(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記局所温度検出センサは、前記ビームの光軸を通して前記被照射部から導かれる電磁波の強度に基づいて、前記ビームの前記被照射部の前記局所温度を計測するように構成された放射温度計を含む、請求項1又は2に記載の三次元積層造形装置の内部欠陥検出システム。
前記候補位置特定部は、前記変化量から前記ビームの出力変化の影響を除いた結果に基づいて、前記候補位置を特定する請求項1から3のいずれか一項に記載の三次元積層造形装置の内部欠陥検出システム。
前記欠陥判断部によって前記内部欠陥が存在すると判断された場合に、その旨を警告するための警告部を更に備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の三次元積層造形装置の内部欠陥検出システム。
前記欠陥判断部は、前記ビームの入熱量に応じて前記ビームが照射されるサイクルから所定サイクル後に前記内部欠陥が存在するか否かを判断する、請求項1から5のいずれか一項に記載の三次元積層造形装置の内部欠陥検出システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のような三次元積層造形方法では、層状の焼結層を繰り返し積層することにより、大きな三次元形状物を形成するため、その完成までには、長い作業時間を要する。特に鉄、銅、アルミニウム又はチタン等の金属粉末を用いる場合、その作業時間は数十時間にも及ぶのが実情である。
【0005】
また、この種の三次元積層造形方法では、従来、造形作業が進行している最中に造形欠陥を検査する技術がないため、一連の造形作業が完了した後に不良品検査を実施することによって品質評価を行っている。特に、製造される三次元形状物に存在する内部欠陥は、外観から判別できないため、非破壊検査によって検出されている。このような造形作業後の検査で内部欠陥が発見された場合、その三次元形状物は不良品として廃棄処分せざるを得ず、それまでにかかった長い作業時間が無駄となってしまう。これは、三次元積層造形法における生産性を向上する妨げとなっている。
【0006】
本発明の少なくとも一実施形態は上述の事情に鑑みなされたものであり、造形作業中に内部欠陥をリアルタイムで検知可能な内部欠陥検出システム、当該内部欠陥検出システムを備える三次元積層造形装置、及び、内部欠陥検出方法を提供することを目的とする。また当該造形欠陥検出方法を利用することにより、良好な品質を有する三次元積層造形物の製造方法、及び、当該製造方法によって製造される三次元積層造形物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る三次元積層造形装置の内部欠陥検出システムは上記課題を解決するために、パウダーベッドにビームを照射して積層造形する三次元積層造形装置の内部欠陥検出システムであって、前記パウダーベッドにおける前記ビームの被照射部の局所温度を計測するための局所温度検出センサと、前記パウダーベッドのうち前記被照射部を含む検出対象エリアの温度分布を検出するための温度分布検出センサと、前記局所温度検出センサにより検出される前記局所温度の前記パウダーベッド上の面内位置に対する変化量に基づいて、前記検出対象エリア内における内部欠陥の候補位置を特定する候補位置特定部と、前記温度分布検出センサで検出される前記温度分布から前記候補位置における冷却速度を算出する冷却速度算出部と、前記候補位置における前記冷却速度に基づいて、前記候補位置に内部欠陥が存在するか否かを判断する欠陥判断部と、を備える。
【0008】
上記(1)の構成によれば、局所温度検出センサによって、パウダーベッド上のビームが照射される被照射部の局所温度が計測される。候補位置特定部は、局所温度検出センサの計測結果に関してパウダーベッド上の面内位置に対する変化量を算出し、その変化量に基づいて検出対象エリア内における内部欠陥の候補位置を特定する。一方、温度分布検出センサによって、被照射部を含む検出対象エリアの温度分布が検出される。冷却速度算出部は、温度分布検出センサの計測結果に基づいて、候補位置特定部によって特定された候補位置における冷却速度を算出する。そして、欠陥判断部は、冷却速度算出部で算出された冷却速度に基づいて、候補位置に内部欠陥が存在するか否かを判断する。
【0009】
このように本構成では、まずビームの被照射部における局所温度に基づいて、内部欠陥が存在する可能性がある候補位置が特定される。そして、被照射部を含む検出対象エリアにおける温度分布における冷却速度に基づいて、候補位置における内部欠陥の有無が更に判断される。このように複数の観点(局所温度と温度分布)に基づいた判断を行うことで、パウダーベッド上の広い範囲から内部欠陥を効率的且つ精度よく検出できる。また、このような検査は、パウダーベッドにビームを照射する造形作業中にリアルタイムで実施できるため、内部欠陥が検出された場合に、早期に造形作業を中断したり、中止するなど、適切な対応をとることで、その後の無駄な作業時間が生じることを回避できる。その結果、従来のように造形物が完成した後に検査を行う場合に比べて、無駄な作業期間が生じることを回避でき、良好な生産効率が得られる。
【0010】
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の構成において、前記候補位置特定部は、前記変化量が周囲より大きい位置を前記候補位置として特定する。
【0011】
上記(2)の構成によれば、ビーム照射位置の下部にて内部欠陥が存在する位置では、施工面下に存在する空洞の影響で断熱性が増加するため、ビームが照射された位置での局所温度は高くなり、局所温度の変化量に基づいて内部欠陥の候補位置が特定される。例えば、造形面上を走査しながらビーム照射による溶融池における局所温度を連続的に測定すると、その下部に欠陥があれば断熱性の違いから欠陥が存在しない隣位置との温度差が大きくなる。このように局所温度の変化量が周囲に比べて大きい位置に内部欠陥が存在する可能性が高いため、内部欠陥の候補位置として特定される。これにより、広い検出対象エリアから内部欠陥が存在する可能性がある候補位置を効率的に絞り込むことができる。
また欠陥判断部では、冷却速度に基づいて候補位置における内部欠陥の有無を判断するが、内部欠陥がある位置ではビーム照射位置の下部に存在する空洞の影響によって断熱性が増加することから、冷却速度もまた変化する。そのため、内部欠陥が存在する位置では、その隣位置との間で冷却速度を比較すると、内部欠陥が存在しない位置に比べて冷却速度の変化が周囲に比べて大きくなる。欠陥判断部では、このような冷却速度の変化に基づいて候補位置における内部欠陥の有無を判断する。
【0012】
(3)幾つかの実施形態では上記(1)又は(2)の構成において、前記局所温度検出センサは、前記ビームの光軸を通して前記被照射部から導かれる電磁波の強度に基づいて、前記ビームの前記被照射部の前記局所温度を計測するように構成された放射温度計を含む。
【0013】
上記(3)の構成によれば、局所温度検出センサは、ビームの光軸を通して被照射部から導かれる電磁波(例えばビームの被照射部からの反射光)に基づいて局所温度を計測する。このように局所温度検出センサは、ビームが照射される被照射部からの電磁波に基づいて温度を検出することで、局所的な位置における温度を精度よく測定できる。またレーザ光は造形パターンに応じてパウダーベッド上を高速で走査されるが、このような高速走査に対して良好な追従性も得られる。
【0014】
(4)幾つかの実施形態では上記(1)から(3)のいずれか一構成において、前記候補位置特定部は、前記変化量から前記ビームの出力変化の影響を除いた結果に基づいて、前記候補位置を特定する。
【0015】
上記(4)の構成によれば、ビーム自体の出力変化の影響を排除した結果に基づいて候補位置の特定を行うことで、内部欠陥に起因する変化量を的確に評価でき、精度のよい内部欠陥の検出ができる。
【0016】
(5)幾つかの実施形態では上記(1)から(4)のいずれか一構成において、前記欠陥判断部によって前記内部欠陥が存在すると判断された場合に、その旨を警告するための警告部を更に備える。
【0017】
上記(5)の構成によれば、上記構成において内部欠陥が存在すると判断された場合に、その旨を警告することで、造形作業を中断したり、中止するなど、適切な対応をとることが可能となる。
尚、警告部による警告行為は、オペレータなどの人間の五感に知覚可能な態様で対応行動を促すものであってもよいし、造形作業を実施している三次元積層造形装置に対して電気的又は機械的な態様で自動制御を実施するように指示するものであってもよい。
【0018】
(6)幾つかの実施形態では上記(1)から(5)のいずれか一構成において、前記欠陥判断部は、前記ビームの入熱量に応じて前記ビームが照射されるサイクルから所定サイクル後に前記内部欠陥が存在するか否かを判断する。
【0019】
上記(6)の構成によれば、パウダーベッドに照射されるビームの入熱量に応じて、パウダーベッドを敷設するサイクルより所定サイクル後に、溶け込み深さに応じて形成される内部欠陥の有無を判断する。これにより、新たに敷設されるパウダーベッドより下層側に存在する内部欠陥を的確に検出することができる。
【0020】
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る三次元積層造形装置は上記課題を解決するために、ベースプレートと、前記ベースプレート上に形成されるパウダーベッドにビームを照射し、前記パウダーベッドを選択的に固化するためのビーム照射ユニットと、前記ビーム照射ユニットにより形成された造形層における内部欠陥を検出するように構成された上記(1)から(6)のいずれか一構成の内部欠陥検出システムと、を備える。
【0021】
上記(7)の構成によれば、上述の内部欠陥検出システム(上記各種態様を含む)を備えることで、造形作業中に内部欠陥が検出された際に、造形作業を中断したり、中止するなど、適切な対応をとることで、その後の無駄な作業時間が生じることを防止できる。その結果、従来のように造形物が完成した後に検査を行う場合に比べて、無駄な作業期間が生じることを回避でき、良好な生産効率を達成できる。
【0022】
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る内部欠陥検出方法は上記課題を解決するために、パウダーベッドにビームを照射して積層造形する三次元積層造形装置の内部欠陥検出方法であって、前記パウダーベッドにおける前記ビームの被照射部の局所温度を計測する工程と、前記パウダーベッドのうち前記被照射部を含む検出対象エリアの温度分布を検出する工程と、前記局所温度の前記パウダーベッド上の面内位置に対する変化量に基づいて、前記検出対象エリア内における内部欠陥の候補位置を特定する工程と、前記温度分布から前記候補位置における冷却速度を算出する工程と、前記候補位置における前記冷却速度に基づいて、前記候補位置に前記内部欠陥が存在するか否かを判断する工程と、を備える。
【0023】
上記(8)の方法は、上述の内部欠陥検出システム(上記各種態様を含む)によって好適に実施可能である。
【0024】
(9)本発明の少なくとも一実施形態に係る三次元積層造形物の製造方法は上記課題を解決するために、層状に敷設された粉末にビームを照射して積層造形を行う三次元積層造形物の製造方法であって、ベースプレート上に前記粉末を敷設してパウダーベッドを形成する工程と、前記パウダーベッドに前記ビームを照射することにより、前記パウダーベッドを選択的に固化する工程と、前記パウダーベッドにおける前記ビームの被照射部の局所温度を計測する工程と、前記パウダーベッドのうち前記被照射部を含む検出対象エリアの温度分布を検出する工程と、前記局所温度の前記パウダーベッド上の面内位置に対する変化量に基づいて、前記検出対象エリア内における内部欠陥の候補位置を特定する工程と、前記温度分布から前記候補位置における冷却速度を算出する工程と、前記候補位置における前記冷却速度に基づいて、前記候補位置に前記内部欠陥が存在するか否かを判断する工程と、前記内部欠陥が存在すると判断された場合に、前記内部欠陥の修復作業を実施する工程と、を備える。
【0025】
上記(9)の製造方法によれば、内部欠陥が少ない高品質な三次元積層造形物を製造できる。
【0026】
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る三次元積層造形物は上記課題を解決するために、層状に敷設された粉末にビームを照射して積層造形を行うことにより製造される三次元積層造形物であって、ベースプレート上に前記粉末を敷設してパウダーベッドを形成し、前記パウダーベッドに前記ビームを照射することにより、前記パウダーベッドを選択的に固化し、前記パウダーベッドにおける前記ビームの被照射部の局所温度を計測し、前記パウダーベッドのうち前記被照射部を含む検出対象エリアの温度分布を検出し、前記局所温度の前記パウダーベッド上の面内位置に対する変化量に基づいて、前記検出対象エリア内における内部欠陥の候補位置を特定し、前記温度分布から前記候補位置における冷却速度を算出し、前記候補位置における前記冷却速度に基づいて、前記候補位置に前記内部欠陥が存在するか否かを判断し、前記内部欠陥が存在すると判断された場合に、前記内部欠陥の修復作業を実施することで製造される。
【0027】
上記(10)の三次元積層造形物は、内部欠陥が少なく高品質である。
【発明の効果】
【0028】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、造形作業中に内部欠陥をリアルタイムで検知可能な内部欠陥検出システム、当該内部欠陥検出システムを備える三次元積層造形装置、及び、内部欠陥検出方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0031】
図1は、本発明の少なくとも一実施形態に係る三次元積層造形装置1の全体構成を示す模式図である。
【0032】
三次元積層造形装置1は、層状に敷設された粉末にビームを照射して積層造形を行うことにより三次元形状物を製造するための装置である。三次元積層造形装置1は、三次元形状物が造形される土台となるベースプレート2を備える。ベースプレート2は、鉛直方向に沿った中心軸を有する略円筒形状のシリンダ4の内側に昇降可能に配置されている。ベースプレート2上には、後述するように粉末が敷設されることによりパウダーベッド8が形成される。パウダーベッド8は、造形作業の間、各サイクルにてベースプレート2が下降する毎に、上層側に粉末が敷設されることにより新たに形成される。
尚、本実施形態の三次元積層造形装置1ではビームとして光ビームを照射する場合を示すが、電子ビーム等の他の形態のビームを使用する場合にも、本発明の思想は同様に適用可能である。
【0033】
三次元積層造形装置1は、ベースプレート2上に粉末を敷設してパウダーベッド8を形成するための粉末敷設ユニット10を備える。粉末敷設ユニット10は、ベースプレート2の上面側に粉末を供給し、その表面を平坦化することによって、ベースプレート2の上面全体に亘って略均一な厚さを有する層状のパウダーベッド8を形成する。各サイクルで形成されたパウダーベッド8には、後述するビーム照射ユニット14からビームが照射されることによって選択的に固化され、次サイクルにて、粉末敷設ユニット10によって再び上層側に粉末が敷設されることで、新たなパウダーベッドが形成されることによって、層状に積み重ねられていく。
【0034】
尚、粉末敷設ユニット10から供給される粉末は、三次元形状物の原料となる粉末状物質であり、例えば鉄、銅、アルミニウム又はチタン等の金属材料や、セラミック等の非金属材料を広く採用可能である。
【0035】
三次元積層造形装置1は、パウダーベッド8を選択的に固化するようにパウダーベッド8にビームを照射するためのビーム照射ユニット14を備える。ここで
図2は
図1のビーム照射ユニット14の内部構成を示す模式図である。ビーム照射ユニット14は、ビームとしてレーザ光を出力する光源18と、光源18からのビームを集光部25に案内するための光ファイバ22と、複数の光学部材からなる集光部25と、を備える。
【0036】
集光部25では、光ファイバ22によって案内されたビームが、コリメータ24に入射する。コリメータ24はビームを平行光に集束する。コリメータ24からの出射光は、アイソレータ26及びピンホール28を介して、ビームエキスパンダ30に入射する。ビームはビームエキスパンダ30で拡径された後、任意方向に揺動可能なガルバノミラー32によって偏向され、fθレンズ34を介してパウダーベッド8に照射される。
【0037】
ビーム照射ユニット14から照射されるビームは、パウダーベッド8上にて、その表面に沿って二次元的に走査される。このようなビームの二次元走査は、造形目的となる三次元形状物に応じたパターンで実施され、例えばビーム照射ユニット14が不図示の駆動機構によってベースプレート2の表面に沿って移動することによって行われてもよいし、ガルバノミラー32の角度が制御されることによって行われてもよいし、或いは、これらの組み合わせによって行われてもよい。
【0038】
このような構成を有する三次元積層造形装置1では、各サイクルにおいて、粉末敷設ユニット10によってベースプレート2上に粉末を敷設することでパウダーベッド8が形成され、当該パウダーベッド8に対してビーム照射ユニット14からビームを照射しながら二次元走査することで、パウダーベッド8に含まれる粉末が選択的に固化される。造形作業では、このようなサイクルが繰り返し実施されることで、固化された成形層が積層され、目的となる三次元形状物が製造される。
【0039】
また三次元積層造形装置1は、パウダーベッド8におけるビームの被照射部35の局所温度を計測するための局所温度検出センサ36を有する。本実施形態では、局所温度検出センサ36は、ビーム照射ユニット14と一体的に構成されている。具体的には
図2に示されるように、ビームの光軸を通して被照射部35から導かれる電磁波(パウダーベッド8に照射されるビームの反射光)の強度に基づいて、ビームの被照射部35の局所温度を計測するように構成された放射温度計であり、パイロメータ40を含んで構成されている。パイロメータ40は、アイソレータ26とピンホール28の間に配置されたダイクロックミラー43によって抽出された反射光の一部について熱放射を感知し、シュテファン=ボルツマンの法則に基づいて局所温度を計測する。局所温度検出センサ36の計測結果は、電気的信号として後述する制御装置100に送られ、各種処理に用いられる。
【0040】
このように局所温度検出センサ36は、ビームがピンポイントに照射される被照射部35から導かれるビームの反射光に基づいて局所温度を計測するため、局所的な温度を精度よく測定できる。また局所温度検出センサ36はビーム照射ユニット14と一体的に構成されており、パウダーベッド8に照射されるビームと同じ経路を伝播する反射波に基づいて温度計測を行うため、高速走査されるビームに対して良好な追従性が得られる。
【0041】
また三次元積層造形装置1は、パウダーベッド8のうち被照射部35を含む検出対象エリア44の温度分布を検出するための温度分布検出センサ46が設けられている。ここで検出対象エリア44は、少なくともビームが照射される被照射部35より広い面積を有するエリアであり、温度分布検出センサ46は、当該エリアにおける二次元的な温度分布を検出可能に構成されている。
【0042】
このような温度分布検出センサ46は、例えば、検出対象エリア44を計測範囲とする二色温度計(パイロカメラ)や赤外線カメラから構成され、例えば造形エリアの天井や壁面にパウダーベッド8上の検出対象エリア44に向かうように設置される。また温度分布検出センサ46は、二次元走査されるビームに追従するように検出対象エリア44が移動するように駆動されてもよい。例えば、温度分布検出センサ46は、検出対象エリア44の中心に被照射部35が常に位置するように追従制御されてもよい。そして、温度分布検出センサ46の計測結果は、上述の局所温度検出センサ36と同様に、電気的信号として後述する制御装置100に送られ、各種処理に用いられる。
【0043】
また三次元積層造形装置1は、オペレータや外部機器に対して異常発生を認識させるための警告部48を備える。認識対象がオペレータ等の人間である場合には、視覚や聴覚などの五感によって認識可能な態様で、例えば、異常発生を警告するためのブザーやインジケータによって構成される。また認識対象が外部機器である場合には、外部機器によって認識可能な電気的信号が送信されるように構成されており、外部機器はこの電気的信号を受信することで、所定の対応動作が自動的に実施されるように構成されてもよい。
【0044】
制御装置100は、三次元積層造形装置1のコントロールユニットであり、例えばコンピュータのような電子演算装置によって構成される。典型的には、各種情報を入力可能な入力デバイス、各種情報を記憶可能な記憶デバイス、各種情報を演算可能な演算デバイス、各種情報を出力可能な出力デバイスを含んで構成されるが、これら電子演算装置の一般的構成については公知の例に倣うこととし、ここでは詳しい説明は省略する。このような制御装置100は、予め記憶デバイスに記憶されたプログラムに従って動作することにより、本発明の少なくとも一実施形態に係る内部欠陥検出方法を実施するように構成されている。
【0045】
図3は
図1の制御装置100の内部構成を機能的に示すブロック図である。尚、
図3では、制御装置100の機能的構成のうち、後述する制御内容に関する構成のみを代表的に示しており、必要に応じて他の構成を備えていてもよい。
【0046】
制御装置100は、局所温度検出センサ36により検出される局所温度のパウダーベッド8上の面内位置に対する変化量に基づいて、内部欠陥の候補位置を特定する候補位置特定部102と、温度分布検出センサ46で検出される温度分布から候補位置における冷却速度を算出する冷却速度算出部104と、候補位置における冷却速度に基づいて、候補位置に内部欠陥が存在するか否かを判断する欠陥判断部106と、欠陥判断部106によって内部欠陥が存在すると判断された場合に、その旨を警告するための警告通知部108とを備える。
【0047】
候補位置特定部102は、局所温度検出センサ36により検出される局所温度のパウダーベッド8上の面内位置に対する変化量に基づいて、内部欠陥の候補位置を特定する。ビーム照射ユニット14は、三次元積層造形装置1によって造形される造形物に応じて設定されるパターンに従って、パウダーベッド8上をビームで二次元走査する。ここで局所温度検出センサ36は、
図2を参照して上述したように、ビーム照射ユニット14と一体的に構成されているため、ビームが照射される被照射部35の局所温度を、ビームの走査と共にリアルタイムに逐次測定する。
【0048】
ここで
図4は局所温度検出センサ36の測定結果の一例であり、
図5は局所温度検出センサ36で測定された局所温度の時間的変化を位置座標に変換する概念を示す模式図であり、
図6は
図4の測定結果に基づいて得られる局所温度のマッピング例である。
【0049】
図4に示されるように、局所温度検出センサ36の計測値は、被照射部35における局所温度の時間的変化として取得される。この例では、時刻t0からt6の間に計測された局所温度の時間変化が示されているが、この間に被照射部35は、
図5に示されるように、ビームの走査パターンに従って移動している。
図5では、時刻t0に位置(x0、y0)にある被照射部35が、時刻t1に位置(x1、y1)、時刻t2に位置(x2、y2)、時刻t3に位置(x3、y3)、時刻t4に位置(x4、y4)、時刻t5に位置(x5、y5)、時刻t6に位置(x6、y6)を通るように、パウダーベッド8上をビームがジグザグ状に走査される様子が示されている。
【0050】
このように、
図4における局所温度の時間的変化に含まれる各点は、それぞれ
図5に示される走査経路の各点に対応する局所温度を示している。そのため、ビームの走査パターンに基づいて、
図4の時間軸と
図5の走査経路の各点(パウダーベッド8上の面内位置)との関係を予め把握しておくことで、
図4で時間パラメータに対する局所温度を、位置パラメータに対する局所温度に変換することができる。このように
図4の局所温度の時間的変化を、面内位置に変換することにより、
図6に示される局所温度のマッピングが得られる。
【0051】
候補位置特定部102では、このような局所温度のマッピングに基づいて、内部欠陥の候補位置が特定される。本実施形態では特に、内部欠陥が存在する位置では断熱効果が大きくなることに鑑みて、パウダーベッド8上の面内位置に対する局所温度の変化量が周囲より大きい位置が候補位置として特定される。
図6では、局所温度が高い領域ほど白色に近く、局所温度が低い領域ほど黒色に近く示されているため、例えば白色矢印で示される位置のように変化量が大きい位置が候補位置として特定される(尚、
図6では候補位置が多数存在するため、いくつかの候補位置のみを代表的に白色矢印で示している)。つまり、造形面上を走査しながらビーム照射による溶融池における局所温度を連続的に測定すると、その下部に欠陥があれば断熱性の違いから欠陥が存在しない隣位置との温度差が大きくなる。このように局所温度の変化量が周囲に比べて大きい位置に内部欠陥が存在する可能性が高いため、内部欠陥の候補位置として特定される。
【0052】
尚、ビーム照射ユニット14から照射されるビームは、
図5のように走査される間に出力レベルが変化する場合があるが、このような場合、局所温度の変化量から当該出力レベルの変化による影響を排除した結果に基づいて、候補位置を特定するとよい。これにより、内部欠陥の存在による影響のみを抽出して候補位置を精度よく特定することができる。
【0053】
冷却速度算出部104は、温度分布検出センサ46で検出される検出対象エリア44の温度分布が取得され、その結果に基づいて、候補位置における冷却速度を算出する。ここで
図7は、温度分布検出センサ46で検出された検出対象エリア44の温度分布の一例である。
図7では、温度が高い領域ほど白色に近く、温度が低領域ほど黒色に近く示されている。冷却速度算出部104は、このような検出対象エリア44の温度分布を時間的に連続取得することで、各点の時間的な温度変化を測定し、冷却速度を算出する。
図8は
図7の温度分布に基づいて算出される検出対象エリア44における冷却速度分布の一例であり、冷却速度が大きい領域ほど白色に近く、冷却速度が小さい領域ほど黒色に示されている。
【0054】
欠陥判断部106は、候補位置特定部102で特定された候補位置の各々について、冷却速度算出部104で算出された冷却速度に基づいて内部欠陥が存在するか否かを判断する。上述のように、内部欠陥がある位置ではビーム照射位置の下部に存在する空洞の影響によって断熱性が増加することから、冷却速度もまた変化する。そのため、内部欠陥が存在する位置では、その隣位置との間で冷却速度を比較すると、内部欠陥が存在しない位置に比べて冷却速度の変化が周囲に比べて大きくなる。本実施形態では、欠陥判断部106は、内部欠陥が存在する位置では断熱効果が大きくなることに鑑みて、予め内部欠陥が存在しない場合の冷却速度の基準値を設定しておき、冷却速度算出部104で算出された冷却速度が当該基準値未満である場合に内部欠陥が存在すると判断する。
【0055】
警告通知部108は、欠陥判断部106によって内部欠陥が存在すると判断された場合に、警告部48を作動させることにより、その旨を警告する。
【0056】
続いて上記構成を有する三次元積層造形装置1の制御内容について詳しく説明する。
図9は
図1の三次元積層造形装置1の制御内容を工程毎に示すフローチャートである。尚、三次元積層造形装置1は、造形目的となる三次元形状物を構成するために造形サイクルを繰り返して工程を進めていくが、以下の説明では、n(任意の自然数)回目の造形サイクルを例に説明する。
【0057】
まず三次元積層造形装置1は、ベースプレート2又はベースプレート上に既に敷設された(nー1)層目のパウダーベッド8上に粉末を敷設するように粉末敷設ユニット10を制御し、n層目のパウダーベッド8を形成する(ステップS101)。ここで新たに形成されるパウダーベッド8の層厚tnは、例えば数10μmである。
【0058】
続いて三次元積層造形装置1は、ビーム照射ユニット14を制御することにより、ステップS101で形成されたn層目のパウダーベッド8に対して、造形目的となる三次元形状物に対応した照射条件を設定し(ステップS102)、当該設定された照射条件に基づいてビームを照射して造形作業を開始する(ステップS103)。
【0059】
そしてビーム照射ユニット14によってレーザ光を照射及び走査しながら、局所温度検出センサ36及び温度分布検出センサ46の計測値を取得する(ステップS104)。局所温度検出センサ36及び温度分布検出センサ46の計測値は、電気的信号として制御装置100に取り込まれる。
【0060】
続いて制御装置100では、ステップS104で取り込まれた計測値に基づいて、内部欠陥の存在が判断される(ステップS105)。制御装置100は、
図3を参照して上述したように、候補位置特定部102と、冷却速度算出部104と、欠陥判断部106と、警告通知部108と、を備えている。各部位における制御内容については上述の通りであるが、本ステップにおける具体的な判断方法について
図10を参照して具体的に説明する。
図10は、
図9のステップS105のサブルーチンを工程毎に示すフローチャートである。
【0061】
まず候補位置特定部102は、局所温度検出センサ36の計測値を取得する(ステップS105a)。ここで候補位置特定部102が取得する測定値は、
図4に示されるような局所温度の時間的変化である。一方で候補位置特定部102は、ステップS102で設定された照射条件に基づいてパウダーベッド8上におけるビームの照射パターン(
図5を参照)を把握することにより、局所温度の時間的変化を面内位置に対応するように空間分解(位置座標変換)する(ステップS105b)。これにより、
図6のようなパウダーベッド8上における局所温度のマッピングが作成される(ステップS105c)。そして候補位置特定部102は、
図6にて白色矢印で示されるように、局所温度の変化量が周囲に比べて大きい位置を候補位置として特定する(ステップS105d)。
【0062】
続いて冷却速度算出部104は、ステップS105dで特定された候補位置において、温度分布検出センサ46の計測値を取得する(ステップS105e)。ここで冷却速度算出部104が取得する測定値は、
図7に示されるような二次元的な温度分布である。冷却速度算出部104は、このような温度分布を時間的に連続取得することで、候補位置における冷却速度を算出し(ステップS105f)、
図8に示されるような冷却速度のマッピングを作成する(ステップS105g)。
【0063】
そして欠陥判断部106は、ステップS105dで特定された候補位置について、ステップS105gで作成された冷却速度のマッピングに基づいて造形欠陥が存在するか否かを判断する(ステップS105h)。本実施形態では、欠陥判断部106は、内部欠陥が存在する位置では断熱効果が大きくなることに鑑みて、予め内部欠陥が存在しない場合における冷却速度の基準値を設定しておき、冷却速度算出部104で算出された候補位置における冷却速度が当該基準値未満である場合に、その候補位置に内部欠陥が存在すると判断する。
【0064】
再び
図9に戻って、このような判断処理によって、候補位置に内部欠陥が存在すると判断された場合(ステップS105:YES)、警告通知部108は警告部48を作動させることにより、その旨を警告する(ステップS109)。これによってオペレータ等の作業者は内部欠陥の存在を認識することができ、その後の造形作業を中断したり、中止するなど、適切な対応をとることが可能となる。例えば、内部欠陥が存在すると判断された場合、造形作業を中断するとともに、内部欠陥が存在すると判断された箇所に対してビームの再照射や粉末の再敷設のような内部欠陥を修復するための修復作業が実施される。このような修復作業が完了すると、造形作業の中断状態は解除され、積層造形が継続される。
【0065】
一方、内部欠陥が存在しないと判断された場合(ステップS105:NO)、制御装置100は造形サイクルが十分繰り返されることにより、一連の造形作業が処理が完了したか否かを判定する(ステップS106)。造形処理が完了していない場合(ステップS106:NO)、制御装置100は処理をステップS101に戻して(n+1)層目の造形処理に移行する(ステップS108)。このように、造形作業を繰り返している間、制御装置100は内部欠陥の存在をリアルタイムに監視し、内部欠陥が発見された時点で警告がなされる。
【0066】
その後、造形サイクルが十分繰り返されて造形作業が完了すると(ステップS106:YES)、完成した三次元造形物に対して必要に応じて非破壊検査を実施する(ステップS107)。この非破壊検査は、上述の内部欠陥検査とは独立して実施されるものであり、より確実に品質を担保するためのものであり、必要に応じて省略されてもよい。この非破壊検査で完成品に不良がないことが確認された場合は、一連の造形作業は完了する(終了)。
尚、本実施形態においてもステップS107の非破壊検査で何らかの異常が発見される可能性を完全に排除することはできないかもしれないが、上述したように造形作業中に内部欠陥の検査がリアルタイムに実施されるため、最終的な非破壊検査で異常が発見される可能性を効果的に低くできる。
【0067】
<変形例>
上述の実施形態では、全サイクルにおいて内部欠陥の検査が一律に実施される場合を例示したが、以下の変形例のように、各サイクルにおいて内部欠陥の検査を適切なタイミングで実施するようにしてもよい。
図11は、
図9の変形例を示すフローチャートである。
【0068】
この変形例では、まず三次元積層造形装置1は、ステップS101と同様に、ベースプレート2又はベースプレート上に既に敷設された(nー1)層目のパウダーベッド8上に粉末を敷設するように粉末敷設ユニット10を制御し、n層目のパウダーベッド8を形成する(ステップS201)。そして三次元積層造形装置1は、ステップS102と同様に、ビーム照射ユニット14を制御することにより、形成されたn層目のパウダーベッド8に対して、造形目的となる三次元形状物に対応した照射条件を設定する(ステップS202)。尚、この照射条件には、後述するように、パウダーベッド8にビームが照射されることによって形成される溶込部8aの溶け込み深さを評価するために必要な情報、例えばビームによる入熱量に関する情報が含まれている。
【0069】
続いて三次元積層造形装置1は、ステップS202で設定された照射条件に基づいて、内部欠陥50の有無を判断すべきサイクルを決定する(ステップS203)。ここで
図12は、ビームによってパウダーベッド8に形成される溶込部8aを示す模式図である。
図12では、複数サイクルにわたって形成された複数層のパウダーベッド8が示されており、所定の出力レベルを有するビームが照射されることで、溶込深さLを有する溶込部8aが形成されている様子が示されている。
【0070】
ここで溶込部8aの溶込深さLは、パウダーベッド8に照射されるビームの入熱量Hに依存する。特に、ビームの入熱量Hが大きくなるほど、溶け込み深さLも大きくなる。入熱量Hが大きなビームでは、
図12に示されるように、複数層にわたって溶込部8aが形成される。この場合、ステップS201で敷設されるn層目のパウダーベッド8
nより下層側(
図12では、nー2層目のパウダーベッド8
n−2)に内部欠陥50が生じやすくなる。そのため、下層側に生じる内部欠陥50を検出するためには、内部欠陥50が存在するパウダーベッド8
n−2が形成されるサイクルより後のサイクルで、内部欠陥50の検出検査を行う必要がある。
【0071】
ステップS203では、このような内部欠陥50の性質に鑑み、繰り返し実施される造形サイクルのうちどのサイクルで内部欠陥50の検出検査を実施すべきかが決定される。具体的に説明すると、
図12の例では、最上層のパウダーベッド8より2層分だけ下層側に内部欠陥50が存在しているので、パウダーベッド8の形成サイクルより2サイクル後に検査を実施すべきと決定される。
【0072】
尚、ステップS203では、ビームの入熱量Hとパウダーベッド8に形成される溶け込み深さLとの関係を予めマップのように規定しておき、ステップS202で設定された照射条件から特定される入熱量Hに基づいて、溶け込み深さLを推定するようにしてもよい。
【0073】
続いて三次元積層造形装置1は、造形サイクルを進行させ(ステップS204)、ステップS203で決定された造形サイクルに達したか否かを判定する(ステップS205)。ステップS203で決定された造形サイクルに達した場合(ステップS205:YES)、上述のステップS104と同様に、ビーム照射ユニット14によってレーザ光を照射しながら、局所温度検出センサ36及び温度分布検出センサ46の計測値を取得する(ステップS206)。続いて制御装置100は、ステップS105と同様に、ステップS206で取り込まれた計測値に基づいて、内部欠陥の有無を判断する(ステップS207)。これによって、内部欠陥50が存在する深さに応じて、適切なタイミングで内部欠陥の有無を判断できるので、より精度よく内部欠陥の検査を実施できる。
【0074】
その結果、内部欠陥が存在すると判断された場合(ステップS207:YES)、警告通知部108は警告部48を作動させることにより、その旨を警告する(ステップS210)。これによってオペレータ等の作業者は内部欠陥の存在を認識することができ、その後の造形作業を中断したり、中止するなど、適切な対応をとることが可能となる。
【0075】
一方、内部欠陥が存在しないと判断された場合(ステップS207:NO)、一連の造形作業が処理が完了したか否かを判定する(ステップS208)。造形処理が完了していない場合(ステップS208:NO)、制御装置100は処理をステップS201に戻して次の造形処理に移行する。このように、造形作業を繰り返している間、制御装置100は内部欠陥の存在をリアルタイムに監視し、内部欠陥が発見された場合に警告することで、無駄な造形作業を回避できる。
【0076】
その後、造形サイクルが十分繰り返されて造形作業が完了すると(ステップS208:YES)、完成した三次元形状物に対して必要に応じて非破壊検査を実施する(ステップS209)。この非破壊検査で完成品に不良がないことが確認された場合は、一連の造形作業は完了する(終了)。
【0077】
以上説明したように本変形例によれば、ビームの入熱量に応じてビームが照射されるサイクルから所定サイクル後に内部欠陥が存在するか否かが判断されることで、内部欠陥が存在する深さに応じて適切なタイミングで検査を実施することができ、より精度のよい内部欠陥の検出が可能となる。
【0078】
このように本発明の少なくとも一実施形態によれば、造形作業中に内部欠陥をリアルタイムで検知可能な内部欠陥検出システム、当該内部欠陥検出システムを備える三次元積層造形装置、及び、内部欠陥検出方法を提供できる。