(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示層のレイアウトを記述するシグナリング情報のコンテンツは、各層のシーケンス番号、再生デバイス番号、表示領域の中央位置および縦横のサイズ、層の表示順序、表示領域に対するメディアコンテンツのアダプテーションタイプ、該層の調整可能性、透明度のうちの1つまたは複数を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のマルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示の方法。
レイアウトを更新する必要がある場合、前記サーバー端は表示レイアウトが更新されたシグナリング情報をクライアント端に送信する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のマルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示の方法。
前記表示レイアウトが更新されたシグナリング情報のコンテンツは、削除層、新たに追加する層、変更された層の表示順序、変更された層の表示変量のうちの1つまたは複数を含み、クライアント端に現在の表示をどのように変更するかを通知する、ことを特徴とする請求項3に記載のマルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示の方法。
レイアウトを更新する必要がある場合、サーバー端は記述される表示層のレイアウトを変更するシグナリング情報を送信することにより、クライアント端に現在のレイアウトを変更するように指導する、ことを特徴とする請求項3に記載のマルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示の方法。
前記サーバー端は、クライアント端にメディアコンテンツ要素の消費に対応する表示層のシグナリング情報を通知し、クライアント端はシグナリング情報を解析した後に正確な表示を実現する、ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のマルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術における問題に対し、本発明はマルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示の方法およびシステムを提供することを目的とし、新たなマルチメディアコンテンツ要素の表示に対し、新たなシグナリングメカニズムを設計し、該メカニズムはコンテンツプロバイダがクライアント端デバイスにメディアコンテンツ表示の位置、大きさ、アダプテーションタイプ、調整可能性、透明度などの情報を通知することに役立ち、表示レイアウトを簡単に更新することにより、メディアコンテンツ要素がクライアント端デバイスにおいて正確に再生されるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明に係る第一態様によれば、マルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示の方法は、
サーバー端において、1層または複数層の表示層が重畳する表示モードによりメディアコンテンツ要素を表示し、表示層のレイアウトを記述するシグナリング情報をクライアント端に送信することと、
クライアント端において、前記表示層のシグナリング情報に基づき、マルチメディアコンテンツ要素をカスタマイズ表示することと、を含む
【0007】
好ましくは、前記表示層のレイアウトを記述するシグナリング情報のコンテンツは、各層のシーケンス番号、再生デバイス番号、表示領域の中央位置および縦横のサイズ、層の表示順序、表示領域に対するメディアコンテンツのアダプテーションタイプ、該層の調整可能性、透明度のうちの1つまたは複数を含む
【0008】
さらに、レイアウトを更新する必要がある場合、前記サーバー端は表示レイアウトが更新されたシグナリング情報をクライアント端に送信する。
【0009】
好ましくは、前記表示レイアウトが更新されたシグナリング情報のコンテンツは、削除層、新たに追加する層、変更された層の表示順序、変更された層の表示変量のうちの1つまたは複数を含み、クライアント端に現在の表示をどのように変更するかを通知する
【0010】
好ましくは、レイアウトを更新する必要がある場合、サーバー端はすべての層のシグナリング情報テーブルを変更することにより、現在のレイアウトを変更する。
【0011】
好ましくは、前記サーバー端は、クライアント端にメディアコンテンツ要素の消費に対応する表示層のシグナリング情報を通知し、クライアント端はシグナリング情報を解析した後に正確な表示を実現する。
【0012】
好ましくは、前記サーバー端は、さらにメディアコンテンツに対応する表示層を記述する記述子を含み、該記述子は該メディアコンテンツに対応して表示される層番号、交換可能に表示される層番号、コピー可能に表示される層番号の情報を明瞭かつ正確に記述し、
クライアント端はサーバー端により通知されたメディアコンテンツ要素の置換可能な位置情報、コピー可能な情報に基づいて、メディアの表示層を自由に置換し、コピーすることができ、該層の調整可能か否かのタグが可能である場合、層の表示位置の大きさ、表示順序、アダプテーション方式、透明度に対して、その他のユーザの表示に影響を与えることなく、カスタマイズ調整する。
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係る第二態様によれば、前記方法を実現するためのサーバー端デバイスは、
表示層のレイアウトのレイアウト情報またはレイアウト更新情報、およびコンテンツ要素に対応する情報を取得し、取得した前記情報をシグナリング情報に作成するシグナリング配置インターフェースおよびシグナリング生成モジュールと、
正確なシグナリング情報をクライアント端デバイスに送信するために、シグナリング情報のバージョン番号を管理するシグナリングバージョン管理モジュールと、
シグナリング情報を伝送プロトコルに従ってデータパケットにパッケージし、指定のクライアント端デバイスに送信するシグナリング送信モジュールと、
を含む。
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係る第三態様によれば、前記方法を実現するためのクライアント端デバイスは、
サーバー端デバイスより送信されたシグナリング情報を含むデータパケットを受信してシグナリング情報に解析し、バージョン番号を確認し、正確なシグナリング情報をレンダーリングモジュールに伝送するシグナリングの受信および解析モジュールと、
シグナリングの受信および解析モジュールから伝送されたシグナリング情報に基づき、各表示層をレイアウトに従って正確に表示し、該当のメディアコンテンツ要素を表示層に対応するように表示するレンダーリングモジュールと、
を含む。
【0015】
前記クライアント端デバイスは、さらに、ユーザ操作インターフェースモジュールを含み、
前記ユーザ操作インターフェースモジュールは、シグナリング情報における表示層の変更可能なタグに基づき、ユーザに表示層の変更可能なタイプと範囲を通知し、取得したユーザによる表示層に対するカスタマイズ調整命令をレンダーリングモジュールに伝送して関連する調整を行うようにし、
前記レンダーリングモジュールは、ユーザ操作インターフェースモジュールの調整命令に基づき、随時に表示レイアウトを変更する。
【0016】
上記目的を達成するための本発明に係る第四態様によれば、マルチメディアコンテンツ要素向けカスタマイズ表示のシステムは、前記サーバー端デバイスおよびクライアント端デバイスを含み、
前記サーバー端デバイスは、1層または複数層の表示層が重畳する表示モードによりメディアコンテンツ要素を表示し、表示層のレイアウトを記述するシグナリング情報をクライアント端に送信し、
前記クライアント端デバイスは、サーバー端より送信された前記表示層のシグナリング情報に基づき、マルチメディアコンテンツ要素をカスタマイズ表示する。
【発明の効果】
【0017】
従来技術に比べて、本発明は以下のような好適な効果を奏する。
本発明によれば、従来のコンテンツプロバイダがソース端においてマルチメディアコンテンツを統合してからユーザに送信するビジネスモードを解決することができ、コンテンツプロバイダがユーザ端を指導してクライアント端デバイスにおいてマルチチャンネルコンテンツを組み立てて表示させるようにすることができ、簡単化した更新命令によりレイアウトを適切に調整することができる。また、本発明によれば、従来のシステムがよりカスタマイズされたメディアサービスを柔軟に提供することができない問題を解決でき、メディアサービスをそれぞれ異なる端末端デバイスや、それぞれ異なるユーザニーズの場合に適用させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に係わる用語に対し、下記のように解釈する。
MMT(Multi Media Transmission)とは、MPEGにより定義されたマルチメディア伝送プロトコルの一種である。
【0020】
PAメッセージとは、パッケージアクセス情報ファイルであり、該情報をMMTプロトコルにおける定期的に(0.5秒ごとに更新する)送信されるパッケージ解析、表示などの情報を伝送するメッセージファイルに理解することができる。
【0021】
MPテーブルとは、MPテーブルはPAメッセージに含まれるべきであり、主にメディアコンテンツが消費される基本情報を記述する。
【0022】
Assetとは、マルチメディア表示を構築するマルチメディアデータ集合であり、ここでは、ビデオストリームまたはオーディオストリームファイルなどに簡単に理解することができ、1つのAssetはエンコーディングされた後のメディアデータを携帯し、同じAsset IDを共有する1セットのMPUロジック集合である。
【0023】
MPUとは、MMTプロトコルに規定された独立するデコーディング可能な最小メディアデータ要素である。
【0024】
以下、具体的な実施例を介して本発明について詳細に説明する。以下の実施例は、いわゆる当業者が本発明についてさらに理解しやすいようにするためのものであり、いずれかの形式により本発明を限定するためのものではない。なお、いわゆる当業者であれば、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内において、本発明についてさらにいくつかの変形や改良を行うことができるが、これらはいずれも本発明の保護範囲に属することはいうまでもない。
【0025】
従来のサービスプロバイダは、往々にして、単に複数のメディアコンテンツをサーバー端により送信する前から一つのメディアコンテンツのみに組み立てているため、ユーザによる表示を指導するための複雑なシグナリングメカニズムを有しない。これはマルチチャネル、多様性のニューメディアコンテンツの消費ニーズに適合しないだけでなく、ユーザのカスタマイズ表示のニーズも満たさない。
【0026】
上記問題に対し、本発明では、サーバー端において、表示モードを1層または複数層の表示層の重畳表示であると解釈し、表示層の内部には対応するメディアコンテンツを表示する表示領域があり、各層の表示領域、層の表示順序、メディアコンテンツの表示領域に対応するアダプテーションタイプ、該層の調整可能性、透明度などの情報について記述し、クライアント端に送信する。
【0027】
レイアウトを更新する必要がある場合、サーバー端は層を削除すること、新たな層を追加すること、層の表示順序を変更すること、層の表示変量を変更することなどの方式を選択して、クライアント端に現在の表示に対してどのように変更するかを通知できる。同時に、サーバー端は全ての層の情報テーブルを変更することにより現在のレイアウトを変更することもできる。
【0028】
メディアコンテンツのドッキングの面において、クライアント端はユーザに、受信したメディアコンテンツ要素の消費に対応する層番号さえ通知すれば、正確な表示を実現できる。ユーザは、サーバー端により通知されたメディアコンテンツ要素の置換可能な位置情報、コピー可能な位置情報などに基づいてメディアの表示層を自由に置換え、コピーでき、かつ該層の調整可能か否かのタグが可能である場合、層の表示位置の大きさ、表示順序、アダプテーション方式、透明度などに対し、その他のユーザの表示に影響を与えることなく、カスタマイズ調整を行うことができる。
【0029】
以下では、具体的な実施の詳細に合わせて本発明について説明することにより、本発明の技術的解決手段をさらに理解する。
【0030】
〔1.表示レイアウトを記述するシグナリングテーブル〕
図1に示すように、該シグナリングテーブルでは表示される各表示層のシーケンス番号、再生デバイス番号、表示領域の中央位置および縦横のサイズ、表示順序、アダプテーション方式、調整可能性、透明度などの詳細情報を明瞭かつ正確に記述しなければならない。また、情報フィールドはこれらに限定されず、実際の表示ニーズに応じて記述フィールドを増やしてもよい。具体的な応用において、該シグナリングテーブルは表示の指導に用いられ、プログラムプロバイダにより制作され、規定されてもよく、例えば、サーバー端により該シグナリング情報を生成してユーザに伝送する。
【0031】
ISO/IEC 23008−1 MPEG Media Transport(MMT)標準を例にして、レイアウトを記述する表示のシグナリング情報の記述方法について紹介する。MMTにおけるシグナリングを提供するPAメッセージにおいて該シグナリングテーブルを追加し、具体的には、主に以下のような14個のフィールドを含む。
【0032】
<テーブル番号(table_id)>
該テーブルの識別子を記述する。
【0033】
<バージョン番号(version)>
該テーブルのバージョンを記述し、更新されたシグナリングテーブルには新たなバージョン番号があり、元のシグナリングテーブルを置換できる。
【0034】
<テーブル長(length)>
該テーブルのビットの長さを記述し、本フィールドの次のビットから該記述子の最後のビットまでである。
【0035】
<表示層数(number_of_layer)>
該テーブルに記述される表示層の数を記述する。
【0036】
<層番号(layer_id)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層の標識番号を記述する。
【0037】
<デバイス番号(device_id)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層に対応して表示されるデバイス番号を記述する。該番号が「0」である場合、既定のデバイスに表示されることを示す。
【0038】
<表示領域の中央位置横座標(center_x)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層におけるメディアコンテンツを表示する領域の中央位置横座標を記述する。表示領域の中央における画素の層全体の水平画素における百分率により定める。
【0039】
<表示領域の中央位置縦座標(center_y)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層におけるメディアコンテンツを表示する領域の中央位置縦座標を記述する。表示領域の中央における画素の層全体の垂直画素における百分率により定める。
【0040】
<表示領域の幅(width)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層におけるメディアコンテンツを表示する領域の幅を記述する。表示領域における画素の層全体の水平画素における百分率により定める。
【0041】
<表示領域の高さ(height)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層におけるメディアコンテンツを表示する領域の高さを記述する。表示領域における画素の層全体の垂直画素における百分率により定める。
【0042】
<表示順序(display_order)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層の全ての表示層における表示順序を記述する。該順序が「0」である場合、既定の層を示し、表記番号が小さいものは底層に位置し、表記番号が大きいものは上層に位置する。中間番号は空であってもよいが、重複してはならない。
【0043】
<アダプテーションタイプ(fitting_type)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層におけるメディアコンテンツを再生する際の画面アダプテーションタイプを記述する。アダプテーションタイプが「0」である場合、全画面を示し、即ち、MPUの解像度およびアスペクト比を変更し、引張られた後に指定の領域の全体に画面表示する。アダプテーションタイプが「1」である場合、拡大アダプテーションを示し、即ち、MPUの解像度およびアスペクト比を変更せず、幅/高がスクリーンの左右/上下の1方向にアダプテーションするまで、画面を最小から拡大し、その他の部分には黒枠を追加する。アダプテーションタイプが「2」である場合、縮小アダプテーションを示し、即ち、MPUの解像度およびアスペクト比を変更せず、幅/高がスクリーンの左右/上下の1つの方向にアダプテーションするまで、画面を最大から縮小し、その他の部分はクリッピングする。アダプテーションタイプが「3」である場合、原画面を示し、即ち、MPUの解像度およびアスペクト比を変更せず、指定領域の正中央に位置し、表示領域に適合しない場合は、不足部分に黒を追加したり超える部分をクリッピングしたりする。アダプテーションタイプが「5」である場合、パノラマを示し、即ち、パノラマビデオの再生要求により、層にアダプテーションして再生する。アダプテーションタイプは上記5つには限定されない。
【0044】
<変更可能な標識(adjust_enable_flag)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層が調整可能な標識であるか否かを記述する。該標識が「0」である場合、ユーザ端は該層に対して調整不可能であることを示し、該標識が「1」である場合、ユーザ端は該層に対してデバイス、表示領域の大きさ、位置、透明度、アダプテーションタイプなどを調整可能であることを示す。
【0045】
<透明度(transparency)>
該テーブルにおいて、現在記述される表示層の透明度を記述する。
【0046】
通常の場合、冗長を減少するために、表示方式に大きな変化がある場合のみこのシグナリングテーブルを追加することを提案するが、これを限定しない。提案する1つのフォーマットは以下の「表1」に示す通りであるが、このフォーマットには限定されない。
【表1】
【0047】
〔2.表示レイアウトを更新するシグナリングテーブル〕
該シグナリングテーブルでは、既存の表示レイアウトのもとにおいて、過剰に表示された層を削除、追加、表示順序の変更、表示パラメータの調整などの操作を行うことができる。また、その更新方式は上記に限定されず、実際の表示の必要に応じて操作方式を追加または細分化することができる。該シグナリングテーブルは上述の表示のレイアウトを記述するシグナリングテーブルのように、サーバー端により該シグナリング情報を生成し、ユーザに伝送することができる。
【0048】
ISO/IEC 23008−1 MPEG Media Transport (MMT)標準を例にして、表示のレイアウトを更新するシグナリング情報の記述方法を紹介する。MMTにおけるシグナリングを提供するPAメッセージにおいて追加された該シグナリングテーブルは、既に紹介されたフィールド以外、主に下記のような4つのフィールドを含む。
【0049】
<層削除標識(layer_delete_flag)>
削除層があるか否かを記述する。該標識が「0」である場合、削除層がないことを示し、該標識が「1」である場合、削除層があることを示す。削除層がある場合、削除層の層番号を提供しなければならない。
【0050】
<層追加標識(layer_add_flag)>
追加層があるか否かを記述する。該標識が「0」である場合、追加層がないことを示し、該標識が「1」である場合、追加層があることを示す。追加層がある場合、追加層の完全な情報を提供しなければならない。
【0051】
<層順序の変更標識(layer_display_order_flag)>
表示順序の変更が必要である層があるか否かを記述する。該標識が「0」である場合、順序の変更が必要である層がないことを示し、該標識が「1」である場合、順序の変更が必要である層があることを示す。順序の変更が必要である層がある場合、調整必要の層の層番号および新たに付与された層の表示順序を提供しなければならない。
【0052】
<層調整標識(layer_adjust_flag)>
調整層があるか否かを記述する。該標識が「0」である場合、調整層がないことを示し、該標識が「1」である場合、調整層があることを示す。調整層がある場合、調整層が調整された後のパラメータ情報を提供しなければならない。
【0053】
通常の場合、冗長を減少するために、表示方式に一部の変化がある場合にこのシグナリングテーブルを追加することを提案するが、これを限定しない。提案する1つのフォーマットは以下の「表2」に示す通りであるが、このフォーマットには限定されない。
【表2】
【0054】
〔3.メディアコンテンツに対応する表示層を記述する記述子〕
該記述子は、該メディアコンテンツに対応して表示される層番号、交換可能に表示される層番号、コピー可能に表示される層番号などの情報を明瞭かつ正確に記述しなければならない。また、情報フィールドはこれらに限定されず、実際の表示ニーズに応じて記述フィールドを増やしてもよい。該シグナリングテーブルは上述の表示のレイアウトを記述するシグナリングテーブルのように、サーバー端により該シグナリング情報を生成し、ユーザに伝送することもできる。
【0055】
ISO/IEC 23008−1 MPEG Media Transport (MMT)標準を例にして、メディアコンテンツに対応する表示層の記述方法を紹介する。MMTにおけるMPテーブルにおいてコンテンツ要素MPUを提供する記述子は、既に紹介されたフィールド以外、主に以下のような14個のフィールドを含む。
【0056】
<記述子タグ(descriptor_tag)>
該記述子のタイプを標識するタグ名であり、該記述子の属するタイプを定めることができる。
【0057】
<記述子の長さ(descriptor_length)>
該記述子のビットの長さを標識し、本フィールドの次のビットから該記述子の最後のビットまでである。
【0058】
<MPU数(number_of_mpu)>
現在のMPUの表示すべき層数を標識する。
【0059】
<MPUシーケンス番号(mpu_sequence_number)>
現在のMPUのシーケンス番号を標識し、Assetにおける第1のMPUシーケンス番号は「0」であるべきであり、後続の各MPUは「1」を追加し、シーケンス番号は1つのAsset内において唯一である。
【0060】
<MPU表示層数(number_of_mpu)>
現在のMPUの表示すべき層番号を標識する。
【0061】
<MPU交換可能な標識(layer_exchange_flag)>
現在のMPUがある層に正確に表示される場合において、その他の層に表示されるMPUと表示層を交換することが可能か否かを標識する。該標識が「0」である場合、該記述子挙げられた層番号のみに従って表示することができることを示し、該標識が「1」である場合、ユーザ端は該MPUとその他のMPUとを層の交換をして表示することができることを示す。
【0062】
<MPUのコピー可能な標識(layer_copy_flag)>
現在のMPUがある層に正確に表示される場合において、その他の層にコピーされて表示することが可能か否かを標識する。該標識が「0」である場合、該記述子に挙げられた層番号のみに従って表示することができることを示し、該標識が「1」である場合、ユーザ端は該MPUをコピーしてその他の層に表示することができることを示す。コピーして表示する場合、クライアント端は元層のMPUコンテンツを上書きすべきである。
【0063】
<MPUの交換可能な層数(number_of_exchange_layer)>
現在のMPUと層を交換して表示することができる層数を標識する。
【0064】
<MPUの交換可能な層番号(exchange_layer_id)>
現在のMPUと層を交換して表示することができる層番号を標識する。
【0065】
<MPUのコピー可能な層数(number_of_copy_layer)>
現在のMPUによりコピーされて表示することができる層数を示す。
【0066】
<MPUのコピー可能な層番号(copy_layer_id)>
現在のMPUによりコピーされて表示することができる層番号を示す。
【0067】
提案する1つのフォーマットは以下の「表3」に示すとおりであるが、このフォーマットには限定されない。
【表3】
【0068】
上記技術的特徴の説明によれば、一実施例において、マルチメディアコンテンツをカスタマイズ表示する方法の主な処理の流れは以下の通りである。
【0069】
1.サービスプロバイダが、全てのソースに対するメディアコンテンツを取得し、必要に応じて提供されたサービスによりメディアコンテンツを組み立てて表示するレイアウトを構築する。
【0070】
2.サービスプロバイダおよびメディアサーバーは表示必要のレイアウト情報を分析し、上記シグナリングテーブルのフォーマットに従ってシグナリング情報を作成し、該シグナリング情報をコンテンツ要素としてクライアント端に送信する。
【0071】
3.クライアント端は表示のシグナリング情報を解析し、表示レイアウトを記述するシグナリングテーブルに基づき、各層を順序に従ってクライアント端の表示デバイスに表示し、メディアコンテンツに対応する表示層の記述子に基づき、メディアコンテンツを該当の層において再生する。
【0072】
4.シグナリング情報が許可された場合、クライアント端はユーザにある表示層が調整可能であることを通知することができ、クライアント端はユーザコマンドに基づいて表示をカスタマイズ調整する。
【0073】
図5に示すように、本発明に係る一実施例において、上記方法を実現するためのサーバー端デバイスは、以下のようなモジュールを含む。
【0074】
<シグナリング配置インターフェースおよび生成モジュール>
該モジュールはサービスプロバイダに向けて図形またはプログラミング言語インターフェースを開放する必要があり、表示されるレイアウト情報(またはレイアウト更新情報)およびコンテンツ要素に対応する情報を取得し、該情報を本発明における要求に基づいてシグナリング情報に作成する。
【0075】
<シグナリングバージョン管理モジュール>
該モジュールはシグナリング情報のバージョン番号を管理することにより、正確なシグナリング情報がクライアント端に送信されるように確保する。
【0076】
<シグナリング送信モジュール>
該モジュールはシグナリング情報を伝送プロトコルに基づいてデータパケットにパッケージし、通信チャネルによりシグナリング情報を指定のクライアント端に送信する。
【0077】
図5に示すように、本発明に係る一実施例において、上記方法を実現するためのクライアント端デバイスは、以下のようなモジュールを含む。
【0078】
<シグナリングの受信および解析モジュール>
該モジュールは通信チャネルからシグナリング情報を含むデータパケットを正確に受信してシグナリング情報に解析することができ、バージョン番号を確認し、正確なシグナリング情報をレンダーリングモジュールに伝送することを保証する。
【0079】
<レンダーリングモジュール>
該モジュールはシグナリング情報の要求に基づき、各層をレイアウトに基づいてクライアント端の表示デバイスに正確に表示することができ、該当のメディアコンテンツ要素を層に対応するように表示すると同時に、ユーザ操作インターフェースモジュールの操作情報に基づいて、随時に表示レイアウトを変更できる。
【0080】
<ユーザ操作インターフェースモジュール>
該モジュールはシグナリング情報における層の変更可能なタグの要求により、クライアント端のソフトウェアの実行方式に基づき、ユーザに表示層の変更可能なタイプと範囲を通知し、取得したユーザによる層の表示を変更する情報をレンダーリングモジュールに伝送して関連する調整を行うようにする。
【0081】
さらに、本発明に係る一具体的な応用実施例において、それぞれ各シーンにおけるシグナリング情報の各フィールドの代入状況を挙げている。ここで、深色はAsset1のメディアソースを示す。浅色はAsset2のメディアソースを示す。
【0082】
(1)初期レイアウトは
図4Aに示す通りであり、再生コンテンツはAsset1における一部のMPUであり、アダプテーション方式は拡大アダプテーションである。
【表4】
【表5】
【0083】
(2)更新されたレイアウトは
図4Bに示すように、新たに1層が追加され、再生コンテンツはAsset2における一部のMPUであり、アダプテーション方式は全画面である。
【表6】
【表7】
【0084】
(3)
図4Cに示すように、2つのAssetにおけるMPU_consumption_descriptorはそれぞれ交換可能な層の情報が記載されているため、クライアント端は該情報に基づいて2層のコンテンツを交換して表示することができるが、サーバー端によりシグナリング情報を更新する必要はない。
【0085】
(4)
図4Dに示すように、Layer_display_update_table 1において、layer1に対する記述における変更可能な標識が「1」であるため、該層のユーザは変更することができることを示す。従って、ユーザは該層の表示領域の大きさ、中央位置、透明度などを変更することができる。
【0086】
(5)
図4Eに示すように、layer1におけるAsset2ソースの再生が完了した場合、該層内には該当のMPUに対応して表示するものがないため、該層はクライアント端から自動除去される。
【0087】
本発明は1層または複数層の表示層が重畳する表示モードを採用し、シグナリングメカニズムに基づき、サーバー端により提供されるマルチメディアサービスにおいて複数のコンテンツ要素に対する表示を指導することにより、マルチメディアの多要素コンテンツが効果的に再生できず、カスタマイズのメディアサービスを柔軟に提供できない不備を解決する。
【0088】
以上、本発明の具体的な実施例を説明したが、本発明は上記特定の実施形態に限定されず、いわゆる当業者であれば、特許請求の範囲内において様々な変形または修正を行うことができるが、これらは本発明の実質的な内容に影響を与えないことを理解すべきである。