(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
  以下、具体的な実施形態について、薄膜基板と半導体装置とこれらの製造方法および成膜装置および成膜方法およびGaNテンプレートを例に挙げて図を参照しつつ説明する。なお、図面中の各層の厚みの比率は、実際の比率を反映したものではない。
 
【0027】
(第1の実施形態)
  第1の実施形態について説明する。
 
【0028】
1.成膜装置
1−1.成膜装置の構成
  
図1は、本実施形態の成膜装置1000の概略構成を示す図である。成膜装置1000は、スパッタリングにより基板110の上に薄膜を成膜するための装置である。成膜装置1000は、チャンバー1100と、サセプター1200と、ヒーター1300と、ターゲット配置部1400と、ターゲット1500と、電圧印加部1600と、ガス供給部(図示せず)と、を有する。
 
【0029】
  チャンバー1100は、スパッタリングを実施する基板110を収容するためのものである。また、チャンバー1100は、サセプター1200と、ヒーター1300と、ターゲット配置部1400と、ターゲット1500と、を内部に収容している。サセプター1200は、基板110を支持するための基板支持部である。ヒーター1300は、サセプター1200に支持される基板110を加熱するためのものである。ターゲット配置部1400は、ターゲット1500を配置するためのものである。ターゲット1500は、スパッタリングにより基板110に薄膜を成膜するための原材料である。
 
【0030】
  電圧印加部1600は、ターゲット1500に電圧を印加するためのものである。ここで、チャンバー1100は、接地されている。電圧印加部1600は、直流電源を用いるものである。しかし、電圧印加部1600は、交流電源あるいはパルスDC電源を用いるものであってもよい。
 
【0031】
1−2.ターゲットの配置
  基板110の板面に垂直な方向と、基板110からみてターゲット1500の配置されている方向とのなす角の角度は、角度θである。ここで、角度θは、基板110の表面の中心と、ターゲット1500の表面の中心と、がなす角の角度である。角度θは、10°以上60°以下の範囲内である。つまり、ターゲット配置部1400は、基板110の板面に垂直な方向に対して、10°以上60°以下の範囲内で傾斜させた位置に配置されている。もちろん、ターゲット1500は、基板110の板面に垂直な方向に対して、10°以上60°以下の範囲内で傾斜させた位置に配置されている。好ましくは、角度θは、15°以上55°以下の範囲内である。より好ましくは、角度θは、20°以上50°以下の範囲内である。さらに好ましくは、角度θは、25°以上45°以下の範囲内である。
 
【0032】
  ターゲット1500の表面は、基板110の板面に垂直な方向に対して10°以上60°以下の範囲内で傾斜している。また、ターゲット配置部1400は、ターゲット1500の表面が、基板110の板面に垂直な方向に対して10°以上60°以下の範囲内で傾斜する位置および向きで配置されている。
 
【0033】
  したがって、この成膜装置1000を用いると、特定の角度θの方向からターゲット粒子が基板110に向かって輸送される。また、基板110については回転させない。このように、成膜装置1000は、指向性スパッタリング装置である。
 
【0034】
2.成膜装置における成膜方法
2−1.用いる基板
  
図2は、成膜に用いる基板110を示す図である。基板110は、Si(001)基板である。ここで、基板110は、立方晶基板である。基板110は、
図2に示すようにオリエンテーションフラットを有する。また、
図2には、[−110]方向と、[110]方向と、が描かれている。なお、基板110として、[110]方向または[110]方向と等価な方向に15°以内のオフ角をつけたオフ基板を適用してもよい。
 
【0035】
2−2.成膜方法
  まず、チャンバー1100の内部のサセプター1200に基板110を配置する。この際、
図1に示すように、ターゲット1500を基板110の板面に射影した場合に、ターゲット1500が基板110の[110]方向もしくは[110]方向に等価な方向に位置するように、ターゲット1500を配置する。このとき、ターゲット1500は、基板110の板面に垂直な方向に対して、10°以上60°以下の範囲内で傾斜させた位置に配置されている。ここで、ターゲット1500の材質は、Alである。また、N
2 ガスを10〜100sccm程度供給する。なお、ターゲット1500は、基板110の[110]方向または[110]方向と等価な方向から基板110の面内回転方向で30°以内に位置する。
 
【0036】
  次に、電圧印加部1600がターゲット1500に電圧を印加する。これにより、ターゲット1500から原材料が飛び出す。そして、飛び出した原材料は、基板110の板面に垂直な方向から傾斜する向きに飛散する。つまり、基板110からみると、[110]方向から基板110の板面に垂直な方向に角度θ程度だけ傾斜した方向から、原材料が飛び出してくる。このとき、サセプター1200は、回転していない。つまり、基板110をチャンバー1100に対して回転させない。そして、飛び出した原材料は、基板110に堆積する。これにより、基板110にバッファ層120が成膜される。つまり、立方晶基板であるSi(001)基板の上に六方晶のAlN層が成膜される。
 
【0037】
3.成膜された薄膜基板
  
図3は、成膜装置1000により成膜された薄膜基板100を示す図である。薄膜基板100とは、薄膜を成膜された被成膜基板である。薄膜基板100は、基板110と、バッファ層120と、を有している。バッファ層120は、スパッタリングにより成膜されたAlN層である。ここで、基板110は、立方晶基板である。一方、バッファ層120は、六方晶の層である。このように、薄膜基板100は、立方晶の基板110と、六方晶のバッファ層120と、を有している。
 
【0038】
  図4は、
図3を拡大した図である。
図4に示すように、バッファ層のc軸は、基板110の板面にわたって第1の方向J1を向いている。そして、第1の方向J1は、基板110の板面に垂直な方向に対して角度θ1だけ傾斜している。バッファ層120の成長方向は、基板110の板面に垂直な方向に対して角度θ1だけ傾斜している。ここで、バッファ層120の成長方向の傾きの角度θ1は、ターゲット1500の配置角度θと近い。
 
【0039】
  角度θ1は、10°以上60°以下の範囲内である。好ましくは、角度θ1は、15°以上55°以下の範囲内である。より好ましくは、角度θ1は、20°以上50°以下の範囲内である。さらに好ましくは、角度θ1は、25°以上45°以下の範囲内である。
 
【0040】
4.結晶構造と結晶成長
  
図5は、本実施形態における基板110とターゲット1500との間の位置関係を極座標空間で示す図である。基板110の板面に垂直な方向は、法線方向Z
A である。第1の方向J1における法線方向Z
A からの傾斜角を偏角θ
A 、第1の方向J1における基板110の面内回転方向を偏角φ
A 、と定義する。また、ターゲット1500の表面に垂直な方向を法線方向Z
B と定義する。
 
【0041】
  本実施形態では、ターゲット粒子は、ターゲット1500の法線方向Z
B の向きもしくはその方向に近い向きから基板110に到達する。そして、到達したターゲット粒子は、熱力学的に安定となるように結晶化する。そのため、ターゲット粒子の入射方向は、バッファ層120の成長方向と近い。そのため、バッファ層120のc軸の方向である第1の方向J1は、ターゲット1500の法線方向Z
B に近い。
 
【0042】
  ここで、基板110は、立方晶基板である。そのため、基板110の板面には、原子が格子状の頂点に配置されている。これに対して、バッファ層120は、六方晶である。ただし、バッファ層120の傾斜面が、基板110の板面と適合する。例えば、後述するバッファ層120の(10−13)面は、バッファ層120の傾斜面である。そして、バッファ層120の(10−13)面では、原子が長方形の格子状の頂点の位置に配置されている。したがって、基板110の正方形の格子状の頂点に位置する原子と、バッファ層120の長方形の格子状の頂点に位置する原子とが、結合する。よって、立方晶の基板110の上に六方晶のバッファ層120を成長させることができるのである。
 
【0043】
5.従来の成膜方法との比較
5−1.本実施形態の成膜方法
  本実施形態では、基板110に対して、特定の方向からターゲット粒子を基板110に向けて輸送する。つまり、基板110の板面からみると、常にほぼ一定の方向から原料粒子が輸送される。その結果、
図4に示すように、成膜された基板110の上では、基板110の上の第1の箇所におけるGaN層のc軸は、第1の方向J1を向いている。また、基板110の上の第2の箇所におけるGaN層のc軸も、第1の方向J1を向いている。このように、成膜されるAlN層およびGaN層のc軸のほとんどは、基板110の板面にわたって第1の方向J1を向いている。つまり、c軸は、基板110の板面に垂直な方向に対して、ある特定の角度θ1(
図4参照)で傾いているのである。また、c軸は、基板110の板面の[110]方向または[110]方向と等価な方向に対して面内回転方向で30°以下の範囲の特定の方向を向いている。
 
【0044】
5−2.従来の成膜方法
  従来のMOCVD法を用いて、立方晶の基板の上に六方晶のバッファ層を成膜しようと試みたと仮定する。その場合には、種々の方向から原料粒子が輸送される。その結果、ある箇所では、例えば、[110]方向にc軸が傾く。別の箇所では、例えば、[−110]方向にc軸が傾く。また、[1−10]方向もしくは[−1−10]方向にc軸が傾く場合がある。このように、基板上の位置によってc軸の傾く向きが異なっている。
 
【0045】
  図6に示すように、低温成膜された基板110上のGaNでは、基板110の第3の箇所におけるGaN層のc軸は、第2の方向J2を向いている。また、基板110の第4の箇所におけるGaN層のc軸は、第3の方向J3を向いている。もちろん、第2の方向J2と第3の方向J3とは異なる方向である。このように、基板110の場所によって、c軸は別々の方向を向いている。
 
【0046】
  高温で成膜した場合にはc軸は傾かない。しかし、バッファ層120は、第1の領域と、第1の領域から面内回転方向に30°回転した第2の領域と、を有することとなる。つまり、結晶方位の異なる2つの領域が混在することとなる。したがって、単結晶は得られない。また、オフ基板を用いたとしても、結晶性の良い結晶は得られない。
 
【0047】
  なお、何らかの理由により、特定の方向が支配的になる可能性がないわけではない。しかし、基板110の板面にわたって一様にc軸が傾斜するGaN層を成長させることは、非常に困難である。つまり、再現性が悪い。
 
【0048】
6.変形例
6−1.c軸の傾き
  本実施形態の薄膜基板100は、基板110と、バッファ層120と、を有する。バッファ層120のc軸は、基板110の板面にわたって第1の方向J1を向いている。つまり、バッファ層120のc軸は、95%以上の割合で第1の方向J1を向いている。しかし、基板110を[110]方向に等価な方向に配置しなかった場合には、第1の方向J1を向いているc軸の割合は低下する。その場合であっても、バッファ層120のc軸は、少なくとも50%以上の割合で第1の方向J1を向いている。このように、バッファ層120のc軸は、50%以上100%以下の割合で第1の方向J1を向いている。
 
【0049】
  このように、バッファ層120のc軸が、50%以上の割合で第1の方向J1を向いていれば、III 族窒化物半導体層のc軸のほとんどが第1の方向J1を向いた状態でIII 族窒化物半導体層を成長させることができる。つまり、バッファ層120におけるc軸の支配的な向きが、その後に成長させるIII 族窒化物半導体層のc軸の傾きを決定づけるのである。このように成長させたIII 族窒化物半導体層では、c軸の95%以上は、第1の方向J1を向いている。つまり、ほとんど単結晶が得られる。もちろん、バッファ層120のc軸のうち第1の方向J1を向いている割合が多いほど、その上に成長させるIII 族窒化物半導体層の結晶性はよい。
 
【0050】
  よって、バッファ層120のc軸のうち第1の方向J1を向いているc軸の割合は、50%以上100%以下の割合である。好ましくは、65%以上100%以下の割合である。より好ましくは、80%以上100%以下の割合である。さらに好ましくは、90%以上100%以下の割合である。
 
【0051】
6−2.基板の種類
  本実施形態における立方晶の基板110は、Si(001)基板である。しかし、その他の立方晶基板を用いることもできる。例えば、MgO基板と、TiO
2 基板と、SrTiO
3 基板と、が挙げられる。また、SiC基板、GaAs基板、等の立方晶基板を用いることもできる。また、(001)基板以外に、(110)基板を用いてもよい。
 
【0052】
6−3.バッファ層の種類
  本実施形態のバッファ層120は、AlN層である。しかし、Al
X Ga
Y In
Z N層(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1、X+Y+Z=1)を用いてもよい。また、その他のバッファ層を用いてもよい。バッファ層として、例えば、BN層と、ZnO層と、ZnS層と、が挙げられる。
 
【0053】
6−4.サセプターの回転(その1)
  本実施形態では、サセプター1200を回転させない。しかし、基板110およびターゲット1500の位置関係を保持した状態で、サセプター1200およびターゲット1500の両方を回転させてもよい。
 
【0054】
6−5.サセプターの回転(その2)
  本実施形態の薄膜基板100の製造方法は、サセプター1200を回転させない第1の工程と、サセプター1200を回転させる第2の工程と、を有していてもよい。つまり、バッファ層120の成膜初期段階では、サセプター1200を回転させずに約10nm以上の膜厚でバッファ層120の一部を成膜する。この段階では、バッファ層120のc軸の配向方向が決定されている。そして、この後、サセプター1200を回転させながらバッファ層120の残部を成膜する。この段階では、既にc軸の配向方向が決定されているので、その決定されたc軸の配向方向に従ってバッファ層120の残部は成長する。このように2段階にすることにより、バッファ層120の基板面内均一性が向上する。
 
【0055】
6−6.ターゲット配置部
  本実施形態のターゲット配置部1400は、チャンバー1100に固定されている。しかし、ターゲット配置部1400は、ターゲット1500の表面が、基板110の板面に垂直な方向に対して10°以上60°以下の範囲内で相対的に可変となるように傾斜角を変更できるようになっていてもよい。
 
【0056】
6−7.組み合わせ
  上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。
 
【0057】
7.本実施形態のまとめ
  本実施形態の成膜装置1000では、基板110の板面に垂直な方向と、基板110からみてターゲット1500の配置されている方向とのなす角の角度が、角度θだけ傾斜している。そのため、立方晶である基板110の上に六方晶のバッファ層120を成長させることができる。したがって、例えば、大口径のSi(001)基板の上にIII 族窒化物半導体を成長させることができる。
 
【0058】
  本実施形態の薄膜基板100は、立方晶の基板110と、その基板110の上に成長させた六方晶のバッファ層120と、を有している。そのため、安価で大口径のSi(001)基板の上にIII 族窒化物半導体を成長させることができる。
 
【0059】
(第2の実施形態)
  第2の実施形態について説明する。
 
【0060】
1.HEMT
  
図7は、第2の実施形態のHEMT200の概略構成を示す図である。HEMT200は、III 族窒化物半導体を有する半導体素子である。HEMT200は、基板110と、バッファ層120と、下地層230と、チャネル層240と、バリア層250と、ソース電極S1と、ドレイン電極D1と、ゲート電極G1と、を有している。
 
【0061】
  基板110は、立方晶基板である。具体的には、Si(001)基板である。バッファ層120は、六方晶のAlN層である。このように、立方晶の基板110の上に六方晶のバッファ層120が形成されている。また、下地層230は、GaN層である。チャネル層240は、GaN層である。バリア層250は、AlGaN層である。これらは例示であり、下地層230と、チャネル層240と、バリア層250とは、これ以外の種類の半導体層であってもよい。
 
【0062】
2.バッファ層およびGaN層
  
図8は、HEMT200から基板110とバッファ層120と下地層230とを抜き出して描いた概念図である。ここで、第1の角度θ1は、基板110の板面に垂直な方向と、バッファ層120のc軸と、がなす角の角度である。第2の角度θ2は、基板110の板面に垂直な方向と、下地層230のc軸と、がなす角の角度である。
 
【0063】
  角度θ2は、10°以上60°以下の範囲内である。好ましくは、角度θ2は、15°以上55°以下の範囲内である。より好ましくは、角度θ2は、20°以上50°以下の範囲内である。さらに好ましくは、角度θ2は、25°以上45°以下の範囲内である。
 
【0064】
  図8に示すように、下地層230のc軸の向きは、バッファ層120のc軸の向きとほぼ同じ向きである。つまり、c軸が傾斜しているバッファ層120の上には、そのバッファ層120の結晶性を受け継いで、GaNが成長する。ここで、第2の角度θ2は、第1の角度θ1にほぼ等しい。第2の角度θ2は、基板110の板面に垂直な方向および面内方向の両方について、第1の角度θ1に対して0°以上5°以下だけ傾斜している。つまり、下地層230のc軸は、バッファ層120のc軸の方向に対して、基板110の板面に垂直な方向および面内方向の両方について、0°以上5°以下の範囲内で傾斜している。好ましくは、0°以上3°以下の範囲内である。より好ましくは、0°以上1°以下の範囲内である。
 
【0065】
3.本実施形態の効果
  バッファ層120のc軸は、基板110の板面の[110]方向または[110]方向と等価な方向に対して面内回転方向で30°以下の範囲内にある。この場合、GaN層である下地層230の表面は非極性面となる。そのため、自発分極とピエゾ分極が抑制される。したがって、ノーマリオフタイプのHEMTが得られやすい。また、発光素子に適用する場合には、発光層内の分極による波長シフトが抑制される。また、電界の歪みによる電子および正孔の波動関数の分離が抑制される。したがって、発光効率の低下を抑制することができる。
 
【0066】
  図9は、In組成比が20%のInGaNをGaN上に成長させた場合の薄膜中の分極を示すグラフである。
図10は、Al組成比が20%のAlGaNをGaN上に成長させた場合の薄膜中の分極を示すグラフである。
図9および
図10に示すように、c軸を傾斜させた場合の分極の度合いは、c軸を傾斜させない場合の分極の度合いよりも小さい。In組成比やAl組成比が変化しても、この傾向はそれほど変わらない。したがって、本実施形態のc軸が傾斜した非極性面を用いる半導体装置では、分極が抑制される。
 
【0067】
4.HEMTの製造方法
4−1.バッファ層形成工程
  第1の実施形態の成膜装置1000を用いて、基板110の上にバッファ層120を形成する。その後、成膜した基板110を成膜装置1000から取り出す。
 
【0068】
4−2.半導体層形成工程
  その後、MOCVD装置等を用いて、バッファ層120の上にIII 族窒化物半導体の単結晶をエピタキシャル成長させる。つまり、バッファ層120の上に下地層230を成長させる。次に、下地層230の上にチャネル層240を成長させる。そして、チャネル層240の上にバリア層250を成長させる。
 
【0069】
4−3.電極形成工程
  そして、バリア層250の上に、ソース電極S1と、ドレイン電極D1と、ゲート電極G1と、を形成する。そして、基板110を切り出してチップ化する。これにより、
図7に示すHEMT200が製造される。
 
【0070】
5.変形例
5−1.MIS型HEMT
  本実施形態のHEMT200に限らず、MIS型HEMTもしくはMOS型HEMTにも本実施形態の技術を適用することができる。
 
【0071】
5−2.縦型素子
  また、その他の縦型の半導体素子についても、本実施形態の技術を適用することができる。
 
【0072】
5−3.GaNテンプレート
  また、本実施形態の技術は、GaNテンプレートにも適用することができる。その場合のGaNテンプレートの構造は、
図8に示すものと同様である。
 
【0073】
5−4.組み合わせ
  上記の変形例を第1の実施形態およびその変形例と自由に組み合わせてもよい。
 
【0074】
6.本実施形態のまとめ
  本実施形態のHEMT200は、立方晶の基板110と、その基板110の上に成長させた六方晶のバッファ層120と、を有している。そのため、安価で大口径のSi(001)基板の上にIII 族窒化物半導体を成長させることができる。
 
【0075】
(第3の実施形態)
  第3の実施形態について説明する。
 
【0076】
1.半導体発光素子
  
図11は、第3の実施形態の発光素子300の概略構成を示す図である。発光素子300は、III 族窒化物半導体を有する半導体素子である。発光素子300は、基板110と、バッファ層120と、n型コンタクト層330と、発光層340と、p型クラッド層350と、p型コンタクト層360と、n電極N1と、p電極P1と、を有する。
 
【0077】
  基板110は、立方晶基板である。具体的には、Si(001)基板である。バッファ層120は、六方晶のAlN層である。このように、立方晶の基板110の上に六方晶のバッファ層120が形成されている。
 
【0078】
  n型コンタクト層330は、n電極N1と接触する層である。n型コンタクト層330は、n型GaNを有している。発光層340は、電子と正孔とが再結合して発光する層である。p型クラッド層350は、電子を閉じ込めておくための層である。p型クラッド層350は、超格子構造を備える層である。p型コンタクト層360は、p電極P1と接触する層である。p型コンタクト層360は、p型GaNを有している。これらは、例示であり、これ以外の半導体層を有していてもよい。
 
【0079】
2.バッファ層およびGaN層
  第3の実施形態におけるバッファ層120とn型コンタクト層330との関係は、第2の実施形態のバッファ層120と下地層230との関係と同様である。つまり、
図8に示す関係が、発光素子300においても成り立つ。
 
【0080】
3.半導体発光素子の製造方法
3−1.バッファ層形成工程
  第1の実施形態の成膜装置1000を用いて、基板110の上にバッファ層120を形成する。その後、成膜した基板110を成膜装置1000から取り出す。
 
【0081】
3−2.半導体層形成工程
  その後、MOCVD装置等を用いて、バッファ層120の上にIII 族窒化物半導体の単結晶をエピタキシャル成長させる。つまり、バッファ層120の上にn型コンタクト層330を成長させる。次に、n型コンタクト層330の上に発光層340を成長させる。そして、発光層340の上にp型クラッド層350を成長させる。そして、p型クラッド層350の上にp型コンタクト層360を成長させる。
 
【0082】
3−3.電極形成工程
  そして、p型コンタクト層360からn型コンタクト層330まで達する凹部を設ける。そして、その凹部に露出しているn型コンタクト層330の上にn電極N1を形成する。また、p型コンタクト層360の上にp電極P1を形成する。また、基板110を切り出してチップ化する。これにより、
図11に示す発光素子300が製造される。
 
【0083】
4.変形例
4−1.半導体レーザー素子
  
図11に示す第3の実施形態の半導体素子は、発光素子300である。しかし、半導体レーザー素子に対しても、同様に、本実施形態の技術を適用することができる。
 
【0084】
4−2.受光素子
  また、本技術は、受光素子にも適用することができる。受光素子は、発光素子300の発光層を光吸収層として用いる。受光素子として、例えば、太陽電池が挙げられる。
 
【0085】
4−3.組み合わせ
  上記の変形例を第1の実施形態およびその変形例と自由に組み合わせてもよい。
 
【0086】
5.本実施形態のまとめ
  本実施形態のHEMT200は、立方晶の基板110と、その基板110の上に成長させた六方晶のバッファ層120と、を有している。そのため、安価で大口径のSi(001)基板の上にIII 族窒化物半導体を成長させることができる。
 
【0087】
(第4の実施形態)
  第4の実施形態について説明する。
 
【0088】
1.薄膜基板
  
図12は、第4の実施形態の薄膜基板400の構造を示す図である。薄膜基板400は、基板110と、バッファ層120と、中間層ILと、を有している。バッファ層120は、スパッタリングにより成膜されたAlN層である。ここで、基板110は、立方晶基板である。一方、バッファ層120は、六方晶の層である。また、中間層ILは、六方晶の層である。このように、薄膜基板100は、立方晶の基板110と、六方晶のバッファ層120と、六方晶の中間層ILと、を有している。第4の実施形態のバッファ層120は、第1の実施形態のバッファ層120と同様である。
 
【0089】
2.中間層
  ここで、中間層ILについて説明する。第4の実施形態の中間層ILは、MOCVD法により成膜された層である。中間層ILは、バッファ層120の結晶性を受け継ぎつつ、格子欠陥を低減させるための層である。中間層ILの膜厚は、例えば、10nm以上100nm以下の範囲内である。中間層ILの膜厚は上記以外であってもよい。そして、中間層ILとして、例えば、次の3種類の中間層を挙げることができる。
 
【0090】
2−1.第1の中間層
  第1の中間層は、高温AlN層である。高温AlN層の成長温度は、950℃以上1100℃以下である。
 
【0091】
2−2.第2の中間層
  第2の中間層は、低温AlN層と高温AlN層とを積層した層である。その際に、バッファ層120の上に低温AlN層を形成し、低温AlN層の上に高温AlN層を形成する。低温AlN層の成長温度は、650℃以上800℃以下である。
 
【0092】
2−3.第3の中間層
  第3の中間層は、高温AlN層とAlN/GaN超格子層とを積層した層である。その際に、バッファ層120の上に高温AlN層を形成し、高温AlN層の上にAlN/GaN超格子層を形成する。AlN/GaN超格子層の成長温度は、950℃以上1100℃以下である。
 
【0093】
3.本実施形態の効果
  中間層ILは、格子欠陥を低減させることができる。そして、中間層ILより上層に六方晶の半導体層を成長させる場合に、中間層ILは、その六方晶の半導体層の結晶性を向上させる。
 
【0094】
4.変形例
4−1.HEMT
  
図13は、第4の実施形態の変形例におけるHEMT500の構造を示す図である。HEMT500は、III 族窒化物半導体を有する半導体素子である。HEMT500は、基板110と、バッファ層120と、中間層ILと、下地層230と、チャネル層240と、バリア層250と、ソース電極S1と、ドレイン電極D1と、ゲート電極G1と、を有している。中間層ILは、バッファ層120と半導体層との間に位置している。
 
【0095】
  HEMT500の各層は、中間層ILを除いて第2の実施形態のHEMT200の各層と同じである。中間層ILは、本実施形態の第1の中間層から第3の中間層までのいずれかであればよい。
 
【0096】
4−2.半導体発光素子
  
図14は、第4の実施形態の変形例における発光素子600の構造を示す図である。発光素子600は、III 族窒化物半導体を有する半導体素子である。発光素子600は、基板110と、バッファ層120と、中間層ILと、n型コンタクト層330と、発光層340と、p型クラッド層350と、p型コンタクト層360と、n電極N1と、p電極P1と、を有する。中間層ILは、バッファ層120と半導体層との間に位置している。
 
【0097】
  発光素子600の各層は、中間層ILを除いて第3の実施形態の発光素子300の各層と同じである。中間層ILは、本実施形態の第1の中間層から第3の中間層までのいずれかであればよい。
 
【0098】
4−3.中間層の成膜方法
  本実施形態では、中間層ILをMOCVD法により成膜する。しかし、中間層ILを成膜するためにその他の成膜方法を用いてもよい。例えば、HVPE法、MBE法が挙げられる。
 
【実施例】
【0099】
A.実験1
1.GaN層の成膜
1−1.成膜条件
  成膜装置1000を用いて、Si(001)基板にAlN層を成膜した。ターゲットをSi(001)基板に射影すると、Si(001)基板の[110]方向または[110]方向と等価な方向にターゲットが配置されるように、Si(001)基板をサセプター1200に配置した。Si(001)基板の板面に垂直な方向と、ターゲットの位置する方向と、のなす角の角度は、36°であった。なお、ターゲットは、Si(001)基板の[110]方向もしくはその等価な方向からSi(001)基板の面内回転方向で30°以内の位置に配置した。
【0100】
  また、サセプター1200については、回転させなかった。そのため、配置したSi(001)基板に対して、ターゲットの位置する方向から、ターゲット粒子が輸送されることとなる。つまり、ターゲット粒子は、[111]に近い方向からSi(001)基板に到達することとなる。
【0101】
  そして、Si(001)基板の上にAlN層を成膜した。基板温度は、450℃であった。ターゲットは、Alであった。そして、50sccmのN
2 ガスをチャンバー1100の内部に供給した。ここで、DC300Wでターゲットに電圧を印加した。内圧は、0.23Paであった。成膜時間は、30分であった。これにより、Al層の上に80nmのAlN層を成膜した。
【0102】
  次に、MOCVD装置を用いて、AlN層の上にGaN層を成長させた。
【0103】
1−2.成膜結果
  
図15は、Si(001)基板に成膜したGaN層の表面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。
図15に示すように、GaN層の成長方向に異方性が認められる。
【0104】
  図16は、Si(001)基板に成膜したGaN層の断面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。
図16に示すように、GaN層のc軸は、Si(001)基板の板面に対して一定の角度だけ傾斜している。このなす角の角度は、約32°であった。
【0105】
  図17は、
図16を拡大した拡大図である。
図17に示すように、AlN層のc軸は、スパッタリングの方向に傾斜している。また、GaN層のc軸も、スパッタリングの方向に傾斜している。そして、AlN層とGaN層とは、ほぼ同じ方向に成長している。AlN層が成長する方向と、GaN層が成長する方向と、の間の方向のずれは、2°以下であった。
【0106】
  図18は、サセプター1200を20rpmで回転させたときのGaN層の表面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。このときには、Si(001)基板にまばらにGaN層が成長した。
【0107】
2.GaN層の配向
2−1.X線回折
  
図19は、任意の箇所でのX線回折の結果(2θ/ω)を示すグラフである。
図19に示すように、GaN(10−13)のピークと、Si(004)のピークと、が観測された。これは、Si(001)基板の上に成膜したGaN層が、(10−13)面の方向に成長したことを示している。
【0108】
  また、
図19では、GaN(10−13)のピークと、Si(004)のピークと、を除くピークが観測されていない。これは、GaN層が、Si(001)基板の全表面にわたって一様な膜を成膜されたものであることを示している。
【0109】
  図20は、GaN層の(10−13)面を示す図である。
【0110】
  図21は、X線回折の結果(φスキャン)を示すグラフである。
図21に示すように、X=31.6°のときに、GaN(0002)のピークがφ=180°の位置に観測された。
【0111】
  図22は、X線回折の結果(φスキャン)を示すグラフである。
図22に示すように、X=54.6°のときに、Si{111}のピークがφ=90°、180°、270°の位置に観測された。
【0112】
  このように、GaN(0001)面から31.6°だけ傾斜しているGaN(10−13)面が、成長したことが確認された。
【0113】
2−2.平坦性
  
図23は、Si(001)基板に成膜したGaN層の断面を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM写真)である。
図23では、第1のAlN層の上に第1のGaN層を成長させた。第1のGaN層の膜厚は1μmである。そして、第1のGaN層の上に第2のAlN層を成長させた。第2のAlN層の膜厚は10nm程度である。そして、第2のAlN層の上に第2のGaN層を成長させた。第2のGaN層の膜厚は1μmである。
【0114】
  図23に示すように、第2のGaN層の表面は、平坦である。したがって、この平坦なGaN層の上に種々の素子構造を形成することは容易である。
【0115】
2−3.第1の方向を向いているc軸の割合
  
図24は、Si(001)基板の上に成膜したAlN層およびGaN層の境界面を示す透過型電子顕微鏡写真(断面TEM写真)である。
図24中の破線で囲んだ領域では、AlN層のc軸が第1の方向J1を向いていない。破線で囲まれていない領域では、AlN層のc軸が第1の方向J1を向いている。このように
図24中では、AlN層のc軸は、50%以上の割合で第1の方向J1を向いている。
【0116】
  一方、AlN層の上のGaN層では、
図24中の撮像領域にわたってGaN層のc軸は第1の方向J1を向いている。AlN層の上のGaN層では、下地層であるAlN層のc軸の方向のうち、支配的な方向である第1の方向J1の情報を引き継いでいる。そして、AlN層の上のGaN層では、AlN層で支配的でないc軸の方向の情報はほとんど引き継がれない。したがって、AlN層のc軸が、50%以上の割合で第1の方向J1を向いていれば、Si(001)基板の板面にわたってほぼ一様にc軸が第1の方向J1を向いているGaN層が得られる。つまり、単一配向のGaN層が得られることが明らかとなった。
【0117】
3.考察
  これは、AlN層のc軸が第1の方向J1を向いている場合において、Si(001)基板の法線方向の結晶面が熱力学的に安定であるため、GaN層の初期核が優先的に形成されたためであると考えられる。
図24中において、第1の方向J1を向いているときの基板の法線方向の結晶面は、それ以外の方向を向いているときに発現する結晶面よりも熱力学的に安定であると考えられる。つまり、(1)AlN層のc軸の支配的な方向およびその割合と、(2)AlN層におけるc軸の方向を受け継いだとした場合の結晶面の熱力学的安定性と、がその上のGaN層の結晶を決定づけると考えられる。
【0118】
  本実験では、(10−13)面のGaN層を成長させることができた。しかし、ターゲットを配置する角度θを変えれば、その角度θに応じた結晶面で半導体層を成長させることができると考えられる。つまり、ある特定の方向から基板に到達したAlN粒子は、その方向に近い向きにc軸を傾斜させた状態で成長する。その際に、熱力学的に安定な面を平坦面としつつ半導体層は成長すると考えられる。
【0119】
B.実験2
1.スパッタリングの角度
1−1.成膜条件
  成膜条件は、実験1とほぼ同じである。そのため、実験1と異なる条件について説明する。内圧は、0.02Paであった。基板の板面に垂直な方向と、ターゲットの表面に垂直な方向と、の間のなす角を36°と、20°と、の2通りを実施した。
【0120】
1−2.実験結果
  
図25は、基板の板面に垂直な方向とターゲットの表面に垂直な方向との間のなす角を36°とした場合におけるGaN層の表面を示す顕微鏡写真である。
図25に示すように、GaN層の(10−13)面が観測された。
図25(a)は、成長時間が1分の場合を示す写真である。
図25(b)は、成長時間が5分の場合を示す図である。
図25(c)は、成長時間が10分の場合を示す図である。
【0121】
  図25(c)に示すように、GaN層のc軸は、基板の板面に垂直な方向に対して32°傾斜していた。
【0122】
  図26は、基板の板面に垂直な方向とターゲットの表面に垂直な方向との間のなす角を20°とした場合におけるGaN層の表面を示す顕微鏡写真である。
図26に示すように、GaN層の(10−15)面が観測された。
図26(a)は、成長時間が1分の場合を示す写真である。
図26(b)は、成長時間が5分の場合を示す図である。
図26(c)は、成長時間が10分の場合を示す図である。
【0123】
  図26(c)に示すように、GaN層のc軸は、基板の板面に垂直な方向に対して20°傾斜していた。
【0124】
  このように、基板の板面に垂直な方向と、ターゲットの表面に垂直な方向と、の間のなす角を異なる値に設定することにより、異なる面方向に成長するGaN層が得られた。つまり、ターゲットの照射方向および配置を変えることにより、GaN層の成長方向をある程度制御することができる。
【0125】
C.実験3
1.中間層
1−1.サンプルの製作
  
図27は、実験3のサンプルの構造を示す図である。サンプルとしてサンプルA、B、Cを用いた。サンプルA、B、Cは、それぞれ、第4の実施形態の第1の中間層、第2の中間層、第3の中間層を有する。
【0126】
  サンプルAは、Si(001)基板と、AlN層と、中間層ILと、GaN層と、をこの順序で積層したものである。中間層ILは、膜厚20nmの高温AlN層である。AlN層の膜厚は45nmである。GaN層の膜厚は4μmである。GaN層は、(10−13)面を成長させたものである。AlN層は、スパッタリングにより成膜した。その際に、基板の板面に垂直な方向と、ターゲットの表面に垂直な方向と、の間のなす角を36°とした。中間層ILおよびGaN層は、通常のMOCVD法により成膜した。
【0127】
  サンプルBは、Si(001)基板と、AlN層と、中間層ILと、GaN層と、をこの順序で積層したものである。中間層ILは、膜厚10nmの低温AlN層の上に膜厚20nmの高温AlN層を積層したものである。AlN層の膜厚は45nmである。GaN層の膜厚は4μmである。GaN層は、(10−13)面を成長させたものである。AlN層は、スパッタリングにより成膜した。その際に、基板の板面に垂直な方向と、ターゲットの表面に垂直な方向と、の間のなす角を36°とした。中間層ILおよびGaN層は、通常のMOCVD法により成膜した。
【0128】
  サンプルCは、Si(001)基板と、AlN層と、中間層ILと、GaN層と、をこの順序で積層したものである。中間層ILは、膜厚20nmの高温AlN層の上に25ペアのAlN/GaN超格子層を積層したものである。AlN層の膜厚は45nmである。GaN層の膜厚は4μmである。GaN層は、(10−13)面を成長させたものである。AlN層は、スパッタリングにより成膜した。その際に、基板の板面に垂直な方向と、ターゲットの表面に垂直な方向と、の間のなす角を36°とした。中間層ILおよびGaN層は、通常のMOCVD法により成膜した。
【0129】
1−2.X線回折
  (10−13)GaNについてX線回折を測定した。中間層ILを有するGaNのX線の半値全幅FWHMは、中間層ILを有さないGaNのX線の半値全幅FWHMよりも小さかった。また、中間層ILとして超格子層を有するGaNのX線の半値全幅FWHMは、中間層ILを有さないGaNのX線の半値全幅FWHMの半分程度であった。
【0130】
  したがって、中間層ILを設けることにより、その上に成長させるGaN層の結晶性が向上する。そして、中間層ILとして超格子層を用いると、GaN層の結晶性はより向上する。