(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【0002】
[0002]一実施形態により、ユーザの肌表面領域に周期的機械力を印加し、ユーザの肌表面領域に肌用調剤を送達するように構成されたアプリケータチップを含むアプリケータアセンブリを含む装置が提供される。一実施形態では、周期的機械力は法線成分を含む。一実施形態では、周期的機械力はせん断成分を含む。一実施形態では、周期的機械力は法線成分とせん断成分を含む。一実施形態では、アプリケータチップは、法線応力とせん断応力とを肌の一領域に印加するように構成される。
【0003】
[0003]装置は更に、アプリケータアセンブリに隣接する又はアプリケータアセンブリ内部の少なくとも一の電磁エネルギー源を含み、ユーザの肌の表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを送達するように構成された電磁エネルギーアセンブリを含む。一実施形態では、組織内の電磁エネルギーの浸透深さに影響を及ぼす要因には、波長、周波数、強度、継続時間などが含まれる。
【0004】
[0004]電磁エネルギー源の非限定的な例には、電磁エネルギーエミッタ、ファイバレーザ、レーザダイオード、レーザ、発光ダイオード、マイクロキャビティ発光ダイオード、有機発光ダイオード、高分子発光ダイオード、量子ドット、超高速レーザなどが含まれる。
【0005】
[0005]一実施形態によれば、少なくとも一の電磁エネルギー源は、アプリケータアセンブリの外縁に隣接している。
【0006】
[0006]一実施形態によれば、少なくとも一の電磁エネルギー源は、複数の発光ダイオードを備え、少なくとも、約590ナノメートルのピーク放射波長を有する第1の連続的電磁エネルギー刺激と、約850ナノメートルから約870ナノメートルの範囲のピーク放射波長を有する第2の連続的電磁エネルギー刺激とを、同時に又は連続して生成するように構成される。
【0007】
[0007]一実施形態によれば、少なくとも一の電磁エネルギー源は、狭帯域多色放射を介して単一の支配的放射波長を生成するように構成される。
【0008】
[0008]一実施形態によれば、単一の支配的放射波長は約590ナノメートルである。
【0009】
[0009]一実施形態によれば、少なくとも一の電磁エネルギー源には、少なくとも一の発光ダイオード(LED)が含まれる。
【0010】
[0010]一実施形態によれば、少なくとも一の発光ダイオード(LED)には、約590ナノメートルの支配的放射波長で発光する第1のLEDと、約850〜870ナノメートルで発光する第2のLEDが含まれる。
【0011】
[0011]一実施形態によれば、第1の発光ダイオード(LED)は黄色の可視光を発し、第2のLEDは赤外光を放射する。
【0012】
[0012]一実施形態によれば、第1のLED:第2のLEDの電力放射の比は4:1である。
【0013】
[0013]一実施形態によれば、第1の発光ダイオード(LED)は、1平方センチメートル当たり約2ミリワット(mW/cm
2)で発光し、第2のLEDは約0.5mW/cm
2で発光する。
【0014】
[0014]一実施形態によれば、肌表面領域において受け取られる電磁エネルギーアセンブリのエネルギーフルエンスは約4J/cm
2未満である。
【0015】
[0015]一実施形態によれば、電磁エネルギーアセンブリは更に、電磁エネルギーアセンブリから肌の上に放射された光を拡散させて
照射を広げるように構成された拡散レンズを含む。
【0016】
[0016]一実施形態によれば、少なくとも一の電磁エネルギー源は、アプリケータアセンブリを囲む複数の電磁エネルギー源を含む。
【0017】
[0017]一実施形態によれば、少なくとも一の電磁エネルギー源は、アプリケータアセンブリ内部に含まれる。
【0018】
[0018]一実施形態によれば、少なくとも一の電磁エネルギー源は、ユーザの肌表面領域に約3Hzの周波数で光のパルスを放射する。
【0019】
[0019]一実施形態によれば、ユーザの肌表面領域に圧縮力を生じさせ、肌用調剤の浸透性に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する周期的機械力をユーザの肌表面領域に印加することを含む、スキンケア装置により実施されるスキンケア方法が提供される。方法は更に、ユーザの肌表面領域を、ユーザの肌表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて
照射することを含む。
【0020】
[0020]一実施形態によれば、ユーザの肌表面領域に圧縮力及びせん断力を生じさせ、肌用調剤の浸透性に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する周期的機械力をユーザの肌表面領域に印加することを含む、スキンケア装置により実施されるスキンケア方法が提供される。
【0021】
[0021]一実施形態によれば、ユーザの肌表面領域に圧縮力を生じさせ、肌用調剤の浸透性に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する周期的機械力をユーザの肌表面領域に印加することを含むスキンケア方法は、肌表面領域に実質的に垂直な振動力を印加することを含む。
【0022】
[0022]一実施形態によれば、ユーザの肌表面領域に圧縮力を生じさせ、肌用調剤の浸透性に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する周期的機械力をユーザの肌表面領域に印加することを含む方法は、肌の表面に垂直な運動の振幅が約0.01インチから約0.075インチの範囲である垂直な機械力を印加することを含む。
【0023】
[0023]一実施形態によれば、ユーザの肌表面領域を、ユーザの肌表面領域内の少なくとも一の又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて
照射することを含む方法は、少なくとも、約590ナノメートルのピーク放射波長を有する第1のパルス電磁エネルギー刺激と、約850ナノメートルから約870ナノメートルの範囲のピーク放射波長を有する第2のパルス電磁エネルギー刺激を、同時に又は連続して放射することを含む。
【0024】
[0024]一実施形態によれば、ユーザの肌表面領域を、ユーザの肌表面領域内の少なくとも一の又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて
照射することを含む方法は、少なくとも、1平方センチメートル当たり約2ミリワット(mW/cm
2)のピーク放射照度を有する第1の連続的電磁
照射刺激と、約0.5mW/cm
2のピーク放射照度を有する第2の連続的電磁
照射刺激とを、同時に又は連続して放射することを含む。
【0025】
[0025]一実施形態によれば、電磁エネルギーアセンブリは、ユーザの肌表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する連続的電磁エネルギー刺激を送達し、肌の部分内の一又は複数の表皮関連タンパク質、真皮表皮接合部関連タンパク質、又は真皮関連タンパク質の上方制御に影響を及ぼすように構成された、アプリケータアセンブリに隣接する又はアプリケータアセンブリ内部の少なくとも一の電磁エネルギー源を含む。
【0026】
[0026]一実施形態によれば、電磁エネルギーアセンブリは、ユーザの肌表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する連続的電磁エネルギー刺激を送達し、フィラグリン;トランスグルタミナーゼ1(TGK1);糖タンパク質(CD44);ケラチン10(K10);ケラチン14(K14);テネイシンC;G−アクチン(ActinG);原繊維アクチン(ActinF);及びシンデカン1からなる群より選択される一又は複数の表皮タンパク質の上方制御に影響を及ぼすように構成された、アプリケータアセンブリに隣接する又はアプリケータアセンブリ内部の少なくとも一の電磁エネルギー源を含む。
【0027】
[0027]一実施形態によれば、電磁エネルギーアセンブリは、ユーザの肌表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する連続的電磁エネルギー刺激を送達し、コラーゲン4(Coll 4);コラーゲン7(Coll 7);ラミニンV;及びペルレカンからなる群より選択される一又は複数の真皮表皮接合部タンパク質の上方制御に影響を及ぼすように構成された、アプリケータアセンブリに隣接する又はアプリケータアセンブリ内部の少なくとも一の電磁エネルギー源を含む。
【0028】
[0028]一実施形態によれば、電磁エネルギーアセンブリは、ユーザの肌表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する連続的電磁エネルギー刺激を送達し、ヒアルロナンシンターゼ3(HAS3);フィブロネクチン;トロポエラスチン;procoll1;インテグリン;及びデコリンからなる群より選択される一又は複数の真皮タンパク質の上方制御に影響を及ぼすように構成された、アプリケータアセンブリに隣接する又はアプリケータアセンブリ内部の少なくとも一の電磁エネルギー源を含む。
【発明を実施するための形態】
【0031】
[0045]肌用調剤を、典型的には肌領域に適用するための、音波周波数領域で動作する電気機器は、肌用調剤の有意な吸収を生じさせて肌の見た目を改善するために有効であり、またアプリケータと肌との物理的な接触に関して快適である。このような機器は、本出願人の所有する米国特許第8469909号に記載があり、その内容が参照により包含される。
【0032】
[0046]光線療法は、狭帯域光を用いる肌状態のケアに使用することができる。多くのこのような光線療法デバイスは極めて大きく、静止した状態で顔全体を照射するために使用される。
【0033】
[0047]しかしながら、肌用調剤の音波的適用の利点と光線療法の利点とを効果的に組み合わせて、便利且つ安価で使用が簡単な単一の家庭用小型機器にするデバイスは現在のところ存在しない。
【0034】
[0048]
図1は、例えば、同時に又は連続して垂直な周期的機械力及び複数の電磁刺激をユーザの一肌領域に提供するなど、一又は複数の方法又は技術を実施できるアプリケータ機器を示している。一実施形態では、アプリケータ機器は、キャップ部分(図示しない)と分離されている本体部分12を示す。本体部分12の上面18からは、ユーザの肌に接触するアプリケータチップ20が延びている。一実施形態では、アプリケータチップ20は一又は複数のエラストマー材料を含む。一実施形態では、アプリケータチップ20は一又は複数の高分子材料を含む。一実施形態では、アプリケータチップ20はシリコーンから形成される。一実施形態では、アプリケータチップ20は、ショア00−30硬度を有する超軟質シリコーンから形成される。アプリケータチップ材料の更なる非限定的例には、エチレンプロピレンジエンゴム、フルオロシリコーン、耐薬品性材料などが含まれる。
【0035】
[0049]一実施形態では、アプリケータチップ20は、少なくとも一の電磁エネルギーエミッタに動作可能に連結された一又は複数の導波管を含む。一実施形態では、アプリケータチップ20は、一又は複数の、透明な、半透明の、又は光を透過する材料を含む。
【0036】
[0050]透明な、半透明の、又は光を透過する材料の中で、例として、光波の透過又は伝播に低い光減衰率を提供する材料が挙げられる。一実施形態では、アプリケータチップ20は、一又は複数の光学的に透明な材料、半透明な材料、プラスチック、熱可塑性プラスチック、ポリマー、樹脂、熱可塑性樹脂などを含む。一実施形態では、アプリケータチップ20は、アセタールコポリマー、アクリル、ガラス、AgBr、AgCl、Al
2O
3、GeAsSeガラス、BaF
2、CaF
2、CdTe、AsSeTeガラス、CsI、ダイヤモンド、GaAs、Ge、ITRAN材料、KBr、臭化タリウム−ヨウ化物、LiF、MgF
2、NaCl、ポリエチレン、Pyrex、Si、SiO
2、ZnS、ZnSe、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマーなどのうちの一又は複数を含む。
【0037】
[0051]光学的に透明な、半透明の、又は光を透過する材料の更なる非限定的な例には、アクリロニトリルブタデインスチレンポリマー(acrylonitrile butadaine styrene polymers)、セルロース系、エポキシ、エチレンブチルアクリレート、エチレンテトラフルオロエチレン、エチレンビニルアルコール、フッ素化エチレンプロピレン、フラン、ナイロン、フェノール類、ポリ[2,2,4−トリフルオロ−5−トリフルオロメトキシ−1,3−ジオキソール−co−テトラフルオロエチレン]、ポリ[2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソール−co−テトラフルオロエトイレン]、ポリ[2,3−(ペルフルオロアルケニル)ペルフルオロテトラヒドロフラン]、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリノルボルネン、ポリペルフルオロアルコキシエチレン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデンフルオリド、ジアリルフタレート、熱可塑性エラストマー、透明なポリマー、ビニルエステルなどのうちの一又は複数が含まれる。
【0038】
[0052]一実施形態では、アプリケータチップ20は、ユーザの肌表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する連続的電磁エネルギー刺激を送達するように構成される。例えば、一実施形態では、アプリケータチップ20は、光学的に透明な、半透明の、又は光を透過する材料を含み、一又は複数の電磁エネルギーエミッタに動作可能に連結され、且つユーザの肌表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する連続的電磁エネルギー刺激を生成するように構成される。一実施形態では、組織内の電磁エネルギーの浸透深さに影響を及ぼす要因には、波長、周波数、強度などが含まれる。
【0039】
[0053]図示の一実施形態では、アプリケータチップ20は、その前端に凹型部分22を含む。凹型部分は、機器の動作の間にユーザの顔の肌領域に適用される、選択された量の肌用調剤を一時的に保持する。上面18にはLED光アセンブリ100が含まれており、その取付けについては詳細に後述する。機器は、オンオフスイッチ(図示しない)により制御される。
【0040】
[0054]機器の有効な動作、具体的には、アプリケータチップとユーザの肌との快適な接触により肌用調剤の有効な吸収を生成するその動作のために、アプリケータチップ20の複雑な運動が重要であることが見出された。アプリケータチップの運動の第1の成分は肌の表面に垂直であり、運動の第2の成分は肌の表面に平行であり、第3の成分は円弧状で、アプリケータチップと肌との接触を次第に増加させる。
【0041】
[0055]
図2は、一連のこのような所望の運動を示している。時間t0(
図2A)において、アプリケータチップ20と肌領域21との最初の接触が示されている。アプリケータチップ20の内側エッジ20Aが肌21の表面と接触する。肌の表面と垂直に、力が下方に印加され始め、肌に対して初期量の圧縮力が生成される。初期引張応力も肌21に対して生成される。時間t1(
図2B)では、図示のように、アプリケータチップ 20は時計回りに回転しながら肌に垂直に肌に向かって移動し、引き続き肌を圧縮する。加えて、アプリケータチップは、肌21の表面に平行に、左へと移動する。このような平行な運動成分は、十分であるが比較的小さな引張応力を肌に生成し、これが、圧縮力と合成されたとき、肌を痛めることなく又は不快感を生じさせることなく、肌用調剤の吸収を改善するうえで重要であることが見出された。
【0042】
[0056]アプリケータチップの運動は時間t2(
図2C)で変化し、また時間t3(
図2D)で再び変化し、この時点でアプリケータチップの接触表面は肌21の表面と基本的に平行となってアプリケータチップの接触表面全体が肌と接触し、肌に垂直な圧縮力と肌の表面に平行な引張応力の両方が最大値に達する。アプリケータチップは、
図2Dに示すように、その接触表面全体に沿って肌に圧縮力を生成する。次いで、アプリケータチップの運動はモータの作用により逆転され、アプリケータチップは初期位置に戻る。次いで、選択された頻度でシーケンス2A〜2Dが繰り返される。
【0043】
[0057]アプリケータチップの運動の円弧状成分により肌の表面との接触を次第に増大させることが、ユーザにおける快適な接触、即ち感覚を維持するうえで重要であることが見出された。上述の運動は、複雑であるが、肌用調剤の有効な吸収を生成すること、並びにユーザにとって接触の満足のゆく快適レベルを維持することの二重の利点を有し、したがって平均的なユーザはアプリケータを使用し続けるであろう。複雑な運動は、アプリケータチップの前面の凹型形状と組み合わされて、凹型部分内に存在する肌用調剤の量が、ユーザの肌上の適用領域からすぐにずれてしまうことを防ぐ。
【0044】
[0058]
図3は、アプリケータ本体12内部に含まれるすべての動作部品を示す断面図である。機器本体12は、概して参照番号30で示すモータ(以下に詳細に記載する)、及び電源(図示の実施形態では再充電可能なバッテリ32であるが、一次電池又は外部電源といった他の電源でもよい)を含む。モータへの制御信号、並びに他の動作制御機能、例えばオンオフスイッチ24の状態の感知、単一アプリケーション使用の継続時間の制御、及びバッテリ充電状態の監視は、マイクロプロセッサ34によって提供される。マイクロプロセッサ34は、そのような機器の構造及び動作において常套的である。上記部品のすべては、機器の本体12のハウジング部分16内部に含まれる。
図4〜6は、機器のモータ30を更に詳細に示す。モータは、硬い材料(図示の実施形態では硬質プラスチック)から作製されるアンカー部材36を含む。図示の実施形態のアンカー部材は、それぞれハウジング部分16の部品である対応するリブ要素44及び46に確実に嵌合する(
図3)、互いに直角をなす二のスロット40及び42を含む。したがって、アンカー部材36は、ハウジング内の所定の位置に固定され、モータの動作中に自由に動くことはない。
【0045】
[0059]モータ30は、金属のバックアイアン51上に間隔を空けて装着された二の永久磁石50及び52を含むアーマチュアアセンブリ48も含む(
図3、6)。図示の一実施形態では、永久磁石は、約0.18インチの間隔を空けて配置されているが、これは変更可能である。更に、図示の一実施形態では、永久磁石は0.15平方インチ×厚さ0.1インチであるが、これら寸法も変更可能である。
【0046】
[0060]アーマチュア部材48の一端53は、取り外し可能なアプリケータチップアセンブリ56であり、その前端にはアプリケータチップ20が配置される。アプリケータチップ20は、本出願人による同時係属米国特許出願第12/474426号に更に詳細な記載があり、その内容は参照により本明細書に包含される。アプリケータチップは、肌用調剤を保持する凹型の前面を有し、極めて軟質の材料から作製されており、ショアスケールOOデュロメータ30である。材料の柔軟性は、人の肌と同じ程度であり、したがって運動と力を効率的に伝達する。
【0047】
[0061]アンカー部材36とアーマチュア48の間には、電磁固定子アセンブリ60が配置される。電磁固定子アセンブリ60は、従来の電磁石61及びEコア積層スタック62を含み、その外側脚部は、図示の実施形態では、それぞれ0.257インチ及び0.267インチだけ中央脚部から分離されている。固定子の極が三の脚部の終端である。固定子アセンブリは、やはりハウジング部分16の部品である二の対向するリブ64及び66に装着される。したがって、モータの運転中、固定子アセンブリ60も所定の位置に固定された状態を維持する。
【0048】
[0062]モータは更に、アンカー部材36と、反対側のアーマチュア48の延長端部分53及び55との間に延びてそれらを接続する二の板ばね68及び70を含む。
【0049】
[0063]アーマチュア48の延長端部分は、互いに直角である。図示の一実施形態では、板ばねは、約0.2インチ幅且つ0.012インチ厚であり、ステンレス鋼から作製されている。板ばね68及び70も、互いに概ね直角である。板ばね68及び70は、異なる自由長を有する。板ばねの自由長の比は、肌用調剤の効果的且つ快適な適用を生むためのアプリケータチップの所望の多成分運動を達成するために重要である。ばね70の長さ:ばね68の長さの比は、0.75:1から0.95:1の範囲内である。一実施形態では、自由長の比は、0.79:1から0.83:1の範囲内である。機器が肌に対して適切に配向されるとき、板ばね68は肌と概ね垂直であり、板ばね70は肌に概ね平行である。このような板ばねの構成が、肌用調剤の有効な吸収とユーザに対する快適性の所望の組み合わせを生む。
【0050】
[0064]動作時、オンオフスイッチ24の作動に続いて、マイクロプロセッサ34から交流電気信号が電磁固定子アセンブリ60に提供される。交流信号の半周期の間に、電磁石の二の外側の極は永久磁石の一方を引き付け、他方の永久磁石をはじく。また中央の極は、一方の永久磁石をはじき、他方を引き付ける。結果として生じた力が、固定子アセンブリ60に対して、アプリケータチップを含むアーマチュア48を、反時計回りのやや円弧状の複雑な運動で肌に向かって動かす(
図5参照)。上述のように且つ
図2A〜2Dに示すように、この運動は、垂直運動の成分、平行運動の成分、及び小さな円弧状運動の成分を含む。残りの半周期において、電流の方向が反転し、アーマチュアは、固定子に対して時計回りにチップアプリケータを肌から遠ざけることにより応答する。
【0051】
[0065]作用の周波数は、典型的には50〜200Hz内である。一実施形態では、作用の周波数は、約110Hzから約135Hzにわたる。肌の表面に垂直な運動の周波数の範囲は、0.01インチから0.075インチの範囲内である。一実施形態では、肌の表面に垂直な運動の周波数の範囲は、約0.02インチから約0.035インチにわたる。肌の表面に平行な運動の範囲は、0.005インチから0.07インチの範囲内である。一実施形態では、肌の表面に平行な運動の範囲は、約0.013インチから約0.032インチにわたる。このような寸法から生じる円弧状の運動は、比較的小さく、0.5°〜3°の範囲内の弧を描く。一実施形態では、このような寸法から生じる円弧状運動は約2°であるが、この値は、使用される実際の寸法に応じて変化しうる。
【0052】
[0066]動作時、板ばね68及び70は、アーマチュアが休止しているときにはアーマチュアをセンタリングするように、及び移動するアーマチュアとアプリケータチップアセンブリの質量と組み合わされるときには機械的共鳴システムを生成するように、それぞれ作用する。電流が、システム全体の機械共鳴とほぼ等しい周波数で方向を交互に換えるとき、アーマチュア構造の運動の振幅は有意に増大し、これにより、電力入力に関して所望の高い効率で、有効な作用のために必要な運動が生成される。したがって、機器は、肌用調剤の迅速且つ有効な吸収を生成するうえで有効であるだけでなく、動作させるのに実際的な機器である。
【0053】
[0067]一実施形態では、上記構造は、単一の支配的放射波長、即ち、狭帯域の多色放射か、又は複数波長(単色、狭帯域多色、広帯域多色、若しくはこれらの組み合わせ)を生成する、単一又は複数の光源を更に含む。単一又は複数の組み合わせは、同時に又は連続して適用可能である。
【0054】
[0068]本発明の好ましい実施形態は、LED、超音波及び/又はレーザ若しくは光エネルギーを使用できるが、本発明は、これらエネルギー源の使用に限定されない。(限定しないが)マイクロ波エネルギー及び無線周波数エネルギーを含む他のエネルギー源も使用できる。既知の光源の例は、蛍光灯、閃光ランプ、フィラメント光などである。当業者であれば、本明細書に記載されるように、直接、又は光学濾過により、医学的に有用な波長で電磁放射を発することのできる任意の光源が本発明による適切な光源の範囲内であることを認識するであろう。記載される光変調的及び光熱的ケア方法のために、約300nmから約1400nmの波長を有する光を放射することのできる、又は肌、局所用組成物、又は本ケアレジームのその他の成分を前述の範囲の光の波長に曝すために濾過又はそれ以外の方法で変調される電磁放射を生成することのできる任意の光源が、医学的に有用である。
【0055】
[0069]標的となる肌は、LED、レーザ、又は濾過されたフィラメント光源又は蛍光源又は超音波の単一若しくは複数の周波数といった非レーザ光の一又は複数の波長に曝される。薬剤又は組織複合体と相互作用するために十分な累積エネルギーを送達するために、様々なパラメータ(パルス継続時間、エネルギー、単一又は複数のパルス、パルス間の間隔、パルスの総数など)が使用されうる。この結果、光変調手段、光熱手段、又はこれらの組み合わせにより、肌組織が支持される、又は皮脂性油胞が抑制又は破壊される。一実施形態では、これらデバイスは、自宅でのケアのために、又は医師によるケアを受けた後に進行するスキンケアシステムの一部として、患者により使用されうる。
【0056】
[0070]波長:各標的細胞又は細胞分画物、又はその中の分子結合は、少なくとも一の固有で特徴的な、そこで特定の電磁又は光吸収ピーク又は最高限度を呈する「作用スペクトル」を有する傾向がある。異なる細胞系(同じ細胞−例えば3の異なる患者由来の繊維芽細胞の)は、それらの吸収スペクトルにいくつかの差異を呈するので、狭帯域多色光の使用は(単色光よりも)、最適な臨床効果を生じさせるうえでも有用である。これら細胞又は細胞分画物が、吸収ピーク又は最大限度に対応する波長で照射されると、エネルギーが光子から伝達されて標的によって吸収される。送達されるエネルギーの特定のフィーチャが細胞効果を決定する。パラメータのこれら組み合わせの複雑性は、従来技術において大きな混乱を生じてきた。基本的に、波長は、標的細胞又は細胞分画物又は組織、又は外因性発色団とほぼ相関しているはずである。場合によっては、同じ又は複数の異なるケア日に、同時に又は連続して、複数の最大限度を標的化することが望ましい。複数の最大限度作用スペクトルの存在は、所与の細胞又は細胞分画物又は外因性発色団に一般的であり、異なる波長最大限度の照射により異なる結果が生じうる。
【0057】
[0071]波長帯域が広すぎる場合、所望の光変調効果が意図したものから変わる場合がある。その結果、広帯域の非コヒーレントな強い光源は、複数の狭帯域エミッタの使用とは対照的に、本発明に使用するために特定されるものと比較して望ましくない。レーザダイオードはまた、支配的帯域の周りに狭帯域を有する多色性のものであり、即ち、狭帯域多色デバイス− 支配的波長の周りで対称に又は非対称に狭い放射帯域の電磁波を放射するデバイスである。一実施形態では、狭帯域多色電磁放射エミッタは、支配的波長の周り+/−約100ナノメートルの帯域の電磁放射を放射する。一実施形態では、狭帯域多色電磁放射エミッタは、支配的波長の周り+/−約50ナノメートルの帯域の電磁放射を放射する。一実施形態では、狭帯域多色電磁放射エミッタは、支配的波長の周り+/−約20ナノメートルの帯域の電磁放射を放射する。一実施形態では、狭帯域多色電磁放射エミッタは、支配的波長の周り+/−約10ナノメートルの帯域の電磁放射を放射する。一実施形態では、狭帯域多色電磁放射エミッタは、支配的波長の周り+/−約6.5ナノメートルの帯域の電磁放射を放射する。LEDは、単色でなく、狭帯域多色エミッタと考えられるような狭帯域で発光する。狭帯域は、やや異なる波長の光子の放射を可能にする。これは、特定の望ましい多光子相互作用を生むために有利である可能性がある。対照的に、多くの市販のレーザは、光の単一波長において発光し、多色と考えられる。従来技術によるレーザの使用は、それらの電磁放射のコヒーレントな、即ち、単色の性質に依存している。
【0058】
[0072]波長は組織浸透深さも決定する。所望の波長が標的細胞、組織又は器官に到達することが重要である。無傷の肌の場合の組織浸透深さは、潰瘍化した肌又は日焼けした肌の場合とは異なり、更には擦過傷を有する肌又は酵素的に剥がれた肌、又は角質層の少なくとも一部が任意の方法により除去された肌とは異なる。これと同じ波長で吸収するどのような干渉発色団にも浸透することが重要である(例えば黒い異国風の肌、組織又は細胞培養物のためのプラスチックのペトリ皿など)。この経路内にあるどのような組織又は器官にも浸透することが重要である。
【0059】
[0073]例えば、下層又はもっと深い層の皮層のケアが望ましい場合、約400nmから約420nmの範囲の支配的波長放射を有する光は、放射の浸透の深さが限定されているためにすべての脂腺又はにきび胞が効果的にケアされえないような短い波長を有し、約600nmから約660nmの波長を有する光は、更に深くまでもっと容易に浸透することができる。したがって、放射線エミッタの支配的波長も、望ましいケアの深さに依存する。適切な波長の選択は、本発明の効果的な使用のための重要なパラメータの一つであるが、他のパラメータも重要である。
【0060】
[0074]エネルギー密度:エネルギー密度は、照射の間に送達されるエネルギーの量に対応し、エネルギー強度及び光強度とも呼ばれる。最適な「用量」は、パルス継続時間及び波長によって影響される−したがって、これらは相互に関連しており、パルス継続時間は極めて重要である−一般に、高エネルギーは抑制を、低エネルギーは刺激を生む。
【0061】
[0075]パルス継続時間−照射のための露出時間は、極めて重要であり、所望の効果及び標的細胞、細胞分画物、外因性発色団組織又は器官により変化する(例えば0.5マイクロ秒から10分がヒト繊維芽細胞に効果的でありうるが、それよりも長い又は短い時間も成功裏に使用されうる)。
【0062】
[0076]持続波(CW)対パルス:例えば最適なパルス継続時間はこれらパラメータにより影響される。一般に、エネルギー要件は、持続(CW)モードと比較してパルスモードが使用される場合に異なる。通常、パルスモードは特定のケアレジメンにとって好ましく、CWモードは他のレジメンにとって好ましい。
【0063】
[0077]周波数(パルスの場合):例えば高周波数は抑制的である傾向があり、低周波数は刺激的である傾向があるが、例外もありうる。
【0064】
[0078]デューディーサイクル:これは、照射が周期的間隔で繰り返されるデバイスの光出力反復サイクルであり、本明細書では中間パルス遅延とも呼ばれる(ケアのセッションが一連のパルスを含むときのパルス間の時間)。
【0065】
[0079]本発明によるアプリケータチップ20により肌に適用される局所用組成物に使用される適切な活性剤には、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンF、Retin A(トレチノイン)、アダパレン、レチノール、ハイドロキノン、麹酸、増殖因子、エキナセア、抗生物質、抗菌類、抗ウイルス、漂白剤、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、サリチル酸、抗酸化トライアド化合物、海藻派生物、塩水誘導体、藻類、抗酸化剤、フィトアントシアニン、植物栄養素、プランクトン、植物生成物、草本生成物、ホルモン、酵素、鉱物、遺伝子組み換え物質、コファクター、触媒、アンチエイジング物質、インスリン、微量元素(イオン性カルシウム、マグネシウムなどを含む)、ミネラル、Rogaine、発毛刺激物質、発毛抑制物質、染料、天然又は合成メラニン、メタロプロテイナーゼ阻害剤、プロリン、ヒドロキシプロリン、麻酔物質、クロロフィル、バクテリオクロロフィル、銅クロロフィリン、葉緑体、カロテノイド、フィコビリン、ロドプシン、アントシアニン、及び標的の肌構造又は装置のいずれかの成分に向かって方向付けられた派生物、副次成分、免疫複合体及び抗体、及び上記アイテムの天然及び合成両方のアナログ、並びにこれらの組み合わせのうちの一又は複数が含まれる。
【0066】
[0080]アプリケータチップにより肌に適用される局所用組成物の更なる非限定的例には、抗しわ組成物(例えば、PRO−XYLANE
TMなど)、抗くま組成物(例えば、HALOXYL
TMなど)、又は抗腫脹組成物(例えば、FRIMALIFT
TMなど)が含まれる。
【0067】
[0081]アプリケータチップにより肌に適用される局所用組成物に使用される活性剤の更なる非限定的例には、キシロース、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオールなどが含まれる。
【0068】
[0082]アプリケータチップにより肌に適用される局所用組成物に使用される活性剤の更なる非限定的例には、カプリロイルサリチル酸、アデノシン、アデノシン三リン酸、レチノールリノレートなどが含まれる。
【0069】
[0083]一実施形態では、アプリケータアセンブリは、周期的機械力をユーザの肌表面領域に印加し、アクリレート/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマー、アデノシン、アルコール、アルギニン、BHT、BIS−PEG−18メチルエーテルジメチルシラン、ブチレングリコール、カフェイン、カプリロイルサリチル酸、カプリリルグリコール、カルボマー、ヤグルマギクの水、クロルヘキシジンジグルコネート、クリシン、クエン酸、ココベタディン(Coco−Betadine)、シクロヘキサシロキサン、ジメチコン、ジソジウムエチレンジアミン4酢酸(EDTA)、グリセリン、水素付加レシチン、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール、ラウロイルリシン、メチルグルセス−20、N−ヒドロキシスクシンイミド、オクチルドデカノール、パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルテトラペプチド−7、ポリエチレングリコール(PEG)−20、ペンチレングリコール、フェノキシエタノール、ポリシリコーン−11、ソルビン酸カリウム、プロパンジオール、プロピレングリコール、水酸化ナトリウム、スクワラン、ステアレス−20、トコフェリルアセテート、水、ザンサンガム、酵母エキスなどのうちの一又は複数を含む肌用調剤を送達するように構成されたアプリケータチップを含む。
【0070】
[0084]一実施例では、デバイスは、約590nm(+/−約10nm)の支配的放射波長を有する狭帯域多色電磁放射を発し、更には850〜870nmの範囲のいくらかの光と、任意選択的に、1060nmの範囲の少量の光を放射する。可視光590と赤外光850〜870nmの組み合わせが生物活性であることが発見された。標的の肌又は組織が曝される放射のIR成分を低減することは、IR/850曲線の形状を非対称に減衰すると考えられているので、このために、特別なIRフィルターを加えてもよい。850〜870nmにおいて、繊維芽細胞に「用量依存性」の効果があると考えられる。更に、約1mW/cm
2の電力レベルにおいて、アンチエイジング表現型効果に光調節が起こる(当業者であれば、電力計ではこれを正確に測定することができないために、測定方法により若干の変動/誤差があることを認識するであろう)。通常、熱損傷を生じさせないケアが望ましい場合、約4J/cm
2(+/−0.5J/cm
2)未満のエネルギーフルエンスが好ましい。
【0071】
[0085]ケアに使用される放射中のIR放射に対する黄色光の比が、本システムの性能全体に影響することが判明した。具体的には、モノクロメータ及び単一波長LEDを用いた試験により、及びその後比DNAマイクロアレイの研究を用いて、黄色光とIR光の一の特定の配合率が、しわに対して極めて有効であると決定された。各種の放射の相対量が重要であり、実際の放射レベルより重要であると考えられる(但し、アブレーションが起こらない場合)。590nmの場合約2.0mW/cm
2(+/−約0.5mW/cm
2)、及び850〜870nmの場合約0.5mW/cm
2(+/−約0.5mW/cm
2)(即ち、黄色:IRが4:1の比)が、良好な結果を生むことが見出された。考慮すべき別の要因は、システムのIR成分の、振幅対波長曲線の形状である。
【0072】
[0086]
図7は、ハウジング12中に照明ユニットを取り付ける方法を示している。
図7Aに示すように、アプリケータチップ20の近傍にスロット又は穴を造る。
図7B及び7Cに示すように、スロットの中にLEDアセンブリ100を取り付ける。
図7Dに示すように、LEDアセンブリ100の配線104を、駆動回路及び電源に経路付ける。これについて後述する。
【0073】
[0087]
図8は、LEDアセンブリ100と共に使用されるハードウエアコンポーネントのブロック図を示している。LEDアセンブリのLEDは、LEDドライバ基板820により駆動され、この基板は電源810から電力を受け取る。電源は、上述のバッテリ32と同じでも異なってもよい。加えて、LEDドライバ820は、上述のマイクロプロセッサ34の一部として含まれるか、又は独立した構成要素とすることができる。
図8はまた、LEDドライバ820が、LEDユニットのオンオフをトグルするためのユーザからの入力を受け取る光オンオフ制御ユニットに接続することができることを示している。
【0074】
[0088]
図9Aは、LEDアセンブリが、各々が円錐形ビームの光を放射する赤外LEDユニット110及び黄色LEDユニット112を含むことを示している。LEDユニットは、当業者には既知であるように、市販されている標準のLEDとすることができる。例えば、LEDは、LY G6SP−CADB−36−1−Zのタイプ(590nmの波長を提供)及びVSMF4720のタイプ(870nmの波長を提供)とすることができる。
【0075】
[0089]
図9Bは、LED110及び112が4mmだけ離間しており、LEDがアプリケータチップから11.2mmだけ離間していることを示している。LEDが80度の円錐角で光を放射するように構成されているとき、これにより、アプリケータチップからのチップ閉塞なく、77%の光強度が生成される。
【0076】
[0090]
図10は、特定領域の光曝露を拡散させる又は広げるためにLEDユニットと共に使用されるレンズ1010を更に含む一実施形態を示す。レンズ1010は、所望の発光を達成するために正又は負の焦点距離特性を有することができ、限定しないが、ガラス、プラスチック、又は樹脂といった材料のうちの任意の数から作製することができる。一実施例では、LEDユニットの外側に配置されるアクリル材料を使用して、そのような拡散レンズを達成することができる。
【0077】
[0091]従来の光線療法システムでは、肌表面に対する光放射のためにパルス方式が使用される。「コード」は、様々なケアレジメンのためのパルス方式を指す。これには、パルス長、中間パルス遅延、及びパルス反復といった様々な要因が含まれる。例えばケアは、250msecの「オン」時間、100msecの「オフ」時間(即ち暗期)、及び100のパルスのパルスコードを含むことができる。これにより、エミッタの電力出力レベル×25秒の全エネルギーフルエンス(J/cm
2)が生成される。これにより、パルスケアと持続波ケアの比較が可能となる(持続波ケアの「コード」は、1パルス、選択されるケアの長さである「オン」時間、及び0秒の「オフ」時間である)。
【0078】
[0092]本実施形態は、
図11の右側に示されるように、ユーザの肌表面上への3Hzのパルス波のパルス波ケアの使用を可能にする。これは、
図11の左側に示されるように、自然な動きのみでは1Hzのパルスの効果が生成されるため、単離された肌領域上にデバイスの動きがないと想定することにより達成される。しかしながら、特許請求される本発明は、3Hzパルスのケアに限定されず、必要に応じてもっと小さなパルス又は大きなパルスのものでありうる。
【0079】
[0093]上述の実施形態の一変形例では、一又は複数のLEDアセンブリ100(LEDユニット110及び112を含みうる)は、
図12A及び12Bに示されるように、アプリケータチップ20を囲むように設けられる。上述のレンズ1010には、任意選択的に、放射される光を集束又は拡散させるための各LEDアセンブリ100を具備することができる。
【0080】
[0094]別の変形例では、LEDアセンブリ100は、
図13A及び13Bに示されるように、それ自体の内部にアプリケータチップを具備しうる。上述のレンズ1010は、任意選択的に、放射される光を集束又は拡散させるためのLEDアセンブリ100を具備することができる。
【0081】
[0095]
図14は、上述のアプリケータ装置10によって実施される方法を示す。工程1410では、アプリケータチップアセンブリ20は、上述のアプリケータチップの周期的運動により、ユーザの肌表面に肌用調剤を接触させ、送達する方法を実施する。同時に、工程1420では、光アセンブリ100は、上述の特定光の発光により、ユーザの肌表面に光のパルスを放射する方法を実施する。これら二つの方法は、別個のオンオフスイッチにより別々の時間に開始及び終了させることができるか、又は同じオンオフスイッチ(例えば
図8に示すオンオフスイッチ)により同時に開始及び終了させることができる。
【0082】
[0096]上記教示の観点から、本発明の多数の修正例及び変形例が可能である。したがって、特許請求の範囲内において、特許請求される発明は、本明細書に具体的に記載さているもの以外の方法でも実施されうる。
また、本願は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
ユーザの皮膚表面領域に周期的機械力を印加し、ユーザの肌表面領域に肌用調剤を送達するように構成されたアプリケータチップを含むアプリケータアセンブリ;及び
前記アプリケータアセンブリに隣接する又は前記アプリケータアセンブリ内部の少なくとも一の電磁エネルギー源を含み、ユーザの肌の表面領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを送達するように構成された電磁エネルギーアセンブリ
を備える装置。
(態様2)
前記少なくとも一の電磁エネルギー源が、前記アプリケータアセンブリの外縁に隣接している、態様1に記載の装置。
(態様3)
前記少なくとも一の電磁エネルギー源が、複数の発光ダイオードを備え、少なくとも、約590ナノメートルのピーク放射波長を有する第1の連続的電磁エネルギー刺激と、約850ナノメートルから約870ナノメートルの範囲のピーク放射波長を有する第2の連続的電磁エネルギー刺激とを、同時に又は連続して生成するように構成されている、態様1に記載の装置。
(態様4)
前記少なくとも一の電磁エネルギー源が、狭帯域多色放射を介して単一の支配的放射波長を生成するように構成されている、態様1に記載の装置。
(態様5)
前記単一の支配的放射波長が約590ナノメートルである、態様4に記載の装置。
(態様6)
前記少なくとも一の電磁エネルギー源が、少なくとも一の発光ダイオード(LED)を含む、態様1に記載の装置。
(態様7)
前記少なくとも一の発光ダイオード(LED)が、約590ナノメートルの支配的放射波長で発光する第1のLEDと、約850〜870ナノメートルで発光する第2のLEDとを含む、態様6に記載の装置。
(態様8)
前記第1の発光ダイオード(LED)は黄色の可視光を放射し、前記第2のLEDは赤外光を放射する、態様7に記載の装置。
(態様9)
前記第1の発光ダイオード(LED):前記第2のLEDの電力放射の比が4:1である、態様8に記載の装置。
(態様10)
前記第1の発光ダイオード(LED)は1平方センチメートル当たり約2ミリワット(mW/cm2)で発光し、前記第2のLEDは約0.5mW/cm2で発光する、態様9に記載の装置。
(態様11)
前記肌表面領域において受け取られる前記電磁エネルギーアセンブリのエネルギーフルエンスが約4J/cm2未満である、態様1に記載の装置。
(態様12)
前記電磁エネルギーアセンブリが更に、前記電磁エネルギーアセンブリから前記肌の上に発光された光を拡散させて、照射領域を広げるように構成された拡散レンズを含む、態様1に記載の装置。
(態様13)
前記少なくとも一の電磁エネルギー源が、前記アプリケータアセンブリを囲む複数の電磁エネルギー源を含む、態様1に記載の装置。
(態様14)
前記少なくとも一の電磁エネルギー源が、前記アプリケータアセンブリ内部に含まれている、態様1に記載の装置。
(態様15)
前記少なくとも一の電磁エネルギー源が、前記ユーザの肌表面領域に約3Hzの周波数で光のパルスを放射する、態様1に記載の装置。
(態様16)
スキンケア装置によって実施されるスキンケア方法であって、
ユーザの肌の一領域に圧縮力を生じさせ、肌用調剤の浸透性に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する周期的機械力をユーザの肌表面領域に印加すること;及び
ユーザの前記肌領域内の一又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて前記ユーザの肌領域を照射すること
を含む方法。
(態様17)
ユーザの前記肌領域に圧縮力を生じさせ、肌用調剤の浸透性に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する前記周期的機械力をユーザの前記肌領域に印加することが、前記肌領域に実質的に垂直な振動力を印加することを含む、態様16に記載のスキンケア方法。
(態様18)
ユーザの前記肌領域に圧縮力を生じさせ、肌用調剤の浸透性に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する前記周期的機械力をユーザの前記肌領域に印加することが、前記肌領域の表面に実質的に垂直な運動の振幅が約0.01インチから約0.075インチの範囲である、実質的に垂直な機械力を印加することを含む、態様16に記載のスキンケア方法。
(態様19)
ユーザの前記肌領域内の少なくとも一の又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて前記ユーザの前記肌領域を照射することが、少なくとも、約590ナノメートルのピーク放射波長を有する第1のパルス電磁エネルギー刺激と、約850ナノメートルから約870ナノメートルの範囲のピーク放射波長を有する第2のパルス電磁エネルギー刺激とを、同時に又は連続して放射することを含む、態様16に記載のスキンケア方法。
(態様20)
ユーザの前記肌領域内の少なくとも一の又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて前記ユーザの前記肌領域を照射することが、前記肌領域内の一又は複数の皮層に浸透し、肌領域内の一又は複数の表皮関連タンパク質、真皮表皮接合部関連タンパク質、又は真皮関連タンパク質の上方制御に影響を及ぼすために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを送達することを含む、態様16に記載のスキンケア方法。
(態様21)
ユーザの前記肌領域内の少なくとも一の又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて前記ユーザの前記肌領域を照射することが、一又は複数の皮層に浸透し、前記一又は複数の皮層内において一又は複数の活性剤を活性化させるために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを送達することを含む、態様17に記載のスキンケア方法。
(態様22)
ユーザの前記肌領域内の少なくとも一の又は複数の皮層に浸透するために十分な性質及び継続時間を有する電磁エネルギー刺激のパルスを用いて前記ユーザの前記肌領域を照射することが、少なくとも、1平方センチメートル当たり約2ミリワット(mW/cm2)のピーク放射照度を有する第1の連続的電磁照射刺激と、約0.5mW/cm2のピーク放射照度を有する第2の連続的電磁照射刺激とを、同時に又は連続して放射することを含む、態様16に記載のスキンケア方法。
態様を含む。