(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理部は、表示画面を、前記画面から、前記複数の計測器と、それらに対応する計測値の一覧を示す第2の画面に切り替える請求項1又は2に記載の警報表示システム。
前記処理部は、表示画面を、前記第2の画面から、前記第2の画面上の前記複数の計測器のうち所要の計測器を表示中心とする配管系統図を含む第3の画面に切り替える請求項3又は4に記載の警報表示システム。
前記処理部は、表示画面を、前記第2の画面から、前記第2の画面上の前記複数の計測器のうち所要の計測器を表示中心とする部分的な配管系統図を表示範囲として含み、前記表示範囲を拡大及び縮小操作するための拡縮マーカを含む第4の画面に切り替える請求項3又は4に記載の警報表示システム。
前記処理部は、表示画面を、前記第2の画面から、前記第2の画面上の前記複数の計測器のうち所要の計測器を表示中心とする部分的な配管系統図を表示範囲として含み、前記表示範囲をスライド操作するためのスライドマーカを含む第4の画面に切り替える請求項3又は4に記載の警報表示システム。
計測値をそれぞれ発生する複数の計測器と、前記計測値に基づく異常信号をそれぞれ発生可能な複数の比較器と、を備え、前記複数の計測器と、前記複数の比較器とからなる組を複数組備え、前記複数組の各組の前記複数の計測器は複数の計測対象の計測値をそれぞれ発生するシステムの作動方法であって、
前記各組で前記複数の比較器からの異常信号の論理和を算出し、
前記各組で前記複数の比較器からの異常信号の計数値を算出し、
前記論理和に対応する情報と、前記計数値とを含む画面を表示部に表示させる、
警報表示方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る警報表示システム及び警報表示方法について、添付図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る警報表示システムの構成を示す概略図である。
【0014】
図1は、原子力発電プラント等のプラントに備えられる、第1の実施形態に係る警報表示システム1を示す。警報表示システム1は、計測器群10、比較器群20、監視回路群30、処理回路40、記憶部50、入力部60、及び表示部70を備える。
【0015】
計測器群10は、原子力発電所内の各所に設置される複数個の計測器を備える。複数個の計測器としては、温度センサ、圧力センサ、及び流量計等が挙げられる。計測器群10は、複数個、すなわち、j(j=2,3,…)個の計測器P1〜Pjと、複数個、すなわち、k(k=2,3,…)個の計測器Q1〜Qkと、複数個、すなわち、m(m=2,3,…)個の計測器R1〜Rmと、を備える。
【0016】
比較器群20は、複数個の比較器を備える。複数個の比較器はそれぞれ、プロセス値の上下限値等を保持し、プロセス値が所定範囲を超えた場合にプラント内の異常を検知し、異常信号(ON)を発生する。比較器群20は、j個の計測器P1〜Pjにそれぞれ接続されるj個の比較器S1〜Sjと、k個の計測器Q1〜Qkにそれぞれ接続されるk個の比較器T1〜Tkと、m個の計測器R1〜Rmにそれぞれ接続されるm個の比較器U1〜Umと、を備える。
【0017】
監視回路群30は、1以上、すなわち、n(n=1,2,…)個の監視回路V1〜Vnを備える。n個の監視回路V1〜Vnはそれぞれ、論理和回路31、計数回路32、及び変化検出回路33を備える。ここで、第1監視回路V1は、j個の比較器S1〜Sjに接続されるものとし、第2監視回路V2は、k個の比較器T1〜Tkに接続されるものとし、第n監視回路Vnは、m個の比較器U1〜Umに接続されるものとする。
【0018】
論理和回路31は、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ備えられる。第1監視回路V1の論理和回路31は、j個の比較器S1〜Sjに接続され、j個の比較器S1〜Sjからの異常信号の論理和(OR)を逐次算出する。
【0019】
計数回路32は、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ備えられる。第1監視回路V1の計数回路32は、j個の比較器S1〜Sjに接続され、j個の比較器S1〜Sjからの異常信号の計数値を逐次算出する。
【0020】
変化検出回路33は、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ備えられる。第1監視回路V1の変化検出回路33は、計数回路32による異常信号の計数値の変化を逐次検出する。
【0021】
処理回路40は、専用又は汎用のCPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processor Unit)の他、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、及び、プログラマブル論理デバイス等の処理回路を意味する。プログラマブル論理デバイスとしては、例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等の回路が挙げられる。
【0022】
処理回路40は、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ含まれる論理和回路31、計数回路32、及び変化検出回路33の動作を制御する。また、処理回路40は、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ含まれる論理和回路31によって算出された論理和に対応する情報(警報有無情報)と、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ含まれる計数回路32によって算出された計数値とを含む画面を表示部70に表示させる。また、処理回路40は、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ含まれる変化検出回路33によって検出された、異常信号の計数値が変化した箇所を表示部70に強調表示させることもできる。
【0023】
記憶部50は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、ハードディスク、及び光ディスク等によって構成される。記憶部50は、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びDVD(Digital Video Disk)等の可搬型メディアによって構成されてもよい。記憶部50は、処理回路40において用いられる各種処理プログラム(アプリケーションプログラムの他、OS(Operating System)等も含まれる)や、プログラムの実行に必要なデータや、画像データを記憶する。また、OSに、操作者に対する表示部70への情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作を入力部60によって行うことができるGUI(Graphical User Interface)を含めることもできる。
【0024】
入力部60は、操作者によって操作が可能なポインティングデバイス等の入力デバイスである。操作者により入力部60が操作されると、その操作に応じた入力信号を生成して処理回路40に出力する。なお、警報表示システム1は、入力部60が表示部70と一体に構成されたタッチパネルを備えてもよい。
【0025】
表示部70は、液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ等の一般的な表示出力装置により構成される。表示部70は、処理回路40を介して、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ含まれる論理和回路31によって算出された警報有無情報と、n個の監視回路V1〜Vnにそれぞれ含まれる計数回路32によって算出された計数値とを含む画面を表示する。
【0026】
続いて、
図1を用いて警報表示システム1の動作を説明する。
【0027】
n個の監視回路V1〜Vnに対応するj個の計測器P1〜Pjからの異常信号の受信を開始する。初期時相、つまり、第1時相において、第1監視回路V1の論理和回路31の論理和は「0」であり、処理回路40は、論理和「0」に対応する警報有無情報を表示部70に表示する。また、第1監視回路V1の計数回路32の計数値は「0」であり、処理回路40は、計数値「0」を表示部70に表示する。
【0028】
図2は、第1時相における第1の警報表示画面を示す図である。
【0029】
第1時相における表示部70の警報表示画面は、n個の監視回路V1〜Vnについて、論理和回路31による論理和が「0」であることを示す表示「正常表示(例えば、該当箇所の消灯)」を含む。第1監視回路V1の該当箇所には、第1監視回路V1に対応する異常信号の総数(j個)に対する異常信号の計数値(0個)の表示「0/j」を含む。第2監視回路V2の該当箇所には、第2監視回路V2に対応する異常信号の総数(k個)に対する異常信号の計数値(0個)の表示「0/k」を含む。第n監視回路Vnの該当箇所には、第n監視回路Vnに対応する異常信号の総数(m個)に対する異常信号の計数値(0個)の表示「0/m」を含む。
【0030】
図1の説明に戻って、第2時相において、第1監視回路V1の論理和回路31が、第1監視回路V1に対応する比較器S1から異常信号を受信したとする。その場合、第1監視回路V1の論理和回路31の論理和が「0」から「1」に切り替わり、処理回路40は、論理和「1」に対応する警報有無情報を表示部70に表示する。また、その場合、第1監視回路V1の計数回路32の計数値が「0」から「1」に切り替わり、処理回路40は、計数値「1」を表示部70に表示する。
【0031】
図3は、第2時相における第1の警報表示画面を示す図である。
【0032】
第1時相から第2時相の間に、第1監視回路V1の論理和が「0」から「1」に切り替わると、第1監視回路V1の表示「正常表示」が、論理和が「1」であることを示す表示「警報表示(例えば、該当箇所の点灯)」に切り替わる。また、第1監視回路V1の計数値が「0」から「1」に切り替わるので、第1監視回路V1の表示「0/j」が、表示「1/j」に切り替わる。
【0033】
なお、第1監視回路V1に対応する比較器S1の異常信号が受信され、計数値が「0」から「1」に切り替えられると、計数値の変化が検出され、第1監視回路V1の該当箇所が所定時間だけ太枠H(
図4に図示)等で強調表示されてもよい。
図4は、
図3に示す第2時相における第1の警報表示画面の変形例を示す図である。
【0034】
図1の説明に戻って、第3時相において、第1監視回路V1の論理和回路31が、第1監視回路V1に対応する比較器S2から異常信号を受信したとする。その場合、第1監視回路V1の論理和回路31の論理和が「1」に維持され、処理回路40は、論理和「1」に対応する警報有無情報の表示を維持させる。また、その場合、第1監視回路V1の計数回路32の計数値が「1」から「2」に切り替わり、処理回路40は、計数値「2」を表示部70に表示する。
【0035】
図5は、第3時相における第1の警報表示画面を示す図である。
【0036】
第2時相から第3時相の間に、第1監視回路V1の論理和が「1」に維持されると、第1監視回路V1の表示「警報表示」が維持される。また、第1監視回路V1の計数値が「1」から「2」に切り替わるので、第1監視回路V1の表示「1/j」が、表示「2/j」に切り替わる。
【0037】
図1の説明に戻って、操作者は、第1の警報表示画面上の警報表示を視認し、入力部60を介して、監視回路群30のうち警報表示された監視回路を選択操作する。その場合、処理回路40は、表示画面を、第1の警報表示画面から第2の警報表示画面(
図6に図示)に切り替える。第2の警報表示画面は、第1の警報表示画面上で選択された監視回路に関連する複数の計測器のプロセス値(計測値)を示す。処理回路40は、複数の計測器P1〜Pj,Q1〜Qk,R1〜Rmからプロセス値を適宜取得している。
【0038】
また、操作者は、第2の警報表示画面上の警報表示やプロセス値を視認し、入力部60を介して、警報表示された監視回路に対応する複数の計測器から所要の計測器を選択操作する。その場合、処理回路40は、表示画面を、第2の警報表示画面から第3の警報表示画面(
図7に図示)に切り替える。第3の警報表示画面は、予め記憶部50に記憶された配管系統図に基づくものであり、第2の警報表示画面上で選択された所要の計測器を表示中心とする全体的又は部分的な配管統計図を表示範囲として含む。
図8は、配管系統を示す図である。
【0039】
操作者は、第2及び第3の警報表示画面上のプロセス値や配管系統図を視認し、異常個所の特定及び処置を行うことができる。
【0040】
図6は、第2の警報表示画面を示す図である。
【0041】
図3〜
図5に示す第1の警報表示画面上で、第1監視回路V1に係るいずれかの計測器に異常があると警報表示されている。この状態で、第1監視回路V1が選択されると、
図3〜
図5に示す第1の警報表示画面から
図6に示す第2の警報表示画面に切り替わる。
図6に示す第2の警報表示画面は、第1監視回路V1に対応するj個の計測器P1〜Pjの種別と、j個の計測器P1〜Pjから適宜取得されるプロセス値とを含む。また、プロセス値と閾値との関係から、異常と判断できるプロセス値の該当箇所は、警報表示(例えば、該当箇所の点灯)される。
【0042】
このように、計測器に異常が発生した際に、操作者は、監視回路群30の中の監視回路ごとの異常信号の計数値を視認できるとともに、計測器等の閾値に対するプロセス値の変化状態を視認できる。よって、同一の監視回路に対応する複数の計測器に異常が発生した場合に、MTTRを短縮することができる。
【0043】
図7は、第3の警報表示画面を示す図である。
【0044】
図6に示す第2の警報表示画面上で、第1監視回路V1に係
る計測器P1,P2に異常があると警報表示されている。この状態で、第1計測器P1が選択されると、
図6に示す第2の警報表示画面から
図7に示す第3の警報表示画面に切り替わる。
図7に示す第3の警報表示画面は、配管系統図のうち、第1計測器P1の付近における部分的な配管系統図を含む。
【0045】
このように、計測器に異常が発生した際に、操作者は、監視回路群30の中の監視回路ごとの異常信号の計数値を視認できるとともに、異常が発生した計測器の近辺の配管系統図を視認できる。よって、同一の監視回路に対応する複数の計測器に異常が発生した場合に、MTTRを短縮することができる。
【0046】
次いで、従来技術に係る警報表示システムについて説明する。
【0047】
図9は、従来技術に係る警報表示システムの構成を示す概略図である。
【0048】
図9は、従来技術に係る警報表示システム101を示す。警報表示システム101は、計測器群10、比較器群20、監視回路群130、処理回路140、記憶部50、入力部60、及び表示部70を備える。なお、
図9において、
図1に示す部材と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
監視回路群130は、n個の監視回路W1〜Wnを備える。n個の監視回路W1〜Wnはそれぞれ、論理和回路31のみを備える。ここで、第1監視回路W1は、j個の比較器S1〜Sjに接続されるものとし、第2監視回路W2は、k個の比較器T1〜Tkに接続されるものとし、第n監視回路Wnは、m個の比較器U1〜Umに接続されるものとする。
【0050】
処理回路140の構成は、処理回路40(
図1に図示)の構成と同等である。処理回路140は、n個の監視回路W1〜Wnにそれぞれ含まれる論理和回路31の動作を制御する。また、処理回路140は、n個の監視回路W1〜Wnにそれぞれ含まれる論理和回路31によって算出された警報有無情報を含む画面を表示部70に表示させる。
【0051】
図10は、第2時相における従来の警報表示画面を示す図である。従来技術を示す
図10は、第1の実施形態を示す
図3(又は
図4)に対応する。
図11は、第3時相における従来の警報表示画面を示す図である。従来技術を示す
図11は、第1の実施形態を示す
図5に対応する。
【0052】
図10に示す第2時相から
図11に示す第3時相の間、第1監視回路W1の異常信号の計数値が「1」から「2」に切り替わっても、第1監視回路W1の論理和が「1」に維持されるので、第1監視回路W1の表示「警報表示」が維持される。つまり、第2時相から第3時相の間、警報表示画面に変化がない。
【0053】
図9に示す従来技術において、監視回路群130の中のある監視回路において第1の異常信号が発生し、警報表示された状態で、同一の監視回路において異なる第2の異常信号が発生するとする。その場合に、従来技術では、警報表示画面に変化が無いため、操作者は、第2の異常信号2の発生を確認することが困難である。
【0054】
一方で、
図1に示す警報表示システム1において、監視回路群30の中のある監視回路において第1の異常信号が発生し、警報表示された状態で、同一の監視回路において異なる第2の異常信号が発生するとする。その場合に、警報表示システム1では、表示される計数値を変化させる。そのため、警報表示システム1によると、操作者が新たな異常が発生した旨を確認できるので、MTTRを短縮することができる。
【0055】
(第1変形例)
処理回路40は、
図7に示す第3の警報表示画面において、全体の配管系統図のうちの表示範囲を切り替えてもよい。操作者は、第3の警報表示画面上の部分的な配管系統図を視認し、入力部60を介して、表示範囲を拡大、縮小、又はスライド操作する。その場合、処理回路40は、第3の警報表示画面上の操作に従って、警報表示画面上の表示範囲を拡大、縮小、又はスライドさせる。
【0056】
図12は、第4の警報表示画面を示す図である。
図12に示す第4の警報表示画面は、
図7に示す第3の警報表示画面の変形例である。
図13及び
図14は、
図12に示す第4の警報表示画面から切り替え後の警報表示画面を示す図である。
【0057】
図12に示す第4の警報表示画面は、
図7に示す第3の警報表示画面の内容に加え、配管系統図を拡大及び縮小するための拡縮マーカBと、配管系統図を上下左右にスライドするためのスライドマーカDとを含む。この状態で、スライドマーカDの「右」が押圧されると、
図12に示す警報表示画面から
図13に示す警報表示画面に切り替わる。
図13に示す警報表示画面は、
図12に示す警報表示画面の表示範囲を、右にスライドした後の部分的な配管系統図を含む警報表示画面である。
【0058】
なお、入力部60及び表示部70がタッチパネルによって構成される場合、フリック操作で配管系統図のスライドが行われてもよい。
【0059】
図12に示す警報表示画面上で拡縮マーカBの「縮小」が押圧されると、
図12に示す警報表示画面から
図14に示す警報表示画面に切り替わる。
図14に示す警報表示画面は、
図12に示す警報表示画面の表示範囲を、表示中心を中心として拡大(ズームアウト)した後の部分的な配管系統図を含む警報表示画面である。
【0060】
なお、入力部60及び表示部70がタッチパネルによって構成される場合、ピンチアウト操作やピンチイン操作で配管系統図の拡大や縮小が行われてもよい。
【0061】
原子力発電所全体の配管系統は膨大な物量であり、第3の警報表示画面の1画面で全体を詳細に表現することは現実的でない。警報表示システム1の第1変形例によれば、警報表示システム1の効果に加えて、配管系統図を拡縮及びスライドさせることができる。操作者は、異常が発生した計測器の上流・下流の配管系統をさらに広い範囲で視認することができ、異常発生時の配管系統への影響をより詳細に確認することができる。よって、警報表示システム1の第1変形例によれば、異常が発生した計測器に対応する機器への処置範囲が短時間で確認可能となるので、MTTRを短縮することが可能となる。
【0062】
(第2の実施形態)
図15は、第2の実施形態に係る警報表示システムの構成を示す概略図である。
【0063】
図15は、原子力発電プラント等のプラントに備えられる、第2の実施形態に係る警報表示システム1Aを示す。警報表示システム1Aは、計測器群10、比較器群20、監視回路群30、処理回路40A、記憶部50、入力部60、表示部70、及び警報比較回路80を備える。
【0064】
処理回路40Aの構成は、処理回路40(
図1に図示)の構成と同等である。処理回路40Aは、処理回路40の動作に加え、記憶部50に、長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報を適宜記憶する。
【0065】
警報比較回路80は、記憶部50に記憶された前回(過去)の長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報と、今回の長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報とを監視回路ごとに逐次比較する。そして、処理回路40Aは、警報比較回路80による比較の結果、前回の長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報と異なる、今回の長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報の該当箇所を表示部70に強調表示させる。
【0066】
なお、
図15において、
図1に示す部材と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0067】
続いて、
図15を用いて警報表示システム1Aの動作を説明する。
【0068】
処理回路40Aは、記憶部50に、長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報を適宜記憶する。新たに長期停止期間が発生した場合、警報比較回路80は、記憶部50に記憶された前回の長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報と、今回の長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報とを監視回路ごとに比較する。処理回路40Aは、警報比較回路80による比較の結果、前回の長期停止期間における状態と異なる状態に対応する監視回路の箇所を表示部70に強調表示させる。
【0069】
図16は、前回の長期停止期間における警報有無情報を示す図である。
図17は、今回の長期停止期間における第5の警報表示画面を示す図である。
【0070】
図16は、前回の長期停止期間における監視回路ごとの警報有無情報を示す。図
17は、今回の長期停止期間(期間終了時点)における監視回路ごとの警報有無情報を示す。今回の警報有無情報において、処理回路40Aは、前回の警報有無情報と異なる状態の箇所を表示部70に太枠H1,H2等で強調表示させ、前回の警報有無情報との警報相違を通知する第5の警報表示画面を表示する。
【0071】
警報表示システム1Aによれば、前述の警報表示システム1の効果に加え、
図17の太枠H1にて、操作者は、今回の長期停止期間に発生する異常を含む監視回路を事前に予測することができる。また、警報表示システム1Aによれば、前述の警報表示システム1の効果に加え、
図17の太枠H2にて、操作者は、前回の長期停止期間では発生しなかった異常(想定外の異常)を含む監視回路を容易に視認することができる。よって、既知の警報について不要な確認が無くなることでMTTRを短縮することが可能となる。
【0072】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、迅速な異常箇所の特定や処置を支援できる。
【0073】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。