【実施例】
【0013】
以下、本発明の一実施例に係る眼科装置について図面を参照して説明する。
【0014】
[一実施形態]
図1、2には本発明に係る眼科装置の光学系の詳細を説明した図である。
図1は眼屈折力検査時における光学系を示す図であり、
図2は眼圧検査時における光学系を示す図である。そして、
図3は制御系を含めた本発明の一実施例に係る眼科装置の全体構成を説明するブロック図である。これら
図1から
図3を用いて本発明の一実施例に係る眼科装置について以下に説明する。
【0015】
眼科装置1は
図3に示すように、被検眼を検査するための光学系が配置されたヘッド部とヘッド部の中の光学系などを制御し、撮影された前眼部の画像や検査結果を表示するモニタなどを備えた本体部で構成される。検査時はヘッド部を本体部に対してXYZ(左右、上下、前後)方向に移動して被検眼の検査を実施する。
【0016】
(眼屈折力検査光学系)
図1には被検眼の眼屈折力検査時における全体光学系(眼屈折力検査光学系)を示す。眼屈折力検査光学系は、光源101からプロファイルセンサ107、108で構成されるアライメント光学系100、光源301、302から2次元撮像素子(CCD)306で構成される観察光学系300、固視標512から光源514及びリレーレンズ403、ミラー404で構成される固視光学系400及び光源501から平面ガラス511で構成される被検眼の眼屈折力を検出する眼屈折力光学系500から構成される。
図1に示すように眼屈折力検査光学系を構成する各光学系はその一部が共有される構成になっている。そして、見口部は回転されて、眼屈折力検査のための平面ガラス510及び511が配置される。
【0017】
(アライメント光学系100)
アライメント光学系100は、光源101からの光がホットミラー102で反射され、対物レンズ103を通り、ホットミラー104で反射された後、平面ガラス511、510を通り被検眼Eの角膜に照射する。本実施例では光源101は赤外光を出力するLEDが採用されている。
【0018】
角膜で反射された光は主光軸O1に対して対照的に配置された第1の検出部であるレンズ105及びプロファイルセンサ107、第2の検出部であるレンズ106及びプロファイルセンサ108で受光される。プロファイルセンサ107及びプロファイルセンサ108で得られた信号は本体部の制御装置600で処理され、XYZ駆動制御630によりヘッド部を被検眼に対してXYZアライメント(微調整)を実施する。後述するが、被検眼に対するヘッド部のアライメントは、モニタ650に表示された前眼部画像のアライメント光による輝点を検者が見て本体部に備えたジョイスティック640を操作して粗アライメントし、輝点が所定の範囲に入るとXYZ駆動制御630によりXYZのオートアライメントを実施するように制御される。
【0019】
(観察光学系300)
観察光学系300は、ヘッド部の被検眼側に配置された光源301及び光源302により被検眼の角膜部を含む前眼部領域を照射し、対物レンズ303、結像レンズ305及び2次元撮像素子(CCD)306により、被検眼の前眼部画像を取得して、取得した被検眼の前眼部画像をモニタ650に表示する。光源301及び光源302は赤外光を出力するLEDが採用されるが、アライメント用の光源101より短波長の光を採用する。そのため、ホットミラー104は観察用の光(観察光)は透過し、アライメント用の光(アライメント光、光源101からの光)は反射する。また、ダイクロイックミラー304は、観察光は透過するように反射/透過の波長領域が設定されている。これにより、アライメント光と観察光は適切に分割され、各々の測定を可能にしている。
【0020】
(固視光学系400)
固視光学系400は、光源514からの光をコリメータレンズ513で平行光とし、固視標512に照射する。そして、固視標からの光はホットミラー402、リレーレンズ403を透過した後、ミラー404で反射し、ホットミラー506を透過して、ダイクロイックミラー304で反射して主光軸O1を通り、対物レンズ303、ホットミラー104、平面ガラス511、510を透過して、被検眼の網膜上で結像する。そのため、固視標512と被検眼の網膜位置は略共役であることが望ましい。被検眼は固視標512に基づいて固視される。眼屈折力を検査する際は、一度、固視標と被検眼の網膜位置が略共役になるように固視標部(固視標512、コリメータレンズ513及び光源514)を移動制御して被検眼を固視させ、その後、所定距離移動して雲霧状態にしてから、眼屈折力を検査する。そのため、制御装置600からの信号により固視標部は光軸に沿って前後に移動可能となっている。光源514は光源401より短波長である被検者が視認可能な可視光を出力するLEDが採用される。
【0021】
(眼屈折力光学系500)
眼屈折力光学系500は光源501からの光(レフ光)が集光レンズ502で集光し、ミラー503で反射して穴あきミラー504の中心にある穴を通り、光軸O2に対して斜めに配置し、図示しない駆動部により光軸O2を中心に回転する平行平面ガラス505を透過した後、ホットミラー506及びダイクロイックミラー304で反射して光軸O1を通り、対物レンズ303、ホットミラー104、平面ガラス511及び平面ガラス510を透過して被検眼Eの網膜に照射する。そして、被検眼Eの網膜からの反射光は、照射時とは逆の経路で、平面ガラス510、平面ガラス511、ホットミラー104及び対物レンズ303を透過し、ダイクロイックミラー304及びホットミラー506で反射して光軸O2を通り、平行平面ガラス505を透過した後、穴あきミラー504で反射し、レンズ507を透過後リングレンズ508により、2次元撮像素子(CCD)509でリング状に結像(リング像)する。光源501は、アライメント光(光源101)や観察光(光源301及び302)より長波長の赤外光が採用されている。本実施例では、波長870nmのSLD(スーパールミネッセントダイオード)を採用しているが、これに限定するものではなく、光源101などに採用したLEDやレーザーダイオード(LD)を採用してもよい。
【0022】
ここで、平行平面ガラス505は被検眼Eの瞳孔に共役となる位置に配置されている。レフ光(光源501からの光)は、光軸O2に対して斜めに配置した平行平面ガラス505に入射すると屈折して光軸O2に対して所定距離(例えばΔH)ずれる。上述のように、平行平面ガラス505は光軸O2を中心に回転するため、平行平面ガラス505を透過したレフ光は平行平面ガラス505の位置で、半径ΔHで回転する。平行平面ガラス505は被検眼Eの瞳孔位置と共役な位置に配置されているため、被検眼Eの瞳孔位置で所定(一定)の半径(例えばΔh)で回転しながら被検眼Eの網膜上に照射する。このため、レフ光は被検眼Eの網膜上で被検眼Eの眼屈折力に応じた大きさや形状を持つ円状に結像される。CCD509は被検眼Eの網膜と共役の位置に配置されているため、CCD509で取得したリング像を解析することにより、被検眼の眼屈折力を求めることができるのである。
【0023】
(眼圧検査光学系)
図2には被検眼の眼圧検査時における全体光学系(眼圧検査光学系)を示す。眼圧検査光学系は、光源101からプロファイルセンサ107、108で構成されるアライメント光学系100、光源301、302から2次元撮像素子(CCD)306で構成される観察光学系300、光源401からミラー404で構成される固視光学系400及び光源201からノズル205、平面ガラス206で構成される被検眼の角膜の変形度合いを検出する変位変形検出受光光学系200から構成される。
図1に示すように眼圧検査光学系を構成する各光学系はその一部が共有される構成になっている。そして、見口部は回転されて、眼圧検査のためのノズル205が配置される。
【0024】
アライメント光学系100と観察光学系300は上述の眼屈折力検査時と同じであるので、ここでは、説明を省略する。固視光学系400は眼屈折力検査時とは一部異なるため、以下に説明する。
【0025】
(固視光学系400:眼圧検査)
眼圧を検査する場合は、眼屈折力検査時に用いた光源514を消灯して、別の光源である光源401を点灯する。光源401からの光(固視光)をホットミラー402で反射し、リレーレンズ403を通り、反射ミラー404で反射した後、ホットミラー506を透過し、ダイクロイックミラー304で反射して主光軸O1を通り、対物レンズ303、ホットミラー104を通って、被検眼Eの網膜上で結像する。被検眼Eは固視光に基づいて固視され、眼圧検査などの眼特性の検査が可能になる。光源401は被検者が視認可能な可視光を出力するLEDが採用される。
【0026】
(変位変形検出受光光学系200)
変位変形検出受光光学系200は、光源201からの光(変形検出光)の一部がハーフミラー202と透過後、ホットミラー102、対物レンズ103を透過し、ホットミラー104で反射して主光軸O1を通り、平面ガラス206、ノズル205の開口部を通って、被検眼の角膜に照射する。角膜に照射した光は角膜で反射し、逆の経路で、ノズル205の開口部、平面ガラス206を通過し、ホットミラー104で反射して対物レンズ103、ホットミラー102を通り、その一部がハーフミラー202で反射され、集光レンズ203により、受光素子204で受光される。後述するが、眼圧検査時は、ノズル205から圧縮された空気が被検眼の角膜に向けて噴射される。空気が噴射されると角膜は変位変形するため受光素子204で受光する光量が変化する。この光量の変化の度合いから被検眼の眼圧値を算出するのである。光源201も赤外光を出力するLEDが採用されるが、観察光より長波長で、かつ、アライメント光より短波長の光が選択され、採用される。このように、アライメント光、観察光、固視光、変形検出光(光源201からの光)の波長が設定され、ホットミラー102、104、506、402及びダイクロイックミラー304の反射/透過特性を適宜設定することにより、これら4つの光が適切な光路に沿って進むように構成されているのである。
【0027】
(操作フロー)
図4は本実施例に係る眼科装置の操作フローを説明する図である。尚、本実施例では、第1検査を眼屈折力検査、第2検査を眼圧検査として検査が実施される。
【0028】
S10では、第1検査である眼屈折力検査を実施するため、見口部を回転して、
図1に示すように、平面ガラス510及び511を配置する。既に、見口部が眼屈折力検査時の状態になっている場合は、S10は省略される。
【0029】
S12では、第1検査である眼屈折力検査を開始する。操作フローに記載はないが、この時、観察用の光源301、302、アライメント用の光源101、固視標用の光源514及び眼屈折力検査用の光源501が点灯する。
【0030】
S14では、ジョイスティック640を用いて、患者の右眼がモニタ650に表示されるようにヘッド部を移動する。そして、アライメント光による角膜上の輝点が所定の領域に入るようにヘッド部をXYZ方向に粗アライメントする。
【0031】
S16では、固視標512により固視させる。眼屈折力検査の場合、この時も眼屈折力を測定しており、得られた眼屈折力の値に基づいて固視標512が被検眼Eの網膜と共役の位置になるように固視標部(512〜514)を移動させる。これにより、被検眼Eは固視される。
【0032】
S18では、プロファイルセンサ107及びプロファイルセンサ108で得られた信号からアライメント状態を検出し、その検出結果から本体内部のXYZ駆動制御630によりヘッド部のXYZアライメントを実施する。
【0033】
XYZアライメントが完了したら、S20で測定を開始する。眼屈折力検査の場合、被検眼を開放状態にするため、固視標部(512〜514)を所定の距離光軸に沿って移動させ、雲霧状態にしてから、眼屈折力の測定を実施する。
【0034】
S22で、測定値をメモリ670に保存する。
【0035】
S24では、左右眼とも測定が完了したかどうかを判断する。右眼のみの場合は、S28で、ヘッド部を左眼側に動かして、右眼と同様S18からS22で左眼の眼屈折力を測定して測定値をメモリ670に保存する。
【0036】
左右眼とも測定が完了したら、S26で、第2検査である眼圧検査が完了したかを判断する。
【0037】
第2検査の眼圧検査が完了していない場合は、S30で、見口部を回転して
図2に示すようにノズル205及び平面ガラス206が配置されるようにする。そして、S32で第2検査である眼圧検査を開始する。ここで、操作フローに記載はないが、眼屈折力検査用の固視光源514は消灯し、代わりに固視光源401が点灯する。
【0038】
S14では、眼屈折力検査と同様、ジョイスティック640を用いて、患者の右眼がモニタ650に表示されるようにヘッド部を移動する。そして、アライメント光による角膜上の輝点が所定の領域に入るようにヘッド部をXYZ方向に粗アライメントする。
【0039】
S16で、光源401からの固視灯により被検眼Eを固視させる。第1検査の眼屈折力検査の結果を用いて、光源401を被検眼Eの網膜位置と略共役位置となるように移動させる。これにより、患者に対しピントの合った位置に固視灯を配置できる。
【0040】
S18で、眼屈折力検査と同様、プロファイルセンサ107及びプロファイルセンサ108で得られた信号からアライメント状態を検出し、その検出結果から本体内部のXYZ駆動制御630によりヘッド部のXYZアライメントを実施する。
【0041】
XYZアライメントが完了したら、S20で測定を開始する。上述したように、光源201からの光を被検眼Eの角膜に照射し、その反射光を受光素子204で受光する。そして、図示していないが見口部のシリンダー内のピストンが駆動して、シリンダー内で圧縮された空気が配管を介して見口部の空気路に流入し、ノズル205から被検眼Eの角膜に向けて噴出させる。噴出した空気により角膜は変位変形するため、受光素子204で受光する光量が変化(空気の噴出により角膜は平らになるため、受光素子204で受光する光量が増加)する。受光素子204で得られた受光信号が所定の値になるまでの時間を測定し、S22で、その測定値をメモリ670に保存する。眼圧値は、空気を噴出してから受光信号が所定の値になるまでの時間と相関があるため、保存された測定値(時間)から被検眼Eの眼圧値が算出できるのである。
【0042】
そして、S24で眼屈折力検査と同様、左右眼とも測定が完了したかどうかを判断する。右眼のみの場合は、S28でヘッド部を左眼側に動かして、右眼と同様S18からS22で左眼の眼圧検査を実施してその結果をメモリ670に保存する。
【0043】
左右眼とも測定が完了したら、S26で、第2検査である眼圧検査が完了したかを判断する。第2検査である眼圧検査が完了したら測定は終了する。
【0044】
尚、第1検査と第2検査は必ずしも両方実施する必要は無く、一方の検査のみ実施してもよい。眼屈折力検査の検査結果が予め判明している患者に対しては、第1検査である眼屈折力検査を実施せず、第2検査である眼圧検査時に眼屈折力値を入力することにより、光源401を移動させるようにしてもよい。さらに、本実施例では、右眼から検査を実施しているが、これも左眼から実施してもよいし、一方の眼のみ検査してもよい。
【0045】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、かかる実施形態における具体的な記載によって、本発明は限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0046】
上記実施例では、第2検査である眼圧検査においてS16で固視を行う時、第1検査である眼屈折力検査の結果を用いて、光源401を被検眼Eの網膜位置と略共役位置となるように移動させる構成を開示したが、第1検査である眼屈折力検査において固視標部(512〜514)を移動させる際に同時に光源401を移動させる構成としてもよい。具体的には、
図5に示すように光源401、ホットミラー402、固視標512、コリメータレンズ513及び光源514を一体とし、第1検査である眼屈折力検査において固視を行う際にこれらをまとめて移動制御する。これにより、第1検査時において既に光源401が被検眼Eの網膜位置と略共役位置となるため、第2検査時に改めて光源401を移動させる必要がない。
【0047】
また、上記実施例では第2検査に眼圧検査を実施する構成を開示したが、第2検査はこれに限定されるものではない。例えば、角膜形状検査であってもよいし、或いは、角膜内皮細胞検査であってもよい。