(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記データは、前記フィルタの使用量および前記フィルタの識別を示すフィルタデータを含み、前記フィルタデータは、前記フィルタ識別構成要素に記録される、請求項9記載の空気質システム。
前記制御モジュールは、前記電界を介して、連続的にデータを前記フィルタ識別構成要素から読み取り、前記フィルタ識別構成要素に書き込む、請求項1記載の空気質システム。
前記プレクリーナハウジングの外部に配置され、前記制御モジュールから制御モジュールデータおよびフィルタ識別構成要素データの両方を取得するために前記制御モジュールと通信するように構成されるアドバイザモジュールをさらに備える、請求項1記載の空気質システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
空気質監視および制御システムの例示的な実施形態を、以下において詳細に説明する。
【0012】
一実施形態による空気質監視および制御システムは、空気プレクリーナ1、RESPA制御モジュール100、フィルタ識別リング200(以下、本明細書においては「フィルタIDリング」)、アドバイザモジュール300、複数のセンサ、および以下で説明する他の関連の装置を含む。RESPA制御モジュール100、フィルタIDリング200、アドバイザモジュール300、およびセンサは、すべての関連環境データの監視の繰り返し、データの報告、および要求に応じてのキャブ環境の修正をもたらすために、互いに通信する。監視および報告の繰り返しは、連続的または断続的であってもよい。
【0013】
空気プレクリーナは、以下で説明するように予備洗浄、濾過、および加圧の性能を有する装置であることが理解されるべきである。換言すると、「プレクリーナ」という用語は、単に予備洗浄を行う装置を指すのではない。プレクリーナ1は、以下で説明する方法で予備洗浄、濾過、および加圧をするように構成される。空気プレクリーナ1は、気流、空気質、気温、エアフィルタ7上の圧力低下、空気プレクリーナ1内外の温度差、フィルタ寿命、および他のパラメータのうちの1つまたは複数を監視および/または制御するように設計される、電子制御式取入れスマートシステムである。
【0014】
濾過材(エアフィルタ材)は、それが使用される環境に基づいて選択されてもよい。たとえば、空気プレクリーナ1で使用される濾過材は、0.3ミクロンの濾過を達成する自浄式の合成繊維ナノテクノロジーオーバーレイであってもよい。
【0015】
エアフィルタ7は、マイクロチップ204を含むスマートフィルタであってもよく、エアフィルタ7は、RESPA制御モジュール100により電力供給され、およびフィルタ7およびフィルタの使用履歴に関するデータを含む。
【0016】
(1)空気プレクリーナの説明
一実施形態の空気プレクリーナ1は、いくつかの面で、上記参照により本明細書に組み込まれた米国特許出願公開第14/536,849号明細書の空気プレクリーナに類似であるが、構造上の重要な相違があり、そのいくつかを以下で説明する。既に説明したように、空気プレクリーナ1は、予備洗浄、濾過、および加圧の性能を有する装置である。
図1〜5は、空気プレクリーナ1の例示的な実施形態を示す。
【0017】
図1および2に示すように、開示する実施形態の空気プレクリーナ1は、長手方向軸A−Aを有するプレクリーナハウジング11の入口2から出口3までシステム内を延びる(
図2中の矢印で示される)流路を含む。モータ駆動ファン4は、微粒子デブリを含有する空気を入口2内に引き寄せ、システムの長手方向軸A−Aの周りで回転させて回転流を形成し、それによってデブリ含有空気を、最も重い粒子が回転流の最も外側の軌道にあるように重層化するために、流路に沿って配置されている。
【0018】
1つまたは複数の排出ポート5が、空気プレクリーナ1のセパレータ室31内の層状回転流の最も外側の軌道から微粒子デブリ含有空気を排出するために、プレクリーナハウジング11のセパレータ室端部32内に設けられる。デブリ含有空気の体積は、静翼13を通過して移動する際に、気流速度を上昇させるために空気プレクリーナ1内の気流管理構造体(12、13、29)により圧縮されてもよく、気流管理構造体により回転させられる。
【0019】
空中デブリは、セパレータ室31の下端部にある(1つまたは複数の)排出ポート5に達するまで空気プレクリーナ1のセパレータ室31内の回転空気の最も外側の軌道に留まり、排出ポート5で排出され環境へと戻る。デブリの大半を取り除かれた気流は、セパレータ室31内の層状回転流の最も内側の軌道において、プレクリーナハウジング11と出口3(B”)との圧力差によりフィルタ7を通過するように引き寄せられ、フィルタ7を通過して流出し、エアフィルタ内部通路8に流入する。そして、濾過された空気は、空気プレクリーナ1の清浄空気出口3へ、そして出口3に接続される内燃機関またはキャブ通気システムなどの下流の装置へと流動する。
【0020】
動作中にセパレータ室31内部の正圧が維持されるため、デブリ含有空気は確実に排出される。これは、ファン4により入口2を通して空気プレクリーナ1内へと引き込まれる空気の量は、排出ポート5または清浄空気出口3を通って排出される空気の量よりも大きいためである。圧力差により、セパレータ室31内部で正圧が絶えず維持される。結果として、セパレータ室31内で分離された重い微粒子状物質は、エアフィルタ7上に収集するよりも(1つまたは複数の)排出ポート5を通して排出され得る。
【0021】
プレクリーナハウジング11内で、モータ駆動ファン4は、ファンモータ28に取り付けられるファンブレード9を有する。ファンモータ28は、ブラシ付きモータまたはブラシレスモータであってもよい。ブラシレスモータを使用することの利点には、高効率、機械的摩耗に対する脆弱性の減少、トルクの向上、およびノイズの減少が含まれる。以下における説明目的のため、ファンモータ28はブラシレスである。
【0022】
ファンブレード9は、微粒子デブリ含有空気を入口2内に引き寄せ、デブリ含有空気を流路に沿って流動させるために、空気入口スクリーン6の下方で気流管理構造体の上流の流路に沿って位置してもよい。プレクリーナハウジング11内の気流管理構造体は、(
図4および5に示す)マニホールド12、共にセパレータ室31内に位置する静翼13および(
図22に示す)シュラウド29を含んでもよい。具体的には、マニホールド12およびシュラウド29は、セパレータ室31の軸の両端部に配置される。シュラウド12は、セパレータ室31内部の空気の、プレクリーナハウジング11を形成しているセパレータ室31の壁に向かう遠心性の流動を維持するように構成される。マニホールド12は、ファンブレード9の下流で外に向かってテーパ状になってもよく、外側環状通路には、マニホールド12をプレクリーナハウジング11に接続する、気流管理構造体の、周方向に離間し傾斜した複数の静翼13を備える。
【0023】
静翼13は、異なる形状であってもよい。一実施形態では、静翼13は、プレクリーナハウジング11およびマニホールド12と一体的に形成されてもよい。この場合、翼13は、プレクリーナハウジング11およびマニホールド12を形成する材料と類似または同じ材料で形成されてもよい。
【0024】
図3〜5にみられるように、プレクリーナハウジング11は、RESPA制御モジュール100および(以下で詳細に説明する)RCMアンテナ基板118が取り付けられるように構成されてもよい。特に、電力ケーブル14および(以下で詳細に説明する)加圧換気チューブレインキャップ15を取り付けるために、ハウジング11内に孔が設けられてもよい。電力ケーブル14は、RESPA制御モジュール100に電力を供給する。ノッチ(図示されず)がシュラウド29内に設けられてもよく、電力ケーブル14が、シュラウド29の下方を通過してRCMアンテナ基板118に接続し、パワーリード線116およびアンテナ線117が、シュラウド29の下方を通過してRESPA制御モジュール100に接続する。
図4は、3インチ径の出口3を有するハウジング11の一実施形態の図である。
図5は、4インチ径の出口3を有するハウジング11の別の実施形態の図である。もちろん、出口3の直径は必要に応じて変えてもよいことが理解されるべきである。
【0025】
(2)RESPA制御モジュールの説明
RESPA制御モジュール100(「RESPA制御モジュール」または「RCM」とも呼称される)は、空気プレクリーナ1内に永久的に取り付けられてもよい。RCM100は、プレクリーナハウジング11内および周辺に取り付けられるすべてのセンサからデータを受信し、データを分析し、RESPA取入れシステムの運転をプロアクティブに変更する。
図6は、RESPA制御モジュール100の種々の機能および繋がりを示す。もちろん、RESPA制御モジュール100の機能および繋がりは、
図6に示すものに限定されないことが理解される。RESPA制御モジュール100は、RESPA制御モジュール100に組み込まれるラジオ(または他の適切な通信手段)を介してアドバイザモジュール300に接続されてもよい。RESPA制御モジュール100は、空気プレクリーナ1が取り付けられる機械により電力供給されてもよい、または他の任意の適した電力源から電力を受け取ってもよい。
【0026】
RESPA制御モジュール100は、モジュールトップ102およびモジュールベース103で形成されるモジュールハウジング101を含む。モジュールハウジング101は、たとえば、ポリプロピレン射出成形により形成されてもよい。
図7〜9および15は、モジュールベース103に組み付けられるモジュールトップ102を示す。
図10〜12はモジュールベース103から分離したモジュールトップ102を示し、
図13はモジュールトップ102から分離したモジュールベース103を示す。
図7〜13に示すように、モジュールトップ102は、モジュールベース103内に収まるようにサイズ決めされる。モジュールトップ102には、1つまたは複数の雄ポスト1021が備えられてもよく、1つまたは複数の雄ポスト1021は、モジュールベース103上に形成される1つまたは複数の雌ポスト1031に嵌まり、それにより、モジュールトップ102がモジュールベース103に組み付けられる。
【0027】
図10に見られるように、モジュールトップ102の内部領域は、3つの分離した区画、第1区画109、第2区画110および第3区画111に分けられる。各区画は、他の区画から流体的に分離されるように、気密に密封される。以下においてより詳細に説明するように、各区画は、対応するセンサを収納する。
【0028】
図10および12にみられるように、モジュールトップ102は、モジュールトップ102の上部表面上に中心を外れて形成される第1孔104、およびモジュールトップ102の側部表面の中心に形成される第2孔105を有する。第1孔104は、第1区画109と連絡し、第2孔105は、第2区画110と連絡する。(以下で説明する)大気圧力換気チューブ17は、第1孔104に挿入されてもよい。出口圧力チューブ(図示されず)は、第2孔105に挿入されてもよい。具体的には、出口圧力チューブは、第2孔105に挿入される第1端部、および出口3中に形成される孔に挿入される第2反対端部を有する。出口圧力チューブが使用されない場合、
図15にみられるように、代替的に、(真鍮ねじなどの)留め金具1051が、第2孔105に挿入されてもよい。
【0029】
図13に示すように、モジュールベース103は、第3孔106、第4孔107および第5孔108を有し、それらはすべてモジュールベース103の側部表面上に形成される。第4孔107は、第1区画109と連絡し、第3孔106は、第2孔105および第2区画110の両方と連絡し、第5孔108は、第3区画111に連絡する。出口圧力チューブの第1端部(図示されず)は、第3孔106および第2孔105の両方に挿入される。
【0030】
図14に示すように、モジュールハウジング101内部において、回路基板112が配置される。
図16は、回路基板112の前部表面を示す図であり、
図17は、回路基板112の後部表面を示す。回路基板112は、中央処理装置(CPU)およびメモリ(たとえばRAM)を備えるマイクロチップを含む。回路基板112には、複数のセンサがさらに備えられる。この実施形態によると、3つのセンサ113、114および115がモジュールハウジング内に含まれる。もちろん、センサの数は3つに限定されない。RESPA制御モジュール100は、第1区画109内に配置される第1圧力センサ113を用いて周囲空気の圧力、温度、湿度のうちの1つまたは複数を監視し得る。具体的には、第1圧力センサ113は、以下でより詳細に説明する第1孔104および大気圧力換気チューブ17を介して周囲空気と連絡する。RESPA制御モジュール100は、第3区画111内に配置される第2圧力センサ115を用いて、プレクリーナハウジング11内の空気の圧力、温度、および湿度のうちの1つまたは複数をさらに監視し得る。具体的には、第2圧力センサ115は、モジュールトップ102とモジュールベース103との合わせ面を通る空気の漏出により、プレクリーナハウジング11内の空気と連絡する。換言すると、モジュールトップ102とモジュールベース103とが、合わせ面において封止剤なしで嵌め合わされるため、プレクリーナハウジング11内の空気が第3区画111内へと漏れることによって第2圧力センサ115に達する。RESPA制御モジュール100はさらに、第2区画110内に配置される第3圧力センサ114を用いて、空気プレクリーナ1の出口3を通過する空気の圧力、温度、および湿度のうちの1つまたは複数を監視し得る。具体的には、第3圧力センサ114は、第2孔105、第3孔106、出口圧力チューブ、および出口3内に形成される孔を介して出口3を通過して流れる清浄な(濾過された)空気と連絡する。それに応じて、RESPA制御モジュール100は、たとえば、周囲空気、プレクリーナハウジング11内の空気、および出口3にある空気の圧力、温度および湿度のうちの1つまたは複数を監視する。本開示における特定のセンサは、「圧力センサ」と呼称されるが、既に説明したように、圧力、温度、および湿度のうちの1つまたは複数を検出および測定するように構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0031】
RESPA制御モジュール100の回路基板112には、(以下で説明する)RCMアンテナ基板118を介してRESPA制御モジュール100に電力を供給するために、パワーリード線116が接続されて設けられる。特に、パワーリード線は、RCMアンテナ基板118との接続のために、モジュールハウジング101の第5孔108を出る。回路基板112には、また、RCMアンテナ基板118との接続のために、モジュールハウジング101の第4孔107および第5孔108を出るアンテナ線117が設けられる。パワーリード線116およびアンテナ線117は、
図7〜9および14にみられるように別個の線としてモジュールハウジング101を抜けてもよい、または
図15に示すように、シース121により覆われてもよい。以下で説明するように、RCMアンテナ基板118は、RESPA制御モジュール100に電力を供給するために使用されてもよい。さらに、回路基板112は、無線送信のために、Bluetooth(登録商標)性能、WiFi性能(たとえば、802.11WiFi)、および無線性能を有してもよい。回路基板112は、高電圧保護回路、電磁干渉(EMI)回路、内部基板用遮蔽部をさらに有してもよい。
【0032】
RESPA制御モジュール100は、振動を測定し、センサ測定値から振動成分を除外することにより(運動の影響を受け得る)RESPA制御モジュール100内のセンサがキャブまたはエンジンなどの高振動環境において正確に機能することを可能にする一体型の加速度計を有する。加速度計は、圧力センサ113、114および115と一体である。
【0033】
RESPA制御モジュール100は、モジュールハウジング内に配置され、
図18、19および22に示されているRCMアンテナ基板118と通信および接続する。RESPA制御モジュール100のマイクロチップは、電力ケーブル14を通して、およびRCMアンテナ基板118を通して電力供給されることが可能であり、それによって、接続電源を必要とせずにプレクリーナシステムによるデータの記録および送信が可能になる。以下でより詳細に説明するように、RCMアンテナ基板118は、電界をプレクリーナハウジング11内に放射することによって、フィルタIDリング200にも電力を供給する。
【0034】
図18および19にみられるように、RCMアンテナ基板118は、RESPA制御モジュール100のアンテナ線117およびパワーリード線116をRCMアンテナ基板118に接続させるために、はんだ箇所119を有するプリント回路基板で作製されてもよい。上で説明した電力ケーブル14は、
図18および19に示されており、電磁波の放射を減少させるように設計されるシールド4本リード線であってもよい。RCMアンテナ基板118には、さらに、パワーリード120およびたとえば、銅製のアンテナ線24が設けられる。電力は、電力ケーブル14からパワーリード120を通り、そしてパワーリード線116を通ってRCM制御モジュール100に供給される。換言すると、電力は、電力ケーブル14からパワーリード120を通り、そしてパワーリード線116を通ってRCM制御モジュール100へと送られる。RCM制御モジュール100が電力を受け取ると、RCM制御モジュール100は、RCMアンテナ基板118のアンテナ線24に通電し、それによって、以下で説明するように、RCMアンテナ118が電界を放射する。
【0035】
図22は、長手方向軸A−Aに沿ったプレクリーナハウジング11の軸方向の第1の側部上に取られた図である。
図22は、プレクリーナハウジング11内に取り付けられたRCMアンテナ基板118を示している。RCMアンテナ基板118は、マニホールド12の表面上に取り付けられるように、蹄鉄形または略蹄鉄形であってもよい。
図22に見られる取付位置では、はんだ箇所119は、RESPA制御モジュール100のパワーリード線116およびアンテナ線117に接続するために位置決めされる。
【0036】
図23は、長手方向軸A−Aに沿ったプレクリーナハウジング11の軸方向の第2の側部上に取られた図である。
図22および23の両方にみられるように、RESPA制御モジュール100は、プレクリーナハウジング11内、空気プレクリーナ1の出口3の隣の、2つの静翼13の間に位置決めされる。RCMアンテナ基板118およびRESPA制御モジュール100は、
図22に示すように、RESPA制御モジュール100のパワーリード線116およびアンテナ線117がRCMアンテナ基板118のはんだ箇所119に接続されるように、互いに対して位置決めされる。このようにして、RCMアンテナ基板118は、RESPA制御モジュール100に(パワーリード線116を介して)電力を供給し、また、(アンテナ線117を介して)RESPA制御モジュール100と通信する。
【0037】
既に説明したように、モジュールハウジング101は、モジュールトップ102およびモジュールベース103を含んでもよい。モジュールトップ102の上部表面は、プレクリーナハウジング11の内壁の曲線に一致および適合するように形成される。モジュールベース103の下部表面は、マニホールド12の外壁の曲線に一致および適合するように形成される。したがって、RESPA制御モジュール100は、プレクリーナハウジング11内で、2つの静翼13、マニホールド12の外壁、およびプレクリーナハウジング11の内壁によってその間に保持され得る。もちろん、これはモジュールハウジング101が取り得る形状の一例にすぎず、明らかに、モジュールハウジング101は、システムが機能することを妨げることなく異なる向きおよび位置での取り付けのために、異なる形状を有してもよい。
【0038】
さらに、1つまたは複数のアンテナライザ122が、RCMアンテナ基板118とマニホールド12との間に設けられてもよい。アンテナライザ122は、限定されないが、ポリ乳酸(PLA)ラピッドプロトタイププラスチックおよび射出成形ポリプロピレンを含む様々な材料で形成されてもよい。アンテナライザ122は、RCMアンテナ基板118とマニホールド12との間でスペーサとして機能する。さらに、1つまたは複数のアンテナスペーサ123が、RCMアンテナ基板118とシュラウド29との間に設けられてもよい。アンテナスペーサ123は、限定されないが、ポリ乳酸(PLA)ラピッドプロトタイププラスチックおよび射出成形ポリプロピレンを含む様々な材料で形成されてもよい。アンテナスペーサ123は、RCMアンテナ基板118とシュラウド29との間でスペーサとして機能し、RCMアンテナ基板118を所定の場所に保持するためにRCMアンテナ基板118を押さえつける。したがって、アンテナライザ122およびアンテナスペーサ123は、RCMアンテナ基板118の軸方向の両側に位置決めされる。
【0039】
既に説明したように、第1、第2および第3圧力センサ113、115、114は、圧力、および
図14および16に示すようにセンサ113、115および114が指定される気流の他のパラメータを正確に検出するように、それぞれモジュールハウジング101の各区画内に位置決めされる。具体的には、第1圧力センサ113は、周囲気流の圧力および他のパラメータを受信および監視するために、第1区画109内に位置決めされる。第2圧力センサ115は、プレクリーナハウジング11内の気流の圧力および他のパラメータを受信および監視するように、第3区画111内に位置決めされる。第3圧力センサ114は、空気プレクリーナ1の出口3における気流の圧力および他のパラメータを受信および監視するように、第2区画110内に位置決めされる。
【0040】
これら3つの圧力センサ113、115および114は、プレクリーナハウジング11の入口2と出口3との温度差および圧力差に関するリアルタイムデータを提供する。このデータは、出力、燃費経済性、およびHVAC効率など様々な領域の改善を可能にする。さらに、圧力センサ113、115および114は、気流および他のパラメータが連続的に測定され、RESPA制御モジュール100から、アドバイザモジュール300を含む様々な(以下で説明する)接続されている装置にデータとして出力されることを可能にする。
【0041】
既に説明したように、第1区画109内に配置される第1圧力センサ113は、第1孔104を介して周囲空気と連絡する。この連絡を容易にするために、大気圧力換気チューブ17(
図50に示す)が、
図47および48にみられるチューブホール18を介してプレクリーナハウジング11を通るように挿入される。大気圧力換気チューブ17の第1端部は、
図48にみられるように、プレクリーナハウジング11から突出する。大気圧力換気チューブ17の第2反対端部は、第1孔104内に収まる。
図51に示す加圧換気チューブレインキャップ15が、
図49にみられるように、大気圧力換気チューブ17を覆うように設けられる。加圧換気チューブレインキャップ15は、加圧換気チューブレインキャップ15をたとえば留め金具を用いてプレクリーナハウジング11に固定するための2つの装着孔20を有する。加圧換気チューブレインキャップ15には、第1圧力センサ113による圧力の読み取りを中断させることなく大気圧力換気チューブ17を上に載せるように配置される隆起部21がさらに設けられる。隆起部21は、大気圧力換気チューブ17を詰まらせることなく隆起部21の下および大気圧力換気チューブ17の上を水が流れることを可能にする。さらに、
図50にみられるように、大気圧力換気チューブ17は、プレクリーナハウジング11から突出する大気圧力換気チューブ17の第1端部に形成される、1つまたは複数のチューブ突出部19を有する。加圧換気チューブレインキャップ15が大気圧力換気チューブ17を密閉することを防止し、それによって、大気圧力換気チューブ17の密閉により、周囲空気とプレクリーナハウジング11内の空気との間で圧力が同等にならないという状況が回避されるように、チューブ突出部19は加圧換気チューブレインキャップ15の隆起部21に接触する。
【0042】
さらに、RESPA制御モジュール100は、空気プレクリーナ1のモータおよび/またはエアフィルタ7と通信するために、ローカルエリアネットワーク(LAN)を設定するように構成されてもよい。RESPA制御モジュール100がローカル広域ネットワーク(WAN)を通してアクセスされ得るように、RESPA制御モジュール100にIPアドレスが割り当てられてもよい。
【0043】
さらに、RESPA制御モジュール100は、RESPA制御モジュール100により取得されるデータを読み取るための携帯電話のアプリケーションなどのユーザ端末によってアクセスされてもよい。
【0044】
RESPA制御モジュール100は、フィルタIDリング200に電力を供給すること、フィルタIDリング200にデータのログをとること、フィルタIDリング200に記憶されるデータを読み取ること、圧力および他の気流パラメータを感知すること、およびこのデータのすべてをアドバイザモジュール300に中継することを含む、様々な機能を果たす。RESPA制御モジュール100は、エアフィルタ7および取入れシステムのすべてのパラメータを調節および制御し、データを提供し、指示を受信するためにアドバイザモジュール300と通信する。以下にこれらの機能をより詳細に説明する。
【0045】
空気質監視および制御システムは、
図63に示すように、モータ制御モジュール40をさらに含んでもよい。モータ制御モジュール40は、ケース42内に収納される回路基板41を含む。回路基板41は、抵抗器、ダイオード、コンデンサ、および電圧データをRESPA制御モジュール100に中継し、モータ28内の過電圧を防止するレギュレータを含む。ケース42は、ヒートシンクであってもよい。3つのパワーリードは、回路基板41に接続される。具体的には、パワーリード43は、回路基板41をオペレータに運転されるキャブに接続する。パワーリード44は、回路基板41をモータ28に接続し、パワーリード45は、回路基板41をRESPA制御モジュール100に接続する。モータ制御モジュール40は、回路基板41上に設けられるフィルタによるEMIおよびEMF抑制、モータの過電圧保護、モータの速度制御、モータの電圧制御、ならびにデータロギングおよびアドバイザモジュール300への外部通信のためのRESPA制御モジュール100へのデータ転送を含む、種々の有利な性能を有する。モータ制御モジュール40は、データを、RESPA制御モジュール100と、およびファンモータ28と送受信してもよい。モータ制御モジュール40は、モータ電圧を監視することによって、空気プレクリーナ1のファンモータ28の温度を決定してもよい。モータ電圧が過度に高いもしくは低い場合、または適切でないフィルタが使用されている場合、モータ制御モジュール40は、モータ28をオフにするように構成されてもよい。また、モータ制御モジュール40は、RESPA制御モジュール100からに指示に応じてモータ28をオフにする、またはモータ28の速度を調節してもよい。モータ制御モジュール40は、モータ28を自動で制御してもよい、またはRESPA制御モジュール100から受信した命令に基づいてモータ28を制御してもよい。
【0046】
モータ制御モジュール40は、キャビンまたはエンジンの、圧力を上昇させる、またはフィルタ7上における圧力低下を克服するという必要性に基づいてモータ速度を変化させてもよい。
【0047】
モータ制御モジュール40は、モータ28を流れる電圧を読み取り、記録するために、モータ28に直接接続してもよい。モータ制御モジュール40は、過電圧もしくは不足電圧の場合、またはモータ28が70°Cのような高温に達した場合、ファンモータ28をオフにするようにプログラムされてもよい。モータ制御モジュール40は、モータ28が50°Cのような低温に低下すると、モータ28を再度オンにしてもよい。
【0048】
プログラムされた運転パラメータが妨害されると、RESPA制御モジュール100は、アドバイザモジュール300に警報メッセージを送信してもよい。代替的にまたは追加的に、RESPA制御モジュール100および他のセンサからアドバイザモジュール300に連続的にストリーミングされるデータがアドバイザモジュール300により分析されてもよく、それに応答して、アドバイザモジュール300が警報を鳴らすという決定をする。
【0049】
警報モードは、限定されないが、アドバイザモジュール300から運転手への視覚的、聴覚的および/または触覚的警報、キャブの上部の信号灯、および警報条件を通知するために適切な人員またはシステムに送信されるテキストメッセージまたはEメールを含む。
図53は、信号灯の一例として動作状態ランプ16を示している。動作状態ランプ16は、WiFiのような適切な通信手段を使用してアドバイザモジュール300により制御される自動式3色LEDランプであってもよい。たとえば、動作状態ランプ16は、赤色灯を用いて警報状態を、黄色灯を用いて警告状態を、そして緑色灯を用いて安全状態を運転手に通知し得る。
【0050】
RESPA制御モジュール100は、システム内の複数センサと通信するように構成される。具体的には、RESPA制御モジュール100は、255個のセンサとまで同時に通信してもよい。
【0051】
また、RESPA制御モジュール100は、アドバイザモジュール300から、または携帯電話のアプリケーションのような別の制御手段を介してプログラムされてもよい。RESPA制御モジュール100は、アドバイザモジュール300のスレーブとして、またはアドバイザモジュール300から独立して動作してもよい。RESPA制御モジュール100は、アドバイザモジュール300を含むすべての装置から独立して動作してもよい。
【0052】
RESPA制御モジュール100は、アドバイザモジュール300、フィルタIDリング200、ブラシレスモータ28、および/または携帯電話のアプリケーションと自動的に同期するように構成されてもよい。
【0053】
RESPA制御モジュール100は、使用されるフィルタ7の種類、フィルタ7上の圧力低下(フィルタ7をいつ交換する必要があるかを決めるため)、および出口径を用いるキャビン内への気流、出口圧力、および出口気流を連続的に計算するための「K」ファクターなどのデータを供給するために、アドバイザモジュール300と連続的に通信するように構成される。
【0054】
(3)フィルタIDリングの説明
フィルタIDリング200(「フィルタ識別構成要素」とも呼称される)は、エアフィルタ7の外周部に適合するための特定の形状を有する不活性フィルタリングである。円形構成により、フィルタ7を、プレクリーナハウジング11内において、任意の方向でも同レベルの機能性を達成するように取り付けることが可能になる。フィルタIDリング200は、RESPA制御モジュール100と通信するように構成される。
図24は、フィルタIDリング200の種々の機能および繋がりを示す。もちろん、フィルタIDリング200の機能および繋がりは、
図24に示すものに限定されないことが理解される。フィルタIDリング200は、リングの形状に限定されず、他の形状および構成で設けられてもよい。たとえば、別の実施形態では、フィルタIDリング200は、フィルタ7内に直接取り付けられるコンピュータチップとして提供されてもよい。さらに別の実施形態では、フィルタIDリング200は、フィルタ7の製作場所(POM)にてフィルタ7のボディに一体化(埋め込み)されてもよい。以下の説明では、リング状のフィルタIDリング200の実施形態に焦点をあてる。
【0055】
フィルタIDリング200は、エアフィルタ7がプレクリーナハウジング11内に取り付けられると、フィルタIDリング200が、RCMアンテナ基板118に適切な周波数を受信し、フィルタIDリング200に動作および通信するための電力を供給するよう、RESPA制御モジュール100に十分に接近するように、エアフィルタ7に付着(たとえば、接着またはモールディング)されてもよい。換言すると、フィルタIDリング200は、RCMアンテナ基板118によりプレクリーナハウジング11内に放射される電界によって、電力供給されてもよい。この電界を介して通信が行われてもよい。RESPA制御モジュール100およびRCMアンテナ基板118が存在しない場合、フィルタIDリング200は不活性である。
【0056】
フィルタIDリング200の一実施形態を
図25に示す。フィルタIDリング200は、アンテナ線201と、2つのはんだパッド203を有するプリント回路基板202とで形成される。アンテナ線201は、たとえば、ポリプロピレン製のアンテナ線カバー205で封入される銅線であってもよい。アンテナ線201の第1端部は、はんだパッド203の1つにてプリント回路基板202に接続され、一方で、アンテナ線201の第2端部は、もう一方のはんだパッド203にてプリント回路基板202に接続される。プリント回路基板202は、追加で、RFIDチップ204、および1つまたは複数の抵抗器およびコンデンサを含んでもよい。RFIDチップ204は、フィルタIDリング200が付着されるエアフィルタ7についての情報を記憶するメモリを有する。メモリは、メモリ容量がカスタマイズ可能である離散型メモリおよび/またはRAMメモリを含んでもよい。フィルタIDリング200は、シリアル番号、製造日、使用量、およびエアフィルタ7の品番などの製造情報を記憶する。フィルタIDリング200は、製造場所におけるフィルタデータを用いてワイヤレスでプログラムされてもよい。
【0057】
フィルタIDリング200は、フィルタIDリング200がエアフィルタ7の周囲を取り囲むように、エアフィルタ7に直接付着されてもよい。代わりに、
図26および27示すように、フィルタIDリング200は、リング状成形体206に包囲されてもよい。フィルタIDリング200は、要求される周波数および出力に応じて、リング状成形体206内の1つまたは複数のループに包まれてもよい。換言すると、ループの数が異なると、供給される周波数および出力が異なる。
図26は、フィルタIDリング200が取り付けられる、リング状成形体206の前部面を示し、
図27は、リング状成形体206の前部面を、そこに取り付けられるフィルタIDリング200なしで示す。リング状成形体206は、たとえば、プラスチックポリプロピレン射出により形成されてもよい。リング状成形体206には、アンテナ線カバー205およびプリント回路基板202を堅く把持する1つまたは複数の溝207が設けられる。フィルタIDリング200が取り付けられているリング状成形体206は、
図28に示すように、リング状成形体206がエアフィルタ7の周囲を取り囲むようにエアフィルタ7に直接付着されるように構成される。リング状成形体206の裏面および側面は、
図28においてアンテナ線201が下方を向くように示される。代わりに、リング状成形体206は、
図28において、追加のカバー要素(図示されず)がリング状成形体206の前部面を覆って、アンテナ線201上方を向くように裏返されてもよい。
【0058】
リング状成形体206の代替として、フィルタIDリング200は、
図29および30に示すように、リングハウジング208内に収納されてもよい。リングハウジング208は、たとえば、原型(prototype)ポリ乳酸プラスチックまたはポリプロピレン射出成形であってもよい。リングハウジング208は、エアフィルタ7のフィルタキャップの首部に収まるように形成される。
図29および30にみられるように、フィルタIDリング200は、リングハウジング208に取り囲まれ、複数の係止ポスト209により固定される。フィルタIDリング200は、要求される周波数および出力に応じて、リングハウジング208の周りの1つまたは複数のループに囲まれてもよい。
図29および30に示す例では、リングハウジング208は、3つの係止ポスト209を有しているが、係止ポスト209の数は、3より多くても少なくてもよい。係止ポスト209は、アンテナ線201のワイヤ張力が維持されるようにフィルタIDリング200を拘束するように配置および構成される。
【0059】
フィルタIDリング200は、RCMアンテナ基板118およびアンテナ線201がRCMアンテナ基板118による電界放射を介して互いに通信するように、フィルタIDリング200がRESPA制御モジュール100に十分に近位の位置に取り付けられる限りは、プレクリーナハウジング内に任意の向きで取り付けられてもよい。プレクリーナハウジング11内でフィルタIDリング200がRESPA制御モジュール100に対し特定の方向を向くことで、フィルタIDリング200とRESPA制御モジュール100との間の効率的な通信を保証する。アンテナ線201をRCMアンテナ基板118のアンテナ線124の周波数合わせることで、RESPA制御モジュール100と、プレクリーナハウジング11内のフィルタIDリング200との間の通信が可能になる。電界は、RCMアンテナ基板118によりプレクリーナハウジング11内に放射され、フィルタIDリング200のアンテナ線201が、電界を選別し、エネルギーをフィルタIDリング200のRFIDチップ204へと方向付ける。その結果、RESPA制御モジュール100(RCMアンテナ基板118)からフィルタIDリング200に電力が供給されることが可能であり、RESPA制御モジュール100からフィルタIDリング200にデータのログがとられることが可能であり、フィルタIDリング200に記憶されるデータは、RESPA制御モジュール100によって読み取られることが可能である。RFIDチップ204がRCMアンテナ基板118によりプレクリーナハウジング11内に生成されるエネルギー場の内に配置される限りは、フィルタIDリング200のRFIDチップ204への通電は、連続的に行われる。
【0060】
さらに、運転中、RESPA制御モジュール100は、連続的にデータをフィルタIDリング200から読み取り、およびフィルタIDリング200に書き込みしてもよい。RESPA制御モジュール100とフィルタIDリング200との間の二方向通信が、連続的なデータの記憶および取得を可能にする。既に説明したように、RESPA制御モジュール100は、RCMアンテナ基板118により生成される電界を用いてフィルタIDリング200と通信してもよい。電界は、フィルタIDリング200に電流を供給し、また、RESPA制御モジュール100とフィルタIDリング200との間の二方向通信を可能にする。
【0061】
RESPA制御モジュール100は、データのログをフィルタIDリング200に連続的にとる。このデータには、限定されないが、フィルタ圧力、周囲圧力、出口気流、モータの電圧および温度、周囲の温度および湿度、プレクリーナハウジングの温度および湿度、ならびにプレクリーナハウジング出口の温度および湿度のうちの1つまたは複数が含まれる。
【0062】
フィルタIDリング200は、エアフィルタ7の使用量を永久的に記録し、連続的に更新してもよく、エアフィルタ7がその寿命に達したとき(たとえば、エアフィルタ7が所定の時間数使用される、またはエアフィルタ7が過度に制限的になる)にアドバイザモジュール300に通知してもよい。フィルタIDリング200は、効率的に、フィルタ7の寿命の間のすべての重要なイベントおよびデータ点を自動で記録し永久的に記憶する、自己認識型フィルタ7をもたらす。その結果、フィルタ7のリアルタイムの状態を判定するために、フィルタ7を物理的に検査する必要がない。
【0063】
フィルタIDリング200は、フィルタIDリング200に記憶されたデータを読み取るために、携帯電話のアプリケーションのようなユーザ端末によってアクセスされてもよい。
【0064】
(4)アドバイザモジュールの説明
アドバイザモジュール300(「RESPAアドバイザ」とも呼称される)は無線装置であってもよく、無線装置は無線信号を用いてRESPA制御モジュール100と通信し、そしてRESPA制御モジュール100はフィルタIDリング200と通信する。アドバイザモジュール300は、無線およびセルラ方式通信の両方の性能を有してもよい。アドバイザモジュール300は、また、ローカルWiFiネットワークにログインすることなく、ピギーバッキングしてもよい。
図31は、アドバイザモジュール300の様々な機能および繋がりを示す。もちろん、アドバイザモジュール300の機能および繋がりは、
図31に示すものに限定されないことが理解される。
【0065】
図32〜38は、アドバイザモジュール300の構成要素の様々な図を提供する。
図32にみられるように、アドバイザモジュール300には、アドバイザハウジング301が設けられてもよい。アドバイザハウジング301は、たとえば、射出成形されたアクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)プラスチックで形成されてもよい。アドバイザハウジング301は、アドバイザトップ302およびアドバイザベース303を含む。アドバイザトップ302およびアドバイザベース303は、スナップ嵌め構成により組み立てられる。スナップ嵌め構成は、アドバイザベース303中に形成される2つのスナップホール321、およびアドバイザトップ302中に形成される2つのスナップポスト322で形成される。
【0066】
アドバイザトップ302は、表示画面取付部304、凹部305、1つまたは複数の通気口306、および電力ケーブル孔307を含む。表示画面取付部304は、たとえば、ユーザがアドバイザモジュール300を操作するために使用し得るタッチスクリーンであってもよい表示画面308を保持するように構成される。
図37は、表示画面308の例を示す。表示画面取付部304は、表示画面308の外部領域へのアクセスを可能にする面取り領域311をさらに有する。
図34にみられるように、アドバイザトップ302は、アドバイザトップ302の内面に形成される画面取付ポスト309を有する。
図34には画面取付ポスト309が1つだけ見られるが、アドバイザトップ302は、表示画面取付部304の周りに配置される4つの画面取付ポスト309を有し、4つの画面取付ポスト309は、
図37に示す4つの表示画面孔310に対応している。
【0067】
凹部305は、たとえば、ステッカーまたは他の識別子を取り付けるための領域を設けるように、アドバイザトップ302の最も外側の周辺部から凹状に形成される。1つまたは複数の通気口306は、アドバイザトップ302の1つまたは複数の側面に設けられてもよい。通気口306は、(以下で説明する)マルチガスセンサ323の適切な機能を保証する。
図34および36Cに示す電力ケーブル孔307は、電力ケーブル312が通過し、アドバイザモジュール300に電力を供給することを可能にする。
図36Aおよび36Bにみられるように、電力ケーブル312は、アドバイザモジュールから延びる。電力ケーブル312は、電磁波の放射を減少させるように設計されるシールド4本リード線であってもよい。
【0068】
図32に示すように、アドバイザベース303は、プリント回路基板314を取り付けるための、複数の取付用ボス313を含む(
図37および38に示す)。
図32に示す実施形態では、複数の取付用ボス313には、8つの取付用ボス313が含まれる。取付用ボス313は、
図37および38に示す回路基板孔315に対応する。取付用ボス313および回路基板孔315は、プリント回路基板314をアドバイザベース303に固定して取り付けるために、留め金具(たとえばねじ)を受容するように構成される。取付用ボス313には、プリント回路基板314への振動の伝達を減少させるために、所定の厚みが与えられる。アドバイザベース303には、複数のベース取付孔316がさらに設けられる。ベース取付孔316は、アドバイザトップ302中に形成されるトップ取付孔317と接合し、留め金具(たとえばねじ)は、アドバイザモジュール300の表面(たとえば壁)への取り付けが可能になるように、ベース取付孔316およびトップ取付孔317を通るように挿入される。ベース取付孔316は、組立の際の圧縮に対するために、拡大リング318および補強リブ319で形成される。
【0069】
図37は、プリント回路基板314の正面図を示し、
図38はその背面図を示す。プリント回路基板314には、限定されないが、マルチガスセンサ323および圧力センサ324を含む複数のセンサが設けられる。プリント回路基板314は、CPUおよびメモリ(たとえばRAM)を備えるマイクロチップを含む。さらに、プリント回路基板314は、Bluetooth性能、WiFi性能(たとえば802.11WiFi)、および無線送信のための無線性能を有してもよい。プリント回路基板314は、高電圧保護回路、電磁干渉(EMI)回路、および内部基板遮蔽部をさらに有してもよい。既に説明したように、電力ケーブル312は、電力を供給するためにプリント回路基板314に接続される(たとえば、3.3ボルトの電力供給または5ボルトの電力供給)。プリント回路基板314は、また、ビーパーのような、たとえば警告状態を通知する触覚的通知装置を有してよい。
【0070】
さらに、アドバイザモジュール300は、ローカルエリアネットワークルータとして機能してもよい。したがって、アドバイザモジュール300は、センサ用のローカルネットワークを容易にし、ローカルWiFiネットワークには表示されない、プロプライエタリの無線通信プロトコルを介して通信することができる。
【0071】
アドバイザモジュール300は、アドバイザモジュール300のラジオレンジ内に位置する任意のワイヤレスセンサと自動で同期してもよい。たとえば、アドバイザモジュール300は、複数の空気プレクリーナ1のセンサ(RESPA制御モジュール100のセンサを含む)と同期することができる。具体的には、アドバイザモジュール300は、同時に255個のセンサとまで通信可能である。アドバイザモジュール300は、キャブのフィルタ性能とエンジンのフィルタ性能を同時に監視することができる。
【0072】
アドバイザモジュール300により読み取られ、制御されるセンサは、プレクリーナハウジング11内の空気、出口3にある空気、または周囲空気の温度、圧力、および湿度のうちの1つまたは複数を検出する(第1圧力センサ113、第2圧力センサ115、および第3圧力センサ114などの)センサ、出口気流の立方フィート毎分(CFM)を検出するセンサ、ファンモータの温度および電圧を検出するセンサ、ガスの種類およびガス濃度を検出するセンサ、および質量粒子濃度を検出するセンサを含む。
【0073】
アドバイザモジュール300は、複数のセンサから受信したデータを自動で整理するように構成されてもよい。たとえば、複数の周囲圧力センサが範囲内にある場合、アドバイザモジュール300は、より正確な読取値をもたらすために、自動で周囲圧力の読取値の平均をとる。
【0074】
表示画面308は、フィルタの種類、フィルタの使用時間、圧力差、CO
2濃度、および他のパラメータなどのデータをリアルタイムで表示してもよい。アドバイザモジュール300は、また、このデータを、無線、SMSテキスト、WiFi、汎用パケット無線サービス(GPRS)、または他の適切な通信手段を介してインターネットに報告してもよい。
【0075】
既に説明したように、表示画面308は、タッチスクリーンのようなヒューマンマシンインタフェース(HMI)を任意で含んでもよい。しかし、HMIは必須ではない。
【0076】
既に説明したように、アドバイザモジュール300は、また、アドバイザハウジング301内のプリント回路基板314上に配置される多重センサを有してもよい。マルチガスセンサ323および圧力センサ324に加えて、これらセンサは、高振動環境で圧力の正確な読取値を可能にする一体型の加速度計、および温度・湿度センサを含んでもよい。アドバイザモジュール300は、リアルタイムクロックをさらに含んでもよい。
【0077】
アドバイザモジュール300は、GPRSのような通信手段を用いて、データダウンロードまたはファームウェア更新のために遠隔でアクセスされ、再プログラムされてもよい。アドバイザモジュール300は、たとえば、テキストメッセージを介してセンサの最新情報を受信してもよい。
【0078】
既に説明したように、アドバイザモジュール300は、近くのセンサと自動で同期するように構成されてもよい。所定のアルゴリズムは、可能な限り安全なキャブ環境を生むために、センサから受信したデータの優先順位を決定してもよい。具体的には、アドバイザモジュール300は、センサを使用して、キャブ内のCO
2濃度および他の毒性ガス濃度、呼吸ダスト濃度、外気の取入れ、ならびにキャブの空気漏れを監視してもよい。以下でさらに説明するように、アドバイザモジュール300は、キャブに空気がまったく入らないようにし、キャブを、毒性ガスを含まない清浄空気で充たすように構成されてもよい。
【0079】
空気質監視および制御システムは、アドバイザモジュール300に設けられるものに加えて、1つまたは複数の追加の周囲圧力センサ(「APS」とも呼称される)400をさらに含んでもよい。
図39A〜45は、周囲圧力センサ400の一例示的実施形態を示す。周囲圧力センサ400は、キャブの外部に取り付けられてもよい。周囲圧力センサ400は、周囲圧力に関するデータを提供するために、アドバイザモジュール300とワイヤレスで接続されて通信してもよい。すでに説明したように、アドバイザモジュール300は、より正確な読取値をもたらすために、自動で、個別のセンサからの、複数の周囲圧力の読取値の平均をとってもよい。キャブの外部に周囲圧力センサ400を設けることで、アドバイザモジュール300は、周囲圧力からキャブ内圧を減じて圧力差を判定することができる。次に、アドバイザモジュール300は、表示画面308上に圧力差を表示し得る、および/または圧力差の情報を外部装置、インターネットなどに送信し得る。周囲圧力センサ400を設けることで、アドバイザモジュール300は、RESPA制御モジュール100による周囲圧力の読取値の必要なしに圧力差を判定し得る。換言すると、一実施形態においては、RESPA制御モジュール100を設けることなく、アドバイザモジュール300および周囲圧力センサ400は、共に機能する。
【0080】
図39A〜45にみられるように、周囲圧力センサ400は、APSハウジング401を含む。APSハウジング401は、APSトップ402およびAPSベース403で形成される。APSトップ402およびAPSベース403は、スナップ嵌め構成で組み立てられる。APSトップ402およびAPSベース403は、たとえば、ナイロン材料で形成されてもよい。APSトップ402は、APSベース403の外側フランジ4031内に形成されるベース取付孔405と接合するために、トップ取付孔404を備える外側フランジ4021を有する。トップ取付孔404には、インサート406(たとえば真鍮インサート)が設けられてもよく、インサート406は、APSトップ402およびAPSベース403がトップ取付孔404およびベース取付孔405を貫通するように挿入される留め金具(たとえばねじ)をさらに使用して組み立てられる場合に圧縮リミッタとして機能する。
図40Aに示すように、APSトップ402には、安定性の向上のために、面取りコーナ407および補強リッジ408が設けられる。APSベース403は、外側フランジ4031間に配置される中央部を有し、中央部は、外側フランジ4031からAPSトップ402に向かって入り込むように突出する凹面409である。凹面409は、APSハウジング401内の急速な圧力変化を可能にする。
【0081】
図42〜44にみられるように、周囲圧力センサ400は、プリント回路基板410をさらに含む。プリント回路基板410は、周囲圧力を感知するように構成される圧力センサを含む。プリント回路基板410は、CPUおよびメモリ(たとえばRAM)を備えるマイクロチップをさらに含む。さらに、プリント回路基板410は、Bluetooth性能、WiFi性能(たとえば802.11WiFi)、および無線送信のための無線性能を有してもよい。プリント回路基板410は、高電圧保護回路、電磁干渉(EMI)回路、および内部基板遮蔽部をさらに有してもよい。電力ケーブル411は、電力を供給するためにプリント回路基板410に接続される(たとえば、3.3ボルトの電力供給または5ボルトの電力供給)。
図44および45に示すように、電力ケーブル411は、APSトップ402中に形成される電力ケーブル孔413内に取り付けられるケーブルコネクタ412を介してプリント回路基板410に接続される。電力ケーブル411には、また、電力ケーブル411からのEMI放射を低減させるように構成されるフェライト414が設けられてもよい。
【0082】
図44および46にみられるように、周囲圧力センサ400には、APSガスケット415がさらに設けられる。APSガスケット415は、たとえば、ナイロン製の部材であり、APSハウジング401に挿入される。APSガスケット415は、プリント回路基板410を固定して保持し、プリント回路基板410への振動の伝達を低減させるために設けられる。
図46にみられるように、APSガスケット415は、レッジ(ledge)416、ストラップ417、および切り欠き418を含む。プリント回路基板410は、レッジ416上に設置され、レッジ416およびAPSガスケット415の内壁により硬く保持される。ストラップ417は、プリント回路基板410がレッジ416から外れて上方向に動かないことを保証するために、プリント回路基板410の上方を延びる。電力ケーブル411がプリント回路基板410との接続のためにAPSガスケット415を通過することを可能にするために、切り欠き418が設けられる。
【0083】
プリント回路基板410は、周囲圧力センサ400外部の様々な位置で使用されてもよく、周囲圧力センサ400に関連した使用に限定されることのない汎用通信モジュールとして機能する。換言すると、プリント回路基板410は、周囲圧力センサ400が存在しなくとも、装置とともに使用されてもよい。たとえば、RESPA制御モジュール100が周囲圧力の読取値をアドバイザモジュール300に提供する、既に説明した実施形態では、キャブの外部に別個の周囲圧力センサ400が必要でなくてもよい。その場合、種々の装置とアドバイザモジュール300との間での通信を制御するために、キャブ内で使用される1つまたは複数のプリント回路基板410があってもよい。以下においてそのような実施形態をダストモニタ600に関して説明する。
【0084】
空気質監視および制御システムは、1つまたは複数の気流制御弁500をさらに含んでもよい。たとえば、第1気流制御弁500は、キャブに入る気流を制御してもよく、第2気流制御弁500は、キャブを出る気流を制御し得るため、キャブの圧力開放弁として機能する。
図52は、気流制御弁500の一例示的実施形態を示す。気流制御弁500は、たとえば、ポリ乳酸プラスチックまたは射出成形ポリプロピレンで形成されてもよい。気流制御弁500は、気流制御弁500に設けられるルーバ502の位置を制御するためにサーボモータ501を含んでもよい。ルーバ502は、軸方向の第1および第2孔504を有するバルブハウジング503内に配置される。気流制御弁500は、WiFi対応であってもよく、アドバイザモジュール300によって直接制御されてもよい。具体的には、キャブのすべてのパラメータを監視し、プレクリーナ1および第1気流制御弁500により新鮮な空気の流れを調節するために、固有のアルゴリズムがアドバイザモジュール300によって使用されてもよく、最適な運転者保護を維持するために、第2気流制御弁500によりキャブからの漏れを調節してもよい。たとえば、RESPA制御モジュール100は、出口3を出る気流を測定し、気流の測定をアドバイザモジュール300に報告する。そして、アドバイザモジュール300は、所定の、外気を取入れる気流を維持するために、ルーバ502の位置を調節することによって気流制御弁500を調節する。気流制御弁500は、外気がより多くキャブに入るように、このようにアドバイザモジュール300によって制御され、それによって充分かつ安定したキャブの内圧を生み出し、同時に有毒ガス(たとえばCO
2)濃度を薄める。このようにして、空気質監視および制御システムは、最も安全な空気質および最高のHVAC運転効率を生むために、キャブ圧力、外気の取入れ、ガス(たとえばCO
2)レベル、およびキャブからの漏れを連続的に監視および制御する。
【0085】
各フィルタ7は、特定の気流限度を有する。たとえば、カーボンフィルタは、50cfmの気流限度を有し、一方で、MERV16フィルタは、130cfmの気流限度を有する。RESPA制御モジュール100は、使用される特定のフィルタ7に関連する気流限度を判定するために、フィルタIDリング200を読み込んでもよい。RESPA制御モジュール100は、次に、この情報をアドバイザモジュール300に提供し、この情報に基づいて、アドバイザモジュール300は、第1気流制御弁500を制御することによって気流量を制御するために使用されるアルゴリズム中の変数を調節してもよい。
【0086】
第1変形例の気流制御弁500’を、
図56〜59に示す。第1変形例の気流制御弁500’は、たとえば、ポリ乳酸プラスチックまたは射出成形ポリプロピレンで形成されてもよい。第1変形例の気流制御弁500’は、第1変形例の気流制御弁500’に設けられる弁ディスク502’の位置を制御するためにサーボモータ501’を含んでもよい。弁ディスク502’は、軸方向に第1および第2孔504’を有するバルブハウジング503’内に配置される。弁ディスク502’は、ダボ505’に付着される。ダボ505’は、たとえば、ポリ乳酸プラスチックまたは射出成形ポリプロピレンで形成されてもよい。ダボ505’は、バルブハウジング503’の直径に亘って延在する。ダボ505’の第1端部は、ダボ505’の自由回転を可能にする軸受け506’に接続される。ダボ505’の第2反対端部は、サーボモータ501’がダボ505’を回転させることによって弁ディスク502’の位置を制御し、それによって気流を調節するように、サーボモータ501’に接続される。第1変形例の気流制御弁500’は、WiFi対応であってもよく、上記の気流制御弁500に類似の方法でアドバイザモジュール300によって直接制御されてもよい。
【0087】
第2変形例の気流制御弁500”を
図60〜62に示す。第2変形例の気流制御弁500”は、たとえば、ポリ乳酸プラスチックまたは射出成形ポリプロピレンで形成されてもよい。第2変形例の気流制御弁500”は、第2変形例の気流制御弁500”に設けられる2つの弁翼502”の位置を制御するために、サーボモータ501”を含んでもよい。弁翼502”は、第1および第2の弁開口部504”を有するバルブハウジング503”内に配置される。弁翼502”はそれぞれ、ダボ505”のそれぞれに付着される。ダボ505”は、たとえば、ポリ乳酸プラスチックまたは射出成形ポリプロピレンで形成されてもよい。ダボ505”は、弁開口部504”の幅に亘って延在する。各ダボ505”の第1端部は、ダボ505”の自由回転を可能にする軸受け506”に接続される。各ダボ505”の第2反対端部は、サーボモータ501”がダボ505”のそれぞれを回転させることによって弁翼502”の位置を制御し、それによって気流を調節するように、サーボモータ501”に接続されるギヤ組立体507”によりサーボモータ501”に接続される。第2変形例の気流制御弁500”は、WiFi対応であってもよく、上記の気流制御弁500に類似の方法でアドバイザモジュール300によって直接制御されてもよい。
【0088】
空気質監視および制御システムは、
図54にみられるように、ダストモニタ600をさらに含んでもよい。ダストモニタ600は、ダストモニタ600およびプリント回路基板410の両方を収納するハウジング(図示されず)内部で、(以下で説明する)混合プレナム22内に設置されてもよい。ハウジングは、ダストモニタ600からのセンサ読み取りを向上させるために、APSガスケット415に類似の振動低減ガスケットに取り付けられてもよい。ダストモニタ600は、プリント回路基板410に接続される。具体的には、
図54に示すように、ダストモニタ600は、プリント回路基板410上に形成される出口4101に接続するプラグ601を有する。プリント回路基板410は、汎用通信モジュールとして機能し、ダストモニタ600とアドバイザモジュール300との間の通信を制御する。結果として、ダストモニタからのダスト濃度読取値は、プリント回路基板410によりアドバイザモジュール300に送信される。さらに、プリント回路基板410は、電力ケーブル411によってプリント回路基板410に供給される電力でダストモニタ600を電力供給する。
【0089】
ダストモニタ600は、プリント回路基板410によりリアルタイムの重量分析ダスト測定をアドバイザモジュール300に与えるように、ダストを監視する。従来技術の、現在のダストモニタは、運転室中に永久的に設置されるように設計されていないが、代わりに、電界の誤用および微粒子の過負荷に左右されて、注意深く定期的な較正を必要とするラボ形式の器具である。そのような、現在のダストモニタは、短期間のうちに高ダスト濃度に曝されると動作しなくなる傾向がある。本明細書において開示するダストモニタ600は、上記問題を克服している。特に、ダストモニタ600は、
図55に示すようなHVACシステムの配管内において、混合プレナム22内に取り付けられるように構成される。この取付位置により、キャブの運転手の頭部領域における空気質の監視が可能になる。取付位置は、また、ダスト読取値の正確さ、およびダストモニタ600の寿命を保証する。
図55にみられるように、キャブは、キャブの運転手が着座する内部環境30を有する。取り入れ空気は、プレクリーナ1からHVACシステムの混合プレナム22へと送られ、次にエバポレータコア27を通過し、次にファン23を通過して、キャブ内部環境30内に入る。そして空気は、運転手の周りを流動し、通気口24を通って再度混合プレナム22内へと流れる循環空気26となる。混合プレナムはキャブ内で最も清潔な場所であるため、ダストモニタ600は、有利には混合プレナム22内に取り付けられる。さらに、取付位置は、清浄フィルタもしくは再循環フィルタ、および/または取入れ空気システムのどのような裂け目も、ダスト読取値の上昇によりダストモニタ600によって即座に特定され、それによってリアルタイムデータおよびシステム劣化の通知が提供されることを保証する。ダストモニタ600は、通信を介してRESPA制御モジュール100およびアドバイザモジュール300と統合されてもよく、それによって、同じ小型、プロアクティブ、統合キャブ空気質システム内にロバストかつ適時の重量計測的なダストの監視を提供する。
【0090】
アドバイザモジュール300は、通知の送信(たとえば、テキストメッセージまたはEメールによる)、アドバイザモジュール300上での聴覚、視覚、触覚的警報の起動、キャブ上部の警報灯および/または聴覚的警報信号の起動のうちの1つまたは複数の通知手段により、適切な関係者にキャブ内の警報条件に関して通知するように構成されてもよい。他の通知手段も考えられる。これらの通知は、実行されてもよい。既に説明した、キャブ内の空気の監視および制御と同時にアドバイザモジュール300によって実行されてもよい。
【0091】
アドバイザモジュール300は、センサからデータを受信し、センサからのデータに基づいてキャブ内の空気環境を自動的に制御することによって、キャブ内の安全かつ安定した圧力およびCO
2レベルを自動的かつ自律的に維持してもよい。
【0092】
従来の空気プレクリーナハウジングは、下流に伝わる熱を吸収する。本明細書で開示する実施形態は、プレクリーナハウジングの壁から出てくる温められた空気を、フィルタキャップ上の(1つまたは複数の)排出ポート5を通ってプレクリーナハウジング11から出るように移動させるために、プレクリーナハウジング11内の竜巻状の旋回気流を利用することによって熱の伝達を低減させることができる。この固有の特徴は、2つの重要な機能、微粒子を環境に戻すように排出する気流から微粒子を取り除くこと、および、同時に、プレクリーナハウジング11から熱を除去することを実行する。最終的に、エンジン内に入る空気が周囲空気の温度によりさらに近いという結果になる。
【0093】
アドバイザモジュール300は、また、重要な試験および検証機能を提供する。アドバイザモジュール300は、システムを通過する気流、フィルタへの負荷およびフィルタの寿命、フィルタ7の自浄特性、システムを通過するガスの種類および量、周囲空気とシステム出口空気との温度差、プレクリーナ1内のモータの性能を含む様々なパラメータの連続的で、リアルタイムの、使用中の試験を行い得る。アドバイザモジュール300は、キャブ内の空気質および空気質に影響を与える装置に関連する他のパラメータをさらに試験し得る。
【0094】
(5)監視および制御プロセスの説明
空気質監視および制御システムが確立される開始時において、フィルタIDリング200は、エアフィルタに付着(たとえば接着)され、エアフィルタが、フィルタIDリング200が空気プレクリーナ1の2つの静翼13の間に予め取り付けられるRESPA制御モジュール100に隣り合うようにプレクリーナハウジング内に設置されてもよい。そして、 RESPA制御モジュール100およびフィルタIDリング200は、既に説明したようにRCMアンテナ基板118を使用して自動的に互いと同期する。RESPA制御モジュール100は、また、アドバイザモジュール300と自動的に同期する。
【0095】
フィルタIDリング200と自動的に同期する際に、RESPA制御モジュール100は、フィルタIDリング200に予め記録された情報を読み込み、この情報をアドバイザモジュール300へと中継してもよい。上で説明したように、この情報はエアフィルタ7の使用量を含んでもよく、この情報に基づいて、RESPA制御モジュール100および/またはアドバイザモジュール300が、エアフィルタ7の寿命の有効期限を判定するための時計をセットしてもよい。フィルタIDリング200の検出が無い場合、システムは、警報および/または運転停止を出力し得る。
【0096】
活動中のキャブ内での運転の際は、アドバイザモジュール300は、アドバイザモジュール300がシステムの各種センサから自動的に受信し、自動的に分析するデータを使用して、加圧およびガス濃度を含む、キャブ内の環境に関連するすべてのパラメータを連続的に監視してもよい。
【0097】
アドバイザモジュール300は、次に、キャブ環境を制御するために自動で行動する。たとえば、アドバイザモジュール300が、キャブ内における特定のガス(たとえばCO
2)の加圧状態または濃度が最適でないと判定する場合、アドバイザモジュール300は、キャブから空気を放出するように気流制御弁500を制御してもよい。アドバイザモジュール300は、また、空気プレクリーナ1のブラシレスファンモータ28の速度を変更するように、RESPA制御モジュール100に命令を発行する。このようにして、アドバイザモジュール300は、キャブの運転手のための最適かつ安全な環境を提供するために、キャブ環境を絶えず監視および調節するように構成される。
【0098】
一方で、アドバイザモジュール300が、キャブの外部の大気が危険あるいは問題であると判定する場合、アドバイザモジュール300は、外部空気がキャブに入ることを防止するために、(RESPA制御モジュール100としての)気流制御弁500および空気プレクリーナ1を制御してもよい。
【0099】
アドバイザモジュール300は、また、有害ガス濃度、フィルタの寿命の期限切れ、および運転手、キャブのオーナーおよび/または管理者に提供されるべき他の通知を示す様々な形態の(聴覚的、視覚的、触覚的)警報を発する。
【0100】
(6)利点となる効果
既に説明した例示的な実施形態による空気質監視および制御システムは、限定されないが、以下のものを含む多数の利点をもたらす。
【0101】
RESPA制御モジュール100、フィルタIDリング200、アドバイザモジュール300、およびシステムの他のセンサの間における通信に基づいて、システムは、キャブ環境の連続的なリアルタイムの監視を提供する。結果として、システムは、運転手の健康および安全、ならびに周囲環境の衛生を向上させる。
【0102】
空気質監視および制御システムは、各種センサからのデータを分析し、システムの装置を自動的に調節して必要に応じてキャブ環境を修正することによって、キャブ内の所望の環境を連続的かつ自動的に維持する。結果として、運転手または他の関係者が、能動的に環境を監視および調節する必要がない。
【0103】
アドバイザモジュール300は、関わり合いのあるすべての関係者にキャブ環境の状態が通知されてもよいように、連続的なデータ出力、ならびに運転手および/または外部管理者への通知を提供する。したがって、情報の流れはより迅速かつシームレスであり、運転者または管理者がキャブ環境の状態を検査し、判定を試みる必要がない。
【0104】
RESPA制御モジュール100および他のセンサと相互作用することで、アドバイザモジュール300は、所望のキャブ環境が達成され維持されることを保証するために、気流、空気質、空気温度、フィルタ7上の圧力低下、空気プレクリーナ1内外の温度差、フィルタの寿命、および他のパラメータを制御することが可能である。エンジン取入れシステムのアドバイザモジュール300による制御は、また、エンジン性能および燃費経済性の向上をもたらす。
【0105】
必要であれば、アドバイザモジュール300は、空気プレクリーナ1の気流制御弁500およびファンモータ28を制御して内部キャブ環境を密封および浄化し、キャブ内の圧力を安定させ、適切なガス濃度を維持し、それによって運転手の健康および安全を保証する。
【0106】
RESPA制御モジュール100は、空気プレクリーナ1内の3つの別個の気流の圧力および他のパラメータを連続的に測定し、報告する。これらの異なる測定に基づいて、アドバイザモジュール300は、キャブ環境をより良く検出および制御することが可能である。
【0107】
RESPA制御モジュール100およびアドバイザモジュール300の両方のセンサに設けられる一体型の加速度計により、RESPA制御モジュール100およびアドバイザモジュール300が高振動環境において正確に機能することを可能にするアルゴリズムの適用が可能となる。したがって、高振動環境による測定およびセンサデータの劣化が抑止される。
【0108】
センサからの読取値に基づいて、モータ制御モジュール40は、圧力を増加させるため、またはフィルタ7上の圧力低下を克服するために、ファンモータ28をオフにする、またはファンモータ28の速度を調節する。したがって、アドバイザモジュール300同様、RESPA制御モジュール100は、不利な環境条件に自動的に反応し、キャブを望ましい環境に戻す手順を踏む。
【0109】
プログラムされた運転パラメータが妨害される場合、RESPA制御モジュール100が警報メッセージをアドバイザモジュール300に送信させてもよい、またはアドバイザモジュール300が警報を出力すると決定してもよい。そのようにして、運転手および関わり合いのある他の関係者は、キャブ環境に関連する問題および危険を自動的に通知され得る。これらの通知は、キャブ内の空気の監視および制御と同時に、アドバイザモジュール300により実行される。
【0110】
RESPA制御モジュール100は、プレクリーナハウジング11内で電界を放射するようにRCMアンテナ基板118を制御する。この電界は、フィルタIDリング200に電力を供給し、RESPA制御モジュール100とフィルタIDリング200との間の二方向通信チャネルを生み出し、RESPA制御モジュール100とフィルタIDリング200との間の連続的な通信を可能にする。したがって、フィルタIDリング200には追加の電源が必要なく、RESPA制御モジュール100とフィルタIDリング200との間に追加の通信手段が必要ない。
【0111】
現在、放射状のフィルタ構成により、フィルタが、0〜360°の任意の向きでプレクリーナハウジング内に設置されることが可能である。しかし、現在のRFID技術では、タグリーダが、フィルタのRFIDタグの近位に設置される必要があり、さらに、RFIDタグが電力を受ける必要がある。これは、フィルタがプレクリーナハウジング内で、ある特定の向きで設置された場合、タグリーダがRFIDタグを読み取ることができない可能性があり、さらに、RFIDタグを電源に差し込むことができないという問題をもたらす。本明細書で開示するRESPA制御モジュール100およびフィルタIDリング200は、プレクリーナハウジング11内におけるフィルタの向きに関わらずRESPA制御モジュール100とフィルタIDリング200との間の通信を保証することで、これらの問題を克服する。さらに、RESPA制御モジュール100のRCMアンテナ基板118により放射される電界が、フィルタIDリング200のマイクロチップに通電することによって、フィルタIDリング200を電源に差し込む必要がなくなる。
【0112】
現在のフィルタ技術によりもたらされるさらなる問題は、フィルタが、典型的に、金属保護スクリーンおよび/またはファラデーケージとして効果的に機能する他の金属含有物を有し、低出力のRFID信号が妨害され、RFIDタグがタグリーダにアクセス不可能になることである。本明細書で開示するRESPA制御モジュール100およびフィルタIDリング200は、プレクリーナハウジング11内で互いに対して特定の方向および位置を有し、RCMアンテナ基板118により放射される電界を使用してアンテナ線124およびアンテナ線201を介する安定的かつ能率的な通信を保証することで、この問題を克服する。したがって、この通信は、ファラデーケージとして機能するどのような要素によっても妨害されない。
【0113】
RESPA制御モジュール100は、データのログをフィルタIDリング200に連続的にとり、フィルタ使用量の履歴を絶えず更新し続ける。このようにRESPA制御モジュール100がフィルタIDリング200にリアルタイムで絶えずデータのログをとることで、製造場所にてフィルタIDリング200に予め記憶されたデータと組み合わされて、フィルタ7が所定の寿命を超えて使用されないように保証される。たとえ1つの車両から別の車両へ移動させても、改竄された、または使用済みのフィルタを識別することが可能であり、その使用が制限または防止され得る。
【0114】
アドバイザモジュール300およびRESPA制御モジュール100の両方は、255個のセンサとまで同時に通信可能である。結果として、アドバイザモジュール300は、キャブ内外の各種パラメータを示す様々なセンサデータを受信し自動的に分析することが可能であり、それによってアドバイザモジュール300およびアドバイザモジュール300による行動によってなされる判定が向上し、最適なキャブ環境を保証する。
【0115】
アドバイザモジュール300は、近くのセンサと自動的に同期し、それらのデータを使用して運転手環境に対する変更を自動的に実施するように構成される。したがって、開示するシステムは、キャブ環境内の潜在的脅威に対する即座の反応を提供する。
【0116】
アドバイザモジュール300は、フィルタの種類、フィルタの使用時間、圧力差、CO
2濃度、および他のパラメータなどのデータがリアルタイムで表示される表示画面308を提供してもよい。結果として、運転手は、キャブ環境をより良く理解および分析することが可能である。
【0117】
アドバイザモジュール300は、センサを使用して、キャブ内のCO
2濃度、呼吸ダスト濃度、外気の取入れ、キャブの空気漏れ、および毒性ガス濃度を監視してもよい。そしてそれに応じて、アドバイザモジュール300は、キャブに空気がまったく入らないようにし、キャブを、毒性ガスを含まない清浄空気で充たし得る。アドバイザモジュール300は、センサからデータを受信し、センサからのデータに基づいてキャブ内の空気環境を自動的に制御することによって、キャブ内の安全かつ安定した圧力およびCO
2レベルを自動的かつ自律的に維持する。
【0118】
また、アドバイザモジュール300により重要な試験および検証機能が実行される。システムを通過する気流、フィルタへの負荷およびフィルタの寿命、フィルタ7の自浄特性、システムを通過するガスの種類および量、周囲空気とシステム出口空気との温度差、プレクリーナ1内のモータ28の性能を含む様々なパラメータの連続的で、リアルタイムの、使用中の試験は、キャブ環境の監視、および運転手などが環境またはキャブ自体に対し改善および修正を行う能力を向上させる。
【0119】
開示する空気質監視および制御システムは、キャブ内の空気質に対する潜在的脅威から運転手を包括的に保護する。
【0120】
以上、本発明の例示的な実施形態を説明した。上記の例示的な実施形態は単に例示であり、本発明は記述された実施形態に限定されないことを留意すべきである。本明細書で説明した実施形態に対する種々の変更および修正は、当業者には明白であることが理解される。そのような変更および修正は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、およびその意図される利点を減ずることなく行われ得る。したがって、そのような変更および修正は、本開示に包含されることが意図される。