(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の本実施形態について詳しく説明するが、その1つまたは複数の例が、添付の図面に示されている。詳細な説明では、図面中の特徴を参照するために数値および文字による符号が使用されている。図面および説明の中で同じまたは類似の符号は、本発明の同じまたは類似の部分を参照するために使用されている。本明細書で使用する場合、「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の位置または重要性を示すことを意図するものではない。「前方」および「後方」という用語は、ガスタービンエンジン内の相対的な位置を指し、前方はエンジンの前縁部分を指し、後方はエンジンの後縁部分を指す。「上流」および「下流」という用語は、流体経路における流体の流れに対する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は流体が流れてくる方向を指し、「下流」は流体が流れていく方向を指す。さらに、本明細書で使用する場合、「約」、「実質的に」、または「およそ」などの近似の用語は、誤差の10%の範囲内にあることを指す。
【0014】
本開示は、一般に、改善された空気送達システムを有するガスタービンエンジンに関し、エンジンのサイクル効率への影響を最小限に抑えながら、エンジンの様々な構成要素を加圧および冷却するための特徴を含み、エンジンの重量を低減し、エンジンの特定の燃料消費量を減少させる。1つの例示的な態様では、ガスタービンエンジンは、空気送達システムを含む。空気送達システムは、圧縮機吐出空気、またはP3空気を冷却する熱交換器を含む。得られた冷却されたP3空気、またはP3X空気は、そのシール要素を加圧するためにガスタービンエンジンの1つまたは複数のサンプアセンブリに送達される。特に、P3X空気は、サンプアセンブリを囲むサンププレナムに送達される。P3X空気は、ガスタービンエンジンの2つ以上のサンプアセンブリに送達することができる。P3X空気は、P3X空気がサンプアセンブリ内またはその周囲にオイル火災を引き起こさないように、十分に熱交換器によって冷却される。さらに、P3X空気は、サンプアセンブリのシール要素にわたる圧力差を適切に設定することができるように、十分に加圧される。その結果、シール要素にわたる漏れがより少なくなり得る。さらに、そのような従来のサンプアセンブリを囲む従来のバッファキャビティは、そのような従来のバッファキャビティに典型的には付随する構造および複雑なシール要素(例えば、圧縮機吐出シール)と共に、排除することができる。したがって、結果として、よりシンプルなシール構成を利用することができ、エンジンの重量を低減することができる。
【0015】
追加の例示的な態様では、P3X空気は、圧縮機の後段(例えば、インペラ)を冷却するために使用することができる。このようにして、軽量の材料をこのような圧縮機構成要素に使用することができ、最終的にエンジンの重量を低減することができる。さらに、いくつかの例示的な態様では、P3X空気は、タービンロータ、ステータベーン、および/またはタービンブレードの1つまたは複数の段を冷却するために使用することができる。さらに、いくつかの例示的な態様では、P3X空気は、ガスタービンエンジンの1つまたは複数の他のサンプアセンブリを冷却および加圧するために使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ガスタービンエンジンは、第1の軸受アセンブリを収容するためにガスタービンエンジンの入口に近接して配置されたAサンプアセンブリを含むことができ、ガスタービンエンジンは、第2の軸受アセンブリを収容するためにガスタービンエンジンのタービンの圧縮機の間に配置されたBサンプアセンブリを含むことができる。そのような実施形態では、まずP3X空気をBサンプアセンブリを加圧するために送達することができ、次いでAサンプアセンブリを加圧および/または冷却するように送ることができる。代替の実施形態では、P3X空気は、Aサンプアセンブリに直接送達することができる。
【0016】
さらに他の追加の例示的な態様では、熱交換器は、空気−空気熱交換器であってもよい。熱交換器の冷却流は、中間圧縮機空気、またはP25空気とベイ空気との組合せであり得る。ガスタービンエンジンのサンプアセンブリの1つまたは複数の必要な加圧および/またはガスタービンエンジンの1つまたは複数の構成要素の冷却の必要性に応じて、異なる量のP25空気を圧縮機から抽気して、熱交換器に送達される冷却空気混合物とP3空気との間の熱交換を増加させることができる。さらに、冷却混合物がP3空気を冷却するために使用された後、冷却空気混合物は、ガスタービンエンジンのタービンの1つまたは複数のタービンケーシングまたはカウリングに送達され得る。このようにして、タービンブレード先端とその対応するシュラウドとの間のより良好な能動的なクリアランス制御を達成することができる。
【0017】
さらに、本開示の例示的な態様によれば、冷却された高圧P3X空気および他の流れの再使用により、全体的な冷却流要求が低減される。結果として、ガスタービンエンジンのコア空気流路から抽気される必要のある空気の量が少なくて済むので、より多くの作動流体が有用な仕事のために利用可能となる。このようにして、エンジン性能が改善される。
【0018】
ここで図面を参照すると、
図1は、本開示の例示的な実施形態によるガスタービンエンジン100の概略断面図を示す。より具体的には、
図1の実施形態では、ガスタービンエンジン100は、ターボプロップとして構成された逆流エンジンである。
図1に示すように、ガスタービンエンジン100は、軸方向A(基準となる中心軸または長手方向中心線102に平行に延びる)、半径方向R、および軸方向Aの周りに配置された円周方向C(図示せず)を画定する。ガスタービンエンジン100は、一般に、ファンセクション104と、ファンセクション104の下流に配置されたコアタービンエンジン106とを含み、ファンセクション104は、コアタービンエンジン106と共に動作可能であり、コアタービンエンジン106によって駆動される。
【0019】
図示の例示的なコアタービンエンジン106は、概して軸方向Aに沿って延びる実質的に管状の外側ケーシング108を含む。外側ケーシング108は、一般に、コアタービンエンジン106を包囲し、単一のケーシングまたは複数のケーシングから形成することができる。コアタービンエンジン106は、直列流れ関係で、圧縮機セクション120と、燃焼セクション150と、タービンセクション170と、排気セクション200とを含む。圧縮機セクション120は、圧縮機122と、圧縮機122の下流に配置された遠心インペラ130とを含む。燃焼セクション150は、長手方向中心線102の周りに配置され、円周方向Cに沿って離間した複数の燃料ノズル156を含む。燃焼セクション150はまた、燃料ノズル156の下流に配置された燃焼器152を含む。燃焼器152は、燃焼チャンバ154を画定する。タービンセクション170は、HPタービン172と、LPタービン174とを含む。この実施形態では、HPタービン172は、圧縮機セクション120に動力を供給するためのガス生成タービンである。LPタービン174は、ガス生成タービン、またはこの実施形態ではHPタービン172とは独立して長手方向中心線102の周りで回転する自由または動力タービンである。圧縮機セクション120、燃焼セクション150、タービンセクション170、および排気セクション200は、互いに流体連通し、コア空気流路110を画定する。
【0020】
高圧(HP)シャフトもしくはスプール210、またはこの実施形態ではガス生成シャフトは、圧縮機122にHPタービン172を駆動可能に接続する。低圧(LP)シャフトもしくはスプール212、またはこの実施形態では動力タービンシャフトは、ガスタービンエンジン100のファンセクション104にLPタービン174を駆動可能に接続する。図示の実施形態では、ファンセクション104は、円周方向Cに沿って離間してディスク224に結合された複数のファンブレード222を有する可変ピッチファン220を含む。図示のように、ファンブレード222は、概して半径方向Rに沿ってディスク224から外向きに延びる。各ファンブレード222は、ファンブレード222のピッチを同時に集合的に変化させるように構成された適切な作動部材226に動作可能に結合されたファンブレード222により、ピッチ軸Pの周りでディスク224に対して回転可能である。ファンブレード222、ディスク224、および作動部材226は共に、動力ギアボックス228を横切るLPシャフト212によって長手方向軸102の周りで回転可能である。動力ギアボックス228は、LPシャフト212の回転速度をより効率的な回転速度へと減速するための複数のギアを含み、1つまたは複数の結合システムを介してコアフレームまたはファンフレームの一方または両方に取り付けられる。特に、LPシャフト212は、動力ギアボックス228内に収容されたギアトレインを駆動し、これは、低RPMで出力シャフト214を介してファンセクション104に動力を動作可能に供給する。ディスク224は、複数のファンブレード222を通る空気流を促進するために空気力学的に輪郭付けられた回転可能なスピナまたはフロントハブ230によって覆われる。
【0021】
ガスタービンエンジン100の動作中、大量の空気232がファン220のブレード222を通過し、コアタービンエンジン106の環状入口234に向かって付勢される。より具体的には、ガスタービンエンジン100は、空気流232の入口部分を入口234から下流に向かって圧縮機セクション120に送る環状入口234を画定する入口本体236を含む。圧縮機セクション120は、圧縮機ステータベーン124の1つまたは複数の連続段と、圧縮機ロータブレード126の1つまたは複数の連続段と、インペラ130とを含む圧縮機122を含む。圧縮機ステータベーン124の1つまたは複数の連続段は、外側ケーシング108に結合され、圧縮機ロータブレード126は、HPシャフト210に結合され、空気流232を徐々に圧縮する。インペラ130は、空気232をさらに圧縮し、燃焼セクション150に圧縮空気232を導き、そこで空気232が燃料と混合する。燃焼器152は、空気/燃料混合物を燃焼させ、燃焼ガス238を供給する。
【0022】
燃焼ガス238は、タービンステータベーン182の1つまたは複数の連続階と、タービンブレード184の1つまたは複数の連続段とを含むHPタービン172を通って流れる。タービンステータベーン182の1つまたは複数の連続段は、外側ケーシング108に結合され、タービンブレード184は、HPシャフト210に結合され、燃焼ガス238から熱および/または運動エネルギーを抽出する。次いで、燃焼ガス238がLPタービン174を通って流れ、LPシャフト212に結合されたタービンステータベーン182およびタービンブレード184の追加の段を介して追加の量のエネルギーが抽出される。HPタービン172からのエネルギー抽出は、HPシャフト210を通って圧縮機122およびインペラ130の動作を支持し、LPタービン174からのエネルギー抽出は、LPシャフト212を通ってファンセクション104の動作を支持する。燃焼ガス238は、排気セクション200を通ってガスタービンエンジン100を出る。
【0023】
図1に示す例示的なガスタービンエンジン100は単なる例示であり、他の例示的な実施形態では、ガスタービンエンジン100は、任意の他の適切な構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、他の例示的な実施形態では、代わりに、ガスタービンエンジン100は、ターボファンエンジン、ターボジェットエンジン、内燃機関などのような任意の他の適切なタービンエンジンとして構成することができることを理解されたい。さらに、上述したガスタービンエンジン100は、固定翼またはロータ航空機における使用のための航空ガスタービンエンジンであるが、他の例示的な実施形態では、ガスタービンエンジン100は、陸上の産業用ガスタービンエンジン、または航空転用ガスタービンエンジンなどの任意のいくつかの用途に使用される任意の適切なタイプのガスタービンエンジンとして構成することができる。
【0024】
加えて、他の例示的な実施形態では、タービンエンジンは、任意の適切な数の圧縮機、タービン、シャフトなどを含むことができる。例えば、理解されるように、HPシャフト210およびLPシャフト212は、任意の適切な目的のために任意の適切なデバイスにさらに結合されてもよい。例えば、ある特定の例示的な実施形態では、
図1のガスタービンエンジン100は、ヘリコプタの主ロータを駆動するために利用されてもよく、航空転用用途などにおいて利用されてもよい。さらに、他の例示的な実施形態では、ガスタービンエンジン100は、任意の他の適切なタイプの燃焼器を含むことができ、図示の例示的な逆流燃焼器を含まなくてもよい。
【0025】
図1にさらに示すように、ガスタービンエンジン100は、Aサンプアセンブリ280と、Bサンプアセンブリ250と、Cサンプアセンブリ310とを含む。Aサンプアセンブリ280は、第1の軸受アセンブリ300(一般に軸受1と呼ばれる)を収容するように構成される。Bサンプアセンブリ250は、第2の軸受アセンブリ270(一般に軸受2と呼ばれる)を収容するように構成される。Cサンプアセンブリ310は、第3の軸受アセンブリ320(一般に軸受3と呼ばれる)、および第4の軸受アセンブリ330(一般に軸受4と呼ばれる)を収容するように構成される。この実施形態の場合、Aサンプアセンブリ280および第1の軸受アセンブリ300は、入口234に近接して配置され、コア空気流路110と長手方向中心線102との間に配置される。Bサンプアセンブリ250および第2の軸受アセンブリ270は、HPタービン172に近接して配置され、コア空気流路110と長手方向中心線102との間に同様に配置される。Cサンプアセンブリ310ならびに第3および第4の軸受アセンブリ320、330は、LPタービン174に近接して配置され、コア空気流路110と長手方向中心線102との間に同様に配置される。
【0026】
図2は、本主題の様々な実施形態による
図1の例示的なガスタービンエンジン100の圧縮機セクション120の一部、燃焼セクション150、およびタービンセクション170の一部の概略図を示す。さらに、
図2は、本主題の様々な実施形態によるガスタービンエンジン100の例示的な空気送達システム400を示す。図示の実施形態に示すように、圧縮機セクション120の圧縮機122は、空気流232が圧縮機ステータベーン124および圧縮機ロータブレード126の連続段を通過する際に、空気流232を徐々に圧縮する。圧縮機122を出た後、大部分の空気流232は、インペラ130の下流に続き、そこで空気流232が半径方向Rに沿ってさらに圧縮されて半径方向外側に導かれ、それにより空気流232を燃焼セクション150に導くことができる。より具体的には、空気流232は、ディフューザ160を通って圧縮機セクション120を出る。ディフューザ160は、ディフューザキャビティ162を画定し、そこを通って空気流232がディフューザ160を出る。ディフューザ160を通って出る空気流232は、一般に圧縮機吐出空気と呼ばれ、P3空気またはP3空気流として本明細書で示される。ディフューザ160を通って出た後、
図2に示すように、P3空気の一部が燃焼器152に流れ、P3空気の一部が燃焼器152の周りを流れる。
【0027】
さらに
図2を参照すると、燃料は、燃焼器152に流れるP3空気の部分に燃料ノズル156によって導入される。点火器158は、空気/燃料混合物を点火して燃焼ガス238を供給する。次いで、燃焼ガス238は、HPタービン172に送られる。この実施形態では、HPタービン172は、タービンステータベーンおよびロータブレード182、184の第1段178と、タービンステータベーンおよびロータブレード182、184の第2段180とを含む。第1および第2段178、180は、燃焼ガス238から熱および/または運動エネルギーを抽出する。特に、HPタービン172は、HPシャフト210(またはガス生成シャフト)を駆動するための有用な仕事を発生するためのエネルギーを抽出し、これは、圧縮機セクション120を駆動する。HPタービン172を出た後、燃焼ガス238は、LPタービン174(または動力タービン)へとコア空気流路110に沿って下流に流れ、そこでタービンステータベーン182およびタービンロータブレード184の連続段が燃焼ガス238からエネルギーをさらに抽出する。このようにして、LPタービン174は、ファンセクション104(
図1)を駆動する。
【0028】
LPタービン174は、ステータベーン182およびタービンブレード184を冷却するためのタービン冷却ケース188を含む。この実施形態では、タービン冷却ケース188は、LPタービン174のステータベーンおよびタービンブレード182、184の半径方向外側に配置される。特に、この実施形態では、タービン冷却ケース188は、熱交換器402と空気流連通するが、これについては後に詳述する。いくつかの実施形態では、タービン冷却ダクト426は、熱交換器402からタービン冷却ケース188に延び、このような空気流連通を提供する。いくつかの実施形態では、熱交換器402は、LPタービン174のカウリング176(
図5)の半径方向外側に直接配置され、タービン冷却ケース188と直接空気流連通する。本明細書でより詳細に説明するように、冷却空気流がP3空気流と熱交換した後、冷却空気流は、タービン冷却ダクト426を介してタービン冷却ケース188の下流に、または上述のようにタービン冷却ケース188に直接続くことができる。
【0029】
図2にさらに示すように、圧縮機122を出た後、空気流232の一部は、インペラ130に達する前に抽気することができる。特に、一定量の空気流232は、圧縮機抽気バルブ128を通ってコア空気流路110から抽気することができる。圧縮機抽気バルブ128を通って抽気される空気は、一般にP25空気またはP25空気流と呼ばれる。圧縮機抽気バルブ128は、ガスタービンエンジン100の様々な構成要素の加圧および冷却の必要性に応じて、圧縮機セクション120からP25空気流を選択的に出すことを可能にする。さらに、代替の例示的な実施形態では、前述のように、1つまたは複数の固定オリフィスが、コア空気流路110と冷却ダクト410との間の流体連通を提供することができる。1つまたは複数のオリフィスは、一定量のP25が冷却ダクト410に抽気されることを可能にするように動作可能に構成することができる。例えば、オリフィスの幾何学的形状は、冷却ダクト410への所定の量のP25空気流を選択的に可能にすることができる。さらに他の例示的な実施形態では、1つまたは複数のオリフィスは、可変の幾何学的形状を含むことができ、それにより冷却ダクト410に抽気されるP25空気流の量は、ガスタービンエンジン100の1つまたは複数の構成要素の冷却および/または加圧の必要性に応じて制御することができる。
【0030】
加えて、
図2にさらに示すように、一定量の空気流232は、インペラ130の先端でコア空気流路110から漏れ、インペラ130の後壁132に沿って長手方向中心線102に向かって概して半径方向内向きに流れる。インペラフレーム134は、その後壁132に沿ってインペラ130に近接して配置される。インペラフレーム134およびインペラ130の後壁132は、インペラキャビティ138を画定する。このようにして、インペラフレーム134は、インペラキャビティ138を部分的に画定し、インペラ130の後壁132は、インペラキャビティ138を部分的に画定する。空気は、インペラ130の先端140でコア空気流路110から漏れ、インペラキャビティ138に流れる。インペラキャビティ138に漏れる空気は、P3空気である。
【0031】
図3は、本主題の様々な実施形態による
図1のガスタービンエンジンの例示的なBサンプアセンブリ250の断面図を示す。図示のように、Bサンプアセンブリ250は、サンプフレーム252を含み、第2の軸受アセンブリ270を収容する。第2の軸受アセンブリ270は、サンプフレーム252とシャフト、またはこの実施形態ではHPシャフト210との間に配置される。サンプフレーム252は、サンプキャビティ254を少なくとも部分的に画定する。サンププレナム256は、サンプキャビティ254に対向するサンプフレーム252によって少なくとも部分的に画定される。代替的に言えば、サンププレナム256は、この実施形態ではBサンプアセンブリ250である、サンプアセンブリを囲む領域または面積である。
【0032】
サンプフレーム252は、Bサンプアセンブリ250の後方または後部部分で第1のシール要素258に接続し、Bサンプアセンブリ250の前方部分で第2のシール要素260に接続するように示されている。この実施形態では、第1および第2のシール要素258、260は、カーボンシールである。第1および第2のシール要素258、260にわたるオイルミストおよび流体漏れを防止するために、適切な圧力差が、サンプキャビティ254とサンププレナム256との間に設定されなければならない。
【0033】
図4は、本主題の様々な実施形態による
図1のガスタービンエンジン100の例示的なAサンプアセンブリ280の断面図を示す。図示のように、Aサンプアセンブリ280は、ガスタービンエンジン100の入口本体236によって画定された入口234に近接して配置される。Aサンプアセンブリ280は、第1の軸受アセンブリ300を収容するAサンプフレーム282を含む。第1の軸受アセンブリ300は、Aサンプフレーム282とシャフト、またはこの実施形態ではHPシャフト210との間に配置される。Aサンプフレーム282は、Aサンプキャビティ284を少なくとも部分的に画定する。Aサンププレナム286は、Aサンプキャビティ284に対向するAサンプフレーム282によって少なくとも部分的に画定される。言い換えると、Aサンププレナム286は、Aサンプアセンブリ280を囲む領域または面積である。
【0034】
Aサンプフレーム282は、Aサンプアセンブリ280の前方部分で第1のシール要素290に接続するように示されている。この実施形態では、第1のシール要素290は、カーボンシールである。第1のシール要素290にわたるオイルミストおよび流体漏れを防止するために、適切な圧力差が、Aサンプキャビティ284とAサンププレナム286との間に設定されなければならない。
【0035】
ここで
図2および
図5を参照して、空気送達システム400について説明する。
図5は、本主題の様々な実施形態による空気送達システム400の様々な構成要素を示す、
図1の例示的なガスタービンエンジン100の側面図を示す。この実施形態では、空気送達システム400は、熱交換器402と、エジェクタ404と、ガスタービンエンジン100の1つまたは複数の構成要素に空気を送るための様々なダクトおよび通路とを含む。
【0036】
図2および
図5に示すように、この実施形態では、熱交換器402は、空気−空気熱交換器である。しかし、熱交換器402は、熱伝達プロセスで使用するための任意の適切な数およびタイプの流体を受け入れるように構成することができる。さらに、この実施形態では、熱交換器402は、比較的高温の加圧圧縮機吐出空気(P3空気)を冷却するために冷却空気流CAの流れを使用するように構成され、ガスタービンエンジン100の様々な構成要素を冷却および/または加圧するために使用することができる。より具体的には、本明細書でP3X空気またはP3X空気流と呼ばれる冷却されたP3空気流は、HPタービン172のケーシング、LPタービン174のケーシング、LPタービン174ならびに/またはHPタービン172の1つまたは複数のタービンステータベーン182およびタービンブレード184、インペラ130の後壁132、Aサンプアセンブリ280を冷却し、Bサンプアセンブリ250を冷却/加圧するために使用することができる。追加的にまたは代替的に、P3X空気流は、同様にガスタービンエンジン100の他の構成要素を冷却/加圧するために使用することができる。
【0037】
図5では、熱交換器402は、ガスタービンエンジン100の外側ケーシング108の外部にまたは外側ケーシング108と一体的に配置されて示されている。特に、この実施形態では、熱交換器402は、タービンセクション170に近接して配置される。より具体的にはさらに、熱交換器402は、タービンケーシングを囲むカウリング176に近接して配置され、タービンケーシングは、HPおよびLPタービン172、174の作動構成要素を囲む。代替の実施形態では、熱交換器402は、熱伝達のための流体温度差を利用するために、ガスタービンエンジン100内の任意の他の適切な位置に、ガスタービンエンジン100と一体的に、またはガスタービンエンジン100に沿って配置されてもよい。
【0038】
本主題の例示的な実施形態によれば、冷却空気または冷却空気流は、任意の適切な供給源から熱交換器402に供給することができる。
図2に概略的に示すように、CAで示される冷却空気流は、エジェクタ404によって熱交換器402に供給される。エジェクタ404は、圧縮機セクション120からの抽気空気流をベイ空気またはベイ空気流BAと同伴させるように構成され、ベイ空気またはベイ空気流BAは、例えば、周囲空気、外側ケーシング108とエンジンのナセルとの間を流れる空気、またはガスタービンエンジン100がバイパスターボファンエンジンとして構成されている実施形態では、エンジンのバイパスダクトから抽出されたバイパス空気流であってもよい。このように、冷却空気流CAは、圧縮機抽気空気(例えば、P25空気)とベイ空気BAとの混合物とすることができる。圧縮機セクション120から抽出されたP25空気は、熱交換器402を通過する冷却空気流CAの流量または量を増減するために使用することができる。このようにして、P25空気は、空気流が熱交換器402を通過するときに、P3空気流を伴う冷却空気流CAの熱伝達率を調節することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、P25空気は、冷却空気流CAの一部として使用されない。そのような実施形態では、ベイ空気流BAまたはいくつかの他の冷却流体は、P3空気を冷却するために使用される。上述の実施形態は、可能な冷却構成の例であることを理解されたい。他の構成要素、特徴、および構成が可能であり、本主題の範囲内に包含されることがさらに理解されるであろう。
【0040】
図2および5を参照すると、上述のように、空気送達システム400は、ガスタービンエンジン100の様々な構成要素に冷却/加圧空気流を送達するための様々なダクトおよび通路を含む。特に、図示の実施形態では、空気送達システム400は、圧縮機セクション120から熱交換器402に延びる冷却ダクト410を含む。より具体的には、冷却ダクト410は、圧縮機122の下流かつインペラ130の上流の位置で圧縮機セクション120から延びる。圧縮機抽気バルブ128は、ガスタービンエンジン100の構成要素の冷却/加圧の必要性に基づいて冷却ダクト410を通るP25空気流を選択的に可能にする。代替の例示的な実施形態では、1つまたは複数の固定オリフィスが、コア空気流路110と冷却ダクト410との間の流体連通を提供することができる。1つまたは複数のオリフィスは、一定量のP25が冷却ダクト410に抽気されることを可能にするように動作可能に構成することができる。例えば、オリフィスの幾何学的形状は、冷却ダクト410への所定の量のP25空気流を選択的に可能にすることができる。さらに他の例示的な実施形態では、1つまたは複数のオリフィスは、可変の幾何学的形状を含むことができ、それにより冷却ダクト410に抽気されるP25空気流の量は、ガスタービンエンジン100の1つまたは複数の構成要素の冷却および/または加圧の必要性に応じて制御することができる。
【0041】
特に
図5を参照すると、この実施形態では、冷却ダクト410は、軸方向Aに沿って概して前方方向に延び、コアタービンエンジン106の外部に延びる。エジェクタ404は、冷却ダクト410に沿って配置されるように示され、それによりエジェクタ404が圧縮機セクション120からのP25空気を受け入れ、冷却空気流CAを形成するためにP25空気流をベイ空気流BAと同伴させることができる。次に冷却空気流CAは、冷却ダクト410に沿って熱交換器402に送られる。
【0042】
いくつかの例示的な実施形態では、冷却ダクト410は、圧縮機セクション120に沿って異なる位置から延びることができる。例えば、冷却ダクト410は、コア空気流路110に沿った場所から圧縮機122の半径方向外側に延びることができる。他の例示的な実施形態では、特にガスタービンエンジン100がバイパスターボファンエンジンである場合、冷却ダクト410は、ターボファンエンジンのバイパスダクトから延びることができる。冷却ダクト410は、他の適切な位置から延びることができることが理解されよう。
【0043】
図2および5にさらに示すように、空気送達システム400はまた、燃焼セクション150から熱交換器402に延びるHP抽気ダクト414を含む。この実施形態では、HP抽気ダクト414は、燃焼セクション150からディフューザ160の下流かつ燃焼器152の上流に延びる。HP抽気ダクト414は、熱交換器402に一定量のP3空気流を送達するように構成される。HP抽気ダクトバルブ190は、ガスタービンエンジン100の構成要素の冷却および/または加圧の必要性に基づいてP3空気流を熱交換器402に選択的に送達することを可能にする。例えば、Bサンプアセンブリ250が加圧の増加を必要とする場合、HP抽気ダクトバルブ190は、P3空気が冷却され、続いてBサンプアセンブリ250に送られるように、一定量のP3空気流が熱交換器402に流れるように開位置に作動させることができる。HP抽気ダクト414は、任意の適切な位置から、燃焼セクション150から延びることができることが理解されよう。いくつかの例示的な実施形態では、1つまたは複数の固定オリフィスが、燃焼セクション150に沿ったコア空気流路110とHP抽気ダクト414との間の流体連通を提供することができる。1つまたは複数のオリフィスは、一定量のP3がHP抽気ダクト414に抽気されることを可能にするように動作可能に構成することができる。例えば、オリフィスの幾何学的形状は、HP抽気ダクト414への所定の量のP3空気流を選択的に可能にすることができる。さらに他の例示的な実施形態では、1つまたは複数のオリフィスは、可変の幾何学的形状を含むことができ、それによりHP抽気ダクト414に抽気されるP3空気流の量は、ガスタービンエンジン100の1つまたは複数の構成要素の冷却および/または加圧の必要性に応じて制御することができる。
【0044】
図2および
図5を参照すると、特に
図2に示すように、空気送達システム400はまた、熱交換器402からBサンプアセンブリ250に延びるHPダクト412を含む。特に、HPダクト412は、熱交換器402からサンププレナム256に、またはこの実施形態では、Bサンププレナムに延びる。HPダクト412は、適切な圧力差がシーリング要素にわたって設定され得るように、第1および第2のシール要素258、260を加圧するためにBサンプアセンブリ250にP3X空気を送達するように構成される。特に
図5に示すように、HPダクト412は、コアタービンエンジン106の外部に、熱交換器402から圧縮機セクション120の後方端部に近接した場所まで、軸方向Aに沿った後部または後方方向に延びる。
【0045】
再び
図3を参照すると、空気送達システム400は、Bサンプアセンブリ250のサンププレナム256からHPタービン172の第2段180のタービンブレード184に延びるタービン冷却通路416を含む。タービン冷却通路416は、HPシャフト210によって少なくとも部分的に画定される。さらに、
図3に示すように、HPシャフト210は、サンププレナム256とタービン冷却通路416との間の空気流連通を提供するHPシャフト開口426を画定する。この実施形態では、タービン冷却通路416は、HPシャフト210を通って軸方向Aに沿って延び、次に半径方向Rに沿って半径方向外側に移行する。特に、タービン冷却通路416が半径方向外側に延びるので、タービン冷却通路416は、第2段のタービンブレード184のロータに沿って延びる。次いでタービン冷却通路416は、軸方向Aに沿って後部または後方方向に移行し、最終的に、タービン冷却通路416は、第2段のタービンブレード184に向かって再び半径方向外側に延びる。他の例示的な実施形態では、HPシャフト210は、HPタービン172の第1段のロータおよびタービンブレードに空気流連通を提供する他のHPシャフト開口を含むことができる。さらに別の例示的な実施形態では、タービン冷却通路416は、第2段のステータベーン182を冷却するために延びることができる。
【0046】
再び
図2を参照すると、空気送達システム400は、タービンフレーム部材186によって少なくとも部分的に画定されたLPタービン通路422を含む。この例示的な実施形態では、タービンフレーム部材186は、HPタービン172とLPタービン174との間に配置される。より具体的には、タービンフレーム部材186は、HPタービン172とLPタービン174とを分離する。LPタービン通路422は、HPタービン172とLPタービン174との間の空気流連通を提供する。このようにして、HPシャフト210の半径方向内向きに軸方向Aに沿って前方方向に流れるP3X空気は、LPタービン通路422を通ってLPタービン174のロータアセンブリに向かって流れ、LPタービン174のロータアセンブリおよび他の構成要素を冷却することができる。
【0047】
さらに、
図2および
図4に示すように、空気送達システム400は、サンププレナム256からAサンプアセンブリ280に、より具体的にはBサンプアセンブリ250のサンププレナム256およびAサンプアセンブリ280のAサンププレナム286から延びるAサンプ通路418を含む。図示のように、Aサンプ通路418は、軸方向中心線102の近傍に沿って概して軸方向Aに沿って延びる。Aサンプ通路418は、冷却された高圧P3X空気流がAサンプアセンブリ280の第1のシール要素290を加圧することができるように、Aサンププレナム286にP3X空気流の一部を送達するように構成される。さらに、
図4に示すように、HPシャフト210は、Aサンプ開口424を画定する。Aサンプ開口424は、Aサンプ通路418とAサンププレナム286との間の空気流連通を提供する。このようにして、P3X空気流は、高圧P3X空気がAサンプアセンブリ280を加圧することができるように、サンププレナム256からAサンププレナム286に流れることができる。
【0048】
加えて、
図3にさらに詳細に示すように、インペラ通路136は、Bサンプアセンブリ250のサンププレナム256からインペラキャビティ138に延びる。インペラ通路136は、静止フレーム部材262およびHPシャフト210によって少なくとも部分的に画定される。インペラ通路136は、サンププレナム256とインペラキャビティ138との間の空気流連通を提供する。このようにして、一定量のP3X空気流を、インペラ130を冷却するためにインペラキャビティ138に送達することができる。
【0049】
特に
図3に示すように、混合空気流ダクト420(
図3に破線で示す)が、インペラキャビティ138からBサンプアセンブリ250の前方の位置に延びる。混合空気流ダクト420は、一定量の混合空気流MAを送達する。混合空気流MAは、インペラキャビティ138を通ってインペラ130の後壁163を上昇した冷却されたP3X空気と、インペラ130の先端に近接したコア空気流路110から漏れたP3空気とを含む。混合空気流ダクト420は、ガスタービンエンジン100の様々な構成要素を冷却するためにP3X空気および高圧P3空気の送達および再使用を可能にする。例えば、混合空気流MAは、HPタービン172のステータベーンおよびタービンブレード182、184の1つまたは複数の段の、ならびに/またはLPタービン174の1つまたは複数の構成要素を冷却するために再使用することができる。
【0050】
前述のように、
図2および
図5にさらに示すように、空気送達システム400は、熱交換器402から動力またはLPタービン174に延びるタービン冷却ダクト426をさらに含む。いくつかの例示的な実施形態では、熱交換器402からLPタービン174に延びるタービン冷却ダクト426は存在しない。むしろ、そのような例示的な実施形態では、P3空気を冷却するために使用される冷却空気CAは、タービン冷却ケース188に直接供給される。
【0051】
ここで
図2〜
図5を参照して、空気送達システム400がガスタービンエンジン100の様々な構成要素に冷却/加圧空気流を送達する方法を説明する。空気送達システム400がガスタービンエンジンの様々な構成要素に冷却/加圧空気流を送達する方法を説明し図示する以下の説明および添付の図は、例示目的であり、以下に記載される様々な特徴は、本主題の範囲から逸脱することなく、様々な方法で変更、適合、拡張、再構成および/または省略することができることが理解されよう。
【0052】
図2に示すように、中間圧縮機空気、またはP25空気は、コア空気流路110から冷却ダクト410に抽気される。冷却ダクト410は、エジェクタ404にP25空気を送る。エジェクタ404は、P25空気流ジェットによってベイ空気流BAを同伴させる。いくつかの実施形態では、ベイ空気流BAは、ターボファンエンジンの高バイパスダクトから抽出されたバイパス空気流、周囲空気、エンジンのナセルとコアタービンエンジンとの間に画定された空間の間から抽出された空気、これらの組合せなどとすることができるエジェクタ404がP25空気流をベイ空気流BAと同伴させて一定量の冷却空気流CAを形成した後、冷却空気流CAは、冷却ダクト410を介して熱交換器402に送られる。圧縮機抽気バルブ128は、ガスタービンエンジン100の様々な構成要素の加圧および冷却の必要性に応じて、圧縮機セクション120から一定量のP25空気流を選択的に出すことを可能にする(または、1つもしくは複数のオリフィスにより一定量のP25空気流が圧縮機セクション120から抽気されることが可能になる)。同時に、圧縮機吐出空気、またはP3空気は、燃焼セクション150から抽気され、HP抽気ダクト414を介して熱交換器402に送られる。HP抽気バルブ190は、熱交換器402への所定の量のP3空気の抽気を選択的に可能にすることができる。
【0053】
熱交換器402は、エジェクタ404からの冷却空気流CA、および燃焼セクション150からの比較的高温および高圧のP3空気流を受け入れる。空気−空気の熱交換では、比較的高温のP3空気流が冷却空気流CAと熱交換する。この実施形態では、冷却空気流CAは、高温P3空気と混合しない。熱交換器402は、P3空気を冷却し、冷却された高圧空気、またはP3X空気をもたらす。P3X空気流は、P3空気流よりも冷たく、ガスタービンエンジン100のサンプアセンブリの1つまたは複数内の圧力に匹敵する圧力にある。
【0054】
この実施形態では、P3空気を冷却するために使用される冷却空気流CAは、
図2に示すように、タービン冷却ダクト426を介して送られてLPタービン174の構成要素を冷却する。追加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態では、P3空気を冷却するために使用される冷却空気流CAは、周囲環境に放出されるか、またはガスタービンエンジン100の他の構成要素を冷却するために使用される。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、冷却空気流CAは、HPタービン172のタービンケーシングに冷却を行うかまたは衝突するように送ることができる。
【0055】
さらに
図2を参照すると、冷却された高圧P3X空気流は、熱交換器402を出て、HPダクト412を介してBサンプアセンブリ250に送られ、より具体的には、P3X空気流は、Bサンプアセンブリ250のサンププレナム256に送られる。この実施形態では、HPダクト412は、熱交換器402からケーシング108(
図2および
図5)に画定された開口部112を通って延びる。次いで、HPダクト412は、圧縮機セクション120の最終段(すなわち、インペラ130)と燃焼セクション150の燃焼器152との間に長手方向中心線102に向かって半径方向Rに沿って延び、Bサンプアセンブリ250の近傍で終端する。特に、HPダクトは、Bサンプアセンブリ250のサンププレナム256内に開口する。この実施形態では、HPダクト412は、サンププレナム256の前方、中間、および後方部分へのP3X空気流のより均一な分配を可能にする複数の通路を含む。
【0056】
図3に示すように、高圧P3X空気は、Bサンプアセンブリ250に送達され、一般に、サンプフレーム252の上またはその周りに分配される。P3X空気流の第1の部分430は、軸方向Aに沿って概して後方または後部方向にサンプフレーム252に沿って移動し、P3X空気流の第2の部分432は、軸方向Aに沿って概して前方方向にサンプフレーム252に沿って移動する。P3X空気流の第1の部分430は、Bサンプアセンブリ250の第1のシール要素258を加圧する。P3X空気が十分に加圧されるので、第1のシール要素258にわたる圧力差により、オイルミストがサンプキャビティ254内に維持され、第1のシール要素258にわたるオイル漏れが最小限に抑えられ、かつ/または低減される。さらに、P3X空気流が熱交換器402によって十分に冷却される実施形態では、高圧P3X空気流は、Bサンプアセンブリ250内またはその周囲にコーキングおよび/またはオイル火災を引き起こさない。
【0057】
図3をさらに参照すると、この例示的な実施形態に示すように、P3X空気が第1のシール要素258を通って流れた後、P3X空気流の第1の部分430の少なくとも一部は、概して半径方向Rに沿って後方または後部方向に流れ続ける。特に、P3X空気流の第1の部分430の少なくとも一部は、後方シール要素144を通過してインペラ通路136に入る。P3X空気の第1の部分430は、半径方向Rに沿ってインペラ通路136を通って上方に流れてインペラキャビティ138に入る。同時に、P3空気は、インペラ130の先端173またはその付近でインペラキャビティ138に漏れる。P3X空気流は、P3空気と混合する。インペラ後壁132に沿って流れるP3X空気とP3空気流との混合物は、インペラ130を冷却する。いくつかの例示的な実施形態では、P3X空気とP3空気との混合物は、動作中にガスタービンエンジン100が受ける最も極端な圧力比であってもインペラ130の軽量の材料が実現可能な程度に、インペラ130を冷却するのに十分に冷たい。このようにして、いくつかの例示的な実施形態では、インペラ130は、チタンまたはチタン合金、他の適切な軽量の材料、またはこれらの組合せで形成することができる。したがって、このような実施形態では、ガスタービンエンジン100の重量は、低減することができる。
【0058】
ここで
図3および
図4を参照すると、
図3に示すように、後方シール要素144を通過したP3X空気の一部は、HPシャフト210を横切って長手方向中心線に向かって軸方向Aに沿って概して後方または後部に流れ続け、インペラ130のハブ165を通過する。加えて、インペラキャビティ138からの混合空気流MAの一部は、長手方向中心線102に向かって半径方向内向きに流れ、HPシャフト210を横切ったP3X空気と結合する。P3X空気流および/または混合空気流MAは、軸方向Aに沿ってAサンプアセンブリ280に向かって後方または後部に続く。
図4に示すように、P3X空気流および/または混合空気流MAは、HPシャフト210に沿って続き、Aサンプ通路418を通って半径方向外側に流れてAサンププレナム286に入り、Aサンプアセンブリ280の第1のシール要素290を加圧する。このようにして、第1のシール要素290にわたる適切な圧力差を達成することができる。さらに、P3X空気流および/または混合空気流MAの一部は、ラックシール要素192を横切って半径方向外側に流れ、圧縮機122の1つまたは複数の構成要素を冷却する。加えて、P3X空気流および/または混合空気流MAが既に加圧されているので、圧縮機122に沿ってコア空気流路110に入るP3X空気流および/または混合空気流MAは、圧縮機122の効率を改善する。このようにして、P3X空気流および/または混合空気流MAの再使用は、エンジンの効率を改善する。
【0059】
図3を参照すると、前述のように、冷却された高圧P3X空気の第2の部分432は、サンププレナム256に送達され、軸方向Aに沿って概して前方にサンプフレーム252の上にまたはその周りに分配される。P3X空気流は、Bサンプアセンブリ250の第2のシール要素260を加圧する。P3X空気が十分に加圧されるので、第2のシール要素260にわたる圧力差により、オイルミストがサンプキャビティ254内に維持され、第2のシール要素260にわたるオイル漏れが最小限に抑えられ、かつ/または低減される。さらに、P3X空気流の組合せが熱交換器402によって十分に冷却される実施形態では、P3Xは、Bサンプアセンブリ250内またはその周囲にコーキングおよび/またはオイル火災を引き起こさない。
【0060】
第2のシール要素260およびBサンプアセンブリ250を加圧した後、より一般的には、P3X空気流の第2の部分432は、前方シール要素146を横切って流れ、サンププレナム256を出る。次いで、P3X空気流の第2の部分432は、混合空気流ダクト420によって送達された混合空気流MAと、Bサンプアセンブリ250の前方の位置にある加速器428によって送達されたP3空気と混合する。得られた空気流は、ここでは複合空気流CMとみなされる。混合空気流MAおよびP3空気流の再使用は、ガスタービンエンジン100の他の様々な構成要素を冷却するのに必要なP3X空気の量を効果的に減少させる。このようにして、抽気空気の量を減少させることができ(すなわち、P25空気、P3空気など)、したがって、エンジンの全体的なサイクル効率を改善することができる。
【0061】
さらに
図3を参照すると、図示のように、複合空気流CMは、例えば、HPタービン172の様々な構成要素のような、ガスタービンエンジン100の他の様々な構成要素を冷却するために前方に続くことができる。特に、
図3の図示の実施形態に示すように、複合空気流CMは、Bサンプアセンブリ250のサンププレナム256からHPタービン172の第2段180のタービンブレード184に送ることができる。複合空気流CMは、HPシャフト開口426を通ってサンププレナム256を出て、次にタービン冷却通路416を通って軸方向Aに沿って概して前方に流れる。次に複合空気流CMは、半径方向Rに沿って、第2段のタービンブレードのロータに沿って半径方向外側に移行する。次いで複合空気流CMは、軸方向Aに沿って後部または後方方向にタービン冷却通路416に流れ、次に第2段180のハブおよびタービンブレード184に向かって半径方向外側に延びる。このようにして、P3X空気流および他の再使用される空気流を含む複合空気流CMは、第2段180のタービンブレード184を冷却する。他の例示的な実施形態では、HPシャフト210は、HPタービン172の第1段のロータおよびタービンブレードに空気流連通を提供する他のHPシャフト開口を含むことができる。さらに別の例示的な実施形態では、タービン冷却通路416は、第2段180のステータベーン182を冷却するために延びることができる。
【0062】
再び
図2を参照すると、Bサンプアセンブリ250の後部部分に示すように、P3X空気流の一部は、HPシャフト210の半径方向内向きに軸方向Aに沿って前方方向に流れる。次に、P3X空気流は、LPタービン174のロータアセンブリに向かってLPタービン通路422を通って流れ、LPタービン174のロータアセンブリおよび他の構成要素、例えば、LPタービン174の1つまたは複数のステータベーンおよび1つまたは複数のタービンブレードを冷却することができる。
【0063】
図6は、本開示の例示的な実施形態による、例えば、本明細書に図示され記載された例示的なガスタービンエンジン100などのガスタービンエンジンの1つまたは複数の構成要素を冷却および/または加圧するための例示的な方法(500)の流れ図を示す。方法(500)の一部またはすべては、本明細書に開示される空気送達システム400によって実施することができる。加えて、
図6は、図示および説明の目的のために特定の順序で方法(500)を示す。例示的な方法(500)は、本主題の範囲から逸脱することなく、様々な方法で変更、適合、拡張、再構成および/または省略することができることが理解されよう。
【0064】
(502)において、例示的な方法(500)は、冷却空気流CAを抽出することを含む。例えば、冷却空気流CAは、ベイ空気流BA、P25空気流、追加の空気流、および/またはこれらの組合せであり得る。いくつかの実施態様では、冷却空気流CAは、ベイ空気流BAとP25空気流との混合物である。そのような実施態様では、冷却空気流CAの大部分は、ベイ空気であり得、熱交換器402に送達される抽出されたP3空気を十分に冷却するのに必要な熱伝達率に応じて、所定の量のP25空気を圧縮機セクション120から抽出することができる。
【0065】
(504)において、例示的な方法(500)は、ディフューザキャビティ162の下流かつ燃焼チャンバ154の上流の燃焼セクション150からP3空気流を抽出することを含む。ガスタービンエンジン100の1つまたは複数の構成要素(例えば、Bサンプアセンブリ250の1つまたは複数の構成要素など)の加圧および冷却の必要性に応じて、例示的なHP抽気バルブ190は、P3空気が熱交換器402に送達され得るように、例示的なHP抽気ダクト414への所定の量のP3空気を選択的に可能にすることができる。例えば、Bサンプアセンブリ250に近接して配置された1つまたは複数のセンサは、Bサンプアセンブリ250の1つまたは複数のシール要素にわたる圧力差を示す1つまたは複数の信号をエンジンのコントローラに送ることができる。1つまたは複数の信号に基づいて、HP抽気バルブ190に通信可能に結合されたコントローラは、バルブ位置を選択的に制御して、燃焼セクション150から抽気されるP3空気の流れを制御することができる。燃焼セクション150から抽気されるP3空気の量、ひいてはP25空気の量を制御することによって、所要の量の抽気空気のみがコア空気流路110から実際に抽気される。このようにして、より多くの空気が有用な仕事のためにコア空気流路110に残ることができ、それによってエンジンの効率を改善する。いくつかの実施形態では、エンジンコントローラは、全デジタルエンジン制御装置(FADEC)機能を有する電子エンジンコントローラであってもよい。
【0066】
(506)において、例示的な方法(500)は、熱交換器402に冷却空気流CAおよびP3空気流を送達することを含む。冷却空気流CAは、燃焼セクション150から抽出されたP3空気を冷却するために使用され得るように、熱交換器402に送達される。
【0067】
(508)において、例示的な方法(500)は、P3X空気流を形成するために熱交換器402を介して冷却空気流CAでP3空気流を冷却することを含む。いくつかの実施態様では、P3空気流は、空気−空気交換において冷却空気流CAと熱交換することができる。さらに、追加的にまたは代替的に、P3空気流は、他の適切な手段および適切な流体によって冷却することができる。
【0068】
(510)において、例示的な方法(500)は、サンプキャビティを加圧するためサンププレナムにP3X空気流を送ることを含む。いくつかの例示的な実施態様では、P3X空気流は、サンプキャビティ254を加圧するためにBサンプアセンブリ250のサンププレナム256に送ることができる。サンププレナム256にP3X空気流を送ることによって、P3X空気流は、サンプフレーム252の上および/またはその周りに、かつBサンプアセンブリ250の第1および第2のシール要素258、260の周りに分配することができる。このようにして、いくつかの実施形態では、第1および第2のシール要素258、260にわたる圧力差を適切に設定することができ、P3X空気が十分に冷却されるので、P3X空気は、Bサンプアセンブリ250内またはその周囲にコーキングおよび/またはオイル火災を引き起こさない。
【0069】
いくつかの例示的な実施態様では、方法(500)は、圧縮機セクションからP25空気流を抽出することと、ベイ空気流BAを抽出することと、冷却空気流CAを形成するためにP25空気流をベイ空気流BAと同伴させることとを含む。
【0070】
いくつかの例示的な実施態様では、圧縮機セクション120は、後壁132を有するインペラをさらに含む。さらに、ガスタービンエンジン100は、後壁132に近接して配置されたインペラフレーム134をさらに含む。後壁132およびインペラフレーム134は、前述のように、インペラキャビティ138を少なくとも部分的に画定する。そのような例示的な実施態様では、方法(500)は、インペラ130を冷却するためにインペラキャビティ138にP3X空気流を送ることをさらに含む。このようにして、インペラ130を形成するために軽量の材料、例えばチタンなどを使用することができる。
【0071】
いくつかの例示的な実施態様では、ガスタービンエンジン100は、ガスタービンエンジン100の入口本体236によって画定された入口234に近接して配置されたAサンプアセンブリ280をさらに含む。Aサンプアセンブリ280は、Aサンプキャビティ284を少なくとも部分的に画定し、かつAサンプキャビティ284に対向するAサンププレナム286を少なくとも部分的に画定するAサンプフレーム282を含む。そのような例示的な実施態様では、方法(500)は、Aサンプキャビティ284を加圧するためにAサンププレナム286にP3X空気を送ることをさらに含む。
【0072】
いくつかの例示的な実施態様では、サンプアセンブリは、圧縮機セクション120とタービンセクション170との間に配置されたBサンプアセンブリ250である。さらに、いくつかの例示的な実施態様では、サンプアセンブリは、軸方向Aに沿って圧縮機セクション120とタービンセクション170との間に配置されたBサンプアセンブリである。
【0073】
いくつかの例示的な実施態様では、タービンは、タービンステータベーンおよびタービンブレードの第1段および第2段をさらに含む。そのような例示的な実施態様では、方法(500)は、タービンステータベーンおよびタービンブレードの第2段にP3X空気の少なくとも一部を送ることをさらに含む。さらに他の例示的な実施態様では、タービンステータベーンおよびタービンブレードの第2段にP3X空気を送る前に、方法(500)は、P3X空気をP3空気流と混合することをさらに含む。いくつかの例示的な実施態様では、タービンは、HPタービンである。
【0074】
いくつかの例示的な実施態様では、方法(500)は、LPタービン174のロータアセンブリおよび他の構成要素が冷却され得るように、LPタービン通路422を通してP3X空気の少なくとも一部を送ることをさらに含む。LPタービン通路422は、ガスタービンエンジン100のHPタービン172とLPタービン174とを分離するタービンフレーム部材186によって少なくとも部分的に画定することができる。
【0075】
いくつかの例示的な実施態様では、ガスタービンエンジン100は、ターボプロップエンジンとして構成された逆流ガスタービンエンジンである。さらに他の例示的な実施態様では、ガスタービンエンジン100は、ターボシャフトエンジンとして構成された逆流ガスタービンエンジンである。
【0076】
本明細書は、本発明を最良の態様を含めて開示するとともに、あらゆるデバイスまたはシステムの製作および使用ならびにあらゆる関連の方法の実行を含む本発明の実施を当業者にとって可能にするために、実施例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的な差異を有さない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることを意図している。
[実施態様1]
軸方向(A)、半径方向(R)、および円周方向(C)を画定するガスタービンエンジン(100)であって、
前記軸方向(A)の周りで回転可能な圧縮機(122)を有する圧縮機セクション(120)と、
前記軸方向(A)の周りで回転可能なタービン(172、174)を有するタービンセクション(170)と、
前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)との間に延び、前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)とを結合するシャフト(210、212)と、
前記圧縮機セクション(120)の下流かつ前記タービンセクション(170)の上流に配置された燃焼セクション(150)であって、前記燃焼セクション(150)は、ディフューザキャビティ(162)を画定し、燃焼チャンバ(154)を画定する燃焼器(152)を含み、前記ディフューザキャビティ(162)は、前記燃焼チャンバ(154)の上流に位置する燃焼セクション(150)と、
サンプフレーム(252)と、前記サンプフレーム(252)と前記シャフト(210、212)との間に配置された軸受アセンブリとを備えるサンプアセンブリ(280)であって、前記サンプフレーム(252)は、サンプキャビティ(284)を少なくとも部分的に画定するサンプアセンブリ(280)と、
前記サンプキャビティ(284)に対向する前記サンプフレーム(252)によって少なくとも部分的に画定されたサンププレナム(256)と、
熱交換器(402)、
前記熱交換器(402)に冷却空気流(CA)を供給するために前記圧縮機セクション(120)から前記熱交換器(402)に延びる冷却ダクト(410)、
前記燃焼セクション(150)から前記熱交換器(402)に延びて前記ディフューザキャビティ(162)と空気流連通し、前記熱交換器(402)にP3空気流を送達するための高圧抽気ダクト(414)、および
前記熱交換器(402)から前記サンププレナム(256)に延びる高圧ダクト(412)
を備える空気送達システム(400)と
を備え、
前記熱交換器(402)は、P3X空気流を形成するために前記冷却空気流(CA)を使用して前記P3空気流を冷却するように構成され、前記高圧ダクト(412)は、前記サンプアセンブリの前記サンプキャビティ(284)を加圧するために前記サンププレナム(256)に前記P3X空気流を送達するように構成される、ガスタービンエンジン(100)。
[実施態様2]
前記圧縮機セクション(120)が、後壁(132)を有するインペラ(130)を含み、前記ガスタービンエンジン(100)が、
前記後壁(132)に近接して配置されたインペラフレーム(134)であって、前記インペラ(130)の前記後壁(132)および前記インペラフレーム(134)が、インペラキャビティ(138)を少なくとも部分的に画定するインペラフレーム(134)
をさらに備え、
前記インペラフレーム(134)および前記サンプフレーム(252)が、前記サンププレナム(256)と前記インペラキャビティ(138)との間の空気流連通を提供するインペラ通路(136)を画定し、前記高圧ダクト(412)が前記サンププレナム(256)にP3X空気を供給すると、前記P3X空気の少なくとも一部が、前記インペラ(130)を冷却するために前記インペラ通路(136)を通って前記インペラキャビティ(138)に流れる、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様3]
前記インペラ(130)が、チタンで形成される、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様4]
前記空気送達システム(400)が、
前記冷却空気流(CA)をベイ空気流(BA)と同伴させるために前記冷却ダクト(410)に沿って配置されたエジェクタ(404)
をさらに備える、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様5]
前記冷却空気流(CA)が、前記圧縮機(122)からのP25空気流およびベイ空気流(BA)からなる、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様6]
前記タービン(172、174)が、タービンステータベーン(182)およびタービンブレード(184)の第1段(178)および第2段(180)をさらに備え、前記シャフト(210、212)が、前記サンププレナム(256)から前記第2段(180)のタービンブレード(184)に延びるタービン冷却通路(416)を画定し、前記高圧ダクト(412)が前記サンププレナム(256)にP3X空気を供給すると、前記P3X空気の少なくとも一部が、前記タービンブレード(184)を冷却するために前記タービン冷却通路(416)を通って前記第2段(180)のタービンブレード(184)に流れる、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様7]
前記サンプアセンブリが、前記軸方向(A)に沿って前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)との間に配置されたBサンプアセンブリ(250)である、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様8]
前記ガスタービンエンジン(100)が、
前記ガスタービンエンジン(100)の入口本体(236)によって画定された入口(234)に近接して配置されたAサンプアセンブリ(280)をさらに備え、前記Aサンプアセンブリ(280)が、Aサンプフレーム(282)と、前記Aサンプフレーム(282)と前記シャフト(210、212)との間に配置された第1の軸受アセンブリ(300)とを備え、前記Aサンプフレーム(282)が、前記第1の軸受アセンブリ(300)が収容されるサンプキャビティ(284)を少なくとも部分的に画定し、前記Aサンプキャビティ(284)に対向するAサンププレナム(286)を少なくとも部分的に画定し、前記シャフト(210、212)が、前記サンププレナム(256)から前記Aサンププレナム(286)に延びるAサンプ通路(418)を画定し、前記高圧ダクト(412)が前記サンププレナム(256)にP3X空気を供給すると、前記P3X空気の少なくとも一部が、前記Aサンプキャビティ(284)を加圧するために前記Aサンプ通路(418)を通って前記Aサンププレナム(286)に流れる、実施態様7に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様9]
前記ガスタービンエンジン(100)が、
前記タービン(172、174)に近接して配置され、前記熱交換器(402)と空気流連通するタービン冷却ケース(188)
をさらに備え、
前記冷却空気流(CA)が前記P3空気と熱交換した後、前記冷却流(CA)が、前記タービン冷却ケース(188)に送られる、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様10]
前記サンプアセンブリが、
前記軸方向(A)に沿って前記軸受アセンブリの後方に配置され、前記サンプフレーム(252)に接続された第1のシール要素(258)と、
前記軸方向(A)に沿って前記軸受アセンブリの前方に配置され、前記サンプフレーム(252)に接続された第2のシール要素(260)と
をさらに備え、
前記サンププレナム(256)が、前記第1のシール要素(258)および前記第2のシール要素(260)と空気流連通する、実施態様1に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様11]
軸方向(A)、半径方向(R)、および円周方向(C)を画定するガスタービンエンジン(100)であって、
前記軸方向(A)の周りで回転可能な圧縮機(122)を有する圧縮機セクション(120)と、
前記軸方向(A)の周りで回転可能なタービン(172、174)を有するタービンセクション(170)と、
前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)との間に延び、前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)とを結合するシャフト(210、212)と、
前記圧縮機セクション(120)の下流かつ前記タービンセクション(170)の上流に配置され、燃焼チャンバ(154)を画定する燃焼セクション(150)と、
サンプキャビティ(284)を少なくとも部分的に画定するサンプフレーム(252)を備えるサンプアセンブリと、
前記サンプキャビティ(284)に対向する前記サンプフレーム(252)によって少なくとも部分的に画定されたサンププレナム(256)と、
冷却空気流(CA)およびP3空気流を受け入れるように構成された熱交換器(402)であって、前記熱交換器(402)は、P3X空気流を形成するために前記冷却空気流(CA)を使用して前記P3空気流を冷却するように構成される熱交換器(402)、および
前記サンプアセンブリの前記サンプキャビティ(284)を加圧するために前記サンププレナム(256)に前記P3X空気流を送達するように前記熱交換器(402)から前記サンププレナム(256)に延びる高圧ダクト(412)
を備える空気送達システム(400)と
を備える、ガスタービンエンジン(100)。
[実施態様12]
前記空気送達システム(400)が、
前記圧縮機(122)からのP25空気流を選択的に可能にするための圧縮機抽気バルブ(128)と、
前記圧縮機セクション(120)から前記熱交換器(402)に延び、前記圧縮機抽気バルブ(128)と空気流連通する冷却ダクト(410)と、
前記冷却空気流(CA)を形成するために前記P25空気流をベイ空気流(BA)と同伴させるための前記冷却ダクト(410)に沿って配置されたエジェクタ(404)と
をさらに備える、実施態様11に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様13]
前記圧縮機セクション(120)が、後壁(132)を有するインペラ(130)を含み、前記ガスタービンエンジン(100)が、
前記後壁(132)に近接して配置されたインペラフレーム(134)であって、前記インペラ(130)の前記後壁(132)および前記インペラフレーム(134)が、インペラキャビティ(138)を少なくとも部分的に画定するインペラフレーム(134)
をさらに備え、
前記インペラフレーム(134)および前記サンプフレーム(252)が、前記サンププレナム(256)と前記インペラキャビティ(138)との間の空気流連通を提供するインペラ通路(136)を画定し、前記高圧ダクト(412)が前記サンププレナム(256)にP3X空気を供給すると、前記P3X空気の少なくとも一部が、前記インペラ(130)を冷却するために前記インペラ通路(136)を通って前記インペラキャビティ(138)に流れる、実施態様11に記載のガスタービンエンジン(100)。
[実施態様14]
ガスタービンエンジン(100)の1つまたは複数の構成要素を冷却および加圧するための方法(500)であって、前記ガスタービンエンジン(100)は、圧縮機(122)を有する圧縮機セクション(120)と、タービン(172、174)と、前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)との間に延び、前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)とを結合するシャフト(210、212)と、前記圧縮機(122)の下流かつ前記タービン(172、174)の上流に配置された燃焼セクション(150)とを含み、前記燃焼セクション(150)は、ディフューザキャビティ(162)および燃焼チャンバ(154)を画定し、前記ディフューザキャビティ(162)は、前記燃焼チャンバ(154)の上流に位置し、前記ガスタービンエンジン(100)は、サンプフレーム(252)と、前記サンプフレーム(252)と前記シャフト(210、212)との間に配置された軸受アセンブリとを備えるサンプアセンブリをさらに備え、前記サンプフレーム(252)は、前記軸受アセンブリが収容されるサンプキャビティ(284)、および前記サンプキャビティ(284)に対向するサンププレナム(256)を少なくとも部分的に画定し、前記ガスタービンエンジン(100)は、熱交換器(402)と、エジェクタ(404)とを備える空気送達システム(400)をさらに備え、前記方法(500)は、
冷却空気流(CA)を抽出することと、
前記ディフューザキャビティ(162)の下流かつ前記燃焼チャンバ(154)の上流の前記燃焼セクション(150)からP3空気流を抽出することと、
前記熱交換器(402)に前記冷却空気流(CA)および前記P3空気流を送達することと、
P3X空気流を形成するために前記熱交換器(402)を介して前記冷却空気流(CA)で前記P3空気流を冷却することと、
前記サンプキャビティ(284)を加圧するために前記サンププレナム(256)に前記P3X空気流を送ることと
を含む、方法(500)。
[実施態様15]
前記方法(500)が、
前記圧縮機セクション(120)からP25空気流を抽出することと、
ベイ空気流(BA)を抽出することと、
前記冷却空気流(CA)を形成するために前記P25空気流をベイ空気流(BA)と同伴させることと
を含む、実施態様14に記載の方法(500)。
[実施態様16]
前記圧縮機セクション(120)が、後壁(132)を有するインペラ(130)をさらに備え、前記ガスタービンエンジン(100)が、前記後壁(132)に近接して配置されたインペラフレーム(134)をさらに備え、前記後壁(132)および前記インペラフレーム(134)が、インペラキャビティ(138)を少なくとも部分的に画定し、前記方法(500)が、
前記インペラ(130)を冷却するために前記インペラキャビティ(138)に前記P3X空気流を送ること
をさらに含む、実施態様14に記載の方法(500)。
[実施態様17]
タービンステータベーン(182)およびタービンブレード(184)の第2段(180)に前記P3X空気を送る前に、前記方法(500)が、
前記P3X空気流を前記インペラキャビティ(138)から送られた混合空気流(MA)と混合することをさらに含み、前記混合空気流(MA)が、前記P3X空気流の少なくとも一部と、前記インペラ(130)の先端(173)に近接した前記インペラキャビティ(138)に漏れたP3空気流とを含む、実施態様16に記載の方法(500)。
[実施態様18]
前記ガスタービンエンジン(100)が、前記ガスタービンエンジン(100)の入口本体(236)によって画定された入口(234)に近接して配置されたAサンプアセンブリ(280)をさらに備え、前記Aサンプアセンブリ(280)が、Aサンプキャビティ(284)を少なくとも部分的に画定し、かつ前記Aサンプキャビティ(284)に対向するAサンププレナム(286)を少なくとも部分的に画定するAサンプフレーム(282)を備え、前記方法(500)が、
前記Aサンプキャビティ(284)を加圧するために前記Aサンププレナム(286)に前記P3X空気流を送ること
をさらに含む、実施態様14に記載の方法(500)。
[実施態様19]
前記サンプアセンブリが、前記圧縮機(122)と前記タービン(172、174)との間に配置されたBサンプアセンブリ(250)である、実施態様14に記載の方法(500)。
[実施態様20]
前記タービン(172、174)が、前記タービンステータベーン(182)および前記タービンブレード(184)の第1段(178)および前記第2段(180)をさらに備え、前記方法(500)が、
前記タービンステータベーン(182)および前記タービンブレード(184)の前記第2段(180)に前記P3X空気流の少なくとも一部を送ること
をさらに含む、実施態様14に記載の方法(500)。