボア126bを規定する。旋回部分126cは、外側壁126aから近位方向に延び、1対の対向している突起126dを含み、それらの各々は、旋回部分126cの側面表面のうちの1つから延びている(1対の対向している突起126dのうちの一方のみが図8に示されている)。外側壁126aは、第1の回転可能な係止特徴126e(例えば、外側チューブ122の底部における−図8において上方に示されている)および第2の回転可能な係止特徴126f(例えば、外側チューブ122の頂部における−図8において下方に示されている)に対して遠位方向に延びている。第1の回転可能な係止特徴126eおよび第2の回転可能な係止特徴126fの各々は、1対のテーパ状の側面表面126gを含む。第1の回転可能な係止特徴126eおよび第2の回転可能な係止特徴126fのうちの一方または両方は、より詳細に下に記載されるように、例えば、対応する形状との回転可能な係止相互作用を容易にするために、任意の適切な形状(例えば、台形)を有し得る。外側壁126aは、1対の対向している近位アパーチャ126h、および細長い横断遠位スロット126iをさらに規定し、それらの各々は、外側壁126aを通って延びている。図14および図15において見られるように、遠位部分126は、より詳細に下に記載されるように、エンドエフェクター130に対する遠位部分126の整列を容易にするために、その上に位置決めされている整列特徴126jを含む。
【0034】
図11を再び参照すると、内側シャフトアセンブリ140は、その近位端において結合部材142を含み、この結合部材142は、矢印「A2」および「A3」によって例示されるように、駆動歯車118の非円形開口部118a内でスライド可能に支持され、それとともに回転可能である。結合部材142は、その近位端において非円形横断断面外側プロフィールを有するステム142aを含み、このステム142aは、駆動歯車118の非円形開口部118aに対応するような構成および寸法にされ、それにより、非円形開口部118aにおいて、駆動歯車118に対するスライド可能な移動を提供する。いくつかの実施形態において、非円形ステム142aは、D字形の横断断面外側プロフィールを有する。結合部材142は、スライダー150と動作可能に係合されている/関連付けられている取り付け部分142b、および付勢部材160に遠位方向に延びている。取り付け部分142bは、付勢部材160の近位端を受け取るボア142cを規定し、取り付け部分142bから延びている複数の環状フランジ142dを含む。付勢部材160の近位端は、任意の公知の技術(例えば、ピーニング、溶接、留め金具など)を用いて、取り付け部分142bの内側表面に固定されている。非円形ステム142aは、取り付け部分142bのボア142cと連通している通路142dを規定する。非円形ステム142aは、それを通る横断通路142eを含み、これは、通路142dと連通している。
【0035】
内側シャフトアセンブリ140は、近位剛性部分144を含み、この近位剛性部分144は、結合部材142の通路142d内に受け取られる近位端144aを有する。近位剛性部分144は、それを通るアパーチャ144e(図7)を規定し、これは、結合部材142の横断通路142eと連通している。近位剛性部分144のアパーチャ144eおよび結合部材142の横断通路142eは、ファスナーまたはピン(示されない)をその中に受け取って、近位剛性部分144を結合部材142の通路142d内に固定する。いくつかの実施形態において、近位剛性部分144の近位端144aは、任意の公知の技術(例えば、ピーニング、溶接、留め金具など)を用いて、結合部材142の通路142d内に固定されている。近位剛性部分144は、内側シャフトアセンブリ140の遠位可撓性部分146の近位端146aに接続されている遠位端144bに延びている。
【0036】
図8および図12を参照すると、遠位可撓性部分146の遠位端146bは、遠位チューブ148の近位端148aに接続されている。遠位チューブ148は、遠位端148bに延び、その遠位端148bを通って開放している長手方向ボア148cを規定する。遠位チューブ148はまた、それを通る開口部148dを規定し、この開口部148dは、長手方向ボア148cに対して横断しており、長手方向ボア148cと連通している。長手方向ボア148cは、D字形の横断断面プロフィールを有する。長手方向ボア148cは、エンドエフェクター130の1つ以上の構成要素を受け取るための/エンドエフェクター130の1つ以上の構成要素と相互作用するための任意の適切な非円形の形状および/または寸法を有し得る。遠位チューブ148の開口部148dは、その中に移動止め170を受け取るように構成されている。移動止め170は、任意の適切な形状および/または寸法(例えば、球形および/または丸みのあるなど)を有し得る。いくつかの実施形態において、移動止め170は、ボールであり得る。
【0037】
図11に見られるように、スライダー150は、ハンドルアセンブリ110においてスライド可能に支持され、ハンドルアセンブリ110の外側表面から延びているフィンガーパッド152を含む。スライダー150は、嵌合部分154をさらに含み、この嵌合部分154は、結合部材142の環状フランジ142dと係合されるフランジ156を有する。スライダー150は、付勢部材160により生成される軸方向の力によって近位位置に付勢されている。軸方向の力は、スライダー150のフランジ156と結合部材142の環状フランジ142dとの間の相互作用を通して伝達される。スライダー150は、より詳細に下に記載されるように、内側シャフトアセンブリ140を長手方向軸「L」に対して軸方向に前進するために、遠位位置に選択的に移動可能である。
【0038】
図11を再び参照すると、関節運動アセンブリ180は、関節運動アクチュエーター180aを含み、この関節運動アクチュエーター180aは、細長い本体部分120の近位端において支持され、矢印「A4」によって例示されるように、その周りで回転可能である。関節運動アクチュエーター180aは、1つ以上のフランジ111aを介して、ハンドルアセンブリ110内に規定される凹部111内に軸方向に固定されている。いくつかの実施形態において、フランジ111aは、環状構成を有する。関節運動アセンブリ180は、駆動アセンブリ180bを含む。駆動アセンブリ180bは、管状スリーブ182と、スライド可能なチューブ184と、関節運動アーム186とを含む。
【0039】
駆動アセンブリ180bの管状スリーブ182は、そこから延びている第1の突起182aおよび第2の突起182bを含み、第1の突起182aおよび第2の突起182bは、関節運動アクチュエーター180a内に規定される螺旋形チャネル181によってスライド可能に受け取られ、その結果、より詳細に下に記載されるように、細長い本体部分120の外側チューブ122の周りでの関節運動アクチュエーター180aの回転は、管状スリーブ182が関節運動アクチュエーター180aおよび外側チューブ122に対して軸方向にスライドすることを可能にする。管状スリーブ182は、第1のピン182cおよび第2のピン182dをさらに含み、第1のピン182cおよび第2のピン182dは、それぞれ、外側チューブ122のスルーボア124bの対向する端部の中に受け取られ、外側チューブ122のスルーボア124bに沿ってスライド可能である。
【0040】
駆動アセンブリ180bのスライド可能なチューブ184は、外側チューブ122内に支持され、それに沿ってスライド可能である。スライド可能なチューブ184は、第1のアパーチャ184aおよび第2のアパーチャ184bを規定し、第1のアパーチャ184aおよび第2のアパーチャ184bは、それぞれ、管状スリーブ182から垂れている管状スリーブ182の第1のピン182cおよび第2のピン182dの端部を受け取るような寸法にされている。第1のピン182cおよび第2のピン182dは、任意の公知の技術(例えば、溶接、摩擦ばめ、スナップばめなど)を用いて、第1のアパーチャ184aおよび第2のアパーチャ184b内に固定され得る。第1のアパーチャ184aおよび第2のアパーチャ184bは、スルーボア124bと連通して配置されており、管状スリーブ182が長手方向軸「L」に対して軸方向に並進する場合、それに沿って長手方向に移動可能である。
【0041】
図7を参照すると、スライド可能なチューブ184は、それを通して長手方向に延びている管腔184c、および関節運動部材凹部184dをさらに規定し、この関節運動部材凹部184dは、管腔184cに対して横断しており、管腔184cと連通している。
【0042】
駆動アセンブリ180bの関節運動アーム186は、その近位端の側面表面から延びている第1の突起186aおよび第2の突起186bと、その遠位端の側面表面から延びている第3の突起186cおよび第4の突起186dとを含む。第1の突起186aおよび第2の突起186bは、スライド可能なチューブ184の関節運動部材凹部184d内に受け取られ、第3の突起186cおよび第4の突起186dの各々は、それぞれ、外側チューブ122の遠位部分126の1対の対向しているアパーチャ126hのうちの一方の中に受け取られる(図8を参照のこと)。
【0043】
図7を引き続き参照すると、関節運動アセンブリ180のクレビス190は、第1のアーム192および第2のアーム194を含み、第1のアーム192および第2のアーム194は、基部196によって結合され、基部196から遠位方向に延びている。クレビス190は、それを通して中央通路198を規定する。第1のアーム192および第2のアーム194は、それらを横断しているそれぞれのアパーチャ192a、194aを規定し、それらの上にそれぞれのねじ切りされた表面192b、194bを含む。第1のアーム192および第2のアーム194のアパーチャ192a、194aは、外側チューブ122の遠位部分126の1対の対向している突起126dを受け取り、基部196は、スライド可能なチューブ184の遠位端において支持され、スライド可能なチューブ184の遠位端は、クレビス190の中央通路198内に受け取られる。関節運動アーム186が突起186a〜186dを介してスライド可能なチューブ184と外側チューブ122の遠位部分126との間でクレビス190を支持し、外側チューブ122の遠位部分126の1対の対向している突起126dがクレビス190のアパーチャ192a、194a内に受け取られて、外側チューブ122の遠位部分126は、クレビス190に旋回可能に結合される。クレビス190のねじ切りされた表面192b、194bは、外側チューブ122の近位部分124のねじ切りされた表面124eとねじ式に係合される。
【0044】
任意選択で、クレビス190は、内側シャフトアセンブリ140の遠位可撓性部分146の長さにおける変化の原因となる近位部分124に対する外側チューブ122の遠位部分126の長手方向位置を調整するために、外側チューブ122の近位部分124に対して回転され得る。
【0045】
図4に目を向け直すと、エンドエフェクター130は、シッピングウェッジ200を除去可能に受け取るように構成され、細長い本体部分120への選択的な接続のために構成されている。エンドエフェクター130は、ばねクリップ136によって内側ハウジング134に結合される外側ハウジング132を含む。エンドエフェクター130は、より詳細に下に記載されるように、ハンドルアセンブリ110、細長い本体部分120、およびエンドエフェクター130が協働して、複数のアンカー138のうちの1つ以上をエンドエフェクター130から選択的に解放または発射するように、複数のアンカー138を支持し、収納している。
【0046】
外側ハウジング132は、外側表面132aと、ねじ切りされた内側表面132bとを含み、このねじ切りされた内側表面132bは、それを通して長手方向に管腔132cを規定する。図5を参照すると、外側ハウジング132は、近位セグメント132dと遠位セグメント132eとを含む。外側ハウジング132の近位セグメント132dおよび遠位セグメント132eは、異なる直径を有し、レッジまたはショルダー132fにおいて分離されている。外側ハウジング132の遠位セグメント132eは、その外側表面において1対の側面スロット132g(1対の側面スロット132gのうちの一方のみが図5に示されている)を規定する。外側ハウジング132は、外側表面132aを通して横断アパーチャ132hを規定し、外側チューブ122の遠位部分126の第1の回転可能な係止特徴126eおよび第2の回転可能な係止特徴126fを受け取る1対の回転可能な係止特徴132i(1対の回転可能な係止特徴132iのうちの一方のみが図5に示されている)を含む。1対の回転可能な係止特徴132iの各々は、1対の係合表面132jを含む。1対の係合表面132jのうちの一方または両方は、1つ以上の、角度付き表面、テーパ状表面、および/または湾曲した表面を含み得る。横断アパーチャ132hは、外側ハウジング132の近位セグメント132dおよび遠位セグメント132eの両方の部分に沿って延びている。図14および図15に見られるように、外側ハウジング132の近位セグメント132dは、整列特徴132kを含み、この整列特徴132kは、外側チューブ122の遠位部分126の整列特徴126jと整列するように位置決めされている。リブとして示されているが、整列特徴126j、132kは、それらの間の適切な接続を容易にするために、エンドエフェクター130を細長い本体部分120に対して配向するために適した任意のサイズ、形状および/または色の構造またはしるしを含み得る。
【0047】
図4を引き続き参照すると、内側ハウジング134は、支持本体134aを含み、この支持本体134aは、そこから近位方向に延びている駆動シャフト134bと、そこから遠位方向に延びている第1の枝134cおよび第2の枝134dとを有する。第1の枝134cおよび第2の枝134dは、互いに離して間隔を置かれた関係で配置され、それらの間にアンカーチャネル134eを規定し、このアンカーチャネル134eは、複数のアンカー138を受け取るような構成および寸法にされている。支持本体134aは、その周りに半径方向に環状チャネル134fを規定し、この環状チャネル134fは、クリップ136を受け取って内側ハウジング134を外側ハウジング132に対して長手方向に固定するために、外側ハウジング132の1対の側面スロット132gと整列する。駆動シャフト134bは、駆動シャフト134bの弓形表面134hの周りに延びている環状凹部134gを規定する。駆動シャフト134bは、弓形表面134hの反対側に配置されている平らな表面134jをさらに含む。
【0048】
図4図8を参照すると、シッピングウェッジ200は、本体部分202と、本体部分202から延びている第1のウイング204および第2のウイング206とを含む。本体部分202は、外側表面202aと内側表面202bとを有する。内側表面202bは、本体202に沿って軸方向に延びているチャネル202cを規定する。チャネル202cは、エンドエフェクター130の外側ハウジング132を受け取るような構成および寸法にされている。係合ナブ208は、内側表面202bからシッピングウェッジ200のチャネル202cの中に延びている。シッピングウェッジ200がエンドエフェクター130に固定されている間、係合ナブ208は、外側ハウジング132の横断アパーチャ132h内に、およびアンカーチャネル134eの近位部分内に受け取り可能である。第1のウイング204および第2のウイング206は、初期状態において本体部分202によって付勢され、この初期状態において、第1のウイング204および第2のウイング206は、離して間隔を置かれた関係で配置され、チャネル202cは、シッピングウェッジ200がエンドエフェクター130に固定されていることを維持するために、エンドエフェクター130の外側ハウジング132を係合するような構成および寸法にされている。第1のウイング204および第2のウイング206は、エンドエフェクター130へのシッピングウェッジ200の取り付け、および/またはエンドエフェクター130からのシッピングウェッジ200の除去を容易にするために、互いに向かって曲がり、本体部分202を外方に曲げて、チャネル202cをさらに開放するような構成および寸法にされている(図20を参照のこと)。
【0049】
図9図22を参照すると、ハンドルアセンブリ110へのエンドエフェクター130の装填、およびタッカー100の動作が記載されている。図9図12に示されるように、エンドエフェクター130の近位端は、細長い本体部分120の遠位端と整列されている。矢印「A5」によって示されるように、スライダー150は、図9に示される初期位置から図11に示される遠位位置に前進される。スライダー150のフランジ156は、結合部材142の環状フランジ142dを軸方向に駆動して結合部材142を軸方向に前進し、その結果、その非円形ステム142aが、矢印「A2」によって示されるように、駆動歯車118の非円形開口部118a内で、および駆動歯車118の非円形開口部118aに対してスライドする(図11)。内側シャフトアセンブリ140の近位剛性部分144が結合部材142にしっかり固定されて、結合部材142の軸方向移動は、内側シャフトアセンブリ140の近位剛性部分144を軸方向に駆動し、その結果、図12に見られるような矢印「A6」によって示されるように、遠位可撓性部分146が遠位チューブ148を遠位方向に駆動する。遠位チューブ148の遠位端が外側チューブ122の遠位部分126の遠位端を越えて遠位方向に前進する場合、移動止め170は、遠位チューブ148の開口部148d内に位置決めされている間に、遠位部分126の外側壁126aの内側表面に沿って遠位方向にスライドし/浮動する。遠位部分126の細長いスロット126iおよび遠位チューブ148の開口部148dが一旦長手方向に整列されると、移動止め170は、遠位チューブ148のボア148c内での内側ハウジング134の受け取りを可能にするために、遠位チューブ148の開口部148d内、および遠位部分126のスロット126i内で、自由に浮動する(矢印「A7」を参照のこと)。
【0050】
図14図16に見られるように、整列特徴132k、126jが互いに整列されて、次に、内側ハウジング134の駆動シャフト134bは、矢印「A8」および「A9」によって示されるように、遠位チューブ148の長手方向ボア148cの中に前進される。駆動シャフト134bは、駆動シャフト134bの環状凹部134gが移動止め170と整列され、遠位チューブ148の開口部148dと連通するように位置決めされる。
【0051】
内側ハウジング134が遠位チューブ148のボア148cの中に挿入され、駆動シャフト134bの環状凹部134gが移動止め170と位置合わせしていて、スライダー150は、近位方向に移動されて、遠位チューブ148を近位方向に引き寄せるか、または移動し、移動止め170を細長いスロット126iの中から駆動シャフト134bの環状凹部134gおよび遠位チューブ148の開口部148dの中に押し付ける。
【0052】
図17および図18を参照すると、次に、エンドエフェクター130の駆動シャフト134bは、矢印「A11」によって示されるように、遠位チューブ148の中にさらに近位方向に前進され、その結果、移動止め170は、内側シャフトアセンブリ140およびスライダー150がそれらの初期位置(図9を参照のこと)に戻って位置決めされるまで、遠位部分126の外側壁126aの内側表面に沿って近位方向にスライドし/浮動し、エンドエフェクター130と細長い本体部分120とは、完全に係合され、移動止め170を介して一緒に係止される。
【0053】
図19および図20に見られるように、シッピングウェッジ200を除去するために、第1のウイング204および第2のウイング206は、それぞれ矢印「A12」および「A13」によって示されるように、本体部分202が半径方向に外方に曲がるように、互いに向かって接近されるか、または曲げられる。次に、シッピングウェッジ200は、矢印「A14」によって示されるように、エンドエフェクター130から分離され得る。図21および図22に見られるようにシッピングウェッジ200が除去されて、タッカー100は、より詳細に下に記載されるように、発射され得る。
【0054】
使用中、臨床家は、図1に示される矢印「AA」によって示されるように、エンドエフェクター130を細長い本体部分120および長手方向軸「L」に対して関節運動させることを所望し得る。関節運動を実現するために、関節運動アセンブリ180の関節運動アクチュエーター180aは、矢印「A4」によって示されるように回転される。関節運動アクチュエーター180aの回転は、図11に示されるような矢印「A17」によって例示されるように、線形移動を管状スリーブ182に伝える。管状スリーブ182の軸方向移動は、第1のピン182cおよび第2のピン182dがスライド可能なチューブ184を、外側チューブ122内でそれに対して軸方向にスライドすることを可能にする。スライド可能なチューブ184が近位方向に引き寄せられる場合、関節運動アーム186は、外側チューブ122の遠位部分126を外側チューブの近位部分124に対して、矢印「AA」によって例示される方向に関節運動する。反対方向の関節運動アクチュエーター180aの回転は、スライド可能なチューブ184を遠位方向に駆動し、外側チューブ122の遠位部分126を、外側チューブ122の近位部分124と軸方向に整列しているその初期位置に向かって戻すように関節運動する。
【0055】
複数のアンカー138のうちの1つ以上を発射するために、トリガー114は、図9に示されるような矢印「A1」によって示されるように、静止したハンドル112cに向かって近位方向に引き寄せられる。トリガー114が旋回点「P」の周りで旋回する一方で、矢印「A15」によって示される歯車ラック114aによって伝えられる半径方向の移動は、矢印「A16」によって示されるように、ピニオン歯車114bおよびかさ歯車114cを回転させる。図11に示されるように、駆動歯車118と結合部材142とが、駆動歯車118の非円形開口部118aおよび結合部材142の非円形ステム142aの非円形プロフィールによって一緒に結合されて、かさ歯車114cの回転は、矢印「A3」によって示されるように、回転を、駆動歯車118および内側シャフトアセンブリ140の結合部材142に伝える。内側シャフトアセンブリ140の遠位チューブ148が回転する間、内側ハウジング134の駆動シャフト134bは回転し、その結果、第1の枝134cおよび第2の枝134dは、外側ハウジング132のねじ切りされた内側表面132bに沿って遠位方向に複数のアンカー138を回転させる。外側ハウジング132が、1対の回転可能な係止特徴132i(図5)との第1の回転可能な係止特徴126eおよび第2の回転可能な係止特徴126fの係合を介して、外側チューブ122に対して回転可能に固定されて、複数のアンカー138の最遠位アンカーは、トリガー114と静止したハンドル112cとの接近の際にエンドエフェクター130の遠位端から分配される。次に、トリガー114は、解放され、静止したハンドル112cからハンドル112cに対するその初期位置に離される。発射プロセスは、所望される場合、複数のアンカー138の各々がエンドエフェクター130から分配されるまで反復され得る。
【0056】
エンドエフェクター130を細長い本体部分120から除去するために、例えば、複数のアンカー138または全てのアンカー138がエンドエフェクター130から分配された後、スライダー150は、移動止め170が外側チューブ122の細長いスロット126iと位置合わせされるか、または外側チューブ122の細長いスロット126i内に位置決めされるまで、再び遠位方向に前進される。移動止め170が細長いスロット126iの中に受け取られると、エンドエフェクター130は、上に記載されるように、細長い本体部分120から分離され得、新しいまたは再装填されたエンドエフェクター130が再び取り付けられ得、再使用され得る。
【0057】
認識され得るように、本開示のデバイスの任意の構成要素の固定は、公知の留める技術(例えば、溶接、クリンピング、接着、留め金具など)を用いて実現され得る。
【0058】
本明細書中に特に記載され、添付の図面に示される構造および方法が、非限定的な例示的実施形態であること、ならびに記載、開示、および図面が、単に特定の実施形態の例証として解釈されるべきであることを当業者は理解する。従って、本開示は、記載される正確な実施形態に限定されないこと、ならびに様々な他の変化および改変が、本開示の範囲または趣旨から外れることなく、当業者によって達成され得ることが理解されるべきである。さらに、特定の実施形態に関して示されるか、または記載される要素および特徴が、本開示の範囲から外れることなく、特定の他の実施形態の要素および特徴と組み合わせられ得、そのような改変およびバリエーションはまた、本開示の範囲内に含まれる。従って、本開示の主題は、特に示され、記載されたことによって限定されない。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図22