特許第6735984号(P6735984)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6735984
(24)【登録日】2020年7月17日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】遊技用表示装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20200728BHJP
【FI】
   A63F7/02 350Z
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-202633(P2015-202633)
(22)【出願日】2015年10月14日
(65)【公開番号】特開2017-74167(P2017-74167A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2018年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】特許業務法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 毅司
(72)【発明者】
【氏名】井上 昌哉
(72)【発明者】
【氏名】新井 仁
(72)【発明者】
【氏名】米永 直明
(72)【発明者】
【氏名】小栗 巧
【審査官】 大浜 康夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開平01−254187(JP,A)
【文献】 特開2002−200320(JP,A)
【文献】 特開2012−029818(JP,A)
【文献】 特開2009−233022(JP,A)
【文献】 特開2016−202450(JP,A)
【文献】 特開平11−137828(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対応して設置される遊技機に関する遊技情報を表示する遊技用表示装置において、
見た目の形態がそれぞれ異なる第1状態から第2状態に変位可能な可動手段と、
前記可動手段の少なくとも一部を発光させるための発光手段と、
前記遊技機から出力される遊技信号に基づいて前記可動手段及び前記発光手段を制御可能な制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記遊技信号から特定可能な前記遊技機の遊技状態に基づいて前記可動手段の形態を作動前の状態である前記第1状態から作動後の状態である前記第2状態に変位させ、
前記遊技信号から特定可能な前記遊技機の遊技情報に基づいて前記発光手段の発光態様を制御し、
前記可動手段は、前記第1状態から前記第2状態に変位する場合に、前記遊技機から遠のくように変位可能であり、
前記可動手段が前記第1状態に制御される場合に視認不能又は視認困難であり、前記第2状態に制御される場合に視認可能となる演出部を設け、
前記演出部は、前記可動手段が前記第1状態から前記第2状態に変位することに基づいて所定の演出を行うとともに、前記可動手段が前記第1状態から前記第2状態に変位した場合であっても当該演出部は移動しないように構成される
ことを特徴とする遊技用表示装置。
【請求項2】
対応して設置される遊技機に関する遊技情報を表示する遊技用表示装置において、
見た目の形態がそれぞれ異なる第1状態から第2状態に変位可能な可動手段と、
前記可動手段の少なくとも一部を発光させるための発光手段と、
前記遊技機から出力される遊技信号に基づいて前記可動手段及び前記発光手段を制御可能な制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記遊技信号から特定可能な前記遊技機の遊技状態に基づいて前記可動手段の形態前記第1状態か前記第2状態に変位させ、
前記遊技信号から特定可能な前記遊技機の遊技情報に基づいて前記発光手段の発光態様を制御し、
前記可動手段が前記第1状態に制御される場合に視認不能又は視認困難であり、前記第2状態に制御される場合に視認可能となる演出部を設け、
前記演出部は、前記可動手段が前記第1状態から前記第2状態に変位する場合に所定の演出を行うとともに、前記可動手段が前記第1状態から前記第2状態に変位した場合であっても当該演出部は移動しないように構成される
ことを特徴とする遊技用表示装置。
【請求項3】
前記可動手段が変位し得ることに対する注意喚起を報知可能な報知手段を有する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技用表示装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記遊技機で獲得された遊技価値の数量に基づいて前記可動手段を動作させる
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の遊技用表示装置。
【請求項5】
前記可動手段が動作するときの前記遊技状態又は前記遊技情報に関連する条件が予め定められている場合において、前記条件の成否にかかわらず、前記可動手段の動作を制限する動作制限手段と、を備える
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の遊技用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の周辺に設けられる遊技用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が設置された遊技場においては、多数の遊技機を複数列で配置するために、一列分又は二列分の遊技機を収納可能に設計された遊技機島と呼ばれる収納筐体が設けられている。
このような遊技機島には、それぞれの遊技機に対応して遊技機の上方に設けられる遊技用表示装置が設置されている。
遊技用表示装置は、通常、呼出ランプと称され、対応する遊技機の状態(例えば、大当り状態)、大当り発生回数、ゲーム回数などの遊技情報の報知を行う表示手段や、遊技場の店員を呼び出すための呼出ボタン等を備えている。
また、近年では、赤色回転灯を備える遊技用表示装置も登場し、大当り中などに赤色回転灯を作動させ、派手な演出を行うものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−200320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の遊技用表示装置には、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明の遊技用表示装置は、対応して設置される遊技機に関する遊技情報を表示する遊技用表示装置において、見た目の形態がそれぞれ異なる第1状態から第2状態に変位可能な可動手段と、前記可動手段の少なくとも一部を発光させるための発光手段と、前記遊技機から出力される遊技信号に基づいて前記可動手段及び前記発光手段を制御可能な制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記遊技信号から特定可能な前記遊技機の遊技状態に基づいて前記可動手段の形態を作動前の状態である前記第1状態から作動後の状態である前記第2状態に変位させ、前記遊技信号から特定可能な前記遊技機の遊技情報に基づいて前記発光手段の発光態様を制御し、前記可動手段は、前記第1状態から前記第2状態に変位する場合に、前記遊技機から遠のくように変位可能であり、前記可動手段が前記第1状態に制御される場合に視認不能又は視認困難であり、前記第2状態に制御される場合に視認可能となる演出部を設け、前記演出部は、前記可動手段が前記第1状態から前記第2状態に変位することに基づいて所定の演出を行うとともに、前記可動手段が前記第1状態から前記第2状態に変位した場合であっても当該演出部は移動しない構成としてある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本実施形態に係る遊技用表示装置を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
図2】遊技用表示装置の形態の違いを示す正面図(i)、右側面図(ii)であり、(a)は帽子部が上方に変位し顔部が視認可能な状態を示す図、(b)は帽子部が下方に変位し顔部が視認不能又は視認困難な状態を示す図である。
図3】遊技用表示装置の制御構成を示すブロック図である。
図4】各部の動作条件及び動作態様を説明する図表であり、(a)は帽子駆動部、目玉発光部、帽子発光部の動作条件及び動作態様を示す図表、(b)は玉箱発光部の動作条件及び動作態様を示す図表である。
図5】駆動部制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係る遊技用表示装置の好ましい実施形態について、図1〜5を参照しながら説明する。
【0008】
本実施形態に係る遊技用表示装置1は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機が複数設置されている遊技機島に取り付け可能に構成され、一又は二以上の遊技機にそれぞれ対応して遊技機の上方に設けられる、いわゆる呼出ランプとして構成されている。
【0009】
本実施形態の遊技用表示装置1は、図1に示すように、情報表示部10、押ボタン部101〜104、玉箱表示部11、帽子部12、顔部13、手部14、鼻部15、取り付け部16などを外装に備え、帽子部12が「ピエロの帽子」、顔部13が「ピエロの顔」、手部14が「ピエロの手」、鼻部15が「ピエロの鼻」というように、装置各部がピエロをモチーフとしたキャラクタの各部位に対応するように構成され、装置全体としてピエロが玉箱を両手で持ち上げているイメージを表現してある。
【0010】
情報表示部10は、例えば、表示手段として複数の7セグメントLEDを備え、対応する遊技機の遊技情報を表示する。例えば、ゲーム回数、大当り発生回数などの遊技情報を表示する。対応する遊技機がスロットマシンの場合では、大当り発生回数として、ビッグボーナス発生回数、レギュラーボーナス発生回数などを表示することもできる。
本実施形態の情報表示部10は、二つの情報表示部10a,10bが設けられ、例えば、情報表示部10aにはゲーム回数を表示し、情報表示部10bにはビッグボーナス発生回数、レギュラーボーナス発生回数などの大当り発生回数を表示する。
【0011】
押ボタン部101〜104は、遊技者等によって押下操作される押ボタンであり、例えば、押ボタン部101は呼出ボタン、押ボタン部102〜104は表示切替ボタンとして機能する。
押ボタン部101が押下操作されると、例えば、帽子部12に内蔵されたフルカラーLED(発光手段)等により構成された帽子発光部L12が赤色点灯する。また、このとき店員の呼び出しを示す呼出信号も装置外に出力される。
また、押ボタン部102〜104のいずれかが押下操作されると、過去数日間のゲーム回数、過去数日間の大当り発生回数などの遊技情報が情報表示部10に表示される。
【0012】
玉箱表示部11は、段階表示部の一例として動作し、対応する遊技機で獲得された遊技価値(遊技媒体や遊技媒体を示すデータ)の多少を段階的に表示する。
例えば、玉箱表示部11は、1段〜5段の各段玉箱表示部111〜115を備え、玉箱を5段重ねたような形状を有している。各段玉箱表示部111〜115には、フルカラーLED(発光手段)等により構成された玉箱発光部L111〜L115が内蔵されている。
玉箱発光部L111〜L115はそれぞれ独立して点灯(点滅も含む、以下同様)制御可能に構成され、玉箱発光部L111〜L115が発光することにより、有色又は無色透明な合成樹脂部品からなる各段玉箱表示部111〜115の外装が照射されて発光する。
このような構成により、玉箱発光部L111〜L115の点灯数を、玉箱発光部L111から玉箱発光部L115に向けて順次増加させたり、玉箱発光部L115から玉箱発光部L111に向けて順次減少させたりすることで、対応する遊技機で獲得された遊技価値の多少を段階的に表示することができる。
【0013】
帽子部12は、ピエロの頭部をイメージさせるように帽子を模した形状を有する第1キャラクタ部であり、可動手段の一例として動作する。例えば、図2の(a),(b)に示すように、ピエロが帽子を浅くかぶった第2状態(a)と、ピエロが帽子を深くかぶった第1状態(b)とをそれぞれ有し、双方の状態に変位可能に構成されている。
【0014】
装置内には、モーターなどの帽子駆動部M12、帽子駆動部M12の回転運動を鉛直方向の直線運動に変換可能なカムなどの動力伝達機構を備え、帽子部12が動力伝達機構を介して帽子駆動部M12から伝達される動力により、軸部121を中心にa方向又はb方向に回動する上下方向への振り子動作を行うようになっている。このような振り子動作により、ピエロが帽子を浅くかぶった第2状態と、ピエロが帽子を深くかぶった第1状態とが交互に繰り返される。
また、(a)に示す第2状態では帽子部12が上方に位置し、(b)に示す第1状態では帽子部12が下方に位置することにより、見た目の形態がそれぞれ異なることから、帽子部12の変位が明確に識別される。
さらに、ピエロが帽子を浅くかぶった第2状態では、顔部13が視認可能な状態となり、ピエロが帽子を深くかぶった第1状態では、顔部13が視認不能又は視認困難な状態となる。このことからも帽子部12の変位を明確に識別できる。
なお、本実施形態では、電源投入後や通常の待機状態においては、例えば、ピエロが帽子を深くかぶった第1状態で停止しており、所定の動作条件の成立により振り子動作を行うようになっている。また、後述する可動禁止状態では、電源投入後、ピエロが帽子を浅くかぶった第2状態のまま停止させておくこととする。
【0015】
また、帽子部12には、帽子発光部L12が内蔵されている。帽子発光部L12は、発光手段の一例であり、例えば、フルカラーLEDにより構成され、帽子部12の外装として形成された有色又は無色透明な合成樹脂部品の少なくとも一部を照射する。
帽子発光部L12は、対応する遊技機の遊技状態に応じて、様々な態様で発光可能であり、例えば、通常遊技状態では白色に発光し、大当り状態では7色に順次変化するグラデーション発光を行う。
【0016】
顔部13は、ピエロの顔を模した形状を有した部分であり、演出部の一例として動作する目玉発光部L13が内蔵されている。
目玉発光部L13は、単色LED又はフルカラーLEDなどの発光手段により構成され、目玉発光部L13により照射される顔部13の一領域(ピエロの目の部分)は、帽子部12が第1状態に変位している場合に視認不能又は視認困難な状態となり、帽子部12が第2状態に変位している場合に視認可能な状態となる。
目玉発光部L13は、帽子部12が帽子を深くかぶった第1状態から帽子を浅くかぶった第2状態に変位することに基づいて所定の発光演出を行う。
例えば、第1状態では点灯(点滅も含む)発光しないものの、第2状態ではピエロの二つの目それぞれに対応する目玉発光部L13が同時に点滅発光したり、片目ずつ交互に点滅発光したりする。
なお、目玉発光部L13の発光演出に代えて又はこれに加えて、例えば、顔部13を可動部(演出部)として構成し、第1状態から第2状態に変位することに基づいて顔を左右に振る演出動作を行うこともできる。
【0017】
手部14は、ピエロの手を模した形状を有する第2キャラクタ部であり、玉箱表示部11又はその近傍に配置され、手の甲を上方に向けて両手で玉箱を持ち上げるような形態を有している。
このように、ピエロの頭部をイメージさせる帽子部12を第1キャラクタ部とし、玉箱表示部11又はその近傍に配置された手部14を第2キャラクタ部とする構成により、単に玉箱表示部11が対応する遊技機で獲得された遊技価値の多少を段階的に表示するだけでなく、ピエロのキャラクタが玉箱を両手で持ち上げるという動作を表現することで、遊技者に興趣を感じさせることができる。
【0018】
また、この他にも遊技用表示装置1には、ピエロの鼻を模した形状を有する鼻部15、遊技機島に取り付けるときの取り付け面となる取り付け部16、対応する遊技機の番号が付された番号表示部105などが外装に設けられている。
【0019】
以上のように構成された各部は、コンピュータにより制御され、対応する遊技機から出力される遊技信号と、他の遊技用表示装置1から送信される関連信号とに基づいて動作する。
本実施形態の遊技用表示装置1は、例えば、図3に示すように、CPUと、ROM,RAMなどの記憶手段を備えコンピュータとして動作する制御部18、遊技信号A〜C及び関連信号R,Lの入力と前述の呼び出し信号を出力可能な通信部17などを備え、制御部18が、遊技信号及び関連信号や押ボタンに対する操作の検出に基づいて上記各部に対応する表示部、各発光部、駆動部を制御する構成となっている。
【0020】
遊技信号A〜C及び関連信号R,Lは、遊技機及び他の遊技用表示装置1から直接又は所定の中継装置を介して間接的に入力される信号である。
遊技信号A〜Cは、例えば、遊技機の大当り状態(ボーナス状態を含む)を示す大当り信号、遊技機への遊技媒体の投入数を示す投入信号、遊技機からの遊技媒体の払出数を示す払出信号などである。
関連信号R,Lは、遊技用表示装置1と同じ遊技機島に設置されている他の遊技用表示装置からの当該遊技用表示装置1に対する動作指令を示す信号であり、例えば、一つの遊技機島に設置された複数の遊技機のうち一の遊技機が大当り状態となったときに、この遊技機に対応する遊技用表示装置が発信元となり、当該遊技機島に設置された複数の遊技用表示装置間において、例えばリレー方式で伝播されるいわゆるランニング信号である。
関連信号Rは遊技用表示装置1の右隣に設置された他の遊技用表示装置からの信号であり、関連信号Lは、遊技用表示装置1の左隣に設置された他の遊技用表示装置からの信号である。
【0021】
制御部18は、これらの信号が入力されると、例えば、対応する遊技機の遊技状態の特定や、対応する遊技機のゲーム回数、大当り発生回数、当該遊技機で獲得された遊技媒体数(獲得遊技媒体数)などの遊技情報の算出などを行い、情報表示部10を制御して算出された遊技情報を表示させる。また、制御部18は、関連信号R,Lが入力されたときには、通信部17を介して両隣に設置される他の遊技用表示装置に対して関連信号R,Lを出力する。
さらに、制御部18は、ROM等の記憶手段に記憶されている対応する遊技機の遊技状態又は遊技情報に関連する動作条件と、動作条件に応じた動作態様と基づいて発光部、駆動部を、図4に示すように制御する。
具体的には、制御部18は、動作条件として遊技信号A(大当り信号)が入力されると、対応する遊技機の遊技状態を大当り状態と特定し、図4(a)の上段(可動許可状態)に示すように、帽子駆動部M12、目玉発光部L13、帽子発光部L12が以下の動作態様となるように制御する。
【0022】
例えば、遊技信号A(大当り信号)が入力されると、帽子駆動部M12を動作させ、このときには、例えば、遊技信号Aの入力中は、連続的に動作(回転)させる。このような連続動作により、帽子部12が所定の周期で連続的に振り子動作を行うことになる。
また、この振り子動作中において、制御部18は、帽子部12の動作に同期して目玉発光部L13を発光させる。このときには、連続的に点滅発光させることが好ましい。特に、第1状態から第2状態に変位するように制御したタイミングで点灯(点滅)させることが好ましい。
また、制御部18は、帽子発光部L12を発光させる。このときには、遊技信号Aの入力中、連続的に発光させることが好ましく、特に、グラデーション発光させることが好ましい。
なお、制御部18は、動作条件として遊技信号A(大当り信号)が入力されていないときには、対応する遊技機の遊技状態を通常遊技状態と特定し、帽子発光部L12のみを点灯制御し(例えば、白色点灯態様を継続させる)、帽子駆動部M12及び目玉発光部L13は制御することなく動作停止状態とする。
【0023】
また、制御部18は、動作条件として遊技信号A(大当り信号)が入力されていないときに関連信号R,Lのいずれかが入力されると、図4(a)の上段(可動許可状態)に示すように、帽子駆動部M12、目玉発光部L13、帽子発光部L12が以下の動作態様となるように制御する。
【0024】
関連信号R,Lは、例えば、他の遊技用表示装置に対応する遊技機から遊技信号A(大当り信号)が出力されているとき、つまり対応しない遊技機が大当り状態のときに、他の遊技用表示装置から出力される信号である。
制御部18は、関連信号R,Lが入力されたときには、対応する遊技機が大当り状態のとき(遊技信号Aが入力されたとき)と異なる動作を、帽子駆動部M12、目玉発光部L13、帽子発光部L12それぞれに対して行わせる。
【0025】
例えば、関連信号R,Lのいずれかが入力されると、制御部18は帽子駆動部M12を、上記のように連続的に動作させることなく、単発的に動作させる。この単発動作では、振り子動作を1回、すなわち、第1状態から第2状態を経て再び第1状態に変位する動作を1回行わせる。
つまり、複数の遊技用表示装置が関連信号R,Lに基づいて通信を行うことによりそれぞれの帽子部12が、対応するしないにかかわらず遊技機の大当り状態という共通のタイミングで所定の動作を行う場合において、複数の遊技用表示装置に備える各制御部12は、自らが制御可能な帽子部12に対して、対応する遊技機が異なるものの同じ大当り状態でありながら、自らが制御しない他の遊技用表示装置に備える帽子部12の動作(連続動作)とは異なる動作の一例として単発動作を行わせる。
このような動作により、一の遊技機島に設置されている複数の遊技用表示装置間において、振り子動作が伝播するランニングが行われることになる。
また、このような単発動作により、帽子部12及び帽子駆動部M12の耐久性が確保される。
【0026】
また、この1回の振り子動作中において、制御部18は、帽子部12の動作に同期して目玉発光部L13を発光させる。このときには、1回の振り子動作に対応させて所定回数点滅発光させることが好ましい。特に、第1状態から第2状態に変位したタイミングで点灯(点滅)させることが好ましい。
また、制御部18は、帽子発光部L12を発光させる。このときには、1回の振り子動作に対応させて所定回数(又は所定時間)のグラデーション発光させることが好ましい。これにより、一の遊技機島に設置されている複数の遊技用表示装置間において、光のランニングが行われることになる。
【0027】
また、制御部18は、遊技信号B(投入信号)と遊技信号C(払出信号)の入力数から1ゲームごとや単位時間ごとの遊技媒体の増減を算出するとともに、これを累積することにより対応する遊技機において獲得された獲得遊技媒体数(差数、持玉数)を算出する。
さらに、制御部18は、算出された獲得遊技媒体数が目標となる獲得遊技媒体数に達しているか否かを判定し、達しているときには動作条件の成立とし、図4(a)の上段(可動許可状態)に示すように、帽子駆動部M12、目玉発光部L13、帽子発光部L12が以下の動作態様となるように制御する。
【0028】
例えば、算出された獲得遊技媒体数が目標となる獲得遊技媒体数「1000」に達していると、帽子駆動部M12を所定回数動作(回転)させ、帽子部12に所定回数(例えば、5回)の振り子動作を行わせる。
また、この振り子動作中において、制御部18は、帽子部12の動作に同期して目玉発光部L13を発光させる。このときには、所定回数の点滅発光を行わせることが好ましい。特に、第1状態から第2状態に変位したタイミングで点灯(点滅)させることが好ましい。
また、制御部18は、帽子発光部L12を発光させる。このときには、所定回数の振り子動作に対応させて所定回数(又は所定時間)のグラデーション発光させることが好ましい。
このときの発光態様は、遊技信号Aや関連信号R,Lが入力されたときの態様と異なる態様で発光させることが好ましい。例えば、グラデーション発光の周期を変えたり、単色で発光させたりなど、入力される遊技信号(の種類等)に基づいて発光態様を変化させることが好ましい。
また、このような制御は、獲得遊技媒体数が「1000」(玉/枚)に達するごとに行うことが好ましい。
このように制御部18は、遊技信号A、関連信号R,Lなどの入力や、算出された獲得遊技媒体数が目標となる獲得遊技媒体数に達するなどの対応する遊技機の遊技状態又は遊技情報に関連する動作条件が成立したときに、予め定められた動作態様となるよう、帽子駆動部M12、目玉発光部L13、及び帽子発光部L12をそれぞれ制御する。
【0029】
また、本実施形態の遊技用表示装置1は、上記のように予め定められた動作条件が成立したときに、予め定められた動作態様となるよう、制御部18が帽子駆動部M12を制御する可動許可状態と、動作条件の成否にかかわらず、制御部18が帽子駆動部M12の動作を制限する可動禁止状態のうちいずれかの状態に設定可能としてある。
このような設定は、例えば、押ボタン101〜104いずれかの長押し操作、これらの押ボタン101〜104のうちいずれか2以上を同時に操作する同時操作などの特殊操作や、遊技場の店員が操作可能なリモコンからの設定変更信号等の受信により、いずれかの状態に相互に設定・変更することができる。また、現在の状態が可動許可状態か可動禁止状態かを識別可能な設定情報はRAM等の記憶手段に記憶され、制御部18が帽子駆動部M12を制御するときに参照することができる。
【0030】
可動許可状態では、前述の説明の通り、予め定められた動作条件が成立したときに、予め定められた動作態様となるよう、制御部18が帽子駆動部M12を制御することにより、図4(a)の上段に示す動作態様で帽子駆動部M12が動作するものの、可動禁止状態では、制御部18が動作制限手段として動作することにより、動作条件が成立したとしても、図4(a)の下段に示すように、帽子駆動部M12を動作させることなく、帽子部12を例えばピエロが帽子を浅くかぶった第2状態に変位したままの状態で静止させる。
一方で、目玉発光部L13及び帽子発光部L12は、可動禁止状態であっても、予め定められた動作条件が成立したときには、可動許可状態と同様に、予め定められた動作態様となるよう制御される。
このような可動禁止状態を設けることにより、諸事情等により可動部の搭載された遊技用表示装置の導入が禁止される遊技場にとって、帽子部12の可動が導入の妨げとなる事態が回避される。
【0031】
また、制御部18は、遊技信号B(投入信号)と遊技信号C(払出信号)の入力数から算出される獲得遊技媒体数(差玉、持玉数)と、目標となる獲得遊技媒体数との比較結果に基づいて玉箱発光部L111〜L115を、図4(b)に示すように制御する。
例えば、獲得遊技媒体数が「999」(玉/枚)以下のときには、玉箱発光部L111〜L115を消灯させ、獲得遊技媒体数が「1000〜1999」(玉/枚)以下のときには、玉箱発光部L111のみを点灯させる。
その後、獲得遊技媒体数が「1000」(玉/枚)増えるごとに、玉箱発光部の点灯数を一つずつ増加させ、獲得遊技媒体数が「5000」(玉/枚)以上のときには、玉箱発光部L111〜L115を全灯させる。
このように玉箱表示部11は、点灯数に応じて手持ちの遊技媒体数の多少を表現することができるように構成され、これにより、点灯数が多いほど手持ちの遊技媒体数が多いことを周囲にアピールすることができるので、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
なお、各玉箱発光部L111〜L115は、グラデーション発光を行うことが好ましい。
【0032】
また、制御部18は、玉箱表示部11の点灯数が一つ増えるごとに、帽子駆動部M12を動作させ、帽子部12に所定回数の振り子動作を行わせることが好ましい。
さらに、点灯数がMAXになったとき、つまり、玉箱発光部L111〜L115が全灯したときには、帽子部12が特別な動作を行うことが好ましい。特別な動作とは、玉箱表示部11の点灯数が一つ増えるごとに行う動作とは異なる動作であり、例えば、振り子動作の回数が上記の所定回数よりも多くなる、動作速度が速くなる、又は振り子動作時のインターバル時間(停止時間)が変化するなどの動作である。
【0033】
また、制御部18が帽子駆動部M12を制御するときの処理は、図5に示すフローチャートに基づいて実行される。
例えば、制御部18は、通信部17に入力される信号を監視し(S1)、入力があると(S1−Yes)、RAMに記憶されている設定情報から現在の状態が可動許可状態か可動禁止状態かを判定する(S2)。現在の状態が可動禁止状態と判定されると(S2−Yes)、帽子駆動部M12を動作させることなく、処理を終了する。
一方、現在の状態が可動許可状態と判定されると(S2−No)、入力された信号が関連信号R,Lか遊技信号Aかの判定を行う(S3)。
関連信号R,Lの入力を判定すると(S3−Yes)、帽子駆動部M12に単発的な動作を行わせ(S4)、例えば、帽子部12に1回の振り子動作を行わせる。
一方、遊技信号Aの入力を判定すると(S3−No)、帽子駆動部M12に連続的な動作を行わせ(S5)、例えば、帽子部12に振り子動作を繰り返し行わせる。
このように遊技信号Aと関連信号R,Lとで帽子部12の動作態様を異ならせ、特に、関連信号R,Lが入力されたときの動作回数を減らすことにより、帽子部12及び帽子駆動部M12の耐久性が確保されることになる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態の遊技用表示装置によれば、見た目の形態がそれぞれ異なる第1状態から第2状態に変位する帽子部12を設けることにより、見た目の形態の変化から遊技者がインパクトを受けるとともに、遊技機の状態変化が周囲にアピールされ、遊技者の遊技に対する興趣が高まることになる。
また、帽子部12の一部を照射する帽子発光部L12が対応する遊技機の遊技情報に基づいてその発光態様が制御されることから、帽子部12の形態の変化に加え、発光態様の変化(消灯から点灯への変化も含む)により遊技者の遊技に対する興趣がさらに高まることになる。
【0035】
一方、従来の遊技用表示装置では、赤色回転灯の作動により、回転灯の位置が変化するものの、見た目の形態の変化が乏しいことから、遊技者の遊技に対する興趣が高まりきらなかった。
本実施形態の遊技用表示装置によれば、従来の遊技用表示装置が改善すべきこのような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0036】
以上、本発明の遊技用表示装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技用表示装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0037】
例えば、帽子部12の形態を第1状態から第2状態に変位させるための遊技状態は、大当り信号から特定可能な大当り状態に限らず、その他の状態でもよく、例えば、確率変動信号から特定可能な確率変動状態に基づいて変位させることもできる。
また、帽子部12の形態は、遊技状態のみならず、ゲーム回数、大当り発生回数、連チャンの発生回数等の遊技情報に応じて変位するように制御することもできる。
さらに、形態が変位するときの動作態様も様々な態様を採用することもでき、動作速度を変化させたり、滑らかに連続的に変位させることなく、インターバル時間を設けながら断続的に変位させたりすることもできる。
【0038】
また、帽子発光部L12の発光態様を制御するための遊技情報は、獲得遊技媒体数に限らず、その他の遊技情報でもよく、例えば、ゲーム回数、大当り発生回数、連チャンの発生回数等に基づいて発光態様を制御することもでき、さらに、遊技状態に応じて発光態様を制御することもできる。
【0039】
また、本実施形態では、複数の遊技用表示装置が関連信号R,Lに基づいて通信を行うことによりそれぞれの帽子部12が、対応するしないにかかわらず遊技機の大当り状態という共通のタイミングで所定の動作を行う場合において、複数の遊技用表示装置に備える各制御部12は、自らが制御可能な帽子部12に対して、対応する遊技機が異なるものの同じ大当り状態でありながら、自らが制御しない他の遊技用表示装置に備える帽子部12の動作とは異なる動作の一例として単発動作(1回の振り子動作)を行わせたが、他の遊技用表示装置に備える帽子部12の動作と同様な動作の一例として連続動作(連続振り子動作)を行わせることもできる。
【0040】
また、帽子部12が可動することに対する注意喚起を、帽子部12が動作する動作タイミングに限り又は動作タイミングにかかわらず常態的に報知することもできる。例えば、動作タイミングで点灯又は常時点灯する注意喚起メッセージ表示部を情報表示部10に設けることもできる。
また、遊技用表示装置と対応する遊技機とに、統一的なデザインを施したり、それぞれの部品の一部が重なるように配置したり、部品の一部を共有させたりすることにより、遊技用表示装置と対応する遊技機とがあたかも一つの一体的な構造物のように見せることもできる。
【0041】
また、本発明の遊技用表示装置と、可動手段を備えていない他の遊技用表示装置とが同じ遊技機島に設置されている場合において、これらが関連信号に基づいて相互に通信可能なときには、他の遊技用表示装置は可動手段の動作に代えて、光の演出のみを行うことが好ましい。
【0042】
また、本実施形態では、本発明の遊技用表示装置を一又は二以上の遊技機にそれぞれ対応して遊技機の上方に設けられる呼出ランプに適用したが、遊技機島の端部や遊技場の入口等に設置され複数の遊技機に対応して設けられる情報表示装置に適用することもできる。
【0043】
また、本実施形態では、情報表示部10の表示手段を複数の7セグメントLEDとしたが、液晶表示器、ドットマトリックスLEDなどのその他の表示手段を採用することもできる。
【0044】
また、本発明の遊技用表示装置に対応する遊技機は、一又は二以上の遊技機とすることができ、対応する遊技機を二以上の遊技機とする場合には、例えば、一つの遊技機島に設置されているすべての遊技機でもよく、遊技場に設置されているすべての遊技機でもよい。このように、本発明の遊技用表示装置を複数の遊技機に対応させる場合には、例えば、複数の遊技機の遊技情報や遊技状態の組合せに基づいて、帽子部12の形態を変位させたり、帽子発光部L12の発光態様を制御したりすることもでき、例えば、遊技場に設置されているすべての遊技機それぞれの大当り発生回数の合計が所定回数(例えば、777回)に達したときに、帽子部12に振り子動作を行わせることもできる。
【符号の説明】
【0045】
1 遊技用表示装置
10 情報表示部
11 玉箱表示部
11L 玉箱発光部
12 帽子部(可動部、第1キャタクタ部)
L12 帽子発光部(発光手段)
M12 帽子駆動部
13 顔部
L13 目玉発光部(演出部)
14 手部(第2キャラクタ部)
図1
図2
図3
図4
図5