(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0028】
(1)全体構成
本発明の一実施形態に係る無線表示システム100について以下に説明する。
【0029】
無線表示システム100は、工場において使用されるシステムである。ただし、無線表示システム100の使用場所は、工場に限定されるものではなく、例えば物流施設や病院等で使用されてもよい。
【0030】
無線表示システム100は、
図1に示すように、主として、サーバ10と、複数のアクセスポイント30,30,・・・と、複数の無線表示端末40,40,・・・と、携帯端末60と、を備える。サーバ10とアクセスポイント30とは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク20を介して接続される(
図1参照)。ネットワーク20は、有線であってもよいし、無線であってもよい。
【0031】
無線表示端末40は、工場で製造される製品Pが内部に収容される容器50に、それぞれ1つ取り付けられている。なお、ここで、容器50に収容されている製品Pとは、完成品(工場において実施すべき加工の全てが完了した製品)だけを意味するものではなく、完成品となる前の(加工が施されていない状態や、一部の加工だけが施された半製品の状態の)製品を含むものとする。また、
図1では、容器50に1つの物品が製品Pとして収納されているが、これに限定されるものではなく、複数の物品から構成される物品群が製品Pとして容器50に収納されてもよい。
【0032】
各無線表示端末40は、色C1、色C2、および色C3の3色の表示が可能な表示部41を有する(
図2参照)。各無線表示端末40の表示部41には、その無線表示端末40が取り付けられた容器50内に収容された製品Pに関する画像が表示される。具体的には、表示部41には、その無線表示端末40が取り付けられた容器50内の製品Pの製品情報の画像が表示される。製品情報には、例えば、
図2のように、製品Pのロット番号、製品Pの行き先(その製品Pに対して次に行われる加工作業の名称や、その製品Pを運ぶべき場所の名称等)、製品Pの製造番号、製品Pの指図番号、製品Pに関する特記事項(製品Pの製造を特に急ぐ必要がある旨の情報等)が含まれる。ただし、製品情報は、これらの情報に限定されるものではない。また、
図2では、製品情報を表す文字の画像が表示部41に表示されているが、製品情報は、文字で表示される必要はなく、図形や記号等の画像で表示されてもよい。表示部41の表示内容は、後述するように、サーバ10から無線表示端末40に無線送信されるコマンドに基づいて書き換えられる。
【0033】
サーバ10は、工場で製造される製品Pの情報を一元管理する一般的なコンピュータである。サーバ10の機能には、無線表示端末40の表示部41に表示される画像の管理を含む。
【0034】
サーバ10は、無線表示端末40の表示部41に表示される製品情報に関する情報を記憶している。サーバ10は、無線表示端末40の表示部41の表示を書き換えるための指令をコマンドとして生成し、無線表示端末40に対して送信する。なお、サーバ10により生成されるコマンドには、サーバ10に記憶している情報を用いて生成された画像表示用データを含む。画像表示用データは、無線表示端末40の表示部41に製品情報の画像を表示させるためのデータである。サーバ10から送信されるコマンドには、コマンドを実行させる対象の(表示部41の表示が書き換えられる)無線表示端末40の端末IDが付される。サーバ10は、ネットワーク20で接続されたアクセスポイント30を介して、無線表示端末40に対してコマンドを無線送信する。
【0035】
アクセスポイント30は、無線表示端末40との間で無線通信を行う通信装置である。例えば、アクセスポイント30と無線表示端末40とは、電波による無線通信を行う。ただし、これに限定されるものではなく、例えば、アクセスポイント30と無線表示端末40とは、赤外線による無線通信を行うものであってもよい。
【0036】
アクセスポイント30は、例えば工場の天井等に間隔を空けて取り付けられる。アクセスポイント30の設置台数および設置位置は、例えば、工場内の無線表示端末40が、いずれかのアクセスポイント30と通信可能となるように決定される。
【0037】
アクセスポイント30は、無線表示端末40との間で、各種信号の授受を行う。例えば、アクセスポイント30は、サーバ10から送られてくるコマンドを無線表示端末40に無線送信する。言い換えれば、アクセスポイント30は、サーバ10から送られてくる画像表示用データを無線表示端末40に無線送信する。また、アクセスポイント30は、無線表示端末40から無線送信されてくる信号を受信し、受信した信号をサーバ10に送信する。
【0038】
携帯端末60は、工場で作業を行う作業員により使用される可搬性の端末である。携帯端末60は、例えば、バーコードのスキャナを備えたデータ収集端末(ハンディターミナル)である。携帯端末60は、例えば無線LANにより、サーバ10と通信可能に構成されている。
【0039】
携帯端末60は、無線表示端末40と製品Pとのリンク作業/リンク解除作業に用いられる。リンク作業は、各無線表示端末40の端末IDと、その無線表示端末40が取り付けられた容器50内に収容された製品Pの製品IDとを関連付けてサーバ10に記憶させる作業である。リンク作業は、例えば、無線表示端末40が取り付けられた容器50に、加工が施されていない状態の製品Pが収容される時に実行される。逆に、リンク解除作業は、関連付けて記憶されている端末IDと製品IDとを、サーバ10から消去する作業である。リンク解除作業は、例えば、無線表示端末40が取り付けられた容器50から、全ての加工が施された完成品の製品Pが取り出される時に実行される。なお、端末IDは、各無線表示端末40に付された固有の識別符号である。製品IDは、各製品Pに付された固有の識別符号である。
【0040】
リンク作業時には、携帯端末60は、各無線表示端末40に付されたバーコードを読み取ることで、端末IDを取得する。また、携帯端末60は、引き続いて各製品Pに付されたバーコードを読み取ることで、製品IDを取得する。そして、取得された端末IDおよび製品IDが携帯端末60からサーバ10に送信されることで、サーバ10において、端末IDと製品IDとが関連付けて記憶される。
【0041】
(2)詳細構成
無線表示システム100のサーバ10および無線表示端末40について、以下に詳細に説明する。
【0042】
(2−1)サーバ
サーバ10は、工場で取り扱われる製品Pの情報を一元管理する一般的なコンピュータである。サーバ10は、アクセスポイント30を介して、無線表示端末40に画像表示用データを含むコマンドを送信する。
【0043】
サーバ10は、サーバ通信部11と、サーバ表示部12と、サーバ入力部13と、サーバ記憶部14と、サーバ制御部15とを主に有する(
図3参照)。
【0044】
(2−1−1)サーバ通信部
サーバ通信部11は、サーバ10とアクセスポイント30との通信を可能にするための通信インターフェースである。サーバ10からアクセスポイント30に送られたコマンドは、アクセスポイント30から無線表示端末40へと無線送信される。
【0045】
(2−1−2)サーバ表示部
サーバ表示部12は、液晶ディスプレイである。サーバ表示部12には、無線表示システム100に関する各種情報を表示可能である。
【0046】
(2−1−3)サーバ入力部
サーバ入力部13は、マウスおよびキーボードである。サーバ10に対する各種指令や各種情報は、サーバ入力部13を介して入力可能である。
【0047】
(2−1−4)サーバ記憶部
サーバ記憶部14は、ROM、RAM、およびハードディスク等により構成される。サーバ記憶部14には、後述するサーバ制御部15により実行される各種プログラムが記憶される。また、サーバ記憶部14には、各種情報が記憶される。
【0048】
サーバ記憶部14は、情報の記憶領域として、製品関連情報記憶領域14aと、リンク情報記憶領域14bと、フォーマット記憶領域14cと、を有する(
図3参照)。
【0049】
(2−1−4−1)製品関連情報記憶領域
製品関連情報記憶領域14aは、工場で製造される製品Pに関する情報が記憶される。製品関連情報記憶領域14aには、製品ID別に、製品Pのロット番号、製品Pに対して行うべき全加工作業の内容、製品Pに対して次に行われるべき加工作業の内容、製品Pを次に運ぶべき場所、製品Pの製造番号、製品Pの指図番号、製品Pに関する特記事項(製品Pの製造を特に急ぐ必要がある旨の情報等)等が記憶される。
【0050】
製品関連情報記憶領域14aの内容は、図示しない外部機器から情報を受信することで、あるいは、サーバ入力部13が情報の入力を受け付けることで変更される。また、後述するように、無線表示端末40から送信される、入力部42に入力があった旨の信号をサーバ10が受信した際にも、製品関連情報記憶領域14aの内容が変更される。
【0051】
(2−1−4−2)リンク情報記憶領域
リンク情報記憶領域14bには、携帯端末60を用いて行われた、無線表示端末40と製品Pとのリンク作業の結果が記憶されている。具体的には、リンク情報記憶領域14bには、各無線表示端末40の端末IDと、その無線表示端末40が取り付けられた容器50内に収容された製品Pの製品IDとが関連付けて記憶されている。
【0052】
(2−1−4−3)フォーマット記憶領域
フォーマット記憶領域14cには、画像表示用のフォーマットが記憶されている。画像表示用のフォーマットは、製品Pの製品情報の画像を表示部41に表示させる際に、製品情報の中のどの情報を表示部41のどの位置に配置するのか、その情報をどのくらいの大きさで表示するか、その情報を何色で表示するのか等の情報である。フォーマット記憶領域14cに記憶される情報は、例えば、サーバ入力部13が情報の入力を受け付けることで変更される。
【0053】
(2−1−5)サーバ制御部
サーバ制御部15は、サーバ記憶部14に記憶されているプログラムを実行することで、各種処理を行う。具体的には、サーバ制御部15は、以下の様な処理を行う。
【0054】
例えば、ある無線表示端末40から送信される、入力部42に入力があった旨の信号(信号については後述する)を、サーバ10が受信した時には、サーバ制御部15は、リンク情報記憶領域14bを参照して、信号に含まれていた端末IDの無線表示端末40と関連付けられた製品Pを特定する。そして、サーバ制御部15は、製品関連情報記憶領域14aに記憶されている、その製品Pに関する次に行われるべき加工作業の内容を、新たな加工作業の内容に変更する。
【0055】
また、例えば、サーバ制御部15は、ある無線表示端末40の表示部41の表示の変更が必要な時に、その無線表示端末40に対して表示部41の表示の書き換えを指示するコマンドを生成し、アクセスポイント30を介して、無線表示端末40に無線送信する。コマンドには、画像表示用データを含む。無線表示端末40の表示変更が必要な時とは、例えば、ある無線表示端末40と、ある製品Pとのリンク作業が行われ、リンク情報記憶領域14bに、その無線表示端末40の端末IDと、その製品Pの製品IDとが関連付けて記憶された時である。また、無線表示端末40の表示変更が必要な時とは、逆に、ある無線表示端末40と、ある製品Pとのリンク解除作業が行われ、リンク情報記憶領域14bに、関連付けて記憶されていた無線表示端末40の端末IDと製品Pの製品IDとが消去された時である。また、無線表示端末40の表示変更が必要な時とは、例えば、ある無線表示端末40から送信される、入力部42に入力があった旨の信号をサーバ10が受信し、製品関連情報記憶領域14aに記憶されている、製品Pに対して次に行われるべき加工作業の内容が変更された時である。
【0056】
サーバ制御部15は、無線表示端末40に対するコマンドの生成/送信時に、具体的には以下の処理を行う。
【0057】
まず、サーバ制御部15は、製品関連情報記憶領域14aを参照して、無線表示端末40の表示変更が必要な製品Pについて、無線表示端末40の表示部41に画像(製品情報の画像)表示させるため画像表示用データを生成する。画像表示用データは、後述する、サーバ制御部15の機能部である画像表示用データ生成部15aにより生成される。また、サーバ制御部15は、リンク情報記憶領域14bを参照して、無線表示端末40の表示変更が必要な製品Pとリンク付けされている無線表示端末40の端末IDを取得する。
【0058】
次に、サーバ制御部15は、取得した送信対象の無線表示端末40の端末IDを付した、画像表示用データを含むコマンド(無線表示端末40に表示部41の表示の書き換えを要求する指令)を生成する。さらに、サーバ制御部15は、生成したコマンドを、アクセスポイント30に送信する。コマンドを受信したアクセスポイント30は、そのコマンドを、電波により無線表示端末40に無線送信する。
【0059】
後述するように、無線表示端末40は、自己に対するコマンドを受信すると、アクセスポイント30に対して応答信号を送信する。応答信号を受信したアクセスポイント30は、ネットワーク20を介して、サーバ10に対して応答信号を送信する。サーバ制御部15は、サーバ10がコマンド送信後に応答信号を受信すると、無線表示端末40との通信が成功したと判断し、無線表示端末40に対するコマンドの送信処理を終了する。一方、何らかの原因で、アクセスポイント30が応答信号を受信しない場合には、サーバ制御部15は、コマンドを再送信する。
【0060】
以下に、サーバ制御部15の機能部である画像表示用データ生成部15aについて説明する。
【0061】
(2−1−5−1)画像表示用データ生成部
画像表示用データ生成部15aは、サーバ10がコマンドを送信する対象の無線表示端末40の表示部41に画像(製品情報の画像)を表示させるための画像表示用データを生成する。画像表示用データは、コマンドの一部を構成する。
【0062】
1つの画像表示用データは、2つの表示データを含む。表示データは、色別のデータであり、ある製品情報の画像を無線表示端末40の表示部41に表示させる場合の、その画像における、ある色の表示位置を示すデータである。
【0063】
画像表示用データ生成部15aは、画像表示用データを以下の様にして生成する。
【0064】
まず、サーバ制御部15は、無線表示端末40の表示部41の表示の書き換えが必要になった時に、例えば、製品関連情報記憶領域14aに記憶された、その無線表示端末40の端末IDと関連付けられた製品IDに関して、製品Pのロット番号、製品Pに対して次に行われるべき加工作業の内容、製品Pの製造番号、製品Pの指図番号、製品Pに関する特記事項等、表示部41に表示させることが決められている項目の情報を読み出し、これを表示部41に表示させるべき内容(製品情報)に決定する。
【0065】
画像表示用データ生成部15aは、表示部41に表示させるべき製品情報と、フォーマット記憶領域14cに記憶されたフォーマットと、に基づいて、無線表示端末40の表示部41に製品情報の画像を表示させる場合の、その画像における各色の表示位置を示す表示データを生成する。
【0066】
画像表示用データ生成部15aは、無線表示端末40の表示部41に、色C1、色C2、および色C3の3色を表示色に含む画像(以後では、色C1、色C2、および色C3の3色を表示色に含む画像を第1画像と呼ぶ)を表示させる場合、色C1、色C2、および色C3のそれぞれについて、第1画像における各色の表示位置を示す表示データを生成する。つまり、画像表示用データ生成部15aは、無線表示端末40の表示部41に第1画像を表示させる場合、3つの表示データを生成する。
【0067】
無線表示端末40の表示部41に、
図2のような色C1、色C2、および色C3を表示色に含む第1画像Gaを表示させようとしている場合を例に、画像表示用データ生成部15aによる表示データの生成について具体的に説明する。
【0068】
画像表示用データ生成部15aは、表示部41に第1画像Gaを表示させようとしている場合、色C1、色C2、およびC3のそれぞれについて、つまり合計3つの表示データを生成する。
【0069】
第1画像Gaにおける色C1の表示位置を示す表示データは、例えば、表示部41の全画素について、色C1で表示する部分を“1”で、色C1以外で(色C2又は色C3で)表示する部分を“0”で表した2値のデータである。仮に、色C1の表示位置を示す表示データに基づいて、“1”で表現される画素を黒色で、“0”で表現される画素を白色で、表示部41に表示したとすればとすれば、
図5Aのような画像G1となる。
【0070】
第1画像Gaにおける色C2の表示位置を示す表示データは、例えば、表示部41の全画素について、色C2で表示する部分を“1”で、色C2以外で(色C1又は色C3で)表示する部分を“0”で表した2値のデータである。仮に、色C2の表示位置を示す表示データに基づいて、“1”で表現される画素を黒色で、“0”で表現される画素を白色で、表示部41に表示したとすればとすれば、
図5Bのような画像G2となる。
【0071】
第1画像Gaにおける色C3の表示位置を示す表示データは、例えば、表示部41の全画素について、色C3で表示する部分を“1”で、色C3以外で(色C1又は色C2で)表示する部分を“0”で表した2値のデータである。仮に、色C3の表示位置を示す表示データに基づいて、“1”で表現される画素を黒色で、“0”で表現される画素を白色で、表示部41に表示したとすればとすれば、
図5Cのような画像G3となる。
【0072】
なお、画像表示用データ生成部15aが生成する表示データは、原則、データ圧縮されている。より具体的には、画像表示用データ生成部15aが生成する表示データは、ランレングス方式を用いて、原則、データ圧縮されている。
【0073】
ただし、画像表示用データ生成部15aは、データ圧縮をすることでデータ圧縮前に比べてデータ量が増加する場合には、データ圧縮されていない表示データを生成する。言い換えれば、画像表示用データ生成部15aは、データ圧縮をすることでデータ圧縮前に比べてデータ量が減少する場合のみ、データ圧縮されている表示データを生成する。なお、ここでは、データ圧縮されている表示データも、データ圧縮されていない表示データも、特に呼び分けず、単に表示データと呼ぶ。
【0074】
画像表示用データ生成部15aは、色C1、色C2、および色C3のそれぞれについて、第1画像における各色の表示位置を示す表示データを生成すると、その中から2個の色の表示データを、第1画像を表示させるための画像表示用データに決定する。具体的には、画像表示用データ生成部15aは、2個の表示データのデータ量が最小となる2個の色の組合せを決定し、決定した組合せに含まれる2個の色についての表示データを、無線表示端末40に(コマンドの一部として)送信する画像表示用データに決定する。
【0075】
具体例を上げて説明する。例えば、色C1についての表示データ(表示データに基づき、“1”で表現される画素を黒色で、“0”で表現される画素を白色で、表示部41に表示したとすればとすれば、
図5Aのような画像G1が得られる表示データ)のデータ量が848バイトであるとする。色C2についての表示データ(表示データに基づき、“1”で表現される画素を黒色で、“0”で表現される画素を白色で、表示部41に表示したとすればとすれば、
図5Bのような画像G2が得られる表示データ)のデータ量が2061バイトであるとする。色C3についての表示データ(表示データに基づき、“1”で表現される画素を黒色で、“0”で表現される画素を白色で、表示部41に表示したとすればとすれば、
図5Cのような画像G3が得られる表示データ)のデータ量が1375バイトであるとする。この場合に、画像表示用データ生成部15aは、無線表示端末40に画像表示用データとして送信される2個の表示データのデータ量が最小となる2色の組合せとして、色C1と色C3の組合せを決定し、これらの色の表示データを画像表示用データに決定する。
【0076】
なお、サーバ制御部15が送信するコマンドには、画像表示用データの他、画像表示用データに含まれる2つの表示データが、それぞれどの色の表示データであるかを特定する情報も含まれる。つまり、コマンドを受信した無線表示端末40は、コマンドに含まれていた画像表示用データの2つの表示データが、それぞれ何色の表示データであるかを識別可能である。
【0077】
(2−2)無線表示端末
無線表示端末40は、製品Pが収容される容器50にそれぞれ取り付けられ(
図1参照)、対応する製品P(その無線表示端末40が取り付けられた容器50に収容された製品P)の製品情報を表示する。
【0078】
各無線表示端末40は、
図4のように、主に表示部41、入力部42、通信部43、電池44、記憶部46、および制御部47を有する。
【0079】
(2−2−1)表示部
表示部41には、製品Pの製品情報が表示される。表示部41には、色C1、色C2、および色C3の3色表示が可能である(
図2参照)。ここでは、色C1は白色、色C2は黒色、色C3は赤色であるが、これに限定されるものではなく、それぞれ他の色であってもよい。なお、
図2において、黒色で表されておらず、ハッチングもされていない領域は、画素の表示色が色C1であることを示す。
図2中において黒色で表されている領域は、画素の表示色が色C2であることを示す。
図2においてハッチングされている領域は、画素の表示色が色C3であることを示す。
【0080】
表示部41の表示は、サーバ10から送信されてくる画像表示用データに基づいて書き換えられる。つまり、色C1、色C2、および色C3の3色を表示色に含む第1画像を表示部41に表示する場合には、表示部41の表示は、サーバ10から送信されてくる2個の表示データに基づいて書き換えられる。
【0081】
表示部41には、例えば電子ペーパーが用いられる。すなわち、表示部41は、マトリクス状に配列された複数の画素で構成される、ドットマトリクス方式の不揮発性表示部である。表示部41は、電力が供給されなくても表示内容を保持できる。
【0082】
表示部41には、具体的には、電気泳動方式の電子ペーパーが用いられる。表示部41には、より具体的には、電気泳動方式の、いわゆるマイクロカップ型の電子ペーパーが用いられる。表示部41には、表示面(画像が表示される面)の全域にわたって、多数の、極めて小さなカップ状のセル(このセルは、マイクロカップと呼ばれる)が面状に配置される。表示部41の各セルは、表示部41の各画素に対応している。各セルの内部には、例えば、複数の正に帯電した色C1の粒子と、複数の負に帯電した色C2の粒子と、複数の同じく負に帯電した色C3の粒子と、が収容されている。
【0083】
表示部41の表示は、各セルに他のセルとは独立して電圧を印加することが可能な表示書換部41aによって書き換えられる。具体的には、表示書換部41aは、各セルの表示面側を正電圧又は負電圧とすることで、また、各セルへの電圧の印加の様態(例えば、印加電圧や、電圧の印加時間等)を変えることで、色C1の粒子、色C2の粒子、又は色C3の粒子のいずれかを表示部41の表示面側に移動させる。その結果、各セルに対応する画素の表示色が、色C1、色C2、又は色C3となる。なお、表示書換部41aの動作は、制御部47により制御される。
【0084】
なお、表示部41では、その特性上、表示の書き換え時に、全ての画素の表示色が一旦色C1に書き換えられる。そして、その後に各画素の表示色が所望の色に書き換えられる。例えば、表示部41では、全ての画素の表示色が一旦色C1に書き換えられ、まず色C2を表示すべき画素の表示色が色C2に書き換えられる。さらに、その後、表示色が色C1の画素の内、色C3を表示すべき画素の表示色が色C3に書き換えられる。
【0085】
(2−2−2)入力部
入力部42は、工場で作業をする作業員による入力を受け付けるスイッチ、例えば押しボタンスイッチである。
【0086】
作業員は、例えば、無線表示端末40の表示部41に、製品情報として次に行われる加工作業の名称(仮に、第1加工作業とする)が表示されている場合に、その無線表示端末40の取り付けられた容器50に収容されている製品Pに対し、第1加工作業が終了すると、入力部42としての押しボタンスイッチを押下する。このような、加工作業終了時の入力部42への入力が、どのように利用されるかについては後述する。
【0087】
(2−2−3)通信部
通信部43は、アクセスポイント30と無線通信を行う。言い換えれば、通信部43は、アクセスポイント30を介して、サーバ10と無線通信を行う。
【0088】
通信部43は、サーバ10から、アクセスポイント30を介して、表示部41の表示の書き換え指令としてのコマンドを受信する。コマンドには、画像表示用データ、つまり2個の表示データを含む。
【0089】
通信部43は、後述する制御部47の指示に従い、アクセスポイント30に対して、言い換えればサーバ10に対して、応答信号(ACK)を送信する。応答信号は、無線表示端末40が、その無線表示端末40宛に送信されたコマンドを受信したこと等をサーバ10に知らせるために、通信部43から送信される信号である。
【0090】
また、通信部43は、入力部42に入力があった時に、アクセスポイント30に対して、言い換えればサーバ10に対して、入力部42に入力があった旨を知らせる信号を送信する。なお、入力部42に入力があった旨を知らせる信号には、後述する記憶部46に記憶された端末IDの情報が含まれる。
【0091】
(2−2−4)電池
電池44は、無線表示端末40の各部に電力を供給する。電池44は、例えば、表示部41の表示を書き換える表示書換部41a、入力部42、通信部43、記憶部46および制御部47等に電力を供給する。
【0092】
(2−2−5)記憶部
記憶部46は、図示しないROMやRAM等を有する。
【0093】
記憶部46には、制御部47により実行される各種プログラムが記憶されている。
【0094】
また、記憶部46には、各種情報が記憶されている。例えば、記憶部46には、その記憶部46を有する無線表示端末40の端末ID(自己の端末ID)が記憶されている。また、記憶部46には、通信部43が受信したコマンドに含まれていた画像表示用データが記憶される。言い換えれば、記憶部46には、通信部43が受信したコマンドに含まれていた2個の表示データが記憶される。なお、記憶部46には、通信部43が受信したコマンドに含まれていた、2個の表示データが、それぞれ何色についての表示データであるかという情報と共に記憶される。
【0095】
(2−2−6)制御部
制御部47は、図示しないCPUを主に有する。制御部47は、表示書換部41a、入力部42、通信部43、電池44、および記憶部46と電気的に接続されている(
図4参照)。
【0096】
制御部47は、記憶部46に記憶されたプログラムを実行することで、無線表示端末40の各要素を制御する。
【0097】
具体的には、制御部47は、以下の様な制御を行う。
【0098】
制御部47は、通信部43がアクセスポイント30から送信されてくるコマンドを受信すると、コマンドに付された端末IDと、記憶部46に記憶された端末ID(自己の端末ID)とが、同一であるか否かを判断する。同一でないと判断される場合には、制御部47は、通信部43が受信したコマンドを実行しない。
【0099】
一方、コマンドに付された端末IDと記憶部46に記憶された端末IDとが同一であると判断される場合(以下では、同一判断時と呼ぶ)、制御部47は、通信部43に、アクセスポイント30に対して応答信号(ACK)を送信するよう指示する。ここでの応答信号は、無線表示端末40が、その無線表示端末40宛に送信されたコマンドを受信したことをサーバ10に知らせるための信号である。また、同一判断時には、コマンドに含まれる画像表示用データが記憶部46に記憶される。
【0100】
また、同一判断時には、制御部47は、記憶部46に記憶される画像表示用データに基づいて、画像表示用データが特定する製品情報の画像が表示部41に表示されるよう、表示書換部41aの制御し、表示部41の表示を書き換える。制御部47は、具体的には、画像表示用データを構成する2つの表示データから、表示する第1画像における、色C1、色C2、および色C3の表示位置を把握する。そして、制御部47は、表示書換部41aの制御し、一旦全ての画素の表示色を色C1とした後、色C2および色C3の表示位置に関する情報を利用して、表示部41に、例えば
図2のような画像を表示する。
【0101】
(3)サーバによるコマンドの生成/送信処理
サーバ10による、無線表示端末40に表示部41の書き換えを指示するコマンドの生成/送信処理の例を、
図6のフローチャートを参照して以下に説明する。
【0102】
なお、サーバ10による、無線表示端末40に表示部41の書き換えには、表示部41を単色(例えば色C1)に書き換える場合や、表示部41に2色表示の画像に書き換える場合もあり得るが、ここでは、無線表示端末40の主な用途である、表示部41に3色の表示色を含む画像(第1画像)を表示させる場合についてのみ説明する。
【0103】
初めに、サーバ制御部15は、ある無線表示端末40の表示部41の表示の書き換えが必要になった時に、表示部41に表示させる内容を決定する(ステップS1)。
【0104】
無線表示端末40の表示部41の表示の書き換えが必要になる時とは、例えば、リンク作業が行われ、その無線表示端末40の端末IDと製品IDとが関連付けてリンク情報記憶領域14bに記憶された時である。また、無線表示端末40の表示部41の表示の書き換えが必要になる時とは、例えば、その無線表示端末40から送信される、入力部42に入力があった旨の信号をサーバ10が受信し、製品関連情報記憶領域14aに記憶された、その無線表示端末40の端末IDと関連付けられた製品IDの製品Pに関する、次に行われるべき加工作業の内容が変更された時である。
【0105】
サーバ制御部15は、ある無線表示端末40の表示部41の表示の書き換えが必要になった時に、例えば、製品関連情報記憶領域14aに記憶された、その無線表示端末40の端末IDと関連付けられた製品IDに関して、製品Pのロット番号、製品Pに対して次に行われるべき加工作業の内容、製品Pの製造番号、製品Pの指図番号、製品Pに関する特記事項等、表示部41に表示させることが決められている項目の情報を読み出し、これを表示部41に表示させるべき内容(製品情報)に決定する。
【0106】
次に、ステップS2では、画像表示用データ生成部15aは、ステップS1で決定された表示部41に表示させるべき製品情報と、フォーマット記憶領域14cに記憶されたフォーマットと、に基づいて、無線表示端末40の表示部41に製品情報の第1画像を表示させる場合の、その第1画像における各色の表示位置を示す表示データを生成する。
【0107】
次に、ステップS3では、画像表示用データ生成部15aは、3個の(各色の)表示データから、表示データのデータ量の合計が最小となる2個の表示データの組合せを決定する。言い換えれば、画像表示用データ生成部15aは、無線表示端末40に画像表示用データとして送信される2個の表示データのデータ量が最小となる2個の色の組合せを決定する。
【0108】
次に、サーバ制御部15は、無線表示端末40に表示部41の表示を書き換えさせるためのコマンドを生成する(ステップS4)。コマンドには、画像表示用データが含まれる。画像表示用データには、ステップS3で決定された組合せに含まれる2個の色についての表示データを含む。なお、コマンドには、コマンドに含まれる2個の表示データが、それぞれ、どの色の表示データであるかを識別するための情報を含む。また、コマンドには、コマンドを実行させる対象の無線表示端末40の端末IDが付加される。
【0109】
次に、ステップS5では、サーバ10は、ネットワーク20およびアクセスポイント30を介して、無線表示端末40に対しコマンドを無線送信する。
【0110】
つまり、サーバ10は、第1色および第2色を表示色に含む、表示色が3色の第1画像を、無線表示端末40の表示部41に表示させるためのデータとして、第1画像における第1色の表示位置を示す第1の表示データと、第1画像における第2色の表示位置を示す第2の表示データと、を無線表示端末40に送信する。
【0111】
言い換えれば、第1画像は、表示色が3色の画像であり、サーバ10は、第1画像を無線表示端末40の表示部41に表示させるためのデータとして、第1色および第2色の2個の色のそれぞれについて、第1画像における色の表示位置を示した、2個の表示データを、無線表示端末40に送信する。
【0112】
(4)特徴
(4−1)
本実施形態に係る無線表示システム100は、無線表示端末40と、サーバ10と、を備える。無線表示端末40は、3色の表示が可能な表示部41を有する。サーバ10は、無線表示端末40に、表示部41に画像を表示させるためのデータ(画像表示用データ)を無線送信する。サーバ10は、第1色および第2色を表示色に含む、表示色が3色の第1画像を、表示部41に表示させるためのデータとして、第1画像における第1色の表示位置を示す第1の表示データと、第1画像における第2色の表示位置を示す第2の表示データと、を無線表示端末40に送信する。無線表示端末40は、第1の表示データおよび第2の表示データに基づいて、表示部41に第1画像の表示を行わせる。
【0113】
ここでは、第1画像(第1色および第2色を表示色に含む、表示色が3色の画像)を、表示部41に表示させるためのデータが、第1画像における、第1色の表示位置を示す第1の表示データと、第2色の表示位置を示す第2の表示データとに分けて無線表示端末40に送信される。そのため、第1画像について3色の表示色に関する情報を単一のデータで無線表示端末40に送信する場合に比べ、表示部41に画像を表示させるまでの処理に要する、無線表示端末40の消費電力を抑制できる。
【0114】
例えば、各表示データは単一の色の表示位置に関する2値のデータであるため、第1画像が複数色(ここでは3色)に関する情報を含む単一のデータが送信される場合に比べ、無線表示端末40の制御部47が実行する処理は、単純な処理でよく、無線表示端末40の消費電力が抑制されやすい。
【0115】
(4−2)
本実施形態に係る無線表示システム100では、サーバ10は、無線表示端末40に送信される2個の表示データのデータ量が最小となる2個の色の組合せを決定し、決定した組合せに含まれる2個の色について、2個の表示データを無線表示端末40に送信する。
【0116】
ここでは、サーバ10からの送信データ量が最小となる色の組合せに含まれる2個の色について、2個の表示データが無線表示端末40に送信されるため、データ受信の際の無線表示端末40の消費電力を抑制できる。
【0117】
(4−3)
本実施形態に係る無線表示システム100では、画像表示用データとしてサーバ10から送信される2個の表示データは、通常、データ圧縮されている。
【0118】
ここでは、表示データが、通常、データ圧縮されているため、サーバ10からの送信データ量を特に抑制できる。そのため、データ受信時間が短くなり、データ受信の際の無線表示端末40の消費電力を特に抑制できる。
【0119】
なお、本実施形態に係る無線表示システム100では、表示データは、データ圧縮をすることでデータ圧縮前に比べてデータ量が減少する場合のみデータ圧縮されている。
【0120】
つまり、ここでは、全ての表示データが一律にデータ圧縮されているのではなく、データ圧縮によりデータ量が少なくなる表示データについてのみデータ圧縮されている。そのため、サーバ10から無線表示端末40に送信されるデータ量を抑制し、データ受信の際の無線表示端末40の消費電力を特に抑制することができる。
【0121】
(4−4)
本実施形態に係る無線表示システム100では、データ圧縮は、ランレングス方式を用いて行われる。
【0122】
ここでは、各表示データが、第1画像における1の色の表示位置を示す情報であるため、一般にランレングス方式を用いて効率よくデータ圧縮可能である。効率よくデータ圧縮された表示データが無線表示端末40に送信されるため、データ受信時間が短くなり、データ受信の際の無線表示端末40の消費電力を特に抑制できる。
【0123】
また、ランレングス方式は、比較的単純なデータ圧縮方式であるため、表示データを受信する無線表示端末40の処理の負荷を抑制でき、表示部41に画像を表示させるまでの処理に要する無線表示端末40の消費電力を抑制できる。
【0124】
さらに、ランレングス方式は、比較的単純なデータ圧縮方式であるため、無線表示端末40には高い処理能力が不要で、無線表示システム100を構成する無線表示端末40の価格も抑制できる。
【0125】
(4−5)
本実施形態に係る無線表示システム100では、表示部41は電子ペーパーである。
【0126】
ここでは、表示部41の表示内容の保持に電力を不要とすることができ、無線表示端末40の電力消費量を抑制することができる。
【0127】
(4−6)
本実施形態に係る無線表示システム100では、表示部41は、3色の表示が可能である。
【0128】
ここでは、表示部41の表示色が比較的少ないため、第1画像を表示部41に表示させるためのデータを、複数色に関する情報を含む単一のデータとしてではなく、複数の、第1画像における1の色の表示位置を示す表示データに分けて送信した時の、無線表示端末40の消費電力の抑制効果が高い。
【0129】
(5)変形例
以下に上記実施形態の変形例について説明する。なお、矛盾しない範囲で、複数の変形例が組み合わされてもよい。
【0130】
(5−1)変形例A
上記実施形態では、無線表示端末40の表示部41は3色の表示が可能であるが、これに限定されるものではない。
【0131】
表示部41がN色(Nは3以上の整数)を表示可能で、表示部にK色(Kは3以上、N以下の整数)の画像を表示させる場合にも、無線表示システム100を上記実施形態と同様の構成とすることで、無線表示端末40の消費電力を抑制できる。
【0132】
つまり、無線表示システム100は、N色(Nは3以上の整数)の表示が可能な表示部41を有する無線表示端末40と、サーバ10とを備え、サーバ10が、表示色がK色(Kは3以上、N以下の整数)の第1画像を、表示部41に表示させるためのデータとして、第1画像の表示色に含まれる(K−1)個の色のそれぞれについて、第1画像における色の表示位置を示した、(K−1)個の表示データを、無線表示端末に送信するよう構成されてもよい。この時、無線表示端末は、(K−1)個の表示データに基づいて、表示部に第1画像の表示を行わせるよう構成されればよい。
【0133】
ここでは、表示色がK色(3≦K≦N)の第1画像を表示部41に表示させるためのデータとして、(K−1)個の色のそれぞれの第1画像における表示位置を示す(K−1)個の表示データが、無線表示端末40に送信される。そのため、第1画像についてK色の表示色に関する情報を単一のデータとして送信する場合に比べ、表示部41に画像を表示させるまでの処理に要する無線表示端末の消費電力を抑制できる。
【0134】
なお、Nは3又は4であることがより好ましい。言い換えれば、Kは、3又は4であることが好ましい。例えば、上記実施形態のように、表示部41は3色表示が可能なものであって、表示色が3色の第1画像が表示部41に表示されることが好ましい。また、表示部41は4色表示が可能なものであって、表示色が3色又は4色の第1画像が表示部41に表示されることが好ましい。
【0135】
このように表示部41の表示色が比較的少ない場合には、第1画像を表示部41に表示させるためのデータを、複数色に関する情報を含む単一のデータとしてではなく、複数の、第1画像における1の色の表示位置を示す表示データに分けて送信した時の、無線表示端末40の消費電力の抑制効果が高い。
【0136】
なお、変形例Aのように構成される場合にも、無線表示システム100は、上記実施形態と同様の特徴を備えることが好ましい。
【0137】
例えば、サーバ10は、(K−1)個の表示データのデータ量が最小となる(K−1)個の色の組合せを決定し、決定した組合せに含まれる(K−1)個の色について、(K−1)個の表示データを無線表示端末40に送信することが好ましい。
【0138】
また、例えば、無線表示端末40に送信される(K−1)個の表示データの少なくとも一部はデータ圧縮されていることが好ましい。
【0139】
(5−2)変形例B
上記実施形態に係る無線表示システム100では、無線表示端末40の表示部41は、電気泳動方式のマイクロカップ型の電子ペーパーであるが、これに限定されるものではない。表示部41は、3色以上の表示が可能なものであればよく、異なるタイプの表示部が採用されてもよい。
【0140】
(5−3)変形例C
上記実施形態に係る無線表示システム100では、データ圧縮にランレングス方式が用いられるが、データ圧縮方式はこれに限定されるものではなく、汎用されている他のデータ圧縮方式が採用されてもよい。ただし、ランレングス方式のような単純な圧縮方式を用いることで、無線表示端末40の制御部47の処理の負荷を低減することができる。
【0141】
<他の実施形態>
(1)全体構成
本発明の他の実施形態に係る電子棚札システム300について以下に説明する。
【0142】
電子棚札システム300は、本発明に係る無線表示システムの一例である。電子棚札システム300は、例えば、スーパーマーケットやコンビニエンスストアのような店舗において使用される。
【0143】
電子棚札システム300は、
図7に示すように、主として、サーバ310と、複数の電子棚札340,340,・・・と、複数のアクセスポイント30,30,・・・と、携帯端末60と、から構成されている。電子棚札システム300に含まれる電子棚札340およびアクセスポイント30の台数は、
図7に示される数に限定されるものではない。
【0144】
電子棚札340は、無線表示端末の一例である。電子棚札340も、色C1、色C2、および色C3の3色表示が可能な表示部41を有する(
図9参照)。電子棚札340は、可搬性の装置である。電子棚札340は、電子棚札システム300の設置される店舗で取り扱われる複数の商品Aのそれぞれに対応して配置される表示装置である(
図8参照)。電子棚札340は、店舗の売り場において、対応する商品Aに関する情報を表示する(
図9参照)。電子棚札340に表示される商品情報には、商品名、販売価格、および販売単価(重量あたりの販売価格)が含まれる(
図9参照)。ただし、商品情報は、商品名、販売価格、および販売単価に限定される必要はなく、これらの情報に加えて、あるいはこれらの情報の一部又は全部に代えて、他の情報を含んでいてもよい。電子棚札340は、表示内容以外は、上記実施形態の無線表示端末40と同様であるので説明は省略する。
【0145】
また、サーバ310は、店舗で取り扱われる複数の商品Aの情報を一元管理する一般的なコンピュータであり、取り扱う情報が異なること以外、上記実施形態の無線表示システム100のサーバ10と同様であるので、説明は省略する。
【0146】
また、アクセスポイント30、ネットワーク20、および携帯端末60についても、上記実施形態の無線表示システム100と同様であるので、説明は省略する。
【0147】
本電子棚札システム300においても、電子棚札340やサーバ310を、上記実施形態の無線表示端末40およびサーバ10と同様の構成とすることで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。