(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記駆動回路は、1F期間の前半に、偶数画素行に含まれる各前記画素を発光させるとともに、奇数画素行に含まれる各前記画素を消光させ、1F期間の後半に、偶数画素行に含まれる各前記画素を消光させるとともに、奇数画素行に含まれる各前記画素を発光させる
請求項6に記載の表示装置。
前記駆動回路は、偶数画素行に含まれる各前記画素を消光させる期間に、偶数画素行に含まれる各前記画素に対して、補正処理を同時に行い、さらに、奇数画素行に含まれる各前記画素を消光させる期間に、奇数画素行に含まれる各前記画素に対して、前記補正処理を同時に行う
請求項7に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(表示装置)
2.変形例(表示装置)
3.適用例(電子機器)
【0014】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本技術の一実施の形態に係る表示装置1の概略構成を表したものである。表示装置1は、例えば、表示パネル10、コントローラ20およびドライバ30を備えている。ドライバ30は、表示パネル10の外縁部分に実装されている。表示パネル10が、本技術の「表示パネル」の一具体例に対応する。コントローラ20およびドライバ30が、本技術の「駆動回路」の一具体例に対応する。表示パネル10は、行列状に配置された複数の画素11を有している。画素11が、本技術の「画素」の一具体例に対応する。コントローラ20およびドライバ30は、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づいて、表示パネル10を駆動する。
【0015】
(表示パネル10)
図2は、表示パネル10の回路構成の一例を表したものである。表示パネル10は、コントローラ20およびドライバ30によって各画素11がアクティブマトリクス駆動されることにより、外部から入力された映像信号Dinおよび同期信号Tinに基づく画像を表示する。表示パネル10は、行方向に延在する複数の走査線WSLと、列方向に延在する複数の信号線DTLおよび複数の電源線DSLと、行列状に配置された複数の画素11とを有している。信号線DTLが、本技術の「信号線」の一具体例に対応する。電源線DSLが、本技術の「電源線」の一具体例に対応する。
【0016】
走査線WSLは、各画素11の選択に用いられるものであり、各画素11を所定の単位(例えば画素行)ごとに選択する選択パルスを各画素11に供給するものである。信号線DTLは、映像信号Dinに応じた信号電圧Vsigの、各画素11への供給に用いられるものであり、信号電圧Vsigを含むデータパルスを各画素11に供給するものである。電源線DSLは、各画素11に電力を供給するものである。
【0017】
各画素11は、複数のサブ画素12を有しており、具体的には、
図2に示したように、4つのサブ画素12で構成されている。4つのサブ画素12は、2x2の行列で配置されている。4つのサブ画素12は、例えば、サブ画素12R,12G,12B,12Wで構成されている。サブ画素12Rは、赤色光を発する画素である。サブ画素12Gは、緑色光を発する画素である。サブ画素12Bは、青色光を発する画素である。サブ画素12Wは、白色光を発する画素である。なお、本明細書では、各画素11に含まれる4つのサブ画素12が、サブ画素12R,12G,12B,12Wで構成されているものとして、
表示パネル10の説明を行う。ただし、本明細書において、各画素11に含まれる4つのサブ画素12は、上記の要素とは異なる要素によって構成されていてもよい。各画素11に含まれる4つのサブ画素12は、例えば、1つのサブ画素12R、2つのサブ画素12Gおよび1つのサブ画素12Bで構成されていてもよし、1つのサブ画素12R、1つのサブ画素12Gおよび2つのサブ画素12Bで構成されていてもよい。
【0018】
画素行ごとに、2本の走査線WSLが割り当てられている。具体的には、画素行に含まれるサブ画素行ごとに、1本の走査線WSLが割り当てられている。各画素行において、2本の走査線WSLは、各画素11を間に挟んで配置されている。各画素行において、画素11ごとに、2本の信号線DTLが割り当てられている。具体的には、画素行に含まれるサブ画素列ごとに、1本の信号線DTLが割り当てられている。各画素11において、2本の信号線DTLは、2つのサブ画素列の間に配置されている。
【0019】
奇数番目の各画素行(上から1画素行目、3画素行目、・・・)には、複数の電源線DSLのうち所定の複数の電源線DSLaが割り当てられている。各電源線DSLaは、互いに電気的に接続されており、互いに同電位となっている。電源線DSLaが、本技術の「第1電源線」の一具体例に対応する。偶数番目の各画素行(上から2画素行目、4画素行目、・・・)には、複数の電源線DSLのうち所定の複数の電源線DSLbが割り当てられている。各電源線DSLbは、互いに電気的に接続されており、互いに同電位となっている。電源線DSLbが、本技術の「第2電源線」の一具体例に対応する。各電源線DSLaと、各電源線DSLbとは、互いに電気的に分離されており、互いに独立に駆動される。複数の電源線DSLaは、例えば、偶数番目の電源線DSL(上から2番目の電源線DSL、4番目の電源線DSL、・・・)である。さらに、複数の電源線DSLbは、例えば、奇数番目の電源線DSL(上から1番目の電源線DSL、3番目の電源線DSL、・・・)である。なお、複数の電源線DSLaは、奇数番目の電源線DSLであってもよい。このとき、複数の電源線DSLbは、
偶数番目の電源線DSLであってもよい。
【0020】
奇数番目の各画素行において互いに隣接する2つの画素11ごとに、1つの電源線DSLaが割り当てられている。さらに、偶数番目の各画素行において互いに隣接する2つの画素11ごとに、1つの電源線DSLbが割り当てられている。各電源線DSLaに割り当てられた2つの画素11と、各電源線DSLbに割り当てられた2つの画素11とは、1画素11分だけ互い違いにずれて配置されている。各電源線DSLaは、各電源線DSLaに割り当てられた2つの画素11の間に配置されている。各電源線DSLbは、各電源線DSLbに割り当てられた2つの画素11の間に配置されている。
【0021】
各信号線DTLは、後述の水平セレクタ31の出力端に接続されている。各走査線WSLは、後述のライトスキャナ32の出力端に接続されている。各電源線DSLaは、後述の第1電源23Aの出力端に接続されている。各電源線DSLbは、後述の第2電源23Bの出力端に接続されている。
【0022】
図3は、各サブ画素12の回路構成の一例を表したものである。各サブ画素12は、例えば、画素回路13と、有機EL素子14とを有している。有機EL素子14は、例えば、アノード電極、有機層およびカソード電極が順に積層された構成を有している。有機EL素子14は、素子容量を有している。画素回路13は、有機EL素子14の発光・消光を制御する。画素回路13は、後述の書込走査によって各画素11に書き込んだ電圧を保持する機能を有している。画素回路13は、例えば、駆動トランジスタTr1、書込トランジスタTr2および保持容量Csを含んで構成されている。
【0023】
書込トランジスタTr2は、駆動トランジスタTr1のゲートに対する、映像信号Dinに対応した信号電圧Vsigの印加を制御する。具体的には、書込トランジスタTr2は、信号線DTLの電圧をサンプリングするとともに、サンプリングにより得られた電圧を駆動トランジスタTr1のゲートに書き込む。駆動トランジスタTr1は、有機EL素子14に直列に接続されている。駆動トランジスタTr1は、有機EL素子14を駆動する。駆動トランジスタTr1は、書込トランジスタTr2によってサンプリングされた電圧の大きさに応じて有機EL素子14に流れる電流を制御する。保持容量Csは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に所定の電圧を保持するものである。保持容量Csは、後述の待機期間中に駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsを一定に保持する役割を有する。なお、画素回路13は、上述の2Tr1Cの回路に対して各種容量やトランジスタを付加した回路構成となっていてもよいし、上述の2Tr1Cの回路構成とは異なる回路構成となっていてもよい。
【0024】
駆動トランジスタTr1および書込トランジスタTr2は、例えば、nチャネルMOS型の薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により形成されている。なお、これらのトランジスタは、pチャネルMOS型のTFTにより形成されていてもよい。これらのトランジスタがエンハンスメント型であるものとして、以下の説明がなされているが、これらのトランジスタが、デプレッション型であってもよい。
【0025】
各信号線DTLは、後述の水平セレクタ31の出力端と、書込トランジスタTr2のソースまたはドレインとに接続されている。各走査線WSLは、後述のライトスキャナ32の出力端と、書込トランジスタTr2のゲートとに接続されている。各電源線DSLaは、第1電源23Aの出力端と、駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインに接続されている。各電源線DSLbは、第2電源23Bの出力端と、駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインに接続されている。
【0026】
書込トランジスタTr2のゲートは、走査線WSLに接続されている。書込トランジスタTr2のソースまたはドレインが信号線DTLに接続されている。書込トランジスタTr2のソースおよびドレインのうち信号線DTLに未接続の端子が駆動トランジスタTr1のゲートに接続されている。駆動トランジスタTr1のソースまたはドレインが電源線DSLaまたは電源線DSLbに接続されている。駆動トランジスタTr1のソースおよびドレインのうち電源線DSLaまたは電源線DSLbに未接続の端子が有機EL素子14のアノードに接続されている。保持容量Csの一端が駆動トランジスタTr1のゲートに接続されている。保持容量Csの他端が駆動トランジスタTr1のソースおよびドレインのうち有機EL素子14側の端子に接続されている。
【0027】
図4は、表示パネル10の配線レイアウトの一例を表したものである。
図5は、
画素回路13の配線レイアウトの一例を表したものである。各電源線DSLaおよび電源線DSLbは、各信号線DTLと同一の層内に配置されている。各電源線DSLaは、奇数番目の各画素行において割り当てられた2つの画素11に含まれる各サブ画素12に、導電性の半導体層15Aを介して電気的に接続されている。各電源線DSLbは、偶数番目の各画素行において割り当てられた2つの画素11に含まれる各サブ画素12に、導電性の半導体層15Bを介して電気的に接続されている。半導体層15A,15Bは、駆動トランジスタTr1のソース・ドレイン領域17Bと同一の層内に形成されている。半導体層15A,15Bは、例えば、駆動トランジスタTr1のソース・ドレイン領域17Bと共通の半導体層で構成されている。半導体層15Aは、コンタクトホールH4を介して電源線DSLaに接続されている。半導体層15Bは、コンタクトホールH4を介して電源線DSLbに接続されている。
【0028】
駆動トランジスタTr1のゲート17Aは、保持容量Csの一方の電極16Bを兼ねている。駆動トランジスタTr1のソース・ドレイン領域17Cが、保持容量Csの他方の電極16Aを兼ねている。駆動トランジスタTr1のソース・ドレイン領域17Cは、コンタクトホールH3を介して有機EL素子14に接続されている。保持容量Csの一方の電極16Bは、コンタクトホールH2を介して、書込トランジスタTr2のソース・ドレイン領域18Bと接続されている。書込トランジスタTr2のソース・ドレイン領域18Cが、コンタクトホールH1を介して信号線DTLに接続されている。書込トランジスタTr2のゲート18Aが走査線WSLに接続されている。
【0029】
ドライバ30は、例えば、水平セレクタ31およびライトスキャナ32を有している。ライトスキャナ32は、本技術の「駆動回路」の一具体例に対応する。
【0030】
水平セレクタ31は、例えば、制御信号の入力に応じて(同期して)、映像信号処理回路21から入力されたアナログの信号電圧Vsigを、各信号線DTLに印加する。水平セレクタ31は、例えば、3種類の電圧(Vofs1、Vofs2、Vsig)を出力可能となっている。具体的には、水平セレクタ31は、ライトスキャナ32により選択された画素11へ、信号線DTLを介して3種類の電圧(Vofs1、Vofs2、Vsig)を供給する。信号電圧Vsigは、映像信号Dinに対応する電圧値となっている。固定電圧Vofs1,Vofs2は、映像信号Dinとは無関係の一定電圧である。信号電圧Vsigの最小電圧は固定電圧Vofs1よりも低く、固定電圧Vofs2よりも高い電圧値となっており、信号電圧Vsigの最大電圧は固定電圧Vofs1,Vofs2よりも高い電圧値となっている。水平セレクタ31は、1水平期間ごとに、信号電圧Vsigを含むデータパルスを各信号線DTLに出力する。水平セレクタ31は、データパルスとして、信号電圧Vsigおよび固定電圧Vofs1,Vofs2の3値からなるパルスを各信号線DTLに出力する。
【0031】
ライトスキャナ32は、複数の画素11を所定の単位ごとに走査する。具体的には、ライトスキャナ32は、1フレーム期間において、各走査線WSLに選択パルスを順次、出力する。ライトスキャナ32は、例えば、制御信号の入力に応じて(同期して)、複数の走査線WSLを所定のシーケンスで選択することにより、閾値補正準備や、閾値補正、信号電圧Vsigの書き込み、移動度補正および発光を所望の順番で実行させる。ここで、閾値補正準備とは、駆動トランジスタTr1のゲート電圧Vgを初期化する(具体的にはVofs2にする)ことを指している。閾値補正とは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsを駆動トランジスタTr1の閾値電圧Vthに近づける補正動作を指している。信号電圧Vsigの書き込み(信号書込)とは、駆動トランジスタTr1のゲートに対して、信号電圧Vsigを、書込トランジスタTr2を介して書き込む動作を指している。移動度補正とは、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間に保持される電圧(ゲート−ソース間電圧Vgs)を、駆動トランジスタTr1の移動度の大きさに応じて補正する動作を指している。信号書き込みと、移動度補正とは、互いに別個のタイミングで行われることもある。本実施の形態では、ライトスキャナ32が、1つの選択パルスを、走査線WSLへ出力することによって、信号書き込みと、移動度補正とを同時に(もしくは間髪空けずに連続して)行うようになっている。なお、以下では、「ゲート電圧Vg」との記載は、特別な説明の無い場合には、駆動トランジスタTr1のゲート電圧Vgを指す。「ゲート−ソース間電圧Vgs」との記載は、特別な説明の無い場合には、駆動トランジスタTr1のゲート−ソース間電圧Vgsを指す。「閾値電圧Vth」との記載は、特別な説明の無い場合には、駆動トランジスタTr1の閾値電圧Vthを指す。
【0032】
ライトスキャナ32は、例えば、2種類の電圧(Von、Voff)を出力可能となっている。具体的には、ライトスキャナ32は、駆動対象の画素11へ、走査線WSLを介して2種類の電圧(Von、Voff)を供給し、書込トランジスタTr2のオンオフ制御を行う。オン電圧Vonは、書込トランジスタTr2のオン電圧以上の値となっている。オン電圧Vonは、後述の「閾値補正準備期間」や、「閾値補正期間」、「信号書込・移動度補正期間」などにライトスキャナ32から出力される選択パルスの波高値である。オフ電圧Voffは、書込トランジスタTr2のオン電圧よりも低い値となっており、かつ、オン電圧Vonよりも低い値となっている。
【0033】
(コントローラ20)
次に、コントローラ20について説明する。コントローラ20は、例えば、映像信号処理回路21、タイミング生成回路22および電源回路23を有している。映像信号処理回路21は、例えば、外部から入力されたデジタルの映像信号Dinに対して所定の補正を行い、それにより得られた映像信号に基づいて、信号電圧Vsigを生成する。映像信号処理回路21は、例えば、生成した信号電圧Vsigを水平セレクタ31に出力する。所定の補正としては、例えば、ガンマ補正や、オーバードライブ補正などが挙げられる。タイミング生成回路22は、ドライバ30内の各回路が連動して動作するように制御するものである。タイミング生成回路22は、例えば、外部から入力された同期信号Tinに応じて(同期して)、ドライバ30内の各回路に対して制御信号を出力する。
【0034】
電源回路23は、水平セレクタ31、ライトスキャナ32、映像信号処理回路21およびタイミング生成回路22等の種々の回路で必要となる種々の固定電圧を生成し、供給する。電源回路23は、例えば、Vss、Vcc1、Vcc2などを生成し、上述の種々の回路に供給する。固定電圧Vss,Vcc2は、有機EL素子14の閾値電圧Velと、有機EL素子14のカソード電圧Vcathとを足し合わせた電圧(Vel+Vcath)よりも低い電圧値である。固定電圧Vcc2は、固定電圧Vssよりも高い電圧である。固定電圧Vcc1は、電圧(Vel+Vcath)よりも高い電圧値である。
【0035】
電源回路23は、
図2、
図4に示したように、第1電源23Aおよび第2電源23Bを有している。第1電源23Aは、制御信号の入力に応じて(同期して)各電源線DSLaに所定の電圧を印加する。第2電源23Bは、制御信号の入力に応じて(同期して)各電源線DSLbに所定の電圧を印加する。第1電源23Aおよび第2電源23Bは、例えば、3種類の電圧(Vcc1、Vcc2、Vss)を出力可能となっている。第1電源23Aは、例えば、各電源線DSLaを介して、奇数番目の各画素行に含まれる各画素11に3種類の電圧(Vcc1、Vcc2、Vss)を供給する。第2電源23Bは、例えば、各電源線DSLbを介して、偶数番目の各画素行に含まれる各画素11に3種類の電圧(Vcc1、Vcc2、Vss)を供給する。
【0036】
[動作]
次に、表示装置1の動作(消光から発光までの動作)について説明する。本実施の形態では、有機EL素子14のI−V特性が経時変化しても、その影響を受けることなく、有機EL素子14の発光輝度を一定に保つようにするために、有機EL素子14のI−V特性の変動に対する補償動作を組み込んでいる。さらに、本実施の形態では、駆動トランジスタTr1の閾値電圧や移動度が経時変化しても、それらの影響を受けることなく、有機EL素子14の発光輝度を一定に保つようにするために、上記閾値電圧や上記移動度の変動に対する補正動作を組み込んでいる。
【0037】
図6は、1つの画素11に着目したときの信号線DTL、走査線WSL、および電源線DSLaもしくは電源線DSLbに印加される電圧ならびに駆動トランジスタTr1のゲート電圧Vgおよびソース電圧Vsの経時変化の一例を表したものである。なお、以下では、「ソース電圧Vs」との記載は、特別な説明の無い場合には、駆動トランジスタTr1のソース電圧Vsを指す。
【0038】
まず、コントローラ20およびドライバ30は、画素11を消光する。具体的には、走査線WSLの電圧がVoffとなっており、信号線DTLの電圧がVofs1となっており、電源線DSLaまたは電源線DSLbの電圧がVccとなっている時(つまり有機EL素子14が発光している時)に、電源回路23は、制御信号に応じて、電源線DSLaまたは電源線DSLbの電圧をVccからVssに下げる(時刻T1)。すると、ソース電圧VsがVss近傍まで下がり、有機EL素子14が消光する。このとき、保持容量Csを介したカップリングによりゲート電圧Vgも下がる。
【0039】
(補正準備期間)
次に、コントローラ20およびドライバ30は、閾値補正の準備を行う。具体的には、電源線DSLaまたは電源線DSLbの電圧がVssとなっており、かつ信号線DTLの電圧がVofs1となっている間に、ライトスキャナ32は、制御信号に応じて、走査線WSLの電圧をVoffからVonに上げる(時刻T2)。すると、ゲート電圧VgがVofs1となり、ソース電圧VsがVssとなる。このとき、ゲート−ソース間電圧Vgsは、閾値電圧Vthよりも高くなっており、駆動トランジスタTr1はオンしている。その後、水平セレクタ31は、制御信号に応じて、信号線DTLの電圧をVofs1からVosf2に切り替える。すると、ゲート電圧VgがVofs1からVosf2に下がる。このとき、ソース電圧VsはVssのまま変わらないので、ゲート−ソース間電圧Vgsが、Vofs2−Vssとなり、閾値電圧Vthよりも低くなる。その結果、駆動トランジスタTr1がオフする。その後、ライトスキャナ32は、制御信号に応じて、走査線WSLの電圧をVonからVoffに下げる(時刻T3)
【0040】
(閾値補正期間)
次に、コントローラ20およびドライバ30は、駆動トランジスタTr1の閾値補正を行う。具体的には、信号線DTLの電圧がVofs2となっており、かつ、走査線WSLの電圧がVoffとなっている間に、電源回路23は、制御信号に応じて、電源線DSLの電圧をVssからVcc2に上げる。続いて、水平セレクタ31は、制御信号に応じて、信号線DTLの電圧をVofs2からVofs1に切り替えたのち、各画素行に対応する信号電圧Vsigを順次、信号線DTLに印加する。このとき、ライトスキャナ32は、1行目の画素行に対応する信号電圧VsigのパルスP1が入力される前に、走査線WSLの電圧をVoffからVonに上げるパルスP2を走査線WSLに印加する(時刻T4)。すると、ゲート電圧VgがVofs1まで上がり、駆動トランジスタTr1がオンするので、駆動トランジスタTr1のドレイン−ソース間に電流が流れ、ソース電圧Vsが上昇する。その結果、保持容量CsがVthに充電され、ゲート−ソース間電圧VgsがVthとなる。駆動トランジスタTr1がオンしている間に、ソース電圧VsがVofs1−Vthにまで到達しない場合(閾値補正がまだ完了していない場合)には、駆動トランジスタTr1がカットオフするまで(ゲート−ソース間電圧VgsがVthになるまで)、ライトスキャナ32は、パルスP1が入力される前に、繰り返し、パルスP2を走査線WSLに印加してもよい。
【0041】
その後、水平セレクタ31が信号線DTLの電圧をVofsからVsigに切り替える前に、ライトスキャナ32は、制御信号に応じて、走査線WSLの電圧をVonからVoffに下げる(時刻T5)。すると、駆動トランジスタTr1のゲートがフローティングとなるので、ゲート−ソース間電圧Vgsを信号線DTLの電圧の大きさに拘わらずVthのままで維持することができる。このように、ゲート−ソース間電圧VgsをVthに設定することにより、駆動トランジスタTr1の閾値電圧Vthが画素回路13ごとにばらついた場合であっても、有機EL素子14の発光輝度がばらつくのをなくすることができる。
【0042】
(信号書込・移動度補正期間)
閾値補正が完了した後、コントローラ20およびドライバ30は、映像信号Dinに応じた信号電圧Vsigの書き込みと、移動度補正を行う。具体的には、信号線DTLの電圧がVsigとなっており、かつ電源線DSLaまたは電源線DSLbの電圧がVcc2となっている間に、ライトスキャナ32は、制御信号に応じて、走査線WSLの電圧をVoffからVonに上げ(時刻T6)、駆動トランジスタTr1のゲートを信号線DTLに接続する。すると、ゲート電圧Vgが信号線DTLの電圧Vsigとなる。このとき、有機EL素子14のアノード電圧はこの段階ではまだ有機EL素子14の閾値電圧Velよりも小さく、有機EL素子14はカットオフしている。そのため、ゲート−ソース間の電流は有機EL素子14の素子容量Coledに流れ、素子容量Coledが充電されるので、ソース電圧VsがΔVsだけ上昇し、やがてゲート−ソース間電圧VgsがVsig+Vth−ΔVsとなる。このようにして、書き込みと同時に移動度補正が行われる。ここで、駆動トランジスタTr1の移動度が大きい程、ΔVsも大きくなるので、ゲート−ソース間電圧Vgsを発光前にΔVsだけ小さくすることにより、画素11ごとの移動度のばらつきを取り除くことができる。
【0043】
その後、ライトスキャナ32は、制御信号に応じて、走査線WSLの電圧をVonからVoffに下げる(時刻T7)。すると、駆動トランジスタTr1のゲートがフローティングとなり、駆動トランジスタTr1のドレイン−ソース間に電流Idsが流れ、ソース電圧Vsが上昇する。しかし、電源線DSLaまたは電源線DSLbの電圧がVcc2となっているので、有機EL素子14に閾値電圧Vel未満の電圧しか印加されない。そのため、有機EL素子14は消光を維持する。
【0044】
(発光)
各画素11において信号書込・移動度補正が完了した後、電源線33は、制御信号に応じて、電源線DSLaまたは電源線DSLbの電圧をVcc2からVcc1に上げる(時刻T8)。すると、駆動トランジスタTr1のドレイン−ソース間に電流Idsが流れ、ソース電圧Vsが上昇する。その結果、有機EL素子14に閾値電圧Vel以上の電圧が印加され、有機EL素子14が所望の輝度で発光する。
【0045】
コントローラ20およびドライバ30は、例えば、
図7に示したように、2行目の画素行から最終行の画素行に対する閾値補正および信号書込・移動度補正を、時刻T7から時刻T8の間において、画素行ごとに順次行う。
【0046】
次に、表示パネル10に適用される発光制御について説明する。
図8は、表示パネル10に適用される発光制御の一例を表したものである。コントローラ20およびドライバ30は、1フィールド(1F)期間を前半と後半の2つの期間に分け、奇数画素行と偶数画素行とで交互に発光を行う。コントローラ20およびドライバ30は、1F期間の前半に、偶数画素行に含まれる各画素11を発光させるとともに、奇数画素行に含まれる各画素11を消光させる。コントローラ20およびドライバ30は、1F期間の後半に、偶数画素行に含まれる各画素11を消光させるとともに、奇数画素行に含まれる各画素11を発光させる。
【0047】
コントローラ20およびドライバ30は、奇数画素行に含まれる各画素11を消光させる期間(垂直のブランキング期間)に、閾値補正準備や、閾値補正、信号書込・移動度補正などを行う。さらに、コントローラ20およびドライバ30は、偶数画素行に含まれる各画素11を消光させる期間(垂直のブランキング期間)に、閾値補正準備や、閾値補正、信号書込・移動度補正などを行う。コントローラ20およびドライバ30は、1F期間の前半(垂直のブランキング期間)に、閾値補正準備を各奇数画素行に対して同時に行った後に、補正処理(例えば、閾値補正)および信号書込・移動度補正を各奇数画素行に対して順次行う。コントローラ20およびドライバ30は、さらに、1F期間の後半(垂直のブランキング期間)に、閾値補正準備を各偶数画素行に対して同時に行った後に、補正処理(例えば、閾値補正)、信号書込・移動度補正を各偶数画素行に対して順次行う。
【0048】
例えば、1F期間の前半(垂直のブランキング期間)において、第1電源23Aが各電源線DSLaの電圧をVcc2にするとともに、水平セレクタ31が信号線DTLの電圧をVofs1にしている時に、ライトスキャナ32が電圧Vonのパルス印加を奇数番目の各走査線WSLに対して順次行う。これにより、各奇数画素行に対して閾値補正が順次行われる。1F期間の後半(垂直のブランキング期間)において、第2電源23Bが各電源線DSLbの電圧をVcc2にするとともに、水平セレクタ31が信号線DTLの電圧をVofs1にしている時に、ライトスキャナ32が電圧Vonのパルス印加を偶数番目の各走査線WSLに対して順次行う。これにより、各偶数画素行に対して閾値補正が順次行われる。
【0049】
また、例えば、1F期間の前半(垂直のブランキング期間)において、第1電源23Aが各電源線DSLaの電圧をVcc2にするとともに、水平セレクタ31が信号線DTLの電圧をVsigにしている時に、ライトスキャナ32が電圧Vonのパルス印加を奇数番目の各走査線WSLに対して順次行う。これにより、各奇数画素行に対して信号書込が順次行われ、さらに、各奇数画素行に対して信号書込と同時に移動度補正が行われる。1F期間の後半(垂直のブランキング期間)において、第2電源23Bが各電源線DSLbの電圧をVcc2にするとともに、水平セレクタ31が信号線DTLの電圧をVsigにしている時に、ライトスキャナ32が電圧Vonのパルス印加を偶数番目の各走査線WSLに対して順次行う。これにより、各偶数画素行に対して信号書込が順次行われ、さらに、各偶数画素行に対して信号書込と同時に移動度補正が行われる。
【0050】
なお、コントローラ20およびドライバ30は、例えば、
図9に示したように、
図8に示した発光制御における発光期間とブランキング期間とを入れ換えて行ってもよい。
【0051】
[効果]
次に、比較例と対比しつつ、表示装置1の効果について説明する。
【0052】
図10は、比較例に係る表示パネル110の回路構成の一例を表したものである。
図11は、表示パネル110に適用される発光制御の一例を表したものである。表示パネル110では、全ての電源線DSLが1つの電源123に接続されており、全ての電源線DSLの電圧が1つの電源123によって制御される。そのため、1F期間の前半の垂直のブランキング期間に、共通の電源線DSL電位を用いて閾値補正準備が一斉に行われ、さらに、閾値補正および信号書込み・移動度補正が順次行われる。その後、共通の電源線DSL電位を一斉に発光電位まで上げることで、全面同時発光が行われ、1F期間の後半の発光期間に移行する。このように、パネル110では、複数の電源線DSLに順次、電圧を印加するスキャナ回路を用いずに、閾値補正準備、閾値補正、信号書込み、移動度補正を行うことができるので、スキャナ回路が省略された分だけ、表示パネル110を狭額縁にすることができる。しかし、この方法では、発光期間が1F期間の半分程度しかないので、フリッカーによる発光ちらつきが生じてしまう。
【0053】
そこで、例えば、
図12に示したように、表示パネル110を上半分と下半分とに分け、発光期間を1F期間で2回に分けるとともに、表示パネル110の上半分と下半分とにそれぞれ1つずつ、電源を設けることが考えられる。なお、ブランキング期間も1F期間で2回に分けられるが、1F期間内の一方のブランキング期間において、閾値補正準備、閾値補正、信号書込み、移動度補正が行われ、1F期間内の他方のブランキング期間においては、次の発光期間が始まるまで単に消光が維持される。このようにした場合には、垂直方向の走査速度を変えずに、発光周波数を2倍にすることができる。その結果、フリッカーによる発光ちらつきを低減することができる。しかし、この方法では、表示パネル110の上半分と下半分との境界に対応する箇所に筋が発生してしまう。
【0054】
一方、表示装置1では、奇数番目の各画素行に割り当てられた各電源線DSLaが互いに電気的に接続され、偶数番目の各画素行に割り当てられた各電源線DSLbが互いに電気的に接続されている。従って、各電源線DSLaに対して1つの電源23Aを用意し、各電源線DSLbに対して1つの電源
23Bを用意すればよいので、電源スキャナを用意する必要がない。また、奇数番目の各画素行の発光制御と、偶数番目の各画素行の発光制御とを互いに独立に行うことができるので、例えば、1F期間を前半と後半の2つの期間に分け、奇数画素行と偶数画素行とで交互に発光を行うことが可能である。その結果、フリッカーによる発光ちらつきを抑えた狭額縁の表示パネル10を実現することができる。
【0055】
また、表示装置1では、例えば、
図4に示したように、各電源線DSLaおよび各電源線DSLbが、各信号線DTLと同一の層内に配置されているので、新たな工程を追加することなく、表示パネル10を製造することができる。従って、フリッカーによる発光ちらつきを抑えた狭額縁の表示パネル10を低コストで提供することができる。
【0056】
また、表示装置1では、各電源線DSLを各信号線DTLと同一の層内に配置するために、表示パネル10の配線レイアウトに対して種々の工夫がなされている。まず、各電源線DSLが各信号線DTLの延在方向と同一の方向に延在している。つまり、各電源線DSLと、各信号線DTLとが互いに並走している。さらに、奇数番目の各画素行において互いに隣接する2つの画素11ごとに、1つの電源線DSLaが割り当てられている。さらに、偶数番目の各画素行において互いに隣接する2つの画素11ごとに、1つの電源線DSLbが割り当てられている。さらに、各電源線DSLaに割り当てられた2つの画素11と、各電源線DSLbに割り当てられた2つの画素11とは、1画素分だけ互い違いにずれて配置されている。これらの工夫に対して、新たな工程を追加する必要はない。従って、フリッカーによる発光ちらつきを抑えた狭額縁の表示パネル10を低コストで提供することができる。
【0057】
<2.変形例>
以下に、表示装置1の変形例について説明する。なお、以下では、上記実施の形態の表示装置1と共通する構成要素に対しては、同一の符号が付与される。さらに、上記実施の形態の表示装置1と共通する構成要素についての説明は、適宜、省略されるものとする。
【0058】
[変形例A]
上記実施の形態では、各電源線DSLaおよび各電源線DSLbが各信号線DTLの延在方向と同一の方向に延在していた。しかし、上記実施の形態において、各電源線DSLaおよび各電源線DSLbが、各信号線DTLとは異なる層内に配置されている場合には、例えば、
図13に示したように、各電源線DSLaおよび各電源線DSLbは、各信号線DTLと直交する方向(つまり、各走査線WSLの延在方向と同一の方向)に延在していてもよい。ただし、その場合には、各電源線DSLaを束ねる配線DSL1,DSL2と、各電源線DSLbを束ねる配線DSL3,DSL4とが、左右の額縁領域に必要となる。なお、各電源線DSLaにおいて、配線DSL1だけでなく、配線DSL2も必要であるのは、各電源線DSLaがパネルの長手方向(左右方向)に延在している場合には、発光電流による電圧降下を抑える必要があるためである。また、各電源線DSLbにおいて、配線DSL3だけでなく、配線DSL4も必要であるのは、各電源線DSLbがパネルの長手方向(左右方向)に延在している場合には、発光電流による電圧降下を抑える必要があるためである。このように、配線DSL1,DSL2,DSL3,DSL4が左右の額縁領域に設けられている場合には、配線DSL1,DSL2,DSL3,DSL4の分だけ、左右の額縁領域が大きくなるが、スキャナ回路が設けられている場合よりも、左右の額縁領域を狭くすることができる。
【0059】
[変形例B]
上記実施の形態では、各画素11に含まれる4つのサブ画素12は、2x2の行列に配置されていた。しかし、上記実施の形態および変形例Aにおいて、各画素11に含まれる4つのサブ画素12は、例えば、
図14に示したように、1x4の行列に配置されていてもよい。
【0060】
本変形例では、各画素11は、複数のサブ画素12で構成されている。サブ画素12が、本技術の「サブ画素」の一具体例に対応する。さらに、画素行ごとに、1本の走査線WSLが割り当てられており、各画素行において、サブ画素12ごとに、1本の信号線DTLが割り当てられている。
【0061】
奇数番目の各画素行(上から1画素行目、3画素行目、・・・)には、複数の電源線DSLのうち所定の複数の電源線DSLaが割り当てられている。偶数番目の各画素行(上から2画素行目、4画素行目、・・・)には、複数の電源線DSLのうち所定の複数の電源線DSLbが割り当てられている。複数の電源線DSLaは、例えば、偶数番目の電源線DSL(上から2番目の電源線DSL、4番目の電源線DSL、・・・)である。さらに、複数の電源線DSLbは、例えば、奇数番目の電源線DSL(上から1番目の電源線DSL、3番目の電源線DSL、・・・)である。なお、複数の電源線DSLaは、奇数番目の電源線DSLであってもよい。このとき、複数の電源線DSLbは、
偶数番目の電源線DSLであってもよい。
【0062】
奇数番目の各画素行において互いに隣接する2つのサブ画素12ごとに、1つの電源線DSLaが割り当てられている。さらに、偶数番目の各画素行において互いに隣接する2つのサブ画素12ごとに、1つの電源線DSLbが割り当てられている。各電源線DSLaに割り当てられた2つのサブ画素12と、各電源線DSLbに割り当てられた2つのサブ画素12とは、1サブ画素12分だけ互い違いにずれて配置されている。各電源線DSLaは、各電源線DSLaに割り当てられた2つのサブ画素12の間に配置されている。各電源線DSLbは、各電源線DSLbに割り当てられた2つのサブ画素12の間に配置されている。
【0063】
各信号線DTLは
、水平セレクタ31の出力端に接続されている。各走査線WSLは
、ライトスキャナ32の出力端に接続されている。各電源線DSLaは
、第1電源23Aの出力端に接続されている。各電源線DSLbは
、第2電源23Bの出力端に接続されている。
【0064】
本変形例では、上記実施の形態と同様、フリッカーによる発光ちらつきを抑えた狭額縁の表示パネル10を低コストで提供することができる。
【0065】
ところで、本変形例においても、各電源線DSLを各走査線WSLと同一の層内に配置するために、表示パネル10の配線レイアウトに対して種々の工夫がなされている。まず、各電源線DSLが各信号線の延在方向と同一の方向に延在している。さらに、奇数番目の各画素行において互いに隣接する2つのサブ画素12ごとに、1つの電源線DSLaが割り当てられている。さらに、偶数番目の各画素行において互いに隣接する2つのサブ画素12ごとに、1つの電源線DSLbが割り当てられている。さらに、各電源線DSLaに割り当てられた2つのサブ画素12と、各電源線DSLbに割り当てられた2つのサブ画素12とは、1画素分だけ互い違いにずれて配置されている。これらの工夫に対して、新たな工程を追加する必要はない。従って、本変形例においても、フリッカーによる発光ちらつきを抑えた狭額縁の表示パネル10を低コストで提供することができる。
【0066】
[変形例C]
上記実施の形態では、各画素11は、4つのサブ画素12を有していた。しかし、上記実施の形態および変形例Aにおいて、各画素11は、例えば、
図15に示したように、3つのサブ画素12を有していてもよい。3つのサブ画素12は、1x3の行列に配置されている。各画素11に含まれる3つのサブ画素12は、例えば、サブ画素11R,11G,11Bで構成されている。本変形例では、各サブ画素12と、複数の走査線WSL、複数の信号線DTLおよび複数の電源線DSLとの接続態様は、上記変形例Aと同様である。
【0067】
本変形例では、上記実施の形態と同様、フリッカーによる発光ちらつきを抑えた狭額縁の表示パネル10を低コストで提供することができる。
【0068】
<3.適用例>
以下、上記実施の形態およびその変形例(以下、「上記実施の形態等」と称する。)で説明した表示装置1の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0069】
図16は、本適用例に係る電子機器2の概略構成例を表したものである。電子機器2は、例えば、折りたたみ可能な2枚の板状の筐体のうちの一方の筐体の主面に表示面2Aを備えたノート型のパーソナルコンピュータである。電子機器2は、上記実施の形態等の表示装置1を備えており、例えば、表示面2Aの位置に
表示パネル10を備えている。本適用例では、表示装置1が設けられているので、表示面2Aの周囲に設けられたフレームが狭額縁となっている。
【0070】
以上、実施の形態、変形例および適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術は実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本技術の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本技術が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0071】
また、例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
行列状に配置された複数の画素と、
行方向に延在する複数の走査線と、
列方向に延在する複数の信号線および複数の電源線と
を備え、
複数の電源線は、
奇数番目の各画素行に割り当てられるとともに互いに電気的に接続された複数の第1電源線と、
偶数番目の各画素行に割り当てられるとともに互いに電気的に接続された複数の第2電源線と
により構成されている
表示パネル。
(2)
奇数番目の各画素行において互いに隣接する2つの前記画素ごとに、1つの前記第1電源線が割り当てられ、
偶数番目の各画素行において互いに隣接する2つの前記画素ごとに、1つの前記第2電源線が割り当てられている
(1)に記載の表示パネル。
(3)
各前記第1電源線に割り当てられた2つの前記画素と、各前記第2電源線に割り当てられた2つの前記画素とは、1画素分だけ互い違いにずれて配置されている
(2)に記載の表示パネル。
(4)
各画素は、複数のサブ画素で構成され、
奇数番目の各画素行において互いに隣接する2つの前記サブ画素ごとに、1つの前記第1電源線が割り当てられ、
偶数番目の各画素行において互いに隣接する2つの前記サブ画素ごとに、1つの前記第2電源線が割り当てられている
(1)に記載の表示パネル。
(5)
各前記第1電源線に割り当てられた2つの前記サブ画素と、各前記第2電源線に割り当てられた2つの前記サブ画素とは、1サブ画素分だけ互い違いにずれて配置されている
(4)に記載の表示パネル。
(6)
各前記電源線は、各前記信号線と同一の層内に配置されている
(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の表示パネル。
(7)
表示パネルと、
前記表示パネルを駆動する駆動回路と
を備え、
前記表示パネルは、
行列状に配置された複数の画素と、
行方向に延在する複数の走査線と、
列方向に延在する複数の信号線および複数の電源線と
を有し、
複数の電源線は、
奇数番目の各画素行に割り当てられた複数の第1電源線と、
偶数番目の各画素行に割り当てられた複数の第2電源線と
により構成されている
表示装置。
(8)
前記駆動回路は、1F期間を前半と後半の2つの期間に分け、奇数画素行と偶数画素行とで交互に発光を行う
(7)に記載の表示装置。
(9)
前記駆動回路は、1F期間の前半に、偶数画素行に含まれる各前記画素を発光させるとともに、奇数画素行に含まれる各前記画素を消光させ、1F期間の後半に、偶数画素行に含まれる各前記画素を消光させるとともに、奇数画素行に含まれる各前記画素を発光させる
(8)に記載の表示装置。
(10)
前記駆動回路は、偶数画素行に含まれる各前記画素を消光させる期間に、偶数画素行に含まれる各前記画素に対して、補正処理を同時に行い、さらに、奇数画素行に含まれる各前記画素を消光させる期間に、奇数画素行に含まれる各前記画素に対して、前記補正処理を同時に行う
(9)に記載の表示装置。