(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記方法は、前記マーカの各々の撮像された軌跡に対して楕円を適合させることによって、複数の放射線画像を用いて複数のマーカの各々に対して楕円経路を導出するステップを有する、請求項1に記載の方法。
各画像内で前記較正物体内のマーカにより生じる複数の円形形状を識別するための円検出方法を用いるステップを有し、前記較正物体内のマーカの数をNとするときに、Nまたはそれより少ない数の前記円形形状を選択する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
回転軸の1以上の画像を導出し、セントラルスライスおよび主点の画像を導出し、前記ソースから、検出器、オフセット物体、および回転軸、への距離の1つ以上を導出するステップを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
前記ソースと前記回転軸との間の距離値を決定するステップを有し、前記距離値は、前記較正物体の測定値、または、前記較正物体の相対位置の測定値を用いて決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0039】
放射線X線撮像の一般的な原理を説明する略図を
図16に示す。ソースSが、検出器Dへ向かう中心線Cを有するビーム状のX線Bを放射する。ターゲット物体Tは、回転軸R上でソースSと検出器Dとの間に配置されている。
【0040】
CT撮像においては、ターゲット物体Tは、軸Rの周囲に漸増的に回転させられる。回転の各増分の後で、二次元投影画像が検出器Dによって得られる。複数の画像(放射線投影)が較正物体の三次元ボリューム表示(ボリュームマップ)を再構成するために処理される。
【0041】
二次元画像からボリュームマップを再構成するための技術は、当業者には知られている。
【0042】
ボリュームマップを作るためには、例えばソースSの位置、検出器Dの位置、および回転軸RなどのCTシステムの幾つかの幾何学的パラメータを知ることが必要である。これらのパラメータを正確に割り出すことは、較正によって行われる。
【0043】
図1は、CT撮像システムの一実施形態を示す。システムは、(図示しない)X線を円錐ビーム状に放射するソース2、およびソース2から放射されたX線を検出する検出器4を有する。
【0044】
サンプル取り付け具6は、ソース2と検出器4との間に装備されている。サンプル取り付け具6は、プラットフォーム8、およびプラットフォーム8上のターンテーブル10を含む。サンプル12はプラットフォーム8上に搭載されている。ビーム中心線(X軸)に沿って、およびビーム中心線に直交する平面(yおよびz軸)における垂直軸に沿って、(図示しない)マニピュレータを用いて、プラットフォーム8を移動することができる。ターンテーブル10は、(
図1では図示しないが、以下により詳細に述べる)回転軸に対して回転する。
【0045】
制御コンピュータの形をしたコントローラ14は、ソース、検出器およびサンプル取り付け具を制御する。コントローラ14は、また、検出器4からの画像データを得て、ボリュームマップを再構成する。コントローラ14は、また、詳細は後述するが、CTシステムの幾何学的パラメータを決定するための較正を行う。代わりに、画像データは、引き続く処理の他のどこかでCTシステムから転送されることができる。
【0046】
較正を行うために、ファントムまたはアーチファクトとして知られている専用の較正物体が、ターゲットサンプルとして用いられる。
【0047】
図2は、本発明の一実施形態によるファントム16を示す。
【0048】
ファントムは、支持材料20内に複数のマーカ18を配置することにより構成される。マーカ18は、マーカを容易に識別することができる高いコントラストの放射線画像を提供するために、X線を強く減衰する(放射線不透過性またはX線に対して相対的に不透明
)。マーカは、各マーカの中心の二次元座標を非常に高精度に決定することができるように、高度に球形である。実施形態においては、マーカ18は、タングステンカーバイト製の精密なボールベアリングから形成されている。マーカ18は、接着剤を使用せずに支持材料20の中にとどめられる。マーカ18は、意図された放射線画像内での重なりが最小になるように相互に配置される。好ましくは、マーカ18は、意図された放射線画像内で重なることが無いように配置される。適切な配置の例を
図2に示すが、例えば、参考文献(3)に開示されているような、他の配置も可能である。適切な配置は、例えばモデリングによって、または調査によって設計することができる。
好ましくは
図2のように、少なくとも1つのマーカはファントムの中心軸に近接しており、少なくとも1つの別のマーカは、その中心軸から遠く離れて間隔を空けられている。換言すれば、マーカは、半径方向に間隔を空けられた複数のマーカを含み、好ましくは、少なくとも1つのマーカは中心軸に近接しており、少なくとも1つのマーカはファントムの外周に近接している。支持材料20は、各マーカの輪郭が可能な限り鮮明に撮像されるようにX線を弱く減衰する(放射線透過性、またはX線に対して相対的に半透明)。支持材料20は、好ましくは、主に小さな元素番号を有する材料から構成された低密度の発泡体である。好ましくは、支持材料20は、剛性があり、均一で、低い熱膨張係数を有する。カーボンまたはシリコンカーバイトの発泡体が従って理想的と考えられる。押出ポリスチレン・フォームなどのプラスチック発泡体は、あまり好ましくはないが、受容可能な結果を作り出すかもしれない。別の適切な材料は、固体プラスチックおよびセラミックスを含む。
【0049】
ファントム16は、
図1のX線CTシステムに置かれて、放射線画像が多くの位置および方位で撮られる。好ましくは、取得は、検出器の中心の領域において撮像される回転軸を有する(小さな角増加における)1つの完全な回転を含む。このセントラルスキャンは、これがCTの取得が通常生じる位置であるので重要である。
【0050】
図3は、
図2のファントム16のセントラルスキャンからの放射線画像の例を示す。
【0051】
好ましくは、取得は、また、検出器の左手または右手側に顕著に向かう撮像される回転軸を有する(しかしファントム16の全体が視野内に留まる)1つの完全な回転を含む。セントラルスキャンからだけのデータではCTシステムの必要な幾何学的パラメータの全てを完全に分離できないので、このオフセットスキャンは重要である。
【0052】
好ましくは、検出器に対する回転軸の位置ずれ(misalignment)は、セントラルスキャンにおいてはゼロまたはゼロに近いことであり、オフセットスキャンにおいては顕著にゼロより大で、可能な限り大きいことである。
【0053】
より具体的には、ずれ(misalignment)角度に対する、(検出器の平面内において、回転軸「Z」および垂直軸「X」に対する)「スキュー(skew)」、(回転軸Zの周囲の)「スラント(slant)」、および(X軸の周囲の)「チルト(tilt)」は、好ましくは、
セントラルスキャンではスラントは通常ゼロに等しく、オフセットスキャンではスラントはゼロではない。
【0054】
チルト、スラントおよびスキューにおける誤差(すなわち、再構成の際に用いられる値と真の値との間の相違)も(他の幾何学的パラメータにおける誤差も)、再構成の一部分または全てにおけるぼけなどの、または、不正確な拡大縮小などの、種々の影響を伴い得る。
【0055】
そのような問題に対処するための先行技術の技法には限界がある。例えば、ある技法においては(特に、スラントまたはチルトの)ずれはゼロに近いと仮定されているが、(特
にチルトに対する)精度を減少させて歪曲を引き起こす。別の技法においては、大きなスラントがチルトを決定することを可能にするように導くが、これは、その後、次のCT取得が同じスラントで行われることを必要とし、更に複雑になり、誤差に対してより影響を受けやすい再構成を作り出す。
【0056】
本技法においては、ゼロに近いスラントを有するセントラルスキャンが、幾何学的パラメータにおける小さな誤差が最小の影響を受けることを意味する。スラントはX線ソースと検出器との間の関係を変えることなく、回転軸に横向きに平行移動させることによって導出されうる。オフセットスキャンにおいてゼロでないスラントを有することによって、較正における不明確さを解消することができる。
【0057】
CT取得は、通常、物体の再構成がスラント、スキューおよびチルトにおける誤差に対して可能な限り反応しにくくなるように、スラント、スキューおよびチルトをゼロに近くして行われる。従って同様に較正は好ましくは、同様な条件におけるセントラルスキャンを伴う。しかしながら、追加的な情報なしには、チルトは(スラントがゼロに等しい場合には)完全に不明確であり、またはチルトは(スラントがほぼゼロの場合も)非常に不十分な精度である。これらの不明確さはオフセットスキャンによって解消することができる。
【0058】
セントラルスキャンおよびオフセットスキャンからの情報をリンクするためには、2つのスキャンの間の不変量が必要である。本実施形態においては、これは例えば、ファントム内のマーカの位置、および、X線ソースと検出器との間の関係(具体的には主点の位置およびソースから検出器への距離)である。
【0059】
図4は、オフセットスキャンからの
図2のファントム16の放射線画像の例を示す。
【0060】
好ましくは、取得は、また(ソースの方へ、および/またはソースから離れる方へ移動するファントム16を有して)異なる倍率で、および異なる垂直位置で得られる画像を含む。検出器の画素の列および行の方向に対するマニピュレータ軸の方向に関する情報を提供することは重要である。好ましくは、ファントム16全体がそれぞれのキャプチャーされた画像内にあるが、しかし、これは必須ではない。ここでは、回転の際に少なくとも2つのマーカ18が画像内に留まることが提供される。
【0061】
図5は、より高い倍率によるスキャンからのファントム16の放射線画像の例を示す。
【0062】
完全な取得には、かなりの時間(おそらく4時間以上)を要するかもしれないし、従って、(例えば熱的な変化の結果として)システムの幾何学的パラメータまたはマーカ18の三次元相対的位置における変化が生じるという可能性もある。このため、短縮された時間窓内で(取得の開始時、終了時または中間において)放射線画像のサブセットの取得を繰り返すことは有益であるかもしれない。この高速のスキャンによって、低速のスキャンにおける長期的な動向を後の解析において特定し補償することができる。これは、高速および低速のスキャンにおけるマーカの軌跡を比較することによって実現することができる。
【0063】
放射線画像は、その後、マーカの二次元座標を決定するために解析される。
【0064】
本発明の一実施形態による較正方法のステップは、
図6を参照して以下に提示される。この方法は、CTシステムの幾何学的パラメータの最初の近似値を導出することを含み、精度を漸進的に向上するために種々の精緻化が引き続いて行われる。
【0065】
大まかに言えば、一実施形態による方法は、未知数(未知のパラメータ)を定義するステップ、冗長な自由度を決定するステップ、ファントム16をオフセット位置で測定するステップ、マーカの中心座標を抽出するステップ、当初の幾何学推定を計算するステップ、非線形の最小二乗推定の反復処理を行うステップ、および残余誤差の解析を含む。これは以下に、より詳細に説明される。
【0066】
一実施形態による解析の第1段階においては、円検出ルーチン、より具体的には画像内で、ほぼ正確な直径を有する円形形状を識別するために、キャニー(Canny)エッジ検出
およびハフ(Hough)円検出ルーチンが用いられる(ステップ601)。これは、マーカ
18の画像に相当するだろう画像の部分を識別するためである。円検出ルーチンはその画像内で、それぞれが「スコア」に関連付けられている複数の円形形状を識別し、強力な応答またはスコアは、対応する形状が円であることをより大きな可能性として示唆する。ファントム16が全部でN個のマーカを含んでいる場合には、典型的には円検出ルーチンへの最大のN応答が選択される。単一画像において識別されたマーカを有していれば、シーケンス中の近接する画像におけるマーカ18の近似座標を予測することができる。マーカが一度2以上の画像で識別されていれば、その予測の精度を向上することができる。
【0067】
解析の次の段階においては、複数のマーカの二次元座標(複数のマーカの投影された画像の座標)が精緻化される(ステップ602)。これは、多数の異なる角度での半径方向の強度プロファイルを抽出することによりなされる。双線形補間が用いられるとはいえ、別の補間スキームもまた、適切かもしれない。各半径方向の強度プロファイルに対して最大勾配の点が決定されて、この点の座標が直交座標に逆変換される。円は、そのとき、最小二乗法を用いてそれらの点に適合される。適合された円の直径および中心のみならず最大勾配の点が後の使用のために全て記憶される。
【0068】
マーカは、マーカ18の三次元相対位置に関する(概略的な)事前情報に基づく所与の数的識別子を与えられている(ステップ603)。これは、例えば調査によって簡単になされるが、測定は必要としない。曖昧さを避けるために、ファントム内におけるマーカの配置は、好ましくは非対称である。
【0069】
オフセットスキャンからの二次元座標は、その後、以下により詳細に述べるように、CTシステムの幾何学的パラメータと、回転軸の位置および方位との当初推定を決定するために解析される。大まかに言えば、これは較正物体の回転の際に、各マーカが検出器上で楕円経路をたどることを識別することによってなされる(換言すれば複数の画像における各マーカの画像の経路は楕円である)。楕円は、2以上のマーカの二次元画像座標に適合している(ステップ604)。これらの楕円の方程式から、セントラルスライスの画像(すなわち、回転軸に対して直交しており、X線ソースの点(X線ソース点)を含む平面の画像)である、検出器4上の線の方程式を得ること(ステップ605)が可能である。また、X線ソース点から検出器に垂直な距離、従ってソースSの位置のみならず、主点の座標(すなわち、検出器に対して垂直であり、X線ソース点を含む線の画像)も得ることが可能である。最終的には、検出器上の線の方程式、すなわち、回転軸の画像を得ることが可能である。
【0070】
この実施形態による当初推定の決定方法を、以下により詳細に述べる。
【0071】
図7は、座標系(x、y、z)に番号付けられた個別のマーカを有するファントム16の説明である。
【0072】
図8は、検出器の平面内で、座標系(u、v)において、セントラルスキャンにおける2つの放射線画像(投影物)の例を示す。
【0073】
図9は、セントラルスキャンにおける2つの個別のマーカ18の完全な軌跡を示す。
【0074】
図10は、オフセットスキャンにおける2つの放射線画像(投影物)の例を示す。
【0075】
図11は、オフセットスキャンにおける2つの個別のマーカ18の完全な軌跡を示す。
【0076】
上述したようにN個のマーカが画像内で識別された後で、2以上のマーカが当初推定に使用されるために選択される。この実施形態においては2つのマーカ18、具体的にはマーカ(球)番号5およびマーカ(球)番号31が、当初推定に使用するために選択されている。(X線の異なる投影方向に相当する異なる画像、すなわち較正物体の回転の異なる相対位置である)複数のキャプチャーされた画像内における選択されたマーカの軌跡が特定されている。
【0077】
図11においては、軌跡20はマーカ(球)番号5に対応し、軌跡22はマーカ(球)番号31に対応する。
【0078】
楕円は、
図12に示すように、2つのマーカの軌跡に適合している。
【0079】
図12および
図13は、楕円の方程式から構築された線および点を示す。
【0080】
図13の軸は、
図12よりもより大きな目盛上にある。
【0081】
楕円は、例えば参考文献(13)に示す方法の1つを用いている2つの軌跡に対して適合されることができる。マーカ(球)31(上部)およびマーカ(球)5(下部)に対して適合した楕円の表示を
図12に示す。この例においては、球5の楕円24の方程式は、(1.70E−06u
2−4.65E−06uv+6.33E−05v
2−3.44E−04u+1.60E−02v+1=0)であり、球31の楕円26の方程式は、(1.48E−06u
2−1.56E−07uv+5.54E−05v
2−2.62E−04u−1.50E−02v+1=0)である。
【0082】
楕円の中心はこれらの方程式から容易に決定することができる。現在の例においては、(
図12および
図13で、x28で示される)マーカ5の楕円の中心は、(u=−75.75、v=−129.35)であり、(
図12および
図13で、x30で示される)マーカ31の楕円の中心は、(u=−81.28、v=134.92)である。
【0083】
2つの楕円24、26は、例えば参考文献(14)の、特に11章、具体的にはセクション11.4に記載の方法を用いて交差させられることができる。参考文献(14)によって提示された方法は、間違って表れている関連する立方体の方程式を解くためであり、参考文献(15)の特に183頁に示されるような別の方法も用いることができることも注記しなければならない。楕円24、26は、真の交差点は有しないが、参考文献(14)で示されるように、それらは2対の複素共役交差点を有する。各複素共役対は、実線を作るように結合することができる。線32は
図12に特定されるセントラルスライスの画像である。この例において、この線は方程式(v=1.98E−02u+2.69)を有する。他の線は
図13に特定される消失線(vanishing line)34である。この例においては、この線は方程式(u=6.75E−01v+7309.63)を有する。2つの線の交差点は、
図13で特定される消失点36である。この例においては、この消失点は(u=7410.55、v=149.61)である。
【0084】
セントラルスライス32の画像の方程式および楕円24、26の方程式から、例えば、
対応する円の中心38、40の画像を得るために参考文献(10)に述べられた方法を用いることが可能である。これらは、それら楕円の中心とは同じではないことを注記する。このことは
図12から明らかである。
図12および
図13の破線42、43、44、45、46、48は、それらの関連する楕円の2つの直交方向における接線および垂線である。それらの方向のうちの1つに対する消失点36は、
図13に特定されているものと同一である。他の方向に対する消失点は、回転軸50の画像がセントラルスライス32の画像に交差する点である。回転軸50それ自身の画像の方程式は、2つの円の中心の画像を結合することによって得ることができ、
図12に特定されている。この例においては、この線50は方程式(u=−2.09E−02v−76.58)を有する。
【0085】
図12は、マーカ5および31のそれぞれに対する、楕円の中心28、30を通る線および円の中心38、40の対応する画像を示す。これらの線、および、別のマーカに対する全ての同様な線は、単一点52でセントラルスライスの画像と交差する。主点58が、この点52を通ってセントラルスライスの画像に垂直な線上に位置していることを示すことができる。この線54は
図12で特定されており、方程式u=−1.98E−02v+9.90を有する。
【0086】
消失点36を通って回転軸50の画像に垂直な線56上に、主点58が同時に位置していることも、また示すことができる。この線56は
図13で特定されている。この線56と以前に特定された線54との交点は、主点58の完全な位置を与える。現在の例においては、主点58を通る線56は、方程式v=2.09E−02u−5.21を有し、主点58はu=10.00、v=−5.00にある。
【0087】
加えて、X線ソース2から検出器4への垂直距離(すなわち焦点距離)は、この線56に沿った2つの距離の積の平方根に等しいという参考文献(16)も注記する。第1の距離は主点58から回転軸50の画像まで、であり、第2の距離は主点58から消失点36までである。主点および焦点距離の組み合わせは、CTシステムの幾何学的パラメータの完全な記述を形成する。
【0088】
回転軸の方位は、セントラルスライスの平面における2つのベクトルのベクトル積を計算することによって決定することができる(上述したように、セントラルスライスは回転軸に垂直であり、かつX線ソース点を含んでいる平面の画像であり、その平面に対する垂線がその平面内のベクトルのベクトル積によって見出される)。1つのベクトルは(検出器の平面内で)セントラルスライスの画像の方向に沿っていることができる。別のベクトルは、X線ソース点からセントラルスライスの画像上の(検出器の平面内における)任意の点までにあることができる。
【0089】
回転軸の位置は、回転軸の画像上の任意の点を選択することによって決定することができる。
【0090】
主点52と併せて2つのマーカの楕円経路24、26の他の例、セントラルスライス32の画像、および回転軸50の画像を
図14に示す。
【0091】
マーカの(および特にファントムの全体的なサイズに関する)三次元相対位置に関する正確な事前情報なしにX線ソースから回転軸までの垂直距離(すなわち倍率)を決定することは不可能であるという例外を有しつつ、前述のように、これがCTシステムの幾何学的パラメータおよび回転軸の位置と方位の完全な記述をキャプチャーする。もし、この距離が一時的に指定された公称値であれば、その後、代わりの値が後で置換されることができて、回転軸の位置およびマーカの三次元相対位置に対する概略的な変化を自明に計算できる。
【0092】
この段階で、マーカの二次元画像座標における不正確さは、主に補間誤差から始まるが、球の画像が主点上に集中している場合においては、球の輪郭は円のみであることを注記しなければならない。他の全ての場合においては、球の画像は、射影歪曲を被り、その輪郭は楕円になる。多くの環境下ではこの影響は無視できるが、球の画像が大きくて(例えばより大きい倍率で)、主点から遠く離れているときには大きな影響を与え得る。主点の座標およびX線のソース点から検出器までの垂直距離は、今や(最初の近似値が)知られているので、射影歪曲に対して補償することが可能になる(ステップ606)。(事前に記憶していた)最大勾配の点が(楕円というよりも)円を形成する適切な仮想検出器上に変換される。新しい円は、この仮想検出器上で適合しており、直径および中心が再び記憶される。
【0093】
マーカの二次元画像座標は、より遅いがより正確なアルゴリズムを用いて更に精緻化される(ステップ607)。このアルゴリズムは、仮想検出器上に数個の画素幅で球の輪郭を含んでいる狭い円バンドを考慮する(
図15を参照)。アルゴリズムは、点での強度と中心を介した鏡面点での強度との積の、(円バンド全体に渡る)領域積分を最大化するものである。最大値は、鏡面点(mirror point)が円の中心にあるときに生じる。これは、画像登録によく用いられる最大相互相関法に類似している。適切なサンプリング点は、仮想検出器上に構築されて、(例えば)二次Bスプライン補間(quadratic b-spline interpolation)がその後、強度を得るために用いられている実際の検出器上に変換される。最大化は、(例えば)ネルダー・ミードシンプレックス法(Nelder-Mead simplex method)または勾配に基づく方法の使用を介して行うことができる。他の方法も用いることができる。
【0094】
オプション的には、遅いスキャンからの二次元画像座標は、速いスキャンからの二次元座標に一致させるために補償される。必要な補償の大きさには、CTシステムおよびファントムの熱的(または他の)安定性、および揺れなどの機械力に起因するような変動、ボールベアリングの不規則さ、などを評価するように使用できる。
【0095】
全ての利用可能なデータを効率的に使用するために、全てのマーカからの(及びオフセットスキャンおよびセントラルスキャンからの)二次元画像座標を用いて最小二乗解が求められる。反復非線形ソルバーが、測定された二次元座標とモデルによって導かれた二次元座標との間の相違を最小にするように用いられる(ステップ608)。完全なモデルは、(各放射線画像に対する)マーカの三次元相対位置、CTシステムの幾何学的パラメータ、およびファントムの位置および方位を組み込む。適合の連続性が自由なパラメータの数を徐々に増加させることによって実現される。
【0096】
オフセットスキャンからの二次元画像座標と、(以前に得られている)CTシステムの幾何学的パラメータおよび回転軸の位置および方位の当初推定とを用いて、マーカの三次元相対位置に対する線形最小二乗解が(非反復ソルバーを用いて)見いだされる。反復非線形ソルバーは、その後、ファントムが(既知の角度ステップを用いる)真の回転を被ることの制約にさらされる完全なモデルに対して、(オフセットスキャンのみで)解決するために用いられる。
【0097】
セントラルスキャンに対する回転軸の位置および方位の当初推定が得られる。これは、セントラルスキャンおよびオフセットスキャンの位置の相違、および/または1以上のマーカの二次元画像座標における観察された相違に関する(概略的な)事前情報に基づくことができる。反復非線形ソルバーは、その後(モデルのいかなる他の部分に対しても解決しようと試みることなく)この当初推定を精緻化するために用いられる。
【0098】
反復非線形ソルバーは、その後、ファントムが(既知の角度ステップを有する)2つの分離された純然たる回転を被ることの制約にさらされる完全なモデルに対して、(オフセットスキャンおよびセントラルスキャンの双方に対して同時に)解決するために用いられる。
【0099】
オプション的な更なるステップは、純然たる回転の制約を解放することである。ファントムの独立的な位置および方位が各放射線画像に対して許容される。反復非線形ソルバーが、測定の時間切れおよび回転軸の揺れを含む最小二乗解を見出すために再び用いられる。
【0100】
別のオプション的な更なるステップ(ステップ609)では、放射線画像装置内における画像歪曲の簡単な形を検出(および定量化)しようとする。aが歪曲の大きさおよび方向の尺度であり、検出すべき値であるとすれば、歪曲は既知の中心(通常は主点)に放射状であり、r’=r+a×r
2の形をしていると仮定される。二次元画像座標はaのいく
つかの試験的な値、および全ての当初推定に対して訂正されて、その後、非線形最小二乗解が再計算される。測定された二次元画像座標とモデルから導かれる二次元画像座標との間の二乗差の最終的な合計は、aの試験的な値の正確さの尺度であり、最小値を探すことができる。換言すれば、ステップ604〜608は、歪曲補正の異なる大きさ、選択された最良の値を有して繰り返し行われる。ノン・ラジアルまたは三次式モデルなどの、画像歪曲に対する他のモデルも用いることができる。
【0101】
既に注記したように、これまでに述べた方法では、X線ソースから回転軸までの垂直距離を決定することができない。それに応じて、ファントムの全体的な大きさを決定することができない。これは、CTシステムが計測学CTシステムであり、正確な絶対距離の測定値が必要とされる所における容易でない限界である。これは、長さ標準(ステップ610)の導入を要求する。記載される方法は、以下に述べる長さ標準の2つの可能なタイプのいずれかを容易に組み込むように構成されている。
【0102】
第1のタイプの長さ標準は、ファントム内のマーカ間の正確な既知の距離である。これは、単一の一対のマーカ間の距離であることができる、または、2以上のそのような距離の平均であってもよい。X線ソースから回転軸までの垂直距離の公称値に基づいて与えられた最小二乗解は、モデルのファントム内のマーカ間の距離が既知の距離に等しいので、正確に等価な解を算出することは自明である。
【0103】
第2のタイプの長さ標準は、ファントムの位置の間の正確な既知の距離である。例えば、取得は、X線ソースから回転軸への垂直距離が既知の距離まで減少されている(検出器の中心において撮像された回転軸を有する)ファントムの完全な回転を含むことができる。追加的な適合は、このより高い倍率のスキャンのために、回転軸の位置及び方位を決定するために必要である。繰り返すが与えられた最小二乗解は、モデルにおけるファントムの位置の間の距離が既知の距離に等しいので、正確に等しい解を算出することは自明である。このスキャンに対しては、より大きな角度増分を用いることが可能かもしれない。取得は、スキャンニング位置の間の漸増的な距離の全てが既知である、幾つかのこのようなスキャンを含むことさえできる。
【0104】
長さ標準に対する上記の距離は、既知の技術を用いて決定することができる。
【0105】
上記の処理技術に関する更なる詳細が、カメラに関連して参考文献(7)、(8)、(9)、(10)、および(11)に述べられている。
【0106】
本発明は、例えば、各機能を実行するように構成されたソフトウエアモジュールを有す
るマイクロプロセッサ、または各機能を実行するための専用のハードウエアモジュール、またはソフトウエアおよびハードウエアの組み合わせにより、適切にプログラムされたコンピュータを用いて実行することができる。
【0107】
較正は、CTシステムそれ自身の中で行うことができ、またはデータが処理のための別のシステムにダウンロードまたは転送されることができる。較正データは、その後、後の処理において、換言すれば別の対象物の撮像に対する使用の際にも、CTシステムに関連して用いられる。
【0108】
本発明の態様および特徴を以下に提示する。
【0109】
本発明の一態様は、ソースと検出器とを備える放射線撮影システムを較正する方法を提供することであり、方法は、較正物体を提供するステップと、較正物体をソースおよび/または検出器に対して回転軸の周囲に回転させるステップと、較正物体の複数の放射線画像を取得するステップと、ソースと回転軸との間の距離の公称値を指定するステップと、前記放射線画像および前記距離の公称値を用いてシステムの幾何学的パラメータを決定するステップとを有する。
【0110】
本発明の別の態様は、ソースと検出器とを備える放射線撮影システムを較正する方法を提供することであり、方法は、較正物体を提供するステップと、較正物体をソースおよび/または検出器に対して回転させるステップと、較正物体の複数の放射線画像を取得するステップと、(事前の測定などの、すなわち、パラメータの決定に先立つ)較正物体に関する測定情報なしに、前記放射線画像を用いてシステムの幾何学的パラメータを決定するステップとを有する。換言すれば、本方法は、較正されていない較正物体を使用する。すなわち、スキャンニングの前または後の測定によって、システムのパラメータの決定において使用されるまたは必要である、その較正物体固有の測定値が知られていない較正物体を使用する。マーカを含む較正物体の場合においては、本実施形態のように較正されていない較正物体はマーカの正確な位置が知られていない。
【0111】
換言すれば、本方法はシステムを較正することができる。即ち、本方法は較正物体に関する情報を必要とすることなく、システムの幾何学的パラメータを決定することができる。具体的には、較正物体を測定することによって得られる較正物体の測定値は、座標測定機(CMM)を用いるように直接的にも、または既に較正されているシステムを用いるように間接的にも、幾何学的パラメータの決定のためには必要ではない。このことは、較正物体のタイプにおいてより大きなオプションがあることを意味する。なぜならば、それ(較正物体)は、座標測定機によって測定されることができるように設計される必要がないからであり、または、特別なタイプの較正物体が必要ではなく、事前の測定も必要ではなく、座標測定機、または他の較正システムなどの特別な測定装置が必要ではないので、より大きなフレキシビリティを提供するからである。
【0112】
上述のように本発明によれば、測定は、X線ソースから回転軸までの垂直距離または標準長さを決定することを必要とする。換言すればシステムの全ての幾何学的パラメータは、較正物体の測定値を必要とせずに、すなわち、この距離測定から切り離されて較正システムにおいて必ずしも必要とせずに、得ることができる。
【0113】
好ましくは、較正物体は、複数のマーカを備え、方法は、放射線画像内のマーカの位置を特定するステップを有する。
【0114】
好ましくは、方法は、複数の放射線画像を用いて、複数のマーカの各々に対して、好ましくはマーカの各々の撮像された軌跡に対して楕円を適合させることによって、楕円経路
を導出するステップを有する。
【0115】
本発明の別の態様は、ソースと検出器とを備える放射線撮影システムを較正する方法を提供することであり、方法は、少なくとも1つのマーカが装備された物体を提供するステップと、物体をソースおよび/または検出器に対して回転させるステップと、物体の複数の放射線画像を取得するステップとを有し、方法はさらに、複数の画像内の少なくとも1つのマーカの画像の位置を特定するステップと、前記画像を用いて少なくとも1つのマーカに対する経路を導出するステップと、システムの幾何学的パラメータを決定するために前記経路を用いるステップとを有する。
【0116】
別の態様によれば、本発明は、ソースと検出器とを備える放射線撮影システムを較正する方法を提供する。本方法は、較正物体を提供するステップと、較正物体をソースおよび/または検出器に対して回転させるステップと、較正物体の複数の放射線画像を取得するステップとを有する、較正物体は複数のマーカを備えており、本方法はさらに、複数の画像内の複数のマーカを識別するステップと、好ましくはマーカの各々の撮像された軌跡に対して楕円を適合させることにより、前記画像を用いて複数のマーカの各々に対して楕円経路を導出するステップと、システムの幾何学的パラメータを決定するために前記楕円経路を用いるステップとを有する。
【0117】
好ましくは、本方法は、システムの幾何学的パラメータを決定するために、楕円の方程式を用いるステップ、および/または楕円を交差させるステップに基づくか楕円を交差させるステップ、を有する。
【0118】
好ましくは、本方法は、前記放射線画像内において前記マーカを用いてシステムの当初の幾何学推定を導出するステップを有する。
【0119】
好ましくは、本方法は、各画像において複数の円形形状の識別をするための円検出方法を用いるステップと、Nを較正物体内のマーカの数とするときに、前記円形形状のNまたはより少ない数を選択するステップとを有する。
【0120】
好ましくは、前記幾何学的パラメータは、回転軸の1以上の画像、セントラルスライスおよび主点の画像を有する。
【0121】
好ましくは、本方法は、ソースから、検出器、オフセット物体、および回転軸、への距離の1つ以上を導出するステップを有する。
【0122】
好ましくは、本方法は、例えばより円形であるマーカの画像を仮想検出器に投影することによって、射影歪曲を補償するステップを有する。
【0123】
好ましくは、本方法は、最大相互相関法(maximum cross correlation method)を用いて、マーカ(円)の画像の座標を精緻化するステップを有する。
【0124】
好ましくは、本方法は、前記較正物体の推定モデルを導出するステップと、例えば反復非線形技術を用いて、前記当初の幾何学推定および前記較正物体の前記推定モデルを精緻化するステップとを有する。
【0125】
好ましくは、本方法は、画像歪曲などの残余誤差を解析し補償するステップを有する。
【0126】
好ましくは、本方法は、ソースと回転軸との間の距離値を決定するステップを有する。
【0127】
好ましくは、その距離値は、較正物体の測定値、または較正物体の相対位置の測定値を用いて決定される。
【0128】
好ましくは、本方法は、較正物体の回転軸がビーム中心線とほぼ交差して複数の前記放射線画像が較正物体で得られる中央位置において、較正物体を提供するステップを有する。
【0129】
好ましくは、本方法は、較正物体の回転軸がビーム中心線からオフセットしており、複数の前記放射線画像が較正物体で得られるオフセット位置において、較正物体を提供するステップを有する。
【0130】
本発明の別の態様では、放射線撮影システムを較正するための較正物体を提供する。較正物体は、X線を弱く減衰する支持材料内にX線を強く減衰する複数の球状のマーカを備えており、そのため、マーカの高いコントラストおよびマーカの高精度な画像を得ることができる。
【0131】
好ましくは、支持材料は、カーボンまたはシリコンカーバイドの発泡体などの低密度発泡体、または押出ポリスチレン発泡体などのプラスチック発泡体、または、固体プラスチックまたはセラミックスである。
【0132】
好ましくは、マーカは、タングステンカーバイド製、鋼鉄製または金製の、ボールベアリングである。
【0133】
好ましくは、マーカは、非対称、および/または、それらが放射線画像内で重ならない、配置である。
【0134】
好ましくは、マーカは接着剤によって固定されていない。
【0135】
本発明の別の態様は、上述のような較正物体を用いて、上述または後述するような方法を提供することである。
【0136】
好ましくは、本方法は、例えば、温度などの環境条件の変化を補償するために、異なるスピードでスキャンを行うステップを有する。
【0137】
好ましくは、本方法は、ソースと回転軸との間の距離の公称値を指定するステップと、前記放射線画像および前記距離の公称値を用いてシステムの幾何学的パラメータを決定するステップとを有する。
【0138】
好ましくは、本方法は、更に、例えば(上述のような)較正物体の測定値を用いて前記距離の公称値に対する値を導出するステップを有する。
【0139】
本発明の別の態様は、上述のような方法を用いて較正された放射線撮影システム内で対象物を測定する方法を提供することである。
【0140】
本発明の別の態様は、前記放射線撮影システム以外の測定手段によって得られる較正物体の完全な表現なしに、放射線撮影システムを較正するための較正物体の使用を提供することである。
【0141】
本発明の別の態様は、上述のような方法を実行するための手段を備える装置を提供することである。
【0142】
本発明の別の態様は、上述のような方法を実行するためのコンピュータで実行可能な命令を有する、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することである。
【0143】
<参考文献>(これらは参照として本明細書に取り込まれている。)
(1)欧州特許公報第1760457号
(2)ドイツ特許公報第1020100509491号(DE102010050949A1)
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