(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記筐体本体部に前記梁部材が固定されてなる構造体は、前記側壁部と一体的に構成される又は前記側壁部に対して直接又は他部材を介して間接的に固定されるフレーム部を有し、
前記前パネルは、少なくとも一部が前面側に露出して配置される前板部と、前記前板部の上端部から後方側に延出する前記後方延出部と、前記前板部の両側端部からそれぞれ後方側に延出する一対の側板部とを有し、
前記フレーム部の少なくとも一部が、前記前パネルの後方側において前記前パネルの両側の前記側板部とそれぞれ対向して配置され、
各々の前記側板部の後端側には、1又は複数の所定の係止部が形成され、
前記フレーム部において各々の前記側板部と対向する各位置には、1又は複数の所定の被係止部が形成され、
前記前パネルが前記構造体に装着されたときに、前記前パネルの両側において、前記側板部の前記係止部と前記フレーム部の前記被係止部とが1又は複数位置で係止状態となり、前記前パネルの両側に形成された両側の前記係止部と前記後方延出部とによって前記構造体が挟み込まれる請求項1又は請求項2に記載のコンロ。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の望ましい例を示す。但し、本発明は、以下の例に限定されない。
【0013】
係合部は、後方延出部の下面部に形成された凸部を有していてもよい。架設部の上面部には、当該架設部の後端から前方に向けて延びるとともに当該架設部の上面部を厚さ方向に切り欠いてなる溝部が形成されていてもよい。そして、少なくとも溝部の前端部が被係合部として機能し、前パネルが筐体本体部に装着された起立状態のときに、後方延出部が溝部の上側に配置され且つ溝部の前端部が凸部の前側に配置される係合状態となる構成であってもよい。
【0014】
この構成によれば、前パネルが梁部材に装着されているときに前パネルを取り外す場合、指の感覚を頼りにして指を溝部にあてがい、溝部を目印にして係合部分を迅速かつ容易に探し出すことができる。そして、凸部近傍に対して上方向に力を加えるだけで、係合状態を容易に解除することができる。このように、係合解除作業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0015】
上記コンロは、筐体本体部に梁部材が固定されてなる構造体が、側壁部と一体的に構成される又は側壁部に対して直接又は他部材を介して間接的に固定されるフレーム部を有していてもよい。前パネルは、少なくとも一部が前面側に露出して配置される前板部と、前板部の上端部から後方側に延出する後方延出部と、前板部の両側端部からそれぞれ後方側に延出する一対の側板部とを有していてもよい。そして、フレーム部の少なくとも一部が、前パネルの後方側において前パネルの両側の側板部とそれぞれ対向して配置され、各々の側板部の後端側に、1又は複数の所定の係止部が形成され、フレーム部において各々の側板部と対向する各位置に、1又は複数の所定の被係止部が形成されていてもよい。そして、前パネルが構造体に装着されたときに、前パネルの両側において、側板部の係止部とフレーム部の被係止部とが1又は複数位置で係止状態となり、前パネルの両側に形成された両側の係止部と後方延出部とによって構造体が挟み込まれる構成であってもよい。
【0016】
この構成によれば、筐体本体部に梁部材が固定されてなる構造体に対し、少なくとも前パネルの上端側の部分と左右両側の部分とを接触状態で連結させることができ、固定の安定化が図られるとともに、前パネルを利用して構造体の歪みを抑えることができる。しかも、前パネルの両側に形成された両側の係止部と後方延出部とによって構造体が挟み込まれる構成となるため、より強固な保持がなされ、位置合わせの精度も増す。
【0017】
前パネルの下端側の部分には、第2係合部が形成されていてもよい。筐体本体部に梁部材が固定されてなる構造体の下端側の部分には、第2係合部と係合する第2被係合部が形成されていてもよい。そして、前パネルは、第2係合部と第2被係合部とが係合し且つ後方延出部が架設部の上面部に重なっていない状態のときに第2係合部と第2被係合部との係合位置を中心として当該前パネルの傾倒方向又は起立方向の回動が許容され、起立方向に回動することにより後方延出部が架設部の上面部上の位置に向けて移動するように構成されていてもよい。
【0018】
この構成によれば、より簡易な作業で前パネルの上下両側を構造体の上下両側に係合させることが可能となる。具体的には、筐体本体部と梁部材とが連結された構造体に対して前パネルを組み付ける場合に、まず、後方延出部が架設部の上面部に重なっていない傾倒状態で前パネルの第2係合部と第2被係合部とを係合させ、その後、これらの係合位置を中心として前パネルを起立方向に回動することにより後方延出部を架設部の上面部上の位置に向けて容易に移動することができる。特に、上下両端側を同時期に係合させるような複雑な位置合わせ作業を強いることなく、所定位置を支点とする簡単な回動操作によって後方延出部を架設部の上面部上に案内することができる。
【0019】
<実施例1>
以下、本発明を具現化した実施例1について、図面を参照して説明する。
(コンロの基本構成)
図1等を参照し、コンロ1の基本構成を説明する。
図1等で示すコンロ1は、テーブルコンロとして構成され、天板部6と装置本体1Aを備え、装置本体1Aの上端部に天板部6が固定された構成をなす。
図2は、装置本体1Aから天板部6を取り外した状態の外観を示すものである。
【0020】
本明細書では、コンロ1が平坦な載置面に載置されたときの載置面と直交する方向が上下方向である。また、側壁部4A、4Bが向かい合う方向が左右方向であり、上下方向及び左右方向と直交する方向が前後方向である。
図4のように平面視したときの長手方向が左右方向となっており、短手方向が前後方向となっている。
【0021】
装置本体1Aは、
図2のような構成をなし、コンロ1から天板部6を取り外した残りの部分を指す。装置本体1Aは、外殻を構成する筐体部2、梁部材20、右側バーナ15、左側バーナ16、ガス供給装置15A、ガス供給装置16A、グリル部12などを備える。
【0022】
筐体部2は、例えば金属材料によって構成され、上端部が開口する略直方体状に構成されている。この筐体部2は、コンロ1の外殻をなす部分であり、筐体本体部4と前パネル40とによって構成され、上方側が開放した箱状形態をなす。
【0023】
図2のように、筐体本体部4は、左右に配置される一対の側壁部4A,4Bと、後端部に配置される後壁部4C、底壁部4Dとを備え、これら側壁部4A,4B、後壁部4C、底壁部4Dが連結され、上方及び前方が開放した箱状形態をなす。筐体本体部4の一対の側壁部4A,4Bの間には、後述するガスバーナ10やグリル部12などの各種部品が収容される。
【0024】
前パネル40は、筐体部2の前面部の一例に相当し、筐体本体部4及び梁部材20に対して前側から装着される。
図2の例では、筐体本体部4の左右両側に前パネル40がそれぞれ装着され、2つの前パネル40の間には、グリル部12のグリル扉12Aが開閉可能に装着されている。
【0025】
図3のように、梁部材20は、筐体本体部4の内部に配置され、筐体本体部4内の前側の位置において左右方向に延びた形態で架設される架設部22を備える。架設部22の両端部は、筐体本体部4を構成する側壁部4A,4Bのそれぞれにおける上側且つ前側の端部に連結されており、側壁部4A,4Bを連結するフレームとして機能する。
【0026】
図1、
図3のように、天板部6は装置本体1Aの上部に固定される部分であり、筐体部2に対して上側から装着される構成をなす。天板部6は、板状に構成された上面部6Aと、上面部6Aの周縁部から下方に垂れ下がる垂下部6Bとを備え、前パネル40が装着された状態の筐体本体部4(
図2の構成)の上部に装着される構成をなす。
【0027】
図3のように、天板部6の上面部6Aにおいて、後端部寄りの位置には、グリル排気口6Dが設けられている。グリル排気口6Dはグリル部12(グリル庫)内の排気を行うための経路である。
図2のように、グリル部12は、装置本体1Aの左右方向中央部付近に設置されるとともに、前後左右上下が囲まれた箱状形態をなし、上部後端側にはグリル部12内の空間から連通する排気経路となる開口部12Bが形成されている。グリル排気口6Dは、この開口部12Bの上側に位置する。
図1のように、グリル排気口6D(
図3)には遮炎カバー7が設置されている。遮炎カバー7は複数の孔7Aを備え、グリル部12の内部からの炎のあふれを遮断する。
【0028】
図1のように、グリル部12のグリル扉12Aは、上述した2つの前パネル40の間に設けられており、これら前パネル40とともに、装置本体1Aの前面部を構成する。グリル扉12Aは、装置本体1Aの前面部の幅方向略中央に設けられ、グリル扉12Aの前面には矩形状の透明窓部が設けられている。グリル扉12Aはグリル部12の前方側に引き出し可能とされており、使用者は取っ手をつかんでグリル扉12Aを前方に引き出すことにより、グリル部12(グリル庫)内に収納された受け皿及び焼き網等を外部に取り出すことができる。
【0029】
図2のように、筐体部2内には、右側バーナ15、左側バーナ16、コンロバーナ(図示略)が収容されている。
図1のように、天板部6の上面部6Aの左右両側には、円形状の一対の開口部が形成され、これら開口部を介して右側バーナ15及び左側バーナ16が上方に突出して配置されている。右側バーナ15及び左側バーナ16の各周囲には、五徳18,19が夫々設置されている。コンロ1の使用時には、五徳18,18の各上部にフライパン、鍋等の調理容器(図示略)が載置される。
【0030】
ガス供給装置15Aは、右側バーナ15の点火消火を行うと共に、右側バーナ15にガスを供給する為の装置である。ガス供給装置16Aは、右側バーナ15の点火消火を行うと共に、右側バーナ15にガスを供給する為の装置である。
【0031】
ガス供給装置15A、16Aはいずれもガス量調整装置60を備える。また、グリルバーナへのガス供給経路にもガス量調整装置60が設けられている。
図5のように、ガス量調整装置60は、前パネル40(前面部)の後方に配置される装置本体62と装置本体62の前方側に延出する操作レバー64とを備えるとともに装置本体62などの大部分が前パネル40の後方に配置され、操作レバー64の左右方向の変位に応じてバーナのガス供給量を調整するように動作する。
図5において、一方のガス量調整装置60Aは、右側バーナ15へのガス量を調整するように動作し、他方のガス量調整装置60Bは、図示しないグリルバーナへのガス量を調整するように動作する。
【0032】
図1に示すように、装置本体1Aの前面右側には、右側操作部が設けられている。右側操作部は右側の前パネル40の近傍に配置された操作部であり、点火スイッチ85,87、操作レバー(火力調節レバー)64を備える。点火スイッチ85は右側バーナ15の点火又は消火を行うための操作部であり、グリル扉12Aの右隣りに配置されている。点火スイッチ87はグリル部12内に設けられたグリルバーナ(図示略)の点火又は消火を行うための操作部であり、点火スイッチ85の右隣りに配置されている。複数の操作レバー64のうち、操作レバー64A(火力調節レバー)は、右側バーナ15の火力調節を手動で行うための操作部であり、点火スイッチ85の上方に配置されている。操作レバー64B(火力調節レバー)は、グリルバーナの火力調節を手動で行うための操作部であり、点火スイッチ87の上方に配置されている。
【0033】
同様に、装置本体1Aの前面左側には左側操作部が設けられている。左側操作部は左側の前パネル40の近傍に配置された操作部であり、点火スイッチ86、操作レバー(火力調節レバー)64を備える。点火スイッチ86は左側バーナ16の点火又は消火を行うための操作部であり、グリル扉12Aの左隣りに配置されている。複数の操作レバー64のうち、操作レバー64C(火力調節レバー)は、左側バーナ16の火力調節を手動で行うための操作部であり、点火スイッチ86の上方に配置されている。
【0034】
(前パネル、梁部材、操作レバーの詳細構造)
次に、前パネル40、梁部材20、操作レバー64などの詳細構造について説明する。
なお、以下の説明では、装置本体1Aの前面部右側に装着される前パネル40及びその周辺の構造を重点的に説明するが、装置本体1Aの前面部左側に装着される前パネル40及びその周辺部も同様の特徴を有している。また、以下の説明では、複数の操作レバー64のうち、グリルバーナの火力と調整する操作レバー64Bの構造を重点的に説明するが、その他の操作レバー64も同様の特徴を有している。
【0035】
図2、
図5、
図8、
図11のように、前パネル40は、梁部材20に対して前側から起立状態で装着される構成をなす。前パネル40の単体は
図18のような構成であり、前パネル40の側面図は、
図19(A)(B)のようになっている。前パネル40は、前側の意匠パネルとして構成される板状の前板部41と、この前板部41の上端部から後方側に延びる板状の後方延出部44とを備える。更に、前パネル40は、前板部41の両側部から後方側に延びる板状の側板部42A、42Bと、前板部41の下端部から後方に延びる下面部43とを備える。
【0036】
前板部41は、前側に凸となるように湾曲した形態をなし、傾斜構造をなす傾斜部41A,41Cと、垂直構造をなす対向部41Bとを有する。傾斜部41A,41Cは、装置本体1Aの前面部において上下方向に対して傾斜して配置され、傾斜部41Aは、対向部41Bと傾斜部41Cの間に配置されるとともに上方側となるにつれて後方位置となる傾斜構造をなし、傾斜部41Cは、傾斜部41Aの下方に配置されるとともに下方側となるにつれて後方位置となる傾斜構造をなす。対向部41Bは、天板部6の垂下部6Bに対向して配置される部分であり、上下方向に延びる垂直壁として構成され、厚さ方向が前後方向となっている。また、前板部41には、点火スイッチ85、87を導出するための開口部41E,41Fがそれぞれ形成されている。
【0037】
図18、
図19のように、側板部42Aの後端部には、凸部91,92,93が後方側に凸となる形態でそれぞれ間隔をあけて形成されており、側板部42Bの後端部には、凸部94,95が後方側に凸となる形態で互いに間隔をあけて形成されている。また、下面部43には、貫通孔部として構成される係止孔部96、97が形成されている。
【0038】
図2、
図8のように、前パネル40の前板部41は、装置本体1Aにおけるグリル部12の右側部分において筐体本体部4の上端部から下端部に及ぶように配置される。そして、
図2、
図5のように、前パネル40の後方延出部44は、前パネル40が筐体本体部4に装着された起立状態のときに前パネル40の上端部側の所定位置(具体的には、前板部40Aの上端部)から後方側に延出して配置され且つ架設部22の上面部(上板部23)の上側に重なって配置される。
【0039】
図3、
図6、
図9、
図12のように、梁部材20の架設部22は、水平方向に配置される上板部23と、垂直方向に配置される前板部24とを備え、上板部23と前板部24とがほぼ直角に折れ曲がった構成をなす。上板部23は、厚さ方向が上下方向とされ、上面が上下方向と直交する平坦面として構成されている。前板部24は、板状部の一例に相当し、厚さ方向が前後方向とされ、前面が前後方向と直交する平坦面として構成されている。
図1のように、天板部6の前端側には、天板部6の上面部6Aよりも下側に垂れ下がる垂下部6Bが形成されており、前板部24は、垂下部6Bの後方側に配置され、垂下部6Bと前後に向かい合って配置される。垂下部6Bと対向する前板部24には、2つのスリット28が形成されており、これらスリット28は、各操作レバー64が挿し通され且つ挿し通された操作レバー64の左右方向の変位を許容する構成をなす。
【0040】
図2、
図8、
図13のように、前パネル40(前面部)は、上端側の部分(具体的には、前板部41の対向部41B)が架設部22の前板部24(板状部)を前側から覆う状態で装着される。前パネル40の上端側の部分(垂下部6Bの裏面部と対向する対向位置の部分)には操作レバー64が挿し通される第2スリット52が形成されており、
図2、
図8、
図13のような装着状態のときには、第2スリット52の開口領域の少なくとも一部が、前板部24(板状部)に形成されたスリット28の開口領域と前後に重なるように配置される。そして、このように前後に重なるスリット28及び第2スリット52に挿し通される形で操作レバー64が配置される。第2スリット52が形成された対向部41Bは、
図1、
図7、
図10、
図13のように天板部6が装置本体1Aに装着されたときに垂下部6Bの裏面部から離れて配置されるため、第2スリット52は、垂下部6Bの裏面部とは距離を隔てて対向して配置される。
【0041】
図2、
図3、
図13のように、操作レバー64は、装置本体62の前方側に延出するレバー本体66と、レバー本体66の先端部に取り付けられるつまみ部材68とを具備する。
【0042】
図13〜
図15のように、レバー本体66は、ガス量調整装置60の装置本体62に組み付けられ、このレバー本体66の変位に応じて装置本体62におけるガス供給路の開度が変化する構成をなす。なお、レバー状の部材の変位(左右方向の変位)に応じてガス供給路の開度を変化させる構造は、公知の様々な構造を採用することができる。
【0043】
図2、
図13のように、つまみ部材68は、レバー本体66の先端部に対して前方側から取り付けられるとともに垂下部6Bの裏面部と対向して配置される取付部70と、取付部70と一体的に構成されるとともに垂下部6Bの裏面部と筐体部2の前面部との間を通って取付部70よりも下方側に延びる下方延設部72と、下方延設部72と一体的に構成され且つ垂下部6Bの下端部よりも下側の位置で前側に露出して配置されるつまみ部74とを備える。つまみ部74は、垂下部6Bの下端部よりも下側の位置で前側に突出する突出部76を有しており、突出部76と垂下部6Bの下端部とが上下に近接して配置されている。
【0044】
次に、前パネル40を筐体本体部4に組み付けための構造について説明する。
図3、
図18、
図19のように前パネル40の後方延出部44には、一対の係合部46と、螺子部材58が挿入される一対の第1螺子孔部50とがそれぞれ形成されている。一方、架設部22の上板部23(上面部)には、後方延出部44に形成された一対の係合部46にそれぞれ係合する被係合部26と、後方延出部44に形成された一対の第1螺子孔部50のそれぞれと上下に重なり合う一対の第2螺子孔部30とが形成されている。
【0045】
一対の係合部46は、後方延出部44の下面部において下方側に突出するように形成された凸部として構成されている。なお、
図3等で示す例では、対をなして設けられた係合部46の表側(上面側)の部分が三角形状の窪みとなっており、それらの窪みの下位置が、
図15の拡大図で示すような係合部46(凸部)となっている。一方、架設部22の上板部23(上面部)には、上板部23の後端から前方に向けて延びるとともに上板部23(上面部)を厚さ方向に切り欠いてなる溝部32が形成されている。そして、溝部32の前端部が被係合部26として機能し、前パネル40が筐体本体部4に装着された起立状態のときに、後方延出部44が溝部32の上側に配置され且つ溝部32の前端部(被係合部26)が係合部46(凸部)の前側に配置される係合状態となるように構成されている。
【0046】
また、
図3、
図9のように、筐体本体部4における底壁部4Dの前端部には、前側且つ上方に突出する一対の係止突起部106,107が形成されている。また、筐体本体部4における側壁部4Aの前端部には、係止溝部101,102,103が形成されており、グリル部12に近接するフレーム部110には、係止溝部104,105が形成されている。なお、フレーム部110は、筐体本体部4に固定されるフレーム部分である。
【0047】
このように構成された筐体本体部4に対して前パネル40を取り付ける場合、まず、
図16、
図17のように、筐体本体部4の下端部側の係止突起部106,107を前パネル40の下面部に形成された係止孔部96、97に挿入させて係止状態とする。なお、
図14には、この係止状態のときの前パネル40を二点鎖線40Zにて仮想的に示している。この係止状態のときには、係止突起部106,107が係止孔部96、97に挿入された状態のまま、係止突起部106,107付近を支点として前パネル40を起立させたり傾倒させたりする回動動作が可能となる。このため、
図16の状態から
図17の状態に変化させるように前パネル40を回動させることが可能となり、これよりもさらに起立させることも可能となる。
【0048】
そして、前パネル40を
図17の状態から更に回動させると、前パネル40の側板部42Aに形成された凸部91,92,93がそれぞれ係止溝部101,102,103に挿入されて係止状態となり、側板部42Bに形成された凸部94,95がそれぞれ係止溝部104,105に挿入されて係止状態となる。この係止状態のときには、前パネル40の後方延出部44が架設部22の上板部23の上側に重なり、後方延出部44に形成された一対の係合部46が上板部23に形成された一対の溝部32の各前端部(
図3等で示す各被係合部26)と係合する。そして、この係合状態のときには、各溝部32の前端部(各被係合部26)に各係合部46が引っ掛かるため、前パネル40が前側に倒れないように仮止めされる。
【0049】
そして、このように一対の係合部46が一対の被係合部26(溝部32の前端部)と係合した係合状態のときには、後方延出部44に形成された一対の第1螺子孔部50のそれぞれが、後方延出部44と接触する上板部23に形成された一対の第2螺子孔部30のそれぞれと、孔位置を合わせた状態で上下に重なる。従って、それぞれの位置において、第1螺子孔部50及び第2螺子孔部30に挿入するように螺子部材58を組み付けることで架設部22と後方延出部44とを共締めすることができる。なお、
図14では、係止状態で前側に傾倒している前パネル40を二点鎖線40Zで仮想的に示しており、この傾倒状態から係止突起部106,107付近を支点としつつ前パネル40が起立して係合部46と被係合部26とが係合し且つ螺子部材58によって架設部22と後方延出部44とが共締めされた状態の前パネル40を実線にて示している。
【0050】
以下、本構成の効果を例示する。
本構成のコンロ1は、
図2のように、筐体本体部4の内部に配置される梁部材20に対して前パネル40が前側から起立状態で装着される構成をなす。そして、
図13のように、前パネル40には、架設部22の上板部23(上面部)の上側に重なって配置される後方延出部44が形成され、後方延出部44には、所定の係合部46と、螺子部材58が挿入される第1螺子孔部50とがそれぞれ形成される。一方、架設部22の上板部23(上面部)には、後方延出部44の係合部46と係合する被係合部26と、後方延出部44の第1螺子孔部50と上下に重なり合う第2螺子孔部30とがそれぞれ形成される。そして、第1螺子孔部50及び第2螺子孔部30に挿入される螺子部材58によって架設部22と後方延出部44とが共締めされる。
【0051】
この構成によれば、前パネル40に形成された後方延出部44の係合部46や第1螺子孔部50が架設部22の上側(具体的には、上板部23の上側)に配置されるため、着脱作業を行う際に、係合部46や第1螺子孔部50が架設部22に隠れて見えにくくなるような事態が生じにくくなる。よって、筐体本体部4に対して前パネル40を着脱する際の作業性を高めることができ、組み付け不良の発生を防ぎやすくなる。
【0052】
また、
図19のように、係合部46は、後方延出部44の下面部に形成された凸部を有している。そして、
図3のように、架設部22の上板部23(上面部)には、架設部22の後端から前方に向けて延びるとともに架設部22の上板部23(上面部)を厚さ方向に切り欠いてなる溝部32が形成されている。そして、少なくとも溝部32の前端部が被係合部26として機能し、
図15のように、前パネル40が筐体本体部4に装着された起立状態のときに、後方延出部44が溝部32の上側に配置され且つ溝部32の前端部(被係合部26)が凸部(係合部46)の前側に配置される係合状態となるように構成されている。
【0053】
この構成によれば、前パネル40が梁部材20に装着されているときに前パネル40を取り外す場合、指の感覚を頼りにして指を溝部32にあてがい、溝部32を目印にして係合部分を迅速かつ容易に探し出すことができる。そして、係合部46(凸部)近傍に対して上方向に力を加えるだけで、係合状態を容易に解除することができる。このように、係合解除作業を迅速かつ容易に行うことができる。
【0054】
本構成のコンロ1は、筐体本体部4に梁部材20が固定されてなる構造体5が、側壁部4Aと一体的に構成される又は側壁部4A,4Bに対して直接又は他部材を介して間接的に固定されるフレーム部110,112を有する。具体的には、フレーム部110は、筐体本体部4の底壁部4Dに固定された構成をなし、フレーム部112は、筐体本体部4の側壁部4Aの前端部に連結された形で側壁部4Aと一体的に形成されている。なお、フレーム部110,112は、筐体本体部4や梁部材20以外の他部材を介して構造体5に固定されていてもよい。そして、前パネル40は、一部が前面側に露出して配置される前板部41と、前板部41の上端部から後方側に延出する後方延出部44と、前板部41の両側端部からそれぞれ後方側に延出する一対の側板部42A,42Bとを有する。そして、フレーム部の少なくとも一部(
図17の例では、フレーム部110の前端部及びフレーム部112の全体)が、前パネル40の後方側において前パネル40の両側の側板部42A,42Bとそれぞれ対向して配置され、各々の側板部42A,42Bの後端側に、複数の凸部91,92,93,94,95(係止部)が形成され、フレーム部110,112において各々の側板部42A,42Bと対向する各位置に、複数の係止溝部101,102,103,104,105(被係止部)が形成されている。具体的には、前パネル40の装着状態のときに、フレーム部110の前端部が、前パネル40の後方側において側板部42Bと対向して配置される。そして、側板部42Bの後端側には、複数の凸部94,95(係止部)が形成され、フレーム部110において側板部42Bと対向する位置に、複数の係止溝部104,105(被係止部)が形成されている。また、前パネル40の装着状態のときに、側壁部4Aの前端部に連結された部分(フレーム部112)が、前パネル40の後方側において側板部42Aと対向して配置される。そして、側板部42Aの後端側には、複数の凸部91,92,93(係止部)が形成され、フレーム部112において側板部42Aと対向する位置には、複数の係止溝部101,102,103(被係止部)が形成されている。そして、
図2のように前パネル40が構造体5に装着されたときには、前パネル40の両側において、側板部42A,42Bの凸部91,92,93,94,95(係止部)とフレーム部110,112の係止溝部101,102,103,104,105(被係止部)とが複数位置で係止状態となり、前パネル40の両側に形成された両側の凸部(係止部)と後方延出部44とによって構造体5が挟み込まれた状態で固定される。具体的には、前パネル40が構造体5に装着されたとき、側板部42Aの凸部91,92,93(係止部)がフレーム部112の係止溝部101,102,103(被係止部)にそれぞれ挿入される形で複数位置において係止状態となり、側板部42Bの凸部94,95(係止部)がフレーム部110の係止溝部104,105(被係止部)にそれぞれ挿入される形で複数位置において係止状態となる。そして、前パネル40の両側に形成された両側の凸部92,94(係止部)と後方延出部44とによって構造体5(具体的には、構造体5において凸部92と後方延出部44の間に配置される部分、及び凸部94と後方延出部44の間に配置される部分)が挟み込まれた状態で固定される。
【0055】
この構成によれば、筐体本体部4に梁部材20が固定されてなる構造体5に対し、少なくとも前パネル40の上端側の部分と左右両側の部分とを接触状態で連結させることができ、固定の安定化が図られるとともに、前パネル40を利用して構造体5の歪みを抑えることができる。しかも、前パネル40の両側に形成された両側の係止部と後方延出部44とによって構造体5が挟み込まれる構成となるため、より強固な保持がなされ、位置合わせの精度も増す。
【0056】
なお、
図16等で示す例では、前パネル40の左右両側のそれぞれにおいて複数ずつ係止部が形成され、両側のフレーム部110,112のそれぞれにおいても複数ずつ被係止部が設けられた構成を例示したが、前パネル40の左右両側のいずれか又はそれぞれにおいて1つの係止部が設けられていてもよく、両側のフレーム部110,112のいずれか又はそれぞれにおいて1つの被係止部が設けられていてもよい。
【0057】
また、本構成のコンロ1は、前パネル40の下端側の部分(具体的には、
図17等で示す下面部43)に、第2係合部の一例に相当する係止孔部96、97がそれぞれ貫通孔部として左右に並んで形成されている。そして、筐体本体部4に梁部材20が固定されてなる構造体5の下端側の部分(具体的には、底壁部4Dの前端部)には、係止孔部96、97(第2係合部)と係合する第2被係合部の一例に相当する係止突起部106,107が左右に並んで形成されている。係止孔部96、97が形成された下面部43は、前板部41の下端部から後方に延出する板状の部分であり、
図14のように、前パネル40が装着状態のときに厚さ方向が上下方向又は上下方向に近い方向となるように配置される。係止孔部96、97は、左右方向に長い長孔部として構成されるとともに開口領域の前後の大きさが係止突起部106,107の厚さよりも大きく構成されている。
図3のように、係止突起部106,107は、左右方向に延びる底壁部4Dの前端縁部130から上方且つやや前方に突出するように形成されている。係止突起部106,107は、挿入された後に下面部43が揺動し得るように(即ち、前パネル40が回動し得るように)、係止孔部96、97に余裕をもって挿入される。即ち、係止突起部106,107が係止孔部96、97に挿入された後に、これら係合部分の間にはある程度の隙間が構成される。そして、このような係合状態のとき、
図17のように、前パネル40の下面部42は、底壁部4Dの前端縁部130の上に位置する形態となり、前端縁部130を支点とする形で下面部42が回動し得る。つまり、左右方向に延びる前端縁部130の位置を回動軸線位置として前パネル40が回動し得る。
【0058】
このように、前パネル40は、係止孔部96、97(第2係合部)と係止突起部106,107(第2被係合部)とが係合するように構成され、
図17のように後方延出部44が架設部22の上板部23(上面部)に重なっていない状態のときに係止孔部96、97(第2係合部)と係止突起部106,107(第2被係合部)との係合位置を中心として左右方向の回転軸線まわりの回動(即ち、前パネル40の傾倒方向又は起立方向の回動)が許容され、起立方向に回動することにより後方延出部44が架設部22の上板部23(上面部)上の位置に向けて移動するように構成されている。
【0059】
この構成によれば、より簡易な作業で前パネル40の上下両側を構造体5の上下両側に係合させることが可能となる。具体的には、筐体本体部4と梁部材20とが連結された構造体5に対して前パネル40を組み付ける場合に、まず、
図17のように、後方延出部44が架設部22の上板部23(上面部)に重なっていない傾倒状態で前パネル40の係止孔部96、97(第2係合部)と係止突起部106,107(第2被係合部)とを係合させ、その後、これらの係合位置を中心として前パネル40を起立方向に回動することにより後方延出部44を架設部22の上板部23(上面部上)の位置に向けて容易に移動することができる。特に、上下両端側を同時期に係合させるような複雑な位置合わせ作業を強いることなく、所定位置を支点とする簡単な回動操作によって後方延出部44を架設部22の上板部23(上面部)上に案内することができる。
【0060】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施例や後述する実施例の特徴は矛盾しない範囲でどのように組み合わせてもよい。
【0061】
実施例1のコンロ1は右側バーナ15及び左側バーナ16を備えるものであるが、バーナの数はこれに限定されず、多くても少なくてもよい。
【0062】
実施例1のコンロ1はテーブルコンロであるが、ビルトインコンロ等であってもよい。
【0063】
実施例1では、梁部材20として架設部22を例示したが、架設部22以外の様々な位置に梁部材が設けられていてもよい。