特許第6736698号(P6736698)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6736698
(24)【登録日】2020年7月17日
(45)【発行日】2020年8月5日
(54)【発明の名称】電車貨物配送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/08 20060101AFI20200728BHJP
   B65G 1/133 20060101ALI20200728BHJP
   B61B 1/00 20060101ALI20200728BHJP
   B61D 47/00 20060101ALI20200728BHJP
   B65G 67/24 20060101ALI20200728BHJP
【FI】
   B65G67/08
   B65G1/133 C
   B61B1/00 Z
   B61D47/00 Z
   B65G67/24
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-567656(P2018-567656)
(86)(22)【出願日】2017年8月30日
(65)【公表番号】特表2020-512960(P2020-512960A)
(43)【公表日】2020年4月30日
(86)【国際出願番号】KR2017009507
(87)【国際公開番号】WO2018048138
(87)【国際公開日】20180315
【審査請求日】2019年10月30日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0116600
(32)【優先日】2016年9月9日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518451150
【氏名又は名称】チョン,キュン ホ
(73)【特許権者】
【識別番号】518451161
【氏名又は名称】リ,キュン ヘ
(74)【代理人】
【識別番号】100146639
【弁理士】
【氏名又は名称】船本 康伸
(72)【発明者】
【氏名】チョン,キュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】リ,キュン ヘ
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2015−0145706(KR,A)
【文献】 特開2011−46365(JP,A)
【文献】 特開平7−242143(JP,A)
【文献】 特開2002−347612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/08
B65G 67/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電車を用いて電車の駅舎に貨物を配送する電車貨物配送システムであって、
電車の駅舎のプラットフォームの一方の側に配設され、貨物を電車車両に荷積み及び荷降しするように作動する貨物の荷積み/荷降ろしユニットと、
前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットの動作を制御する荷積み/荷降ろし制御部と、
電車車両の内部の一方の側に配設され、前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットによって荷積みされる貨物を供給されて積載し、積載された貨物が前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットによって荷降しされるように前記積載された貨物を前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットに供給する貨物積載ユニットと、
前記貨物積載ユニットの動作を制御する積載制御部と、
を備え、前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットは、前記貨物積載ユニットにドッキングできるように形成され、電車車両がプラットフォームに到着した状態で前記貨物積載ユニットにドッキングするように動作の制御が行われ、
前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットは、
多数の配送出発貨物を搬送して前記貨物積載ユニットに同時に供給する貨物の荷積みモジュールと、
多数の配送到着貨物を前記貨物積載ユニットから同時に供給されて搬送する貨物の荷降しモジュールと、
を備え、前記貨物の荷積みモジュール及び貨物の荷降しモジュールは、前記貨物積載ユニットに同時にドッキングして作動するように動作の制御が行われ、
前記貨物積載ユニットは、
前記貨物の荷積みモジュールから搬送されて供給される貨物を供給される荷積み積載モジュールと、
前記荷積み積載モジュールの上部に配置され、前記貨物の荷降しモジュールに供給すべき貨物を積載する荷降し積載モジュールと、
前記荷積み積載モジュールと荷降し積載モジュールとの間に配置されて貨物を積載する中間積載モジュールと、
前記荷積み積載モジュールに供給された貨物を前記中間積載モジュール及び荷降し積載モジュールに順次に搬送する積載搬送モジュールと、
前記荷降し積載モジュールに積載された貨物を前記貨物の荷降しモジュールに搬送して供給する荷降し供給モジュールと、
を備え、前記積載搬送モジュールは、前記中間積載モジュールに積載された貨物のうち、配送の到達地点が現在到着予定の電車の駅舎と設定された貨物を前記荷降し積載モジュールに搬送するように前記積載制御部によって動作の制御が行われ、
前記荷積み積載モジュール、中間積載モジュール及び荷降し積載モジュールは、
それぞれ貨物を積載可能な多数枚の貨物積載板が循環経路に沿って連続して循環移動するように構成されることを特徴とする電車貨物配送システム。
【請求項2】
前記貨物の荷積みモジュールは、
配送出発貨物を前記貨物積載ユニットに近付く第1の方向に順次に搬送する第1の荷積み搬送部と、
前記第1の荷積み搬送部によって搬送される配送出発貨物を供給されて前記第1の方向とは異なる第2の方向に一列に搬送して配置する第2の荷積み搬送部と、
前記貨物積載ユニットにドッキング及びドッキング解除が可能なように形成され、前記第2の荷積み搬送部に一列に配置された多数の配送出発貨物を供給されて前記貨物積載ユニットに同時に搬送して供給する荷積みローリングプレートと、
前記第2の荷積み搬送部に一列に配置された多数の配送出発貨物を同時に前記荷積みローリングプレートに搬送して供給する荷積みシフト搬送部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電車貨物配送システム。
【請求項3】
前記貨物の荷降しモジュールは、
前記貨物積載ユニットにドッキング及びドッキング解除が可能なように形成され、前記貨物積載ユニットから多数の配送到着貨物を同時に供給されて搬送する荷降しローリングプレートと、
前記荷降しローリングプレートによって搬送された多数の配送到着貨物を供給されて前記第2の方向に順次に搬送する第2の荷降し搬送部と、
前記第2の荷降し搬送部によって搬送される配送到着貨物を供給されて前記第1の方向に順次に搬送する第1の荷降し搬送部と、
前記荷降しローリングプレートに供給された多数の配送到着貨物を前記第2の方向に一列に配置された状態で同時に前記第2の荷降し搬送部に搬送して供給する荷降しシフト搬送部と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の電車貨物配送システム。
【請求項4】
前記荷積みローリングプレート及び荷降しローリングプレートは、貨物が搬送方向に沿って滑り移動できるように多数の回転ローラーが取り付けられ、
前記荷積みローリングプレートは、前記貨物積載ユニットに向かって斜め下向きに配置され、前記荷降しローリングプレートは、前記貨物積載ユニットに向かって斜め上向きに配置されることを特徴とする請求項3に記載の電車貨物配送システム。
【請求項5】
前記積載搬送モジュールは、
貨物を据置きできるように形成され、垂直レールに沿って上下動する昇降支持板と、
前記昇降支持板を上下動させる昇降駆動部と、
前記昇降支持板と貨物積載板に対して相互間に貨物を搬送する水平搬送手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電車貨物配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下鉄、国鉄などの電車を用いて貨物を配送するシステムに関する。さらに詳しくは、電車の駅舎のプラットフォームに貨物の荷積み/荷降ろしユニットを配設し、電車車両の内部には多数の貨物を積載及び荷降しできる貨物積載ユニットを配設することにより、電車車両が駅舎に停車している間に速やかに多量の貨物を荷積み/荷降しすることができ、貨物の配送容量をも増やすことができてなお一層速やかに且つ便利に多量の貨物を配送することのできる電車貨物配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の電子通信技術の発達には目を見張るものがあり、これに伴い、物品の取引手順で電子商取引方式が大きく活性化している。このような電子商取引は、商品の閲覧、注文、決済、宅配など一連の取引手続きを場所を問わずに処理することができるというメリットを有していることから、生産業者及び流通業者間に電子商取引を通じてさらに多くの需要層を確保するための競争が激しくなりつつあり、電子商取引の利便性により物品の取引量もまた大幅に増えつつある。
【0003】
ところが、電子商取引の処理手順のうち、宅配及びその後の返却手続きには、インターネットを介して管理される手順に加えて、実際に注文品を物理的に移動せねばならない手順が含まれるため、供給者と注文者との間に宅配者が介在することが不可避であり、このときの宅配者は、ほとんどの場合、自動車、オートバイなどの地上交通手段を用いた方式で宅配業務を行っている。
【0004】
このような地上交通手段を用いた貨物の配送方式は、大都市における交通渋滞などの劣悪な交通環境に起因して配送作業に難点が多く、配送時間が長引くだけではなく、配送時間を正確に予測することもできないなど不便さが多い。
【0005】
特に、最近、電子商取引の増加により、宅配などの貨物の配送量がさらに増えることに伴い、地上交通手段を用いた貨物の配送システムは、その配送能力が限界に達しているのが現状であり、新たな貨物の配送システムへのニーズが切望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の技術の問題を解消するために案出されたものであり、本発明の目的は、地上交通手段ではない地下鉄、国鉄などの電車を用いて貨物を配送するシステムであって、電車の駅舎のプラットフォームに貨物の荷積み/荷降ろしユニットを配設し、電車車両の内部には多数の貨物を積載及び荷降しできる貨物積載ユニットを設けることにより、電車車両が駅舎に停車している間に速やかに多量の貨物を荷積み/荷降しすることができ、貨物の配送容量をも増やすことができてなお一層速やかに且つ便利に多量の貨物を配送することのできる電車貨物配送システムを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、電車の駅舎のプラットフォームに配設される貨物の荷積み/荷降ろしユニットを用いて多数の貨物を同時に電車車両に荷積み/荷降しできるようにすることで、速やかな荷積み/荷降ろし作業を行うことができて、電車車両の停車時間を増やすことを余儀なくされるなどの不都合なしに円滑な貨物配送が行えるようにした電車貨物配送システムを提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、電車車両の内部に貨物を多量積載することができ、これらの積載位置などを電車経路を考慮して調節することで、多量の貨物の積載及び速やかな荷積み/荷降ろし作業が行えるようにして多量の貨物の配送を速やかに且つ正確に行うことのできる電車貨物配送システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、電車を用いて電車の駅舎に貨物を配送する電車貨物配送システムであって、電車の駅舎のプラットフォームの一方の側に配設され、貨物を電車車両に荷積み及び荷降しするように作動する貨物の荷積み/荷降ろしユニットと、前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットの動作を制御する荷積み/荷降ろし制御部と、電車車両の内部の一方の側に配設され、前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットによって荷積みされる貨物を供給されて積載し、積載された貨物が前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットによって荷降しされるように前記積載された貨物を前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットに供給する貨物積載ユニットと、前記貨物積載ユニットの動作を制御する積載制御部と、を備え、前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットは、前記貨物積載ユニットにドッキングできるように形成され、電車車両がプラットフォームに到着した状態で前記貨物積載ユニットにドッキングするように動作の制御が行われることを特徴とする電車貨物配送システムを提供する。
【0010】
このとき、前記貨物の荷積み/荷降ろしユニットは、多数の配送出発貨物を搬送して前記貨物積載ユニットに同時に供給する貨物の荷積みモジュールと、多数の配送到着貨物を前記貨物積載ユニットから同時に供給されて搬送する貨物の荷降しモジュールと、を備え、前記貨物の荷積みモジュール及び貨物の荷降しモジュールは、前記貨物積載ユニットに同時にドッキングして作動するように動作の制御が行われてもよい。
【0011】
また、前記貨物の荷積みモジュールは、配送出発貨物を前記貨物積載ユニットに近付く第1の方向に順次に搬送する第1の荷積み搬送部と、前記第1の荷積み搬送部によって搬送される配送出発貨物を供給されて前記第1の方向とは異なる第2の方向に一列に搬送して配置する第2の荷積み搬送部と、前記貨物積載ユニットにドッキング及びドッキング解除が可能なように形成され、前記第2の荷積み搬送部に一列に配置された多数の配送出発貨物を供給されて前記貨物積載ユニットに同時に搬送して供給する荷積みローリングプレートと、前記第2の荷積み搬送部に一列に配置された多数の配送出発貨物を同時に前記荷積みローリングプレートに搬送して供給する荷積みシフト搬送部と、を備えていてもよい。
【0012】
さらに、前記貨物の荷降しモジュールは、前記貨物積載ユニットにドッキング及びドッキング解除が可能なように形成され、前記貨物積載ユニットから多数の配送到着貨物を同時に供給されて搬送する荷降しローリングプレートと、前記荷降しローリングプレートによって搬送された多数の配送到着貨物を供給されて前記第2の方向に順次に搬送する第2の荷降し搬送部と、前記第2の荷降し搬送部によって搬送される配送到着貨物を供給されて前記第1の方向に順次に搬送する第1の荷降し搬送部と、前記荷降しローリングプレートに供給された多数の配送到着貨物を前記第2の方向に一列に配置された状態で同時に前記第2の荷降し搬送部に搬送して供給する荷降しシフト搬送部と、を備えていてもよい。
【0013】
さらにまた、前記荷積みローリングプレート及び荷降しローリングプレートは、貨物が搬送方向に沿って滑り移動できるように多数の回転ローラーが取り付けられ、前記荷積みローリングプレートは、前記貨物積載ユニットに向かって斜め下向きに配置され、前記荷降しローリングプレートは、前記貨物積載ユニットに向かって斜め上向きに配置されてもよい。
【0014】
さらにまた、前記貨物積載ユニットは、前記貨物の荷積みモジュールから搬送されて供給される貨物を供給される荷積み積載モジュールと、前記荷積み積載モジュールの上部に配置され、前記貨物の荷降しモジュールに供給すべき貨物を積載する荷降し積載モジュールと、前記荷積み積載モジュールに供給された貨物を前記荷降し積載モジュールに搬送する積載搬送モジュールと、前記荷降し積載モジュールに積載された貨物を前記貨物の荷降しモジュールに搬送して供給する荷降し供給モジュールと、を備えていてもよい。
【0015】
さらにまた、前記貨物積載ユニットは、前記荷積み積載モジュールと荷降し積載モジュールとの間に配置されて貨物を積載する中間積載モジュールをさらに備え、前記積載搬送モジュールは、前記荷積み積載モジュールの貨物を前記中間積載モジュール及び荷降し積載モジュールに順次に搬送してもよい。
【0016】
さらにまた、前記積載搬送モジュールは、前記中間積載モジュールに積載された貨物のうち、配送の到達地点(配送先)が現在到着予定の電車の駅舎と設定された貨物を前記荷降し積載モジュールに搬送するように前記積載制御部によって動作の制御が行われてもよい。
【0017】
さらにまた、前記荷積み積載モジュール、中間積載モジュール及び荷降し積載モジュールは、それぞれ貨物を積載可能な多数枚の貨物積載板が循環経路に沿って連続して循環移動するように構成されてもよい。
【0018】
これらに加えて、前記積載搬送モジュールは、貨物を据置きできるように形成され、垂直レールに沿って上下動する昇降支持板と、前記昇降支持板を上下動させる昇降駆動部と、前記昇降支持板と貨物積載板に対して相互間に貨物を搬送する水平搬送手段と、を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、地上交通手段ではない地下鉄、国鉄などの電車を用いて貨物を配送するシステムであって、電車の駅舎のプラットフォームに貨物の荷積み/荷降ろしユニットを配設し、電車車両の内部には多数の貨物を積載及び荷降しできる貨物積載ユニットを設けることにより、電車車両が駅舎に停車している間に速やかに多量の貨物を荷積み/荷降しすることができ、貨物の配送容量をも増やすことができてなお一層速やかに且つ便利に多量の貨物を配送することができるという効果がある。
【0020】
また、電車の駅舎のプラットフォームに配設される貨物の荷積み/荷降ろしユニットを用いて多数の貨物を同時に電車車両に荷積み/荷降しできるようにすることで、速やかな荷積み/荷降ろし作業を行うことができて、電車車両の停車時間を増やすことを余儀なくされるなどの不都合なしに円滑な貨物配送が行えるという効果がある。
【0021】
さらに、電車車両の内部に貨物を多量積載することができ、これらの積載位置などを電車経路を考慮して調節することで、多量の貨物の積載及び速やかな荷積み/荷降ろし作業が行えるようにして多量の貨物の配送を速やかに且つ正確に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係る電車貨物配送システムの全体的な構成を概念的に示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る貨物の荷積み/荷降ろしユニットの構成を概念的に示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る貨物の荷積み/荷降ろしユニットの作動状態を概念的に示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る貨物の荷積み/荷降ろしユニットの構成を機能的にブロック化して示す機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの構成を概念的に示す斜視図である。
図6】本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの荷積み/荷降ろし動作を概念的に示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの積載モジュールに対する構成を概念的に示す平面図である。
図8】本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの積載搬送モジュールに対する構成を概念的に示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの構成を機能的にブロック化して示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付図面に基づいて、本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付するに当たって、同じ構成要素に対しては、たとえ異なる図面の上に示されているとしても、できる限り同じ符号を付していることに留意すべきである。なお、本発明を説明するに当たって、関連する公知の構成又は機能についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にする恐れがあると認められる場合には、その詳細な説明は省略する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る電車貨物配送システムの全体的な構成を概念的に示す斜視図である。
【0025】
本発明の一実施形態に係る電車貨物配送システムは、電車(地下鉄、国鉄などを網羅する概念であって、以下では、電車と称する。)を用いて電車の駅舎を配送の出発地及び目的地として貨物を配送するシステムであって、貨物Pをプラットフォーム20から電車車両10に荷積み/荷降しする貨物の荷積み/荷降ろしユニット100と、貨物の荷積み/荷降ろしユニット100の動作を制御する荷積み/荷降ろし制御部200と、電車車両の内部に配置されて貨物Pを積載する貨物積載ユニット300と、貨物積載ユニット300の動作を制御する積載制御部400と、を備えてなる。
【0026】
このような電車を用いた貨物配送システムは、それぞれの貨物Pに表示された配送情報及び電車車両の走行情報などを総合的に収集して貨物配送システムを制御・管理できる別途の管制システムを用いて貨物を配送するように構成されてもよく、このような貨物の配送・制御方式は、様々な方式によって行われ得るため、ここでは、これについての説明は省略する。
【0027】
貨物の荷積み/荷降ろしユニット100は、電車の駅舎のプラットフォーム20の一方の側に配設され、貨物Pを電車車両10に荷積み及び荷降しするように作動し、荷積み/荷降ろし制御部200は、貨物の荷積み/荷降ろしユニット100の動作を制御するように構成される(図4を参照)。
【0028】
このような貨物の荷積み/荷降ろしユニット100は、当該電車の駅舎から配送に出発する配送出発貨物Pを搬送して、電車車両10の内部に配設された貨物積載ユニット300に供給する貨物の荷積みモジュール100aと、当該電車の駅舎が配送目的地である配送到着貨物Pを電車車両10の貨物積載ユニット300から供給されて電車の駅舎のプラットフォーム20側に搬送する貨物の荷降しモジュール100bと、を備えてなってもよい。このとき、貨物の荷積みモジュール100a及び貨物の荷降しモジュール100bは、多数の貨物Pを同時に搬送供給するように構成され、これにより、多数の貨物Pを速やかに荷積み/荷降しすることができる。
【0029】
このような構造により、当該電車の駅舎から出発する貨物Pは、貨物の荷積み/荷降ろしユニット100を介して電車車両10に自動的に荷積みされ、当該電車の駅舎が配送の目的地である貨物Pは、電車車両10から貨物の荷積み/荷降ろしユニット100を介して電車の駅舎のプラットフォーム20側に自動的に荷降しされる。
【0030】
また、貨物の荷積み/荷降ろしユニット100は、電車車両10の貨物積載ユニット300にドッキングできるように形成されるが、電車車両10が電車の駅舎のプラットフォーム20に到着した状態で、貨物積載ユニット300にドッキングするように動作の制御が行われる。このとき、貨物の荷積みモジュール100a及び貨物の荷降しモジュール100bは、貨物積載ユニット300に同時にドッキングして作動するように動作の制御が行われ、これにより、貨物Pの荷積み及び荷降し作業が同時に行われるので、電車車両10がプラットフォーム20に停車する間に多量の貨物に対する荷積み及び荷降し作業を速やかに行うことができる。
【0031】
貨物積載ユニット300は、電車車両10の内部空間の一方の側に配設されるが、客室内の一部の空間に形成されてもよく、又は別途の配送専用の貨物車をさらに連結してその内部に配設されてもよい。
【0032】
このような貨物積載ユニット300は、貨物の荷積み/荷降ろしユニット100の貨物の荷積みモジュール100aによってプラットフォーム20側から荷積みされる貨物Pを供給されて積載し、内部空間に積載された貨物Pが貨物の荷積み/荷降ろしユニット100の貨物の荷降しモジュール100bによって荷降しされるように内部空間に積載された貨物Pを貨物の荷降しモジュール100bに供給するように構成され、積載制御部400は、このような貨物積載ユニット300の動作の制御を行うように構成される(図9を参照)。
【0033】
例えば、貨物積載ユニット300は、貨物の荷積みモジュール100aから配送出発貨物Pを同時に多数供給され、これらを別途の内部空間に積載し、積載された多数の貨物Pのうち、当該電車の駅舎が配送の目的地である配送到着貨物Pを貨物の荷降しモジュール100bに同時に多数供給するように構成され、これにより、多数の貨物Pを同時に貨物の荷積み/荷降ろしユニット100へと受け渡してなお一層速やかに貨物の荷積み/荷降ろし作業を行うことができる。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態に係る貨物の荷積み/荷降ろしユニットの構成を概念的に示す斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態に係る貨物の荷積み/荷降ろしユニットの作動状態を概念的に示す図であり、図4は、本発明の一実施形態に係る貨物の荷積み/荷降ろしユニットの構成を機能的にブロック化して示す機能ブロック図である。
【0035】
本発明の一実施形態に係る貨物の荷積み/荷降ろしユニット100は、上述したように、貨物Pを電車車両10に荷積みする貨物の荷積みモジュール100aと、貨物Pを電車車両10から荷降しする貨物の荷降しモジュール100bと、を備えてなる。
【0036】
貨物の荷積みモジュール100aは、配送出発貨物Pを電車車両10の貨物積載ユニット300に近付く第1の方向に順次に搬送する第1の荷積み搬送部110と、第1の荷積み搬送部110によって搬送される配送出発貨物Pを供給されて第1の方向とは異なる第2の方向(例えば、第1の方向と同じ平面の上に直角方向)に一列にに搬送して配置する第2の荷積み搬送部120と、貨物積載ユニット300にドッキング及びドッキング解除が可能なように形成され、第2の荷積み搬送部120に一列に配置された多数の配送出発貨物Pを供給されて貨物積載ユニット300に同時に搬送して供給する荷積みローリングプレート140と、第2の荷積み搬送部120に一列に配置された多数の配送出発貨物Pを同時に荷積みローリングプレート140に搬送して供給する荷積みシフト搬送部130と、を備えてなる。
【0037】
貨物の荷降しモジュール100bは、貨物積載ユニット300にドッキング及びドッキング解除が可能なように形成され、貨物積載ユニット300から多数の配送到着貨物Pを同時に供給されて搬送する荷降しローリングプレート180と、荷降しローリングプレート180によって搬送された多数の配送到着貨物Pを供給されて上述した第2の方向に順次に搬送する第2の荷降し搬送部160と、第2の荷降し搬送部160によって搬送される配送到着貨物Pを供給されて上述した第1の方向に順次に搬送する第1の荷降し搬送部150と、荷降しローリングプレート180に供給された多数の配送到着貨物Pを第2の方向に一列に配置された状態で同時に第2の荷降し搬送部160に搬送して供給する荷降しシフト搬送部170と、を備えてなってもよい。
【0038】
第1の荷積み搬送部110及び第2の荷積み搬送部120と、第1の荷降し搬送部150及び第2の荷降し搬送部160は、それぞれコンベヤーベルトシステムによって構成されてもよく、これとは異なる様々な機械装置によって構成されてもよい。荷積みシフト搬送部130及び荷降しシフト搬送部170は、多数の貨物Pを同時に搬送するように一方の側方向に長く形成された搬送バーが別途の駆動部132、172によって垂直及び水平方向に移動できるように構成されてもよく、搬送手順で多数の貨物Pを搬送して支持できるように別途の搬送プレート131、171が配備されてもよい。
【0039】
荷積みローリングプレート140及び荷降しローリングプレート180には、貨物Pが搬送方向に沿って滑り移動できるように多数の回転ローラー141、181が取り付けられてもよく、荷積みローリングプレート140は、電車車両10の貨物積載ユニット300に向かって斜め下向きに配置され、荷降しローリングプレート180は、貨物積載ユニット300に向かって斜め上向きに配置されてもよく。このような構成により、貨物の荷積み手順で荷積みローリングプレート140を介して貨物Pが滑り移動しながら貨物積載ユニット300に搬送され、貨物の荷降し手順では荷降しローリングプレート180を介して貨物Pが滑り移動しながら貨物積載ユニット300からプラットフォーム20側へと搬送される。
【0040】
一方、荷積みローリングプレート140及び荷降しローリングプレート180の終端には、電車車両10に向かって引き出されたり引き込まれたりする別途の延在部142、182が形成され、電車車両10がプラットフォーム20に到着した状態で延在部142、182が引き出される方式で荷積みローリングプレート140及び荷降しローリングプレート180が貨物積載ユニット300にドッキングされるように構成されてもよく、逆に、延在部142、182がローリングプレート140、180側に再び引き込まれることによりドッキングが解除されるように構成されてもよい。
【0041】
図5は、本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの構成を概念的に示す斜視図であり、図6は、本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの荷積み/荷降ろし動作を概念的に示す図であり、図7は、本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの積載モジュールに対する構成を概念的に示す平面図であり、図8は、本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの積載搬送モジュールに対する構成を概念的に示す図であり、図9は、本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニットの構成を機能的にブロック化して示す機能ブロック図である。
【0042】
本発明の一実施形態に係る貨物積載ユニット300は、貨物の荷積みモジュール100aから搬送されて供給される貨物Pを供給される荷積み積載モジュール310と、荷積み積載モジュール310の上部に配置され、貨物の荷降しモジュール100bに供給すべき貨物を積載する荷降し積載モジュール320と、荷積み積載モジュール310に供給された貨物を荷降し積載モジュールに搬送する積載搬送モジュール340と、荷降し積載モジュール320に積載された貨物を貨物の荷降しモジュール100bに搬送して供給する荷降し供給モジュール350と、を備えてなってもよい。
【0043】
また、荷積み積載モジュール310と荷降し積載モジュール320との間に配置されて貨物Pを積載する中間積載モジュール330をさらに備え、積載搬送モジュール340が荷積み積載モジュール310の貨物Pを中間積載モジュール330及び荷降し積載モジュール320に順次に搬送するように動作の制御が行われてもよい。このとき、中間積載モジュール330は、荷積み積載モジュール310と荷降し積載モジュール320との間に荷積み積み重ねられるように多数配置されてもよい。
【0044】
このとき、積載搬送モジュール340は、中間積載モジュール330に積載された貨物Pのうち、配送到達地点が現在到着予定の電車の駅舎と設定された貨物Pを荷降し積載モジュール320に搬送するように積載制御部400によって動作の制御が行われてもよい。特に、多数の中間積載モジュール330には、貨物Pの配送到達地点と電車の経路などを考慮して荷降し予定の順序の通りに上部側から貨物Pが積載されるように構成されてもよい。
【0045】
この場合、荷積み積載モジュール310、荷降し積載モジュール320及び中間積載モジュール330には各モジュール別に固有番号が付されて積載制御部400によって制御・管理が行われ、貨物Pが積載された位置については、各モジュールの固有番号を用いてどのようなモジュールに積載されたかを正確に把握できるように構成されてもよい。このために、貨物積載ユニット300には、貨物に登録されたバーコード、RFIDなどの識別コードを認識可能な識別コード認識システム(図示せず)がさらに配備されてもよい。すなわち、貨物Pが貨物積載ユニット300の荷積み積載モジュール310、荷降し積載モジュール320及び中間積載モジュール330の間を移動するが、この場合、貨物Pがどのようなモジュールに積載されているかを正確に把握して管理されるように構成されてもよい。
【0046】
荷積み積載モジュール310、荷降し積載モジュール320及び中間積載モジュール330は、図7に示すように、それぞれ貨物Pを積載可能な多数の貨物積載板301が循環経路に沿って連続して循環移動するように構成されてもよい、循環経路は、楕円形状の経路と設定されてもよく、別途のガイドレール302の形状に形成されてもよい。
【0047】
積載搬送モジュール340は、図7及び図8に示すように、貨物を据置きできるように形成され、垂直レール342に沿って上下動する昇降支持板341と、昇降支持板341を上下動させる昇降駆動部344と、昇降支持板341と貨物積載板301に対して相互間に貨物を搬送する水平搬送手段343と、を備えていてもよい。
【0048】
したがって、荷積み積載モジュール310、荷降し積載モジュール320及び中間積載モジュール330が上下に積み重ねられた状態で、それぞれ多数の貨物積載板301が循環回転移動を行い、この状態で、積載搬送モジュール340が一方の側の地点で上下動しながら貨物積載板301に貨物Pを載せ替えたり、貨物積載板301から貨物Pを移載して再び他の貨物積載板301に移動させたりしてもよい。
【0049】
すなわち、荷積み積載モジュール310、荷降し積載モジュール320及び中間積載モジュール330は、貨物積載板301が水平方向に循環移動し、積載搬送モジュール340は、昇降支持板341が垂直移動するため、これらを組み合わせると、積載搬送モジュール340が荷積み積載モジュール310、荷降し積載モジュール320及び中間積載モジュール330のすべての貨物積載板301に対して貨物Pの搬送作業を行うことが可能である。
【0050】
一方、荷降し供給モジュール350は、図6に示すように、荷降し積載モジュール320と隣り合う個所に位置するように貨物積載ユニット300の上層部に位置し、荷降し積載モジュール320に積載された貨物Pを押し出すなどの方式で荷降しローリングプレート180に供給するように構成されてもよい。このとき、荷降し供給モジュール350は、多数の貨物Pを同時に荷降しローリングプレート180に供給するように構成されてもよい。
【0051】
このような構成により、電車車両10の貨物積載ユニット300には荷積み積載モジュール310、荷降し積載モジュール320及び中間積載モジュール330が配備されて多数の貨物Pを同時に積載することができ、積載搬送モジュール340及び荷降し供給モジュール350を用いて多数の貨物Pの積載及び荷降しを効率よく行うことができ、これにより、迅速かつ正確に多量の貨物の配送を行うことができる。
【0052】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、当然のことながら、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内において様々な修正及び変形を行うことが可能である。よって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、単に説明するためのものであり、これらの実施形態によって本発明の技術思想の範囲が限定されることはない。本発明の保護範囲は、下記の請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にあるあらゆる技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
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図9