(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6736103
(24)【登録日】2020年7月17日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】スクリュー脱水機の洗浄方法及びスクリュー脱水機
(51)【国際特許分類】
B30B 9/14 20060101AFI20200728BHJP
B01D 29/17 20060101ALI20200728BHJP
B01D 29/25 20060101ALI20200728BHJP
B01D 29/37 20060101ALI20200728BHJP
【FI】
B30B9/14 G
B30B9/14 B
B30B9/14 D
B01D29/30 520B
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-143662(P2019-143662)
(22)【出願日】2019年8月5日
【審査請求日】2020年2月19日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591124927
【氏名又は名称】川口精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】吉 田 和 弘
(72)【発明者】
【氏名】藤 野 敏 之
【審査官】
藤田 和英
(56)【参考文献】
【文献】
特開2018−187673(JP,A)
【文献】
特開2003−154490(JP,A)
【文献】
特開2003−181216(JP,A)
【文献】
米国特許第4397230(US,A)
【文献】
独国特許出願公開第102006019637(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 9/14
B01D 23/00 − 35/04
B01D 35/08 − 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理物の投入口と、脱水された前記処理物の排出口とを設けた本体と、
前記投入口と前記排出口との間に設けられた分割可能な円筒形状のスクリーンと、
このスクリーン内に設けられたスクリュー羽根を有したスクリュー回転軸と、
前記スクリーンを水平方向に移動自在に支持する支持部材とを備え、
前記スクリーンは、第1の半割スクリーンと第2の半割スクリーンとに分割可能であり、
前記第1の半割スクリーンには、第1のガイドを設けた第1の接続部材を有し、
前記第2の半割スクリーンには、第2のガイドを設けた第2の接続部材を有し、
前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、
前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され、
洗浄時、前記円筒形状のスクリーンを前記第1の半割スクリーンと前記第2の半割スクリーンに分割し、分割した後、前記支持部材に接続された前記第1の半割スクリーン及び前記第2の半割スクリーンを互いに異なる方向へ移動させて前記スクリュー羽根から離間させ、前記第1の半割スクリーンと前記第2の半割スクリーンを液体を使用して分割された前記スクリーンを洗浄するものであり、
洗浄でないスクリュー脱水機の運転時、前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続されている
ことを特徴とするスクリュー脱水機の洗浄方法。
【請求項2】
処理物の投入口と、脱水された前記処理物の排出口とを設けた本体と、
前記投入口と前記排出口との間に設けられた分割可能な円筒形状のスクリーンと、
このスクリーン内に設けられたスクリュー羽根を有したスクリュー回転軸と、
前記スクリーンを水平方向に移動自在に支持する支持部材とを備え、
前記スクリーンは、第1の半割スクリーンと第2の半割スクリーンとに分割可能であり、
前記第1の半割スクリーンには、第1のガイドを設けた第1の接続部材を有し、
前記第2の半割スクリーンには、第2のガイドを設けた第2の接続部材を有し、
前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、
前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され、
洗浄でないスクリュー脱水機の運転時、前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され、
前記スクリーンの洗浄時、前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第1の半割スクリーン及び前記第2の半割スクリーンは、前記スクリュー羽根から離間している
ことを特徴とするスクリュー脱水機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリュー脱水機の洗浄方法及びスクリュー脱水機に係り、特に、スクリーンの内部に残存した処理物の除去を容易にしたスクリュー脱水機の洗浄方法及びスクリュー脱水機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンとこのスクリーンの内部に設けたスクリュー羽根との間の容積を縮小して処理物を加圧しながら脱水を行うスクリュー脱水機がある。このスクリュー脱水機にあっては、運転終了後、水をかけて、スクリュー脱水機の内外を掃除するようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記スクリュー脱水機にあっては、水で清掃しても、スクリーンの内部の処理物に時間がかかると共に、スクリーンの内部に残存した++++処理物を容易に除去できないという問題点が生じた。
【0004】
本発明は、前記問題点を考慮したなされたスクリュー脱水機の洗浄方法及びスクリュー脱水機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のスクリュー脱水機の洗浄方法は、処理物の投入口と、脱水された前記処理物の排出口とを設けた本体と、前記投入口と前記排出口との間に設けられた分割可能な円筒形状のスクリーンと、このスクリーン内に設けられたスクリュー羽根を有したスクリュー回転軸と、前記スクリーンを水平方向に移動自在に支持する支持部材とを備え、前記スクリーンは、第1の半割スクリーンと第2の半割スクリーンとに分割可能であり、
前記第1の半割スクリーンには、第1のガイドを設けた第1の接続部材を有し、前記第2の半割スクリーンには、第2のガイドを設けた第2の接続部材を有し、前記第1の半割スクリーンは、
前記第1の接続部材
の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、
前記第2の接続部材
の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され、洗浄時、前記円筒形状のスクリーンを前記第1の半割スクリーンと前記第2の半割スクリーンに分割し、分割した後、
前記支持部材に接続された前記第1の半割スクリーン及び前記第2の半割スクリーンを互いに異なる方向へ移動させて前記スクリュー羽根から離間させ、前記第1の半割スクリーンと前記第2の半割スクリーンを液体を使用して分割された前記スクリーンを洗浄する
ものであり、洗浄でないスクリュー脱水機の運転時、前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続されているものである。
【0007】
また、請求項
2記載のスクリュー脱水機は、処理物の投入口と、脱水された前記処理物の排出口とを設けた本体と、前記投入口と前記排出口との間に設けられた分割可能な円筒形状のスクリーンと、このスクリーン内に設けられたスクリュー羽根を有したスクリュー回転軸と、前記スクリーンを水平方向に移動自在に支持する支持部材とを備え、前記スクリーンは、第1の半割スクリーンと第2の半割スクリーンとに分割可能であり、
前記第1の半割スクリーンには、第1のガイドを設けた第1の接続部材を有し、前記第2の半割スクリーンには、第2のガイドを設けた第2の接続部材を有し、前記第1の半割スクリーンは、
前記第1の接続部材
の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、
前記第2の接続部材
の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され
、洗浄でないスクリュー脱水機の運転時、前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記スクリーンの洗浄時、前記第1の半割スクリーンは、前記第1の接続部材の前記第1のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、前記第2の接続部材の前記第2のガイドを介して前記支持部材に接続され、前記第1の半割スクリーン及び前記第2の半割スクリーンは、前記スクリュー羽根から離間しているものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載のスクリュー脱水機の洗浄方法によれば、第1の半割スクリーンは、第1の接続部材を介して支持部材に接続され、第2の半割スクリーンは、第2の接続部材を介して前記支持部材に接続され、液体による洗浄時、円筒形状のスクリーンを前記第1の半割スクリーンと前記第2の半割スクリーンに分割し、分割した後、前記第1の半割スクリーンと前記第2の半割スクリーンを洗浄するため、従来のスクリュー脱水機の洗浄方法に比べ、スクリーンの内部に残存した処理物を容易に除去することができると共に、スクリーンの内部に残存した処理物を容易に除去する分、清掃時間を短縮することができる。
【0011】
また、請求項
2記載のスクリュー脱水機は、処理物の投入口と、脱水された前記処理物の排出口とを設けた本体と、前記投入口と前記排出口との間に設けられた分割可能な円筒形状のスクリーンと、このスクリーン内に設けられたスクリュー羽根を有したスクリュー回転軸と、前記スクリーンを水平方向に移動自在に支持する支持部材とを備え、前記スクリーンは、第1の半割スクリーンと第2の半割スクリーンとに分割可能であり、前記第1の半割スクリーンは、第1の接続部材を介して前記支持部材に接続され、前記第2の半割スクリーンは、第2の接続部材を介して前記支持部材に接続されているものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例のスクリュー脱水機の一使用形態を示す概略的断面図である。
【
図2】
図2は、
図1のスクリュー脱水機の概略的側断面図である。
【
図3】
図3は、
図2のスクリーンを分離した状態の概略的側断面図である。
【
図4】
図4は、
図3のスクリーンを分離した状態の概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施例のスクリュー脱水機及びスクリュー脱水方法を図面(
図1乃至
図4)を参照して説明する。
【0015】
図1に示すSはスクリュー脱水機で、スクリュー脱水機Sは、処理物の投入口11と、脱水された前記処理物の排出口12とを設けた本体1と、投入口11と排出口12との間に設けられた分割可能な円筒形状のスクリーン2と、このスクリーン2内に設けられたスクリュー羽根31を有したスクリュー回転軸3と、スクリーン2を水平方向に移動自在(摺動自在)に支持する支持部材4とを備えている。
【0016】
スクリュー脱水機Sは、周知のもので、スクリーン2とこのスクリーン2の内部に設けたスクリュー羽根31との間の容積を、脱水出口の抵抗体に向かって縮小して処理物を加圧しながら脱水を行うものである。
処理物は、例えば、もやし、カット野菜、お茶、白菜等の食品残渣の他、水分が付着
したプラスチック等である。
【0017】
スクリーン2は、
図4に示すように、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22とに分割可能であり、第1の半割スクリーン21は、第1の接続部材51を介して支持部材4に接続され、第2の半割スクリーン22は、第2の接続部材52を介して支持部材4に接続されている。
第1の接続部材51の図示しないボルト穴に図示しないボルトを通し、第2の接続部材52の図示しない雌ネジを螺合して、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22とを結合することができる。
【0018】
スクリュー脱水機Sにあっては、運転終了後、液体、例えば、水をかけて、スクリュー脱水機Sの内外を掃除するようにしている。
即ち、洗浄時、円筒形状のスクリーン2の第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22との結合を解除して、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22に分割し、分割した後、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22を液体を使用して分割されたスクリーン2を洗浄することができる。
【0019】
従って、スクリュー脱水機の洗浄方法(スクリュー脱水機)によれば、液体による洗浄時、円筒形状のスクリーン2を第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22に分割し(
図2の状態から
図3の状態)、分割した後、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22を洗浄するため、従来のスクリュー脱水機の洗浄方法に比べ、スクリーン2の内部に残存した処理物を容易に除去することができると共に、スクリーン2の内部に残存した処理物を容易に除去する分、清掃時間を短縮することができる。
【0020】
また、スクリーン2は、支持部材4の下方に位置し、第1の半割スクリーン21が第1の接続部材51を介して支持部材4に吊持(吊り下げて保持する)され、第2の半割スクリーン22が第2の接続部材52を介して支持部材4に吊持(吊り下げて保持する)され、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22の分割ラインPが垂直となっている。
そのため、液体による洗浄時、液体と共に、スクリーン2の内部に残存した処理物が垂下して流れてスクリーン2の外へと排出される。
【符号の説明】
【0021】
S スクリュー脱水機
1 本体
2 スクリーン
3 スクリュー回転軸
4 支持部材
11 投入口
12 排出口
21 第1の半割スクリーン
22 第2の半割スクリーン
31 スクリュー羽根
51 第1の接続部材
52 第2の接続部材
【要約】 (修正有)
【課題】スクリーンの内部に残存した処理物の除去を容易にしたスクリュー脱水機の洗浄方法及びスクリュー脱水機を提供する。
【解決手段】処理物の投入口と、脱水された前記処理物の排出口とを設けた本体と、投入口と排出口との間に設けられた円筒形状のスクリーンと、スクリーン内に設けられたスクリュー羽根を有したスクリュー回転軸と、スクリーンを水平方向に移動自在に支持する支持部材4とを備え、スクリーンは、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22とに分割可能であり、第1の半割スクリーン21は、第1の接続部材51を介して支持部材4に接続され、第2の半割スクリーン22は、第2の接続部材52を介して支持部材4に接続され、洗浄時、円筒形状のスクリーンを第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22に分割し、分割後、第1の半割スクリーン21と第2の半割スクリーン22を液体を使用して洗浄するものである。
【選択図】
図3