(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記知能型制御装置は、各ゲーム参加人が置いた遊技用代用貨幣の着色層又は白色層もしくは薄色層の数を計測して遊技用代用貨幣の枚数を判定する機能を備えた、請求項1に記載のテーブルゲームの管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施の形態)
カジノなどの遊技場では、チップが嵩高く積み重ねられて遊技テーブルに置かれるが、遊技テーブルの下に設けたICタグの読取り装置では、総額が正確に読み取れないという問題があり、読み取り装置の感度を高くすると、異なる位置(位置により勝敗が左右される)に置かれたチップが、合算されてしまい各位置毎のチップの総額が把握できない、という課題が存在する。また、カメラからの撮像では、カメラの視角により死角ができたり、重なりにより影に入ってチップの総額が把握できないという課題がある。
【0010】
また、バカラゲームにおいてしばしば行われるが、プレーヤによるカードのスクイーズ(裏向きのカードを曲げてカードのランク等を楽しみながら少しずつ見る行為)等によりカードが曲がってしまい、カメラからの画像分析ではカードのランクとスートが判定できない、という課題が存在する。
【0011】
また、さらに遊技テーブルにおける不正が高度化し、その遊技テーブルで単純に勝った額が多い、とかの検出では発見できない高度な賭け方による不正などは、カメラや勝ち額の追跡では発見できない、という新たな課題も把握されている。また、ディーラとプレーヤの共謀による不正行為も従来技術では防止が十分でない。
【0012】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正行為の検知システムは、複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正行為の検知システムであって、前記遊技テーブルで行われるゲームの進行状態をディーラおよびプレーヤを含めカメラを介して映像として記録するゲーム記録装置と、前記記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置と、前記遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、前記画像分析装置による画像分析結果と前記カード配布装置が判定する勝敗結果とを用いて、前記遊技テーブルで行われる不正行為を検知する知能型制御装置と、を備える。
【0013】
さらに、検知システムであって、カード配布装置は、配布されるカードのランクを読取り可能な構造であって、知能型制御装置は、遊技テーブルにおいて配布された各カードの映像より前記画像分析装置が得るランクの情報と、前記カード配布装置が読取ったカードのランクの情報とを照合して一致不一致を判定可能な構造である。
【0014】
さらに、検知システムであって、画像分析装置もしくは知能型制御装置は、遊技テーブルにおいて配布されプレーヤによって折曲げられたもしくは汚れたカードからカードのランクの情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0015】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、前記画像分析装置を介して各プレーヤが賭けるチップの位置、種類および枚数を把握し、各プレーヤの賭けた負けチップの回収および勝ちチップへの支払がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、前記画像分析装置を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。
【0016】
さらに、検知システムであって、画像分析装置もしくは知能型制御装置は、遊技テーブル上に置かれた複数のチップが前記カメラの死角により一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていても、賭けられたチップの種類、枚数と位置の情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0017】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、遊技テーブルのディーラのチップトレイにおける把握されているチップの額が、ゲームが終了して清算後に、各プレーヤの賭けた負けチップの回収および勝ちチップへの支払額に応じて増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0018】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、遊技テーブルの各プレー位置において賭けたチップの位置と額とを把握し、各ゲームの勝敗結果より得られる各プレーヤの勝敗履歴と得たチップの額を、過去のゲームの統計データと比較して特異な状況として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0019】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、ある遊技テーブルのプレー位置において、負けた時の賭けチップの額が、勝った時の賭けチップの額より少額である状態が過去のゲームの統計データと比較して特異な状況として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0020】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、前記画像分析装置を介して前記特異な状況として抽出されるか、もしくは所定額以上の勝ちを収めたプレー位置における個別のプレーヤの特定が可能な構造である。
【0021】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、前記特定されたプレーヤが、離席して別の遊技テーブルに着いたとき、当該別の遊技テーブルに当該特定プレーヤの存在を知らせる警告機能を有する。
【0022】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正行為の検知システムは、前記遊技テーブルで行われるゲームの進行状態をディーラおよびプレーヤを含めカメラを介して映像として記録するゲーム記録装置と、前記遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、前記記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置と、前記画像分析装置による画像分析結果を用いて、前記遊技テーブルにおいてお札とチップを検知可能な知能型制御装置と、を備え、前記前記画像分析装置もしくは知能型制御装置は、前記カード配布装置あるいは前記ディーラより得られる情報に基づいて、カードのディーリング中以外の状況において、前記遊技テーブルにおいてお札とチップとの交換が行われていることを検知可能であり、さらに前記お札がブラックライトにより検証された真正なお札の総額を認知し、さらに交換対象として遊技テーブル上に出された複数のチップが前記カメラの死角により一部もしくは一枚全体が隠れた状態となっていてもチップの総額を認知可能で、前記遊技テーブル上にプレーヤから出されたお札の総額と、ディーラから出されたチップの総額とを比較し、両者の額が一致するか否かを判定可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0023】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、遊技テーブルのディーラのチップトレイにおける把握されているチップの額が、お札とチップとの交換が行われて清算した後に、交換したお札に対応したチップの支払額に応じて増減したか否かを、比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0024】
さらに、検知システムであって、知能型制御装置は、お札とチップとの交換が行われて清算した後に、ディーラの入力による当該ディーラの入力によるお札の入金額と、前記画像分析装置による画像分析結果によるお札の総額の一致不一致を比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。また、さらには、知能型制御装置は、当該ディーラの担当する遊技テーブルにおける当該ディーラの入力によるお札の総トータル入金額と、前記画像分析装置による画像分析結果によるお札の総トータル額との一致不一致を比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0025】
本実施の形態のシステムによれば、バカラゲーム等においてしばしば行われるプレーヤによるカードのスクイーズによりカードが曲がってしまっても、画像分析でカードのランクとスートが判定でき、死角や重なったチップも総額が位置と共に把握することができる。またお札とチップの交換時の不正も検知することができる。
【0026】
以下、図面を用いて、実施の形態の複数の遊技テーブルを有する遊技場における不正行為の検知システムの全体の概要を以下に説明する。
図1は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル4を有する遊技場における不正行為の検知システムは、遊技テーブル4で行われるゲームの進行状態をプレーヤ6およびディーラ5を含め複数のカメラ2を介して映像として記録するゲーム記録装置11、および記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置12、さらに遊技テーブル4において各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置3を備える。カード配布装置3は、すでに当業者で使われている、いわゆる電子シューであり、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレーヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に2−3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は表示ランプ13にて表示される。
【0027】
本検知システムは、さらに画像分析装置12による画像分析結果による実際のカードのランクと、カード配布装置3が判定する勝敗結果とを比較し、遊技テーブル4で行われる不正行為(配布されたカードのランク合計と勝敗結果の不一致など)を検知する知能型制御装置14を備える。カード配布装置3は、ディーラ5により手動で配布されるカードCのランク(A,2,3−Q,K)とスート(ハート、スペードなど)を読取り可能な構造であって、知能型制御装置14は、遊技テーブル4において配布された各カードの映像(カメラ2を使って)から画像分析装置12(人工知能を使用する)が得るランクとスートの情報と、カード配布装置3が読取ったカードとスートの情報とを照合して一致不一致を判定可能な構造となっている。本検知システムにおける画像分析装置12および知能型制御装置14は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0028】
画像分析装置12および知能型制御装置14は、遊技テーブル4において配布されプレーヤ6によって折曲げられもしくは汚れたカードCであっても、カードのランクの情報を得ることが可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する。汚れたカードCは
図3に示すように、クラブとスペードの判別が困難な状況が出現する。このような場合でも、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いた画像の分析、判定により、スートの判別が可能となる。また、バカラゲーム等においてしばしば行われるプレーヤによるカードのスクイーズによりカードが曲がってしまっても、多数の画像の変形例の自己学習等を利用して、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術により、変形前のカードが有していたスートやランクを認識可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0029】
人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する知能型制御装置14は、カメラ2、画像分析装置12を介して各プレーヤ6が賭けるチップ9の位置24(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(チップ9は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。チップ9は、垂直方向に整列して積み重なる場合より、
図2Aに示すようにずれて重ねられる。この場合、
図2Aに示す矢印X方向にカメラが位置する場合(もしくは相対的にチップ9の向きが死角になる場合)、
図2Bのようにチップが見えない(死角に入る)ことが想定される。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術においては、自己学習機能等を用いて、チップ9の死角による隠れ等(一枚のチップの一部が隠れる場合、あるいはチップ全体が隠れる場合を認識して、正確に枚数等が把握される。このように、チップ9の位置24(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(チップはC色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能であるため、各ゲームにおいてカード配布装置3が判定するゲームの勝敗結果に従って、各プレーヤ6の賭けた負けチップの回収(矢印Lに示す)および勝ったプレーヤ6Wへの勝ちチップへの支払(9W)がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、知能型制御装置14は、画像分析装置12を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。
【0030】
知能型制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5のチップトレイ17におけるチップ9の総額が画像分析装置12を用いて分析把握可能で、ゲームが終了して清算した後に、各プレーヤ6の賭けた負けチップ9の回収および勝ったプレーヤ6Wへの勝ちチップへの支払9Wの額に応じて、チップトレイ17内のチップ9の総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。チップトレイ17におけるチップ9の総額は、RFIDなどの手段で常に把握されていても、その増減額が正しいか、否かは、知能型制御装置14が、画像分析装置12を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。これらも人工知能活用型もしくはディープラーニング構造が活用される。
【0031】
知能型制御装置14は、遊技テーブル4の各プレー位置7において賭けたチップの位置(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各プレーヤ6の勝敗履歴と得たチップの額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル4のプレー位置7において、負けた時の賭けチップの額が少なく、勝った時の賭けチップの額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の知能型制御装置14を備えるものである。
【0032】
さらに、本検知システムの知能型制御装置14は(画像分析装置12と一体となって)特異な状況として抽出されるか、もしくは所定額以上の勝ちを収めたプレー位置7における個別のプレーヤ6の特定が可能な構造である。このようなプレーヤ6の特定は、画像分析装置12において、顔の画像を特徴点抽出等により得、アイデンティティ番号(ID等)を付して特定しておく。そして知能型制御装置14は、特定されたプレーヤ6が、離席して別の遊技テーブルに着いたとき、当該別の遊技テーブルに当該特定プレーヤの存在を知らせる警告機能を有する。具体的には、各遊技テーブル4を管理するピットマネージャや各テーブル責任者(ディーラでもよい)に知らせて、更なる特異現象の防止を図る。
【0033】
本実施の形態における遊技テーブルを有する遊技場における不正行為の検知システムは、さらに遊技テーブル4においてしばしば行われるお札とチップとの交換時の検査を行う機能を備える。カジノ等の遊技場では、ゲームの前にプレーヤ6は、所定のチップ交換所で、お札(現金など)と遊技用のチップを交換する。しかし、プレーヤ6がチップを使い果たすと、遊技テーブル4から離席せずに、遊技テーブル(バカラテーブル等)上で、現金(お札)からチップ9の交換をしてゲームを続けることができる。しかし、ここにディーラ5とプレーヤとの間で不正が行われる機会が生じる。遊技テーブル(バカラテーブル等)上で、現金(お札)からチップ9の交換は、ゲームが進行していない時に行われる必要がある。カード配布装置3は、ゲームの勝敗を決定するために、カードのディーリング開始と、ディーリング終了(勝敗の決定時期)を検出することが可能である。このため、カード配布装置3中において、カードの配布(ディーリング)以外の状況を検出し、知能型制御装置14は、カードのディーリング中以外の状況において、遊技テーブル4においてお札とチップとの交換が行われていることを検知する(
図4に示す)。カードのディーリング中(またはそれ以外の状況)は、カード配布装置3あるいはディーラ5の動作より得られる情報に基づいて検出できる。
【0034】
知能型制御装置14は、お札Kの表面の画像分析を行いお札の枚数と額を認識可能である。さらに、遊技テーブル4では、チップ9との交換用のお札Kが真正なものか否かが、ブラックライトを照射することでお札の真正マークGを検出して行われる。
図4に示すように、知能型制御装置14は、この真正マークGも画像分析して検証し、真正なお札の総額を認知し、さらに交換対象として遊技テーブル上に出された複数のチップがカメラ2の死角により隠れた状態となっていてもチップの総額を認知可能で、遊技テーブル4上にプレーヤから出されたお札Kの総額と、ディーラ5から出されたチップ9の総額とを比較し、両者の額が一致するか否かを判定可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造となっている。
【0035】
知能型制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5のチップトレイ17におけるチップ9の総額が、お札とチップとの交換が行われて清算した後に、交換したお札に対応したチップの支払額に応じて増減したか否かを、比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。ディーラ5のチップトレイ17におけるチップ9の総額は、チップ9のRFID等によりあらかじめ常に把握されている場合も考えられる。知能型制御装置14は既知のチップ9の額に対して、お札とチップとの交換が行われて清算後のチップの増減が、画像分析結果のチップの交換額と一致するかを検証する。さらに、知能型制御装置14は、お札とチップとの交換が行われて清算した後に、ディーラ5によるお札の入金額(通常はキー入力等による)と、画像分析装置12による画像分析結果のお札の計算金額の一致不一致を比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0036】
また、さらには、知能型制御装置14は、当該ディーラの担当する遊技テーブル4における当該ディーラの入力によるお札の総入金額と、前記画像分析装置12による画像分析結果によるお札の総額との一致不一致を比較計算可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造である。
【0037】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るシステムは、遊技場でのゲームにおけるチップの賭けや精算をする際のミスや不正行為を検知するシステムに関する。
【0038】
カジノなどの遊技場において行われる多くのテーブルゲームの中にはバカラやブラックジャックがある。これらのゲームは52枚のプレイングカードからなる標準的なデッキを使用し、あらかじめシャッフルされている複数のデッキ(6から9あるいは10デッキ)を備えるカード配布装置からゲームテーブル上にプレイングカードが配布され、配布されたカードの数(ランク)やゲームルールにもとづき、勝敗が決定する。
【0039】
カード配布装置からのカードの配布や客(ゲーム参加人)への賭け金の精算は、ゲームテーブルを担当しているディーラ等が行う。カジノなどの遊技場では、この客(ゲーム参加人)への賭け金の精算におけるミスや不正行為を防止する試みが行われている。
【0040】
国際公開WO2015/107902に記載のカードゲームモニタリングシステムでは、監視カメラを用いてチップの動きを読取り、勝者に賭け金が支払われているか否かチェックする。
【0041】
バカラやブラックジャックにおける、客による賭けやディーラによる客(ゲーム参加人)への賭け金の精算について、これらが行われているタイミングや、チップが誰によって置かれ、または取られたのかを検知することができず、そのためこれらが正しいかどうか把握できない、という課題が存在する。
【0042】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態の遊技テーブルを有する遊技場における不正検知システムは、ゲームの不正検知システムであって、遊技テーブルで行われるゲームの進行状況をカメラを用いてモニタリングするゲームモニタリング装置と、前記カメラより得た映像を画像分析する画像分析装置と、前記遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、各ゲームにおいて前記画像分析装置の分析結果を用いて、ゲーム参加人が前記遊技テーブル上に置いたチップの位置を特定し、さらに前記勝敗結果を用いて、各ゲームの参加人のうちの勝者および敗者を判定する制御装置と、を備え、前記制御装置は、さらに1)各ゲームにおいて、カードの引き出しが開始されてからもしくはディーラのゲーム開始操作からカード配布装置によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、チップの動きがないかどうか、2)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、ディーラ以外の者によるチップの動きがないかどうか、3)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップを回収している間に、前記敗者がチップを追加していないかどうか、4)各ゲームの終了後、ディーラがゲーム参加人のうちの勝者が賭けていたチップの位置に、支払いを行ったかどうか、5)各ゲームの終了後、ゲーム参加人のうちの勝者が、賭けていたチップおよび支払われたチップを取ったかどうか、の少なくとも1つを判定する機能と、を備える。
【0043】
さらに、前記制御装置は、前記画像分析装置の分析結果を用いて、ディーラおよびゲーム参加人の手の動き、チップの動き、または前記手の動きとチップの動きを検知することによって、前記1)から5)の少なくとも1つを判定するように構成されていてもよい。
【0044】
さらに、前記制御装置は、ディーラにより勝者に支払われたチップの額が、ゲーム参加人のうちの勝者が賭けていた額にもとづき正しいか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0045】
さらに、前記ゲームの不正検知システムは、前記判定結果を受けて警告または表示を行うモニタまたはランプをさらに備えていてもよい。
【0046】
本実施の形態のシステムによれば、バカラやブラックジャックにおける、客による賭けやディーラによる客(ゲーム参加人)への賭け金の精算について、これらが行われるタイミングや、チップが誰によって置かれ、または取られたのかを検知することができ、これらのミスや不正行為を検知して警告または表示し、再発防止につなげることができる。
【0047】
実施の形態の詳細な説明に入る前に、カジノなどの遊技場において行われるバカラゲームの流れについて、説明する。
【0048】
図5に示すとおり、ゲームテーブル4において、ディーラ5と向かい合うように客(ゲーム参加人)6が椅子7に着席する。そして客(ゲーム参加人)6は、バカラゲームの勝敗結果として、プレーヤ(PLAYER)とバンカー(BANKER)のどちらが勝利するか、または引き分け(TIE)となるかを、目の前の賭けエリア8にチップ9を配置することにより賭ける(以下、これを「賭け」とする)。そしてディーラ5は、客(ゲーム参加人)6による賭けを終了させるためタイミングを計り"No More Bet(賭けの受付終了)"とコールし、手を横方向に動かす等を行う(
図5に示す状態)。バカラゲームでは、"No More Bet(賭けの受付終了)"とコールされ、カードの引き出しが開始されてからもしくはディーラ5がゲーム開始の操作をしてから、カード配布装置3によりゲームの勝敗結果が表示される前の間は、客(ゲーム参加人)6はチップを動かしたり、追加のチップを賭けたり、一度賭けたチップを取り戻すことはできない。
【0049】
その後、カード配布装置3からプレイングカード1を1枚ずつ裏面が上向きの状態でゲームテーブル4に引き出す。まずは4枚引き出し、
図6の丸囲み1〜4に示すとおり、1枚目のカードはプレーヤ(PLAYER)、2枚目のカードはバンカー(BANKER)、3枚目のカードはプレーヤ(PLAYER)、4枚目のカードはバンカー(BANKER)の手となり、ゲームテーブル4上のディーラ5から見た手前のエリア10(プレーヤエリア10Pとバンカーエリア10B)に振り分けて配置される。そして1から4枚目のカード1のランク(数)と、バカラゲームの詳細なルールにおける条件にもとづいて、ディーラ5により5枚目のカード1、さらに6枚目のカード1が引き出され、これらはプレーヤ(PLAYER)またはバンカー(BANKER)の手となる。そして、1から4枚目の(場合によって5枚目、6枚目も合わせた)カード1のランク(数)と、バカラゲームの詳細なルールにもとづいて、ゲームの勝敗が判定される。ここで、前記カード配布装置3には、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカード1の情報(ランク(数)やスート)を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。カード配布装置3により判定された勝敗判定結果(勝敗結果)は、上記のとおりディーラ等により判定された勝敗結果と一致しているか否か判定される。
【0050】
以下に、図面を参照して第2の実施の形態の遊技場でのゲームにおける不正行為の検知システムの全体の概要を説明する。
図5は同システムの全体の概要を示す図であって、遊技場でのゲームにおける不正行為の検知システムは、ゲームテーブル4で行われるゲームの進行状態を客(ゲーム参加人)6およびディーラ5を含めカメラ2を介して映像として記録するゲームモニタリング装置11、および記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置12、さらに遊技テーブル4において各ゲームの勝敗結果を判定し表示する機能を有するカード配布装置3を備える。カード配布装置3は、すでに当業者で使われている、いわゆる電子シューであり、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、カード1がディーラ5により各ゲームの始めに配布されるタイミングを検知するとともに、配布される各カード1の情報(ランク(数)やスート)を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレーヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的にそれぞれ2−3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は表示ランプ13にて表示される。
【0051】
本検知システムの制御装置14は、毎ゲームにおいて画像分析装置12の分析結果を用いて、客6(ゲーム参加人)がゲームテーブル4上のプレーヤ側もしくはバンカー側どちらの賭けエリア8にチップ9を賭けたかを特定するチップ検知機能を備えている。チップ9の位置と総額(プレーヤ側もしくはバンカー側どちらの賭けエリア8にチップ9が賭けられたか)は、チップ9がずれて重なったり、カメラ2の位置からは死角になる場合など、通常では読み取れないことが想定される。制御装置14は、既存の人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術による、自己学習機能等を用いて、チップ9の死角による隠れ等(一枚のチップの一部が隠れる場合、あるいはチップ全体が隠れる場合)を認識して、正確に位置と枚数等を把握可能なように構成されている。さらに、チップ9の賭けエリア8における位置8および種類を検知する構造はこれに限定されず、例えばチップに埋め込まれたIDを読取って検知するように構成されていてもよい。
【0052】
制御装置14は、以上に説明したようにカメラ2、画像分析装置12を介して各プレーヤ6が賭けるチップ9の位置8(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(チップ9は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能であり、プレーヤに賭けをしたのはどの客6か(プレーヤに賭けをした客6が複数いる場合は、一番高額を賭けたのはどの客6か)、バンカーに賭けをしたのはどの客6か(バンカーに賭けをした客6が複数いる場合は、一番高額を賭けたのはどの客6か)を、検知することができる。本検知システムにおける画像分析装置12および制御装置14は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0053】
制御装置14は、ゲームテーブル4において配布された各カード1の映像(カメラ2を使って)から画像分析装置12が得るランクとスートの情報と、カード配布装置3が読取ったランクとスートの情報とを照合して一致不一致を判定可能な構造となっている。各ゲームにおいてカード配布装置3が判定するゲームの勝敗結果に従って、客(ゲーム参加人)6の賭けた負けチップ9の回収および勝った客(ゲーム参加人)6への勝ちチップへの支払がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、制御装置14は、画像分析装置12を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。
【0054】
制御装置14は、本実施の形態の特徴的な機能として、バカラゲームのルールに従い、以下の1)から5)に示す機能を有しルールに反する不正が行われていないか否かを判定する。すなわち、
1)各ゲームにおいて、カード配布装置3から得られるカードの引き出しが開始される信号から、もしくはディーラ5が開始ボタン4sを押すことによるゲーム開始操作から、カード配布装置3によりゲームの勝敗結果が表示される前の間に、チップ9の動きがないかどうかを、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報により監視する(
図6に示す)。
2)各ゲームの終了後、ディーラ5がゲーム参加人6のうちの敗者が賭けていたチップ9を回収している間(
図7に示す)に、敗者6Lがチップ9を不正に取っていないかどうかを、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報により監視する。
3)各ゲームの終了後、ディーラ5がゲーム参加人のうちの敗者が賭けていたチップ9を回収している間に、ディーラ5以外の者(勝者もしくは敗者)が勝ちチップ9Wを追加したり、賭けていない勝側に新たにチップ9を置きなおしていないかどうかを、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報により監視する。
4)各ゲームの終了後、ディーラ5がゲーム参加人6のうちの勝者6Wが賭けていたチップ9の位置に、正しく支払いのチップ9Wを置いたかどうか(
図8に示す)を、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報により監視する。
5)各ゲームの終了後(ディーラ5がカード配布装置3を操作して勝敗結果を表示ランプ13に表示させる)、ゲーム参加人6のうちの勝者6Wが、賭けていたチップ9および支払われたチップ9Wを取ったかどうか(
図9に示す)を、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報により監視する。
【0055】
制御装置14は、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報の分析を以下のように行う。すなわち、画像分析装置12の分析結果を用いて、ディーラ5およびゲーム参加人6の手の動き、チップの動き、または前記手の動きとチップの動きを検知することによって、前記1)から5)の監視をするが、その基本となる分析においては、チップ9が誰に取られたかを知ることが少なくとも必要となる。以下にその分析の方法について、以下、
図10から
図12を使って説明する。
【0056】
ゲーム参加人6Lの賭けたチップチップ9をディーラ5が取ったことの分析(
図10)。
ゲームで負けたゲーム参加人6Lの賭けたチップ9は、ディーラ5が回収する。これが確実に回収されたか否かを、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報を分析して監視する。まず、賭けられたチップ9が存在する状態(
図10A)から存在しない状態(
図10C)の変化を画像分析により検出する。そしてチップ9が存在する状態から存在しない状態の間の画像(
図10B)を分析する。チップ9が存在する状態から存在しない状態の間の画像(
図10B)において、手5hがどちらから伸びているか(
図10Bの上方からかそれ以外か)を分析し、上方から伸びている(あるいは上方から手が出現して、また上方へ退出する手の動き)場合はその手5hをディーラ5のものと判定し、それ以外の方向から手が伸びたときは不正と判定する、というルールをもとにして不正を検出する。
【0057】
ゲームで負けたゲーム参加人6Lの賭けたチップ9をディーラ5が回収している間に、他の者が負けたチップ9を不正に取らないかどうかを監視する(
図10及び
図11)。チップ9が存在する状態から存在しない状態の間の画像において、
図11に示すように、ゲーム参加人6のうちの敗者6L等が取ったことの分析は、手6hが
図11の下方から(本来は上方から)伸びもしくは移動することを画像分析により検出して、これをディーラ5以外の手6h等がチップ9を取るということであると判定し、これを不正があったと判定する。
【0058】
勝チップ9に対してディーラ5が正しくチップ9W支払(置き)、それをゲーム参加人6のうちの勝者6Wが取ったことの分析。
まず
図12Aに示す勝チップに対して、
図12Bに示すようにゲームのルールに従いチップ9Wが償還される。
図12Aに示す図の状態から
図12Bに示す状態の変化を検出し、同時に手がディーラ5の手5hかどうかを画像分析により検出する。この後、
図12Cに示すように今度は同じ賭けエリアにゲーム参加人6のうちの勝者6Wの手6hが伸び(移動し)て、その後チップ9がすべて無くなるかどうか(
図12Dの状態)を画像分析結果から、ゲームのルールに従い制御装置14が検査し不正がなかったか否かを判定する。
【0059】
さらに、制御装置4は、ディーラ5により勝者に支払われたチップの額が、ゲーム参加人6のうちの勝者6Wが賭けていた額にもとづき正しいか否かを判定するように構成されている。以下に具体例を示す。チップ9の位置と総額(プレーヤ側もしくはバンカー側どちらの賭けエリア8にチップ9が賭けられたか)は、チップ9がずれて重なったり、カメラ2の位置からは死角になる場合など、通常では読み取れないことが想定される。制御装置14は、既存の人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術による、自己学習機能等を用いて、チップ9の死角による隠れ等(一枚のチップの一部が隠れる場合、あるいはチップ全体が隠れる場合)を認識して、正確に位置と枚数等を把握可能なように構成されている。さらに、チップ9の賭けエリア8における位置8および種類を検知する構造はこれに限定されず、例えばチップに埋め込まれたIDを読取って検知するように構成されていてもよい。
【0060】
制御装置14は、以上に説明したようにカメラ2、画像分析装置12を介して各プレーヤ6が賭けるチップ9の位置8(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(チップ9は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能であり、プレーヤに賭けをしたのはどの客6か(プレーヤに賭けをした客6が複数いる場合は、一番高額を賭けたのはどの客6か)、バンカーに賭けをしたのはどの客6か(バンカーに賭けをした客6が複数いる場合は、一番高額を賭けたのはどの客6か)を、検知することができる。
【0061】
さらに、本ゲームの不正検知システムの制御装置14は、バカラゲームのルールに従い、以上のような手法で、カメラ2を使って画像分析装置12が得る情報を分析して監視する。前述の1)から5)に示す監視を行い、ルールに反する不正が行われていないか否かを判定する。不正検知時には、カード配布装置3もしくはゲームテーブル4の両方にそれぞれ設けた異常表示ランプ16を点灯させ、カジノ管理部門等に不正の検知を無線・有線で出力15する。判定結果を受けて警告または表示を行うモニタまたはランプをさらに別の場所に備えていてもよい。
【0062】
以上のように不正な行為は、制御装置14により検知され、検知された時点または適切なタイミングで、カード配布装置3の表示ランプ13や異常表示ランプ16や異常表示ランプ16に表示信号を出すが、警告を行うほか、不正または誤りが検知された時点以降にカード配布装置3が有するカードの配布を阻止する機能を作動させて、カード1の配布を阻止してもよい。
【0063】
以下に、本実施の形態のテーブルゲームシステムに使用する、カード配布装置3の一実施形態について、
図13から
図17を用いて説明する。カード配布装置3は複数枚のシャッフルプレイングカード1sを収容するカード収容部102と、ディーラ5等によりカード収容部102からシャッフルプレイングカード1を手動で1枚ずつゲームテーブル4に向けて引き出される際に、シャッフルプレイングカード1を案内するカードガイド部105と、カードガイド部105より案内されたカード1を取り出すための開口部106と、シャッフルプレイングカード1が引き出される際に、シャッフルプレイングカード1が引き出されたことを検知するカード検知部(カード検知センサ22および23)と、シャッフルプレイングカード1の少なくとも数(ランク)を表す情報を読み取るカード読取部108と、カード読取部108により順次読み取られるシャッフルプレイングカード1の数(ランク)に基づいて、カードゲームの勝敗を判定する制御部109と、制御部109により判定された勝敗結果を表示する結果表示ランプ13と、開口部106に設けられ前記カード収納部102からのカード1の出入りを制限する配布制限装置30と、制御装置14と同等の機能を有する管理制御部114と、を含み、これらは一体化されており、制御装置14によりゲームにおけるディーラのミスや不正行為が検知された場合、検知された時点以降のまたは所定のタイミングで、カード配布装置3から更にカードが引き出されることを阻止する機能を有している。
【0064】
次に、カード収納部102からのカード1の出入を制限する配布制限装置30について
図15、
図16を用いて説明する。配布制限装置30は、カード収納部102の前方の開口106から1枚ずつ取り出されるカード1をゲームテーブル4の上に案内するカードガイド部105のカードガイド107に設けられている。配布制限装置30は、カード1がカードガイド部105とカードガイド107のガイドカバーとの間のスロット33を通過する際にロック部材34がカード1を押圧してスロット33内のカード1の出入を阻止する構造を備えている。ロック部材34は、電磁ソレノイドや圧電素子などの駆動部35により、カード1を押圧する位置(制限位置)と、カード1の通過を可能にする通過可能位置との2つの状態を取り得るように矢印mに示すように移動する。駆動部35は、制御装置14と有線または無線で直接または間接的に接続された制御部109により制御され、ロック部材34をカード1を押圧する位置と、カード1の通過を可能にする通過可能位置との2つの状態に移動させる。制御部109にはバカラゲームのルールが予めプログラムされ記憶されている。
【0065】
次に、配布制限装置30の変形例について、
図16Bにより説明する。変形例における、配布制限装置40は、カード1がカードガイド部105とカードガイド107(ガイドカバー)との間のスロット33を通過する際にロック部材36がスロット33内に突出てカード1の移動を阻止する構造を備えている。ロック部材36は、電磁ソレノイドや圧電素子などの駆動部37により、カード1の移動を阻止する位置(制限位置)と、カード1の通過を可能にする通過可能位置との2つの状態を取り得るように矢印mに示すように移動する。駆動部37は、制御装置14と接続された制御部109により制御され、ロック部材36をカード1の移動を阻止する位置と、カード1の通過を可能にする通過可能位置との2つの状態に移動させる。
【0066】
次に、カード収容部102からカード1が手動で引出される際にカード1の数字(数、ランク)を表すコード52をカード1から読み取るコード読取部108の詳細について説明する。
図15は、カード配布装置3の要部平面図である。図において、コード読取部108はカード収納部102の前方の開口106から1枚ずつ手動で取出されるカード1をゲームテーブル4の上に案内するカードガイド部105に設けられている。カードガイド部105は、傾斜面であり、両側の縁部には、センサカバーを兼ねたカードガイド107が取り付けられている。また、2本のカードガイド107の各々は、ねじ等(図示せず)で取り付け着脱可能となっている。カードガイド107を取り外すと、コード読取部108のセンサ群115が露出する。センサ群115は、4つのセンサからなり、2つの紫外線反応センサ(UVセンサ)20,21と、対象物検出センサ22,23とで構成される。
【0067】
対象物検出センサ22,23は、カード1の有無を検知する光ファイバ式のセンサでありカード1の動きを検出することができる。対象物検出センサ22は、カードガイド部105の、カード1の流れ方向に沿った上流側に位置し、もう一方の対象物検出センサ23は下流側に位置している。図に示すように、両対象物検出センサ22,23は、UVセンサ20,21を挟んで上流側と下流側に設けられている。UVセンサ20,21は、紫外線を発するLED(紫外LED)と検知器を備えている。カード1には、紫外線が当たると発色する紫外線発光インクでもって、コード52のマークMが印刷されており、紫外線(ブラックライト)がカード1に照射され、カード1のコード52のマークMの反射光が検知器で検知される。UVセンサ20,21は、ケーブルを介してコード読取部108と制御部109に接続されている。コード読取部108では、UVセンサ20,21の検知器の出力信号から、マークMの組み合わせが判定され各コード52に対応する数(ランク)が判定される。
【0068】
コード読取部108は、対象物検出センサ22、23の検出信号に基づいて、UVセンサ20、21の読取の開始と終了が制御部109により制御される。また、制御部109は、カード1が正常にカードガイド部105を通過したか否かも、対象物検出センサ22、23の検出信号に基づいて判定する。
図14に示すように、カードのランク(数)およびスート(ハートやスペードなど)を表す四角形のマークMがカード1の縁に2列、4行で配列されている。UVセンサ20,21は、マークMを検知すると、オン信号を出力する。コード読取部108では、2つのUVセンサ20,21から入力される両信号の相対関係を判定する。これにより、コード読取部108は、2つのUVセンサ20,21で検知された2つのマークMの相対的な相違等によりコードを特定し、対応するカード1の数(ランク)と種類(スート)を特定する。
【0069】
コード52と2つのUVセンサ20,21のオン信号の出力との関係を
図17に示す。UVセンサ20,21のオン信号の出力の相対変化の比較結果に基づいて、マークMの所定の組み合わせが特定できる。結果として、上下2列のマークMの組み合わせとして4種、これを4列印刷すると、4種の4乗で256種のコードが構成可能となる。トランプカードの52種のカードを256種のコードのどれかにそれぞれ割り当てて、これを対照表としてメモリあるいはプログラムで記憶おき、コード読取部108は、各コード52を特定することで、あらかじめ定めた対照表(図示せず)からカード1の数(ランク)と種類(スート)が特定される構成としている。また、256種のコードは、52種のカードに自由な組み合わせで対応付けて対照表により記憶することできるので、組み合わせを複雑にでき、時間や場所により256種のコードと52種のカードの組み合わせを変えることが出来る。コードは、紫外光を受けることにより可視化される塗料で印刷され、カードの種類表記やインデックス103と重ならない位置に印刷されていることが望ましい。
【0070】
以上、本発明の各種の実施の形態を説明したが、上述の実施の形態は、本発明の範囲内で当業者により変形可能なことはもちろんであり、適用されるゲームでの必要に応じて、本実施の形態の装置が適当に変形されてよい。
【0071】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の管理システムは、遊技場におけるテーブルゲームの管理システムに関する。
【0072】
カジノなどの遊技場では、様々なディーラの遊技用代用貨幣(チップ)の取扱いミスを防止する試みが行われている。遊技場はディーラのチップの取扱いミスを監視するための監視カメラを備え、監視カメラより得た画像から勝敗結果と異なる遊技用代用貨幣の回収や償還によるミスや不正を判定するなどしての防止をしている。
【0073】
一方で、賭けられた遊技用代用貨幣の枚数や総額を把握するため各遊技用代用貨幣にICタグを付けて遊技用代用貨幣の額を把握することが提案されている。
【0074】
国際出願PCT/JP2015/000171に記載のカードゲームモニタリングシステムでは、遊技テーブル上に置かれた遊技用代用貨幣が勝敗結果通り回収あるいは償還されたか否かを、遊技用代用貨幣の動きを画像解析することで判定し、ディーラのチップの取扱いミスのモニタリングが行われる。
【0075】
カジノなどの遊技場では、遊技用代用貨幣が嵩高く積み重ねられて遊技テーブルに置かれるが、遊技テーブルの下に設けたICタグの読取り装置では、総額が正確に読み取れないという問題があり、読み取り装置の感度を高くすると、異なる位置(位置により勝敗が左右される)に置かれた遊技用代用貨幣が、合算されてしまい各位置毎の遊技用代用貨幣の総額が把握できない、という課題が存在する。また従来、
図19に示すように遊技用代用貨幣(チップ)Tの柄は、複雑なものとなっており、多数のチップが積まれていると、カメラにより正確に積まれた枚数が把握できないという課題がある。
【0076】
また、さらに遊技テーブルにおける不正が高度化し、その遊技テーブルで単純に勝った額が多い、とかの検出では発見できない高度な賭け方による不正などは、カメラでは発見できない、という新たな課題も把握されている。
【0077】
また、ディーラは遊技テーブル上に置かれた遊技用代用貨幣が勝敗結果通り回収あるいは償還される必要がある。これを、チップを画像解析することで判定しようとしても、遊技用代用貨幣(チップ)の柄が複雑であるために、賭けられたチップに対応したチップを償還時にディーラが正確に償還したか否かは、現存の実用的な画像解析技術では判定できず、ミスの防止が十分でないという課題が存在した。
【0078】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態のテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブルにおいて各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置と、前記遊技テーブル上に置いた遊技用代用貨幣の種類と枚数をカメラを用いて測定する測定装置と、各ゲームにおいて前記測定装置の測定結果を用いて、ゲーム参加人が前記遊技テーブル上に置いた遊技用代用貨幣の位置と種類と枚数とを特定し記憶する管理制御装置と、を有し、前記遊技用代用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層を備え、前記中間の着色層の両側に白色層もしくは薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用代用貨幣の種類が特定可能な構成を有し、前記管理制御装置は、前記カード配布装置から得た勝敗結果及びゲーム参加人が置いた遊技用代用貨幣の位置と種類と枚数の測定結果を用いて、各ゲームにおける参加人の勝者および敗者を判定するとともに前記遊技テーブルにおけるカジノ側の収支計算を各ゲーム毎に行う計算機能を備える。
【0079】
さらに、管理システムであって、管理制御装置は、各ゲーム参加人が置いた遊技用代用貨幣の着色層又は白色層もしくは薄色層の数を計測して遊技用代用貨幣の枚数を判定する機能を備えた構造である。
【0080】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態の遊技用代用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層を備え、前記着色層を挟んで両側に白色層もしくは薄色層を積層して、側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用代用貨幣の種類が特定可能な構成を有する。
【0081】
さらに、遊技用代用貨幣は、白色層もしくは薄色層の表面には遊技用代用貨幣の種類を表す印刷が施され、最外層に透明層が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなす。
【0082】
さらに、遊技用代用貨幣は、白色層もしくは薄色層の表面にUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークが設けられているもの、あるいは最外層の透明層にはエンボス加工が施され、あるいは、最外層の透明層の端にはR加工が施され、あるいは着色層が複数の層により形成されており、さらには着色層にはRFIDが内蔵されている、ものであってよい。
【0083】
上記種々の課題を解決するため、本実施の形態の遊技用代用貨幣を検査する検査装置は、遊技用代用貨幣が半径方向に通過可能な入口と出口を有する通路と、前記通路を通過する遊技用代用貨幣の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定するチップ種類の判定装置と、通過する遊技用代用貨幣の表面に設けたUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークを読み取るマーク読取り装置と、前記通路に対して垂直方向から遊技用代用貨幣の表面に設けた種類を表す印刷を読取る印刷検査装置と、装置全体の制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記チップ種類の判定装置が判定したチップ種類と、前記印刷検査装置から得た種類を表す印刷の内容とが一致するか否かを検査する構成である。
【0084】
本実施の形態のシステムによれば、遊技用代用貨幣(チップ)が多数積み上げられていても画像分析でチップの枚数が判定でき、比較的重なった遊技用代用貨幣も総額が位置と色とで把握することができる。
【0085】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の遊技テーブルを有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムを説明する。
図18は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル4を有する遊技場におけるテーブルゲームの管理システムは、遊技テーブル4で行われるゲームの進行状態をゲーム参加人6およびディーラ5を含め複数のカメラ2を介して映像として記録するとともに記録されたゲームの進行状態の映像を画像分析する画像分析装置18を備えた測定装置19、さらに遊技テーブル4において各ゲームの勝敗結果を判定し表示するカード配布装置3を備える。カード配布装置3は、すでに当業者で使われて知られている、いわゆる電子シューであり、あらかじめゲームのルールがプログラムされており、配布されるカードCの情報(ランクとスーツ)を読み取って、ゲームの勝敗を判定することができる構造となっている。たとえばバカラゲームでは、バンカーの勝、プレーヤの勝、タイ(引き分け)が、基本的に各2−3枚のカードのランクにより決定され、判定結果(勝敗結果)は表示ランプ13にて表示される。
【0086】
管理制御装置14は、カード配布装置3から得たカードCの情報(ランクとスーツ)を読み取って各ゲームの勝敗結果を判定するとともに、ゲーム参加人6が置いた遊技用代用貨幣120(チップ9)の位置と種類と枚数の測定結果を用いて、各ゲームにおける参加人6の内の勝者6Wおよび敗者6Lを判定する。また、さらに遊技テーブル1におけるカジノ側の収支計算(敗者6Lの賭けた遊技用代用貨幣120(チップ9)の総額から参加人6の内の勝者6Wに償還した遊技用代用貨幣120(チップ9)の総額を差引いた額)を各ゲーム毎に行う計算機能を備える。
【0087】
本検知システムにおける画像分析装置18、測定装置19および管理制御装置14は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0088】
次に、本検知システムに使用する遊技用代用貨幣(チップ)の詳細を説明する。
図20は、本検知システムに使用する遊技用代用貨幣120(チップ9)の正面断面図であり、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも中間に着色層121を備え、この中間の着色層121の両側に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層121を備え、この中間の着色層121の両側に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで
図20に示すように側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層121の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用代用貨幣120の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0089】
さらに、
図22Bに示すように、遊技用代用貨幣120は、白色層122の表面(上面と下面)には遊技用代用貨幣120の種類を表す印刷123(100ポイントなど)が施されている。
図20に示すように、最外層に透明層124が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらの遊技用代用貨幣120は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(着色層121、白色層122、透明層124)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層124の端にR加工(丸い角)が施される。
【0090】
さらに、遊技用代用貨幣120には、白色層122の表面にUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークMが設けられている(
図21参照)。このマークMは遊技用代用貨幣120の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てるとマークが目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。印刷123やマークMを覆うように最外層には透明層124が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層124にはエンボス加工が施され、遊技用代用貨幣120が互いに密着するのを防いでいる。
【0091】
印刷123(100ポイントなど)が施された最外層の透明層124の端はR加工(R)が施され、遊技用代用貨幣120の打ち抜き工程において、白色層122の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用代用貨幣120は鋭利な端が残り手や他のチップ9を損傷するのを防いでいる。
【0092】
着色層121は、
図20に示すように、着色された複数の層(
図20では3層)により形成されてもよい。着色された複数の層(
図20では3層)は互いに熱圧着されているので、
図20のように3層構造が目視可能な状態ではなく、
図20は説明上3層を表している。さらには着色層121の3層の内真ん中の層には一部くり抜きBが設けられ、その中にはRFID125が内蔵されている。
【0093】
図24は、遊技用代用貨幣の種類の異なるものを積上げた状態の斜視説明写真図である。管理制御装置14は、遊技テーブル1上にゲームの参加人6が置いた遊技用代用貨幣120をカメラ2で撮像し、置かれたエリア24別に(バンカーに賭けたか、プレーヤに賭けたか、あるいはペア(PAIR)に賭けたか、タイ(TIE)に賭けたか)を画像分析装置18を備えた測定装置19により測定すると共に、各エリアにおいて積層された遊技用代用貨幣120(チップ9)の着色層121(もしくは薄色層)又は白色層122の数と色を測定装置19(画像分析装置18により得られた情報を使い)が分析計測して遊技用代用貨幣120の種類と枚数を判定する。
【0094】
管理制御装置14は、人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する制御装置であってもよい。管理制御装置14は、カメラ2、画像分析装置18を介して各参加人6が賭ける遊技用代用貨幣120の位置24(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊技用代用貨幣120は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術においては、自己学習機能等を用いて、遊技用代用貨幣120の位置24(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊技用代用貨幣は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能であるため、各ゲームにおいてカード配布装置3が判定するゲームの勝敗結果に従って、各ゲームの負けた参加人6Lの賭けた遊技用代用貨幣120の回収(矢印Lに示す)および勝ったゲーム参加人6Wへの勝ち遊技用代用貨幣120への償還(支払(9W))がゲームの勝敗結果に従って適正に行われたか否かを、管理制御装置14は、画像分析装置18を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。
【0095】
このような場合、
図21に示すように(
図19に示す従来チップに比べて)積層した多層構造になっており、側面に積層方向の縞模様がくっきりと形成されているので、画像分析装置18を含む測定装置19は容易にチップの種類および枚数の測定を正確に行うことが可能となる。さらに、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術を用いれば、画像の分析、判定がより正確に可能となる。人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術は当業者ですでに既知で利用可能であるため、詳細な説明を略する。
【0096】
管理制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用代用貨幣トレイ17における遊技用代用貨幣120の総額が画像分析装置18を用いて分析把握可能で、ゲームが終了して清算した後に、各ゲーム参加人6の賭けた負け遊技用代用貨幣120の回収および勝ったゲーム参加人6Wへの勝ち遊技用代用貨幣への支払9Wの額に応じて、遊技用代用貨幣トレイ17内の遊技用代用貨幣120総額が増減したか否かを、ゲームの勝敗結果に従って比較計算可能である。遊技用代用貨幣トレイ17における遊技用代用貨幣120の総額は、RFIDなどの手段で常に把握されていても、その増減額が正しいか、否かは、管理制御装置14が、画像分析装置18を介してゲームの進行状態の映像を分析することにより判定する。これらも人工知能活用型もしくはディープラーニング構造が活用されてよい。
【0097】
管理制御装置14は、遊技テーブル4の各プレー位置7において賭けた遊技用代用貨幣の位置(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)と額(種類と枚数)を把握し、各ゲームの勝敗結果により得られる各ゲーム参加人6の勝敗履歴と得た遊技用代用貨幣の額(勝った額)を、過去の多数(ビッグデータ)のゲームの統計データと比較して特異な状況(カジノにより設定される)として抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造であってもよい。典型的にはある額(100万ドル)以上の勝ち額の発生や、ある遊技テーブル4のプレー位置7において、負けた時の賭け遊技用代用貨幣の額が少なく、勝った時の賭け遊技用代用貨幣の額が多い状態が数ゲーム続き、それが過去のゲームの統計データ(ビッグデータ等)と比較して特異な状況としてこれを抽出可能な人工知能活用型もしくはディープラーニング構造の管理制御装置14を備えるものである。
【0098】
管理制御装置14は、遊技テーブル4のディーラ5の遊技用代用貨幣トレイ17における遊技用代用貨幣120の総額が、各ゲームの後に各参加人6の賭けた遊技用代用貨幣120との清算が行われて清算した後に、清算に対応した遊技用代用貨幣の増減が正しいか否かを、比較計算可能な構造となっている。
図18に示すディーラ5の遊技用代用貨幣120の保持用のチップトレイ17においては、横方向に積層された遊技用代用貨幣120(チップ9)の着色層121又は白色層122の数と色を測定装置19(画像分析装置18により得られた情報を使い)が分析計測することで、遊技用代用貨幣120の種類と枚数が判定可能である。保持用のチップトレイ17の遊技用代用貨幣120の総額は、このようにして常に(もしくは所定の時間間隔で)把握されている。管理制御装置14は、各ゲームの清算額(遊技テーブル1におけるカジノ側の収支計算(敗者6Lの賭けた遊技用代用貨幣120(チップ9)の総額から参加人6の内の勝者6Wに償還した遊技用代用貨幣120(チップ9)の総額を差引いた額))を各ゲーム毎に行う計算機能を備える(段落0016参照)ので、チップトレイ17の遊技用代用貨幣120の総額は常に(もしくは所定の時間間隔で)検証される。すなわち、遊技用代用貨幣の増減が、画像分析装置18による画像分析結果とディーラ5による各ゲームの清算額と一致するか否かが検証される。
【0099】
次に、
図23を参照して、本願発明の実施の形態である遊技用代用貨幣120を検査する検査装置200について説明する。検査装置200には、遊技用代用貨幣120が半径方向(矢印Y方向)に通過可能な入口201と出口202を有する通路203を備えている。通路203は傾斜しており、遊技用代用貨幣120は矢印Y方向に通過する。通路203には、遊技用代用貨幣120の側面を撮影して側面の積層方向の縞模様の色を判定するチップ種類の判定装置204と、通過する遊技用代用貨幣120の表面に設けたUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークMを読み取るマーク読取り装置205と、通路203に対して垂直方向から遊技用代用貨幣の表面に設けた種類を表す印刷123を読取る印刷検査装置206と、装置全体の制御装置207と、を備え、制御装置207は、チップ種類の判定装置204が判定したチップ種類と、印刷検査装置206から得た種類を表す印刷の内容とが一致するか否かを検査する構成である。
【0100】
この検査装置200により、製造された遊技用代用貨幣120の印刷123が、遊技用代用貨幣120の縞模様の色によるチップ種類と一致して正しく印刷されているか否かが検査可能となる。
【0101】
(第4の実施の形態)
本実施の形態のシステムは、カジノや他の遊技用代用貨幣を使用するゲーム施設において、遊技用代用貨幣の偽物が遊技場で使用されることを防ぐ遊技用代用貨幣の管理システムに関する。
【0102】
カジノやゲーム施設において行われる多くのライブテーブルゲームの中にはバカラやブラックジャックがある。これらのゲームは52枚のプレイングカードからなる標準的なデッキを使用し、あらかじめシャッフルされている複数のデッキ(6から9あるいは10デッキ)を備えるシュータからゲームテーブル上にプレイングカードが配布されゲームが行われる。カジノやゲーム施設においては、こうしたゲームに使用するために遊技用代用貨幣が使われる。
【0103】
遊技用代用貨幣の偽物の使用はカジノで起こってはならない。カジノにおける遊技用代用貨幣の偽物の使用を防ぐため、カジノでは遊技用代用貨幣にRFIDを付けて偽物の使用を防止する技術が存在している。RFID付遊技用代用貨幣は公知であり、国際出願公開第WO2008/120749号に開示されている。
【0104】
本実施の形態は、カジノやゲーム施設において使用される遊技用代用貨幣の偽物の使用を防ぐ管理システムあるいは遊技用代用貨幣を提供するものであり、カジノやゲーム施設における遊技用代用貨幣の偽物の使用や不正な交換を防ぐことができるものである。近年、遊技用代用貨幣の偽物の製造技術が進化し、真偽判定マークやRFIDがほぼ完ぺきにコピーできるまでに技術が進歩した。この結果、偽の遊技用代用貨幣に真正な真偽判定マークやRFIDと同じものが付され、偽物と本物の遊技用代用貨幣の区別ができず、真偽判定がほぼ不可能になっているという課題が存在する。
【0105】
上記の従来の問題を解決するために、本実施の形態の遊技用代用貨幣の管理システムは、個別に識別可能なユニークなIDが付された遊技用代用貨幣と、前記遊技用代用貨幣に付されたユニークなIDを読み取るID読取装置と、遊技場のキャッシャーにおいて、前記遊技用代用貨幣を保持する保管庫と、遊技テーブルにおいて、前記遊技用代用貨幣を保持する遊技テーブルチップトレイと、前記遊技テーブルチップトレイ及び前記保管庫に保持されている前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を、前記ID読取装置を用いてそれぞれ特定するチップ判定装置と、遊技場において、前記遊技用代用貨幣に付けられた前記IDをデータベース上で管理する管理制御装置と、を有し、前記管理制御装置は、使用を想定する遊技用代用貨幣の前記IDを前記データベースにあらかじめ登録して置き、前記データベースを用いて、少なくとも、前記遊技テーブルチップトレイ及び前記保管庫上に存在する遊技用代用貨幣の前記IDをその所在情報とともに前記データベース上で管理し、前記遊技テーブルチップトレイ及び前記保管庫における遊技用代用貨幣を所定のタイミングで特定するとともに前記データベースを検索して、以下の事象をデータベースの検索により判定し、1)データベースに存在しなかったIDが新たに存在すること、2)2つ以上の同じIDが存在すること、上記1)もしくは2)の状況があればエラーシグナルを生成する機能を備えた、ものである。
【0106】
またさらに、管理制御装置はさらに、少なくとも前記遊技テーブルチップトレイ及び前記保管庫において前記遊技用代用貨幣の存在に変化がある際に、変化があった時刻あるいは場所を前記IDと関連付けて前記データベース上に記録し、前記データベースを検索して、2つ以上の同じIDが存在する状況があれば、当該IDと、当該IDに関連付けて前記データベース上に記録されている時刻あるいは場所の情報を前記データベースから抽出して保存し、先に検出された当該IDが付された前記遊技用代用貨幣が前記遊技テーブルチップトレイもしくは前記保管庫に出入りした時刻、あるいは、前記遊技用代用貨幣が保持されていた前記遊技テーブルチップトレイもしくは前記保管庫の場所を特定可能な機能を備えた、ものである。
【0107】
さらに前記遊技用代用貨幣の管理システムにおいては、前記遊技テーブルのベットエリア上に賭けられている前記遊技用代用貨幣の種類と枚数を前記ID読取装置を用いて特定するベットエリアのチップ判定装置を備え、前記遊技テーブルのベットエリア上に存在する遊技用代用貨幣の前記IDに対しても、以下の事象をデータベースの検索により判定し、1)データベースに存在しなかったIDが新たに存在すること、2)2つ以上の同じIDが存在すること、上記1)もしくは2)の状況があればエラーシグナルを生成する機能を備えた、ものであってもよい。
【0108】
さらには、ユニークなIDは、前記遊技用代用貨幣の側面の少なくとも3カ所に付されている。ユニークなIDが可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されている。特には、前記ユニークなIDが複数行複数列のマークの有無で付されている、構成が有利である。さらには。遊技用代用貨幣の上下面には透明のコーティング層またはニスが設けられている。
【0109】
上記の従来の問題を解決するために、本実施の形態の遊技用代用貨幣は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも一層に着色層を備え、前記着色層より外側に白色層もしくは薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、前記着色層により遊技用代用貨幣の種類が特定可能な構成を有する。また、側面白色層もしくは薄色層の側面の少なくとも3カ所にユニークなIDが付され、ID読取装置でIDを読み取ることにより、遊技用代用貨幣の種類と製造情報を特定可能で、IDをデータベース上で管理可能な構成を有する。そして、前記ユニークなIDが可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されていてもよい。前記ユニークなIDが可視光で見えないインクによりインクジェット印刷で付されていてもよい。
【0110】
上記の従来の問題を解決するために、本実施の形態の遊技用代用貨幣は、個別に識別可能なユニークなIDが付され、前記遊技用代用貨幣に付されたユニークなIDは、ID読取装置により読み取られ、前記ID読取装置は、遊技場のキャッシャーの保持する保管庫と、遊技テーブルの遊技テーブルチップトレイと、に保持された前記遊技用代用貨幣を読み取ることが可能で、さらに、前記遊技テーブルチップトレイ及び前記保管庫に保持されている前記遊技用代用貨幣の種類と枚数が、前記ID読取装置を介してチップ判定装置により特定され、前記遊技テーブルチップトレイ及び前記保管庫上に存在する遊技用代用貨幣の前記IDがその所在情報とともにデータベース上で管理され、少なくとも、1)データベースに存在しなかったIDが新たに存在すること、2)2つ以上の同じIDが存在すること、が検査され、上記1)もしくは2)の状況の発生を判定可能な前記IDを備えた、ものである。
【0111】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態の遊技テーブルを有する遊技場における遊技用代用貨幣の管理システムを説明する。
図25は同システムの全体の概要を示す図であって、複数の遊技テーブル4(
図25では、1台のみ示す)を有する遊技場における遊技用代用貨幣の管理システムは、遊技テーブル4で行われるゲームの進行状態をゲーム参加人6およびディーラ5を含めて、複数のカメラ2を介して撮像し記憶し管理する。特に、本遊技用代用貨幣の管理システムは、遊技テーブル4においてゲームに使用される遊技用代用貨幣9の種類と枚数を、カメラ2にて得られる画像情報を分析して特定する。遊技用代用貨幣9には、ユニークなID126が付されており、遊技用代用貨幣9の種類と枚数は、前記ID126を判定し読み取ることで得られる。カメラ2から得た画像情報を分析して前記ID126を特定するのが、カメラ2に接続された管理制御装置50の内部にあるID読取装置53である。特に管理制御装置50は、カメラ2を介して撮像した画像データを分析し前記ID126の読み取り結果から、横に並び、あるいは積み重ねられた状態の遊技用代用貨幣9の種類と枚数を特定するチップ判定装置52を内部に有する。
【0112】
遊技用代用貨幣9は、遊技場のキャッシャー60において、ゲーム参加人6が払う現金61と交換される、キャッシャー60においては、遊技用代用貨幣9はこれを保持する保管庫62にて保管されている。遊技場のキャッシャー60においては、またゲーム参加人6が持参する遊技用代用貨幣9を、現金61にて払い戻す。遊技テーブル4においては、遊技用代用貨幣9が遊技テーブルチップトレイ17により保持されており、ディーラ5は、各ゲームにおいて負けたゲーム参加人6が賭けた遊技用代用貨幣9をテーブル4上から回収し、遊技テーブルチップトレイ17に戻したのち、各ゲームに勝ったゲーム参加人6に対して遊技用代用貨幣9を償還する。このようなゲーム参加人6と遊技場のキャッシャー60、あるいはディーラ5とのやり取りはすべてカメラ2にて撮像され記録される。保管庫62や遊技テーブルチップトレイ17においては、ゲーム参加人6との遊技用代用貨幣9のやり取りがある度に保管庫62や遊技テーブルチップトレイ17にて保管されている遊技用代用貨幣9が増減する。遊技テーブルチップトレイ17及び保管庫62に保持されている遊技用代用貨幣9の種類と枚数は、カメラ2を介してID読取装置53とチップ判定装置52により所定のタイミングで、あるいは常時監視されている。管理制御装置50は、遊技場で使用が想定されるすべての遊技用代用貨幣9のID126をデータベース51上にあらかじめ保持している(遊技場では、使用が想定されるすべての遊技用代用貨幣9のID126を登録して置く)。
【0113】
このようにして、遊技用代用貨幣9に付けられたID126をデータベース上で管理する管理制御装置50は、データベース51を用いて、遊技場において、少なくとも、遊技テーブルチップトレイ17及び保管庫62上に存在する遊技用代用貨幣9のすべてのID126をその所在情報(保管庫62や遊技テーブルチップトレイ17、あるいはバックヤード(図示せず)からの移動中、もしくはゲーム参加人6が保持している、など。)とともにデータベース51上で管理する。管理制御装置50は、遊技テーブルチップトレイ17及び保管庫62におけるすべての遊技用代用貨幣9を所定のタイミングもしくは常時、ID126によって特定するとともに、データベース51を検索して、以下の事象をデータベース51の検索によりに判定する。
1)データベース51に存在しなかった(または存在しない)ID126が新たに存在することが判定される、
2)2つ以上の同じIDが存在すること、が判定される、
上記1)もしくは2)の状況があれば、異常を示すエラーシグナルを生成し、遊技場の管理部門やセキュリティ部門54に知らせる機能を備えている。
管理制御装置50は、遊技テーブルチップトレイ17及び保管庫62におけるすべての遊技用代用貨幣9を所定のタイミングもしくは常時、ID126によって特定し、データベース51に記憶しているので、1)データベース51に存在しなかった(または存在しない)ID126が新たに存在することが判定できるし、2)2つ以上の同じIDが存在することも判定できる。
【0114】
管理制御装置50はさらに、少なくとも遊技テーブルチップトレイ17及び保管庫62において遊技用代用貨幣9の存在に変化がある際に、変化があった時刻あるいは場所(保管庫62や遊技テーブルチップトレイ17、など)をID126と関連付けてデータベース51上に記録し、データベース51を検索した結果、2つ以上の同じID126が存在する状況があれば、当該ID126と、当該ID126に関連付けてデータベース51上に記録されている時刻あるいは場所の情報をデータベース51から抽出して保存し、先に検出された(すでに先に使用され、あるいは換金された)当該ID126が付された遊技用代用貨幣9が遊技テーブルチップトレイ17もしくは保管庫13に出入りした時刻、あるいは、遊技用代用貨幣9が保持されていた遊技テーブルチップトレイ17もしくは保管庫13の場所がデータベース51により特定可能となる。時刻と場所が特定できると、カメラ2の記録映像から、不正な遊技用代用貨幣9の使用の疑いがある人物等の特定が可能となる。
【0115】
本遊技用代用貨幣の管理システムにおいて、管理制御装置50は遊技テーブル4のベットエリア16上に賭けられている遊技用代用貨幣9の種類と枚数をID読取装置53を用いて特定できる。ベットエリア16の遊技用代用貨幣9は、ベットエリア24を特に撮像するカメラ2bを備え、遊技テーブル4のベットエリア24上に存在する遊技用代用貨幣9のID126に対しても、以下の事象をデータベース51の検索により判定する。
1)データベース51に存在しなかったID126がベットエリア16に新たに存在すること、
2)2つ以上の同じIDが存在すること、
上記1)もしくは2)の状況があればエラーシグナルを生成する機能を備える。
【0116】
本システムにおける管理制御装置50、内部にあるID読取装置53、遊技用代用貨幣9の種類と枚数を特定するチップ判定装置52は、一体もしくは複数の構成からなるコンピュータおよびプログラム、メモリを複合的に備えた構造となっている。
【0117】
次に、本システムに使用する遊技用代用貨幣9(いわゆるチップ)の詳細を説明する。
図26は、本システムに使用する遊技用代用貨幣9(チップ)の正面図であり、遊技用代用貨幣9は複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、熱圧着等の手段で一体にされたあと、円形や四辺形に打ち抜きされて形成される。少なくとも中間に着色層121を備え、この中間の着色層121の両側(
図26では上下)に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造となっている。このように着色層121を備え、この中間の着色層121の両側に白色層122もしくは薄色層(図示しないが着色層121より色の薄い層であればよい)を積層した多層構造とすることで
図27に示すように側面から見ると(積層方向の)縞模様を形成し、着色層121の色を変える(赤色、緑色、黄色や青色等)ことにより遊技用代用貨幣9の種類(10ポイント、20ポイント、100ポイント、1000ポイントなど)を特定できるようにしている。
【0118】
さらに、
図26に示すように、遊技用代用貨幣9には、白色層122の側面に遊技用代用貨幣9の種類を表すID126が施されている。最外層には透明層124が設けられ、各層間が熱圧着されて少なくとも5層構造をなしている。これらの遊技用代用貨幣9は、細長い長尺状のプラスチック材料を用い、長尺の状態で各層(少なくとも着色層121、白色層122)の間が熱圧着されて密着した状態(5層構造等)を形成し、その後にプレス等により円形あるいは長方形等に打ち抜いて形成される。プレスにより打ち抜く際に打ち抜きのための金型のダイとポンチの寸法を設計して最外層の透明層124の端にR加工(丸い角)が施される。透明層124はニスの塗装層であってもよい。ユニークなID126は、遊技用代用貨幣9の側面の少なくとも3カ所に付されている。ユニークなID126が可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されている。
【0119】
特に本実施の形態では、ユニークなID126が複数行複数列のマークCの有無で構成され付されている。複数行複数列のマークCは、
図26で示すように、上下のマークCがペアになってコードを構成し、
図26では10桁のコードとしている。上下のマークCがペアになってコード(4種)を構成する構成を
図28に示す。マークCの横のYの字は、マークの上側と下側を識別するための識別マークである。マークCで構成されるコードは、マークCの所定の組み合わせが特定できるように構成している。結果としては、
図28に示す実施例で、上下2列のマークCの組み合わせとして4種、これを10列印刷すると、4種の10乗のコードが構成可能となる。10桁のコードは、4種あるので4の10乗の種類のコードがえられるので、遊技用代用貨幣9のユニークなID126が十分付与できる。
【0120】
本遊技用代用貨幣9は、複数の色の異なるプラスチックの層が積層され、少なくとも一層に着色層121を備え、着色層121より外側に白色層122もしくは薄色層を積層した多層構造とすることで側面に積層方向の縞模様を形成し、着色層121により遊技用代用貨幣9の種類が特定可能な構成を有する。白色層122もしくは薄色層の側面の少なくとも3カ所(望ましくは6か所)で、本実施例では6個が回転方向に60度の所定の間隔を隔てて設けられている。本遊技用代用貨幣9は、個別に識別可能な(一個毎に異なる)ユニークなID126が付され、側方から必ずID126が見えるように回転方向に60度の所定の間隔を隔てて設けられている。遊技用代用貨幣9に付されたユニークなID126は、前述のID読取装置53により読み取られる。このID読取装置53でID126を読み取ることにより、遊技用代用貨幣9の種類と製造情報等を特定可能で、ID126をデータベース51上で管理可能な構成となっている。本実施の形態では、ユニークなIDが可視光で見えるインクによりインクジェット印刷で付されている。可視光で見えないインク(UVインクやカーボンブラックインクや赤外反応インク)によりインクジェット印刷で付されてユニークなID126が付されていてもよい。
【0121】
遊技用代用貨幣9に付されたユニークなID126は、前述のID読取装置53により読み取られ、ID読取装置53は、遊技場のキャッシャーの保持する保管庫62と、遊技テーブルの遊技テーブルチップトレイ17と、に保持された遊技用代用貨幣9を読み取ることが可能で、実際には
図27Aに示すように水平(横)に積層されていても、ID126が読み取り可能となっている。
【0122】
さらに、遊技用代用貨幣9には、白色層122の表面(X)にUVインクまたはカーボンブラックインクによるマークMが設けられている。このマークMは遊技用代用貨幣9の真偽を表すものであり、紫外線(もしくは赤外線)を当てるとマークMが目に見えるようになり、その形や数の組み合わせで真正なものを表す。表面の遊技場特定用の印刷123(100ポイントなど)やマークMを覆うように最外層には透明層124が熱圧着あるいはコーティング(塗布)されているが、この透明層124にはエンボス加工やニス加工が施され、遊技用代用貨幣9が互いに密着するのを防いだり、滑りをよくしている。
【0123】
印刷123(100ポイントなど)が施された最外層の透明層124の端はR加工(R)が施され、遊技用代用貨幣100の打ち抜き工程において、白色層122の表面が変形して側面に現れるのを防止している。また、遊技用代用貨幣100の鋭利な端が残り手や他のチップ9を損傷するのを防いでいる。着色層121は、着色された一層もしくは複数の層により形成されてもよい。さらには着色層121の層の中の層に重量を増すための金属やセラミックが内装されてもよい。また、着色層121の一部にくり抜き、または着色層121と白色層122の間に空間が設けられ、その中にはRFIDが内蔵されていてもよい。この場合、遊技用代用貨幣9のID126は、マークCによるコードによるID126とRFIDによるものと併用される。
【0124】
このようにして構成される遊技用代用貨幣9においては、遊技テーブルチップトレイ17及び保管庫62に保持されている遊技用代用貨幣9の種類と枚数は、カメラ2、ID読取装置53を介してチップ判定装置52により特定され、遊技テーブルチップトレイ17及び保管庫62上に存在する遊技用代用貨幣9のID126がその所在情報とともにデータベース51上で管理される。これにより、少なくとも、
1)データベース51に存在しなかったID126が新たに存在すること、
2)2つ以上の同じID126が存在すること、が検査される。
上記1)もしくは2)の状況の発生を、すべてのID126を検索、判定することで実現可能となっている。
【0125】
管理制御装置50は、人工知能活用型もしくはディープラーニング構造を有する制御装置であってもよい。管理制御装置50は、人工知能活用型のコンピュータもしくは制御システム、ディープラーニング(構造)技術、自己学習機能等を用いて、遊技用代用貨幣9の位置24(プレーヤか、バンカーか、ペアーに賭けた位置)、種類(遊技用代用貨幣は色毎に異なる額の値が割り付けられている)および枚数を把握することが可能である。
【0126】
以下に遊技用代用貨幣9の変形例について説明する。変形例では、遊技用代用貨幣9の側面には、ID126として数字が7桁印刷されている。
図29に示す実施例で、中心に白色層122が設けられ、その上下に着色層121が設けられている。中心の白色層122にマークとしての数字が印刷されID126を構成している。数字の組み合わせとして10種、これを桁印刷すると、10種の7乗のコードが構成可能となるので遊技用代用貨幣9のユニークなID126が十分付与できる。カメラ2とその画像分析では、数字の判定読み取りが困難な場合もあり、前に示す実施例のマークCの組み合わせが、画像分析上は有利と考えられる。