(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、器搬送システム1の構成を示す図である。器搬送システム1は、搬送レーン2と、テーブル3と、第1アンテナ41,41Aと、第2アンテナ42と、計算手段5とを備える。
【0014】
テーブル3は、搬送レーン2に沿って配置される。テーブル3は、グループ客毎に設けられる。また、テーブル3は、カウンター状とされ、複数の個別客が利用できてもよい。
【0015】
搬送レーン2は、寿司等の飲食物を載せた器6を搬送する。搬送レーン2は、器6の載置面の高さ位置が異なる複数の搬送レーン21,22を備え、本実施形態では、循環用搬送レーン21と、注文用搬送レーン22とを備える。なお、搬送レーン21,22の用途(循環用や注文用)は適宜決めることができ、搬送レーン21,22の搬送構造は、公知の構造を適宜採用することができる。
【0016】
循環用搬送レーン21は、複数の搬送レーン21,22のうち最下段に位置し、調理場を経て循環する。循環用搬送レーン21は、調理場にて飲食物を載せた器6が新たに搬入され、該器6をクレセントチェーン211により搬送しながら循環させる。搬送時間が設定時間を超えた器6等は調理場にて循環用搬送レーン21から取り出される。客は循環用搬送レーン21から好みの飲食物を載せた器6を取り出す。クレセントチェーン211は、客が飲食物をよく見えるように、テーブル3よりも高い位置に設置される。
【0017】
注文用搬送レーン22は、循環用搬送レーン21よりも高い位置、本実施形態では循環用搬送レーン21の直上にあり、注文品を載せた器6を注文客へ搬送する。注文用搬送レーン22としては、回転寿司店に導入されているいわゆる高速レーンを挙げることができる。飲食物の注文は、テーブル3上等にてグループ客毎または個別客毎に設置された注文端末31で行うことができる。注文用搬送レーン22には、例えば凸状のレールが形成され、レール内には、レールに沿って磁石を移動させるベルトが設けられる。レールの上または側方には、レール内の磁石に吸着する搬送台が設置される。搬送台は、電車等に模され、複数の器6を載せることができ、レール内のベルト及び磁石によりレールに沿って注文客まで牽引される。搬送台の移動機構は、上記レール、ベルト、磁石を含んで構成される。一方、注文用搬送レーン22を無端状のベルトによって構成することもできる。注文用搬送レーン22の搬送速度は、循環用搬送レーン21の搬送速度よりも速く設定される。注文客は、搬送台から注文品を載せた器6を取り出す。
【0018】
器6は、例えば皿である。
図1中の拡大図にて器6の底面61側を示す。器6の底面61にICタグ62が取り付けられる。ICタグ62は、アンテナおよびメモリを備え、リーダ(第1アンテナ41、41A、第2アンテナ42)から信号を受信することで、メモリ内の情報をリーダに送信する。ICタグ62が記憶する情報は、ID(Identification:識別情報)、載せられる飲食物、該飲食物の価格、載せられる搬送レーン2の種別、搬送レーン2に乗せられる日時を含んでいてもよい。これらの情報の一部は、調理場にて書き込まれてもよいし、載せる飲食物に合わせて器6が使用されてもよい。ICタグ62は、リードオンリー型でもリードライト型でもよい。
【0019】
ICタグ62は、リーダからの信号に基づいて動作電力を発生させるパッシブ型であるものとするが、電池を備えるセミパッシブ型またはアクティブ型であってもよい。ICタグ62の通信方式は、情報を磁界による信号に載せる電磁誘導方式であるものとするが、情報を電波による信号に載せる電波方式であってもよい。
【0020】
ICタグ62の通信周波数は、最大通信距離が50cm程度の13.56MHz(HF(High Frequency)、電磁誘導方式)であるものとするが、2.45GHz帯(UHF(Ultra High Frequency)、電波方式)、135KHz以下(LF(Low Frequency)、電磁誘導方式)、860MHz〜960MHz帯(UHF、電波方式)、433MHz帯(UHF、電波方式)、300MHz帯(UHF、電波方式)、その他の帯域であってもよい。
【0021】
第1アンテナ41、41Aは、ICタグ62と磁界又は電波により通信し、ICタグ62から情報を受信する。第1アンテナ41、41Aは、ICタグ62に情報を書き込めてもよい。第1アンテナ41、41Aは、器6のICタグ62の特性に対応しており、ICタグ62と13.56MHz(HF)、電磁誘導方式で通信するものとする。第1アンテナ41、41Aは、信号を送受信するアンテナ部や、制御回路、電源等を備え、読取情報を計算手段5に送信する。読取情報は、第1アンテナ41,41AのIDおよび検出時間を含むものとする。
【0022】
第1アンテナ41、41Aは、搬送レーン2毎、かつグループ客または個別客毎に設置されるとともに、搬送レーン2において搬送方向と直交する幅方向の端側に設置される。第1アンテナ41、41Aは、搬送レーン2から取り出されてテーブル3側に移動中の器6のICタグ62を読み取る。
【0023】
具体的に、第1アンテナ41は、循環用搬送レーン21において、クレセントチェーン211を保持するフレーム212の幅方向における客側(
図1の紙面手前側)の端に設置される。また、第1アンテナ41は、フレーム212において、クレセントチェーン211とテーブル3の間の高さ位置(循環用搬送レーン21における器6の載置面よりも低い位置)に設置され、客が循環用搬送レーン21から器6を取り出す際に邪魔にならないようにされている。
【0024】
第1アンテナ41は、指向性が狭い場合、信号の送受信面(指向性の高い方向)を上方に向けた姿勢で設置される。第1アンテナ41は、隣のグループまたは隣の個別客が取り出す器6のICタグ62の誤読が生じないような信号出力、姿勢であるものとする。第1アンテナ41は、循環用搬送レーン21から取り出されてテーブル3側に移動中の器6のICタグ62を読み取る。
【0025】
第1アンテナ41は、最大通信距離が短いものが用いられやすく、読取対象との距離が読取精度に強く影響する。本実施形態では、第1アンテナ41を、テーブル3よりも高い循環用搬送レーン21に設置するので、テーブル3に設置する従来に比べ、近い位置で器6を読み取ることができ、器6に対する第1アンテナ41の読取精度を向上できる。
【0026】
第1アンテナ41Aは、注文用搬送レーン22のフレーム212において、幅方向の客側(
図1の紙面手前側)の端に設置される。第1アンテナ41Aは、注文用搬送レーン22における器6の載置面よりも低い位置に設置され、客が注文用搬送レーン22から器6を取り出す際に邪魔にならないようにされている。
【0027】
第1アンテナ41Aも、指向性が狭い場合、信号の送受信面を上方に向けた姿勢で設置され、隣のグループまたは隣の個別客が取り出す器6のICタグ62を誤読しないような信号出力、姿勢であるものとする。
【0028】
第1アンテナ41Aは、注文用搬送レーン22から取り出されてテーブル3側に移動中の器6のICタグ62を読み取る。本実施形態では、第1アンテナ41Aを注文用搬送レーン22のフレーム212に設置するので、注文用搬送レーン22から取り出される器6を第1アンテナ41Aによって近い位置で読み取ることができ、器6に対する第1アンテナ41Aの読取精度を良好にできる。
【0029】
第2アンテナ42は、テーブル3内に内蔵され、テーブル3上の器6のICタグ62を読み取る。第2アンテナ42も、第1アンテナ41,41Aと同様、器6のICタグ62の特性から、ICタグ62と13.56MHz(HF)、電磁誘導方式で通信する。第2アンテナ42は、第1アンテナ41,41Aと同様、信号を送受信するアンテナ部や、制御回路、電源等を備え、読取情報を計算手段5に送信する。読取情報は、第2アンテナ42のIDおよび検出時間を含むものとする。
【0030】
第2アンテナ42は、テーブル3がグループ客用の場合またはテーブル3がカウンター状である場合、客毎に設置されてもよく、客毎に設定された領域(
図1にて1点鎖線で示す領域)内の器6のICタグ62を読み取ってもよい。第2アンテナ42は、グループ客用のテーブル3に一つのみ設置され、テーブル3上の全ての器6のICタグ62を読み取るように設置されてもよい。第2アンテナ42は、テーブル3上やテーブル3の側面に設置されてもよい。
【0031】
テーブル3には、循環用搬送レーン21および注文用搬送レーン22から取り出される器6が載せられる。また、テーブル3には、搬送レーン2による安定した搬送が難しいビールや汁物などの注文品を載せた器6が従業員により直接運ばれ、テーブル3に載せられる。第2アンテナ42は、これらの器6のICタグ62を読み取る。第2アンテナ42は、重ねられている器6も読み取ることができる。
【0032】
図2は、器6の読み取りに係るブロック図である。第1アンテナ41、第2アンテナ42、注文端末31、調理場にある調理場用端末71及び不図示のプリンタ、従業員が所持する従業員用端末72等は、計算手段5と通信可能に接続される。計算手段5は、計算機能やメモリ機能を有し、店内または店外にある1台または複数台のコンピュータにより提供される計算資源である。計算手段5は、各要素と有線または無線で接続してもよいし、インターネット等の外部・内部の適宜のネットワークを介して接続してもよい。各端末31,71,72は、通信機能、計算機能、表示機能、入力機能を有するコンピュータであり、入力機能としてタッチパネル等を備える。
【0033】
計算手段5は、客が注文端末31で注文するためのオーダリングシステムを提供する。オーダリングシステムには、店舗状況管理、調理配信、飲食物の到着案内、オーダー集計等が含まれる。計算手段5は、POS(Point of sale)レジと通信してもよく、オーダリングシステムにPOSシステムが含まれてもよい。本実施形態では、グループ客または個別客毎に器6の読取情報を自動的に取得できるので、オーダリングシステムにおいて器6の読取情報を商品分析や、グループ客または個別客における総会計の自動算出等に用いることができる。
【0034】
以下、
図3のフローチャート、
図4の情報テーブル9を参照しながら、器6の読取情報に対する計算手段5の処理について説明する。計算手段5は、従業員用端末72による入力等により、テーブル3がグループ客または個別客に使用されていると判定する(S1)。
【0035】
計算手段5は、
図4に参照されるように、グループ客または個別客に対応する循環用搬送レーン21の第1アンテナ41から読取情報を取得して情報テーブル9(自動会計テーブル)に蓄積する(S2)。情報テーブル9は、グループ客または個別客毎に作成される。情報テーブル9には、読取情報に含まれる器6のID、飲食物の種別、値段、検出時間と、該第1アンテナ41の設置場所(循環用搬送レーン21)とが対応付けられて蓄積される。計算手段5は、飲食物の種別や値段を、予め器6のIDに紐づけて記憶していてもよく、取得する器6のIDに基づいて呼び出してもよい。計算手段5は、第1アンテナ41の設置場所を、予め第1アンテナ41のIDと紐づけて記憶していてもよく、読取情報に含まれる第1アンテナ41のIDから呼び出してもよい。本例では、情報テーブル9に読取情報を取得順に蓄積していくものとする。
【0036】
同様に、計算手段5は、グループ客または個別客に対応する注文用搬送レーン22の第1アンテナ41Aから読取情報を取得し、第1アンテナ41Aの設置場所(注文用搬送レーン22)と対応付けて情報テーブル9に蓄積する(S3)。同様に、計算手段5は、グループ客または個別客に対応するテーブル3の第2アンテナ42から読取情報を取得し、第2アンテナ42の設置場所(テーブル3)と対応付けて情報テーブル9に蓄積する(S4)。なお、本実施形態では、グループ客用のテーブル3においては、客毎に第2アンテナ42を設置している。そのため、第2アンテナ42の設置場所として、テーブル3内の場所を示す情報が対応付けられる。ここでは、第2アンテナ42の設置場所は、ID「A」のテーブル3の位置1,2,3、・・を意味するA1,A2,A3・・で表す。
【0037】
計算手段5は、従業員用端末72による入力等により、グループ客または個別客が会計を行うことによりテーブル3の使用を終了すると判定するまで(S5:NO)、処理S2〜S4を繰り返す。なお、器6の動きによって、同一のアンテナ41,41A,42により同一の器6の読取情報が2回以上取得される場合がある。そこで、計算手段5は、読取情報を取得するたびあるいは定期的に情報テーブル9を処理し、同一のアンテナ41,41A,42による同一の器6の読取情報を整理し一つにする処理を行うものとする。
【0038】
計算手段5は、従業員用端末72による入力等により、グループ客または個別客がテーブル3の使用を終了すると判定すると(S5:YES)、情報テーブル9に対し、第1アンテナ41、41A、第2アンテナ42により取得される同一の器6に対する読取情報を1つにする処理等を行い、情報テーブル91(自動会計テーブル)を作成する(S6)。
【0039】
具体的に、グループ客または個別客によって循環用搬送レーン21から器6が取り出され、テーブル3に載せられる場合、
図4の左側の情報テーブル9の1段目のレコードに示されるように、まず、循環用搬送レーン21の第1アンテナ41により例えばID3212Aの器6の読取情報が取得され、処理S2にて読取情報が情報テーブル9に蓄積される。続いて、2段目のレコードに示されるように、テーブル3の第2アンテナ42によりID3212Aの器6の読取情報が取得され、処理S4にて情報テーブル9に蓄積される。
【0040】
処理S6にて、計算手段5は、同じID「Z」のグループ客または個別客に対応する情報テーブル91(
図4の右側)を作成する。そして、計算手段5は、循環用搬送レーン21から取り出される器6に由来する情報テーブル9内の2つの読取情報に対し、情報テーブル91の1段目のレコードに示されるように、2つの読取情報を1つの読取情報にまとめて情報テーブル91に格納するとともに、客による器6の取得種別として「取り出し」を対応付ける。検出時間は、循環用搬送レーン21の第1アンテナ41によるものを利用するものとするが、テーブル3の第2アンテナ42によるものを利用してもよい。情報テーブル91の項目は、情報テーブル9の項目から「アンテナの場所」が抜けて代わりに「取得種別」の項目が追加されたものになる。
【0041】
客によって注文用搬送レーン22から器6が取り出され、テーブル3に載せられる場合、
図4の左側の情報テーブル9の6段目のレコードに示されるように、まず、注文用搬送レーン22の第1アンテナ41Aにより例えばID111Bの器6の読取情報が取得され、処理S3にて読取情報が情報テーブル9に蓄積される。続いて、8段目のレコードに示されるように、テーブル3の第2アンテナ42によりID111Bの器6の読取情報が取得され、処理S4にて情報テーブル9に蓄積される。注文用搬送レーン22から取り出される器6に由来する2つの読取情報に対し、処理S6にて、計算手段5は、
図4の右側の情報テーブル91の4段目のレコードに示されるように、2つの読取情報を1つの読取情報にまとめて情報テーブル91に格納するとともに、取得種別として「注文」を対応付ける。検出時間は、注文用搬送レーン22の第1アンテナ41Aによるものを利用するものとするが、テーブル3の第2アンテナ42によるものを利用してもよい。
【0042】
ビール等の注文品を載せた器6が従業員によりテーブル3に直接運ばれる場合、
図4の左側の情報テーブル9の9段目の網掛けのレコードに示されるように、テーブル3の第2アンテナ42によってのみID1234Aの器6の読取情報が取得され、処理S4にて読取情報が情報テーブル9に蓄積される。テーブル3に直接運ばれる器6に由来する1つのみの読取情報に対し、処理S6にて、計算手段5は、
図4の右側の情報テーブル91の5段目の網掛けのレコードに示されるように、情報テーブル91に格納するとともに、取得種別として「注文」を対応付ける。
【0043】
以上の処理により、会計単位となるグループ客または個別客毎の情報テーブル91を作成できる。この際、テーブル3に直接運ばれる器6の読取情報に対し、取得種別「注文」を自動的に対応付けることができる。
【0044】
処理S6にて、計算手段5は、グループ客に対しては、
図5に示すように、情報テーブル9に基づき、さらにグループ内の客Z1,Z2,Z3・・に対応して情報テーブル91Z1、91Z2、91Z3・・(自動会計テーブル)を作成する。
【0045】
計算手段5は、情報テーブル91Z1の1段目のレコードに示されるように、循環用搬送レーン21から取り出される器6に由来する2つの読取情報であって、ID「A」のテーブル3の位置A1の第2アンテナ42に対応する2つの読取情報を、1つの読取情報にまとめて情報テーブル91Z1に格納するとともに、取得種別として「取り出し」を対応付ける。検出時間は、循環用搬送レーン21の第1アンテナ41によるものを利用するものとするが、テーブル3の第2アンテナ42によるものを利用してもよい。
【0046】
情報テーブル91Z1、91Z2、91Z3・・には、客のIDとしてZ1,Z2,Z3・・が対応付けられる。情報テーブル91Z1・・の項目は、情報テーブル9の項目から「アンテナの場所」が抜けて代わりに「取得種別」の項目が追加されたものになる。
【0047】
計算手段5は、情報テーブル91Z1の2段目のレコードに示されるように、注文用搬送レーン22から取り出される器6に由来する2つの読取情報であって、テーブル3の位置A1の第2アンテナ42に対応する2つの読取情報を1つの読取情報にまとめて情報テーブル91Z1に格納するとともに、取得種別として「注文」を対応付ける。検出時間は、注文用搬送レーン22の第1アンテナ41Aによるものを利用するものとするが、テーブル3の第2アンテナ42によるものを利用してもよい。
【0048】
計算手段5は、テーブル3に直接運ばれる器6に由来する1つのみの読取情報に対し、情報テーブル91Z3の2段目のレコードに参照されるように、情報テーブル91Z1に格納するとともに、取得種別として「注文」を対応付ける(情報テーブル91Z1においては不図示)。
【0049】
以上の処理により、グループ客内の客Z1・・毎の情報テーブル91Z1・・を作成できる。この際、テーブル3に直接運ばれる器6の読取情報に対し、取得種別「注文」を自動的に対応付けることができる。以上により、器6の読取情報に対する処理が終了する。この処理により、グループ客や個別客がテーブル3を利用する毎に情報テーブル91が生成されるとともに、グループ客の場合にはグループ客内の客Z1・・毎の情報テーブル91Z1・・も生成される。
【0050】
本実施形態では、オーダリングシステムと連動させる等して、これらの情報テーブル91、91Z1・・を様々な分析やサービスに利用できる。以下、情報テーブル91、91Z1・・の利用例について説明する。計算手段5は、情報テーブル91を利用して、グループ客または個別客毎の総会計を算出する。この総会計は、計算手段5からPOSレジに送信され、POSレジにより客に表示されるなどして会計処理に利用される。
【0051】
また、計算手段5は、情報テーブル91を利用して、ある期間における店全体の総会計と、取得種別が「取り出し」「注文」毎の飲食物の総会計と、を算出する。計算手段5は、「注文」の飲食物の総会計を店全体の総会計で除算することにより、ある期間における全売上中の注文品割合を算出する。このように、情報テーブル91、91Z1・・を利用して各種の指標を算出し、商品分析に利用できる。
【0052】
続いて、アンテナ41,41A、42の読取情報の他の使用例を説明する。従来、オーダリングシステムでは、注文用搬送レーン22にて搬送台を注文客まで移動させた際に、注文客が専用のボタンを押したことを検出してから搬送台を調理場に戻していた。本実施形態では、注文用搬送レーン22にて搬送台が注文客まで牽引され、注文品を載せた器6が注文客によって注文用搬送レーン22から取り出されてテーブル3に載せられると、
図4の情報テーブル9の6段目および8段目のレコードに示されるように、注文用搬送レーン22の第1アンテナ41Aおよびテーブル3の第2アンテナ42から同一の器6の読取情報が取得される。すると、計算手段5は、注文品が注文客に提供されたと判定し、該注文品を搬送した搬送台を調理場に戻させる指令を注文用搬送レーン22に出力し、注文用搬送レーン22により搬送台が調理場に戻る。
【0053】
これにより、本実施形態では、注文客が搬送台を戻すためのボタンを押す手間を無くすことができる。また、計算手段5は、第1アンテナ41Aおよび第2アンテナ42から同一の器6の読取情報が取得されると、第1アンテナ41Aからの読取情報に含まれる検出時間をもって注文客への注文品の提供時間とする(なお、第2アンテナ42からの読取情報に含まれる検出時間を利用してもよい)。そして、計算手段5は、注文用搬送レーン22にて搬送する注文品について、提供時間から注文端末31での注文時間を減算することで、注文品の提供に係る所要時間を正確に算出できる。
【0054】
計算手段5は、注文品を注文用搬送レーン22に載せた時間を調理場端末71による入力により取得する。計算手段5は、注文品が注文用搬送レーン22に載せられてから設定時間内に取り出されない場合、注文品が取り出されていないことおよび注文客の位置を示す画面を従業員用端末72に表示させ、従業員に注意喚起する。
【0055】
計算手段5には、循環用搬送レーン21に流す飲食物の情報が入力される。計算手段5は、
図4の情報テーブル9の1段目および2段目のレコードに示されるように、循環用搬送レーン21の第1アンテナ41およびテーブル3の第2アンテナ42から同一の器6の読取情報が取得されることで、器6が循環用搬送レーン21から取り出されたと判定する。そして、計算手段5は、第1アンテナ41からの読取情報に含まれる検出時間をもって器6に載せた飲食物の提供時間とする(なお、第2アンテナ42からの読取情報に含まれる検出時間を利用してもよい)。これにより、本実施形態では、循環用搬送レーン21上の飲食物の搭載状況をリアルタイムで監視できる。また、本実施形態では、供給が不足する飲食物を迅速に循環用搬送レーン21に供給できる。
【0056】
計算手段5は、従業員が直接届ける注文品に関し、テーブル3の第2アンテナ42から該注文品を載せた器6の読取情報が、注文端末31による注文時間から所定時間内に取得されない場合、注文品を早く届けるように注意喚起するメッセージを従業員用端末72に表示させる。
【0057】
なお、上記では、計算手段5は、注文品を載せた器6の読取情報が情報テーブル91、91Z1・・に格納されることで、注文品が注文客に提供されたと判定してもよい。計算手段5は、飲食物を載せた器6の読取情報が情報テーブル91、91Z1・・に格納されることで、飲食物が循環用搬送レーン21から取り出されて客に提供されたと判定してもよい。
【解決手段】本発明である器搬送システムは、飲食物を積載しICタグが取り付けられる器を搬送する搬送レーンと、搬送レーンに沿うテーブルと、第1アンテナと、を備える。第1アンテナは、搬送レーンにおいて搬送方向と直交する幅方向の端側にあり、搬送レーンから取り出されてテーブル側に移動中の器のICタグを読み取る。